JP6052135B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Description
燃焼室に近いピストン上死点側は、燃焼サイクルによって燃焼熱を直接的に受けるため、温度が上昇し易く、燃焼室から離れたピストン下死点側は、温度が上昇し難い。
アルミニウム合金製のシリンダブロックの場合、200℃を超える部分では材料強度が劣化する虞があり、周囲との温度差が原因で熱歪が生じる虞もある。
そこで、ウォータジャケット内にシリンダボアを囲繞するスペーサを設け、シリンダボアの冷却性が求められているピストン上死点側を流れる冷却水の流量と流速を確保しつつ、シリンダボアの気筒間温度差を改善することが行われている。
これにより、温度が上昇し易いピストン上死点側とシリンダボア同士の間(サイアミーズ部)を効果的に冷却することができる。
しかし、特許文献1のエンジンの冷却装置では、シリンダボアの昇温促進とサイアミーズ部の冷却水量確保の点で問題がある。
また、このエンジンの冷却装置は、ウォータジャケット内に導入された冷却水が燃焼室側水路とクランク側水路とに分流され、分岐水路にはクランク側水路を流れる冷却水の一部が供給されている。つまり、サイアミーズ部を冷却するための分岐水路に供給される冷却水量が十分ではなく、冷却性能が不足する虞がある。
しかも、気筒配列方向に延びる燃焼室側水路及びクランク側水路と上下方向に延びる分岐水路とを一体形成しているため、スペーサ自体の構造が複雑化する虞もある。
しかも、ウォータジャケット内に導入する冷却水を増加させた場合、燃焼室側水路を流れる冷却水量が増加し、冷間始動時の暖機完了が一層遅くなる虞がある。
請求項3の発明は、シリンダブロックに設けられた複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウォータジャケットと、このウォータジャケット内に配置されたスペーサとを備えたエンジンの冷却装置において、前記ウォータジャケットは平面視にて隣合うシリンダボアの間のサイアミーズ部に対応したくびれ部を備え、前記スペーサが、前記スペーサの上端近傍部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部と、前記スペーサの下部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に形成され且つ前記スペーサの外周を流れる冷却水を前記くびれ部に流通させる流通部とを備え、前記上側フランジ部と下側フランジ部とで前記スペーサの外周を流れる冷却水の流路の上下両端が画成され、冷却水導入口が気筒配列方向の一端側に形成されており、
前記下側フランジ部が前記冷却水導入口に対応する気筒部位から吸気側及び排気側に気筒配列方向に夫々延びる途中部位に冷却水流の下流側程上方へ移行するように傾斜した傾斜部が形成され、前記傾斜部より上流側の下側フランジ部と前記傾斜部より下流側の下側フランジ部とは上下方向にオフセットさせて配置されていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項2〜4の何れか1項の発明において、前記上側フランジ部の少なくとも一部の上端から上方へ延びる縦フランジ部を設けたことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記ウォータジャケット内に冷却水を導入する冷却水導入口よりも下流側位置で且つ前記スペーサの下部にスペーサを内外方向に貫通する貫通孔を形成したことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか1項の発明において、前記ウォータジャケットに連通されたシリンダヘッド側ウォータジャケットと、このシリンダヘッド側ウォータジャケットから外部に冷却水を導出する冷却水導出口と、この冷却水導出口の下流側に設けられた冷却水温検出手段とを備え、前記冷却水温検出手段によって検出された冷却水温に応じて前記ウォータジャケット内に導入する冷却水量を切換えることを特徴としている。
上側フランジ部と下側フランジ部とでスペーサの外周を流れる冷却水の流路面積を制限して流通部を通過する冷却水の流速を上昇できるため、シリンダボア間のくびれ部を流通する冷却水量を確保でき、冷却性能を向上することができる。
しかも、冷却水の進行を、シリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部及び下側フランジ部と流通部とによって誘導するため、スペーサの構造の簡単化を図ることができる。
更に、スペーサの外周側の冷却水の流れをスペーサの内周側の冷却水の流れよりも促進してスペーサの外周側を流れる冷却水の流速と流量を確保するため、シリンダボア間のくびれ部を流通する冷却水量確保とスペーサの外周側の下端からスペーサの内周側へ回り込む冷却水の抑制とを図ることができる。
請求項3の発明によれば、段落[0014]の記載と同様の効果が得られるうえ、下側フランジに形成した傾斜部により、冷却水の流路の断面積を絞って流速を高めることができる。
請求項4の発明によれば、段落[0014]の記載と同様の効果が得られるうえ、前記ガイド部を設けたため、冷却水導入口から導入される冷却水がスペーサの壁部で跳ね返ることで生じる水平軸回りの下側旋回流の発生を防止し、冷却水の乱れの発生を抑制できる。
請求項5の発明によれば、スペーサの外周側からスペーサの内周側へ上側から回り込む冷却水を抑制することができ、一層シリンダボアの昇温促進を図ることができる。
請求項6の発明によれば、スペーサの下端側部分において気筒配列方向に流れる冷却水の流通を抑制するため、上側フランジ部及び下側フランジ部で形成された流路を流れる冷却水の流通を促進し、スペーサの外周側からスペーサの内周側へ下側から回り込む冷却水を一層抑制できる。
請求項8の発明によれば、温度によって冷却水量を制御するため、暖機促進と冷却促進とを効率的に実行することができる。
図1,図2に示すように、本実施例に係る多気筒エンジン(以下、エンジンという)Eは、4つのシリンダがクランク軸方向に直列状に配設され、吸気系と排気系とが気筒配列方向に対して互いに向かい合うように配設された直列4気筒エンジンである。このエンジンE1は、車両前部のエンジンルーム(図示略)内に、気筒配列方向が車幅方向と平行になるように配置され、吸気系が車体前方に面し、各気筒のシリンダ軸が上下方向に向くように搭載されている。尚、以下の説明では、左側から順に第1〜第4気筒C1〜C4として説明する。
図1〜図3に示すように、シリンダブロック1は、アルミニウム合金製オープンデッキ型シリンダブロックで構成され、ピストン(図示略)を摺動自在に夫々収容する4つのシリンダライナ12が左右方向(気筒配列方向)に直線状に隣接したサイアミーズ型シリンダライナと、各シリンダライナ12によって夫々形成された4つのシリンダボア13を備えている。サイアミーズ型シリンダライナは、鋳鉄により一体形成され、環状のウォータジャケット11によって囲繞されている。ウォータジャケット11は、平面視にて隣り合うシリンダボア13の間、所謂サイアミーズ部に対応した3ヶ所にくびれを備えた略長円形状を形成している。
冷却水導入口14は、スペーサ4の冷却水導入口14に対応した部分における接線方向と冷却水の導入方向とが交差する位置、具体的には、第1気筒C1の中段部相当位置に対応したスペーサ4の壁部に対して左斜め前側から冷却水を導入可能な位置に設けられている。
尚、スペーサ4の冷却水導入口14に対応した部分における接線方向と冷却水の導入方向との交差角度は、エンジンEの仕様に基づく冷却水の分流比率に応じて適宜設定可能である。
図1〜図3に示すように、シリンダヘッド2は、アルミニウム合金で形成され、各気筒C1〜C4毎に吸排気ポート22,23、プラグポート26、動弁機構及びインジェクタ(何れも図示略)等を備えている。
ウォータジャケット21は、各気筒C1〜C4の吸排気ポート22,23やプラグポート26等の周囲を覆うように左端部分から右端部分に亙って気筒配列方向全体に形成されている。シリンダヘッド2には、左端部にシリンダブロック1のウォータジャケット11からシリンダヘッド2のウォータジャケット21内へ冷却水を導入するための冷却水導入口24が設けられ、右端部にウォータジャケット21からシリンダヘッド2の外部へ冷却水を導出するための冷却水導出口25が設けられている。
図2に示すように、板金製のガスケット3は、シリンダブロック1のウォータジャケット11にスペーサ4が挿入された状態でシリンダブロック1の上端部分に重ね合わせられ、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とを締結ボルト(図示略)により締結することで固定される。
これにより、前後1対の冷却水開口部33と3組の前後1対の第1連通部34と複数の第2連通部35とを介してウォータジャケット11の冷却水をウォータジャケット21へ流すため、シリンダヘッド2の冷却性能を維持することができる。また、前後1対の冷却水開口部33から第1連通部34や第2連通部35よりも大量の冷却水を流すため、ウォータジャケット11内の冷却水を所望の進行方向である右方へ誘導することができる。
図1に示すように、スペーサ4は、シリンダボア13の外周を囲繞してウォータジャケット11の外側壁との間に冷却水を流すための流路S(隙間)を形成している。
スペーサ4は、高温に耐え得る耐熱性と、冷却水の水圧によって変形や破損が生じない剛性を備えた合成樹脂、例えばポリアミド系熱可塑性樹脂(PA66,PPA等)、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)等の樹脂を1つ又は複数種類組み合わせて射出成形可能であり、必要に応じてガラス繊維を配合しても良い。
ガイド部52は、板状に形成されている。これにより、上下方向の旋回流を簡単な構造で堰き止めることができるため、右方へ流れる冷却水の乱れの発生を抑えることができる。
図6〜図11に示すように、導入部53のシリンダボア13側端部には、スペーサ4の外周を流れる冷却水を隣り合うシリンダボア13の間のくびれ部に向けて流通させるための流通部53aが設けられている。流通部53aは、ガスケット3に形成された第1連通部34の直下方位置において導入部53のシリンダボア13側端部の上端部分を一部切り欠いて形成している。これにより、スペーサ4の外周側から流通部53aを通過した冷却水はシリンダボア13間のサイアミーズ部(くびれ部)へ水平状に流れ、その後、第1連通部34を介してサイアミーズ部を冷却した冷却水はシリンダヘッド2へ流れるように案内される。
これにより、スペーサ4の外周側の冷却水の流れをスペーサ4の内周側の冷却水の流れよりも促進できるため、スペーサ4の外周側を流れる冷却水の流速と流量を確保し、スペーサ4の外周側の下端からスペーサ4の内周側へ回り込む冷却水を抑制することができる。
これにより、ウォータジャケット11に導入された冷却水は、本体壁部41とウォータジャケット11の外壁部と上側フランジ部42と下側フランジ部43とによって形成された流路Sを流れる。また、右方に流れる大半の冷却水は、流路面積が前側傾斜部43cによって可及的に絞られるため、流路Sを流れる冷却水の流速と流量が増加され、これにより流通部53aに誘導される冷却水量が増加されている。
この段付壁部44は、本体壁部41の下端部からウォータジャケット11の外壁部に接近するようにシリンダボア13に対して反対方向へ延びて本体壁部41とウォータジャケット11の外壁部との隙間を狭くするように形成されている。
段付壁部44は、前側部分に、複数の縦リブ71と、貫通孔72とを備えている。
貫通孔72は、寒冷地用エンジンヒータ(図示略)を挿入するための開口である。この貫通孔72は、第4気筒C4の前側下部に対応した位置に形成されている。
この冷却水経路は、シリンダヘッド2の冷却水導出口25とシリンダブロック1の冷却水導入口14へ冷却水を供給するウォータポンプ81とを接続する経路L1と、経路L1の途中部に接続されたバルブユニット82と、バルブユニット82よりも下流側の経路L1に配設された温度センサ84aと、バルブユニット82とラジエータ83の導入部とを接続する経路L2と、ラジエータ83の導出部と温度センサ84aよりも下流側の経路L1とを接続する経路L3と、経路L3に配設された温度センサ84bと、バルブユニット82と温度センサ84bよりも下流側の経路L3とを接続する経路L4と、経路L4の途中部に配設されたATFウォーマ85と、経路L4の途中部にATFウォーマ85と並列状に配設された補助ウォータポンプ86及び空調用ヒータユニット87等を備えている。ATFウォーマ85は、冷却水と自動変速機用オイル(ATF)との熱交換機構である。
第1,第2流量制御弁88,89は、制御装置(図示略)によって制御され、温度センサ84aの検出値に基づいて流通する冷却水量を制御している。
サーモスタット弁90は、冷却水温度が高温となったとき開作動するように設定され、バルブユニット82の第1,第2流量制御弁88,89が全閉状態で故障したときのフェルセーフ機構を構成している。第1流量制御弁88の導出部とサーモスタット弁90の導出部とは、経路L2に接続され、第2流量制御弁89の導出部は、経路L4に接続されている。
半暖機モードでは、第1流量制御弁88及びサーモスタット弁90を閉作動し、第2流量制御弁89を開作動して冷却水の早期昇温を促進している。
完全暖機モードでは、第1,第2流量制御弁88,89及びサーモスタット弁90を開作動して冷却水温度の安定維持を図っている。
このエンジンEの冷却装置によれば、冷却水がシリンダボア13の燃焼室側部分に直接接触することを防止できるため、シリンダボア13の昇温促進を図ることができ、暖機完了を早期化できる。上側フランジ部42と下側フランジ部43とでスペーサ4の外周を流れる冷却水の流路面積を制限して流通部53aを通過する冷却水の流速を上昇できるため、シリンダボア13間を流通する冷却水量を確保でき、冷却性能を向上することができる。しかも、冷却水の進行を、シリンダボア13と反対側へ張り出す上側フランジ部42及び下側フランジ部43と流通部53aとによって誘導するため、スペーサ4の構造の簡単化を図ることができる。
ウォータジャケット11とウォータジャケット21との間にガスケット3が介装され、ガスケット3にウォータジャケット11からウォータジャケット21へ冷却水を流すための第1,第2連通部34,35を設け、縦フランジ部61の上端部を第1,第2連通部34,35の中心に対してシリンダボア13側に位置するように配設している。
これにより、スペーサ4の外周側の冷却水の流れをスペーサ4の内周側の冷却水の流れよりも促進してスペーサ4の外周側を流れる冷却水の流速と流量を確保するため、シリンダボア13間を流通する冷却水量確保とスペーサ4の外周側の下端からスペーサ4の内周側へ回り込む冷却水の抑制とを図ることができる。
下側フランジ部43と段部付壁部44との間に上下方向に延びる複数の縦リブ71を設けている。これにより、スペーサ4の下端側部分において気筒配列方向に流れる冷却水の流通を抑制するため、上側フランジ部42及び下側フランジ部43で形成された流路Sを流れる冷却水の流通を促進し、スペーサ4の外周側からスペーサ4の内周側へ下側から回り込む冷却水を一層抑制できる。
ウォータジャケット11に連通されたウォータジャケット21と、このウォータジャケット21から外部に冷却水を導出する冷却水導出口25と、この冷却水導出口25の下流側に設けられた温度センサ84aとを備え、温度センサ84aによって検出された冷却水温に応じてウォータジャケット11内に導入する冷却水量を切換えている。これにより、温度によって冷却水量を制御するため、暖機促進と冷却促進とを効率的に実行することができる。
1〕前記実施例においては、水平状の上側フランジ部と下側フランジ部の前側傾斜部とによって流路面積を制限した例を説明したが、少なくとも上側フランジ部と下側フランジ部との離隔距離を減少させれば良く、上側フランジ部と下側フランジ部の両フランジ部に傾斜部を設けても良い。また、傾斜部に代えて上側フランジ部と下側フランジ部との離隔距離を減少させる湾曲部を設けることも可能である。
2 シリンダヘッド
4 スペーサ
11 ウォータジャケット
13 シリンダボア
14 冷却水導入口
21 (シリンダヘッド側)ウォータジャケット
25 冷却水導出口
34 第1連通部
35 第2連通部
42 上側フランジ部
43 下側フランジ部
44 段部付壁部
53a 流通部
61 縦フランジ部
71 縦リブ
72 貫通孔
84a 温度センサ
E エンジン
Claims (8)
- シリンダブロックに設けられた複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウォータジャケットと、このウォータジャケット内に配置されたスペーサとを備えたエンジンの冷却装置において、
前記ウォータジャケットは平面視にて隣合うシリンダボアの間のサイアミーズ部に対応したくびれ部を備え、
前記スペーサが、前記スペーサの上端近傍部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部と、前記スペーサの下部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に形成され且つ前記スペーサの外周を流れる冷却水を前記くびれ部に流通させる流通部とを備え、
前記上側フランジ部と下側フランジ部とで前記スペーサの外周を流れる冷却水の流路面積を制限し、
前記ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケットとの間にガスケットが介装され、
前記ガスケットに前記ウォータジャケットからシリンダヘッド側ウォータジャケットへ冷却水を流すための連通部を設け、
前記上側フランジ部の少なくとも一部の上端から上方へ延びる縦フランジ部を設け、
前記縦フランジ部の上端部を前記連通部の中心に対してシリンダボア側に位置するように配設したことを特徴とするエンジンの冷却装置。 - シリンダブロックに設けられた複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウォータジャケットと、このウォータジャケット内に配置されたスペーサとを備えたエンジンの冷却装置において、
前記ウォータジャケットは平面視にて隣合うシリンダボアの間のサイアミーズ部に対応したくびれ部を備え、
前記スペーサが、前記スペーサの上端近傍部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部と、前記スペーサの下部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に形成され且つ前記スペーサの外周を流れる冷却水を前記くびれ部に流通させる流通部とを備え、
前記上側フランジ部と下側フランジ部とで前記スペーサの外周を流れる冷却水の流路面積を制限し、
前記スペーサのうちの前記下側フランジ部よりも下方へ離隔した下端側部分に、前記スペーサとウォータジャケットの外側壁との隙間を狭くするための段部付壁部を形成したことを特徴とするエンジンの冷却装置。 - シリンダブロックに設けられた複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウォータジャケットと、このウォータジャケット内に配置されたスペーサとを備えたエンジンの冷却装置において、
前記ウォータジャケットは平面視にて隣合うシリンダボアの間のサイアミーズ部に対応したくびれ部を備え、
前記スペーサが、前記スペーサの上端近傍部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部と、前記スペーサの下部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に形成され且つ前記スペーサの外周を流れる冷却水を前記くびれ部に流通させる流通部とを備え、
前記上側フランジ部と下側フランジ部とで前記スペーサの外周を流れる冷却水の流路の上下両端が画成され、
冷却水導入口が気筒配列方向の一端側に形成されており、
前記下側フランジ部が前記冷却水導入口に対応する気筒部位から吸気側及び排気側に気筒配列方向に夫々延びる途中部位に冷却水流の下流側程上方へ移行するように傾斜した傾斜部が形成され、
前記傾斜部より上流側の下側フランジ部と前記傾斜部より下流側の下側フランジ部とは上下方向にオフセットさせて配置されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - シリンダブロックに設けられた複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウォータジャケットと、このウォータジャケット内に配置されたスペーサとを備えたエンジンの冷却装置において、
前記ウォータジャケットは平面視にて隣合うシリンダボアの間のサイアミーズ部に対応したくびれ部を備え、
前記スペーサが、前記スペーサの上端近傍部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す上側フランジ部と、前記スペーサの下部に沿って全周に亙って延び且つシリンダボアと反対側へ張り出す下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に形成され且つ前記スペーサの外周を流れる冷却水を前記くびれ部に流通させる流通部とを備え、
前記上側フランジ部と下側フランジ部とで前記スペーサの外周を流れる冷却水の流路の上下両端が画成され、
前記下側フランジ部が前記スペーサの下端から上方に離隔した位置に形成され、
前記スペーサが冷却水導入口に対応した部分の下部から冷却水導入方向上流に向って延びるガイド部を備え、
前記ガイド部は、前記スペーサの下端から上方に離隔した位置に形成されて前記下側フランジ部に連なっていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 前記上側フランジ部の少なくとも一部の上端から上方へ延びる縦フランジ部を設けたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記下側フランジ部と段部付壁部との間に上下方向に延びる複数の縦リブを設けたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記ウォータジャケット内に冷却水を導入する冷却水導入口よりも下流側位置で且つ前記スペーサの下部にスペーサを内外方向に貫通する貫通孔を形成したことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記ウォータジャケットに連通されたシリンダヘッド側ウォータジャケットと、このシリンダヘッド側ウォータジャケットから外部に冷却水を導出する冷却水導出口と、この冷却水導出口の下流側に設けられた冷却水温検出手段とを備え、
前記冷却水温検出手段によって検出された冷却水温に応じて前記ウォータジャケット内に導入する冷却水量を切換えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のエンジンの冷却装置。
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