JP6063168B2 - ゴム積層体及びタイヤ - Google Patents
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Description
図1は、本発明のゴム積層体の一実施形態の断面を、模式的に示した図である。
以下に、各部材の説明を行う。
本発明のゴム積層体は、図1に示すように、加硫ゴム部材11を備える。該ゴム部材11は、後述する被膜12との密着性を確保するべく、主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分(A)を含むことを特徴とする。
ここで、「主鎖に不飽和炭素結合を有する」とは、その名の通り、ポリマーの主鎖に不飽和炭素結合(ジエン成分)を有し、本発明ではジエン成分が2mol%以上である場合をいう。
本発明のゴム積層体10を構成する被膜12は、図1に示すように、前記ゴム部材11に接して設けられ、主鎖に不飽和炭素結合を有する液状のゴム成分(B)を含むことを特徴とする。
前記主鎖に不飽和炭素結合を有する液状のゴム成分(B)を含むことにより、前記ゴム部材への濡れ性の向上及び硬化後の強伸度物性の向上が可能となる結果、所望の加飾や視認性を確保しつつ、被膜と前記加硫ゴム部材との密着性を向上できる。
ここで、「主鎖に不飽和炭素結合を有する」とは、その名の通り、ポリマーの主鎖に不飽和炭素結合(ジエン成分)を有し、本発明ではジエン成分が2mol%以上である場合をいう。
例えば、前記ポリマーの主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分は、例えば、天然ゴムや、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム等の液状ゴムが挙げられ、2種以上を混合してもよい。
その中でも、前記ゴム成分(B)は、分子量が1000〜60000の液状ゴムであることが好ましい。ゴムとの優れた密着性を得ることができるためである。
さらに、前記被膜のガラス転移点(Tg)も、前記液状ジエンゴムを配合することにより、20℃以下とすることが好ましく、0℃以下とすることがより好ましい。前記被膜のTgが20℃を超えると、上述したように、寒冷地での使用に際し、ゴムの伸びに着色層の伸びが追従できず、剥離やひび割れを発生し易くなるからである。
ここで、該着色剤としては、有機又は無機の顔料又は染料が使用できる。例えば、無機顔料としては、酸化チタン等が挙げられる。例えば、白色着色剤としては、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられ、赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等が挙げられ、青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられ、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等が挙げられる。なお、着色剤の使用量は、オリゴマーとモノマーの総量の1〜50質量%の範囲が好ましい。
例えば、前記紫外線硬化型塗料を、加硫済みのタイヤのゴム表面上に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポ印刷等の方法で塗布した後に、塗布層に紫外線を照射して硬化させて、タイヤの外表面に被膜を形成することができる。また、予め紫外線硬化型塗料を、剥離フィルム等の上に塗布し、紫外線を照射して硬化させて得たフィルムをタイヤの加硫時に挿入するインモールド成型により、前記被膜をタイヤの外表面に設けてもよい。
タイヤを形成する場合には、タイヤサイドの黒色を隠ぺいするために白色層を先に形成し、その上にカラー層を1〜3色形成する。白色層は、配合する白色顔料の量にもよるが10〜40μm程度、カラー層は、5〜30μm程度が良い。
本発明のゴム積層体は、図1に示すように、前記被膜12上に、保護層13をさらに備える。該保護層13は、その弾力性や、耐衝撃性、耐磨耗性等を有し、前記被膜12を保護するための層である。
また、前記また、保護層が紫外線吸収剤を含むことが、本発明のゴム積層体をタイヤ部材として用いた場合に、ゴムや着色被膜の変色や老化を抑制し、耐候性を高めることができるので好ましい。その結果、老化防止剤の含有量を低減できるという効果もある。
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤又はシアノアクリレート系紫外線吸収剤等、市販の紫外線吸収剤を用いることができる。
本発明によるタイヤは、上述したゴム積層体を用いてなることを特徴とする。具体的には、図2に示すように、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部3と、該ビード部1に各々埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたカーカス5と、該カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置したベルト6とを具える。また、図1に示すタイヤは、サイドウォール部2のタイヤ外表面の一部に被膜7を具え、該被膜7のタイヤ内面側(図示例では、タイヤ幅方向内側)に隣接して加硫ゴム部材8、タイヤ外面側に硬化型ウレタン被膜9を具える。
(1)紫外線硬化型塗料の調製
表1に示す配合処方によって、各配合成分を混合して、紫外線硬化型塗料を調製した。
表2に示す原材料を、バンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物をゴム積層体のゴム部材に適用して、図1に示す構造を有するゴム積層体を作製した。
次に、得られたゴム積層体の表面上に、上記(1)で調製した紫外線硬化型塗料を、膜厚が25μmになるようにインクジェット法で塗布した。そして、SUBZERO 085(UVランプシステム,インテグレーション社製,出力100W/cm)を用いて、積算光量が200mJ/cm2、ピーク照度が1200mW/cm2の条件でインク組成物(紫外線硬化型塗料)を硬化し、被膜を形成した。積算光量及びピーク照度の測定は、紫外線光量計Power Pack(EIT社製)を用いて行った。その後、表1に示す配合の2液硬化型塗料を塗布し、乾燥させることで保護層を形成した。それによって、実施例、参考例及び比較例の各サンプルのゴム積層体を作製した。
(1)被膜の硬化性
各サンプルのゴム積層体について、紫外線硬化型塗料を塗布し、紫外線を照射した後に、被膜の硬化が完了しているか否かで、塗膜の硬化性を評価した。表1中、
○は塗膜の硬化が完了していることを、
△は塗膜の硬化に若干ムラが有ることを、
×は塗膜が硬化しないことを示す。
各サンプルのゴム積層体を60℃の恒温槽中に48時間放置した後、被膜に対して、JIS K5600−5−6に準拠して碁盤目密着試験を行い、被膜の密着性を評価した。実施例10の被膜の剥がれた碁盤目の数の逆数を100として、指数表示した。指数値が高い程、被膜の密着性が高いことを示し、90以上で合格とする。
※2 (株)クラレ製LBR-305、数平均分子量:26000、Tg:−63℃
※3 (株)クラレ製L-SBR-820、数平均分子量:8500、Tg:−14℃
※4 (株)クラレ製UC-203、数平均分子量:36000、Tg:−60℃
※5 (株)クラレ製UC-102、数平均分子量:19000、Tg:−60℃
※6 日本曹達(株)製 EMA-3000、数平均分子量:3100、Tg:−25℃
※9 日本合成化学工業(株)製UV-3000B
※10 共栄社化学(株)製 ライトアクリレートHOP-A
※11 共栄社化学(株)製 ライトアクリレートL-A
※12 共栄社化学(株)製 ライトアクリレートPO-A
※13 BASF(株)製 Irgacure 184
※14 BASF(株)製 Irgacure 819
※15 日油株式会社 パーヘキサMC
※16 石原産業(株)製 CR-90
※17 日新レジン株式会社 2液ウレタンゴム ADAPTシリーズ
※18 日新レジン株式会社 2液ウレタンゴム ADAPTシリーズ
※19 アルプス化学産業株式会社 2液ウレタン接着剤 アルボン
※20 アルプス化学産業株式会社 2液ウレタン接着剤 アルボン
※21 帝国インキ製造株式会社製 溶剤乾燥型スクリーンインキ
※22 表2中のゴム配合A〜Cのうちのいずれかを示す。
※ なお、上記の数平均分子量(Mn)については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を算出した。
2 タイヤ側部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7 被膜
8 下層ゴム
9 保護層
10 積層体
11 加硫ゴム部材
12 被膜
13 保護層
Claims (9)
- 主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分(A)を含んだ加硫ゴム部材と、
該加硫ゴム部材に接して設けられ、主鎖に不飽和炭素結合を有する液状のゴム成分(B)を含む被膜と、
該被膜上に設けられた、水系ウレタン樹脂からなる保護層とを備え、
前記液状のゴム成分(B)のガラス転移点が、20℃以下であることを特徴とするゴム積層体。 - 前記被膜は、エネルギー硬化型であることを特徴とする請求項1に記載のゴム積層体。
- 前記液状のゴム成分(B)は、分子量が1000〜60000の液状ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム積層体。
- 前記液状のゴム成分(B)は、(メタ)アクリロイル変性されていることを特徴とする請求項3に記載のゴム積層体。
- 前記加硫ゴム部材の老化防止剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0〜1.5質量部であることを特徴とする請求項1に記載のゴム積層体。
- 前記加硫ゴム部材は、前記ゴム成分の15質量%以上が非ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項5に記載のゴム積層体。
- 前記保護層の厚さが、5〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載のゴム積層体。
- 前記保護層が、紫外線吸収剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム積層体。
- 請求項1〜8に記載のゴム積層体用いてなることを特徴とするタイヤ。
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