JP6054321B2

JP6054321B2 - ピストン・シリンダユニット

Info

Publication number: JP6054321B2
Application number: JP2014027722A
Authority: JP
Inventors: アッカーマンステファン; シュルツアーノルド
Original assignee: Stabilus GmbH
Current assignee: Stabilus GmbH
Priority date: 2013-02-15
Filing date: 2014-02-17
Publication date: 2016-12-27
Anticipated expiration: 2034-02-17
Also published as: DE202013100700U1; US20140231198A1; KR20140103075A; KR101606508B1; US9334918B2; CN103994123B; CN103994123A; JP2014156933A

Description

本発明は，外側に表面保護層を有する円筒状の圧力チューブと，該圧力チューブ内で軸線方向に変位可能である共にピストンロッドを有するピストンとを備えるピストン・シリンダユニットに関する。ピストンロッドは，圧力チューブの端部においてピストンロッドガイド及びピストンロッドシールによりシールされた状態で端部開口を通して圧力チューブ内から突出する。ピストンロッド側の端部を起点とする圧力チューブの端部領域は，表面保護層が施されておらず，防食手段が設けられると共に，この端部領域を包囲する保護キャップで被覆されている。保護キャップは，ピストンロッド側の端部に同軸の貫通開口を有する底部を備え，この貫通開口を通して，ピストンロッドが変位可能な状態で突出する。

このようなピストン・シリンダユニットにおいては，圧力チューブからピストンロッドが突出する部分に汚染粒子が定着し，ピストンロッドとピストンロッドガイドの間隙に固着することにより，ピストンロッドの表面及びピストンロッドシールの破損に至る可能性がある。汚染粒子がピストンロッドシールに付着し，ピストンロッドシールを直接破損する可能性もある。この双方のケースは，ピストン・シリンダユニットの故障に至る可能性がある。

従って本発明の課題は，上述のタイプのピストン・シリンダユニットにおいて，汚染粒子に起因する故障を可及的に防止したピストン・シリンダユニットを提供することである。

この課題は，本発明によれば，ピストンロッドの貫通開口の内壁を密閉することで解決される。

こうした構成により，ピストンロッドに付着した水蒸気，塵及び汚染粒子が擦拭され，ピストンロッドガイド及びピストンロッドシールに達してこれらを破損する恐れがなくなるため，水蒸気，塵及び汚染粒子に起因する故障が回避される。

表面保護層はパウダーコーティング又は例えばスプレーコーティング又はディップコーティングのような塗装とすることができる。表面保護層は又，収縮チューブとすることも可能である。

保護キャップは，少なくとも保護キャップの貫通開口の領域においては特に熱可塑性エラストマーとし，ピストンロッドの表面に密着して擦拭機能を満たすものとする。しかしながら保護キャップを，少なくともその貫通開口の領域において，熱可塑性プラスチックとすることも可能である。

その場合好適には，保護キャップは少なくとも貫通開口の領域において，約-40°Cから約+130°C間の温度領域で弾性を有する材料よりなる。

このような材料は，例えば二トリルブタジエンゴム（NBR）とすることが可能であり，この二トリルブタジエンゴムは，車両への適用にふさわしい。

貫通開口の内壁に，半径方向に突出すると共に周方向に連続する弾性シールを配置することで，良好な擦拭機能が得られる。

製造工程の簡素化及び組立工程の単純化のために，保護キャップ及びシールは，一体的に構成可能である。

弾性シールは，半径方向に突出すると共に周方向に連続する少なくとも１本のシールリップとすることができる。好適には，このシールリップはピストンロッドを附勢状態で包囲するシールエッジを有する。その結果，シールエッジはスクレーパとして作用し，擦拭性能が更に向上し，ピストンロッドにより強固に密着する粒子をも擦拭可能である。

このようなシール機能及び擦拭性能は，シールエッジがV字型の断面形状を有し，シールエッジの圧力チューブとは反対の側がピストンロッドの遊端に向けて急に傾斜し，シールエッジの圧力チューブの側がピストンロッドの遊端から離れる方向で，ピストンロッドの長手方向軸線に対して緩く傾斜する場合に特に良好となる。しかしながら，シールエッジの両側をほぼ同一角度でピストンロッドの長手方向軸線に対して傾斜させることも可能である。

ピストンロッドを密に包囲するために，連続する弾性シールを，保護キャップのスリーブ状の延長部に配置することが可能である。延長部は，保護キャップの底部から同軸上で，圧力チューブから離れる方向に突出するよう延在する。

以下，本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。

ピストン・シリンダユニットの縦断面図である。図１に示すピストン・シリンダユニットにおける保護キャップの拡大縦断面図である。図２に示す断面「X」の拡大図である。

図１に示すピストン・シリンダユニットは，両端部が閉じられたシリンダ状の圧力チューブ１を備える。

圧力チューブ１には，閉じられた一方の端部２にねじボルト３が設けられている。ねじボルト３上には，ピストン・シリンダユニットのための第１連結ピースがねじ固定されている。

ピストン・シリンダユニットの製造にあたっては，圧力チューブ１を先に洗浄しておく。次いで，防食保護層としてのベースコーティングを圧力チューブの外表面４全体に施した後に乾燥させて固める。

その後，他方の端部５を起点とする圧力チューブ１の端部領域６を保護キャップ15で被覆しておく。この段階において，圧力チューブ１上には，パウダーコーティング法によってパウダーコーティングとして構成した表面保護層を施し，温度処理ステップにて焼き付ける。その際，上述した端部領域６は，被覆されているために焼き付け処理が行われず，従ってパウダーコーティングが施されることがない。このように，圧力チューブ１の外表面は，第２端部５を起点とする端部領域６から外表面全体に亘って施されるベースコーティングと，端部領域６以外の領域におけるパウダーコーティングとで構成される。

引き続き，特にピストン７，ピストンロッド８，ピストンロッドガイド９及びピストンロッドシール11を含む組み込み部品を，依然として開放されている第２端部５から圧力チューブ１内に導入する。更に，圧力流体（好適にはガス）を加圧状態で圧力チューブ１内に導入する。この段階において，組込部品や圧力流体の導入は安全に行うことができる。これは，例えば上述したパウダーコーティング法で行った圧力チューブ１は，加熱されることがないからである。従って，組込部品が後で損傷したり，圧力流体による不所望の膨張で圧力チューブ１が破壊したりする恐れはない。

次に，パウダーコーティング法に際して処理が施されなかった端部領域６にて，半径方向内向き，即ち圧力チューブの中心軸線に向けて突出し，かつ該中心軸線を包囲するビード10を設ける。ビード10は，圧力チューブ１内に配置されたピストンロッドガイド９及び／又はピストンロッドシール11を軸線方向に支持するものである。

更に，圧力チューブ１の第２端部５を，半径方向内向きにフランジ状に折り曲げる。これにより形成される端壁12によって，一方では，圧力チューブ１の端部が閉じられると共にピストンロッドガイド９及び／又はピストンロッドシール11が軸線方向に支持され，他方では，圧力チューブの中心軸線を指向するフランジ状折り曲げ部の縁部により圧力チューブ１の端部開口13が形成され，ピストンロッド８が圧力チューブ１内から突出可能になる。

パウダーコーティング法に際して処理が施されなかった端部領域６にはパウダーコーティングが施されないため，ビード10の形成だけでなくフランジ状の折り曲げにおいても，圧力チューブ材料の流れにより，パウダーコーティングが特に剥離する恐れがない。

その後，圧力チューブ１の端部領域６には防食手段16を塗布すると共に，端部領域６を完全に包囲するまで，保護キャップ15をピストンロッド側から圧力チューブ１の端部領域６上に装着する。

ニトリルブタジエンゴム（NBR）よりなる保護キャップ15は，圧力チューブ１の第１端部２の反対の側において，底部18を有する状態で形成されるだけでなく，底部18に対して同軸の貫通開口19を該底部18に有する。ピストンロッド８は，この貫通開口19を通して変位可能な状態で導かれる。

貫通開口19は，保護キャップ15のスリーブ状の延長部14をも貫通して突出する。延長部14は，保護キャップ15の底部18から同軸上で，圧力チューブ１から離れる方向に突出するよう延在する。延長部14の圧力チューブ15の反対の側において，半径方向に突出すると共に周方向に連続するシール20が構成される。シール20は半径方向に突出すると共に周方向に連続するシールリップ17を有する。シールリップ17はV字型のシールエッジ22を備え，半径方向に附勢された状態でピストンロッド8を包囲する。

シールエッジ22の圧力チューブ１の反対の第１側23は，ピストンロッド８の長手方向軸線25に対して急な角度60度で，ピストンロッド８の遊端に対して傾斜し，一方シールエッジ22の圧力チューブ１の側の第２側24は，ピストンロッド８の長手方向軸線25に対して緩い角度20度で傾斜する。このような構成により，ピストンロッド８の表面に固着した粒子自体が擦拭されるため，こうした粒子がピストンロッドガイド９及びピストンロッドシール11に達してこれらを破損することがない。

ピストンロッド８の外側の遊端には，第２ねじボルト21が設けられている。ねじボルト21上には，ピストン・シリンダユニットのための第２連結ピースがねじ固定されている。

１圧力チューブ
２第１端部
３ねじボルト
４表面
５第２端部
６端部領域
７ピストン
８ピストンロッド
９ピストンロッドガイド
10 ビード
11 ピストンロッドシール
12 端壁
13 端部開口
14 延長部
15 保護キャップ
16 防食手段
17 シールリップ
18 底部
19 貫通開口
20 シール
21 第２ねじボルト
22 シールエッジ
23 第１側
24 第２側
25 長手方向軸線

Claims

外側に表面保護層を有する円筒状の圧力チューブ（１）と，該圧力チューブ（１）内で軸線方向に変位可能であると共にピストンロッド（８）を有するピストン（７）とを備えるピストン・シリンダユニットであって，前記ピストンロッド（８）は，前記圧力チューブ（１）の端部（５）においてピストンロッドガイド及びピストンロッドシールによりシールされた状態で，端部開口（13）を通して前記圧力チューブ（１）内から突出し，又，ピストンロッド（８）が突出する側の前記端部（５）を起点とする前記圧力チューブ（１）の端部領域（６）は，表面保護層が施されておらず更に，防食手段（16）が設けられると共に，前記端部領域（６）に装着されて該端部領域（６）を包囲する保護キャップ（15）で被覆され，該保護キャップ（15）が，ピストンロッド（８）が突出する側の端部に，同軸の貫通開口（19）を有する底部（18）を備え，前記ピストンロッド（８）が，前記貫通開口(19)を通して前記保護キャップ（15）に対して変位可能な状態で突出するピストン・シリンダユニットにおいて，
前記貫通開口（19）の内壁は，前記ピストンロッド（８）を密に包囲して前記ピストンロッド（８）の表面を擦拭することを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項１に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記保護キャップ（15）が，少なくともその貫通開口（19）の領域においてエラストマーよりなることを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項２に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記保護キャップ（15）が少なくともその貫通開口（19）の領域において，約-40°Cから約+130°C間の温度領域で弾性を有する材料よりなることを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項１〜３の何れか一項に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記貫通開口（19）の内壁に，半径方向に突出すると共に周方向に連続する弾性シール（20）が配置されていることを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項４に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記保護キャップ（15）及び前記弾性シール（20）は一体的に構成されていることを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項４または５に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記弾性シール（20）は，半径方向に突出すると共に周方向に連続する少なくとも１本のシールリップ（17）で構成されていることを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項６に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記シールリップ（17）は，前記ピストンロッド（８）を附勢状態で包囲するシールエッジ（22）を有することを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項７に記載のピストン・シリンダユニットであって，前記シールエッジ（22）はV字型の断面形状を有し，前記シールエッジ（22）の前記圧力チューブ（１）とは反対の側が前記ピストンロッド（８）の遊端に向けて急に傾斜し，前記シールエッジ（22）の前記圧力チューブ（１）の側が前記ピストンロッド（８）の遊端から離れる方向で前記ピストンロッド（８）の長手方向軸線に対して緩く傾斜することを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。
請求項４〜８に何れか一項に記載のピストン・シリンダユニットであって，弾性シール（20）が，前記保護キャップ（15）のスリーブ状の延長部（14）に配置され，該延長部（14）は，前記保護キャップ（15）の底部（18）から同軸上で，前記圧力チューブ（１）から離れる方向に突出するよう延在することを特徴とする，ピストン・シリンダユニット。