JP2009146584A - 導電性ペースト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い導電性と良好な密着性を備えるとともに優れた信頼性を有する電極を形成することのできる導電性ペースト組成物を提供すること。
【解決手段】銀粉末と加熱硬化性成分と溶剤とを含んでいる。前記加熱硬化性成分が、エポキシ当量が2000ないし3500g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量が1000g/eq以下で粘性率が10ないし100mPa・sの多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂と、硬化剤とを含有し、前記多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂が、特定の構造式を有するアルキルジオール系または特定の構造式を有するポリエチレングリコール系で、前者のメチレン基及び後者のオキシエチレン基の繰り返し数が3ないし9であり、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂対多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂の重量混合比率が、1対1ないし1対3である。
【選択図】なし

Description

本発明は導電性ペースト組成物に関し、より詳しくは、電極または電気配線の形成に使用される導電性ペースト組成物であって、フィルム、基板、電子部品等の基材に塗布または印刷して塗膜を形成し、これを加熱硬化させることにより、優れた接着性と導電性を備えるとともに電気信頼性の良好な電極を形成することのできる導電性ペースト組成物に関するものである。
加熱硬化型導電性ペーストを、フィルム、基板、電子部品等の基材に塗布または印刷し、これを加熱して乾燥・硬化させることにより、電極や電気配線等を形成するという方法は、従来から広く用いられている。しかし、近年の電子機器の高性能化に伴い、導電性ペーストを用いて形成される電極や電気配線等には、より低抵抗でより信頼性が高いことが要求され、その要求は年々厳しくなっている。また、高温処理により特性が劣化するような電子部品等に電極を形成する場合、例えば、アモルファスシリコン層を有する太陽電池の集電電極を形成する場合、銀などの貴金属粉末とエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる導電性ペーストを電子部品等に印刷し、これを比較的低温で加熱硬化する方法が用いられるが、その密着性と導電性が変換効率に与える影響が大きいことから、より変換効率を上げるために、密着性に優れ且つより低抵抗であることが要求されている。
このような要求に応えるべく、低抵抗化と電子部品等への良好な密着性を目指した導電性ペーストとして、次に説明するようなものが提案されている。
すなわち、特許文献1には、銀粉末と、加熱硬化性成分としてブロック化ポリイソシアネート化合物とエポキシ樹脂と硬化剤を含有する導電性ペースト組成物が開示されており、ブロック化ポリイソシアネート化合物の硬化収縮によって銀粉末を密に接触させて低抵抗化し、エポキシ樹脂により高密着性を得ることができると記載されている。
また、特許文献2には、銀粉末と、加熱硬化性成分として分子量が900以上のエポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化に最低限必要な添加量の2倍以上のイミダゾール系硬化剤を含有する導電性ペースト組成物が開示されており、分子量900以上の高分子化合物の緩やかな硬化により半田付け性を確保し、その硬化に最低限必要な添加量の2倍以上のイミダゾール系硬化剤を含有することにより、所定の端子引張強度を確保することができると記載されている。
さらに、特許文献3には、銀粉末と、エポキシ当量が1000以下のエポキシ樹脂とエポキシ当量が1500以上のエポキシ樹脂を重量混合比率で30対70ないし90対10の比率で配合してなるものと、さらに溶剤と硬化材とを含有する導電性ペースト組成物が開示されており、エポキシ当量が1000以下のエポキシ樹脂とエポキシ当量が1500以上のエポキシ樹脂を適正比率で配合することにより、密着性と低抵抗を達成することができると記載されている。
特開2002−161123号公報 特開平8−92506号公報 特開2006−40708号公報
ところで、従来から導電性ペーストで形成した電極の信頼性を向上させるための方法として、電極のメッキ処理、電極への封止樹脂のコーティング等の処理が行われているが、コスト低減のためにこれらの工程を削減することが叫ばれており、信頼性の向上とは相反する動きである。
この点で、特許文献1に記載された導電性ペーストは、ブロック化ポリイソシアネート化合物を含み、加熱硬化後にはウレタン化合物となるが、一般にウレタン化合物は湿分により劣化して密着性が低下するという特性があるから、信頼性に関して必ずしも十分に満足できるとは言えない。
また、特許文献2に記載された導電性ペーストは、樹脂成分として分子量900以上のエポキシ樹脂を使用しているが、分子量900以上のエポキシ樹脂であってもエポキシ当量がコントロールされていない場合、例えば、エポキシ当量が500〜1000のエポキシ樹脂を使用すると、加熱硬化時のペーストの収縮により発生した内部応力が原因で、そのペーストからなる電極が基材から剥がれることがあるので、この場合も信頼性に関する問題がある。
さらに、特許文献3に記載された導電性ペーストは、エポキシ当量の異なるエポキシ樹脂を組み合わせることにより密着性と抵抗値の改善を図っているが、その実施例で使用されたエポキシ樹脂はビスフェノール型エポキシ樹脂であって、導電性ペーストの加熱硬化により得られた配線パターンの抵抗率は、1.3×10-5Ωcmないし1.5×10-5Ωcmであって、銀の抵抗率1.59×10-6Ωcmより1桁も高く、昨今のアモルファス系シリコン太陽電池の電極の要求レベル(1.0×10-5Ωcm未満)を満足することはできない。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い導電性と良好な密着性を備えるとともに優れた信頼性を有する電極を形成することのできる導電性ペースト組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の導電性ペースト組成物は、銀粉末と加熱硬化性成分と溶剤とを含む導電性ペースト組成物において、前記加熱硬化性成分が、エポキシ当量が2000ないし3500g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量が1000g/eq以下で粘性率が10ないし100mPa・sの多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂と、硬化剤とを含有し、前記多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂が、以下の化3の構造式を有するアルキルジオール系または以下の化4の構造式を有するポリエチレングリコール系で、化3の構造式と化4の構造式におけるnが3ないし9であり、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂対多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂の重量混合比率が、1対1ないし1対3であることを特徴としている。
Figure 2009146584
Figure 2009146584
本発明におけるエポキシ当量は、JISK−7236に従って求めることができる。
本発明の導電性ペースト組成物は、加熱硬化性樹脂として、エポキシ当量が2000ないし3500g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量が1000g/eq以下で粘性率が10ないし100mPa・sの多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂とを適正比率で含有しているので、フィルム、基板、電子部品等の基材に印刷または塗布して塗膜を形成し、これを加熱硬化することにより、良好な密着性を備えることはもちろん、導電性に優れた電極を形成することができる。この理由は、以下のように考えられる。
加熱硬化性樹脂として、比較的高分子量で高エポキシ当量のビスフェノールA型エポキシ樹脂のみを含有する場合、加熱硬化時の収縮量が少なく、銀粉末同士の接触部分が少なくなるので、抵抗率が高くなる。
一方、加熱硬化性樹脂として、比較的低分子量で低エポキシ当量の多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂のみを含有する場合、加熱硬化時の収縮量が大きくて、収縮により発生した内部応力が電極内に残存し、基材からの電極の剥離が生じたり、剥離部分から水分が浸透して、電極の密着性が低下する。
そこで、本発明のように、比較的高分子量で高エポキシ当量のビスフェノールA型エポキシ樹脂と比較的低分子量で低エポキシ当量の多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂とをともに配合することにより、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は十分に収縮する多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂に付随して適度に収縮するので、加熱硬化時の収縮により発生する内部応力は小さくて、電極の密着性を維持しつつ、しかも、樹脂の収縮率は高いので、銀粉末同士の接触部分が多くなり、抵抗率は低くなる。
このように、低抵抗であるという顕著な特徴を有する本発明の導電性ペーストは、特に、アモルファス太陽電池の電極形成用に好適である。現在、太陽電池は結晶系シリコン電池が主流であるが、セル基板になるウェハーの厚さが約200μmであり、割れやすく、取り扱いに特別の注意が必要であるという煩雑さと、単結晶シリコン太陽電池の場合、セルとしての単位面積当たりの性能は優れているが、必ずしもそのままモジュール性能に反映されないという面があり、多結晶シリコン太陽電池の場合、結晶粒界や粒内欠陥のような結晶欠陥により太陽電池の性能を低下させやすいという欠点がある。
一方、アモルファス系シリコン太陽電池は、シランガスをプラズマCVD法で基板上に蒸着する方法であり、シランガスに高エネルギーを与えてシリコンと水素に分解し、アモルファス状のシリコンを基板に堆積させて製膜して得られる。アモルファスシリコンの製膜厚さは1μm以下(約0.4μm)といわれており、結晶系の厚みの約1千分の1で、極めて薄いという特徴があるので、割れることはなく柔軟性がある。また、一般に、太陽電池は温度が上昇すると出力は低下するが、アモルファス系は、いわゆるアニール現象により温度が上昇しても出力が低下しないという特徴がある。従って、太陽電池kW当たりの年間発電量(kWh)は結晶系より10%程度多くなる傾向にある。そこで、近年、アモルファス系シリコン太陽電池が注目されているが、その基板に導電性ペーストを印刷して焼成することにより電極を形成する場合、高温では焼成できない。そのために、比較的低温で(約200℃前後)焼成可能な熱硬化性樹脂を含有する導電性ペーストが用いられているのであるが、従来の導電性ペーストを用いた場合、銀の抵抗率に比べて1桁以上抵抗値が高くて、光電変換効率を低下させるので、アモルファス系シリコン太陽電池に用いてもその特徴を十分に生かすことができない。
一方、本発明によれば、銀粉末により近い低抵抗の電極を形成しうるので、アモルファス系シリコン太陽電池の電極形成用として用いた場合、従来のものに比べて飛躍的に光電変換効率の高い太陽電池を提供することが可能になる。
以下に、本発明を構成する各要件の好ましい実施形態ならびに成分限定理由について説明する。
(1)銀粉末
本発明に用いる銀粉末としては、フレーク状銀粉末および球状銀粉末の両者を使用し、フレーク状銀粉末の平均粒径は3〜20μm、球状銀粉末の平均粒径は0.1〜5μmの範囲であるのが好ましい。
フレーク状銀粉末のみを使用した場合、銀粒子間の接触面積を大きくすることができるので、高い導電性を期待することができる。しかし、フレーク状銀粉末の製造過程で使用される滑剤による接着性および導電性の低下を避けることができない。また、フレーク状銀粉末の形状に起因して硬化物の厚みを大きくするのが困難で、電気配線を形成した際に配線の抵抗値が期待したほど低くならないことがある。そこで、これらの欠点を改善するために、球状銀粉末を併用するのが好ましい。一方、球状銀粉末のみを使用した場合、フレーク状銀粉末に比して銀粒子間の接触面積が小さいため、抵抗率が上昇するという不都合な点がある。
フレーク状銀粉末の平均粒径が3μmより小さいと、粘度が高くなり、ペースト化が困難となるので好ましくない。一方、フレーク状銀粉末の平均粒径が20μmより大きいと、メッシュスクリーンを用いて導体パターンを印刷する場合、スクリーンの目詰まりが起こり、作業性が悪くなる。また、微細配線の形成が困難となるので好ましくない。
球状銀粉末の平均粒径が0.1μmより小さいと、フレーク状銀粉末の場合と同様に、高粘度化により、ペースト化が困難となるので好ましくない。一方、球状銀粉末の平均粒径が5μmより大きいと、フレーク状銀粉末の場合と同様に、メッシュスクリーンを用いて導体パターンを印刷する場合、スクリーンの目詰まりが起こったり、微細配線の形成が困難となるので好ましくない。
フレーク状銀粉末および球状銀粉末の重量混合比率は、両者の合計が100重量部で、フレーク状銀粉末が30〜70重量部、球状銀粉末が70〜30重量部であるのが好ましい。フレーク状銀粉末および球状銀粉末の配合比率が上記範囲外であると、両者を併用したことによる導電性を向上させる効果が十分に得られず、また、フィルム、基板、電子部品等の基材への優れた接着性が得られなくなるので好ましくない。
固形分中における銀粉末の比率は、91〜95重量%であるのが好ましい。銀粉末が91重量%未満である場合、銀粉末の接触密度が小さく(銀粉末同士の接触不良により)、導電性が不充分となる。一方、銀粉末が95重量%より多くなると、樹脂による銀粉末の均一な分散ができずに、基板や電子部品等に一様に印刷あるいは塗布できる粘性とはならず、カスレたり、不均一な導体が形成される。
なお、本発明の導電性ペースト組成物においては、必要に応じて、フレーク状銀粉末および球状銀粉末以外の銀粉末、例えば樹脂状銀粉末や、銀以外の導電性粉末、例えば、銅粉末等を加えることも可能である。
(2)加熱硬化性成分
銀粉末100重量部に対して、加熱硬化性成分を5〜11重量部含有するのが好ましい。加熱硬化性成分が5重量部より少ないと、得られる硬化膜の接着性が低くなるので好ましくない。一方、加熱硬化性成分が11重量部より多いと、得られる硬化膜の導電性が低くなるので好ましくない。
(3)エポキシ樹脂
本発明に用いるエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂を含有している。
a.ビスフェノールA型エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量は2000ないし3500g/eqであることが好ましい。エポキシ当量が2000g/eq未満であると、剥離しやすいなど密着性に劣るという不都合な点があり、エポキシ当量が3500g/eq超であると、高粘度となり、抵抗値も高くなるという不都合な点がある。
b.多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂
多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂は、以下の化5の構造式を有するアルキルジオール系のもの、又は以下の化6の構造式を有するポリエチレングリコール系のものが好ましい。
Figure 2009146584
化5の構造式におけるnが1または2であると、加熱硬化時の収縮量が少ないことに起因して銀粉末同士の接触部分が少なくなり、抵抗率が高くなるという不都合な点があり、nが10以上であるとエポキシ樹脂の粘度が上昇しすぎてペースト化が困難であるという不都合な点がある。例えば、1、6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(化5の構造式におけるn=6)を用いることができる。
Figure 2009146584
化6の構造式におけるnが1または2であると、加熱硬化時の収縮量が少ないことに起因して銀粉末同士の接触部分が少なくなり、抵抗率が高くなるという不都合な点があり、nが10以上であるとエポキシ樹脂の粘度が上昇しすぎてペースト化が困難であるという不都合な点がある。例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(化6の構造式におけるn=9)を用いることができる。
多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000g/eqを超えると粘度が100mPa・sを超えて常温で固形となるという理由により1000g/eq以下とするのが好ましい。
多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂の粘性率は、ペースト化するためには一定以上の粘度が必要であり、粘度が高すぎるとペースト化が困難となるので、10ないし100mPa・sの粘性率であることが好ましい。
c.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、前者エポキシ樹脂ともいう)と多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂(以下、後者エポキシ樹脂ともいう)の重量混合比率
前者エポキシ樹脂対後者エポキシ樹脂の重量混合比率は、前者エポキシ樹脂対後者エポキシ樹脂が1対1である比率のものから前者エポキシ樹脂対後者エポキシ樹脂が1対3である比率のものが好ましい。前者エポキシ樹脂重量を1とした場合に後者エポキシ樹脂重量が1未満であると、加熱硬化時の収縮量が少ないことに起因して銀粉末同士の接触部分が少なくなり、抵抗率が高くなることがあるので好ましくない。一方、前者エポキシ樹脂重量を1とした場合に後者エポキシ樹脂重量が3超であると、ペーストの粘度が低くなりすぎて、基板へ塗布または印刷しにくくなるので好ましくない。
(4)硬化剤
本発明に用いる硬化剤としては、イミダゾール類、三級アミン、フッ化ホウ素を含むルイス酸およびそれらの錯体あるいは塩が使用可能である。
(5)溶剤
本発明に用いる溶剤については、特に限定はしないが、印刷等の工法を用いる場合は、高沸点溶媒であるエチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール等を用いることができる。
(6)導電性ペースト組成物の加熱硬化
本発明の導電性ペースト組成物は、基板や電子部品等の基材に印刷または塗布し、150〜250℃で加熱硬化するのが好ましい。150℃より低温の場合は硬化が不充分であり、250℃より高温の場合は、反応による急激な発熱により樹脂の酸化分解や基材からの電極の剥離が起こるので好ましくない。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更と修正が可能である。
(1)導電性ペースト組成物の調製
銀粉末、エポキシ樹脂、硬化剤及び溶剤を表1に示す割合(重量部)で配合し、3本ロールミルで混練し、ペースト化することにより実施例1〜5および比較例1〜5の導電性ペースト組成物を得た。
Figure 2009146584
表1における各配合成分は、以下のものを用いた。
a.銀粉としては、平均粒径8.2μmのフレーク状銀粉末と平均粒径1.2μmの球状銀粉末を、重量比で1対1で混合したものを使用した。
b.エポキシ樹脂としては、以下のものを組み合わせて用いた。
ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(東都化成社製のYD019で、エポキシ当量が2400ないし3300g/eqのもの)
ビスフェノールF型のエポキシ樹脂(ADEKA社製のED4901Eで、エポキシ当量が170g/eqで、粘性率が3500mPa・sのもの)
エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製のEX810で、エポキシ当量が112g/eqで、粘性率が20mPa・sで、化6の構造式のnが1のもの)
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製のEX830で、エポキシ当量が268g/eqで、粘性率が70mPa・sで、化6の構造式のnが9のもの)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製のEX212で、エポキシ当量が151g/eqで、粘性率が20mPa・sで、化5の構造式のnが6のもの)
c.硬化剤としては、フッ化ホウ素モノエチルアミンを使用した。
d.溶剤としては、ブチルカルビトールアセテートを使用した。
(2)特性評価用サンプルの作製
表1の配合により得られた各実施例および比較例のペーストを用いて、以下のようにして特性評価用サンプルを作製した。
まず、ガラス基板上に200メッシュスクリーンを用いて、図1に示すように、アスペクト比75の印刷パターン1を印刷した。印刷パターン1は、配線パターン2と5つの2mm×2mmのパッド3とを含んでいる。次に、図2に示すように、ガラス基板5上に印刷したパッド3の上に直径4mmのアルミリベット4を載せた。アルミリベット4を載せたガラス基板5を150℃の熱風乾燥機で15分間加熱した後、200℃で40分間加熱し、導電性ペーストを硬化させた。
(3)特性の評価方法
上記のようにして作製したサンプルについて、次に説明するような方法で、抵抗率と、硬化後の電極の剥離について評価した。
(抵抗率) 抵抗率は、配線パターン2から測定した抵抗値、膜厚およびアスペクト比から算出した。抵抗率は、1.0×10-5Ω・cm未満のものが良好な導電性を備えていると言える。
(硬化後の電極の剥離) 硬化後の電極の剥離は、硬化後の2mm×2mmのパッド3の膜を目視し、基板からの剥がれの有無を確認した。すべてのパッド3に剥がれが生じていた場合を×、一部のパッド3に剥がれが生じていた場合を△、まったく剥がれが生じていなかった場合を○として、表1に示す。当然のことながら、この評価は○でなければ実用に供することはできない。
以上の抵抗率と、硬化後の電極の剥離について、表1に示す。
(4)特性の評価結果
比較例1のように、エポキシ当量が大きいエポキシ樹脂のみを使用した場合、抵抗率が高くなっている。これは、加熱硬化時の収縮量が少なくて、銀粉末同士の接触が不充分なためであると思われる。
比較例2のように、エポキシ当量が小さいエポキシ樹脂のみを使用した場合、抵抗率が高くなっている。また、一部に硬化後の電極の剥離が生じている。これは、加熱硬化時の収縮量が大きすぎて、収縮により発生した内部応力が残存しており、それを緩和しようとする作用により電極の一部が基板から剥がれ、その結果、電気抵抗も増大したものと思われる。
比較例3は、高分子量エポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂との組み合わせであるが、低分子量エポキシ樹脂としてビスフェノールF型を用いると、抵抗率を低くできないことが分かる。
比較例4は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを用いているが、実施例3と全く逆であって、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂が低分子量の1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの3倍もあるため、加熱硬化時の収縮量が少なくて、銀粉末同士の接触が不充分となり、抵抗率が高くなっている。
比較例5は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエチレングリコールジグリシジルエーテルを1対1の比率で配合したため、加熱硬化時の収縮量が少なくて、銀粉末同士の接触が不充分となり、抵抗率が高くなっている。
これら比較例1〜5に対して、実施例1〜5は、エポキシ当量が2000ないし3500g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量が1000g/eq以下で粘性率が10ないし100mPa・sの多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂とを本発明範囲内の適正比率で配合したので、高い導電性と良好な密着性を備え、信頼性の高い(基板から剥離しにくい)電極を提供しうることが分かる。
本発明の導電性ペースト組成物は、特に、高温処理により特性が劣化するような電子部品等の電極、例えば、アモルファスシリコン層を有する太陽電池の集電電極形成用に好適である。
本発明の導電性ペースト組成物の特性評価用印刷パターンを示す平面図である。 特性評価用印刷パターンのパッド上にアルミリベットを装着した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 印刷パターン
2 配線パターン
3 パッド
4 アルミリベット
5 ガラス基板

Claims (1)

  1. 銀粉末と加熱硬化性成分と溶剤とを含む導電性ペースト組成物において、
    前記加熱硬化性成分が、エポキシ当量が2000ないし3500g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量が1000g/eq以下で粘性率が10ないし100mPa・sの多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂と、硬化剤とを含有し、 前記多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂が、以下の化1の構造式を有するアルキルジオール系または以下の化2の構造式を有するポリエチレングリコール系で、化1の構造式と化2の構造式におけるnが3ないし9であり、
    前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂対多価アルコール系のグリシジル型エポキシ樹脂の重量混合比率が、1対1ないし1対3であることを特徴とする導電性ペースト組成物。
    Figure 2009146584
    Figure 2009146584
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