JP2007157434A - 導体形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温での熱硬化処理を行う場合であっても、抵抗が十分低下された導体を得ることのできる導体形成方法の提供。
【解決手段】 少なくとも導電性粉末と樹脂を含む導電性ペーストを用いる導体形成方法において、第1加熱温度で加熱して導電性ペーストを少なくとも半硬化させてから、樹脂のガラス転移点以上でありかつ第1加熱温度より低い第2加熱温度で加熱することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも導電性粉末とポリマー樹脂を含む導体の形成方法に係り、特に、回路基板上の配線や電子部品の電極として用いられる導体形成方法に関する。
従来、回路基板の配線や電子部品の電極の導体形成方法の一つとして、熱硬化型導電性ペーストを用いたものが知られている。この場合、熱硬化型導電性ペーストはスクリーン印刷等の手段で基体に塗布され、100〜300℃程度の温度で熱処理されることにより、樹脂を硬化させ、導電性の被膜が形成される。
熱硬化型導電性ペーストとは、貴金属粉末、卑金属粉末又はカーボン粉末等の導電性粉末を、バインダ樹脂、硬化剤及び溶剤や触媒その他の添加剤を含む樹脂組成物中に分散させてなるものである。バインダ樹脂としては、通常、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂などが使用されている。
このような熱硬化型導電性ペーストは、一般に、プリント回路基板のジャンパー回路やスルーホール導体を含む導体回路の形成、抵抗器やコンデンサ等の各種電子部品及び各種表示素子の電極の形成、電磁波シールド用導電性被膜の形成などに用いられるほか、半導体素子や電子部品を基板に実装するための導電性接着剤としても用いられている。また近年は、太陽電池の電極、特にアモルファスシリコン半導体を用いた高温処理のできない太陽電池の電極を形成する場合や、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックアクチュエータ等のチップ型セラミック電子部品の外部電極を形成する場合にも、熱硬化型導電性ペーストが使用される。
従来、熱硬化型導電性ペーストにおける導電性は、導電性粉末同士の接触のみで実現されるものであったため、導電性粉末として比較的高い導電性を示す銀粉末を用いた場合でも、例えば150℃、30分程度の加熱条件で硬化させた場合、その比抵抗はせいぜい5×10−5Ω・cm前後にとどまっていた。
また、従来、熱硬化型導電性ペーストを用いて回路や電極等を形成する場合、生産効率を上げる観点からは、熱硬化型導電性ペーストをできるだけ短時間で加熱硬化させることが望まれる。それ故、一般的には高温での加熱が行われる。一方、熱硬化型導電性ペーストと同時に加熱される半導体素子や電子部品等の耐熱性の観点からは、できるだけ低い温度での加熱が望まれる。つまり、これら2つの要請を同時に満たすこと自体が難しい上に、加熱処理が不十分であった場合には、回路や電極等に求められる高導電性の確保も困難となる。
以上のように、熱硬化型導電性ペーストに関しては、一般的に、生産効率から要請される加熱時間の短縮、半導体素子や電子部品等への用途から要請される加熱温度の低温化、電気的特性から要請される高導電性といった事柄はトレードオフの関係にあり、全てを同時に満たした熱硬化型導電性ペーストは未だ開発されていない。
例えば、特許文献1には、貴金属粉末、特に銀粉末を導電性粉末として用い、これと熱硬化性樹脂成分とを100:5〜100:45の重量比で配合した熱硬化型導電性ペーストが開示されている。この文献の熱硬化型導電性ペーストにより得られる比抵抗値は不明であるが、少なくとも実施例においては、200〜250℃で60分間という比較的高温での加熱処理が行われている。
また、特許文献2には、熱硬化性樹脂としてフタル酸系グリシジルエステル型エポキシ樹脂を用いた熱硬化型導電性ペーストが開示されている。この熱硬化型導電性ペーストによれば、100〜300℃での加熱硬化によって2×10−5Ω・cm以下の比抵抗値が得られるとあるが、その実施例においては、やはり180℃で30分間という比較的高温での加熱処理が行われている。
特開平6−267784号公報 特開2005−19398号公報
これらの文献のように、従来例においては、加熱時間の短縮、加熱温度の低温化、高導電性のバランスを見ながら最終的な加熱条件が決められており、例えば、生産効率を重視する場合は、耐熱限界温度に近い温度で加熱することにより、できるだけ加熱時間を短縮し、その結果として得られる抵抗値で妥協するといったことが行われていた。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、特に、熱硬化性樹脂を含む導電性ペーストを用いた導体形成方法において、低温且つ短時間での熱硬化処理を行う場合であっても、抵抗が十分低い導体を得ることのできる導体形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、少なくとも導電性粉末と樹脂を含む導電性ペーストを用いる導体形成方法において、
第1加熱温度で加熱して前記導電性ペーストを少なくとも半硬化させてから、前記樹脂のガラス転移点以上でありかつ前記第1加熱温度より低い第2加熱温度で加熱することを特徴とする。
また、前記樹脂は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
また、前記熱硬化性樹脂は、シリコーン変性エポキシ樹脂であることを特徴とする。
また、前記第2加熱温度による加熱は、加熱による導体の抵抗の低下率が鈍化するまでは継続されることを特徴とする。
さらに、前記導電性粉末は、銀を主成分とする銀系粉末であることを特徴とする。
本発明によれば、熱硬化型導電性ペーストを用いた導体形成方法において、低温での熱硬化処理で、抵抗を十分に低下させることが可能である。従って、様々な基板や電子部品の導体を形成することが可能である。
本実施形態に係る導体形成方法において用いられる導電性ペーストは、以下に説明する導電性粉末と樹脂を少なくとも含むものである。
<導電性粉末>
導電性粉末としては、銀、金、白金、パラジウム等の金属の粉末や、これらの金属を含む合金、例えば、銀−銅合金、銀−パラジウム−銅合金の粉末が使用される。また、金属、金属化合物、ガラス、セラミック、カーボン等の無機質粉末、樹脂等の有機質粉末の表面に、上述の金属又は合金を被覆したものを用いることもできる。特に、比抵抗が低いことから銀系の導電性粉末が好ましく、その一例として、銀粉末、銀を主成分とする合金粉末や銀被覆粉末等が挙げられる。
また、導電性粉末は、2種以上を混合して使用しても良く、従来法により種々の脂肪酸類やカップリング剤などで表面処理して使用しても良い。
導電性粉末の形状としては、球状、フレーク状、樹枝上、繊維状など特に制限はないが、
粉末粒子同士が接触しやすく、導電性の点で有利なことから、平均粒径0.1〜20μm程度のフレーク状粉末が好ましい。
<樹脂>
樹脂としては、特に制限は無いが、本実施形態においては熱硬化性樹脂をバインダ樹脂として用いることが好ましい。
従来は、導電性ペーストにおいて用いられる熱硬化性樹脂は、加熱硬化後における導体の耐熱性を上げるため、一般に加熱処理の際の温度より高いガラス転移点を示すものが選択されていた。例えば、150℃で熱硬化処理が行われる場合、ガラス転移点が160℃以上のエポキシ樹脂が用いられていた。
本発明に係る導体形成方法においては、第1の加熱処理の温度は、従来と同様に導体を形成する基体の耐熱限界温度に基づいて設定され、例えば導電性ペーストに熱硬化性樹脂を用いる場合には、設定された第1の加熱処理の温度より低いガラス転移点を示す熱硬化性樹脂を使用することを特徴とする。また、設定される第1の加熱処理の温度より10℃以上低いガラス転移点を示す熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。例えば、第1の加熱処理を150℃で行うように設定する場合、140℃以下のガラス転移点を示す熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
ここで、熱硬化性樹脂のガラス転移点は、公知の方法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)等で測定することが可能であるが、粘弾性特性測定装置(オリエンテック(株)Rheovibron DDV−01FP)で測定した損失曲線(tanδ)から求めることもでき、一例として図1のような損失曲線が得られた場合、その値が急激に変化する温度をガラス転移点とすることができる。
このような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等を用いることができる。特に、エポキシ樹脂の場合、耐熱性が良好であることから、ノボラック型エポキシ樹脂、多官能基エポキシ樹脂が好ましく用いられる。また、ガラス転移点を低くした場合でも、加熱処理後における導体の耐熱性を維持又は向上させることができるように、シリコーン変性エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
本実施形態においては、導電性ペーストの用途及び要求される特性に応じて、熱硬化性樹脂に他の樹脂成分を配合したものをバインダ樹脂としてもよい。他の樹脂成分としては、異なる種の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等を用いることもでき、例えば、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、変性アクリル樹脂、グリシジルメタクリレート、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導体等が挙げられる。
熱硬化性樹脂と他の樹脂成分との混合比率は、重量比で100:0〜40:60程度が好ましい。熱硬化性樹脂の重量比が40以下の場合、加熱によって流動性が高まり塗布形状を保つことが難しくなる。
バインダ樹脂の配合割合は、導電性粉末100重量部に対して2〜30重量部である。30重量部を越えると抵抗が高くなり、また2重量部より少ないと硬化膜強度が低下することに起因して抵抗が増大する。
<その他の成分>
本発明に係る導体形成方法で用いられる導電性ペーストには、基体への塗布性等を調節するために、必要に応じて溶剤を配合することとしても良い。溶剤としては、例えばアルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、炭化水素系溶剤、脂肪酸系溶剤、反応性希釈剤など、公知のものが使用される。
また、導電性ペーストには、硬化剤を配合することとしてもよい。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としては、例えば、イミダゾール硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤等が適用可能であり、特に、イミダゾール硬化剤が好ましい。また、硬化剤としては、必要に応じて2種以上のものを混合して使用しても良い。硬化剤の配合量は、バインダ樹脂のエポキシ当量に応じて調整することが好ましい。また、このような硬化剤に加えて、硬化促進剤や硬化触媒を添加しても良い。
さらに、導電性ペーストには、通常必要に応じて配合される添加剤、例えば界面活性剤、還元剤、キレート剤、消泡剤、可塑剤、揺変剤、分散剤、無機フィラーなどを適宜添加してもよい。これらにより、塗布性や形成される導体膜の耐熱性、耐水性、耐環境性、可撓性、はんだ付け性、はんだ耐熱性等の特性を適切に調整することができ、種々の用途に適用することが可能となる。
このようにして調整された導電性ペーストは、スクリーン印刷、転写印刷、ディッピング、刷毛塗り、ディスペンサーを用いた塗布等、種々の手段で基体に塗布される。基体とは基板や電子部品などであり、具体的には、プリント配線板等の樹脂、PETフィルム、セラミック、ガラス、シリコン半導体、化合物半導体など種々のものが使用できる。またこれらの基体上に形成された導体回路、誘電体、抵抗体の上に導電性ペーストを塗布することにより、電極、接着剤、回路保護等の目的で用いることもできる。
<導体形成方法>
次に、本発明に係る導体形成方法について説明する。
本発明に係る導体形成方法においては、まず、上述のようにして調整した導電性ペーストを基体に塗布する。そして、少なくとも導電性ペーストを半硬化させるために第1加熱温度で加熱する第1加熱処理を行ってから、樹脂のガラス転移点以上でありかつ第1加熱温度より低い第2加熱温度で加熱する第2加熱処理を行って導体を形成することを特徴とする。
第1加熱処理においては、少なくとも導電性ペーストを半硬化することができれば良く、それ以上、例えば完全に硬化されても良い。本発明において、導電性ペーストの半硬化とは、塗布後の導電性ペーストの表面は硬化されているがその内部までは完全に硬化されていない状態である。樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂が硬化することにより導電性ペーストが硬化するので、導電性ペーストの硬化と熱硬化性樹脂の硬化とは略同義である。
最適な第1加熱温度は、基体や半導体素子、電子部品等(以下、「基体等」)の耐熱限界温度や樹脂と硬化剤等の組合せによって異なるが、基体等に熱的なストレスをかけないように、基体等の耐熱限界温度より10〜100℃以上低い温度で加熱することが好ましい。加熱手段については特に限定はなく、公知の方法で行うことができる。
熱硬化型導電性ペーストを加熱処理する際、短時間で低抵抗の導体を得るためには、できるだけ高温で加熱することが一般的である。それ故、従来は基体等の耐熱限界温度を超えない程度の高温で加熱が行われていたが、この場合でも温度が高ければ高いほど、基体等に或る程度の熱的ストレスがかかってしまう。これを避けるためには、比較的低温(例えば100℃)で加熱すれば良いが、生産効率が落ちる上に、高導電性の導体が得られなくなる。
本発明の導体形成方法において、熱硬化型導電性ペーストに対する加熱処理は、導電性ペーストが少なくとも半硬化する程度に加熱する第1の加熱処理と、導体の抵抗値を下げるために加熱する第2の加熱処理の2段階に分かれている。
第1加熱処理においては、導電性ペーストが少なくとも半硬化する程度の加熱処理で良いため、従来のように、基体等の耐熱限界温度にできるだけ近い温度で加熱していた場合に比べ、それより低い温度で加熱処理することも可能であり、また、加熱処理時間も短縮することが可能である。それ故、基体等に対する熱的ストレスを減らすことができる。
この第1加熱処理が終了した段階で、導電性ペーストは少なくとも半硬化状態になるため、塗布形状を保ったまま、第2加熱処理を行うことが可能である。
第2加熱処理においては、熱硬化型導電性ペーストに対する加熱処理は、樹脂のガラス転移点以上であり且つ第1加熱温度よりも低い温度で加熱するため、基体等に与える熱的ストレスは大幅に低減される。この第2加熱処理は、比較的低温で加熱するため、第1加熱処理に比べて大規模な生産設備を必要としない。それ故、第2加熱処理は、第1加熱処理後の次工程までの空き時間、例えば、生産物を検査するための検査工程に回すまでに倉庫等に一時保管されている時間等といった、生産工程上のデットタイムを利用して行うことができる。それ故、全体としての生産効率を低下させることなく、電気的特性の優れた導体を得ることができる。
本発明において、第2加熱温度は、ペースト中に使用される樹脂のガラス転移点以上であり、かつ第1加熱温度より低い温度に設定される。そのため、熱硬化性樹脂を用いる場合には、そのガラス転移点が第1加熱温度よりも低い熱硬化性樹脂が用いられる。基体等に熱的ストレスをかけないためには、第2加熱温度は第1加熱温度よりも10〜50℃程度低い温度であることが好ましい。また、第2加熱処理により効率的に抵抗値を下げるために、第2加熱温度は樹脂のガラス転移点よりも10℃以上高いことが望ましい。
第2加熱処理においては、加熱処理を開始した後、しばらくの間は、導体の抵抗値は急激に低下するが、やがてその低下率は小さくなり鈍化する。そのため、効率的に導体の導電性を上げるためには、第2加熱処理は少なくとも導体抵抗値の低下率が鈍化するまでの間は継続しておくことが望ましい。導体抵抗値の低下率が鈍化した後も、第2加熱処理により抵抗値が多少低下するため、その後も所定時間続けても良く、また生産効率の観点から、その時点で終了しても良い。
なお、樹脂のガラス転移点より低温で第2加熱処理を行った場合でも、導体の抵抗が低下する現象は見られるが、その場合の低下率は顕著なものではない。そのため、導体の抵抗を低下させるためには長時間の加熱が必要となり、生産効率が低下してしまう。
第2加熱処理により導体の抵抗が抵下する現象が見られるメカニズムは明確ではないが、導電性ペーストの硬化物及び樹脂単体の硬化物それぞれについて、熱粘弾性特性を調べてみたところ、第2加熱処理を行うことにより、導体の弾性の上昇が見られることから、樹脂のガラス転移点より高温での加熱により、導電性粉末同士の接合・融着が進み、導電性ペーストにおけるネットワーク構造の形成がより進行しているためではないかと推察される。
<導体の用途>
本実施形態における導電性ペースト及び硬化膜は、様々な用途に使用することができる。代表的な用途例としては、プリント回路基板のジャンパー回路やスルーホール導体、PETフィルムなどのフレキシブル基板の導体材料、アディティブ回路等への使用、タッチパネルの導体回路への使用、抵抗端子への使用、電磁波シールドとしての使用、電子部品同士の接着や、半導体素子や電子部品を基板に実装するための導電性接着剤としての使用などが挙げられる。
また、本実施形態に係る導電性ペーストは、上述した導体形成方法で加熱処理して硬化されることにより、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックアクチュエータ等のチップ型セラミック電子部品の外部電極として使用することもできる。例えば、従来のチップ型セラミック電子部品の外部電極は、部品素体に高温焼成型電極を焼き付け、その上に熱硬化型導電性ペーストを被覆する方法や、直接素体に熱硬化型導電性ペーストを塗布し加熱硬化させる方法によって形成され、必要により、はんだめっきが施されている。本実施形態に係る導電性ペーストは、従来の熱硬化型導電性ペーストの代替として使用することができる。
なお、上述の用途は例示であり、本実施形態に係る導電性ペーストは、係る用途に限定されるものではなく、導電性や接着性が要求される様々な用途に使用可能である。
銀粉末(昭栄化学工業(株)Ag−026)をボールミルでフレーク化した銀粉末(D50=2μm)100重量部に対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン(株)エピコート1001)をシリコーン変性したガラス転移点110℃の樹脂10重量部、イミダゾール硬化剤1重量部、エチルカルビトールアセテート8重量部、をそれぞれ加えて3本ロールミルで混練し、熱硬化性銀ペーストを調製した。
予備実験として、得られた熱硬化性銀ペーストを、ガラス基板上に、硬化膜の膜厚が20μmとなるように0.5mm×5mmのラインパターンに塗布し、125℃、150℃、175℃、200℃、225℃とそれぞれの温度条件で加熱硬化処理を行った。その際、デジタルマルチメーター(ケースレーインスツルメンツ(株)製 2002モデル)を用いて抵抗値を、表面粗さ計((株)東京精密製 Surfcom)を用いて電極厚さを測定し、これらから比抵抗の値を求めた。
得られた結果を図2に示す。
図2において、×は熱硬化性銀ペーストが未硬化であることを示し、○は硬化完了、△はその中間を示す。詳細には、加熱処理後の塗布膜に対してメチルエチルケトン(MEK)の溶媒を用いラビングテスト(往復50回)を行った後、塗布膜外観を目視で評価し、塗膜に異常がない場合は塗布膜が少なくとも半硬化されているので硬化完了として○、塗膜が溶解した場合は未硬化であるとして×、一部溶解した場合は硬化完了と未硬化との中間であるとして△、で示している。
図2に示されるように、加熱処理温度が高い程、短時間でも高い導電性が得られ、例えば、225℃で加熱を行った場合には60分の加熱でも低い抵抗値が得られるが、125〜150℃という比較的低い温度で加熱処理を行った場合には120分以上の加熱によっても十分な導電性が得られていない。しかしながら、225℃で加熱を行った場合には、基体等に熱的ストレスを与えることになる。
そこで、本実施例では、150℃で60分加熱して第1加熱処理を行い、完全硬化させたものに対して、第1加熱温度よりも低く、かつ、熱硬化性樹脂のガラス転移点よりも高い125℃で第2加熱処理を行い、同様に比抵抗の変化を測定した。その結果を図3に示す。
図3に示されるように、125℃という比較的低い温度で第2加熱処理を行った場合でも、十分に比抵抗を下げることができる。比抵抗は第2加熱処理を開始してからしばらくの間は急激に低下するが、その低下率はやがて鈍化する。そこで本発明においては、第2加熱処理は、少なくとも第2加熱処理の開始から比抵抗の低下率が鈍化するまでの間、行うことが望ましい。なお、本発明において、「第2加熱処理の開始から比抵抗の低下率が鈍化するまでの間」とは、第2加熱処理を開始してから、図3に示すように、鈍化前の比抵抗の低下率を示す接線と、鈍化後の比抵抗の低下率を示す接線とが交差するまでの時間(図中矢印)を示すものとする。
比抵抗の低下率が鈍化した以降も、加熱により比抵抗は低下するため、第2加熱処理を継続して行っても良い。しかしながら、生産効率の観点からは、比抵抗の低下率が鈍化した以降は所定の時間(例えば100時間)が経過した後に第2加熱処理を終了すると良い。
図3から明らかなように、第2加熱処理において、使用した樹脂のガラス転移点(100℃)を超えた温度(125℃)で加熱を行うと、比較的低温であっても比抵抗を下げることができるとともに、基体等に対して熱的なストレスが加わることを回避できる。具体的には最終的に約20μΩ・cm程度にまで比抵抗値を下げることができ、結果としては、225℃で60分間加熱した場合(図2参照)と同等の抵抗値を得ることができる。
比較のため、同様に150℃で60分加熱して第1加熱処理を行ったものに対して、熱硬化性樹脂のガラス転移点よりも低い65℃で加熱処理を行った結果を図4に示す。
図4に示すように、熱硬化性樹脂のガラス転移点よりも低い温度であっても、加熱処理を行うことにより、抵抗値は徐々に低下する傾向が見られ、この比較例においては、500時間の加熱処理により抵抗値は約20μΩ・cm低くなった。更に、長時間の加熱処理を行うことにより、比抵抗が下がる可能性はあるが、加熱時間に対する比抵抗値の低下が十分でなく、生産効率上の観点からは望ましくない。
粘弾性特性測定装置で測定した損失曲線(tanδ)から、シリコーン変性エポキシ樹脂のガラス転移点を求めたグラフである。 加熱温度と加熱時間と比抵抗の関係を示すグラフである。 樹脂のガラス転移点よりも高い温度で第2加熱処理を行った場合の抵抗変化を示すグラフである。 樹脂のガラス転移点よりも低い温度で加熱処理を行った場合の抵抗変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 少なくとも導電性粉末と樹脂を含む導電性ペーストを用いる導体形成方法において、
    第1加熱温度で加熱して前記導電性ペーストを少なくとも半硬化させてから、前記樹脂のガラス転移点以上でありかつ前記第1加熱温度より低い第2加熱温度で加熱することを特徴とする導体形成方法。
  2. 前記樹脂は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導体形成方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、シリコーン変性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の導体形成方法。
  4. 前記第2加熱温度による加熱は、加熱による導体の抵抗の低下率が鈍化するまでは継続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導体形成方法。
  5. 前記導電性粉末は、銀を主成分とする銀系粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導体形成方法。
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