JP2007309221A - 内燃機関冷却機構、予備昇温用流路形成方法及び区画部材 - Google Patents

内燃機関冷却機構、予備昇温用流路形成方法及び区画部材 Download PDF

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高義 中田
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Abstract

【課題】内燃機関の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行う。
【解決手段】シリンダブロック12のウォータジャケット14内は区画部材2により予備昇温用流路18が形成されている。このため温水はウォータジャケット14内で分散せずに予備昇温用流路18内に維持され、シリンダヘッド側やウォータポンプ側に流れることがない。そしてこの温水が予備昇温用流路18内を流れる間に温水からシリンダボア側へ効率的に伝熱することができるので、内燃機関のウォータジャケット14に温水を大量に導入しなくても温水によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は予備昇温時に内燃機関のシリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を導入することで予備昇温用熱媒体からの伝熱により内燃機関を予備昇温する機能を有する内燃機関冷却機構、予備昇温用流路形成方法及び区画部材に関する。
走行時に温水状態となっている冷却水を蓄熱部に保温貯蔵しておき、冷間時の内燃機関始動に先立って、蓄熱部に貯蔵していた温水を内燃機関の冷却水通路に流入させて、内燃機関を予備昇温する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。このことにより内燃機関の早期暖機を図って以後の内燃機関始動中及び始動後における燃費やエミッションを良好なものにしている。
シリンダブロックのボア壁温における温度分布を均一にするために、ウォータジャケットの底部に樹脂などで成形したスペーサを充填することにより、冷却水の流れ抵抗を調節する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。このことによりシリンダボアを均一に冷却して燃費やエミッションを良好なものにしている。
特開2003−184553号公報(第11頁、図2) 特開2002−13440号公報(第3−4頁、図1)
前記特許文献1の予備昇温では、シリンダヘッド側からウォータジャケットへ温水を流入させているため特にシリンダボアの上部側が昇温するが下部側の昇温は不十分であり、温度分布は未だ適切なものとは言えない。したがって直接、シリンダブロック側のウォータジャケットへ温水を流入させることも考えられる。しかしこの場合も温水がウォータジャケット内で分散して、上部側ではシリンダヘッド側へ抜けたり、冷却水が導入されるウォータポンプ(予備昇温時には停止状態)側へ抜けたりして、温水がシリンダボアを十分に昇温させることは困難である。
このような特許文献1の技術が適用された内燃機関に対して、前記特許文献2のスペーサをウォータジャケットの底部に充填する技術を組み合わせても、温水は冷却用流通路に送り出していることから、ウォータジャケット内での温水の分散は避けられず、シリンダボアの昇温効果は改善されない。
このような分散が生じていてもシリンダボアの昇温効果を十分とさせるためには、温水を大量に導入することも考えられる。しかし温水を大量に供給するためには蓄熱部自体を大型化する必要があり、このために内燃機関が大型化重量化して逆に燃費が悪化してしまう。
本発明は、内燃機関の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる内燃機関冷却機構、予備昇温用流路形成方法及び区画部材の提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関冷却機構は、予備昇温時に内燃機関のシリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を導入することで該予備昇温用熱媒体からの伝熱により内燃機関を予備昇温する機能を有する内燃機関冷却機構であって、前記シリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路内に配置された区画部材によりシリンダボア側壁面を含む領域が区画されることで、予備昇温時に前記予備昇温用熱媒体を流す予備昇温用流路が、前記シリンダボア側壁面を流路壁の一部として前記冷却用熱媒体流路内に形成されていることを特徴とする。
このように冷却用熱媒体流路内に配置された区画部材により、予備昇温用熱媒体を流す予備昇温用流路が区画されて形成されている。このため予備昇温用熱媒体の流れは、冷却用熱媒体流路内にて分散せずに予備昇温用流路内に維持される。しかもこの予備昇温用流路はシリンダボア側壁面を流路壁の一部としている。したがって予備昇温用熱媒体が予備昇温用流路内を流れる間に予備昇温用熱媒体からシリンダボア側へ効率的に伝熱することができる。
このことにより内燃機関の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
請求項2に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1において、前記予備昇温用流路はシリンダボア配列の全周に渡って形成されていることを特徴とする。
このように予備昇温用流路が形成されていることにより、上記請求項1の効果を顕著なものとすることができる。
請求項3に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1又は2において、前記予備昇温用熱媒体は、内燃機関の運転時に前記冷却用熱媒体流路を流れて昇温した冷却用熱媒体の一部を、予め蓄熱部に保温貯蔵したものであることを特徴とする。
このように予備昇温用熱媒体として内燃機関運転時に昇温した冷却用熱媒体の一部を保温貯蔵したものを用いることで、内燃機関からの発熱を無駄にせずに暖機に再利用することができ、かつ予備昇温のための専用熱媒体を別途準備する必要がないので内燃機関の軽量化により更に燃費を向上させることができる。
請求項4に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記シリンダボア側壁面の上下方向の一部領域のみを分割するように区画することで、前記シリンダボア側壁面の一部を流路壁の一部として前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする。
このように予備昇温用流路は区画部材によりシリンダボア側壁面の上下方向の一部領域のみを分割するように冷却用熱媒体流路内を区画したものでも良い。このことにより効率的にシリンダボア側に伝熱できるので、予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
請求項5に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面における頂部と底部との間の位置から、前記冷却用熱媒体流路の底部にかけて区画することで、前記シリンダボア側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする。
このように区画部材を配置することで特にシリンダボア側壁面の下方側を分割区画して予備昇温用流路を形成することができる。このことにより効率的にかつ適切な温度分布でシリンダボア側を昇温できるとともに、特に冷間時にて内燃機関始動時や始動後でのピストンスカート部のフリクション低減効果が高まる。
請求項6に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面から該シリンダボア側壁面に対向するシリンダブロックの外周壁側壁面にかけて区画することで、前記冷却用熱媒体流路の底部側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする。
このように冷却用熱媒体流路を分割区画して、冷却用熱媒体流路の底部側に予備昇温用流路を形成することで、シリンダボア側壁面の下方側の壁面を予備昇温用流路の壁面とすることができる。このことにより効率的にかつ適切な温度分布でシリンダボア側を昇温できるとともに、特に冷間時にて内燃機関始動時や始動後でのピストンスカート部のフリクション低減効果が高まる。
請求項7に記載の内燃機関冷却機構では、請求項6において、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面のシリンダヘッド寄りの位置から、前記外周壁側壁面のシリンダヘッドから離れた位置にかけて区画することで、前記冷却用熱媒体流路の底部側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする。
このように冷却用熱媒体流路を分割区画して、冷却用熱媒体流路の底部側に予備昇温用流路を形成することで、シリンダボア側壁面の下方側の壁面を予備昇温用流路の壁面とすることができる。このことにより効率的にかつ適切な温度分布でシリンダボア側を昇温できるとともに、特に冷間時にて内燃機関始動時や始動後でのピストンスカート部のフリクション低減効果が高まる。
請求項8に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記予備昇温用流路は前記冷却用熱媒体流路の底部又は底部近傍から形成され、前記冷却用熱媒体流路の深さの約2/3の深さにて形成されていることを特徴とする。
このような深さでかつ冷却用熱媒体流路の底部又は底部近傍から予備昇温用流路を形成することで、効率的にかつ適切な温度分布でシリンダボア側を昇温できるとともに、冷間時にて内燃機関始動時や始動後でのピストンスカート部のフリクション低減効果が高まる。
更にシリンダボアの冷却時においては、冷却水による冷却能力も十分に確保できる。
請求項9に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路の壁面に接触する部分がゴム状弾性体にて形成されていることを特徴とする。
このことにより区画部材による予備昇温用流路の密閉度が高まり、予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
請求項10に記載の内燃機関冷却機構では、請求項9において、前記区画部材は、前記ゴム状弾性体を含めて樹脂にて一体成形されていることを特徴とする。
このように一体成形であることにより、シリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路への区画部材の配置作業が容易となる。
請求項11に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜10のいずれかにおいて、前記予備昇温時に前記予備昇温用流路へ前記予備昇温用熱媒体を導入する導入路が、前記シリンダブロックの外周壁を貫通して形成されていることを特徴とする。
このような導入路により予備昇温用流路へ予備昇温用熱媒体を容易に導入することができる。前述したごとく冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温を効果的に行うことができることから、導入路も径が小さくても良い。したがって設計上の制約が少なくなりシリンダブロックでの導入路の形成が容易となる。
請求項12に記載の内燃機関冷却機構では、請求項11において、前記シリンダブロックの外周壁と前記区画部材とにそれぞれ開口部が形成され、該開口部間の空間にて該開口部周りに環状にゴム状弾性体を配置してシールすることにより、前記開口部間での前記導入路が形成されていることを特徴とする。
このことにより予備昇温用熱媒体が、導入前に導入路から区画部材外の冷却用熱媒体流路へ漏出しないように確実に密閉でき、予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
請求項13に記載の内燃機関冷却機構では、請求項1〜12のいずれかにおいて、前記予備昇温用流路からの予備昇温用熱媒体の導出路は、前記区画部材の外側の前記冷却用熱媒体流路又はシリンダヘッド部分の冷却用熱媒体流路に合流していることを特徴とする。
予備昇温用流路から予備昇温用熱媒体を出すための導出路については、区画部材外の冷却用熱媒体流路又はシリンダヘッド部分の冷却用熱媒体流路に合流させることにより、冷却用熱媒体流路や区画部材の形状を複雑化させることなく、内燃機関冷却機構を容易に構成することができる。
請求項14に記載の内燃機関冷却機構では、請求項13において、前記導出路は、予備昇温用熱媒体の導入路とは、シリンダボア配列の中心軸を間にして該中心軸における線対称の位置に存在することを特徴とする。
このように導出路は、導入路に対してシリンダボア配列の中心軸を間にして線対称の位置、すなわち正反対の位置に存在する。このことにより導入路から予備昇温用流路へ導入された予備昇温用熱媒体はシリンダボア配列の外周部分の全体を大きな偏り無く流れた後に、導出路から区画部材外の冷却用熱媒体流路又はシリンダヘッド部分の冷却用熱媒体流路へと流れ出る。
このため予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
請求項15に記載の予備昇温用流路形成方法は、請求項1〜14のいずれかに記載の内燃機関冷却機構における前記予備昇温用流路の形成方法であって、冷却用熱媒体流路がオープンデッキ型であるシリンダブロックに対して、デッキ面の前記冷却用熱媒体流路の開口部から前記区画部材を挿入して、前記冷却用熱媒体流路内を区画することにより前記予備昇温用流路を形成した後、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けることを特徴とする。
このようにシリンダブロックがオープンデッキ型である。したがって区画部材を冷却用熱媒体流路の開口部から冷却用熱媒体流路内へ挿入することで、前述した内燃機関冷却機構における該当位置へ区画部材を容易に配置でき、前述した内燃機関冷却機構の作用効果を生じさせる予備昇温用流路を容易に形成することができる。
請求項16に記載の区画部材は、内燃機関のシリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路内に配置されて、冷却用熱媒体流路内を幅方向及び深さ方向にて区画することで、シリンダボア側壁面を流路壁の一部として冷却用熱媒体流路内に予備昇温時に予備昇温用熱媒体を流す予備昇温用流路を形成することを特徴とする。
このような区画部材が形成する冷却用熱媒体流路における予備昇温用熱媒体の流れは、冷却用熱媒体流路内にて分散せずに予備昇温用流路内に維持される。しかもこの予備昇温用流路はシリンダボア側壁面を流路壁の一部としている。したがって予備昇温用熱媒体が予備昇温用流路内を流れる間に予備昇温用熱媒体からシリンダボア側へ効率的に伝熱することができる。
このことにより内燃機関の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
請求項17に記載の区画部材では、請求項16において、内燃機関のシリンダボア配列の全周を取り囲む形状に形成され、前記冷却用熱媒体流路の幅よりも薄い板状の区画部材本体と、前記区画部材本体に設けられて前記冷却用熱媒体流路の壁面に接触することにより前記区画部材本体と前記冷却用熱媒体流路の壁面との間に形成された前記予備昇温用流路をシールするゴム状弾性体とを備えたことを特徴とする。
このような区画部材本体とゴム状弾性体とを備えることにより、区画された予備昇温用流路の密閉度が高まり、予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
請求項18に記載の区画部材では、請求項17において、前記区画部材本体には前記予備昇温用熱媒体を前記予備昇温用流路内へ導入する開口部が形成され、該開口部の周りには、前記冷却用熱媒体流路の壁面に前記予備昇温用熱媒体の導入のために形成された開口部の周りに接触して、該2つの開口部間での導入路を形成するためのゴム状弾性体を有することを特徴とする。
このことにより予備昇温用熱媒体が導入路において区画部材外の冷却用熱媒体流路へ漏出しないように確実に密閉でき、予備昇温用熱媒体によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
請求項19に記載の区画部材では、請求項17又は18において、前記区画部材本体には、前記予備昇温用熱媒体を、前記予備昇温用流路外へ導出するために、切欠き又は孔が形成されていることを特徴とする。
このような簡易な構成で、区画された予備昇温用流路から外へ予備昇温用熱媒体を導出する構成を実現できる。
[実施の形態1]
図1,2に上述した発明が適用された区画部材2の構成を示す。図1の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は斜視図、(E)は右側面図、(F)は別の方向から見た斜視図である。図2の斜視図は区画部材2の構成を分解して示している。ここで区画部材2は区画部材本体4、区画部材脚部6,8及び温水導入部10から構成されている。
区画部材本体4は、図3の組み付け説明図に示すごとく内燃機関EGのオープンデッキ型シリンダブロック12に形成されているウォータジャケット14(シリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路に相当)内に配置できる形状をなしている。すなわちウォータジャケット14の幅より薄い板状であり、かつ円筒を気筒数(ここでは4気筒)接続した形状とされている。尚、内燃機関EGは車両搭載用の内燃機関であり、ウォータジャケット14の幅とは後述する図4に示す外周面16と内周面22との間の距離である。
このような形状とすることにより、区画部材本体4は、シリンダブロック12におけるシリンダボア側部分12aを、区画部材脚部6,8により形成される間隙を介して取り囲んでいる。区画部材本体4は樹脂により形成されているがウォータジャケット14内が内燃機関EGの運転時に高温状態となっても形状が維持できるように、芳香族ナイロンなどの耐熱性樹脂にて形成されている。
区画部材本体4の内周面4aには、下端側に下部区画部材脚部6が帯状に形成されている。下部区画部材脚部6は区画部材本体4の内周面4aの全周に渡って形成されている。内周面4aの上端側には上部区画部材脚部8が帯状に形成されている。上部区画部材脚部8は区画部材本体4の内周面4aのほぼ全周に渡って形成されているが、シリンダボア配列の一端側(ここでは#1気筒側)に切欠き8bを形成して開放されている。
これら区画部材脚部6,8はゴム状弾性体、ここではEPDM等のゴム系樹脂から構成されている。これらの区画部材脚部6,8の内周面6a,8aが、図3に示したごとく区画部材2をウォータジャケット14内に挿入して配置した場合に、図4,5の断面図に示すごとくシリンダボア側部分12aの外周面16(シリンダボア側壁面に相当)に密着する。このことにより外周面16と区画部材本体4との間に間隙を確保して予備昇温用流路18を形成するとともに予備昇温用流路18をシールする。図4は#1〜#4気筒のシリンダボア配列方向に直交する方向で1つの気筒での断面図、図5はシリンダボア配列方向に沿って全気筒に渡る断面図である。
区画部材本体4にはシリンダボア配列方向の一端側(#4気筒側)に開口部20が形成され、温水導入部10が区画部材本体4の外周面4b側にて開口部20を取り囲むように環状に形成されている。温水導入部10は、前記区画部材脚部6,8と同様のゴム状弾性体から構成されている。したがって区画部材2をウォータジャケット14内に挿入して配置した場合には、前記図5に示したごとく温水導入部10はシリンダブロック12の外周壁12bの内周面22(外周壁側壁面に相当)に密着する。シリンダブロック12の外周壁12bの内で、温水導入部10が密着する内周面22から外側へは開口部24が形成されて温水導入パイプ26が嵌合されている。温水導入部10は開口部24を囲むように内周面22に密着しているので、温水導入パイプ26から導入される温水(予備昇温用熱媒体に相当)は、温水導入部10と区画部材本体4の開口部20とを介して予備昇温用流路18に導入される。この温水導入パイプ26、開口部24、温水導入部10及び開口部20が温水の導入路を形成していることになる。
ウォータジャケット14内への区画部材2の配置作業は、ゴム状弾性体である区画部材脚部6,8及び温水導入部10を圧縮しつつ、デッキ面12cでのウォータジャケット14の開口部から区画部材2をウォータジャケット14内へ挿入して行う。該当位置(ここではウォータジャケット14の底部又は底部近傍)まで区画部材2を挿入した後は、区画部材脚部6,8及び温水導入部10の復元力により、区画部材2はウォータジャケット14内に固定される。そしてシリンダヘッド28をガスケットを介してシリンダブロック12上にボルト締結することによりシリンダボア配列周辺での内燃機関冷却機構が形成されるとともに、温水導入パイプ26から温水を予備昇温用流路18内に導入することが可能となる。
温水導入パイプ26から予備昇温用流路18内に導入された温水は#4気筒側にて左右に均等に分かれ、それぞれシリンダボア配列の両側の予備昇温用流路18を流れ、#1気筒側にて合流する。そして温水は上部区画部材脚部8の切欠き8bを導出路30(図5)として予備昇温用流路18から、区画部材2の外側のウォータジャケット14中へ出て、更にシリンダブロック12部分のウォータジャケット14からシリンダヘッド28部分のウォータジャケットへ流出する。
区画部材2の外側のウォータジャケット14には、冷却用ウォータポンプ44(後述する図6)から冷却水を導入する冷却水導入路32がシリンダブロック12の外周壁12bを貫通して形成されている。上述した温水の導入時には冷却用ウォータポンプ44は回転していないので、区画部材2の外側のウォータジャケット14中へ出た温水は、冷却水導入路32を介して冷却用ウォータポンプ44側にも流れる。
温水を予備昇温用流路18に導入する予備昇温時の水流回路を図6の(A)に示す。予備昇温時に実際に温水が流れる部分は図6の(A)に太線で示すごとくである。すなわち温水を保温貯蔵している蓄熱タンク34(蓄熱部に相当)内の温水が、電動ウォータポンプ36の駆動により押し出され、開放されている第1二方弁38を介して温水導入パイプ26からシリンダブロック12内の予備昇温用流路18に導入される。予備昇温用流路18内を流れた温水は導出路30から区画部材2の外側のウォータジャケット14に出た後、シリンダヘッド28側へ流れて開放されている第2二方弁40を介してヒータコア42に流れ込み、車室内の暖房を行う。そして電動ウォータポンプ36に環流する。又、導出路30から区画部材2の外側のウォータジャケット14に出た温水の一部は、冷却水導入路32から未だ回転していない冷却用ウォータポンプ44を通過して電動ウォータポンプ36に環流する。
このような予備昇温処理の後、冷間時の内燃機関EG始動中及び始動後では図6の(B)の太線のごとくに流れる水流回路となる。この時は電動ウォータポンプ36は停止され、第1二方弁38及び第2二方弁40は閉じられる。したがって冷却用ウォータポンプ44により送り出された冷却水は冷却水導入路32からシリンダブロック12内のウォータジャケット14に入り、その後、シリンダヘッド28側に流れて、サーモスタットパルプ46の機能により冷間時はラジエータ48を迂回して冷却用ウォータポンプ44に環流する。この時は予備昇温用流路18内の温水は流れを停止してシリンダボア側部分12aを暖め続ける。
そして内燃機関EGの暖機が完了すると、第1二方弁38及び第2二方弁40が開放され、サーモスタットパルプ46もラジエータ48側への冷却水の流れを許す。したがって図6の(C)に太線で示すごとくに水流回路が形成されて、冷却用ウォータポンプ44からの冷却水は冷却水導入路32からウォータジャケット14に流れ、更にシリンダヘッド28、ラジエータ48、サーモスタットパルプ46及び冷却用ウォータポンプ44へと環流する。更に区画部材2の外側のウォータジャケット14に流入した冷却水の一部は、電動ウォータポンプ36が駆動していないので、導出路30から区画部材2内の予備昇温用流路18へと流れ込む。この冷却水は、シリンダボア側部分12aの外周面16にて昇温された後、温水導入パイプ26から第1二方弁38を介して蓄熱タンク34に流れ込み、蓄熱タンク34内を温水で満たすことになる。
図7の(A)に、シリンダブロック12の初期温度25℃の状態で、10秒間で70℃の温水3リットルを温水導入パイプ26から区画部材2内の予備昇温用流路18内に導入した場合の、#1〜#4気筒のボア表面温度分布を示す。(B)は区画部材2を配置せずにウォータジャケット14に温水導入パイプ26から温水を直接導入した場合のボア表面温度分布を示す。
図7から分かるように、区画部材2が存在した方が、#1〜#4気筒のボア表面温度は全体に高くなり、しかも気筒間の温度差も小さい。
図8に実際に冷間時に内燃機関EGを始動した場合の区画部材2有無の違いによるボア壁温の上昇差を示す。このボア壁温は、深さd(図4)が約90mmのウォータジャケット14内に高さh(図4)が70mmの区画部材本体4を有する区画部材2を、ウォータジャケット14の底部近傍(底部でも良い)に配置して測定したものである。図8に示すボア壁温の値は、各気筒においてデッキ面12cから20、50、90mmの各位置で測定して、この3点の温度の平均値を更に4気筒において平均した値として表している。
区画部材2が存在する場合には図8から分かるように、ボア壁温は、区画部材2が無い場合に比較して温水導入により急速に立ち上がり、しかも内燃機関EG始動後もその影響が存在し、早期に暖機が完了することが分かる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).シリンダブロック12のウォータジャケット14内は、区画部材2により幅方向及び深さ方向にて区画されて予備昇温用流路18がシリンダボア配列の全周に渡って形成されている。このため予備昇温時の温水の流れは、ウォータジャケット14内にて分散せずに予備昇温用流路18内に維持される。しかもこの予備昇温用流路18はシリンダボア側部分12aの外周面16の上下方向の一部領域のみを分割するように区画することで、この外周面16の一部を、予備昇温用流路18の流路壁の一部としている。したがって温水が予備昇温用流路18内を流れる間に温水からシリンダボア側へ効率的に伝熱することができる。
このことにより内燃機関のウォータジャケット14に温水を大量に導入しなくても温水によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
更に、予備昇温時の温水は蓄熱タンク34に前回内燃機関運転時に昇温された冷却水の一部を保温貯蔵したものである。このため内燃機関EGからの発熱を無駄にせずに暖機に再利用することができ、かつ予備昇温専用の温水を別途準備する必要がないので内燃機関EGの軽量化により更に燃費を向上させることができる。
(ロ).予備昇温用流路18はウォータジャケット14の底部又は底部近傍に形成されて、その深さはシリンダブロック12におけるウォータジャケット14の深さの約2/3としている。このような位置及び深さに予備昇温用流路18を形成することで、より効率的にかつ適切な温度分布でシリンダボア側を昇温できる。このためウォータジャケット14に温水を大量に導入しなくても温水によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。更にこのことにより冷間時にて内燃機関始動時や始動後でのピストンスカート部のフリクション低減効果が高まる。
(ハ).区画部材2においてウォータジャケット14の壁面に密着する部分である区画部材脚部6,8はゴム状弾性体にて形成されていることにより区画部材2による予備昇温用流路18の密閉度が高まり、温水によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
更にゴム状弾性体の温水導入部10によって、開口部20,24間がシールされている。このため予備昇温用流路18への温水の導入路が確実に密閉状態にできるので、導入前に温水が漏出するのを防止でき、シリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
しかも樹脂製の区画部材本体4と区画部材脚部6,8及び温水導入部10とは一体成形であることにより、ウォータジャケット14への区画部材2の配置作業が容易となる。
(ニ).予備昇温用流路18への温水の導入路はシリンダブロック12の外周壁12bを貫通して形成されているが、前述したごとくウォータジャケット14に温水を大量に導入しなくても予備昇温を効果的に行うことができることから、導入路も径が小さくても良く、設計上の制約が少ない。このためシリンダブロック12での導入路の形成も容易となる。
(ホ).予備昇温用流路18を流れた温水は導出路30にて、予備昇温用流路18の外側のウォータジャケット14に合流している。このように簡易な構成で予備昇温用流路18から温水を出すことができるので、ウォータジャケット14や区画部材2の形状を複雑化させることなく、内燃機関冷却機構を容易に製造することができる。
更に導出路30の位置はシリンダブロック12において#1気筒側の端であり、導入路側である開口部20は正反対の#4気筒側の端である。すなわち導出路30と導入路とはシリンダボア配列の中心軸C(図1)を間にして該中心軸Cにおける線対称の位置に存在する。
このことにより導入路から予備昇温用流路18へ流入した温水はシリンダボア配列の外周部分の全体を大きな偏り無く流れた後に、導出路30から区画部材2外のウォータジャケット14へと流れ出る。このため温水によるシリンダボア側の予備昇温をより効果的に行うことができる。
(ヘ).シリンダブロック12はオープンデッキ型である。このためウォータジャケット14内への区画部材2の組み付け作業は、デッキ面のウォータジャケット14の開口部から区画部材2を挿入して、ウォータジャケット14内を区画することにより予備昇温用流路18が形成でき、その後、シリンダヘッド28を組み付けることで完成する。
このようにシリンダブロック12がオープンデッキ型であることにより、区画部材2をウォータジャケット14の該当位置へ容易に配置でき、予備昇温用流路18を容易に形成することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態の区画部材102は図9の斜視図に示すごとくである。すなわち開口部120が存在する区画部材本体104、区画部材本体104の内周面104aの上部に形成された上部区画部材脚部108、及び区画部材本体104の外周面104bにおいて開口部120周りに形成された温水導入部110は存在するが、下部区画部材脚部は存在しない。これら上部区画部材脚部108と温水導入部110とは共にゴム状弾性体にて形成されている。区画部材102が配置されるシリンダブロック12側の構成は前記実施の形態1と同じであるので、他の構成の内、同一の構成については同一の符号にて説明する。
この区画部材102のウォータジャケット14内への配置は、図10の縦断面図に示すごとくであり、上端側の上部区画部材脚部108はシリンダボア側部分12aにおける頂部と底部との間の位置に当接しているが、区画部材本体104の下端部104cはウォータジャケット14の底部に当接された状態で配置される。このことによりウォータジャケット14内に上部が上部区画部材脚部108にてシールされた予備昇温用流路118が形成される。そして前記図5に示した状態と同様に温水導入部110はシリンダブロック12の外周壁12bの開口部24に接続される。
前記図6の(A)に示すごとくに温水が予備昇温用流路118内に導入されると、温水は、#4〜#1気筒の両側の予備昇温用流路118を流れた後、上部区画部材脚部108の切欠き108bを予備昇温用流路118の導出路として、区画部材102外のウォータジャケット14に導出される。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).下部区画部材脚部が存在しない簡易な構成であり、予備昇温用流路118の密閉性は少し低下するが、温水の流れを確保してシリンダボア側部分12aを予備昇温させる効果としては十分である。したがって予備昇温用流路118の密閉性以外は前記実施の形態1と同様な効果を生じるとともに、下部区画部材脚部が存在しないためにウォータジャケット14内への区画部材2の挿入がより容易となり組み付け作業が更に効率化される。
[実施の形態3]
本実施の形態の区画部材152は図11の斜視図に示すごとくである。すなわち開口部170が存在する区画部材本体154、区画部材本体154の内周面154aの上部に形成された上部区画部材脚部158、及び区画部材本体154の外周面154bにおいて開口部170周りに形成された温水導入部160からなる。温水導入部160はゴム状弾性体であるが、上部区画部材脚部158が区画部材本体154と同一の樹脂材料で一体成形されている点が前記実施の形態2の構成とは異なる。他の構成は前記実施の形態2と同一であり、同一の構成については同一の符号にて説明する。
この区画部材152のウォータジャケット14内への配置は、図12の断面図に示すごとくであり、前記実施の形態2の場合と同じである。このことにより区画部材152の上部が上部区画部材脚部158にてシリンダボア側部分12aに当接した状態でウォータジャケット14内が区画されて予備昇温用流路168が形成される。そして前記図5に示した状態と同様に温水導入部160はシリンダブロック12の外周壁12bの開口部24に接続される。
前記図6の(A)に示すごとく温水が予備昇温用流路168内に導入されると、温水は、#4〜#1気筒の両側の予備昇温用流路168を流れた後、上部区画部材脚部158の切欠き158bを予備昇温用流路168の導出路として、区画部材152外のウォータジャケット14に導出される。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).上部区画部材脚部158が区画部材本体154と同一の樹脂材質で、区画部材本体154と一体成形されているので、区画部材152の製造が容易なものとなる。
(ロ).上部区画部材脚部158はゴム状弾性を示さない樹脂製であるため予備昇温用流路168の密閉性としては前記実施の形態2の場合よりも少し低いが、温水の流れを確保してシリンダボア側部分12aを予備昇温させる効果としては十分である。したがって前記実施の形態2と同様な効果を生じる。
[実施の形態4]
本実施の形態の区画部材202は図13に示すごとくである。図13の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は斜視図、(E)は右側面図である。区画部材202が配置されるシリンダブロック12側の構成は前記実施の形態1と同じであるので、他の構成の内、同一の構成については同一の符号にて説明する。
区画部材202は、樹脂製の区画部材本体204、区画部材本体204とは別体に形成された樹脂製の蓋部材206、及び区画部材本体204の外周面204bにおいて開口部220周りに形成されたゴム状弾性体にて形成されている温水導入部210を備えている。
区画部材本体204と温水導入部210とは図14に示すごとく一体に形成されている。区画部材本体204はシリンダブロック12のシリンダボア側部分12aに沿った形状をなし、内周面204aにはシリンダボア側部分12aとの間の間隔を確保するための突起208が上部と下部とに形成されている。この突起208は区画部材本体204と同一の樹脂(例えば前記実施の形態1の区画部材本体と同じ樹脂)で形成しても良いし、ゴム状弾性体(例えば前記実施の形態1の区画部材脚部6,8と同じゴム系樹脂)にて形成しても良い。
蓋部材206は図15に示すごとくであり、ウォータジャケット14の幅形状にて板状に形成され、完全に環状ではなく#1気筒側にて切欠き206aを有している。尚、図15の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
これら区画部材本体204及び蓋部材206は、図16に示すごとく、区画部材本体204がウォータジャケット14内に配置され、その後、蓋部材206が区画部材本体204の上端縁部204cに当接するように配置される。
ウォータジャケット14内に区画部材202を配置した状態を図17の縦断面図に示す。区画部材本体204は突起208部分にて、シリンダブロック12のシリンダボア側部分12aに圧着されてウォータジャケット14内に摩擦により、ウォータジャケット14の底部近傍に固定される。更に蓋部材206もウォータジャケット14内に押し込められることにより、シリンダブロック12のシリンダボア側部分12aと外周壁12bとの両方に圧着してウォータジャケット14内に摩擦により固定される。尚、蓋部材206は摩擦により固定しなくても、区画部材本体204側との接続、例えば接着、溶着あるいは嵌め合いにより区画部材本体204に固定しても良い。
このことによりウォータジャケット14内が区画部材202にて区画されて予備昇温用流路218が形成される。そして前記図5に示した状態と同様に温水導入部210はシリンダブロック12の外周壁12bの開口部24に接続される。
前記図6の(A)に示したごとく温水が予備昇温用流路218内に導入されると、温水は、#4〜#1気筒の両側の予備昇温用流路218を流れた後、蓋部材206の切欠き206aを導出路として、区画部材202外のウォータジャケット14に導出される。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).予備昇温用流路218の密閉性としては前記実施の形態2の場合よりも少し低いが、温水の流れを確保してシリンダボア側部分12aを予備昇温させる効果としては十分である。したがって区画部材本体204に対して蓋部材206を上から覆った構成であっても、予備昇温用流路218の密閉性以外は前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態5]
本実施の形態の区画部材252は図18に示すごとくである。図18の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は底面図、(F)は斜視図である。図19は区画部材252の構成分解斜視図である。区画部材252が配置される内燃機関側の構成は前記実施の形態1と同じであるので、他の構成の内、同一の構成については同一の符号にて説明する。
区画部材252は、区画部材本体254、区画部材本体254の内周面254aの上部に形成された上部区画部材脚部258、及び区画部材本体254の外周面254bに形成された温水導入部260を有する。区画部材本体254には#4気筒側には下側を開放した切欠き状の開口部270が形成されると共に、この開口部270とは区画部材本体254の中心軸Cに対して線対称の位置にも開口部271が同一の切欠き状に形成されている。
温水導入部260は半円形状に形成されており、#4気筒側の開口部270上端の半円状部分に沿って区画部材本体254の外周面254bに形成されている。
上部区画部材脚部258は前記実施の形態1,2の上部区画部材脚部8,108(図2,9)とは異なり、切欠きが存在せず、下部区画部材脚部6(図2)と同一の環状形状をなしている。
区画部材252については前記実施の形態1に説明したごとくの材料が用いられ、区画部材本体254は樹脂、上部区画部材脚部258及び温水導入部260はゴム状弾性体であり、これらは一体成形されている。このように一体成形された区画部材252は図20に示すごとく、ウォータジャケット14内に押し込められる。このことにより、図21の縦断面図に示すごとく上部区画部材脚部258及び温水導入部260の復元力により、上部区画部材脚部258はシリンダボア側部分12aの外周面16に密着し、温水導入部260はシリンダブロック12の外周壁12bの内周面22に密着する。そしてこの密着部分にて生じる摩擦力により区画部材本体254はウォータジャケット14の底部に固定される。
温水導入部260は上半分にてシリンダブロック12の外周壁12b側の開口部24を上半分囲むように内周面22に密着している。このことにより区画部材本体254側の開口部270は、特にその上端部が外周壁12b側の開口部24と対向した位置にあり、温水導入パイプ26を介してシリンダブロック12側の開口部24から吹き出す温水は、その水流の勢いにより区画部材本体254側の開口部270に押し込まれる。前記実施の形態1〜4と異なり温水導入部260は、区画部材本体254側の開口部270及び外周壁12b側の開口部24の全周をシールしていないので、少し温水はウォータジャケット14側に漏れるが、予備昇温用流路268にも十分に導入されるので予備昇温は十分に可能である。
区画部材本体254側の開口部270から予備昇温用流路268内に導入された温水は#4気筒にて左右に均等に分かれ、それぞれシリンダボア配列の両側の予備昇温用流路268を流れ、#1気筒にて合流する。そして#1気筒側の開口部271を導出路として、区画部材252外のウォータジャケット14へと導出される。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).区画部材252は区画部材脚部としては上部区画部材脚部258のみを形成し、両端に形成した開口部270,271は切欠き状であり、温水導入部260についても半円形であるこから、射出成形などによる区画部材252の製造が容易なものとなる。
(ロ).#4気筒側の開口部270が切欠き状であり、温水導入部260はその周囲の一部のみを覆っているので、温水を予備昇温用流路268に導入する部分でウォータジャケット14側に漏れるため密閉性としては低い。しかし、シリンダブロック12側の開口部24から吹き出す温水の勢いにより十分に予備昇温用流路268内に温水を導入することができるので、シリンダボア側部分12aを予備昇温させる効果としては十分である。したがって予備昇温用流路268の密閉性以外は前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態6]
本実施の形態の区画部材302は図22,23に示すごとくである。図22の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は底面図、図23の(A)は斜視図、(B)は(A)とは垂直軸にて180°回転した斜視図である。区画部材302が配置される内燃機関側の構成は前記実施の形態1と同じであるので、他の構成の内、同一の構成については同一の符号にて説明する。
区画部材302は、区画部材本体304及び温水導入部310を有し、温水導入部310は、区画部材本体304の#4気筒側に貫通孔状に形成された開口部320の周りを外周面304b側にて囲うように形成されている。区画部材本体254の#1気筒側には上側に開放した切欠き状の開口部322が形成されている。尚、この切欠き状の開口部322は下側に開放したものであっても良い。
区画部材本体304は、各気筒に対応して設けた円錐台をシリンダボア配列方向に連ねた形状をなしている。すなわち前述した他の実施の形態における区画部材本体の下側を上側よりも拡げた形状をなしている。
このような形状により、図24の斜視図に示すごとく区画部材302をシリンダブロック12のウォータジャケット14内の底部近傍まで挿入すると、図25,26の断面図に示すごとくの状態に配置される。すなわち区画部材本体304の下端部304cはウォータジャケット14の底部に当接するか、あるいは底部近傍においてシリンダブロック12の外周壁12b側に当接する。そして区画部材本体304の上端部304dはウォータジャケット14の中間より上(底部からウォータジャケット14の深さにして約2/3)付近においてシリンダブロック12のシリンダボア側部分12aに当接する。
このことにより区画部材302は、シリンダボア側部分12aの外周面16のシリンダヘッド寄りの位置から、シリンダブロック12の外周壁12bの内周面22のシリンダヘッドから離れた位置にかけてウォータジャケット14を区画することで予備昇温用流路318を形成している。
区画部材302については前記実施の形態1に説明したごとくの材料が用いられ、区画部材本体304は樹脂、温水導入部310はゴム状弾性体であり、これらは一体成形されている。このように一体成形された区画部材302が前記図24に示したごとくウォータジャケット14内に押し込められると、温水導入部310の復元力により温水導入部310はシリンダブロック12の外周壁12bの内周面22に密着する。
更に区画部材本体304の上端部304d側は、シリンダボア側部分12aの外周面16よりもわずかに小さい径にて形成されている。このためシリンダボア側部分12aが区画部材本体304に押し込まれることにより区画部材本体304の上端部304dがウォータジャケット14の内面に対して摩擦力により保持される。
このようにして、区画部材302はウォータジャケット14の内面に対して生じる摩擦力によりウォータジャケット14内部に固定される。
この構成において、区画部材302の開口部320から予備昇温用流路318内に導入された温水は#4気筒にて左右に均等に分かれ、それぞれシリンダボア配列の両側の予備昇温用流路318を流れ、#1気筒側にて合流する。そして#1気筒側の切欠き状の開口部322を導出路として、区画部材302外のウォータジャケット14へと導出される。
以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
(イ).区画部材本体304の形状が単純で温水導入部310を除いて同一の材質で一体成形できるので、区画部材302の製造が容易なものとなる。
(ロ).区画部材本体304とウォータジャケット14の内面との当接は、区画部材本体304がゴム状弾性を示さない樹脂製であるため予備昇温用流路318の密閉性としては低いが、温水の流れを確保してシリンダボア側部分12aを予備昇温させる効果としては十分である。したがって前記実施の形態2と同様な効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態4では前記図17に示したごとく蓋部材206は区画部材本体204と組み合わせて用いられていた。この代わりに、ウォータジャケット14が底部に行くにしたがって次第に幅が狭くなっていれば、図27の縦断面図に示すごとく、蓋部材206のみをウォータジャケット14に押し込むことにより摩擦力により固定し、このことによりウォータジャケット14内を区画して予備昇温用流路368を形成しても良い。このことにより構成としては簡易でかつ用いる材料も少なくて済み、コスト低減に貢献できる。
(b).前記実施の形態1では樹脂製の区画部材本体4とシリンダブロック12の外周壁12bとの間は冷却水通路となっていた。この部分に図28に示すごとく発泡樹脂などの断熱材400を配置することにより、予備昇温時に予備昇温用流路18を流れる温水の熱が区画部材本体4を介して外側に逃げるのを防止しても良い。他の実施の形態においても同様である。このことによりシリンダボア側部分12aの昇温をより効率的にできる。
(c).前記各実施の形態では、温水の導入路は区画部材の#4側の端部に存在し、導出路は#1側の端部に存在することにより、シリンダボア配列の中心軸Cを間にして中心軸Cにおける線対称の位置に導入路と導出路とが存在する構成とされていた。温水導入パイプ26の配置の制約などで、導入路の位置を変更したい場合では、次のようにして線対称の位置を実現することができる。
例えば、図29の(A)に示す区画部材452のごとく開口部470及び温水導入部460を配置することにより導入路が区画部材の#4側の端部でなく中央よりとなった場合には、上部区画部材脚部458の切欠き458bは開口部470及び温水導入部460とは反対側で#1側の端部よりも中央寄りとする。このようにすることで導入路と導出路とを中心軸Cにおける線対称の位置に設定できる。
図29の(B)に示す区画部材502ごとく開口部520及び温水導入部510を配置することにより導入路が区画部材の#3側となった場合には、上部区画部材脚部508の切欠き508bは開口部520及び温水導入部510とは反対側で#2側とする。このようにすることで導入路と導出路とを中心軸Cにおける線対称の位置に設定できる。この関係は他の実施の形態でも同じく適用できる。
尚、温水の導入と導出とを逆方向にしても良い。すなわち前記各実施の形態で、温水の導入路は区画部材の#1側の端部とし、導出路は#4側の端部にしても良い。図29の場合についても同じく逆方向としても良い。
(d).前記各実施の形態においては、温水の導出路は、区画部材外のウォータジャケット14内に温水を合流させている。この代わり図30の(A)に示す区画部材552のごとく、上部区画部材脚部558の切欠き558bが存在する部分で、区画部材本体554を部分的に高くした導出誘導部554dを設けて、直接、シリンダヘッド28(図3)側のウォータジャケット内に温水を導出し合流させても良い。尚、(B)ではシリンダブロック12のシリンダボア側部分12aを破断除去した状態で示している。
(e).前記各実施の形態では直列4気筒についての例であったが、他の気筒配列形態の場合もシリンダボア配列を取り巻くウォータジャケットの形状に対応させて、シリンダボア配列の全周に区画部材を形成することにより同様に適用でき同様な効果を生じさせることができる。V型などの複数列シリンダボア配列が存在する場合には、個々のシリンダボア配列毎に区画部材を形成して配置することにより同様に適用でき同様な効果を生じさせることができる。
(f).前記各実施の形態ではシリンダボア配列の全周に渡って区画部材が形成されていたが、例えば区画部材本体を、導出側の端部で、前記上部区画部材脚部8(図2)と同様に開いた形状としても良い。このように区画部材が完全に環状に形成されていず、予備昇温用流路がシリンダボア配列の全周に渡っていなくても、予備昇温用流路が存在するので、その分、温水の分散が防止される。このことにより、内燃機関の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を大量に導入しなくても予備昇温用熱媒体によるシリンダボアの予備昇温を効果的に行うことができる。
(g).前記各実施の形態では温水の導出路は切欠きであったが、孔として区画部材本体に形成しても良い。
実施の形態1の区画部材の構成説明図。 上記区画部材の構成分解説明図。 ウォータジャケットへの上記区画部材の組み付け説明図。 上記区画部材をウォータジャケットへ組み付けた状態をシリンダボア配列に直交する方向で切断した断面図。 上記区画部材をウォータジャケットへ組み付けた状態をシリンダボア配列に沿った方向で切断した断面図。 内燃機関の各状態での水流回路説明図。 実施の形態1における内燃機関冷却機構による予備昇温の効果を比較例と共に示す温度分布グラフ。 同じく予備昇温の効果を比較例と共に示すタイミングチャート。 実施の形態2の区画部材の斜視図。 上記区画部材のウォータジャケット内での配置状態を示す縦断面図。 実施の形態3の区画部材の斜視図。 上記区画部材のウォータジャケット内での配置状態を示す縦断面図。 実施の形態4の区画部材の構成説明図。 上記区画部材を構成する区画部材本体の構成説明図。 上記区画部材を構成する蓋部材の構成説明図。 ウォータジャケットへの上記区画部材の組み付け説明図。 上記区画部材のウォータジャケット内での配置状態を示す縦断面図。 実施の形態5の区画部材の構成説明図。 上記区画部材の構成分解説明図。 ウォータジャケットへの上記区画部材の組み付け説明図。 上記区画部材をウォータジャケットへ組み付けた状態をシリンダボア配列に沿った方向で切断した断面図。 実施の形態6の区画部材の構成説明図。 上記区画部材の斜視図。 ウォータジャケットへの上記区画部材の組み付け説明図。 上記区画部材をウォータジャケットへ組み付けた状態をシリンダボア配列に直交する方向で切断した断面図。 上記区画部材をウォータジャケットへ組み付けた状態をシリンダボア配列に沿った方向で切断した断面図。 他の実施の形態における区画部材のウォータジャケット内での配置状態を示す縦断面図。 他の実施の形態における区画部材のウォータジャケット内での配置状態を示す縦断面図。 他の実施の形態における区画部材の斜視図。 他の実施の形態における区画部材及びウォータジャケットへ組み付けた状態の斜視図。
符号の説明
2…区画部材、4…区画部材本体、4a…内周面、4b…外周面、6…下部区画部材脚部、6a…内周面、8…上部区画部材脚部、8a…内周面、8b…切欠き、10…温水導入部、12…シリンダブロック、12a…シリンダボア側部分、12b…外周壁、12c…デッキ面、14…ウォータジャケット、16…外周面、18…予備昇温用流路、20…開口部、22…内周面、24…開口部、26…温水導入パイプ、28…シリンダヘッド、30…導出路、32…冷却水導入路、34…蓄熱タンク、36…電動ウォータポンプ、38…第1二方弁、40…第2二方弁、42…ヒータコア、44…冷却用ウォータポンプ、46…サーモスタットパルプ、48…ラジエータ、102…区画部材、104…区画部材本体、104a…内周面、104b…外周面、104c…下端部、108…上部区画部材脚部、108b…切欠き、110…温水導入部、118…予備昇温用流路、120…開口部、152…区画部材、154…区画部材本体、154a…内周面、154b…外周面、158…上部区画部材脚部、158b…切欠き、160…温水導入部、168…予備昇温用流路、170…開口部、202…区画部材、204…区画部材本体、204a…内周面、204b…外周面、204c…上端縁部、206…蓋部材、206a…切欠き、208…突起、210…温水導入部、218…予備昇温用流路、220…開口部、252…区画部材、254…区画部材本体、254a…内周面、254b…外周面、258…上部区画部材脚部、260…温水導入部、268…予備昇温用流路、270,271…開口部、302…区画部材、304…区画部材本体、304b…外周面、304c…下端部、304d…上端部、310…温水導入部、318…予備昇温用流路、320,322…開口部、368…予備昇温用流路、400…断熱材、452…区画部材、458…上部区画部材脚部、458b…切欠き、460…温水導入部、470…開口部、502…区画部材、508…上部区画部材脚部、508b…切欠き、510…温水導入部、520…開口部、552…区画部材、554…区画部材本体、554d…導出誘導部、558…上部区画部材脚部、558b…切欠き、C…中心軸、EG…内燃機関。

Claims (19)

  1. 予備昇温時に内燃機関のシリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路に予備昇温用熱媒体を導入することで該予備昇温用熱媒体からの伝熱により内燃機関を予備昇温する機能を有する内燃機関冷却機構であって、
    前記シリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路内に配置された区画部材によりシリンダボア側壁面を含む領域が区画されることで、予備昇温時に前記予備昇温用熱媒体を流す予備昇温用流路が、前記シリンダボア側壁面を流路壁の一部として前記冷却用熱媒体流路内に形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  2. 請求項1において、前記予備昇温用流路はシリンダボア配列の全周に渡って形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  3. 請求項1又は2において、前記予備昇温用熱媒体は、内燃機関の運転時に前記冷却用熱媒体流路を流れて昇温した冷却用熱媒体の一部を、予め蓄熱部に保温貯蔵したものであることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記シリンダボア側壁面の上下方向の一部領域のみを分割するように区画することで、前記シリンダボア側壁面の一部を流路壁の一部として前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  5. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面における頂部と底部との間の位置から、前記冷却用熱媒体流路の底部にかけて区画することで、前記シリンダボア側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  6. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面から該シリンダボア側壁面に対向するシリンダブロックの外周壁側壁面にかけて区画することで、前記冷却用熱媒体流路の底部側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  7. 請求項6において、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路を、前記シリンダボア側壁面のシリンダヘッド寄りの位置から、前記外周壁側壁面のシリンダヘッドから離れた位置にかけて区画することで、前記冷却用熱媒体流路の底部側に前記予備昇温用流路を形成していることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記予備昇温用流路は前記冷却用熱媒体流路の底部又は底部近傍から形成され、前記冷却用熱媒体流路の深さの約2/3の深さにて形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記区画部材は、前記冷却用熱媒体流路の壁面に接触する部分がゴム状弾性体にて形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  10. 請求項9において、前記区画部材は、前記ゴム状弾性体を含めて樹脂にて一体成形されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  11. 請求項1〜10のいずれかにおいて、前記予備昇温時に前記予備昇温用流路へ前記予備昇温用熱媒体を導入する導入路が、前記シリンダブロックの外周壁を貫通して形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  12. 請求項11において、前記シリンダブロックの外周壁と前記区画部材とにそれぞれ開口部が形成され、該開口部間の空間にて該開口部周りに環状にゴム状弾性体を配置してシールすることにより、前記開口部間での前記導入路が形成されていることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  13. 請求項1〜12のいずれかにおいて、前記予備昇温用流路からの予備昇温用熱媒体の導出路は、前記区画部材の外側の前記冷却用熱媒体流路又はシリンダヘッド部分の冷却用熱媒体流路に合流していることを特徴とする内燃機関冷却機構。
  14. 請求項13において、前記導出路は、予備昇温用熱媒体の導入路とは、シリンダボア配列の中心軸を間にして該中心軸における線対称の位置に存在することを特徴とする内燃機関冷却機構。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の内燃機関冷却機構における前記予備昇温用流路の形成方法であって、
    冷却用熱媒体流路がオープンデッキ型であるシリンダブロックに対して、デッキ面の前記冷却用熱媒体流路の開口部から前記区画部材を挿入して、前記冷却用熱媒体流路内を区画することにより前記予備昇温用流路を形成した後、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けることを特徴とする予備昇温用流路形成方法。
  16. 内燃機関のシリンダブロック部分の冷却用熱媒体流路内に配置されて、冷却用熱媒体流路内を幅方向及び深さ方向にて区画することで、シリンダボア側壁面を流路壁の一部として冷却用熱媒体流路内に予備昇温時に予備昇温用熱媒体を流す予備昇温用流路を形成することを特徴とする区画部材。
  17. 請求項16において、
    内燃機関のシリンダボア配列の全周を取り囲む形状に形成され、前記冷却用熱媒体流路の幅よりも薄い板状の区画部材本体と、
    前記区画部材本体に設けられて前記冷却用熱媒体流路の壁面に接触することにより前記区画部材本体と前記冷却用熱媒体流路の壁面との間に形成された前記予備昇温用流路をシールするゴム状弾性体と、
    を備えたことを特徴とする区画部材。
  18. 請求項17において、
    前記区画部材本体には前記予備昇温用熱媒体を前記予備昇温用流路内へ導入する開口部が形成され、該開口部の周りには、前記冷却用熱媒体流路の壁面に前記予備昇温用熱媒体の導入のために形成された開口部の周りに接触して、該2つの開口部間での導入路を形成するためのゴム状弾性体を有することを特徴とする区画部材。
  19. 請求項17又は18において、
    前記区画部材本体には、前記予備昇温用熱媒体を、前記予備昇温用流路外へ導出するために、切欠き又は孔が形成されていることを特徴とする区画部材。
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