JP6055649B2 - 積層体及びタイヤ - Google Patents
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Description
図1は、本発明の積層体の一実施形態の断面を、模式的に示した図である。
以下に、各部材の説明を行う。
本発明の積層体は、図1に示すように、無機充填剤を配合したゴム組成物を適用してなるゴム層11を備える。
前記ゴム組成物における無機充填剤の配合量については、特に限定はされないが、前記ゴム成分100質量部に対して1〜100質量部の範囲であることが好ましい。前記無機充填剤の配合量が1質量部未満の場合、前記被覆層との反応が十分でなく、密着性が低下するおそれがあり、一方、前記無機充填剤の配合量が100質量部を超えると、ゴム物性が悪化するおそれがあるためである。
また、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を混練りし、熱入れ、押出等を行うことによって製造できる。
本発明の積層体10を構成する被覆層12は、図1に示すように、前記ゴム層11に接して設けられ、シランカップリング剤を配合した塗料を硬化してなることを特徴とする。
前記被覆層の形成にシランカップリング剤を配合した塗料を用いることで、該シランカップリング剤が被覆層とゴム層中の無機充填材とを結合する役目を果たすため、従来品に比べて被覆層とゴム層との密着性を向上できる。
例えば、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、メルカプト基及びポリスルフィド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有するシランカップリング剤を用いることで、被覆層とゴム層との高い密着性を確保できる。このましくはメタクリル基、アクリル基、アミノ基、メルカプト基及びポリスルフィド基を用いることができる。具体的なシランカップリング剤としては、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
ここで、該着色剤としては、有機又は無機の顔料又は染料が使用できる。例えば、無機顔料としては、酸化チタン等が挙げられる。例えば、白色着色剤としては、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられ、赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等が挙げられ、青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられ、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等が挙げられる。なお、着色剤の使用量は、オリゴマーとモノマーの総量の1〜50質量%の範囲が好ましい。
ここで、エネルギー硬化型とは、前記塗料を塗布した後、紫外線等のエネルギー線を照射することにより硬化する塗料のことであり、光重合開始剤、オリゴマー、モノマー、前記着色剤を主要成分とし、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、分散剤等の配合剤が配合される。前記熱硬化型塗料は、熱を加えることによって反応および乾燥で硬化する塗料のことであり、ウレタン系塗料、ポリエステル系塗料等が挙げられる。
また、前記塗料は、粘度調整のため、溶剤で希釈されていてもよい。
例えば、前記紫外線硬化型塗料を、加硫済みのタイヤのゴム表面上に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポ印刷等の方法で塗布した後に、塗布層に紫外線を照射して硬化させて、タイヤの外表面に被覆層を形成することができる。また、予め紫外線硬化型塗料を、剥離フィルム等の上に塗布し、紫外線を照射して硬化させて得たフィルムをタイヤの加硫時に挿入するインモールド成型により、前記被覆層をタイヤの外表面に設けてもよい。その中でも、容易且つ確実に前記塗料の塗布が可能となる点から、インクジェット方式を用いることが好ましい。
タイヤを形成する場合には、タイヤサイドの黒色を隠ぺいするために白色層を先に形成し、その上にカラー層を1〜3色形成する。白色層は、配合する白色顔料の量にもよるが10〜40μm程度、被覆層は、5〜30μm程度が良い。
本発明の積層体は、図1に示すように、前記被覆層12上に、保護層13をさらに備えることも可能である。該保護層13は、その弾力性や、耐衝撃性、耐磨耗性等を有し、前記被覆層12を保護するための層である。
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤又はシアノアクリレート系紫外線吸収剤等、市販の紫外線吸収剤を用いることができる。
本発明によるタイヤは、上述した積層体を用いてなることを特徴とする。具体的には、図2に示すように、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部3と、該ビード部1に各々埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたカーカス5と、該カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置したベルト6とを具える。また、図1に示すタイヤは、サイドウォール部2のタイヤ外表面の一部に被覆層7を具え、該被覆層7のタイヤ内面側(図示例では、タイヤ幅方向内側)に隣接してゴム層8、タイヤ外面側に硬化型ウレタン被覆層9を具える。
(1)紫外線硬化型塗料の調製
表1に示す配合処方によって、各配合成分を混合して、紫外線硬化型塗料を調製した。
表2に示す原材料を、バンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を積層体のゴム層に適用して、図1に示す構造を有する積層体を作製した。
次に、得られた積層体の表面上に、上記(1)で調製した紫外線硬化型塗料を、膜厚が25μmになるようにインクジェット法で塗布した。そして、SUBZERO 085(UVランプシステム,インテグレーション社製,出力100W/cm)を用いて、積算光量が200mJ/cm2、ピーク照度が1200mW/cm2の条件でインク組成物(紫外線硬化型塗料)を硬化し、被覆層を形成した。積算光量及びピーク照度の測定は、紫外線光量計Power Pack(EIT社製)を用いて行った。
各サンプルの積層体を60℃の恒温槽中に48時間放置した後、被覆層に対して、JIS K5600−5−6に準拠して碁盤目密着試験を行い、被覆層の密着性を評価した。実施例10の被覆層の剥がれた碁盤目の数の逆数を100として、指数表示した。指数値が高い程、被覆層の密着性が高いことを示し、90以上で合格(○)、それ未満を不合格(×)とする。
Claims (7)
- スルフィド基を有するシランカップリング剤を含んだ塗料が硬化してなる被覆層と、
該被覆層と接して配設され、無機充填材を配合したゴム組成物を適用してなるゴム層と、
を備えることを特徴とする積層体。 - 前記ゴム組成物は、主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記ゴム組成物の老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記塗料が、エネルギー線型塗料又は熱硬化型塗料であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記エネルギー線は、紫外線であることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
- 前記被覆層は、前記塗料をインクジェット法によって塗布し、硬化してなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体を、サイドウォール部に用いてなることを特徴とするタイヤ。
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