JP2002237432A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2002237432A JP2001031993A JP2001031993A JP2002237432A JP 2002237432 A JP2002237432 A JP 2002237432A JP 2001031993 A JP2001031993 A JP 2001031993A JP 2001031993 A JP2001031993 A JP 2001031993A JP 2002237432 A JP2002237432 A JP 2002237432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極層形成時における誘電体酸化被膜のクラ
ック発生などによる固体電解コンデンサのショート不良
を低減して、歩留り向上を図る。 【解決手段】 弁金属の焼結体からなる陽極体20に、陽
極リード線21を接続する工程、陽極体に誘電体酸化被膜
22を形成する工程、誘電体酸化被膜22の上に導電性を有
する第1陰極層40を形成する工程、第1陰極層の上に電
解重合により第2陰極層50を形成する工程、第2陰極層
の上にカーボン層60及び銀ペイント層61を形成する工程
を含む固体電解コンデンサの製造方法において、陽極体
に誘電体酸化被膜を形成する工程の後、第1陰極層を形
成する工程の前に、誘電体酸化被膜上の少なくとも一部
に、第2陰極層の電解重合に用いられる給電電極80を当
てる保護層30を形成する工程を有しており、第2陰極層
を形成する工程にて、給電電極を前記保護層に当てて電
解重合を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に関するものであり、具体的には、
漏れ電流不良及びショート不良を低減できる固体電解コ
ンデンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解コンデンサ(90)は、図3に示す
ように、Ta(タンタル)やAl(アルミニウム)などの弁
金属の焼結体によって作製された陽極体(20)に、誘電体
酸化被膜(22)、第1陰極層(40)、第2陰極層(50)、カー
ボン層(60)及び銀ペイント層(61)を順次積層したもので
あり、全体を樹脂(70)で被覆している。陽極体(20)には
リード線(21)を介してリードフレーム(23)が接続され、
銀ペイント層(61)にはリードフレーム(63)が接続され、
両リードフレーム(23)(63)は、樹脂(70)の外部に引き出
されている。
【0003】陽極体(20)に用いられる弁金属とは、電解
酸化処理により、極めて緻密で耐久性を有する誘電体酸
化被膜(22)が形成される金属であり、Ta、Alの他、
Ti(チタン)、Nb(ニオブ)などがある。固体電解コン
デンサの陰極層としては、MnO2(二酸化マンガン)又
は導電性有機化合物の固体導電性材料が用いられる。導
電性有機化合物として、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分子や、T
CNQ(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)錯塩などが
挙げられる。
【0004】上記固体電解コンデンサ(90)で、第2陰極
層(50)に導電性高分子を用いたものは、以下の方法によ
って作製することができる。まず、弁金属の焼結体であ
る陽極体(20)に、陽極リード線(21)を取り付け、該陽極
体(20)に電解酸化処理を施して、陽極体(20)の表面に誘
電体酸化被膜(22)を形成する。次に、誘電体酸化被膜(2
2)の表面に化学的な重合または硝酸マンガンの熱分解な
どによって、導電性高分子または二酸化マンガンからな
る第1陰極層(40)を形成する。第1陰極層(40)は、導電
性を有し、膜質の良い第2陰極層(50)を形成しやすくす
るために設けられる。第1陰極層(40)を形成した後、電
解重合処理により第1陰極層(40)の上に第2陰極層(50)
を形成する。その後、カーボン層(60)と銀ペイント層(6
1)を順次形成することにより、固体電解コンデンサ(90)
が作製される。銀ペイント層(61)を形成した後、必要に
応じて、陽極リード線(21)及び銀ペイント層(61)に夫々
リードフレーム(23)(63)を電気的に接続し、外周を樹脂
(70)で封止する。作製された固体電解コンデンサ(90)に
は、漏れ電流や耐電圧特性を向上させるために、高温、
高湿条件下で、一定電圧を印加するエージング処理が施
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第2陰極層(50)の形成
は、上述のとおり、一般的に電解重合によって行なわれ
る。電解重合は、図4に示すように、第1陰極層(40)が
形成された素子(12)を、導電性有機化合物を含む電解重
合水溶液(84)に浸漬し、電解重合水溶液(84)中に配置し
た陰極板(81)と給電電極(80)との間に所定電流を流し
て、給電電極(80)を第1陰極層(40)の表面に接触させる
ことにより行なわれる。
【0006】この電解重合処理において、誘電体酸化被
膜(22)及び第1陰極層(40)にクラックが発生することが
あった。クラックは、耐圧の高い固体電解コンデンサほ
ど多く発生する。第1陰極層(40)に発生するクラック
は、コンデンサ特性に与える影響はさほど大きくはない
が、誘電体酸化被膜(22)にクラックが発生すると、得ら
れた固体電解コンデンサ(90)のショート不良率が非常に
高くなる問題があった。発明者の鋭意研究により、給電
電極(80)を第1陰極層(40)に接触させたときの衝撃や、
給電電極(80)が第1陰極層(40)に強く押し付けられたこ
と、さらには、給電電極(80)を第1陰極層(40)から引き
離す際に、第1陰極層(40)上に形成された第2陰極層(5
0)が、給電電極(80)と一緒に第1陰極層(40)から剥がれ
ることなどが、誘電体酸化被膜(22)のクラック発生原因
であることがわかった。
【0007】本発明の目的は、陰極層形成時における誘
電体酸化被膜のクラック発生などによる固体電解コンデ
ンサのショート不良を低減して、歩留り向上を図ること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の固体電解コンデンサ(10)の製造方法は、弁
金属の焼結体からなる陽極体(20)に、陽極リード線(21)
を接続する工程、陽極体(20)に誘電体酸化被膜(22)を形
成する工程、誘電体酸化被膜(22)の上に導電性を有する
第1陰極層(40)を形成する工程、第1陰極層(40)に給電
電極(80)を当てて、電解重合により第1陰極層(40)の上
に第2陰極層(50)を形成する工程、第2陰極層(50)の上
に、カーボン層(60)及び銀ペイント層(61)を形成する工
程、を含んでいる固体電解コンデンサの製造方法におい
て、陽極体(20)に誘電体酸化被膜(22)を形成する工程の
後、第1陰極層(40)を形成する工程の前に、誘電体酸化
被膜(22)上の少なくとも一部に、保護層(30)を形成する
工程を有しており、第2陰極層(50)を形成する工程に
て、給電電極(80)を前記保護層(30)に当てて、電解重合
を行なうものである。
【0009】また、本発明の固体電解コンデンサ(10)
は、陽極リード線(21)を取り付けた焼結体上に誘電体酸
化被膜(22)を形成してなる陽極体(20)と、陽極体の誘電
体酸化被膜(22)の上に第1陰極層(40)、第2陰極層(5
0)、カーボン層(60)及び銀ペイント層(61)を順次積層し
てなる固体電解コンデンサにおいて、誘電体酸化被膜(2
2)と第1陰極層(40)間の少なくとも一部に保護層(30)を
配備したものである。第2陰極層(50)は、給電電極(80)
を保護層(30)に接触させて電解重合することによって形
成されたものである。
【0010】
【作用及び効果】本発明の固体電解コンデンサ(10)は、
第1陰極層(40)の形成前に、予め、後工程である第2陰
極層(50)の電解重合用給電電極(80)の接触する部分に保
護層(30)を形成している。この保護層(30)を形成してお
くことにより、給電電極(80)が第1陰極層(40)に直接力
学的な衝撃を加えることなく、衝撃を保護層(30)が緩衝
するため、誘電体酸化被膜(22)のクラック発生を防止で
きる。誘電体酸化被膜(22)のクラック発生を防止できる
から、本発明の固体電解コンデンサ(10)は、クラックに
起因するショート不良の発生を低減でき、製品の信頼性
向上及び歩留りの向上を達成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の固体電解コンデ
ンサ(10)の断面図である。本発明の固体電解コンデンサ
(10)は、弁金属の焼結体からなる陽極体(20)と、該陽極
体(20)に接続された陽極リード線(21)、陽極体(20)上に
形成された誘電体酸化被膜(22)、誘電体酸化被膜(22)の
少なくとも一部に形成された保護層(30)、誘電体酸化被
膜(22)及び保護層(30)を被覆する第1陰極層(40)、第1
陰極層(40)上に形成された第2陰極層(50)、第2陰極層
(50)上に形成されたカーボン層(60)、カーボン層(60)上
に形成された銀ペイント層(61)を具える。図示の固体電
解コンデンサ(10)では、陽極リード線(21)及び銀ペイン
ト層(61)に、リードフレーム(23)(63)が夫々接続され、
固体電解コンデンサ(10)の全体は樹脂(70)にて被覆され
る。
【0012】以下、本発明の固体電解コンデンサ(10)の
製造方法について説明する。なお、本発明の特徴は、誘
電体酸化被膜(22)上の少なくとも一部に保護層(30)を形
成したことであり、それ以外の被膜等の形成方法及び材
料は、以下の説明に限定されるものではない。
【0013】<陽極体(20)>陽極体(20)は、弁金属の焼
結体から形成される。弁金属として、電解酸化処理によ
り、極めて緻密で耐久性を有する誘電体酸化被膜(22)が
形成される金属、例えば、Ta、Al、Ti、Nbを例
示できる。陽極体(20)には、接着、溶接等により陽極リ
ード線(21)が電気的に接続される。
【0014】<誘電体酸化被膜(22)>陽極リード線(21)
の取り付けられた陽極体(20)を、電解水溶液中で陽極酸
化することにより、陽極体(20)の表面に誘電体酸化被膜
(22)が形成される。
【0015】<保護層(30)>保護層(30)は、後述する第
2陰極層(50)の電解重合の際に、給電電極(80)によって
誘電体酸化被膜(22)にクラックが発生することを防止す
る。保護層(30)は、誘電体酸化被膜(22)の表面の少なく
とも一部、具体的には、電解重合の給電電極(80)が当た
る箇所に形成される。なお、保護層(30)を、給電電極(8
0)の当たる部分だけでなく、給電電極(80)の当たる面、
辺、又は誘電体酸化被膜(22)の全面に形成することもで
きる。給電電極(80)を複数箇所に接触させる場合には、
保護層(30)も複数箇所又は複数の面に形成する。保護層
(30)の厚さは、50μm〜100μmとすることが望ま
しい。なお、図1では、説明の便宜上、保護層(30)を誘
電体酸化被膜(22)から大きく突出させて描き、その上に
形成される第2陰極層(50)等も保護層(30)の形状に合わ
せて膨らませているが、実際には、保護層(30)は非常に
薄いため、第2陰極層(50)等には、保護層(30)の膨らみ
は殆んど現れない。保護層(30)は、以下に示す樹脂又は
導電性高分子から構成することができ、形成方法とし
て、塗布、滴下、浸漬、散布などが挙げられる。
【0016】樹脂を用いる場合、樹脂は、応力吸収性及
び/又は酸化吸湿性を有することが望ましい。また、粘
度が高いと、塗布する樹脂が塊となって、厚く塗布され
てしまうから、層状の保護層(30)を形成するには、樹脂
の粘度は1000cp以下が望ましく、800cp以下
がより望ましい。さらに、固形分が少ないと、給電電極
(80)が接触したときに、十分にその衝撃を受け止めるこ
とができないから、樹脂の固形分は11%以上が望まし
く、13%以上がより望ましい。なお、固形分は、重量
を電子天秤により測定した後、計算した値である。ま
た、硬度が低いと、給電電極(80)が接触したときに、保
護層(30)が傷み易く、保護層(30)を形成した十分な効果
を得ることができないから、樹脂の硬度は、80度以上
が望ましく、85度以上がより望ましい。なお、樹脂の
硬度は、硬度計により測定した値である。その種樹脂と
して、エポキシ樹脂などのポリマー樹脂を例示できる。
なお、エポキシ樹脂は絶縁性であるが、保護層(30)の上
に形成される第1陰極層(40)が導電性を有しているた
め、電解重合の際の導電性は確保できる。
【0017】導電性高分子を用いる場合、誘電体酸化被
膜(22)の修復作用を有する材料、例えば、ポリアニン、
ポリチオフェン、ポリピロール等を用いることが望まし
い。なお、ここで修復作用を有する材料とは、高電流が
流れたときの発熱による熱変化で絶縁化する作用のある
材料のことである。修復作用を有する導電性高分子を用
いることにより、給電電極(80)の接触により誘電体酸化
被膜(22)にクラックが生じても、クラック部分に高電流
が流れることによって、クラック部分の導電性高分子が
絶縁化するため、クラックが修復され、誘電体酸化被膜
(22)の絶縁性が保たれる。導電性高分子は、塗布性及び
誘電体酸化被膜(22)との結合性を高めるために、エポキ
シ等の接着性を有する樹脂を混ぜることが望ましい。導
電性高分子に接着性樹脂を混ぜる場合、導電性高分子が
10〜50wt%となるようにすることが望ましい。
【0018】<第1陰極層(40)>保護層(30)を形成した
後、公知の技術により誘電体酸化被膜(22)の表面に第1
陰極層(40)を形成する。第1陰極層(40)は、電解重合に
よる第2陰極層(50)の形成性を高めるために設けられる
層であり、導電性を有する。第1陰極層(40)は、図1に
示すように、誘電体酸化被膜(22)の表面だけでなく、保
護層(30)の表面にも形成される。
【0019】<第2陰極層(50)>第1陰極層(40)を形成
した素子(12)に、電解重合処理を施すことにより、第1
陰極層(40)の上に第2陰極層(50)を形成する。第2陰極
層(50)は、導電性有機化合物の固体導電性材料から構成
される。導電性有機化合物として、ポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分
子が挙げられる。
【0020】電解重合による第2陰極層(50)の形成方法
を図2に示す。第2陰極層(50)は、第1陰極層(40)が形
成された素子(12)を、導電性有機化合物等を含む電解重
合水溶液(84)に浸漬し、電解重合水溶液(84)中に配置し
た陰極板(81)と対極給電電極(80)との間に、給電電極(8
0)側がプラスとなるように、電源(82)から直流電流を加
え、給電電極(80)を第1陰極層(40)の表面に接触させる
ことにより行なうことができる。このとき、給電電極(8
0)は、保護層(30)が形成されている部分に接触させる。
保護層(30)は、給電電極(80)の接触の衝撃や押し付け圧
を緩衝し、誘電体酸化被膜(22)に力学的作用が直接には
加わらないように、誘電体酸化被膜(22)を保護する。ま
た、給電電極(80)を第1陰極層(40)から引き離す際の第
2陰極層(50)の剥離に対しても、誘電体酸化被膜(22)を
保護する。従って、電解重合処理において誘電体酸化被
膜(22)にクラックが発生することは殆んどない。保護層
(30)に、修復作用を有する導電性高分子を含む材料を用
いた場合には、たとえ、誘電体酸化被膜(22)にクラック
が発生しても、導電性高分子の修復作用により、クラッ
クは修復される。また、保護層(30)に絶縁材料の樹脂を
用いた場合には、誘電体酸化被膜(22)にクラックが発生
しても、樹脂の絶縁作用により、陽極体(20)と第2陰極
層(50)との絶縁性は確保される。
【0021】<カーボン層(60)及び銀ペイント層(61)>
第2陰極層(50)を形成した後、第2陰極層(50)の上に、
カーボン層(60)と銀ペイント層(61)を形成する。各層
は、例えば、カーボンペースト、銀ペーストを塗布する
ことにより形成できる。
【0022】<リードフレーム(23)(63)>陽極リード線
(21)にリードフレーム(23)を溶接等により電気的に接続
し、また、銀ペイント層(61)にリードフレーム(63)を銀
接着等により電気的に接続する。なお、図1に示すリー
ドフレーム(63)は、素子を保持するために、素子形状に
沿って予め折り曲げられている。
【0023】<樹脂(70)>リードフレーム(23)(63)を接
続した後、全体を絶縁性の樹脂(70)にて被覆、封止し
て、固体電解コンデンサ(10)が作製される。なお、樹脂
被覆は、必要に応じて実施すればよい。
【0024】<エージング処理>作製された固体電解コ
ンデンサ(10)に、高温、高湿の条件下で一定時間電圧を
印加するエージング処理を行ない、漏れ電流や耐圧特性
の特性を高める。なお、上記各層の形成工程間に、適宜
修復化成処理等を施してもよい。
【0025】
【実施例1】<供試例1>本発明の方法により、容量は
47μF、16V高耐圧の供試固体電解コンデンサ(10)
を以下の方法により作製した。Ta焼結体からなる陽極
体(20)に陽極リード線(21)を接続し、電解水溶液中で陽
極酸化により、誘電体酸化被膜(22)を形成した。得られ
た素子の誘電体酸化被膜(22)上に、薬筆を用いて、エポ
キシ樹脂を直径約2mm、厚さ70μmに塗布した。そ
の後、第1陰極層を形成し、図2に示す装置を用いて、
電解重合により第2陰極層(50)を形成した。給電電極(8
0)は、保護層(30)上に押し当てた。第2陰極層(50)を形
成した後、カーボン層(60)及び銀ペイント層(61)を順次
形成し、陽極リード線(21)及び銀ペイント層(61)に夫々
リードフレーム(23)(63)を接続し、樹脂(70)で全体を被
覆した後、エージング処理を施して、供試例1の固体電
解コンデンサ(10)を100個作製した。
【0026】<比較例1>保護層(30)は形成せず、それ
以外は、上記供試例1と同じ方法で比較例1の固体電解
コンデンサ(90)を100個作製した。
【0027】得られた供試例1及び比較例1の各固体電
解コンデンサについて、ショート不良率及びLC不良率
(漏れ電流不良率)を測定し、ショート不良及びLC不良
のない固体電解コンデンサの割合をLC歩留りとして求
めた。ショート不良率は、3999μAの電流を加えた
ときに、ショートする固体電解コンデンサの割合を示し
ており、LC不良率は、38μAの電流を加えたとき
に、漏れ電流が所定の閾値を越えた固体電解コンデンサ
の割合を示している。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1を参照すると、供試例1は、比較例1
に比べて、ショート不良率及びLC不良率の両方が小さ
く、LC歩留りが向上していることがわかる。これは、
給電電極(80)の接触部に保護層(30)を形成したためであ
り、保護層(30)によって、第2陰極層(50)の電解重合の
際に給電電極(80)から加えられる応力が吸収されて、誘
電体酸化被膜(22)のクラック発生を低減できたためであ
る。また、給電電極(80)によって、誘電体酸化被膜(22)
にクラックが発生した場合でも、エポキシ樹脂の絶縁性
により、陽極体(20)と第2陰極層(50)との絶縁性が確保
されたためである。さらに、塗布されたエポキシ樹脂の
酸化吸湿によって、塗布部分の誘電体酸化被膜(22)の劣
化を防止作用にも起因する。
【0030】
【実施例2】<供試例2>上記供試例1のエポキシ樹脂
に変えて、修復作用を有する導電性高分子であるポリピ
ロール粉末50wt%を接着性樹脂と混合した導電性高分
子ペーストを塗布した。その他の工程は、供試例1と同
じ方法を用い、供試例2の固体電解コンデンサ(10)を1
00個作製した。
【0031】<比較例2>上記比較例1と同様の方法に
より、比較例2の固体電解コンデンサ(90)を100個作
製した。
【0032】得られた供試例2及び比較例2の固体電解
コンデンサについて、実施例1と同様に、ショート不良
率、LC不良率及びLC歩留りを調べた。結果を表2に
示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2を参照すると、供試例2は、比較例2
に比べて、ショート不良率及びLC不良率の両方が小さ
く、LC歩留りが向上していることがわかる。これは、
給電電極(80)の接触部に、修復作用を有する導電性高分
子ペーストを塗布した保護層(30)を形成したためであ
る。保護層(30)によって、第2陰極層(50)の電気重合の
際に給電電極(80)から加えられる応力が吸収されて、誘
電体酸化被膜(22)のクラック発生を低減できたことと、
修復作用により発生したクラックを修復できたためであ
る。供試例1と比べて、供試例2のLC歩留りがさらに
向上したのは、供試例2の保護層(30)の修復作用による
ものである。
【0035】実施例1及び実施例2より、誘電体酸化被
膜(22)の上に保護層(30)を形成することにより、電解重
合の際の給電電極(80)との接触による誘電体酸化被膜(2
2)のクラック発生を防止して、ショート不良率、LC不
良率を低減し、LC歩留りの向上を達成できたことがわ
かる。
【0036】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解コンデンサの断面図である。
【図2】本発明の電解重合による陰極層の形成方法を示
す図である。
【図3】従来の固体電解コンデンサの断面図である。
【図4】従来の電解重合による陰極層の形成方法を示す
図である。
【符号の説明】
(10) 固体電解コンデンサ (20) 陽極体 (22) 誘電体酸化被膜 (30) 保護層 (40) 第1陰極層 (50) 第2陰極層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁金属の焼結体からなる陽極体(20)に、
    陽極リード線(21)を接続する工程、 陽極体(20)に誘電体酸化被膜(22)を形成する工程、 誘電体酸化被膜(22)の上に導電性を有する第1陰極層(4
    0)を形成する工程、 第1陰極層(40)に給電電極(80)を当てて、電解重合によ
    り第1陰極層(40)の上に第2陰極層(50)を形成する工
    程、 第2陰極層(50)の上に、カーボン層(60)及び銀ペイント
    層(61)を形成する工程、を含んでいる固体電解コンデン
    サの製造方法において、 陽極体(20)に誘電体酸化被膜(22)を形成する工程の後、
    第1陰極層(40)を形成する工程の前に、誘電体酸化被膜
    (22)上の少なくとも一部に保護層(30)を形成する工程を
    有しており、 第2陰極層(50)を形成する工程は、給電電極(80)を前記
    保護層(30)に当てて、電解重合を行なうことを特徴とす
    る固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 保護層(30)は、樹脂を含んでいる請求項
    1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 保護層(30)は、ペースト状の導電性高分
    子から形成される請求項1に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 陽極リード線(21)を取り付けた焼結体上
    に誘電体酸化被膜(22)を形成してなる陽極体(20)と、 陽極体の誘電体酸化被膜(22)の上に第1陰極層(40)、第
    2陰極層(50)、カーボン層(60)及び銀ペイント層(61)を
    順次積層してなる固体電解コンデンサにおいて、 誘電体酸化被膜(22)と第1陰極層(40)との間には、少な
    くとも一部に保護層(30)が形成されていることを特徴と
    する固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陰極層は、給電電極(80)を保護層(30)に
    接触させて電解重合することによって形成されたもので
    ある請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 保護層(30)は、粘度1000cp以下、
    固形分11%以上、硬度80度以上の樹脂からなる請求
    項4又は請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 保護層(30)は、修復作用を有する導電性
    高分子を含んでいる請求項4又は請求項5に記載の固体
    電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 保護層(30)は、導電性高分子に、導電性
    高分子が全体の10〜50wt%になるように接着性樹脂
    を混合したものである請求項7に記載の固体電解コンデ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 導電性高分子は、ポリアニリン、ポリチ
    オフェン又はポリピロールである請求項7又は請求項8
    に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 【請求項10】 陽極リード線(21)及び銀ペイント層(6
    1)には、夫々リードフレーム(23)(63)が電気的に接続さ
    れており、全体が絶縁性の樹脂(70)にて被覆されている
    請求項4乃至請求項9の何れかに記載の固体電解コンデ
    ンサ。
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