JP5956311B2 - 積層体及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、着色層と該着色層の下に配設された下層ゴムとの密着性及び耐久性に優れる積層体、及び、該積層体を用いた空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤ等のゴム製品においても、他の成型品と同様、加飾や視認性の向上等を目的として、表面への塗装及び印刷といった着色加工が広く行われている。例えば特許文献1には、着色層の劣化を抑制しつつ、所望の加飾や視認性を確保するために、ポリウレタン層からなる着色層をサイドウォールに設けたタイヤが開示されている。
特表2004−526814号公報
しかしながら、特許文献1に開示された着色層を、タイヤのゴム部材上に適用した場合、着色層とゴムとの密着性が低く、繰り返して歪みが加えられた場合に着色層の剥離やひび割れが発生するという問題があった。
そのため本発明は、着色層と該着色層の下に配設された下層ゴムとの密着性及び加飾耐久性に優れた積層体を提供すること、並びに、該積層体を用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明による積層体は、エネルギー線硬化型塗料を硬化してなる着色層と、該着色層の下に配設され、エポキシ変性ゴムを配合したゴム組成物を適用してなる下層ゴムと、を備え、前記ゴム組成物における老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して3質量部以下であることを特徴とする。
(2)また、前記エポキシ変性ゴムは、エポキシ変性ジエン系ゴムであることが好ましい。
(3)さらに、前記エポキシ変性ジエン系ゴムは、エポキシ変性天然ゴム又はエポキシ変性ブタジエンゴムであることがより好ましい。
(4)前記ゴム組成物は、ゴム成分中、前記エポキシ変性ゴム5〜100質量%配合することが好ましい。
)前記エネルギー線硬化型塗料は、光カチオン重合性塗料であることが好ましい。
)前記エネルギー線は、紫外線又は赤外線であることが好ましい。
)前記着色層の下層として、白色インク層をさらに備えることが好ましい。
)本発明によるタイヤは、上述した積層体を、サイドウォール部に用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、所望の加飾や視認性を確保できることに加え、下層ゴムとの密着性及び加飾耐久性に優れた着色層を備える積層体、並びに、該積層体を用いたタイヤを提供できる。
本発明のゴム積層体の一実施形態について、その一部を模式的に示した断面図である。 本発明のタイヤの一実施形態について、その一部を模式的に示した幅方向断面図である。
以下、本発明の構成と限定理由を、図面を用いて説明する。
本発明による積層体は、図1に示すように、着色層13と、該着色層に接して設けられた着色層12と、を備える。
以下に、各部材の説明を行う。
(着色層)
本発明の積層体を構成する着色層は、エネルギー線硬化型塗料を硬化してなることを特徴とする。
前記エネルギー線硬化型塗料を用いることにより、所望の加飾や視認性を確保しつつ、着色層と該着色層の下に配設された下層ゴムとの密着性を向上できるとともに、該エネルギー線硬化型塗料は、熱硬化型や溶剤揮発型の塗料に比べて塗膜の硬化時間を大幅に短縮することが可能となり、また塗膜の硬化時に熱がかからないため下層ゴムの変質を防止できるという効果を奏する。
また、前記着色層は、所望の加飾や視認性を実現するため、着色剤を含む。前記着色剤は、色層を下層ゴムと異なる色にするために配合され、例えば、下層ゴムが黒色である場合は、黒色以外の着色剤が使用される。
ここで、該着色剤としては、有機又は無機の顔料又は染料が使用できる。例えば、無機顔料としては、酸化チタン等が挙げられる。例えば、白色着色剤としては、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられ、赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等が挙げられ、青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられ、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等が挙げられる。なお、着色剤の使用量は、オリゴマーとモノマーの総量の1〜50質量%の範囲が好ましい。
また、前記エネルギー線硬化型塗料とは、エネルギー線、好ましくは紫外線又は赤外線を照射することによって硬化する塗料である。具体的には、光重合開始剤、オリゴマー、モノマー及び前記着色剤を主要成分とし、更に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、分散剤等の配合剤が配合される。また、前記エネルギー線硬化型塗料は、粘度調整のため、溶剤で希釈することもできる。
前記光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤が使用される。光ラジカル重合開始剤を用いた場合の光硬化反応を以下に示す。
Figure 0005956311
ここで、光ラジカル重合開始剤は、より具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型開始剤;アシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これら光ラジカル重合開始剤は、一種単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なお、光ラジカル重合開始剤の使用量は、後述するオリゴマーとモノマーの総量の0.1〜10.0質量%の範囲が好ましい。
また、本発明では、前記エネルギー線硬化型塗料が光カチオン重合性塗料であること、つまり、前記光重合開始剤として光カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。光カチオン重合開始剤は反応性が早く、生産性を向上できることに加えて、前記下層ゴムとの密着性を改良でき、耐久性向上を期待できるからである。
光カチオン重合開始剤を用いた場合の光硬化反応を、以下に示す。
Figure 0005956311
ここで、前記光カチオン重合開始剤は、より具体的には、ヨードニウム塩系光カチオン重合開始剤と溶剤プロピレンカーボネートの3:1混合物等を挙げることができる。これら光カチオン重合開始剤は、一種単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なお光カチオン重合開始剤の使用量は、後述するオリゴマーとモノマーの総量の0.1〜10.0質量%の範囲が好ましい。
前記オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル樹脂の(メタ)アクリレート等の反応性オリゴマーの他、反応性官能基を持たない化合物も適宜使用することができる。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両方を包含する。なお、紫外線硬化型塗料中のオリゴマーの含有量は、20〜80質量%の範囲が好ましい。
前記モノマーとしては、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーが好ましい。ここで、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーは、ゴムとの密着性の向上、弾性率制御の役割を担っており、紫外線硬化型塗料の塗布液の粘度調整にも必要である。その配合量は、使用するオリゴマーによって適宜調整して決定される。上記モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート(アクリロイルモルホリン)、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の1官能性モノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーを挙げることができる。なお、紫外線硬化型塗料中のモノマーの含有量は、10〜80質量%の範囲が好ましい。
さらに、前記エネルギー線硬化型塗料に配合されるその他の配合剤は、耐候性、耐熱性等の向上、粘度調整等のため適宜配合される。
なお、前記エネルギー線硬化型塗料を用いて、前記着色層を形成する方法については特に限定されない。
例えば、前記エネルギー線硬化型塗料を、加硫済みの下層ゴム表面上に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポ印刷等の方法で塗布した後に、塗布層にエネルギー線を照射して硬化させることで、下層ゴムの外表面に着色層を形成することができる。また、予めエネルギー線硬化型塗料を、剥離フィルム等の上に塗布し、エネルギー線を照射して硬化させて得たフィルムをタイヤ等のゴム材料の加硫時に挿入するインモールド成型によって、ゴム材料表面に着色層を設けてもよい。
また、前記着色層の厚さについては、特に限定はされないが、5〜100μmの範囲であることが好ましい。5μm未満の場合、意匠性を十分に確保できないおそれがあり、一方、100μmを超えると製造コストが大きくなるためである。
さらに、前記着色層の下層として、白色インク層をさらに備えることが好ましい。白色インク層を設けることで、タイヤサイドの黒色を隠ぺいすることが可能となり、その上にカラー層を形成すれば、意匠性をより向上できるためである。前記白色層の厚さは、配合する白色顔料の量にもよるが10〜40μm程度設けることが好ましい。
(下層ゴム)
本発明の積層体は、図1に示すように、前記着色層12の下に、下層ゴム11を備え、該下層ゴムは、エポキシ変性ゴムを配合したゴム組成物を適用することを特徴とする。該下層ゴム11を構成するゴム組成物に配合されたエポキシ変性ゴムの持つ極性によって、前記エネルギー線硬化型塗料の濡れ性が向上し、さらに、前記変性ゴムのエポキシ基が着色層塗料のラジカルやカチオンと反応するため、前記下層ゴム11と前記着色層12との接着性及び加飾耐久性を大幅に向上できる。
ここで、前記エポキシ変性ゴムについては、少なくとも一部がエポキシ化変性したゴムであれば特に限定はされない。
例えば、前記着色層との接着性をより向上する点からは、エポキシ変性ジエン系ゴム、より具体的には、エポキシ変性天然ゴム又はエポキシ変性ブタジエンゴムを用いることが好ましい。
また、前記エポキシ変性天然ゴムのエポキシ化度については、10%以上であることが好ましい。
なお、前記エポキシ変性ゴムの種類については特に限定されない。例えば、エポキシ変性天然ゴムの場合、RRIM社製「NR25」等を用いることができる。
また、前記エポキシ変性ゴムの配合量は、前記ゴム組成物のゴム成分中、5〜100質量%の範囲であることが好ましい。前記配合量が5質量部未満の場合、前記エポキシ変性ゴムによる前記着色層との接着性及び加飾耐久性の向上効果を十分に得られないおそれがあるからである。
また、前記下層ゴムを構成するゴム組成物に含まれる前記エポキシ変性ゴム成分以外のゴム成分としては、天然ゴム(NR)や合成ゴムを使用することができる。ここで、合成ゴムとしては、合成ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等のジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム[臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)等]、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、本発明において、非ジエン系ゴムとは、該非ジエン系ゴムを構成するモノマー単位中のジエン系モノマー由来の単位の割合が5mol%以下のゴムを意味する。ここで、ジエン系モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。一方、非ジエン系ゴムを構成するジエン系以外(非ジエン系)のモノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブテン等が挙げられる。
また、前記下層ゴムを構成するゴム組成物は、その老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、3質量部以下であ、1.5質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部未満であることが特に好ましい。該下層ゴムに適用するゴム組成物において、老化防止剤の含有量がゴム成分100質量部に対して1.5質量部を超えると、老化防止剤の表面層への移行(ブルーム)が多くなり、前記エネルギー線硬化型塗料の硬化が阻害され、また、着色層と下層ゴムとの密着性が低下するおそれがある。一方、該下層ゴムに適用するゴム組成物において、老化防止剤の含有量がゴム成分100質量部に対して1.0質量部未満とすることで、エネルギー線硬化型塗料の硬化が特に良好となり、着色層と下層ゴムとの密着性を更に向上できる。
前記老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(AW)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
前記下層ゴムに適用するゴム組成物には、上述のゴム成分、老化防止剤の他、さらに、カーボンブラック等の充填剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、プロセスオイル、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等のゴム工業で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記下層ゴムに適用するゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
(保護層)
本発明のゴム積層体は、図1に示すように、前記着色層12上に、保護層13をさらに備えることが好ましい。該保護層13は、その弾力性や、耐衝撃性、耐磨耗性等を有し、前記着色層12を保護するための層である。
また、前記保護層は、一般に、変形しない物に対しては、無機の硬質の材料からなる種々の保護層が知られている。例えば、本発明のゴム積層体を空気入りタイヤのサイドウォール部に用いて、外部からの摩擦や衝撃に対して保護することを考えると、前記保護層としては、このような摩擦や衝撃で傷が生じないような硬質の材料からなることが好ましく、水系ウレタン樹脂よりなる保護層が特に好適である。このような水系ウレタン樹脂を、前記保護層として用いることで、弾力性があってタイヤ変形に伴う繰り返し歪に耐え、耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性に優れる保護層が得られる。したがって、悪路走行時や洗車時にも、保護層13より内側のゴム又はペイント層の傷や剥離を防止することができ、よってタイヤのサイドウォール部のゴム又はそのゴム表面上に形成された塗料よりなる装飾の美観を維持することができる。
前記水系ウレタン樹脂の一例としては、ポリオール成分及び多塩基成分を反応させて得られる水酸基含有ポリエステルと、ポリイソシアネートとを含有し、当該ポリオール成分及び多塩基成分のうちの少なくともポリオール成分は、その成分の分子内に脂環構造を有するものである水系ウレタン樹脂(ウレタン樹脂例1)があり、例えば、特開平10−234884号公報や特開2001−271027号公報に記載の水系ウレタン樹脂を適用することができる。
また、前記保護層の膜厚としては、5〜40μmの範囲とすることが好ましい。この範囲に満たないと、保護層としてのタイヤ保護の効果が十分でなく、この範囲を超えるとタイヤ変形に伴う繰り返し歪に耐えられず、保護層として割れるという点で不利である。より好ましい範囲は、10〜30μmの範囲である。
また、前記また、保護層が紫外線吸収剤を含むことが、本発明のゴム積層体をタイヤ部材として用いた場合に、ゴムや着色被膜の変色や老化を抑制し、耐候性を高めることができるので好ましい。その結果、老化防止剤の含有量を低減できるという効果もある。
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤又はシアノアクリレート系紫外線吸収剤等、市販の紫外線吸収剤を用いることができる。
また、紫外線吸収剤の配合量としては、硬化型ウレタン被膜100質量部に対して0.5〜4.0質量部の範囲とするのが好ましい。また、硬化型ウレタン被膜には、先にも述べたように紫外線吸収剤以外にも顔料、蛍光増白剤、硬化触媒、レベリング剤等を含有させることができる。
(タイヤ)
本発明によるタイヤは、上述した本発明の積層体を、サイドウォール部に用いてなることを特徴とする。
例えば、図2に示すように、前記タイヤは、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部3と、該ビード部1に各々埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたカーカス5と、該カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置したベルト6とを具え、サイドウォール部2のタイヤ外表面の一部に着色層7を具え、該着色層7のタイヤ内面側(図示例では、タイヤ幅方向内側)に隣接して下層ゴム8、タイヤ外面側に保護層9を具える。
図示例のカーカス5は、一枚のカーカスプライから構成され、また、一対のビードコア4間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア4の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明のタイヤにおいて、カーカス5のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。また、図示例のタイヤにおいては、カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト6が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるスチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するスチールコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト6を構成する。なお、図中のベルト6は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいては、ベルト6を構成するベルト層の枚数は、3枚以上であってもよい。また、図2に示すタイヤは、乗用車用タイヤであるが、本発明のタイヤはこれに限定されない。
また、図2に示すタイヤは、タイヤの最大幅部において、タイヤ側部2のタイヤ外表面に着色層7を具え、その下(タイヤ内面側)に下層ゴム8を具えるが、本発明のタイヤは、これに限定されるものではなく、例えば、タイヤ側部2のカーカス5のタイヤ幅方向外側に配置するゴムの全体が下層ゴム8であり、その上に着色層7が配置されているタイヤ等も本発明の好適態様の一つである。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜2)
・積層体の作製
表1に示す原材料を、バンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製した。その後、得られたゴム組成物を160℃、13分の条件で加硫することで、下層ゴムを作製した。
次に、得られた下層ゴムの表面上に、表2に示す紫外線硬化型塗料を、膜厚が 2 μmになるようにインクジェット法で塗布した。そして、SUBZERO 085(UVランプシステム,インテグレーション社製,出力100W/cm)を用いて、積算光量が200mJ/cm2、ピーク照度が1200mW/cm2の条件でインク組成物(紫外線硬化型塗料)を硬化した。積算光量及びピーク照度の測定は、紫外線光量計Power Pack(EIT社製)を用いて行った。これにより、着色層及び加層ゴムを備える積層体のサンプルを作製した。
(評価)
(1)着色層の耐剥離性
各積層体のサンプルを60℃の恒温槽中に48時間放置した後、着色層に対して、JIS K5600−5−6に準拠して碁盤目密着試験を行い、着色層の密着性を評価した。比較例1のタイヤの着色層の剥がれた碁盤目の数の逆数を100として、指数表示した。指数値が高い程、着色層の耐剥離性(下層ゴムとの密着性及び加飾耐久性)が高いことを示す。
(2)耐変色性(耐汚染性)
各積層体のサンプルについて、屋外にて暴露評価を行い、暴露30日後の色差と初期の色差の変化の大きさを測定し、耐汚染性の評価を行った。測定は、分光測色計(コニカミノルタ(株)製 CM−700D)を用いた。
評価については、比較例1の色差を100としたときの指数値として表示し、数値が大きいほど色差が小さく、耐汚染性が良好となる。評価結果を表1に示す。
Figure 0005956311
※0: PRIM社製 ENR25、エポキシ化度(エポキシ化率):25%
※1: RSS製 #1
※2: JSR製 BR01
※3: カーボンブラック、FEF、ヨウ素吸着量=43g/kg、DBP吸油量=121ml/100g、NSA(窒素吸着比表面積)=42m/g、旭カーボン(株)製 「旭#65」
※4: ミヨシ油脂製 MXST
※5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−p−フェニレンジアミン、大内新興化学(株)製 ノックラック6C
※6: 日本精蝋社製 オゾエース−0701
※7: 九州白水製 「ハクスイテック」
※8: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製 ノクセラーCZ−G
※9: ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学(株)製 ノクセラーDM−P
※10: 四国化成工業株式会社製 ミュークロンOT−20
※11: UV硬化型塗料はBASF社製 IRGACURE250を使用
表1の結果から、本発明の各実施例に係る積層体は、いずれも耐剥離性及び耐変色性にバランスよく優れることがわかった。一方、比較例については、実施例に比べるといずれの性能にも劣ることがわかった。
本発明によれば、着色層と該着色層の下に配設された下層ゴムとの密着性及び加飾耐久性に優れた積層体を提供できる。その結果、該積層体をタイヤに用いた場合、より長期間においてタイヤを使用することが可能となり、産業上有用な効果を奏する。
1 ビード部、2 タイヤ側部、3 トレッド部、4 ビードコア、5 カーカス、6 ベルト、7 着色層、8 下層ゴム、9 保護層、10 積層体、11 下層ゴム、12 着色層、13 保護層

Claims (8)

  1. エネルギー線硬化型塗料を硬化してなる着色層と、
    該着色層の下に配設され、エポキシ変性ゴムを配合したゴム組成物を適用してなる下層ゴムと、を備え
    前記ゴム組成物における老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して3質量部以下であることを特徴とする積層体。
  2. 前記エポキシ変性ゴムは、エポキシ変性ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記エポキシ変性ジエン系ゴムは、エポキシ変性天然ゴム又はエポキシ変性ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. 前記ゴム組成物は、ゴム成分中、前記エポキシ変性ゴム5〜100質量%配合することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  5. 前記エネルギー線硬化型塗料は、光カチオン重合性塗料であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  6. 前記エネルギー線は、紫外線又は赤外線であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  7. 前記着色層の下層として、白色インク層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体を、サイドウォール部に用いてなることを特徴とするタイヤ。
JP2012246694A 2012-11-08 2012-11-08 積層体及びタイヤ Expired - Fee Related JP5956311B2 (ja)

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