JP6055251B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP6055251B2
JP6055251B2 JP2012208684A JP2012208684A JP6055251B2 JP 6055251 B2 JP6055251 B2 JP 6055251B2 JP 2012208684 A JP2012208684 A JP 2012208684A JP 2012208684 A JP2012208684 A JP 2012208684A JP 6055251 B2 JP6055251 B2 JP 6055251B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic capacitor
epoxy resin
solid electrolytic
acid
conductive polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012208684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014063916A (ja
Inventor
義人 石北
義人 石北
公男 高瀬
公男 高瀬
和之 金本
和之 金本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Carlit Holdings Co Ltd
Original Assignee
Carlit Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Carlit Holdings Co Ltd filed Critical Carlit Holdings Co Ltd
Priority to JP2012208684A priority Critical patent/JP6055251B2/ja
Publication of JP2014063916A publication Critical patent/JP2014063916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6055251B2 publication Critical patent/JP6055251B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、固体電解質層を有する固体電解コンデンサに関する。
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、各種帯電防止剤、固体電解コンデンサ用電解質、防食塗料、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、メッキプライマー等への応用が期待されている。
これらの導電性高分子物質は、一般に溶媒に不溶あるいは難溶であり、かつ、不融であるため成形、加工が困難であるという問題があった。
このため、導電性高分子を微粒子あるいはフィラー状に部粉砕して水や有機溶剤等の分散媒に分散させることにより、成形性や加工性を向上させる技術が知られている。
固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成した構成を有するものが一般的である。
特許文献1には、固体電解質層にπ共役系導電性高分子とポリアニオンとイオン伝導性化合物とを含有するコンデンサが記載されており、固体電解質層に、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の導電性向上剤を含有させてもよいことが記載されている。
しかしながら、上述した化合物を導電性高分子溶液に含有させた溶液を用いて作製した固体電解コンデンサは、静電容量と等価直列抵抗(以下、「ESR」と略記する。)における耐熱性及び耐湿性に劣る問題があった。
以上より、静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れる固体電解コンデンサが求められていた。
特開2008−109065号公報
本発明の目的は、静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れた固体電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は鋭意検討した結果、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、固体電解質層を有する固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層が、導電性高分子とエポキシ樹脂を含有することを特徴とする固体電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、固体電解質層を有する固体電解コンデンサにおいて、
固体電解質層が、導電性高分子とアミン型エポキシ樹脂を少なくとも含有することを特徴とする固体電解コンデンサである。
第二の発明は、固体電解質層中におけるアミン型エポキシ樹脂の含有量が、1.0〜70質量%であることを特徴とする第一の発明に記載の固体電解コンデンサである。
第三の発明は、導電性高分子が、下記一般式(1)で表される重合性モノマーを用いて重合させたドーパント成分を有する導電性高分子であることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の固体電解コンデンサである。
Figure 0006055251
(式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。Zはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。)
第四の発明は、ドーパント成分が、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸からなる群より選ばれる1種であることを特徴とする第三の発明に記載の固体電解コンデンサである。
本発明によれば、静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れる固体電解コンデンサを提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
<固体電解コンデンサ>
本発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、固体電解質層を有するものであり、該固体電解質層が、導電性高分子とエポキシ樹脂を少なくとも含有することを特徴とするものである。
固体電解質層中におけるエポキシ樹脂の含有量が、1.0〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが特に好ましく挙げられる。
本願発明の固体電解コンデンサに固体電解質層には、導電性高分子とエポキシ樹脂を含有していればよい。より好ましくはエポキシ樹脂を硬化させたものを含有することが好ましく挙げられる。エポキシ樹脂を、硬化剤を用いて硬化させたものがより好ましく挙げられ、硬化させるときに、効果促進剤を用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上を組み合わせても用いてもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のエピコートシリーズ(エピコート827、エピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009)、ダウケミカル社製のDER−330、DER−301、DER−361、及び、東都化成(株)製のYD8125、YDF8170等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のエピコートシリーズ(エピコート806、エピコート807、エピコート4005P、エピコート4007P、エピコート4010P)、ダウケミカル社製のDER−330、DER−301、DER−361、及び、東都化成(株)製のYD8125、YDF8170等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のエピコート152、エピコート154、日本化薬(株)製のEPPN−201、ダウケミカル社製のDEN−438等が挙げられる。
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製のEOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1012、EOCN−1025、EOCN−1027、東都化成(株)製のYDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704等が挙げられる。
アミン型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のエピコート604、東都化成(株)製のYH−434、三菱ガス化学(株)製のTETRAD−X及びTETRAD−C、住友化学(株)製のELM−120等が挙げられる。
複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製のアラルダイトPT810、UCC社製のERL4234、ERL4299、ERL4221、ERL4206等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記硬化剤とは、エポキシ樹脂を硬化させるものであればよく、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂が好ましく挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも又は2種類以上を組み合わせても使用することができる。
エポキシ樹脂を硬化させるときに硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤としては特に制限はなく、例えば、イミダゾール等の複素環化合物やチアゾール等のヘテロ環化合物が好ましく挙げられる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは単独でも又は二種類以上を組み合わせても使用することができる。
硬化促進剤の含有量としては、エポキシ樹脂100質量部に対し、5質量部以下が好ましく挙げられ、3質量部以下であることが特に好ましく挙げられる。5質量部超の場合、安定性が低下する可能性がある。
固体電解質層にエポキシ樹脂を含有させることで、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属との密着性が向上し、また、均一な固体電解質層を形成させることが可能となる。その結果、得られる固体電解コンデンサの静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れる固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明に用いる導電性高分子は、重合性モノマーとして、アニリン、ピロール、チオフェンもしくはそれらの誘導体からなる群より選ばれる1つの化合物を用いて重合させたドーパント成分を有する導電性高分子を固体電解質層として用いることが好ましく挙げられ、特に、下記一般式(1)で表される重合性モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を用いて重合させたドーパント成分を有する導電性高分子を固体電解質層として用いることが好ましく挙げられる。
Figure 0006055251
上記(1)式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示す。Zは、それぞれ同一であっても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。
炭素数が1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基等が挙げられ、さらに好ましくは重合性の面から、メチル基、エチル基、n−プロピル基である。
前記一般式(1)により表される化合物として、具体的には、
2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(EDOT)、
2−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−メチル−EDOT)、
2−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−エチル−EDOT)、
2−プロピル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−プロピル−EDOT)、
2−イソプロピル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−イソプロピル−EDOT)、
2−ブチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−ブチル−EDOT)、
2−イソブチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−イソブチル−EDOT)、
2−ペンチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−ペンチル−EDOT)、
2−イソペンチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−イソペンチル−EDOT)、
2−ヘキシル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−ヘキシル−EDOT)、
2−イソヘキシル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−イソヘキシル−EDOT)、
2−メチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−エチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−プロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−イソプロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−ブチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−イソブチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−ペンチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−イソペンチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−ヘキシル−3,4−エチレンジチアチオフェン、2−イソヘキシル−3,4−エチレンジチアチオフェン、が挙げられる。
これらの中でも特に好ましいものは、一般式(1)中、Rが炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で、かつ、Zは酸素原子であるものであり、具体的には、
2−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−メチル−EDOT)、
2−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−エチル−EDOT)、
2−プロピル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−プロピル−EDOT)、
2−イソプロピル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−イソプロピル−EDOT)、
2−ブチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン
(2−ブチル−EDOT)、が挙げられる。
ドーパント成分としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリメチルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−フルオロベンゼンスルホン酸、3−フルオロベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、これらの中でもベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸がより好ましく挙げられる。
弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ又はこれらの合金を用いることができ、より好ましくは、アルミニウム、タンタル、ニオブが挙げられる。
これら弁作用金属の形態は、金属箔あるいはこれらを主成分とする粉末の焼結体等のものが好適に使用できる。
弁作用金属に誘電体酸化皮膜を形成させる方法としては、アジピン酸二アンモニウム水溶液等の化成液中で陽極酸化をすることで弁作用金属表面に誘電体酸化皮膜を形成させることができる。
<固体電解コンデンサの製造方法>
次に、固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
エポキシ樹脂を含有させるタイミングは任意でよく、エポキシ樹脂存在下で、導電性高分子製造用酸化剤溶液と導電性高分子モノマーを化学酸化重合させればよい。
例えば、導電性高分子製造用酸化剤溶液、導電性高分子モノマーを含む溶液、エポキシ樹脂をそれぞれ準備し、混ぜ合わせて、化学酸化重合させてもよいし、あらかじめ、エポキシ樹脂を導電性高分子製造用酸化剤溶液又は重合性モノマーを含む溶液に含有させておき、化学酸化重合させてもよい。
化学酸化重合後は、熱をかけて乾燥させて、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子とエポキシ樹脂を含有する固体電解質層を形成させることができる。
上記導電性高分子製造用酸化剤溶液とは、重合性モノマーと有機スルホン酸第二鉄を溶媒に溶解させたものである。
有機スルホン酸第二鉄としては、パラトルエンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、キシレンスルホン酸第二鉄、トリメチルベンゼンスルホン酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸第二鉄、4−フルオロベンゼンスルホン酸第二鉄、3−フルオロベンゼンスルホン酸第二鉄、4−クロロベンゼンスルホン酸第二鉄、3−クロロベンゼンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄等が挙げられ、これらの中でも特に、パラトルエンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、エトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、キシレンスルホン酸第二鉄が好ましく挙げられる。
用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられ、単独で用いてもよいし、2種類以上混合させて用いてもよい。
導電性高分子製造用酸化剤溶液における有機スルホン酸第二鉄の含有量は、30〜80質量%が好ましく挙げられ、40〜70質量%がより好ましく挙げられる。30質量%未満の場合、ポリマーに取り込まれるドーパント量が少ないため、高い電導度が得られにくく、80質量%超の場合、完全に溶媒に溶解しない可能性がある。
誘電体酸化皮膜を形成した弁作用金属上に、上述した一般式(1)で表される重合性モノマー、導電性高分子製造用酸化剤溶液、エポキシ樹脂を付着させ、所定温度にて所定時間保持することにより、導電性高分子とエポキシ樹脂を含有する固体電解質層を形成することができる。
ここで、所定温度とは、0〜200℃の範囲で任意に選択することができ、所定時間とは1分から24時間の範囲で任意に選択することができる。
重合性モノマーと導電性高分子製造用酸化剤溶液を液相にて混合することにより化学酸化重合の反応が行われるが、該重合性モノマーと導電性高分子製造用酸化剤溶液の混合質量比は40:1〜1:40、より好ましくは30:1〜1:30、さらに好ましくは20:1〜1:20の範囲とすることが好ましい。重合性モノマーの混合比率がこの範囲よりも少ない場合、ポリマーの生成量が低減し、結果として得られる固体電解コンデンサの静電容量の低下やESRの増大が招来される。また、重合性モノマーの混合比率がこの範囲よりも大きい場合、酸化力不足で重合反応が進行せず、固体電解コンデンサの電気性能が劣る欠点がある。
以下、本発明の固体電解コンデンサの製造方法について、アルミニウム巻回型コンデンサを作製する方法を具体例に挙げ、より詳しく説明する。
まず、陽極となるアルミニウム箔表面を、エッチングして粗面化させた後、陽極リードを接続し、ついでアジピン酸二アンモニウム等の水溶液中で化成処理して、誘電体酸化皮膜を形成させる。本発明を実施する上で、エッチング倍率の大きな箔を用いることにより、静電容量の大きな固体電解コンデンサを得ることができ、好ましく挙げられる。
別途、陰極リードを接続した対向陰極アルミニウム箔と、上記陽極アルミニウム箔との間に、マニラ紙等のセパレータを挟み込み、円筒状に巻き取り、ついで熱処理によりセパレータを炭化させて、巻回型のコンデンサ素子を準備する。
次に、上記コンデンサ素子の陽極箔上に、導電性高分子とエポキシ樹脂を含有する固体電解質層を先に述べた方法にて形成させる。
上記工程により、陽極アルミニウム箔の微細なエッチング孔内に、十分に充填させた固体電解質層を形成することができる。
ついで、エポキシ樹脂等を用いて、コンデンサケースを封口し、電圧を印加してエージングを行い、本発明の固体電解コンデンサを完成する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「%」は「質量%」を表し、「部」は「質量部」を表す。静電容量(C)は周波数120Hzで、等価直列抵抗(ESR)は周波数100kHzで測定した。
アルミニウム箔の表面をエッチングして粗面化させた後、カシメ付けにより、陽極リードを接続させ、ついで、10%アジピン酸二アンモニウム水溶液中、電圧5.0Vで化成処理して、表面に誘電体酸化皮膜を形成させた。
ついで、上記陽極箔と、陰極リードとを抵抗溶接により接続させた対向陰極アルミニウム箔との間に、厚さ50μmのマニラ紙をセパレータとして挟み込み、円筒状に巻き取り、次いで、温度400℃で4分間、熱処理して、マニラ紙を炭化させて、コンデンサ素子を準備した。得られたコンデンサ素子の15%アジピン酸二アンモニウム水溶液中での静電容量は450μFであった。
参考例1
重合性モノマーとして2−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン(2−エチル−EDOT)を1.0部、導電性高分子製造用酸化剤溶液として40%パラトルエンスルホン酸第二鉄/n−ブタノール溶液を3.0部、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート828、三菱化学(株))を0.5部、硬化剤として無水酸化物を0.4部、硬化促進剤としてイミダゾールを0.05部準備し、それらを混合した液にコンデンサ素子を100秒間浸漬後、45℃で1時間、200℃で20時間加熱して、化学酸化重合を行い、コンデンサ素子上にポリ−2−エチル−EDOTとエポキシ樹脂とを含有する固体電解質層を形成させた。
ついで、エポキシ樹脂を用いて、該コンデンサケースを封口し、両極に電圧4Vを印加させてエージングを行い、固体電解コンデンサを完成させた。
参考例2、実施例1
参考例1に記載のエポキシ樹脂を表1に対応するエポキシ樹脂に代えた以外は参考例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
参考例1に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を用いなかった以外は、参考例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2〜6)
参考例1に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の代わりに表1に記載の添加剤を用いた以外は、参考例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(耐熱性・耐湿性の評価方法)
耐熱性試験は、温度125℃の条件下で行い、静電容量とESRを測定した。耐湿性試験は、温度60℃、湿度95%の条件下で行い、静電容量とESRを測定した。耐熱性試験並びに耐湿性試験は500時間とした。
Figure 0006055251
表中の略語は以下の通りである。
エポキシ樹脂(A):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート828、三菱化学(株)
エポキシ樹脂(B):フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート152、三菱化学(株)
エポキシ樹脂(C):アミン型エポキシ樹脂、YH−434、東都化学(株)
添加剤(a):ペンタエリスリトール
添加剤(b):ヒドロキシエチルアクリレート
添加剤(c):ポリアクリルアミド
アクリル樹脂:アクリペットIR H−70 三菱レーヨン(株)
ポリウレタン樹脂:パンデックスT−8190N、大日本インキ化学工業(株)
表1に示すように、比較例1〜6より、実施例1の方が静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れていることがわかる。
本願発明の固体電解コンデンサは、静電容量とESRにおける耐熱性及び耐湿性に優れるため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。

Claims (4)

  1. 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、固体電解質層を有する固体電解コンデンサにおいて、
    固体電解質層が、導電性高分子とアミン型エポキシ樹脂を少なくとも含有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 固体電解質層中におけるアミン型エポキシ樹脂の含有量が、1.0〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 導電性高分子が、下記一般式(1)で表される重合性モノマーを用いて重合させたドーパント成分を有する導電性高分子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
    Figure 0006055251
    (式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。Zはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。)
  4. ドーパント成分が、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸からなる群より選ばれる1種であることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
JP2012208684A 2012-09-21 2012-09-21 固体電解コンデンサ Active JP6055251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012208684A JP6055251B2 (ja) 2012-09-21 2012-09-21 固体電解コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012208684A JP6055251B2 (ja) 2012-09-21 2012-09-21 固体電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014063916A JP2014063916A (ja) 2014-04-10
JP6055251B2 true JP6055251B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=50618874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012208684A Active JP6055251B2 (ja) 2012-09-21 2012-09-21 固体電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6055251B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6100576B2 (ja) * 2013-03-28 2017-03-22 カーリットホールディングス株式会社 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサ並びに固体電解コンデンサの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3965871B2 (ja) * 1999-08-20 2007-08-29 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2002237432A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP3878421B2 (ja) * 2001-02-20 2007-02-07 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサ用セパレータ及び固体電解コンデンサ
JP2009105171A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Nec Tokin Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5492595B2 (ja) * 2010-02-22 2014-05-14 信越ポリマー株式会社 キャパシタ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014063916A (ja) 2014-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11600449B2 (en) Layer compositions with improved electrical parameters comprising PEDOT/PSS and a stabilizer
EP2622616B1 (en) A method for improving electrical parameters in capacitors comprising pedot/pss as a solid electrolyte through a polyalkylene glycol
US9508491B2 (en) Method for improving electrical parameters in capacitors comprising PEDOT/PSS as a solid electrolyte through a polyalkylene glycol
US9390863B2 (en) Composite electrode and electrolytic capacitor
JP2010182426A (ja) 導電性高分子組成物およびその製造方法、並びに導電性高分子組成物を用いた固体電解コンデンサ
JP2007119633A (ja) 導電性高分子用ドーパント溶液、導電性高分子用酸化剤兼ドーパント、導電性組成物、固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP6055251B2 (ja) 固体電解コンデンサ
TWI483275B (zh) 電解電容器用電解質混合物、用以合成導電高分子之組成物及使用此混合物之導電高分子固態電解電容器
JP2008283136A (ja) 導電性高分子電解コンデンサ電解質及びその製造法
JP2014063915A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2011228636A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2011258808A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
CN100495602C (zh) 固体电解电容器及其制造方法
JP5557638B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液とそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
JP5656127B2 (ja) 電解質材料配合物、それから形成される電解質材料組成物、及びその使用
JP2017174915A (ja) 導電性高分子分散液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
CN112771098A (zh) 导电性高分子组合物
JP4797784B2 (ja) 固体電解コンデンサ
US10262808B2 (en) Conductive composite and capacitor utilizing the same
JP5170707B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5481639B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤とそれを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2008091589A (ja) 固体電解質、固体電解コンデンサ、及びその製造方法
JP2013161842A (ja) 重合性モノマー組成物及びそれを利用する固体電解コンデンサの製造方法
JP2011009314A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2014033133A (ja) コンデンサ用導電性ペースト及びコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6055251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250