JP2014033133A - コンデンサ用導電性ペースト及びコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用導電性ペースト及びコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】均一な薄膜を形成することができるコンデンサ用導電性ペースト、及びこのような導電性ペーストを用いた小型で電気特性に優れたコンデンサを提供する。
【解決手段】コンデンサ用導電性ペーストは、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)プレゲル化剤、(E)硬化促進剤、及び(F)導電性フィラーを含有する。また、コンデンサは、そのようなコンデンサ用導電性ペーストからなる電極を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解コンデンサや積層セラミックコンデンサ等のコンデンサの用途に使用される導電性ペースト、及びそれを用いたコンデンサに関する。
固体電解コンデンサの基本素子は、一般に、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属からなる陽極体の表面を化成処理して誘電体層を形成し、その表面に導電性高分子等からなる電解質層、カーボン層、及び導電性ペーストからなる陰極層を順に形成した構造を有する。そして、陰極層を陰極リード端子に導電性接着剤を用いて接着し、陽極基体を陽極リード端子に溶接により接合するとともに、これらの外側にモールド樹脂を施すことによって、コンデンサ部品とされる。
このような固体電解コンデンサは、電解質材料として導電性高分子等からなる固体電解質を使用するため、従来の電解液を用いたコンデンサで指摘されている液漏れや蒸散といった問題がなく、また特性劣化がほとんどなく長寿命であることから、近年、その需要が急速に増大している。
また、積層セラミックコンデンサは、セラミックからなる誘電体層と内部電極を交互に複数積層した構造を有する。この積層体の端面には内部電極に電気的に接続されるように外部電極が設けられる。内部電極及び外部電極は、いずれも導電性ペーストにより形成されている。電解コンデンサに比べ静電容量が小さいとされてきた積層セラミックコンデンサも、近時の静電容量の増大は目覚ましく、低静電容量のものから高静電容量のものまで、種々の容量のコンデンサが開発されてきている。
ところで、近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、コンデンサの低背化が求められており、特に、電極の形成に使用される導電性ペーストには、均一な薄膜形成が可能であることが求められている。これにより、コンデンサの低背化のみならず、低ESR(等価直列抵抗)化も可能となる。
従来、上記導電性ペーストには、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂結合剤(バインダー)に銀や銅等の導電性フィラーを混合したものが使用されており、その塗布方法としては、ディップによる方法、すなわち、コンデンサ素子を導電性ペーストを収容した槽に浸漬して塗布する方法が一般的である。
しかし、従来の導電性ペーストは、そのレべリング性の低さから、コンデンサ素子を導電性ペースト槽から引き上げた際に面部分が厚く角部分が薄くなるなど、薄膜の均一塗布が難しいという問題があった。また、熱硬化時にも、バインダーや溶剤に由来して溶融粘度が低下する結果、導電性ペーストに液ダレ(樹脂ダレ)が生じるという問題があった。
このように従来の導電性ペーストは均一な薄膜形成に課題が残るものであった。この課題に関連し、本出願人は、有機金属レジネート化合物を用いることによってレベリング性及び膜厚コントロール性を高めた導電性ペースト、及びこれを用いたコンデンサを開発し、先に出願した(特許文献1参照。)。しかし、この組成物は有機バインダー樹脂に代えて有機金属レジネート化合物を使用するものであり、有機バインダー樹脂を用いてなお、均一な薄膜を形成し得る導電性ペーストに対するニーズは依然として存在している。
特開2005−93577号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、コンデンサの電極の形成に有用な、有機バインダー樹脂を用いてなお、均一な薄膜を形成することができる導電性ペースト、及びこのような導電性ペーストを用いた小型で電気特性に優れたコンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂にプレゲル化剤を組み合わせた導電性ペーストが、均一な薄膜形成が可能になることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の一態様に係るコンデンサ用導電性ペーストは、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)プレゲル化剤、(E)硬化促進剤、及び(F)導電性フィラーを含有することを特徴とするものである。
また、本発明の他の一態様に係るコンデンサは、上記コンデンサ用導電性ペーストからなる電極を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、有機バインダー樹脂を用いてなお、均一な薄膜を形成することができる導電性ペースト、及びこのような導電性ペーストを用いた小型で電気特性に優れたコンデンサを得ることができる。
一実施形態によるコンデンサを示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコンデンサ用導電性ペーストは、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)プレゲル化剤、(E)硬化促進剤、及び(F)導電性フィラーを含有するものである。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のグリシジル基(エポキシ基)を有するものであれば、特に限定されることはなく、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。
使用可能なエポキシ樹脂の例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いられる(B)成分のフェノール樹脂硬化剤は、従来よりエポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
使用可能なフェノール樹脂硬化剤の例としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ビフェニルノボラック樹脂、アリル変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
この(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たり、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基当量が0.5〜2.0当量となる範囲が好ましく、0.8〜1.20当量となる範囲がより好ましい。0.5当量未満であるか、または2.0当量を超える範囲では、硬化物の耐熱性、ESR(等価直列抵抗)特性等の特性が低下するおそれがある。
本発明に用いられる(C)成分の反応性希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、4−(t−ブチル)フェノールグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン等のモノグリシジル化合物、2−(3,4)−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のモノ脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
この(C)成分の反応性希釈剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、300〜500質量部の範囲が好ましく、350〜450質量部の範囲がより好ましい。300質量部未満では、粘度が上昇し、作業性が低下する。また、500質量部を超えると、硬化不良や硬化物内にボイドが生じ、電気特性が低下するおそれがある。
本発明に用いられる(D)成分のプレゲル化剤は、一定温度以上に加熱することによって、ごく短時間で導電性ペーストのゲル化を達成可能にするものである。ゲル化することによって、熱硬化時のバインダー樹脂の低粘度化による液ダレや、それに伴う基材角部分の露出等を抑制することができる。また、硬化後の塗膜の均一化や体積収縮の偏りに起因する基材(体)の反り等を抑制することができこれにより、コンデンサの低背化やESR(等価直列抵抗)のばらつきの低減が可能になり、信頼性の高いコンデンサを得ることができる。
プレゲル化剤は、導電性ペースト調製時に分散しやすい形態、例えば粉体等であることが好ましく、平均粒径0.2〜50μm、好ましくは平均粒径0.5〜30μm、より好ましくは平均粒径1〜10μmの粉体であることがより好ましい。なお、このプレゲル化剤の粉体の平均粒径は、走査型電子顕微鏡などの微細な構造を観測できる装置で撮像した写真から任意に選択した50〜100個の粒子について測定した直径(真円相当径)の平均値である。
また、プレゲル化剤は、(A)エポキシ樹脂等の他の成分に対し分散性の高いものであることが好ましい。そのような(A)エポキシ樹脂などの他の成分に分散性が高いものとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのなかでも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が特に好ましい。さらに、ゲル化効果の点から、数平均分子量が100,000〜5,000,000のものが好ましく、数平均分子量が200,000〜3,000,000のものがより好ましい。プレゲル化剤は、部分架橋物であってもよい。
プレゲル化剤の具体例としては、例えば、メタブレン(登録商標)JF−001、同JF−003、同KP−0929、同KP−930、同KP−0917(以上、三菱レイヨン(株)製 商品名)、ZEFIAC(登録商標)F−301、同F−351、同F−320、同F−340、同F−345(以上、ガンツ化成(株)製 商品名)等の(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、メタブレン(登録商標)JF−003(数平均分子量約300,000、活性温度70〜100℃)、ZEFIAC(登録商標)F−351、(活性温度70〜100℃)が、加熱時の増粘効果、ゲル化効果が高いことから好ましい。
上記プレゲル化剤は、概ね40℃未満では不活性であり、50〜130℃程度に加熱されると活性化し、導電性ペーストを急速に増粘させ、ゲル状態に至らしめるものである。
(D)成分のプレゲル化剤の配合量は、ゲル化効果や保存安定性等の観点から、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、10〜50質量部の範囲が好ましく、10〜40質量部の範囲がより好ましく、10〜35質量部の範囲がより一層好ましい。(D)成分のプレゲル化剤は、活性温度が異なる複数のプレゲル化剤を併用してもよい。
本発明に用いられる(E)成分の硬化促進剤は、上記(A)成分と(B)成分との硬化を促進することができるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
使用可能な硬化促進剤の例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールボレート塩などのイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化促進剤、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフィンボレート塩等の有機ホスフィン系硬化促進剤等が挙げられる。
また、熱カチオン硬化促進剤を添加して、硬化させることも可能である。使用可能な熱カチオン硬化促進剤の例としては、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等が挙げられる。
この(E)成分の硬化促進剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜2.0質量部の範囲が好ましく、1.0〜1.8質量部の範囲がより好ましい。0.5質量部未満では、硬化不良により電気特性、膜厚均一性等が低下するおそれがあり、また、2.0質量部を超えると、保存安定性等が低下するおそれがある。
本発明に用いられる(F)成分の導電性フィラーとしては、例えば、銀粉末、銀コート銅粉末等の表面に銀層を有する粉末、銅粉末、ニッケル粉末等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの導電性フィラーの形状は、特に限定されるものではなく、球状、フレーク状等、任意の形状であってよいが、導電性ペースト中での分散性を高め、導電性ペーストの塗布作業性を高める観点からは、平均粒径が30μm以下のものを使用することが好ましく、平均粒径が1〜15μmのものがより好ましい。ここで、導電性フィラーの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した個数積算分布における50%粒径(D50値)である。
この(F)成分の導電性フィラーの配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、1100〜1400質量部の範囲が好ましく、1200〜1300質量部の範囲がより好ましい。1100質量部未満では、導電性、作業性等が低下するおそれがあり、また、1400質量部を超えると、接着強度の低下や高弾性化によるクラックの発生等が懸念される。
本発明のコンデンサ用導電性ペーストには、以上の各成分の他、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤、消泡剤、その他の各種添加剤を、導電性ペーストの機能を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明のコンデンサ用導電性ペーストは、上述したような(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)プレゲル化剤、(E)硬化促進剤、及び(F)導電性フィラーと、必要に応じて配合される各種成分とを十分に混合した後、さらにディスパース、ニーダ、三本ロールミル等により混練処理を行い、その後、減圧脱泡することにより製造することができる。
本発明のコンデンサ用導電性ペーストは、基材(体)へ塗布した後、プレゲル化剤によるゲル化を促すため、エポキシ樹脂の硬化温度より低い温度で、かつプレゲル化剤の活性温度以上の温度、例えば150℃未満の温度で3〜60分間程度加熱して予備硬化させ、その後、エポキシ樹脂を硬化させるため、通常、150〜220℃程度の温度で10〜60分程度熱処理する。
本発明のコンデンサ用導電性ペーストは、回転式レオメータによる測定で、昇温速度10℃/分で昇温させた時のゲル化温度(貯蔵弾性率と損失弾性率の交点)が、導電性ペーストの熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)の反応ピーク温度よりも10℃以上低い温度であることが好ましい。回転式レオメータとしては、例えば、ティー・エイ・インスツルメンツ・ジャパン(株)製のレオメータAR−G2(型式)を使用することができる。ゲル化温度は、20mmφアルミ製プレートを使用し、試料1gについて測定される。また、反応ピーク温度は、例えば、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/分で測定したDSC曲線から求めることができる。
従来課題となっていた導電性ペースト硬化後の被覆面からのコンデンサ素子の露出や、膜厚のばらつき等は、硬化反応時の導電性ペーストの溶融粘度の低下による液ダレが主たる原因である。導電性ペーストのゲル化温度が反応ピーク温度より10℃以上低いと、反応時における溶融粘度の低下が起こる前に、ゲル化が起こるため、導電性ペーストの液ダレが防止され、ひいては、被覆面からのコンデンサ素子の露出や、膜厚のばらつき等が防止される。
次に、本発明のコンデンサ用導電性ペーストを用いた本発明のコンデンサの実施の形態とその製造方法を、図面を参照しながら説明する。
[コンデンサ]
図1は、本発明のコンデンサの一実施形態の固体電解コンデンサを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の固体電解コンデンサ10は、コンデンサの陽極となる陽極体1と、誘電体層2と、固体電解質層3と、カーボン層4と、陰極層5と、陽極及び陰極の各リード端子6、7と、これらを封止する封止樹脂8とを備えている。
陽極体1は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の金属箔を所定の大きさ、形状に切断したものである。厚み、大きさ、形状は、使用目的に応じて適宜定められるが、一般には、厚みは、約30〜150μmであり、大きさは、例えば、形状が矩形の場合、幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmである。
この陽極体1の表面は、表面積を大きくすることで実効面積を拡大するため、粗面化されている。そして、その粗面化された陽極体1の表面には、誘電体層2が形成されている。誘電体層2は、陽極体1の金属を酸化することで形成でき、不動態膜となるため、後述する固体電解質層3と陽極体1とを電気的に絶縁しながら、微小な距離で平行配置されたものとすることができる。
固体電解質層3は、化学的方法により製造される公知の固体電解質で形成される。この固体電解質としては、例えば、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体や、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子等が挙げられる。
固体電解質層3は、陽極体1の誘電体層2上に形成されるもので、誘電体皮膜2により陽極体1と絶縁されている。この固体電解質層3の厚みは、10〜200μmのであることが好ましい。厚みが10μmより薄いと漏れ電流特性が不良となる。一方、200μmより厚くなると、固体電解質を形成する際に用いられる溶液(重合性モノマー溶液等)が陽極体1に染み出す等の問題が生ずるおそれがある。
陰極層5は、固体電解質層3上にカーボン層4を介して設けられる。カーボン層4はカーボンペーストにより形成され、そして、陰極層5は、前述した本発明の導電性ペーストを、ディップ法等の公知の方法により塗布し、乾燥させた後、例えば150℃未満の温度で3〜60分間程度加熱して予備硬化(ゲル化)させ、その後、例えば150〜220℃程度の温度で10〜60分程度熱処理することにより形成される。
陽極リード端子6は、陽極体1から外部電極(図示なし)へ接続するための引き出し線であり、陰極リード端子7は、陰極層5から外部電極(図示なし)へ接続するための引き出し線である。これらの各リード端子6、7は、電気的な接続を確保できるものであれば公知の材料で形成でき、例えば、スズ、アルミニウム等の金属が挙げられる。ここでは、陽極リード端子6は陽極体1に溶接により接合され、陰極リード端子7は陰極層5に導電性接着剤(図示なし)を用いて接着されている。
封止樹脂8は、上記各構成要素を外部環境から保護し、その劣化速度を遅くし、かつ安定して動作させるために設けられる。この封止樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等、固体電解コンデンサの封止材料として従来より知られている樹脂が使用される。
[コンデンサの製造方法]
上記固体電解コンデンサ10を製造するには、まず、用意した陽極体1の表面を粗面化する(エッチング工程)。エッチングは、例えば、塩酸液に浸漬する方法や、塩酸水溶液中で基体を陽極として電解(電気化学的エッチング)する方法等、公知の方法を用いることができる。エッチング工程の後は、陽極体1の表面に処理液中の成分、特に塩素イオン等が残留しないように、洗浄処理を十分に行う。
次に、エッチング処理した陽極体1の表面を、化成用の電解液中に浸漬し陽極酸化することで化成処理して、陽極体1の表面に誘電体層2を形成する(誘電体層形成工程)。
化成処理は、化成用の電解液中で陽極体1に電圧を印加して行えばよい。化成用の電解液としては、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の水溶液を使用することができる。化成処理は、印加電圧が4〜20V、電解液濃度が0.05〜20質量%、温度が0〜90℃、電流密度が0.1〜200mA/cmの範囲で実施することが好ましい。
次に、誘電体層2上に固体電解質層3を形成する(固体電解質形成工程)。この固体電荷質層4は、化学重合法により形成することができる。
化学重合法は、固体電解質層3を形成する陽極体1の一部を、(1)3,4−エチレンジオキシチオフェン等の重合性モノマー化合物を含む溶液に浸漬した後、(2)酸化剤溶液に浸漬させて重合性モノマー化合物を重合させ、(3)酸化剤を洗浄により除去して、(4)乾燥する、という工程を複数回繰り返して導電性重合体層を形成するものである。
より具体的には、固体電解質層3の形成領域に、重合性モノマー溶液、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むイソプロパノール溶液に浸漬し、次に、このモノマー溶液処理した陽極体1を過硫酸アンモニウムを含む水溶液に浸漬し、これを洗浄した後、10分程度乾燥し、酸化重合を行い、これを繰り返して固体電解質層3を形成する。
ここで用いる重合性モノマー化合物としては、ピロール、チオフェン、フランまたはアニリン単位を有するものが好ましく、その濃度はイソプロパノール等を溶媒とした溶液中に、5〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
上記重合性モノマー化合物の酸化重合に使用する酸化剤としては、過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸アリカリ塩、塩化第二鉄、塩化第一銅等が使用される。酸化剤の濃度は水を溶媒とした水溶液中、10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
次に、固体電解質層3上に、カーボンペーストを塗布し、乾燥させてカーボン層4を形成した後、本発明の導電性ペーストをディップ法等の公知の方法によりカーボン層4上に塗布し、加熱等により硬化させて陰極層5を形成する(陰極形成工程)。
硬化にあたっては、まずプレゲル化剤によるゲル化を促すために、150℃未満の温度、好ましくは40℃以上150℃未満、より好ましくは100℃以上150℃未満の温度で3〜60分間程度加熱して予備硬化させ、次いで、樹脂成分の硬化のために、150〜220℃程度の温度で10〜60分程度熱処理する。
次に、陽極体1の誘電体層2が形成されていない露出部分に陽極リード端子6を溶接により接合し、陰極層5に陰極リード端子7を導電性接着剤により接着する(リード端子形成工程)。
その後、各リード端子6、7の外部電極との接続部分が露出するようにして、全体を封止樹脂8で封止する(樹脂封止工程)。これにより、固体電解コンデンサ10が製造される。
このように製造される固体電解コンデンサ10においては、薄膜で、かつ均一な膜厚の陰極層5が形成されるため、従来に比べ、低背化、低ESR化を図ることができる。
なお、本実施形態は、本発明の導電性ペーストを、固体電解コンデンサの電極(層)の形成に適用した例であるが、積層セラミックコンデンサ等の固体電解コンデンサ以外のコンデンサにも適用することができる。また、固体電解コンデンサも、図1に示すような、コンデンサ素子が1つのものに限らず、大容量化のために複数個のコンデンサ素子を積層した積層構造のものであってもよい。
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した材料は表1に示した通りである。また、「部」は特に断らない限り「質量部」を意味する。
Figure 2014033133
実施例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂5.5部及びビニルフェノール樹脂0.6部に対し、プレゲル化剤I1.8部、硬化促進剤0.1部をロール分散させた後、反応性希釈剤22部に溶解させ、粘稠な樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に導電性フィラーI70部を加え、ディスパースによる混練処理を行った後、減圧脱泡して導電性ペーストを調製した。
実施例2〜4、比較例1〜2
組成を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。なお、比較例2において、シリカ粉末は硬化促進剤とともに樹脂成分にロール分散させた。
上記各実施例および各比較例で得られた導電性ペースト、その硬化物、さらに、導電性ペーストを用いて作製したコンデンサについて、下記に示す方法で各種特性を評価し、その結果を表2に併せ示した。
<導電性ペースト>
(1)粘度
東機産業(株)製のE型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃、回転数0.5rpmの条件で測定した。
(2)チクソ性
東機産業社製のE型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃、回転数5rpmの条件で粘度(η5rpm)を測定し、上記(1)で温度25℃、回転数0.5rpmの条件で測定された粘度(η0.5rpm)との比η0.5rpm/η5rpmを算出した。
(3)ライフ性
常温保管120時間後の粘度を、東機産業(株)製のE型回転粘度計(3°コーン)を用い、温度25℃、回転数0.5rpmの条件で測定し、上記(1)で測定された粘度(初期粘度)からの保持率を算出するとともに、下記の基準で評価した。
○:変化率±5%未満
×:変化率±5%以上
(4)ゲル化温度
ティー・エイ・インスツルメンツ・ジャパン(株)製のレオメータAR−G2(型式)(20mmφアルミ製プレート、試料1g)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。ここで、ゲル化温度は貯蔵弾性率と損失弾性率の交点と定義される。
(5)反応ピーク温度
セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/分の条件でDSC曲線を測定し、そのピーク温度を求めた。
(6)塗布作業性
表面を銀メッキ処理した銅フレーム上に導電性ペーストを0.1mm塗布し、下記の基準で評価した。
○:塗布後5分以内に液ダレ発生なし
×:塗布後5分以内に液ダレ発生あり
<硬化物>
(1)接着力
(イ)初期接着力
Agめっき/Cuフレーム上に導電性ペーストを15μm厚に塗布し、その上に2mm×2mmの半導体シリコンチップをマウントし、200℃で60分間加熱硬化させて、接続サンプルを作製し、この接続サンプルについて、沖エンジニアリング(株)製のダイシェア強度測定装置を用い、25℃で測定した。
(ロ)ヒートショック後接着力保持率
(イ)と同様に作製した接続サンプルについて、ヒートショック(260℃×30秒)後の25℃における接着力を(イ)と同様にして測定し、初期接着力からの保持率を求めるとともに、下記の基準で評価した。
○:接着力保持率90%以上
△:接着力保持率70%以上90%未満
×:接着力保持率70%未満
(2)導電性
スライドガラス上に導電性ペーストを厚さ15μm、幅2mm、長さ5mmに印刷し、200℃で60分間加熱硬化させ、この硬化物の体積抵抗率を25℃の条件でデジタルマルチメータを用いて測定するとともに、下記の基準で評価した。
○:体積抵抗率5×10−4Ω・cm未満
×:体積抵抗率5×10−4Ω・cm以上
(3)弾性
40mm×5mm×20mmの硬化物サンプルを作製し(加熱硬化条件:200℃×60分間)、セイコーインスツル(株)製の動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、25℃における弾性率を測定するとともに、下記の基準で評価した。
○:弾性率9GPa未満
△:弾性率9GPa以上12GPa未満
×:弾性率12GPa以上
<コンデンサ>
(1)ESR(等価直列抵抗)
(イ)初期ESR
導電性ペーストを陰極層材料としてコンデンササイズ3225(3.2mm×2.5mm)の固体電解コンデンサを作製し(導電性ペーストの加熱硬化条件:200℃×60分間)、横川電機(株)製のLCRメーターを用い、25℃で測定した。
(ロ)ヒートショック後ESR保持率
(イ)と同様に作製したコンデンサについて、ヒートショック(260℃×30秒)後の25℃におけるESRを(イ)と同様にして測定し、初期ESRからの保持率を求めるとともに、下記の基準で評価した。
○:変化率±5%未満
×:変化率±5%以上
(2)塗布後の外観
(イ)膜厚均一性
(1)で作製したコンデンサの断面をマイクロスコープ(倍率100倍)で観察し、コンデンサの中心部と、その中心部から50μm離れた場所2か所の、計3か所で導電性ペースト膜の膜厚を測定し、下記の基準で評価した。
○:膜厚差10μm未満
△:膜厚差10μm以上20μm未満
×:膜厚差20μm以上
(ロ)エッジカバーリング性
(1)で作製したコンデンサの断面をマイクロスコープ(倍率100倍)で観察し、下角部における導電性ペースト膜の有無から、下記の基準で評価した。
○:角部の被覆あり
×:角部の被覆なし
Figure 2014033133
表2からも明らかなように、実施例に係る導電性ペーストは、硬化後の膜厚均一性、薄膜性、及び低ESR化に優れており、このような導電性ペーストを用いることにより、小型で電気特性に優れたコンデンサを得ることができることが確認された。
1…陽極体、2…誘電体層、3…固体電解質層、4…カーボン層、5…陰極層、6…陽極リード端子、7…陰極リード端子、8…封止樹脂、10…コンデンサ

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)反応性希釈剤、(D)プレゲル化剤、(E)硬化促進剤、及び(F)導電性フィラーを含有することを特徴とするコンデンサ用導電性ペースト。
  2. 前記(D)プレゲル化剤が、数平均分子量100,000〜5,000,000の(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用導電性ペースト。
  3. 回転式レオメータによる測定で、昇温速度10℃/分で昇温させた時のゲル化温度が、硬化反応ピーク温度より10℃以上低いことを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサ用導電性ペースト。
  4. (A)成分100質量部あたり、(D)成分のプレゲル化剤を10〜50質量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコンデンサ用導電性ペースト。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のコンデンサ用導電性ペーストからなる電極を備えることを特徴とするコンデンサ。
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