本発明は、既存の化合物の性質の種々の欠点の内の1つまたは複数を克服するか、または改善する。本発明は特に、このような性質を実証する新規アゼチジン誘導体を開発する。
本発明は、長時間(すなわち、6ヶ月)作用型駆虫剤、特に、外部寄生虫駆除剤として作用し、従って、動物のダニおよび昆虫感染ならびに侵入の治療に使用できる式(1)の化合物、その立体異性体、薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩を提供する。さらに、本発明は、動物の内部寄生虫を駆除し、予防することを意図している。また、本発明は、刺咬バエおよびコダニから生じるダニ媒介疾患、例えば、ライム病、イヌとウシのアナプラズマ症、イヌエーリキア症、イヌリケッチア症、イヌとウシのバベシア症、ウシの流行性流産、およびタイレリア症、ならびにリーシュマニア症、犬アカルス症および疥癬の抑制と治療を意図している。このように、本発明により、式(1)
の化合物であって、
式中、Aは、フェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、それぞれ独立にN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、
Bは、
であり、式中、
は、結合点を表し、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルコキシ、−C(O)NH2、−SF5、または−S(O)pRであり、
R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、−S(O)pR、または−ORであり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、ニトロ、−SC(O)R、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRbR4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、−OR、または−S(O)pRであり、
R4は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)R5、−C(S)R5、−C(O)NRaR5、−C(O)C(O)NRaR5、−S(O)pRc、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、−C(NR7)NRaR5、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、
R5は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、
R6は、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルケニル、またはC2−C6ハロアルキニルであり、
R7は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、−S(O)pRc、またはC1−C6アルコキシであり、
R8は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、−S(O)pRc、またはC1−C6アルコキシであり、
Rは、それぞれ少なくとも1個のハロで任意に置換されてもよいC1−C6アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり、
Raは、水素、C1−C6アルキル、またはC0−C3アルキルC3−C6シクロアルキルであって、アルキルおよびアルキルシクロアルキルは、シアノまたは少なくとも1個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、
Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルフェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環であって、化学的に可能な場合は、それぞれ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、または−S(O)pRから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、
Rcは、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ハロアルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルフェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環であって、それぞれ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pR、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rb、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、
R4およびR5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルのそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C1−C6ヒドロキシアルキル、オキソ、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pRc、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rc、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、さらに
R4およびR5C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環部分は、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、オキソ、=S、=NR7、ヒドロキシル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−SH、−S(O)pR、およびC1−C6ハロアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基でさらに任意に置換されてもよく、
nは、整数0、1、または2であり、nが2の場合、それぞれのR2は、相互に同じでも異なってもよく、さらに
pは、整数0、1、または2である、
化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩が提供される。
本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、イミダゾリルピロリル、フラニル、チオフェニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、チエノ[2,3−c]ピリジン、チエノ[3,2−b]ピリジン、およびベンゾ[1,2,5]チアジアゾールである。本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、およびベンゾ[1,2,5]チアジアゾールである。本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、ベンゾフラニル、およびベンゾ[1,2,5]チアジアゾールである。本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピラゾリル、およびベンゾ[1,2,5]チアジアゾールである。本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ピリジニル、ナフチル、またはベンゾ[1,2,5]−チアジアゾールである。本発明の別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、またはピリジニルである。本発明の別の態様では、Aは、フェニルである。本発明の別の態様では、Aは、ピリジニルである。本発明の別の態様では、Aは、ナフチルである。本発明のさらに別の態様では、Aは、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールである。
本発明の別の態様は、式(2)、(3)、(4)、(5)、および(6)
の化合物、であり、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、A、およびnは、本明細書で定義されている。
本発明のさらに別の態様は、式(2a)、(2b)、および(2c)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。nは、ナフチル部分に対し整数1または2である場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置であってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(2a)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(2b)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(2c)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(3a)、(3b)、および(3c)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(3a)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(3b)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(3c)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(4a)、(4b)、および(4c)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(4a)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(4b)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(4c)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(5a)、(5b)、および(5c)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(5a)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(5b)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(5c)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(6a)、(6b)、および(6c)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(6a)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(6b)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、式(6c)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(2d)、(2e)、および(2f)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R5、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、縮合環内のいずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(2d)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(2d)の化合物であり、すなわち、式(2d1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(2e)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(2e)の化合物であり、すなわち、式(2e1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(2f)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(2f)の化合物であり、すなわち、式(2f1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(3d)、(3e)、および(3f)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(3d)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(3d)の化合物であり、すなわち、式(3d1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(3e)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(3e)の化合物であり、すなわち、式(3e1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(3f)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(3f)の化合物であり、すなわち、式(3f1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(4d)、(4e)、および(4f)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(4d)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(4d)の化合物であり、すなわち、式(4d1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(4e)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(4e)の化合物であり、すなわち、式(4e1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(4f)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(4f)の化合物であり、すなわち、式(4f1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(5d)、(5e)、および(5f)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(5d)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(5d)の化合物であり、すなわち、式(5d1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(5e)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(5e)の化合物であり、すなわち、式(5e1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(5f)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(5f)の化合物であり、すなわち、式(5f1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(6d)、(6e)、および(6f)
の化合物であり、式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。ナフチル部分のnが整数1または2の場合、R2置換基は、化学的に可能なら、いずれの1個の炭素原子の位置にあってもよいことに留意されたい。
本発明のさらに別の態様は、式(6d)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(6d)の化合物であり、すなわち、式(6d1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(6e)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(6e)の化合物であり、すなわち、式(6e1)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(6f)の化合物である。本発明のさらに別の態様は、R6がトリフルオロメチルで、nが整数0の場合の式(6f)の化合物であり、すなわち、式(6f1)の化合物である。
本発明の別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−S(O)pR、および−SF5から選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6ハロアルキル、およびC0−C3アルキルC3−C6シクロアルキルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、およびC1−C6ハロアルキルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、およびC1−C6ハロアルキルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびC1−C6ハロアルキルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、および−CF3から選択される。本発明のさらに別の態様では、R1a、R1b、およびR1cのそれぞれは、独立に、水素、フルオロ、クロロ、および−CF3から選択される。
本発明のさらに別の態様では、(R2)nの整数nは2である。整数nが2の場合、各R2は、相互に同じでも異なってもよい。本発明のさらに別の態様では、(R2)nの整数nは1である。本発明のさらに別の態様では、(R2)nの整数nは0である。
本発明のさらに別の態様では、R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ヒドロキシル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、または−ORから選択される。本発明のさらに別の態様では、R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ヒドロキシル、−C(O)NRaRb、または−ORから選択される。本発明のさらに別の態様では、R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、−C(O)NRaRb、またはヒドロキシルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R2は、ハロ、シアノ、−C(O)NRaRb、またはヒドロキシルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R2は、シアノもしくは−C(O)NRaRb、またはヒドロキシルから選択される。本発明のさらに別の態様では、R2は、シアノである。本発明のさらに別の態様では、R2は、−C(O)NRaRbである。本発明のさらに別の態様では、R2は、ヒドロキシルである。
本発明の別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、−SC(O)R、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRbR4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、−OR、または−S(O)pRである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRbR4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、または−S(O)pRである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRbR4、−NHR4、N3、または−S(O)pRである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、−C(O)NRaRb、−NHR4、N3、または−S(O)pRである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、またはN3である。
本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、またはN3である。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、またはN3である。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、またはN3である。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、N3、ヒドロキシル、またはシアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、フルオロ、クロロ、N3、ヒドロキシル、またはシアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素、フルオロ、ヒドロキシル、またはシアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、またはシアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、フルオロ、ヒドロキシル、またはシアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、水素である。本発明のさらに別の態様では、R3は、フルオロである。本発明のさらに別の態様では、R3は、クロロである。本発明のさらに別の態様では、R3は、ヒドロキシルである。本発明のさらに別の態様では、R3は、シアノである。本発明のさらに別の態様では、R3は、N3である。
本発明の別の態様では、R4は、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)R5、−C(S)R5、−C(O)NRaR5、−C(O)C(O)NRaR5、−S(O)pRc、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、−C(NR7)NRaR5、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、R4およびR5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルのそれぞれは、本明細書記載のように独立に、任意に置換されてもよく、また、Ra、Rc、R4およびR5置換基のそれぞれは、本明細書記載のように独立に、任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4は、−C(O)R5、−C(O)NRaR5、−S(O)pRc、−C(S)R5、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、または−C(NR7)NRaR5であり、また、Ra、Rc、およびR5置換基のそれぞれは、本明細書記載のように独立に、任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4は、−C(O)R5、または−C(O)NRaR5であり、また、RaおよびR5置換基のそれぞれは、本明細書記載のように独立に,任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5である場合、R5は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、前記R5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルは、独立に、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pRc、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rc、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、前記R5C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、またはC0−C6アルキルヘテロ環部分は、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−SH、−S(O)pR、およびC1−C6ハロアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基でさらに任意に置換されてもよい。また、RaおよびRc置換基は、本明細書で定義されるように少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、またはC0−C6アルキルヘテロアリールであり、前記C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルまたはC0−C6アルキルヘテロアリール部分は、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチル、−(CH2)2−シクロプロピル、−(CH2)2−シクロブチル、−(CH2)2−シクロペンチル、ピラゾリル、−CH2−ピラゾリル、−(CH2)2−ピラゾリル、ピリジニル、−CH2−ピリジニル、−(CH2)2−ピリジニルであり、R5置換基は、本明細書で定義されるように、独立に、任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4がC(O)R5の場合、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチル、−(CH2)2−シクロプロピル、−(CH2)2−シクロブチル、−(CH2)2−シクロペンチル、ピラゾリル、−CH2−ピラゾリル、−(CH2)2−ピラゾリル、ピリジニル、−CH2−ピリジニル、−(CH2)2−ピリジニルであり、R5は、独立に、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、メトキシ、−CF3、エトキシ、−S(O)pR、−SCH3、−SCH2CH3、−NH2、−NHCH3、−NHCH2CH3、−NH(CH2)2CH3、−NHシクロプロピル、−NHシクロブチル、−NHCH2シクロプロピル、−NHCH2シクロブチル、−NRaC(O)Rb、−C(O)NH2、または−C(O)NRaR5から選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチル、ピラゾリル、−CH2−ピラゾリル、ピリジニル、−CH2−ピリジニルであり、R5置換基は、独立に、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、−CF3、S(O)pR、メトキシ、エトキシ、−SCH3、−NH2、−NHCH3、−NHCH2CH3、−NHシクロプロピル、−NHシクロブチル、−NHC(O)H、−C(O)NH2、または−C(O)NRaR5から選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチル、ピラゾリル、−CH2−ピラゾリル、ピリジニル、−CH2−ピリジニルであり、アルキル(例えば、メチル、エチル、およびイソプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)またはアルキルシクロアルキル(例えば、−CH2シクロプロピル)は、独立に、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、−CF3、メトキシ、−SCH3、S(O)pR、−NH2、−NHCH3、−NHCH2CH3、−NHシクロプロピル、−NHC(O)H、−C(O)NH2、または−C(O)NRaR5から選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、オキセタン、チエタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、−CH2−オキセタン、−CH2−チエタン、−CH2−アゼチジン、または−CH2−テトラヒドロフランであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、オキセタン、チエタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、−CH2−オキセタン、−CH2−チエタン、または−CH2−アゼチジンであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、オキセタン、チエタン、アゼチジン、−CH2−オキセタン、−CH2−チエタン、または−CH2−アゼチジンであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、オキセタン、チエタン、またはアゼチジンであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、−CH2−オキセタン、−CH2−チエタン、または−CH2−アゼチジンであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、またはピリミジンであり、これらのそれぞれは、本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)R5の場合、R5は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、またはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルであり、C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルのそれぞれは、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、−S(O)pRc、C1−C6アルコキシ、−S(O)pNRaRb、または−SC(O)Rc、ピラゾール、ピリジン、オキサゾール、ピリダジン、トリアゾール、アゼチジン、チエタンから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、ヘテロ環およびヘテロアリール部分のそれぞれは、フルオロ、ヒドロキシル、メチル、およびオキソから選択される少なくとも1個の置換基でさらに任意に置換されてもよく、式中、p、Ra、Rb、およびRcは、本明細書で定義されている。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)NRaR5の場合、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチル、−(CH2)2−シクロプロピル、−(CH2)2−シクロブチル、または−(CH2)2−シクロペンチルであり、アルキル(例えば、メチルおよびプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロペンチル)、またはアルキルシクロアルキル(例えば、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロペンチル、および−(CH2)2−シクロブチル)は、シアノまたは少なくとも1個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、R5は本明細書で定義されている。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)NRaR5の場合、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロブチル、−CH2−シクロペンチルであり、アルキル(例えば、メチルおよびプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロペンチル)、またはアルキルシクロアルキル(例えば、−CH2−シクロプロピルおよび−CH2−シクロペンチル)は、シアノまたは少なくとも1個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、R5は、本明細書で定義されている。
本発明のさらに別の態様では、R4が−C(O)NRaR5の場合、Raは、水素またはメチルであり、R5は、水素、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、およびC0−C6アルキルヘテロ環から選択され、アルキルおよびアルキルヘテロ環部分は、本明細書記載のようにそれぞれ任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、Rcは、本明細書で定義され、前記Rc置換基は、本明細書で定義のように少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、RcはC1−C6アルキルであり、本明細書で定義の少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、RcはC1−C6アルキルであり、シアノまたはハロから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、RcはC1−C6アルキルである。本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、Rcは、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルである。本発明のさらに別の態様では、R4が−S(O)pRcの場合、整数pは2であり、Rcは、メチルまたはエチルである。
本発明のさらに別の態様では、R6は、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、または−C(O)NH2である。本発明のさらに別の態様では、R6は、シアノ、C1−C6アルキル、またはC1−C6ハロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、R6は、シアノ、メチル、エチル、またはC1−C6ハロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、R6は、シアノ、メチル、またはC1−C6ハロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、R6は、シアノまたはC1−C6ハロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、R6はC1−C6ハロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、R6は、−CF3、−CHF2、−CH2F、および−CF2Clである。本発明のさらに別の態様では、R6は、−CF3、−CHF2、および−CH2Fである。本発明のさらに別の態様では、R6は−CF3である。
本発明のさらに別の態様では、R7は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、−S(O)pRc、またはC1−C6アルコキシである。本発明のさらに別の態様では、R7は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、シアノ、−S(O)pRc、またはC1−C6アルコキシである。本発明のさらに別の態様では、R7は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、シアノ、−S(O)pRc、またはメトキシである。本発明のさらに別の態様では、R7は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはメトキシである。本発明のさらに別の態様では、R7は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはメトキシである。
本発明のさらに別の態様では、R8は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、シアノ、−S(O)pRc、またはC1−C6アルコキシである。本発明のさらに別の態様では、R8は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シアノ、−S(O)pRc、メトキシ、またはエトキシである。本発明のさらに別の態様では、R8は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シアノ、またはメトキシである。本発明のさらに別の態様では、R8は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはメトキシである。
本発明のさらに別の態様では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。本発明のさらに別の態様では、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。
本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはイソブチルであり、それぞれのアルキル部分は、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルであり、それぞれのアルキル部分は、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、またはエチルであり、それぞれのアルキルは、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロプロピル、または−CH2−シクロブチルであり、それぞれのアルキル、シクロアルキル、およびアルキルシクロアルキル部分は、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、−CH2−シクロプロピル、または−CH2−シクロブチルであり、それぞれのアルキル、シクロアルキル、およびアルキルシクロアルキル部分は、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。本発明のさらに別の態様では、Raは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、−CH2−シクロプロピル、または−CH2−シクロブチルであり、それぞれのアルキル、シクロアルキル、およびアルキルシクロアルキル部分は、本明細書で定義のように任意に置換されてもよい。
本発明の別の態様では、Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルフェニル、またはC0−C3アルキルヘテロアリールである。本発明のさらに別の態様では、Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、またはC0−C3アルキルヘテロアリールである。本発明のさらに別の態様では、Rbは、水素、C1−C6アルキル、またはC3−C6シクロアルキルである。本発明のさらに別の態様では、Rbは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、イソブチル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。
本発明のさらに別の態様では、いずれかのチアタニル部分の硫黄原子は、本明細書で定義のように、例えば、1個または2個の酸素原子および1個のアルキル基で任意に置換されてもよい。
本発明のさらに別の態様では、Aは、フェニル、ナフチル、またはピリジニルの場合、R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシル、およびC1−C6ハロアルキルから独立に選択され、R2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−C(O)NRaRb、または−ORであり、R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、N3、またはシアノであり、R4は−C(O)R5であり、R6はC1−C6ハロアルキルである、化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。本発明のさらに別の態様では、Aがフェニルである場合、R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、およびCF3から独立に選択され、R3は、ハロまたはヒドロキシルであり、R6はCF3である、化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。
本発明のさらに別の態様は、下記から選択される式(1)の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(4−{3−フルオロ−1−[(メチルスルホニル)アセチル]アゼチジン−3−イル}フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
1−(3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−(4−(5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)アゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、および
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン。
本発明のさらに別の態様は、下記から選択される式(1)の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(4−{3−フルオロ−1−[(メチルスルホニル)アセチル]アゼチジン−3−イル}フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
1−(3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、および
5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール。
本発明のさらに別の態様は、下記から選択される式(1)の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、および
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン。
本発明のさらに別の態様は、下記から選択される式(1)の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩である。
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−(4−(5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)アゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、および
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン。
本発明のさらに別の態様は、(a)式(1)の化合物、その立体異性体、または獣医学的にまたは薬理学的に許容可能なその塩、および(b)獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアを含む組成物である。変数R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、およびnは、本明細書で定義されている。組成物は、治療有効量の式(1)の化合物、その立体異性体、または獣医学的にまたは薬理学的に許容可能なその塩、および獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアを含むのが好ましい。組成物は、少なくとも1種の追加の獣医薬剤を含んでもよい。好ましい追加の獣医薬剤には、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイド、外部寄生虫駆除剤、殺虫剤、および駆虫剤(特に蠕虫類の)が挙げられ、本明細書で記載される。
組成物は、少なくとも1種の追加の獣医薬剤を含んでもよい。好ましい追加の獣医薬剤には、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイド、外部寄生虫駆除剤、殺虫剤、および駆虫剤が含まれ、本明細書で記載される。本発明の一態様では、追加の獣医薬剤は、アミトラズ、アミノアセトニトリル、駆虫剤(例えば、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクタデプシペプチド、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、パラヘルクアミド、パルベンダゾール、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクラベンダゾール、レバミソール、ピランテルパモ酸塩、オキサンテル、モランテル、など)、アベルメクチン(例えば、アバメクチン、ドラメクチン、マメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、など)、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、デミディトラズ、ジエチルカルバマジン、フィプロニル、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、メタフルミゾン、ニクロサミド、ペルメトリン、ピレトリン、ピリプロキシフェン、およびスピノサド、から選択される。本発明の別の態様では、追加の薬剤は、アミノアセトニトリル、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、パラヘルクアミド、パルベンダゾール、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクラベンダゾール、レバミソール、ピランテルパモ酸塩、オキサンテル、モランテル、アバメクチン、ドラメクチン、マメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、デミディトラズ、ジエチルカルバマジン、フィプロニル、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、メタフルミゾン、ニクロサミド、ピリプロキシフェン、スピノサド、およびこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、アミノアセトニトリル、ピランテル、パラヘルクアミド、プラジカンテル、アバメクチン、ドラメクチン、マメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシン、およびミルベマイシンオキシム、ならびにこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、アバメクチン、ドラメクチン、マメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシン、およびミルベマイシンオキシム、ならびにこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、アバメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシン、およびミルベマイシンオキシム、ならびにこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、モキシデクチン、セラメクチン、およびミルベマイシンオキシム、ならびにこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、モキシデクチンおよびミルベマイシンオキシム、ならびにこれらの混合物から選択される。本発明のさらに別の態様では、追加の薬剤は、プラジカンテル、モキシデクチン、ミルベマイシンオキシム、ピランテル、およびこれらの混合物である。本発明の別の態様では、追加の薬剤は、モキシデクチンである。本発明の別の態様では、追加の薬剤は、ミルベマイシンオキシムである。本発明の別の態様では、追加の薬剤は、ピランテルである。
本発明のさらに別の態様は、薬物の製造のための式(1)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の態様は、動物への寄生虫の感染または侵入を治療する方法であり、この方法は、このような治療を必要としている前記動物に治療有効量の本発明の化合物、その立体異性体、または獣医学的に許容可能なその塩を投与するステップを含む。一態様では、動物は、哺乳動物であり、具体的には、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ、またはウマ)または家畜(例えば、ヒツジ、ヤギ、ウシ、およびブタ)である。別の態様では、動物は、鳥類であり、具体的には、家禽(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウ)である。別の態様では、動物は、魚である。本発明の化合物、およびその組成物は、経口的にまたは局所的に動物に投与してもよい。本発明の化合物、およびその組成物は、筋肉内、腹腔内、または皮下注射により動物に投与してもよい。本発明の化合物、およびその組成物は、経口的にまたは局所的に動物に投与できるのが好ましい。
本発明のさらに別の態様は、動物への寄生虫の感染または侵入を治療する方法であり、この方法は、このような治療を必要としている前記動物に、治療有効量の本発明の化合物、その立体異性体、または獣医学的に許容可能なその塩を、少なくとも1種の追加の獣医薬剤と組み合わせて投与するステップを含む。一態様では、動物は、哺乳動物であり、具体的には、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ、またはウマ)または家畜(例えば、ヒツジ、ヤギ、ウシ、およびブタ)である。別の態様では、動物は、鳥類であり、具体的には、家禽(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウ)である。別の態様では、動物は、魚である。本発明の化合物、およびその組成物は、経口的にまたは局所的に動物に投与してもよい。本発明の化合物、およびその組成物は、筋肉内、腹腔内、または皮下注射により動物に投与してもよい。本発明の化合物、およびその組成物は、経口的にまたは局所的に動物に投与できるのが好ましい。本発明の化合物は、注射により投与できるのが同様に好ましい。
本発明の化合物は、単独で投与してもよく、または(a)本発明の化合物、その立体異性体、獣医学的に許容可能なその塩、ならびに任意選択の本明細書記載の少なくとも1種の獣医薬剤および獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、もしくはキャリアを含む単一の獣医学組成物として、または(b)(i)本発明の化合物、その立体異性体、獣医学的に許容可能なその塩、および獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアを含む第1の組成物、ならびに(ii)本明細書記載の少なくとも1種の追加の獣医薬剤、および獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアを含む第2の組成物を含む2種の別々の獣医学組成物として、追加の獣医薬剤と組み合わせて投与してもよい。獣医学組成物は、同時に投与しても、または任意の順で順次投与してもよい。
本明細書で列挙した全ての国際公開特許公報は、参照によって本明細書に組み込まれる。
定義
本明細書で記載され、請求される本発明のために、次の用語と語句が以下のように定義される。
本明細書で使われる「追加の獣医薬剤」は、特に指示がない限り、本明細書で記載のような動物の寄生虫の感染の治療に有用な他の獣医学もしくは医薬品化合物または前記薬剤の治療有効量を提供する製品を意味する。
本明細書で使われる「アルコキシ」は、特に指示がない限り、さらなるアルキル置換基を有する酸素部分を意味する。アルコキシ基のアルキル部分(すなわち、アルキル成分)は、以下に示すものと同じ定義を有する。非制限的例には、−OCH3、−OCH2CH3などが含まれる。
本明細書で使われる「アルキル」は、特に指示がない限り、一般式CnH2n+1の飽和一価炭化水素アルカンラジカルを意味する。アルカンラジカルは、直鎖であっても、または分岐であってもよく、また、未置換であっても、または置換されていてもよい。例えば、用語の「(C1−C6)アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む一価、直鎖または分岐脂肪族基を意味する。(C1−C6)アルキル基の非制限的例には、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、3,3−ジメチルプロピル、2−メチルペンチル、ヘキシル、などが含まれる。アルキル部分は、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。アルキル基は、本明細書で記載のように任意に置換されてもよい。さらに、アルキルフェニルなどの複合語で使われる場合は、前記アルキル部分は、本明細書の定義と同じ意味を有し、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。複合語のアルキルフェニルの非制限的例には、C1アルキルフェニル(−CH2フェニル)、C2アルキルフェニル(−CH2CH2フェニル)、C0フェニル(フェニル)などが含まれる。
本明細書で使われる「アルケニル」は、特に指示がない限り、2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合(例えば、−C=C−、または−C=CH2)を含む直鎖または分岐脂肪族炭化水素鎖を意味する。アルケニルの非制限的例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルなどが含まれる。
本明細書で使われる「アルキニル」は、特に指示がない限り、2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合(例えば、−C≡C−または−C≡CH)を含む直鎖または分岐脂肪族炭化水素鎖を意味する。アルキニルの非限定的例には、エチニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、などが含まれる。
本明細書で使われる「動物」は、特に指示がない限り、哺乳動物、鳥類、または魚である個別動物を意味する。具体的には、哺乳動物は、ヒトおよび非ヒトの脊椎動物を意味し、分類学上の哺乳綱のメンバーである。非ヒト哺乳動物の非限定的例には、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ、およびウマ)および家畜(例えば、ウシ、ブタ、およびヒツジ)が含まれる。コンパニオンアニマルの非限定的例には、イヌ、ネコ、ラマ、およびウマが含まれる。好ましいコンパニオンアニマルは、イヌ、ネコ、およびウマである。より好ましいのは、イヌである。家畜の非限定的例には、ブタ、ラクダ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、シカ、エルク、ウシ(ウシ)、およびバイソンが含まれる。好ましい家畜は、ウシとブタである。具体的には、鳥類は、分類学上の鳥綱の脊椎動物を意味する。鳥類は、羽が生え、翼状部分があり、二足歩行で、内温性であり、産卵する。鳥類の非限定的例には、家禽(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウ)が含まれ、これらの全ては、本明細書で家禽とも呼ばれる。具体的には、魚は、分類学上の軟骨魚綱(軟骨魚類、例えば、サメおよびエイ)、および水中に住み、呼吸のための鰓または粘液で覆われた皮膚、ひれを持ち、うろこを持つていてもよい硬骨魚類(硬骨魚)を意味する。魚の非限定的例には、サメ、サケ、マス、ホワイトフィッシュ、ナマズ、ティラピア、シーバス、マグロ、ハリバット、ターボット、ヒラメ、シタガレイ、シマスズキ、ウナギ、ブリ、ハタなどが含まれる。
本明細書で使われる「炭素環式」は、特に指示がない限り、炭素原子のみを含む部分飽和または飽和5〜7員環を意味し、単環であっても、または縮合環もしくはスピロ環部分の一部であってもよい。炭素環の例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびシクロヘプタンが含まれる。炭素環は、本明細書記載のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使われる「キラル」は、それをそれ自体の鏡像に重ね合わせることができない分子の構造的特性を意味する(例えば、「R」および「S」鏡像異性体)。また、この用語は、式1中でアスタリスク(すなわち、*)として示されている。本発明のこの種の式で「*」が使われているかどうかにかかわらず、その後に記載される式1で包含される化学種もまた、キラルと見なされる。従って、処理中に調製される中間体を含めて本発明の化合物は、SおよびR鏡像異性体の両方を含む。
本明細書で使われる「本発明の化合物」は、特に指示がない限り、式(1)の化合物、およびその立体異性体を意味する。
本明細書で使われる「シクロアルキル」は、特に指示がない限り、完全飽和または部分飽和炭素環式アルキル部分を含む。部分飽和シクロアルキルの非制限的例には、シクロプロペン、シクロブテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロヘプタ−1,3−ジエン、などが含まれる。好ましいシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどの3〜6員飽和単環である。シクロアルキル基は、炭素環内のいずれか1個の炭素原子により化学的部分に結合できる。シクロアルキル基は、少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい。さらに、アルキルシクロアルキルなどの複合語として使用される場合は、前記アルキルおよびシクロアルキル部分は、本明細書で定義されるものと同じ意味であり、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個にを使って化学的部分に結合できる。C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキルの例には、メチルシクロプロパン(C1アルキルC3シクロアルキルまたは−CH2シクロプロパン)、エチルシクロプロパン(C2アルキルC3シクロアルキルまたは−CH2CH2シクロプロパン)、メチルシクロブタン(C1アルキルC4シクロアルキルまたは−CH2シクロブタン)、エチルシクロブタン(C2アルキルC4シクロアルキルまたは−CH2CH2シクロブタン)、メチルシクロヘキサン(C1アルキルC6シクロアルキルまたは−CH2シクロヘキサン)、などが含まれる。C0アルキルC3−C6シクロアルキルは、C3−C6シクロアルキルである。シクロアルキル部分は、本明細書記載のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使われる「ハロゲン」または「ハロ」は、特に指示がない限り、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。さらに、「ハロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルケニル」、または「ハロアルキニル」などの複合語として使用される場合は、前記アルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルキニルは、同じでも異なっていてもよいハロゲン原子で部分または完全置換されてもよく、また、前記アルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルキニル部分は、上記と同じ意味であり、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。「ハロアルキル」の例には、F3C−、ClCH2−、CF3CH2−およびCF3CCI2−、などが含まれる。用語の「ハロアルコキシ」は、用語の「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルコキシ」の例には、CF3O−、CCl3CH2O−、HCF2CH2CH2O−およびCF3CH2O−、などが含まれる。用語の「ハロアルケニルは、脂肪族鎖が少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含むことを除いて、用語の「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルケニル」の例には、CF3CH=CH−、Cl3CCH=CH−、HF2CCH=CH−およびF3CCH=CH−、が含まれる。用語の「ハロアルキニル」は、脂肪族鎖が少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含むことを除いて、用語の「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルキニル」の例には、F3CC≡C−、Cl3CC≡C−、HF2CC≡C−、などが含まれる。
本明細書で使われる「ヘテロアリール」または「Het」は、特に指示がない限り、前記単環式および縮合環部分は、それぞれ、N、O、またはSから独立に選択される1個または複数個のヘテロ原子、好ましくは、1個〜4個のヘテロ原子を含む5〜6員芳香族単環または8〜10員縮合芳香族環を意味する。単環式ヘテロアリールの非制限的例には、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、などが含まれる。縮合ヘテロアリールの非制限的例には、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、チエノ[2,3−c]ピリジン、チエノ[3,2−b]ピリジン、ベンゾ[1,2,5]−チアジアゾール、などが含まれる。ヘテロアリール基は、単環または縮合環内の炭素原子または窒素ヘテロ原子の内のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。さらに、アルキルヘテロアリールなどの複合語として使用される場合は、前記アルキルおよびヘテロアリール部分は、本明細書で定義のものと同じ意味であり、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。例えば、C0アルキルヘテロアリールはヘテロアリール、C1アルキルヘテロアリールは−CH2ヘテロアリール、C2アルキルヘテロアリールは−CH2CH2ヘテロアリール、などである。ヘテロアリールは、本明細書で記載のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使われる「ヘテロ環」は、特に指示がない限り、それぞれ、N、O、またはSから選択される1個または複数個のヘテロ原子、好ましくは、1個〜4個のヘテロ原子を含む部分飽和または飽和3〜7員単環を意味する。ヘテロ環は、縮合環またはスピロ環部分の一部であってもよい。ヘテロ環の非制限的例には、オキシラン、チイラン、アジリジン、オキセタン、アゼチジン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、2H−アジリン、2,3−ジヒドロアゼト、3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、などが含まれる。ヘテロ環基は、環内の炭素原子または窒素ヘテロ原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。さらに、アルキルヘテロ環などの複合語として使用される場合は、前記アルキルおよびヘテロ環部分は、本明細書で定義のものと同じ意味であり、脂肪族鎖の炭素原子のいずれか1個を使って化学的部分に結合できる。例えば、C0アルキルヘテロ環はヘテロ環、C1アルキルヘテロ環は−CH2ヘテロ環、C2アルキルヘテロ環は−CH2CH2ヘテロ環、などである。ヘテロ環は、本明細書記載のように任意に置換されてもよい。
「任意に置換されてもよい」は、本明細書では、置換または未置換という語句と同義に使用される。特に指示がない限り、任意に置換されてもよい基は、基のそれぞれの置換可能な位置に置換基を有することができ、それぞれの置換は、その他の置換とは独立している。また、任意に置換されてもよい基は、置換基がなくてもよい。従って、語句の「少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよい」は、置換基の数がゼロから、利用可能な置換の位置の数まで変化してもよい。
本明細書で使われる「寄生虫」は、特に指示がない限り、内部寄生虫および外部寄生虫を意味する。内部寄生虫は、宿主の体内に住む寄生虫で、蠕虫(例えば、吸虫類、条虫類、および線虫類)および原虫類を含む。外部寄生虫は、節足動物門(例えば、クモ類、昆虫)、および宿主の皮膚を介して、または皮膚を摂食する甲殻類(例えば、カイアシ類サケジラミ)の生物である。好ましいクモ類は、ダニ目のクモ、例えば、マダニおよびコダニである。好ましい昆虫は、小昆虫、ノミ、蚊、刺咬バエ(サシバエ、ノサシバエ、ホホアカクロバエ、アブ、など)、トコジラミ、およびシラミである。本発明の好ましい化合物は、寄生虫の治療、すなわち、寄生虫の感染または侵入の治療に使用できる。
本明細書で使われる「保護基」または「Pg」は、特に指示がない限り、化合物上のアミンを封鎖または保護し、それによりその官能基を保護し、一方で、化合物上の他の官能基の反応を許容するために通常使われる置換基を意味する。アミン保護基の非制限的例には、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェニルアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、トリフルオロアセチル、アセトアセチル、4−クロロブチリル、イソブチリル、o−ニトロシンナモイル、ピコリノイル、アシルイソチオシアナート、アミノカプロイル、ベンゾイル、など)、アシルオキシ基(例えば、1−tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、メトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキソイカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1,1−ジメチルプロピニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、など)、ジフェニルメタン、およびベンジルカルバマートが含まれる。
本明細書で使われる「治療有効量」は、特に指示がない限り、(i)特定の寄生虫の感染または侵入を治療する、(ii)1種または複数種の特定の寄生虫の感染もしくは侵入の症状を弱めるか、回復させるか、または除く、または(iii)本明細書記載の特定の寄生虫の感染もしくは侵入の1種または複数種の症状の発症を防ぐか、または遅らせる本発明の化合物の量を意味する。
本明細書で使われる「治療(Treatment)」、「治療すること(treating)」などは、特に指示がない限り、寄生虫の感染、侵入、または状態を逆戻りさせること、軽減すること、または阻止することを意味する。また、本明細書で使われるこれらの用語は、動物の状態に応じて、前記感染または侵入に苦しむ前に、障害もしくは状態、またはそれらに関連する症状の重症度を下げることを含む、障害もしくは状態、または障害もしくは状態に関連する症状の発症を抑えることを包含する。従って、治療は、投与時に感染または侵入に苦しんでいない動物に本発明の化合物を投与することを意味してもよい。また、治療は、感染もしくは侵入またはそれに関連する症状の再発を防止すること、ならびに「駆除」(例えば、死滅させること、撃退すること、駆逐すること、無能力にすること、阻止すること、除去すること、軽減すること、最小化すること、および根絶すること)の意味を包含する。
本明細書で使われる「獣医学的に許容可能な」は、特に指示がない限り、物質または組成物は、製剤、組成物、および/または治療される動物を含むその他の成分と化学的に、および/または中毒学的に両立する必要があることを示す。用語の「薬学的に」許容可能な、は、「獣医学的に」許容可能な、の用語の場合に詳述された内容と同じ意味である。
本発明は、動物用の駆虫剤として有用な式(1)の化合物、特に、外部寄生虫駆除剤として作用する化合物、その立体異性体、ならびに獣医学組成物、を提供する。
本発明の化合物は、特に、本明細書に含まれる説明を考慮すると、化学技術分野でよく知られたものと類似のプロセスを含む合成経路により合成可能である。出発物質は、通常、Aldrich Chemicals(Milwaukee,Wis.)などの市販品の供給源から入手可能であるか、または当業者によく知られた方法を使って容易に調製可能である(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,「Reagents for Organic Synthesis」,1;19,Wiley,New York(1967,1999 ed.),またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer−Verlag,Berlin,(補遺(これも、Beilsteinオンラインデータベース経由で入手可能)を含む)に一般的に記載されている方法により調製できる)。下記の反応スキームは、説明の目的で、本発明の化合物、および重要な中間体を合成するための可能な経路を示す。個別反応ステップのより詳細な説明は、以下の実施例の節を参照されたい。当業者なら他の適切な出発物質、試薬、および合成経路を使って本発明の化合物および種々のそれらの誘導体を合成できることを分かるであろう。さらに、下記の方法により調製される多くの化合物は、本開示を考慮して、当業者によく知られた従来の化学手法を使ってさらに改変できる。
本明細書に記載の本発明の化合物は、少なくとも1種の非対称またはキラル中心を含み、従って、異なる立体異性体として存在する。RおよびS配置は、既知のキラル反転/保持化学の知識に基づいている。特に指定がない限り、本発明の化合物の全ての立体異性体、ならびにそれらのラセミ混合物およびジアステレオマー混合物を含む混合物は、本発明の一部を形成することが意図されている。
鏡像異性混合物は、それらの物理化学的差異に基づいて、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出などの当業者によく知られた方法により、それらの個別鏡像異性体に分離可能である。化合物の立体異性体をそれらのラセミ混合物から分離するために使用できるさらに詳細な技術説明は、Jean Jacques Andre Collet,Samuel H.Wilen,Enantiomers,Racemates and Resolutions,John Wiley and Sons,Inc.(1981)、に記載されている。
本発明の化合物は、1種または複数種の立体異性体として存在できる。種々の立体異性体には、鏡像異性体、ジアステレオマーおよびアトロプ異性体を含む。当業者なら、1種の立体異性体が他の立体異性体に対し濃縮されると、または他の立体異性体から分離されると、その立体異性体がより活性となる可能性がある、および/または薬効を示す可能性があることを理解するであろう。さらに、当業者なら、前記立体異性体を分離、濃縮、する方法、および/または選択的に調製する方法を理解している。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個別立体異性体または光学活性型として存在してもよい。例えば、アスタリスク(*)で特定されるキラル中心を含む式1の2種の可能な鏡像異性体を式1aおよび式Ibとして示す。本明細書に記載の分子の図は、立体化学を描画する標準的な規則に準じている。
置換基のR1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、およびnは、本明細書で記載の通りである。
説明を目的として、以下の反応スキームは、本発明の重要な中間体および化合物の可能な合成経路を示す。個別反応ステップのより詳細な説明は、下記の実施例の節を参照されたい。当業者なら、他の適切な出発物質、試薬、および合成経路を使って、本発明の中間体および化合物ならびに種々のそれらの誘導体を合成できことを分かるであろう。さらに、以下に記載の方法で調製される多くの化合物は、本開示を考慮して、従来の化学手法を使ってさらに改変できる。スキーム1〜13は、本発明の化合物の調製と単離に有用な一般的方法の概要を示す。しかし、本明細書で十分に記載され、請求項で歴帰された本発明を、以下のスキームの細目または調製様式に限定する意図はないことを理解されたい。
本発明の化合物の調製では、望ましくない反応からの中間体の遠隔官能基の保護は、保護基を使って実現できる。用語の「保護基」または「Pg」は、特定の官能基を封鎖または保護し、一方で、化合物上の他の官能基を反応させるために、通常使用される置換基を意味する。例えば、アミン保護基は、アミンに結合して、化合物または中間体のアミン官能基を封鎖または保護する置換基である。適切なアミン保護基には、1−tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、アシル基、例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェニルアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、トリフルオロアセチル、アセトアセチル、4−クロロブチリル、イソブチリル、o−ニトロシンナモイル、ピコリノイル、アシルイソチオシアナート、アミノカプロイル、ベンゾイル、など、およびアシルオキシ基、例えば、メトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1,1−ジメチルプロピニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、などが含まれる。同様に、ジフェニルメタンおよびベンジルカルバマートもアミン保護基として使用できる。適切な保護基およびそれらそれぞれの使用は、当業者により容易に決定される。保護基およびその使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991、を参照されたい。
以下のスキームおよび実施例では、次の触媒/反応物ならびに種々の省略が含まれる。
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩化イソプロピルマグネシウム(iPrMgCl)、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、トリエチルアミン(Et3N)、当量(eq)、ジクロロメタン(CH2Cl2)、ビス(2−メトキシエチルアミノサルファートリフルオリド(BAST)、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ビス(1,5−シクロオクタジエンジイリジウム(1)ジクロリド([Ir(COD)]2)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)、カリウムシアニド(KCN)、メタノール(MeOH)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)(Pd2(dba)3)、ジクロロメタン(DCM)、リチウムクロリド(LiCl)、塩酸(HCl)、ブチルビニルエーテル(BVU)、トリエチルアミン(TEA)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、アセトニトリル(AcnまたはMeCN)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)、三酸化硫黄−ピリジン錯体(Py−SO3,またはSO3−Py)、触媒(cat)、水性の(aq)、薄膜クロマトグラフィー(TLC)、酢酸エチル(EtOAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、Xtalflor(Xtalflor−EおよびXtalflor−M,脱酸素的フッ素化反応試薬)、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、パラジウム(ll)[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン](Pd−dppp)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−2,4−ジチオキソ−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン(ローソン試薬)、およびジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc2O)。
スキーム1
R2およびnは、本明細書で定義されている。
式2.2の化合物(下記)は、スキーム1で示される方法を使って調製できる。ブロモヨードベンゼン1.1の選択的グリニャールメタル化および保護アゼチジノンへの添加により、フェニルアゼチジン誘導体1.2が得られる。ヒドロキシル官能基は、フッ素化試薬(BAST、DASTまたはXtalflor)を使った処理などでさらに処理して、追加のフェニルアゼチジン1.3の類似体を得ることができる。
スキーム2
R2、R3、およびnは、本明細書で定義されている。
あるいは、式2.2の化合物は、スキーム2に示す方法を使って調製できる。R3が電子吸引基(CN、CO2R、SO2R、など)の場合、アゼチジン環の脱プロトン化は、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS)で処理することにより達成できる。その後、このメタル化種は、ブロモフルオロベンゼン2.1のフッ素のSNAr置換反応を受け、式2.2の置換アゼチジン類似体を得ることができる。他の置換フェニルアゼチジンは、市販品供給源から購入するか、または文献に記載のものと類似の方法を使って調製できる(例えば、国際公開第WO2012017359号、またはJustus Liebigs Annalen der Chemie(1961),647,83−91、を参照)。
スキーム3
R、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R6、およびnは、本明細書で定義されている。
式3.3の化合物は、スキーム3に示す方法を使って調製できる。ブロモフェニルアゼチジン2.2とビニルエーテルのパラジウム触媒縮合により、アセトフェノン3.1が得られ、これを、炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、置換フェニルケトン誘導体3.2と縮合させてエノン3.3を得る。フェニルケトン誘導体3.2は、グリニャール試薬の存在下、ブロモベンゼンをエチルエステルと反応させることにより調製できる。
スキーム4
R1a、R1b、R1c、R2、R3R6、およびnは、本明細書で定義されている。
式4.4のジヒドロピロール化合物は、スキーム4により示される方法を使って調製できる。エノン3.3は、国際公開第WO2011128299号または国際公開第WO2011154555号に記載のように、ニトロメタンまたはシアニドのマイケル付加を受け、中間体4.1または4.2が得られる。アミンの還元に続いて環化により、ジヒドロピロール4.3が得られる。還元は、限定されないが、Zn/HCl、ラネーニッケルもしくはパラジウムなどの触媒を使ったH2、ホウ化水素または水素化アルミニウム還元試薬などの種々の標準条件下で行うことができる。アゼチジン環は、その後、HCl/MeOHまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸性条件下で脱保護されて、ジヒドロピロールフェニルアゼチジン4.4が得られる。
スキーム5
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R6、およびnは、本明細書で定義されている。
式5.3のピロリジン化合物は、スキーム5により示される方法を使って調製できる。4級フェニルピロリジン5.1は、国際公開第WO2008128711号に記載の方法などの既知の化学的手法に従って調製できる。パラジウム触媒の存在下で、ピロリジンとブロモフェニルアゼチジン2.2の反応により、式5.2の化合物が得られる。HCl/MeOHまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸性条件下でのアゼチジン環の脱保護により、ピロリジニルフェニルアゼチジン5.3が得られる。
スキーム6
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R6、およびnは、本明細書で定義されている。
式6.3のジオキサゾール化合物は、スキーム6で示す方法を使って調製できる。オキシム6.1(国際公開第WO2012017359号)は、ワンポット二段階反応を使って、ジオキサゾール環に変換できる。オキシムのN−クロロスクシンイミドによる処理により、クロロオキシムが得られ、これに、アリールケトン3.2との[3+2]環化を行ってジオキサゾール6.2を得る。また、これらのステップは、別の反応として行うこともできる。アゼチジン上のBoc保護基の除去は、HCl/MeOHまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸性条件下で行うことができる。
スキーム7
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R6、およびnは、本明細書で定義されている。
式7.4のオキサゾリン化合物は、スキーム7で示す方法を使って調製できる。アンモニア源またはホルムアミドの存在下での一酸化炭素を使ったパラジウム触媒カルボニル化による2.2のアミド化を行って一級アミド7.1を得る。これを、(Chem.Comm,2007,3279)に記載のように次亜ヨウ素酸tert−ブチルの存在下でアルケン7.2を使って付加環化を行うことができる。アゼチジン上のBoc保護基の除去は、HCl/MeOHまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸性条件下で行うことができる。アルケン7.2は、国際出願第WO2011/124998号に記載の方法に従って調製できる。
スキーム8
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、R8、およびnは、本明細書で定義されている。
式8.3のジヒドロピラゾール化合物は、スキーム8に示す方法を使って調製できる。アゼチジン3.3上のBoc保護基の除去は、HCl/MeOHまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸性条件下で行うことができる。塩基(例えば、Et3N、ピリジン、iPR2NEt、およびDMA)の存在下、アゼチジン8.1と酸クロリドとの反応により、またはHATU、CDI、EDC、またはHOBtなどの縮合剤を利用してカルボン酸と縮合することにより、アゼチジン環のアシル化が実現でき、アミド8.2が得られる。アゼチジン環のスルホンアミド類似体は、トリエチルアミン、または類似の塩基の存在下で、アゼチジン8.1とスルホニルクロリドの反応により調製でき、目的のスルホンアミド8.2が得られる。R4がアルキルまたは置換アルキルである化合物は、スキーム11に示すような標準的アルキル化の化学反応によりアゼチジン8.1から調製できる。 あるいは、アルキル類似体は、対応するアルデヒドを使った還元的アミノ化により調製できる。尿素類似体は、第三級アミン塩基の存在下で、アゼチジン8.1とイソシアナートまたは予め形成されたカルバモイルクロリドとの反応により調製でき、尿素8.2が得られる。エタノールまたはメタノールなどの極性プロトン性溶媒中で、ヒドラジンを使った式8.2のエノンの付加環化により、ジヒドロピラゾール8.3が得られる。エノンを使ったヒドラジンの付加環化の一般的方法は、化学文献による十分な裏づけがある(例えば、Tetrahedron Letters,2004,1489またはBioorg.Med Chem Letters,2006,3175、を参照)。
スキーム9
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R5、R6、B、およびnは、本明細書で定義されている。
化合物9.1は、式4.4、5.3、6.3、または7.4の化合物を表す。アゼチジン環のアミド類似体は、スキーム9に示すように調製できる。アゼチジン環のアシル化は、塩基(例えば、Et3N、ピリジン、iPR2NEt、およびDMA)の存在下で、アゼチジン9.1と酸クロリドとの反応により、またはHATU、CDI、EDC、またはHOBtなどの縮合剤を利用してカルボン酸と縮合することにより実現でき、化合物9.2が得られる。
スキーム10
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R5、R6、B、およびnは、本明細書で定義されている。
化合物9.1は、式4.4、5.3、6.3、または7.4の化合物を表す。アゼチジン環のスルホンアミド類似体は、スキーム10に示すように調製できる。トリエチルアミンの存在下でアゼチジン9.1とスルホニルクロリドとの反応により、目的のスルホンアミド10.1が得られる。
スキーム11
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R6、B、およびnは、本明細書で定義されている。
化合物9.1は、式4.4、5.3、6.3、または7.4の化合物を表す。R4がアルキルまたは置換アルキルである化合物は、スキーム11に示されるような標準的アルキル化の化学反応により、アゼチジン9.1から調製できる。あるいは、アルキル類似体は、対応するアルデヒドを使った還元的アミノ化により調製できる。
スキーム12
R1a、R1b、R1c、R2、R3、Ra、R5、R6、およびnは、本明細書で定義されている。
化合物9.1は、式4.4、5.3、6.3、または7.4の化合物を表す。尿素類似体は、スキーム12に示すように調製できる。三級アミン塩基の存在下で、アゼチジン9.1とイソシアナートまたは予め形成されたカルバモイルクロリドとの反応により、尿素12.1が得られる。
スキーム13
R1a、R1b、R1c、R2、R3、R5、R6、R7、B、およびnは、本明細書で定義されている。
チオアミド13.1は、還流トルエン中でのアミド9.2のローソン試薬による処理により調製できる。メチルトリフラートを、CH2Cl2などの溶媒中のチオアミド13.1に加えて、チオイミダート中間体を形成できる。その後、置換アミン(例えば、H2NCN、H2NS(O)pR、H2NR、H2NOH、など)およびTHF中のヒューニッヒ塩基をチオイミダート溶液に直接添加して、アミジン13.2を得ることができる。
当業者なら、一部のケースで、スキームで示されたように所与の試薬の導入後、詳細には記載されていない追加のルーチン合成ステップを行って式(1)の化合物の合成を完結することが必要な場合があることに気付くであろう。
本発明は、全ての式(1)の獣医学的に許容可能な同位体標識化合物を含み、この化合物では、1種または複数種の原子が、同じ原子番号であるが、通常天然で認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数の原子で置換されている。
本発明の化合物に導入するのに適する同位体の例には、2Hおよび3Hなどの水素の同位体、11C、13Cおよび14Cなどの炭素の同位体、36Clなどの塩素の同位体、18Fなどのフッ素の同位体、123Iおよび125Iなどのヨウ素の同位体、13Nおよび15Nなどの窒素の同位体、15O、17Oおよび18Oなどの酸素の同位体、ならびに35Sなどの硫黄の同位体、が含まれる。
当業者なら、本発明の化合物は、参照によって本明細書に組み込まれたとして本明細書に記載されているもの以外の方法によって、本明細書に記載の方法の適用および/または当技術分野で既知の、例えば、本明細書で記載の技術による方法の適用によって、または「Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Transformations」,RC Larock,Wiley−VCH(1999以降の版)、などの標準的教科書を使って、作製可能であることを理解するであろう。
式(1)の化合物は、外部寄生虫および内部寄生虫薬剤として有用であり、従って、本発明の別の実施形態は、治療有効量の式(1)の化合物、その立体異性体、および獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む獣医学的または薬学的組成物である。また、本発明の化合物(組成物およびそれに使われるプロセスを含む)は、本明細書記載の治療への応用のための薬剤の製造に使用できる。
典型的な製剤は、式(1)の化合物をキャリア、希釈剤または賦形剤と混合することにより調製される。適切なキャリア、希釈剤および賦形剤は、当業者にはよく知られており、炭水化物、ろう、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性の物質、ゼラチン、油、溶剤、水、などの物質が含まれる。使われる特定のキャリア、希釈剤または賦形剤は、本発明の化合物が適用される手段と目的に依存するであろう。溶剤は、通常、動物への投与に対して安全であると当業者により認められている溶剤を基準にして選択される。また、製剤は、1種または複数種の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、調味料、および薬剤(すなわち、本発明の化合物またはその獣医学組成物)の上品な体裁を付与する、または獣医薬品または医薬品(すなわち、薬物)の製造に役立つ他の既知の添加物を含めてもよい。
製剤は、従来の溶解および混合手順を使って調製できる。それらの調製のためのこのような組成物と方法は、例えば、「Remington’s Veterinary Sciences」,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)、および「Veterinary Dosage Forms:Tablets,Vol.1」,by H.Lieberman and L.Lachman,Marcel Dekker,N.Y.,1980(ISBN 0−8247−6918−X)、中で見つけることができる。例えば、原薬(すなわち、本発明の化合物またはその化合物の安定化型(例えば、シクロデキストリン誘導体、または他の既知の錯化剤との錯体))は、1種または複数種の他の賦形剤の存在下、適切な溶媒に溶解される。本発明の化合物は、典型的な例では、獣医学または医薬品剤形に処方し、容易に制御可能な投与用剤形を提供する。また、本発明の化合物を動物の飼料と混合することもできる。
化合物は、単独で、または予測される特定の使用に適切な製剤中に入れて投与できる。特定の宿主動物種は、治療され、また、寄生虫が関与している。通常、化合物は、1種または複数種の獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な塩、賦形剤、希釈剤、またはキャリアと一緒に製剤として投与される。用語の「賦形剤」、「希釈剤」または「キャリア」は、本明細書では、式(1)の化合物以外のいずれかの成分、またはいずれかの追加の駆虫剤を記載するために使われる。賦形剤、希釈剤、またはキャリアの選択は、特定の投与方式、賦形剤、キャリア、または希釈剤の溶解度および安定性に対する影響、剤形の性質、および動物種などの因子に大きく依存すると思われる。
本発明の化合物を投与可能な方法には、経口、局所的、および注射液(皮下、腹腔内、および筋肉内)投与が含まれる。式(1)の化合物の好ましい投与方法は、経口固形剤形中または経口液体剤形中に含めて投与することである。同様に好ましいのは、局所的投与である。
式(1)の化合物は、カプセル、巨丸剤、錠剤、散剤、ロゼンジ、チューズ、マルチパーティクルおよびナノ粒子、ゲル、固溶体、薄膜、噴霧剤、液体形態、または食物と混合して経口的に投与できる。経口投与は、好ましい投与方法であり、従って、このような処方に特に適する活性の式(1)の化合物を開発するのが望まれる。このような製剤は、ソフトもしくはハードカプセル剤、錠剤、またはチューズの充填剤として採用でき、通常、キャリア、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油、および1種または複数種の乳化剤および/または懸濁剤を含む。液体形態には、懸濁液、溶液、シロップ剤、水薬およびエリキシル剤が含まれる。また、液体製剤は、固体、例えば、サッシェから再構成により調製してもよい。経口水薬は、通常、有効成分を適切な媒体に溶解または懸濁させることにより調製される。食物混合剤は、家畜および魚用に調製できる。経口製剤は、約0.5mg/kg〜50mg/kgの式(1)の化合物、好ましくは、約0.1mg/kg〜30mg/kgの式(1)の化合物を含むことができる。治療される宿主種および治療される寄生虫に応じて、用量調節を行える。
化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚に、または経皮的に投与してもよい。これは好ましい投与方法であり、従って、このような処方、例えば、液体形態に特に適する活性の式(1)の化合物を開発することが望まれる。この目的のための典型的な製剤には、プアオン製剤、スポットオン製剤、マルチスポットオン製剤、ストライプオン製剤、コームオン製剤、ロールオン製剤、ディップ製剤、噴霧剤、ムース製剤、洗髪剤、散剤製剤、ゲル、ヒドロゲル、洗浄剤、溶液、クリーム剤、軟膏、散布剤、包帯剤、発泡製剤、薄膜、皮膚貼付剤、ウエハース、植込錠、スポンジ製剤、繊維製剤、絆創膏およびマイクロエマルションが含まれる。リポソームも使用可能である。典型的キャリアには、アルコール、水、ミネラル油、液体ペトロラタム、白色ワセリン、グリセリン、N−メチルホルムアミド、グリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、などが含まれる。浸透促進剤を混合してもよい−例えば、J Pharm Sci,88(10),955−958,Finnin and Morgan(October 1999)、を参照されたい。プアオン製剤またはスポットオン製剤は、有効成分を許容可能な液体キャリア媒体、例えば、ブチルジゴール、流動パラフィンまたは非揮発性エステル中に溶解し、任意選択で、プロパン−2−オールまたはグリコールエーテルなどの揮発性成分を加えて調製できる。あるいは、プアオン製剤、スポットオン製剤または噴霧製剤は、動物の体表面上に活性薬剤の残留物を残すためにカプセル封入により調製でき、この効果は、式(1)の化合物の作用の持続性が増すのを確実にでき、より耐久性が向上し、例えば、水に対する耐性がよくなる。本明細書で意図された組み合わせの局所的製剤は、約0.5mg/kg〜50mg/kgの式(1)の化合物、および好ましくは、約1mg/kg〜10mg/kgの式(1)の化合物を含むことができる。本発明によるスポットオン製剤適用に適する組成物は、従来の混合手段により調製できる。適用される組成物の容量は、約0.5mL/kg〜5mL/kg、および好ましくは、約1mL/kg〜3mL/kgであってもよい。同様に、用量も調節できる。
また、本発明の化合物は、支持基材、例えば、首輪または耳標の形の合成または天然樹脂、プラスチック、布、皮、または他のこのようなポリマー系材料を介して局所的に投与できる。獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な量の本発明の化合物を、単独で、または獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、もしくはキャリア、および任意選択で追加の獣医薬剤、もしくは獣医学的にまたは薬理学的に許容可能なその塩と共に提供するために、任意の手段により、前記首輪または耳標にそれらをコート、含浸、積層してもよい。
製剤が適用される動物体表面上のこのような製剤の持続性を改善するための、例えば、動物の毛皮上の持続性を改善するための薬剤を本発明の製剤に添加してもよい。プアオン製剤またはスポットオン製剤として適用される製剤に対しこのような薬剤を含めることは、特に好ましい。このような薬剤の例には、アクリル共重合体および特にフッ素化アクリル共重合体が含まれる。特定の好適試薬は、登録商標試薬「Foraperle」(Redline Products Inc,Texas,USA)である。特定の局所的製剤は、経口曝露を最小限にするために口当たりが悪い添加物を含めてもよい。
注射製剤は、無菌の溶液の形態で調製でき、これには、他の物質、例えば、溶液の血液との等張性を得るための十分な塩またはグルコースを含んでもよい。許容可能な液体キャリアには、ゴマ油などの植物油、トリアセチンなどのグリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピルおよびプロピレングリコールの脂肪酸誘導体などのエステル、ならびにピロリジン−2−オンおよびグリセロールホルマールなどの有機溶剤が含まれる。この製剤は、本発明の化合物を単独で、または追加の獣医薬剤を加えて、液体キャリア中に、最終製剤が、約0.01重量%〜50重量%の有効成分、好ましくは、約0.01重量%〜約10重量%の有効成分を含むように溶解または懸濁させることにより調製される。
適切な注射器具には、有針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器および注入術具が含まれる。皮下製剤は、通常、塩、炭水化物および緩衝剤などの賦形剤を含んでもよい水性の溶液(好ましくは、3〜9のpH)であるが、一部の用途に対しては、無菌の非水性の溶液として、または無菌の発熱性物質不含水などの適切な媒体と一緒に使用される乾燥粉形態として、処方されるのがより適している。例えば、凍結乾燥による無菌条件下での皮下製剤の調製は、当業者によく知られた標準的獣医学技術を使って容易に実現できる。皮下溶液の製剤中で使用される式(1)の化合物の溶解度は、適切な処方技術の使用、例えば、溶解促進剤の組込みにより、高めることができる。
このような製剤は、標準的医学または獣医学の慣例に従って従来の方式で調製できる。さらに、これらの製剤に含まれる活性化合物の重量は、治療される宿主動物の種、重症度および感染または侵入の型、ならびに動物の体重に応じて、変動する。
魚に対しては、本発明の化合物は、食物混合物を介した経口投与用に処方できる。例えば、本発明の化合物は、容易に分散できる食品(例えば、ペレット)に混入して魚用給餌薬剤とし処方できる。さらに、本発明の化合物は、少なくとも1種の本発明の化合物を含む魚を水性の環境中に浸漬することにより局所的に投与できる。例えば、魚を、治療用のタンクに移動させるか、または1つの待機ゾーンから別のゾーンへ通過させてもよい。また、本発明の化合物を、魚を含む水に直接投与してもよい。本発明の化合物を、任意の分散可能な製剤中に含め、水に投入時に、化合物が溶液中に溶解するようにできる。あるいは、本発明の化合物は、注射により投与できる。魚の治療のための好ましい注射経路は、腹腔内または筋肉内である。注射製剤は、いずれかの液体懸濁液、例えば、油、水性の溶液、または油と水のエマルションを含む。また、本発明の化合物は、追加の薬剤、抗原、アジュバント、キャリア、希釈剤または栄養素と同時投与できる。
また、式(1)の化合物は、通常の感受性を示す動物の全ての、または個別成長段階の害虫、ならびに広範に使用されている駆虫剤への耐性を示す害虫に対しても活性である。
本明細書で記載のように、本発明の化合物は、単独で、または殺虫剤、ダニ駆除剤、駆虫剤、消毒薬、抗線虫薬、抗原虫薬、殺菌剤、および増殖調整剤を含む少なくとも1種の追加の獣医薬剤と組み合わせて投与して、多成分薬剤を形成して、さらに広い薬効範囲の獣医学的有用性を得てもよい。従って、本発明は、また、有効量の式(1)の化合物、その立体異性体、および有効量の少なくとも1種の追加の獣医薬剤を含む組成物に関し、また、1種または複数種の獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアをさらに含んでもよい。
本発明の化合物と一緒に使うことができる下の追加の獣医薬剤のリストは、可能な組み合わせを例示することを意図しており、制限を課すことは何ら意図していない。追加の獣医薬剤の非制限的例には、アミトラズ、国際公開第WO1998/24767号および同WO2005/060749号公報に列挙されているようなアリールピラゾール、アミノアセトニトリル、駆虫剤(例えば、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクタデプシペプチド、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、パラヘルクアミド(2−デソキソパラヘルクアミド、デルクアンテル)、パルベンダゾール、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクラベンダゾール、レバミソール、ピランテルパモ酸塩、オキサンテル、モランテル、など)、インドキサカルブおよびその誘導体、アベルメクチン(例えば、アバメクチン、ドラメクチン、マメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、など)、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、DEET、デミディトラズ、ジエチルカルバマジン、フィプロニル、昆虫成長制御剤(例えば、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、など)、メタフルミゾン、ニクロサミド、ペルメトリン、ピレトリン、スピノサド、およびホルムアミジン(例えば、デミディトラズ、アミトラズ、など)、ならびにこれらの混合物、が含まれる。特定の症例では、式(1)の化合物と追加の獣医薬剤の組み合わせが、加算的効果より大きい結果をもたらす場合がある。効果的な害虫駆除を確実に行う一方で、環境中に放出される有効成分の量を減らすことは、どのような場合でも望ましいことである。
例えば、特定の寄生虫の感染もしくは侵入またはそれに関連する状態の治療のために、本発明の化合物、その立体異性体を単独で、または獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、もしくはキャリアを含む組成物として、投与するのが望ましい場合がある。その内の少なくとも1種が本発明による式(1)の化合物およびその他の追加の獣医薬剤を含む2種以上の獣医学組成物を組成物の同時投与に適するキットの形で便宜的に組み合わせることができることも、本発明の範囲内に入る。
また、本発明の化合物(組成物およびそれに使われるプロセスを含む)は、本明細書記載の治療への応用のための薬物の製造に使用できる。
本発明の化合物、その立体異性体、ならびに治療有効量の式(1)の化合物および獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアを含む組成物は、動物中の前記寄生虫により現れる感染または侵入の抑制および治療のための駆虫剤(内部および外部寄生虫の)として有用である。本発明の化合物は、外部寄生虫駆除剤として、特に、ダニ駆除剤および殺虫剤として有用である。また、本発明の化合物は、内部寄生虫駆除剤としても有用である。それらは、特に、獣医学、家畜畜産、養魚、および公衆衛生の維持分野で、コナダニ、昆虫、および、脊椎動物、特に、コンパニオンアニマル、家畜、魚、および鳥類を含む温血脊椎動物の寄生虫である内部寄生虫に対して使用される。
一部の外部寄生虫の非制限的例には、マダニ(例えば、イクソデス種、(例えば、I.スカプラリス、I.リシヌス、I.ヘキサゴナス、I.ホロチクルス)、リピケファルス種、(例えば、R.サンギネウス)、ブーフィルス種、アンブリオンマ種(例えば、A.マクラツム、A.トリステ、A.パルブム、A.オバレ、A.オブロンゴグタタム、A.オウレオラタム、A.カジェンネンセ、A.アメリカヌム)、ヒアロンマ種、ヘマフィサリス種、デルマセントル種(例えば、D.バリアビリス、D.アンダーソニ、D.レティキュラタス、D.マルギナタス)、オルニトドルス種、など)、コダニ(例えば、デルマニッスス種、ケイルエチエラ種、サルコプテス種、(例えば、ヒゼンダニ)、プソロプテス種、(例えば、P.ボビス)、オトデクテス種、コリオプテス種、デモデックス種、(例えば、D.ホリクロラム、D.カニス、およびD.ブレビス)など)、ハジラミおよび吸血性シラミ類(例えば、ダマリニア種、リノグナツス種、ハエマトピヌス種、ソレノプテス種、トリコデクテス種、フェリコラ種、など)、ノミ(例えば、テノセファリデス種、など)、刺咬バエ、小昆虫、および蚊(例えば、タバヌス種、ヘマトビア種、ムスカ種、ストモキシス種、コクリオミア種.、シムリイダエ種、セラトポゴニダエ種、プシコディダエ種、アエデス種、クレックス種、アノフェレス種、など)、トコジラミ(例えば、シメックス属およびシミシダエ科の昆虫)、地虫(例えば、デルバトビア種、ウシバエ、H.リネアツム)、およびカイアシ類(例えば、レペオフテイルスおよびカリグス属を含むシフォノストマトイダ目内のサケジラミ)、が含まれる。
また、本発明の化合物は、内部寄生虫、例えば、条虫類(サナダムシ)、線虫類(円虫)、および吸虫類(吸虫)の治療に使用される。線虫類の非制限的例には、回虫、鉤虫、鞭虫、および犬糸状虫が含まれる。消化管回虫の非制限的例には、オステルターグ胃虫(抑制幼虫を含む)、O.リラタ、ハエモチュス・プラセイ、H.シミリス、H.コントルツス、トキサスカリス・レオニナ、トキソカラ・カニス、トキソカラ・カチ、トリチョストロンギルス・アキセイ、T.コルブリホルミス、T.ロンギスピクラリス、クーペリア・オンコホラ、C.ペクチナータ、C.プンクタタ、C.スルナバダ(同義語:マクマステリ)、C.スパチュラ、アスカリス・スウム、ヒオストロンジャイルス・ルビズス、ブノストマム・フレボトマム、カピラリア・ボビス、B.トリゴノセファラム、ストロンギロイデス・パピロスス、豚糞線虫、オエソファゴストマム・ラジアツム、O.デンタツス、O.コルンビアヌム、O.クアドリスピヌラツム、トリチュリス種、など、が含まれる。その他の線虫類の非制限的例には、鉤虫(例えば、アンシロストマ・カニナム、A.ツバエホルメ、ブラジル鉤虫、ウンシナリア・ステノセファラ、など)、肺虫(例えば、ジクチオカウルス・ビビパルスおよびメタストロンガイルス種)、眼虫(例えば、セラジア種)、寄生期地虫(例えば、ハイポデルマ・ボビス、H.リネアツム、デルマトビア・ホミニス)、腎虫(例えば、ステファヌルス・デンタツス)、螺旋虫(例えば、ラセンウジバエ(幼虫)、フィラリア上科およびオンコセルカ科の糸状線虫類、などが含まれる。オンコセルカ科内の糸状線虫類の非制限的例には、ブルギア属種(すなわち、マレー糸状虫、バハン糸状虫、チモール糸状虫、など)、ウチェレリア種(すなわち、W.バンクロフチ、など)、ジロフィラリア種(D.イミチス、D.ウルシ、D.テヌイス、D.スペクタンス、D.ルトラエ、など)、ジペタロネーマ種(すなわち、D.レコンジツム、D.レペンス、など)、オンコセルカ種(すなわち、ギブソン糸状虫、O.グツロサ、O.ボルブルス、など)、エレオフォラ種(E.ボーミ、E.エラフィ、E.ポエリ、E.サギッタ、E.スクネイデリ、など)、マンソネラ種(すなわち、オザード糸状虫、常在糸状虫、など)、およびロア種(すなわち、L.ロア)、が含まれる。条虫類の非制限的例には、タエニア・サギナタ、T.ソリウム、T.タエニアエホルミス、小形条虫、縮小条虫、瓜実条虫、広節裂頭条虫、エキノコックス種、メソセストイド種、およびスピロメトラ種、が含まれる。吸虫類の非制限的例には、ケリコット肺吸虫、アラリア種、サルミンコラ住血吸虫、ヘテロビハルジア・アメリカナ、プラチノソムム・ファストスム、シストソーマ種、およびファスキオラ種、が含まれる。
本発明の化合物および少なくとも1種の他の獣医薬剤と一緒に本発明の化合物を含む組成物は、動物に有害である、または動物中に広がる、または動物の疾患の媒介生物として作用する外部寄生虫、内部寄生虫、および昆虫の駆除の点で特に価値が高い。式(1)の化合物と、追加の獣医薬剤との組み合わせで治療できる外部寄生虫、昆虫、および内部寄生虫には、本明細書で前に記載のものを含み、さらに、扁形動物門の蠕虫(例えば、吸虫、真正条虫類、および条虫類)、および線形動物門の蠕虫(例えば、線虫類)を含む。
本発明の化合物のいずれか、または適切な本発明の化合物および任意選択の少なくとも1種の追加の獣医薬剤との組み合わせは、それを動物が居住する局所環境に適用することにより、動物に直接、および/または間接的に投与できる。直接投与は、対象動物または鳥類の皮膚、毛、または羽を化合物に接触させること、または化合物を動物もしくは鳥類に摂食させることもしくは注射することを含む。
式(1)の化合物、その立体異性体、および少なくとも1種の追加の本明細書記載のような獣医薬剤との組み合わせは、卵、若虫、幼虫、幼若および成体段階を含む種々の生活環段階の昆虫および寄生虫の治療および駆除に対する価値が高い。
また、本発明は、本発明の化合物を、単独、または、少なくとも1種の追加の獣医薬剤、および任意選択の獣医学的にまたは薬理学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアと組み合わせて、良好な健康状態の動物に投与する方法に関し、この方法は、前記動物に適用して、動物により運ばれる寄生虫によるヒトへの寄生虫感染または侵入の可能性を減らすか、または除き、動物およびヒトが居住する環境を改善することを含む。
通常、下記に示す反応をアルゴンもしくは窒素の陽圧下、または乾燥管を使って、無水溶剤中、室温で行い(特に指定がない限り)、反応フラスコを密栓で取り付けて、シリンジ経由で基質と試薬の導入を行った。ガラス器具をオーブン乾燥、および/または加熱乾燥した。ガラス補強シリカゲル60F254プレコートプレートを使って分析薄層クロマトグラフィー(TLC)を行い、適切な溶媒比率(v/v)を使って溶出した。反応をTLCまたはLCMSでアッセイし、出発物質の消費により判断して反応を終了させた。TLCプレートの可視化をUV光(254nM波長)または適切なTLC可視化溶液で行い、熱で活性化した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Still et al.,J.Org.Chem.43,2923,(1978)をシリカゲル(RediSep Rf)または、BiotageもしくはISCO精製システムなどの種々のMPLCシステムを使って行った。
当業者に既知の従来の分離と精製方法、および/または技術を使って、本発明の化合物ならびに種々の関連する中間体を単離できる。このような技術は、当業者にはよく知られており、例えば、全種類のクロマトグラフィー(高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、シリカゲルなどの一般的吸着剤を使ったカラムクロマトグラフィー、および薄層クロマトグラフィー(TLC)、再結晶化、ならびに微分(すなわち、液体−液体)抽出技術、などの技術が含まれる。
以下の実施例の化合物の構造は、1種または複数種のプロトン磁気共鳴分光法、および質量分析法により確認した。400メガヘルツ(MHz)の磁場強度で作動するBruker分光計を使って水素イオン磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た。化学シフトは、テトラメチルシラン内部標準からの低磁場側シフトの百万分率(PPM、δ)で表す。大気圧化学イオン化法を用いたAgilent質量分析計を使って質量スペクトル(MS)データを得た。方法:Waters BEH C18カラム(2.1x50mm、1.7μm)による色層分析を使って、50℃でAcquity HPLCを行った。移動相をアセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)と水(5〜100%)の2成分勾配とした。
本発明の実施形態は、次の実施例により例証される。しかし、当業者なら本開示を考慮すれば、その他の変形例が分かるか、または自明であると思われるので、本発明の実施形態は、これらの実施例の具体的細部に限定されないことを理解されるべきである。
実施例
また、当業者なら、本明細書記載の式(1)の化合物および中間体は、種々の求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化、および還元反応を受け、置換基を付加するか、または既存置換基を変更できることを理解するであろう。
本明細書で提示のスキームおよび製法に従って次の中間体および実施例化合物を調製した。しかし、十分に本明細書で記載され、請求項で列挙されているように、本発明を、下記のスキームまたは調製方式の細目に限定する意図はないことを理解されたい。
フェニルアゼチジン中間体の調製
調製1a:tert−ブチル−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート;(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル)
3−ヒドロキシアゼチジン塩酸塩(75g,0.68mol)のエタノール(1300mL)中攪拌冷却(0℃)溶液に、トリエチルアミン(208g/280mL,2.05mol)を加え、続けて、Boc2O(164g,0.75mol)を加えた。生成溶液を室温で16時間攪拌した。反応混合物のGC/MS分析は、反応の完了を示した。減圧下で揮発物を除去し、残渣をEtOAc(1300mL)で希釈し、10%クエン酸(700mL),水(700mL)およびブライン(700mL)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濃縮して所望の生成物を得た(100.8g,85%収率)。1H NMR(CDCl3)δ4.6(m,1H),4.2(m,2H),3.8(m,2H),1.4(s,9H)。
調製2a:tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート;(3−オキソアゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル)
機械的撹拌機、熱電対,滴下ロートおよび窒素入口を備えた5L−三つ口フラスコに、Py−SO3(277g,1.74mol)およびDMSO(900mL)を加え、氷浴で10℃に冷却した。TEA(177g/244mL,1.74mol)を加えた。tert−ブチル−3ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート(調製1a,100.8g,0.58mol)のDMSO(500mL)中溶液を10℃で滴下ロートを使ってゆっくり添加した。反応系を室温で一晩攪拌した。反応混合物のGC/MS分析は、反応が完結したことを示した。ブライン(1L)を使って反応を停止させた。固形物を濾過し、水性成分を酢酸エチル(3x1L)で抽出した。合わせた有機成分を飽和NaHCO3(1.5L)水溶液,ブライン(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮して所望の生成物を得た(94g,95%収率)。
1H NMR(CDCl3)δ4.6(s,4H),1.4(s,9H)。
調製3a:tert−ブチル3−ヒドロキシ−3−(4−(トリメチルシリル)フェニルアゼチジン−1−カルボキシラート;(3−ヒドロキシ−3−(4−トリメチルシリル)フェニルアゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル)
機械的撹拌機、熱電対,滴下ロートおよび窒素入口を備えた2L−三つ口フラスコに、(4−ブロモフェニル)トリメチルシラン(80.4g,0.35mol),THF(600mL),Mg(8.5g),およびI2(触媒量)を加えた。全てのマグネシウムが消失するまで、懸濁液を68℃で1.5時間還流した。溶液を氷浴0℃に冷却した。その後、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(調製2a,30g,0.17mol)のTHF(200mL)中溶液を滴下ロート経由でゆっくり添加した。溶液を0℃で3時間攪拌した。LC/MSは、所望の生成物の形成を示した。0℃でブラインを使って反応を停止させた。水性層をEtOAc(2x800mL)で抽出した。合わせた有機成分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濃縮して所望の生成物を得た(47.4g,84%収率)。1H NMR(CDCl3)δ7.3(d,2H),7.2(d,2H),4.0(d,2H),3.9(d,2H),2.9(s,1H),1.2(s,9H),0.0(s,9H)。
調製4a:tert−ブチル3−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート;(3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモ)フェニルアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
酢酸(1L)およびMeOH(100mL)中のtert−ブチル3−ヒドロキシ−3−(4−(トリメチルシリル)フェニル)アゼチジン−1−カルボキシラート(調製3a,45g,0.14mol)およびKBr(25g,0.21mol)の混合物を60℃で20分間加熱した。その後、反応混合物にN−クロロスクシンイミド(22.4g,0.17mol)を加えて、60℃で2時間攪拌した。LC/MSは、反応が完了したことを示した(生成物のピークのみ)。室温に冷却後、混合物を氷水(1L)中に注ぎ込んだ。混合物をCHCl3(2x800mL)で抽出した。合わせた有機成分を3M NaOH(2x600mL),水(600mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮した。粗生成物をエーテルで洗浄し、所望の生成物を得た(35g,76%収率)。1H NMR(CDCl3)δ7.5(d,2H),7.4(d,2H),4.2(s,4H),3.4(s,1H),1.4(s,9H)。
あるいは、1−ブロモ−4−ヨード−ベンゼン(25g,88.339mmol,1eq)の無水THF(250mL)中攪拌溶液に、窒素雰囲気下、−40℃で20分間かけてi−PrMgClのTHF中溶液(THF中の2M溶液を53.12mL,106.007mmol,1.2eq)を添加することにより、3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモ)フェニルアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを調製できる。得られた反応混合物を−40℃で1.5時間攪拌した。1.5時間後、予め溶解された3−bocアゼチジノンのTHF(100mL)中溶液(18.147g,106.007mmol,1.2eq)を−40℃で40分間かけて加えた。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、飽和塩化アンモニウム(80mL)を使って反応混合物を0℃で反応停止させ、酢酸エチル(200mLx3)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、粗製標記化合物(21.4g,粗製物)を得た。粗製化合物をペンタン洗浄(4x50mL)により精製し、標記化合物をオフホワイトの固形物として得た(18.5g,不純生成物)。不純化合物をそのままで次の反応に使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.44(s,9H),3.14(s,1H),4.12−4.18(m,4H),7.35−7.39(m,2H),7.49−7.51(m,2H)。
調製5a:tert−ブチル−3−(4−ブロモフェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボキシラート;(3−フルオロ−3−(4−ブロモ)フェニルアゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル)
Tert−ブチル−3−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート(調製4a,25g,0.076mol)のCH2Cl2(500mL)中溶液を−78℃に冷却した。このスラリーに、BAST(20.2g,0.09mol)を滴下ロートを介してゆっくり添加した。反応温度を−78℃から室温へとゆっくり上昇させた。混合物を室温で一晩攪拌した。LC/MSは、反応が完了したことを示した。飽和NaHCO3水溶液(500mL)と1M NaOH(500mL)を使って反応を停止させた。水性層をCH2Cl2(2x800mL)で抽出した。合わせた有機成分をクエン酸(2x700mL)水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後濾過し、濃縮して所望の生成物を黄褐色固形物として得た(24.4g,97%収率)。1H NMR(CDCl3)δ7.5(d,2H),7.3(d,2H),4.4(m,2H),4.2(m,2H),1.4(s,9H)。
あるいは、室温で、トリエチルアミン(15.844mL,112.736mmol,2eq)をトリエチルアミン:トリヒドロフルオリド(37.09mL,225.47mmol,4eq)のDCM(150mL)中攪拌溶液に加えることにより、3−フルオロ−3−(4−ブロモ)フェニルアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを調製できる。10分後、得られた反応混合物を−78℃に冷却した。X−talFluor−E(42.732g,175.868mmol,3.12eq)を−78℃で加え、−78℃で15分間攪拌した。15分後、予め溶解された3−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(18.5g,56.368mmol,1eq)のDCM(100mL)中溶液を、−78℃で20分間かけて滴下した。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、飽和NaHCO3溶液(100mL)で反応混合物の反応を停止させ、DCM(3x200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下留去し後、黄色半固体を得て、これを40g Redisepカラムを使用してCombiflashで精製した。所望の生成物をヘキサン中4%酢酸エチルで溶出し、オフホワイト固形物を得た(13.8g,74.15%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.46(s,9H),4.15−4.22(m,2H),4.34−4.42(m,2H),7.32(d,J=8.48Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),LC−MS(m/z):330.2[M+H],HPLC純度:99.06%。
実施例1.1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン
ステップ1:3−(4−アセチルフェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
100mLのオートクレーブ容器で、3−(4−ブロモフェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(ステップ5aからの中間体;5g、15.142mmol,1eq)のエタノール(17.5mL)中溶液を、窒素ガスを使って室温で30分間、脱ガスした。TEA(3.79mL,27.256mmol,1.8eq)、ブチルビニルエーテル(BVE,3.91mL,30.282mmol,2eq)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP,0.375g,0.909mmol,0.06eq)を加え、続けて、Pd(OAc)2(0.102g,0.454mmol,0.03eq.)を室温で添加した。得られた反応混合物をオートクレーブ中、96℃で16時間加熱した。出発物質の完全消費後、反応混合物に1N HCl(5mL,pH:約2〜3)を加えて反応停止させ、室温で2時間攪拌した。2時間後、飽和NaHCO3溶液の添加により反応混合物のpHを7に調節し、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮して粗製化合物を暗褐色粘着性油として得た(6.1g、粗製物)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ったカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をn−ヘキサン中10%酢酸エチルで溶出し、生成物をオフホワイト半固体として得た(2.56g、57.66%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.46(s,9H),2.61(s,3H),4.20(dd,J1=0.88Hz,J2=10.28Hz,1H),4.24(dd,J1=0.92Hz,J2=10.36Hz,1H),4.39(dd,J1=1.28Hz,J2=10.24Hz,1H),4.44(dd,J1=1.28Hz,J2=10.20Hz,1H),7.55(dd,J1=1.48Hz,J2=8.48Hz,2H),8.00(d,J=7.96Hz,2H),LC−MS(m/z):294.1(M+H)。
ステップ2:3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルの調製
ディーンスターク装置を備えた25mL二つ口RBF中で、1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(2.56g,8.727mmol,1eq)のトルエン(18mL)および1,1,1−トリフルオロメチルベンゼン(18mL)中攪拌溶液に、3−(4−アセチルフェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.43g,10.036mmol,1.15eq)およびCs2CO3(0.284g,0.873mmol,0.1eq)を室温で加えた。得られた反応混合物を110℃で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物を室温に冷却し、tert−ブチルメチルエーテル(30mL)で希釈し、セライトベッドを通して濾過した。ろ液を減圧下濃縮して褐色粘着性油として粗製化合物を得た(4.12g,粗製物)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ったカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出し、淡黄色固形物として生成物を得た(2.2g,48.67%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),4.09−4.14(m,1H),4.17−4.22(m,1H),4.37−4.40(m,1H),4.42−4.45(m,1H),7.13(d,J=1.68Hz,2H),7.31(t,J=1.84Hz,1H),7.38(d,J=1.32Hz,1H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=8.36Hz,2H)。LC−MS(m/z):516.0(M−H)。
ステップ3:3−{4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.2g,2.315mmol,1eq)のアセトニトリル(10mL)中攪拌溶液に、ニトロメタン(1.24mL,23.152mmol,10eq)およびDBU(0.33mL,2.246mmol,0.97eq)を室温で加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物に水(25mL)を加えて反応停止させ、酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して半固体の粗製化合物を得た(1.37g,粗製)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ったカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルで溶出して淡黄色粘着性液体として生成物を得た(1.09g,81.34%)。LC−MS(m/z):576.8(M−H)。
ステップ4:3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.09g,1.881mmol,1eq)のエタノール(12mL)中溶液を窒素ガスで30分間パージした。この反応混合物に、ラネーニッケル(水中50%懸濁液,0.24g)を加えた。得られた反応混合物を水素バルーン雰囲気下、室温で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、セライトベッドを通して反応混合物を濾過し、DCM(30mL)中10%MeOHで洗浄した。ろ液を濃縮してオフホワイト固形物を得た(1.06g,粗製物)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ってカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をn−ヘキサン中の7.5%酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固形物として生成物を得た(0.27g,27%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),3.45(d,J=17.4Hz,1H),3.79(d,J=18.84Hz,1H),4.20−4.27(m,2H),4.38−4.46(m,3H),4.89(d,J=17.08Hz,1H),7.25−7.27(m,2H),7.36−7.37(m,1H),7.54(d,J=8.28Hz,2H),7.89(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):531.1(M+H)。
ステップ5:3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩の調製
3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.27g,0.508mmol)のMeOH(13mL)中攪拌溶液をHClガスを使って0℃で30分間パージした。出発物質の消費後、反応混合物を減圧下濃縮し、クロロホルム(3x15mL)を使ってストリッピングを行い、オフホワイト固形物として生成物を得た(0.23g,粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使った。LC−MS(m/z):430.8(M+H)。
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例1)
3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩(230mg,0.492mmol,1eq)のDMF(5mL)攪拌溶液に、TEA(0.342mL,2.458mmol,5eq)、メタンスルホン酢酸(0.135g,0.983mmol,2eq)、HOBt(0.066g,0.492mmol,1eq)およびEDC.HCl(0.141g,0.737mmol,1.5eq)を室温で添加した。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物に水(10mL)を加えて反応停止させ、酢酸エチル(3x15mL)で抽出した。合わせた有機層をLiCl溶液(2x40mL)およびブライン(2x50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して褐色半固体を得た(0.329g,粗製物)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ってカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をDCM中1.2%メタノールで溶出し、白色固形物として生成物を得た(120mg,44.27%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.17(s,3H),3.45(d,J=17.56Hz,1H),3.79(d,J=17.48Hz,1H),3.87(s,2H),4.40−4.47(m,2H),4.51−4.59(m,1H),4.79(d,J=19.72Hz,2H),4.91(dd,J1=1.44Hz,J2=17.08Hz,1H),7.25−7.26(m,2H),7.37(t,J=1.76Hz,1H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.92(d,J=8.12Hz,2H)。LC−MS(m/z):550.8(M+H)。HPLC純度:99.10%。
実施例2.1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使ったことを除いて、実施例1と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:0.155g(28.92%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15(t,J=5.86Hz,6H),2.47−2.54(m,1H),3.45(d,J=17.52Hz,1H),3.81(d,J=17.56Hz,1H),4.34−4.51(m,4H),4.58−4.66(m,1H),4.89(d,J=16.96Hz,1H),7.25−7.26(m,2H),7.37(s,1H),7.53(d,J=8.28Hz,2H),7.91(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):500.8(M+H)。HPLC純度:98.85%。
実施例3.3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(4−{3−フルオロ−1−[(メチルスルホニル)アセチル]アゼチジン−3−イル}フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール
ステップ1:3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに1−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:4.1g(64.06%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),4.16(d,J=10.32Hz,1H),4.21(d,J=10.44Hz,1H),4.39(d,J=10.52Hz,1H),4.45(d,J=10.32Hz,1H),7.23(d,J=6.08Hz,2H),7.40(d,J=1.08Hz,1H),7.58(d,J=8.4Hz,2H),7.88(d,J=8.28Hz,2H).LC−MS(m/z):535.9(M+H).
ステップ2:3−{4−[3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:3.9g(82.98%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.48(s,9H),3.96(d,J=18.72Hz,1H),4.16(d,J=18.88Hz,1H),4.21−4.26(m,2H),4.40−4.42(m,1H),4.45−4.48(m,1H),5.43(d,J=12.32Hz,1H),5.57(d,J=12.32Hz,1H),7.26(d,J=5.76Hz,2H),7.63(d,J=8.48Hz,2H),8.01(d,J=8.32Hz,2H)。LC−MS(m/z):595.2(M−H)。
ステップ3:3−{4−[4−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:1.2g(33.43%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),3.44(d,J=17.2Hz,1H),3.79(dd,J1=1.6Hz,J2=17.32Hz,1H),4.19−4.27(m,2H),4.38−4.46(m,3H),4.88(dd,J1=1.52Hz,J2=16.96Hz,1H),7.33(d,J=5.96Hz,2H),7.54(d,J=8.32Hz,2H),7.89(d,J=8.12Hz,2H)。LC−MS(m/z):548.9(M+H)。
ステップ4:3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩の調製
3−{4−[4−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:1.05g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:3.84(d,J=18.24Hz,2H),4.46−4.64(m,5H),4.85(d,J=17.4Hz,1H),7.75−7.79(m,4H),8.05(d,J=8.12Hz,2H),9.63(bs,1H),9.93(bs,1H)。LC−MS(m/z):448.8(M+H)。
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(4−{3−フルオロ−1−[(メチルスルホニル)アセチル]アゼチジン−3−イル}フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロールの調製(実施例3)
3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩の代わりに3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩を使ったことを除いて、実施例1と同様の製法でこの化合物を調製した。収量:140mg(36.19%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.17(s,3H),3.43(d,J=17.44Hz,1H),3.79(d,J=17.36Hz,1H),3.87(s,2H),4.39−4.60(m,3H),4.79(d,J=19.84Hz,2H),4.86−4.90(m,1H),7.32(d,J=5.96Hz,2H),7.56(d,J=8.32Hz,2H),7.91(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):569.0(M+H)。HPLC重度:99.15%。
実施例4.3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使ったことを除いて、実施例3と同様の製法でこの化合物を調製した。収量:0.240g(44.9%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.02(t,J=7.16Hz,6H),2.53−2.57(m,1H),3.75(d,J=18.16Hz,1H),3.87(d,J=18.01Hz,1H),4.27−4.34(m,2H),4.44(d,J=17.32Hz,1H),4.63−4.70(m,2H),4.82(d,J=17.4Hz,1H),7.64(d,J=8.24Hz,2H),7.78(d,J=6.2Hz,2H),7.98(d,J=8.08Hz,2H)。LC−MS(m/z):519.2(M+H)。HPLC純度:96.54%。
実施例5.1−(3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン
ステップ1:3−フルオロ−3−{4−[(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4,5−トリクロロフェニル)エタノンを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:4.5g(68.18%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),4.16(d,J=10.4Hz,1H),4.21(d,J=10.32Hz,1H),4.39(d,J=10.68Hz,1H),4.44(d,J=9.92Hz,1H),7.28(s,2H),7.42(d,J=1.12Hz,1H),7.56−7.58(m,2H),7.87(d,J=8.24Hz,2H)。LC−MS(m/z):550.1(M−H)。
ステップ2:3−フルオロ−3−{4−[4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチル−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブチリル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[(Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−フルオロ−3−{4−[(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:3.26g(65.07%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.48(s,9H),3.95(d,J=18.72Hz,1H),4.16(d,J=18.88Hz,1H),4.21−4.26(m,2H),4.40−4.48(m,2H),5.43(d,J=12.32Hz,1H),5.57(d,J=12.36Hz,1H),7.32(s,2H),7.63(d,J=8.44Hz,2H),8.01(d,J=8.2Hz,2H)。LC−MS(m/z):613.0(M−H)。
ステップ3:3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−{4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ニトロメチルブチリル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:0.97g(32.44%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),3.43(d,J=17.44Hz,1H),3.79(dd,J1=1.68Hz,J2=17.4Hz,1H),4.19−4.27(m,2H),4.37−4.46(m,3H),4.87(dd,J1=1.44Hz,J2=17.04Hz,1H),7.39(s,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=8.24Hz,2H)。LC−MS(m/z):566.9(M+H)。
ステップ4:5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩の調製
3−{4−[4−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使ったことを除いて、実施例1の中間体と類似の製法を使ってこの化合物を調製した。収量:0.91g(粗製物)。粗製物をそのまま次の反応に使用した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:3.94(d,J=19.04Hz,1H),4.45−4.61(m,6H),4.85(d,J=17.28Hz,1H),7.74(d,J=8.2Hz,2H),7.82(s,2H),8.04(d,J=8.16Hz,2H),9.51(bs,1H),9.86(bs,1H)。LC−MS(m/z):464.9(M+H)。
1−(3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例5)
3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩の代わりに5−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール塩酸塩を使ったことを除いて、実施例1と同様の製法でこの化合物を調製した。収量:194mg(36.15%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:3.13(s,3H),3.75(d,J=18.2Hz,1H),3.89(d,J=18.2Hz,1H),4.27(s,2H),4.39−4.46(m,3H),4.74−4.85(m,3H),7.65(d,J=8.28Hz,2H),7.81(s,2H),7.99(d,J=8.08Hz,2H)。LC−MS(m/z):584.8(M+H)。HPLC純度:95.07%。
実施例6.5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使ったことを除いて、実施例5と同様の製法でこの化合物を調製した。収量:0.184g(37.49%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.02(t,J=7.16Hz,6H),2.49−2.57(m,1H),3.75(d,J=18.16Hz,1H),3.88(d,J=18.24Hz,1H),4.27−4.34(m,2H),4.44(d,J=17.04Hz,1H),4.63−4.70(m,2H),4.83(d,J=17.4Hz,1H),7.64(d,J=8.24Hz,2H),7.81(s,2H),7.98(d,J=8.08Hz,2H)。LC−MS(m/z):534.9(M+H)。HPLC純度:95.15%。
実施例7.1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン
ステップ1:3−フルオロ−3−(4−ホルミルフェニル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−(4−ブロモフェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5g,15.14mmol,1eq)の無水THF(60mL)中攪拌溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でn−BuLi(16.6mL,18.17mmol,1.2eq)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、−78℃で10分間攪拌した。−78℃で、DMF(1.748mL,22.71mmol,1.5eq)を10分間かけて滴下した。得られた反応混合物を−20℃に暖め、−20℃で3時間攪拌した。出発物質の完全消費後、10%NH4Cl溶液(10mL)を加え、続けて、水(100mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(3x40mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥後、減圧下濃縮し、淡黄色濃厚油として標記化合物を得た(4.5g,粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):279.3(M+H)。
ステップ2:3−フルオロ−3−[4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル]アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−フルオロ−3−(4−ホルミルフェニル)−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.5g,16.11mmol,1eq)のメタノール(50mL)および水(40mL)混合物中攪拌溶液に、室温でヒドロキシルアミン塩酸塩(1.66g,24.17mmol,1.5eq)を加え、続けて、酢酸ナトリウム(2.37g,29.0mmol,1.8eq)を加えた。得られた反応混合物を室温で24時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物を減圧下濃縮し、黄色残渣を得て、これを水(120mL)で希釈し、酢酸エチル(3x80mL)抽出した。合わせた有機相をブライン溶液(70mL)で洗浄後、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して黄色半固体を得た(2.3g,粗製物)。粗製物を40g Redisepカラムを使ったCombiflashで精製した。所望の化合物をヘキサン中19%酢酸エチルで溶出し、黄色半固体として標記化合物を得た(1.0g,21.1%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),4.20−4.27(m,2H),4.36−4.44(m,2H),7.47(d,J=8.28Hz,2H),7.64(d,J=8.2Hz,2H),8.13(s,1H)。LC−MS(m/z):293.1(M−H)。
ステップ3:3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロ−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
3−フルオロ−3−[4−(ヒドロキシイミノ−メチル)フェニル]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.5g,1.7mmol,1eq)のDMF(6.5mL)中攪拌溶液に、N−クロロスクシンイミド(0.227g,1.7mmol,1eq)を加えた。反応混合物を55℃で1時間攪拌した。1時間後(クロロ中間体形成),室温で、1−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(0.45g,1.73mmol,1.02eq)を加え、続けて、炭酸水素ナトリウム(0.146g,1.74mmol,1.02eq)を加えた。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、55℃で3時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物に水(10mL)を加えて反応停止させ、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン溶液(20mL)で洗浄後、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、褐色濃厚油を得た(0.6g,粗製物)。粗製物を40g Redisepカラムを使ってCombiflashで精製した。所望の化合物をヘキサン中25%酢酸エチルで溶出し、無色濃厚油の標記化合物を得た(0.37g,39.32%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1,47(s,9H),4.16−4.24(m,2H),4.38−4.47(m,2H),7.59(d,J=8.44Hz,2H),7.66(d,J=5.88Hz,2H),7.89(d,J=8.2Hz,2H),LC−MS(m/z):イオン化不能。
ステップ4:5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩の調製
3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.37g,0.67mmol,1eq)のDCM(7mL)中攪拌溶液に、0℃で15分間かけてトリフルオロ酢酸(1.54mL,20.06mmol,30eq)を滴下した。得られた反応混合物を室温で1時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物を減圧下濃縮して褐色濃厚油を得た。褐色濃厚油をクロロホルム(3x20mL)を使ってストリッピングを行い、減圧下で微量のトリフルオロ酢酸を除去して、褐色濃厚油として標記化合物を得た(0.35g,粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):453.0(M+H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例7)
5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール(0.35g,0.77mmol,1eq)のトリフルオロ酢酸塩のDMF(5mL)中攪拌溶液に、室温で、トリエチルアミン(0.867mL,6.178mmol,8eq)を加え、続けて、EDC.HCl(0.22g,1.15mmol,1.5eq)、HOBt(0.104g,0.77mmol,1eq)およびメタンスルホニル酢酸(0.213g,1.54mmol,2eq)を加えた。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で18時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物に水(50mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和LiCl溶液(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥後、減圧下濃縮して褐色濃厚油を得た(0.51g,粗製物)。粗製物を40g Redisepカラムを使ったcombiflashで精製した。所望の化合物をヘキサン中47%酢酸エチルで溶出し、オフホワイト固形物として標記化合物を得た(0.225g,50.82%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.17(s,3H),3.87(s,2H),4.37−4.45(m,1H),4.52−4.60(m,1H),4.80(d,J=19.64Hz,2H),7.61−7.65(m,4H),7.91(d,J=8.24Hz,2H),LC−MS(m/z):571.0(M−H),HPLC純度:93.59%。
実施例8.1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使用したことを除いて、実施例7と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.292g(48.77%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15(d,J=6.8Hz,6H),2.46−2.53(m,1H),4.38−4.60(m,4H),7.57(d,J=8.36Hz,2H),7.65(d,J=5.96Hz,2H),7.9(d,J=8.16Hz,2H),LC−MS(m/z):522.9(M+H),HPLC純度:95.27%。
実施例9.1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン
ステップ1:3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンを使用したことを除いて、実施例7の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.5g(58.82%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(s,9H),4.17−4.24(m,2H),4.38−4.47(m,2H),7.51(t,J=1.84Hz,1H),7.57−7.60(m,4H),7.88−7.91(m,2H)。LC−MS(m/z):イオン化不能。
ステップ2:5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩の調製
3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例7の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.6g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):434.8(M+H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例9)
5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩の代わりに5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩を使用したことを除いて、実施例7と同様にしてこの化合物を調製した。収量:0.270g(26.47%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.17(s,3H),3.87(s,2H),4.37−4.45(m,1H),4.52−4.60(m,1H),4.80(d,J=19.64Hz,2H),7.51(t,J=1.84Hz,1H),7.56(d,J=1.68Hz,2H),7.62(d,J=8.48Hz,2H),7.92(d,J=8.2Hz,2H)。LC−MS(m/z):553.1(M−H)。HPLC純度:99.03%。
実施例10.1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使用したことを除いて、実施例9と同様にしてこの化合物を調製した。収量:0.410g(44.09%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.14−1.17(m,6H),2.46−2.53(m,1H),4.31−4.52(m,3H),4.59−4.67(m,1H),7.51(t,J=1.84Hz,1H),7.56−7.58(m,4H),7.91(d,J=8.12Hz,2H)。LC−MS(m/z):505.2(M+H)。HPLC純度:99.54%。
実施例11.1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン
ステップ1:3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4,5−トリクロロフェニル)−エタノンを使用したことを除いて、実施例7の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:2.3g(79.31%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.46(s,9H),4.16−4.24(m,2H),4.38−4.46(m,2H),7.58(d,J=8.4Hz,2H),7.71(d,J=6.96Hz,2H),7.88(d,J=8.24Hz,2H),LC−MS(m/z):低イオン化。
ステップ2:3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩の調製
3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例7の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:2.3g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):469.2(M+H)。
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例11)
5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩の代わりに3−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾールのトリフルオロ酢酸塩を使用したことを除いて、実施例7と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.6g(41.67%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.17(s,3H),3.88(s,2H),4.37−4.44(m,1H),4.51−4.60(m,1H),4.79(d,J=19.64Hz,2H),7.62(d,J=8.48Hz,2H),7.69(s,2H),7.91(d,J=8.2Hz,2H)。LC−MS(m/z):586.9(M−H),HPLC純度:98.12%。
実施例12.1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使用したことを除いて、実施例11と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.476g(36.06%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15−1.18(m,6H),2.46−2.53(m,1H),4.31−4.52(m,3H),4.59−4.67(m,1H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.70(s,2H),7.90(d,J=8.12Hz,2H)。LC−MS(m/z):539.1(M+H),HPLC純度:98.87%。
実施例13.1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの塩酸塩
ステップ1:(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の調製
3−フルオロ−3−{4−[(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.9g,3.437mmol,1eq)に、0℃でメタノール性HCl(20mL)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物を減圧下濃縮して黄色粘着性塊を得た。黄色粘着性塊をクロロホルム(20mL)に溶解し、濃縮した。この手順を2回繰り返し、淡黄色固形物を得た(1.46g,94.87%)。LC−MS(m/z):451.9(M+H)。
ステップ2:(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−ブタ−2−エン−1(1.4g,2.863mmol,1eq)の塩酸塩のDMF(15mL)中攪拌溶液に、室温で、Et3N(1.991mL,14.315mmol,5eq)を加え、続けて、イソ酪酸(0.545mL,5.726mmol.2eq)、HOBt(0.387g,2.863mmol,1eq)およびEDC.HCl(0.82g,4.294mmol,1.5eq)を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物に水(30mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(3x15mL)で抽出した。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(2x25mL)、LiCl水溶液(2x25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、褐色半固体を得た(粗製物)。シリカゲル(100〜200メッシュ)を使ったカラムクロマトグラフィーで粗製物を精製した。化合物をn−ヘキサン中30%酢酸エチルで溶出し、黄色粘着性固形物を得た(0.5g,33.33%)。1H NMR(400MHz,CDCl3,E/Z異性体の混合物)δ:1.15(d,J=5.16Hz,6H),2.46−2.53(m,1H),4.29−4.51(m,3H),4.58−4.66(m,1H),7.28(s,2H),7.41(d,J=1.32Hz,1H),7.54−7.57(m,2H),7.88(d,J=8.32Hz,2H),LC−MS(m/z):523.7(M+H)。
ステップ3:1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オン(500mg,0.956mmol,1eq)のエタノール(5mL)中攪拌溶液に、ヒドラジン水和物(0.056mL,1.148mmol,1.2eq)を加えた。得られた反応混合物を3時間還流した。出発物質の消費後、反応混合物を濃縮し、粗製化合物を得て、これを酢酸エチル(20mL)で希釈し、有機層を水(2x10mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、留去して黄色固形物として標記化合物を得た(500mg,粗製物)。粗製化合物をそのまま次のステップに使用した。LC−MS(m/z):536.0(M−H)。
ステップ4:3−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(260mg,0.484mmol,1eq)のDCM(3mL)中攪拌溶液に、Et3N(0.148mL,1.066mmol,2.2eq)を加え、続けて、DMAP(29.58mg,0.242mmol,0.5eq),Boc.無水物(0.222mL,0.969mmol,2eq)を添加した。得られた反応混合物を窒素雰囲気下、室温で12時間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2x20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、留去して黄色固形物を得た(粗製物)。粗製化合物を、カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)で精製した。標記化合物をヘキサン中25%酢酸エチルで溶出した(0.250g,81.04%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.13−1.17(m,6H),1.31(bs,9H),2.46−2.53(m,1H),3.55(d,J=17.56Hz,1H),4.05(d,J=18.36Hz,1H),4.31−4.50(m,3H),4.50−4.63(m,1H),7.40(s,2H),7.49(d,J=8.44Hz,2H),7.78(d,J=8.2Hz,2H),LC−MS(m/z):636.2(M−H)。
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの塩酸塩の調製(実施例13)
3−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(250mg,0.364mmol,1eq)のジオキサン(1mL)中攪拌溶液を、0℃でHClガスを使って30分間パージし、室温で30分間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物を減圧下濃縮してオレンジ色の半固体を得た(150mg,粗製物)。粗製物をクロロホルム:ヘキサン(0.5mL:4mL)を使ってトリチュレートしてオフホワイト固形物の標記化合物を得た(0.11g,56.31%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.16(t,J=6.24Hz,6H),2.51(bs,1H),3.38(d,J=17.16Hz,1H),3.88(d,J=17.16Hz,1H),4.42−4.61(m,4H),6.44(s,1H),7.47(d,J=8.12Hz,2H),7.56(s,2H),7.69(d,J=8.0Hz,2H)。LC−MS(m/z):536.1(M+H)。HPLC純度:96.38%。
実施例14.1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの塩酸塩
ステップ1:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の調製
3−フルオロ−3−{4−[(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例13の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:4.0g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。
ステップ2:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩を使用したことを除いて、実施例13の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.4g(60.34%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15−1.18(m,6H),2.46−2.52(m,1H),4.32−4.48(m,3H),4.58−4.64(m,1H),7.22(d,J=12Hz,2H),7.40(d,J=1.16Hz,1H),7.56(d,J=8.44Hz,2H),7.88(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):503.9(M−H)。
ステップ3:1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンを使用したことを除いて、実施例13の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.4g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15(t,J=6.88Hz,6H),2.46−2.51(m,1H),3.38(d,J=17.04Hz,1H),3.88(d,J=17.16Hz,1H),4.35−4.46(m,3H),4.56−4.62(m,1H),6.42(s,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.50(d,J=6.04Hz,2H),7.69(d,J=8.12Hz,2H),LC−MS(m/z):518.2(M−H)。
ステップ4:5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの代わりに1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンを使用したことを除いて、実施例13の中間体と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.4g(83.83%)。LC−MS(m/z):618.3(M−H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの塩酸塩の調製(実施例14)
3−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−3−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例13と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.700g(59.83%)。1H NMR(400MHz,DMSO)δ:0.99−1.03(m,6H),2.52−2.57(m,1H),3.76−3.88(m,2H),4.22−4.34(m,2H),4.58−4.69(m,2H),7.55(d,J=8.32Hz,2H),7.71(d,J=8.12Hz,2H),7.85(d,J=6.24Hz,2H),8.93(s,1H).LC−MS(m/z):518.0(M−H)。HPLC純度:97.80%。
実施例15.1−(3−フルオロ−3−(4−(5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)アゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン
ステップ1:3−(4−アセチル−フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
上述の実施例1のステップ1のようにしてこの中間体を調製した。
ステップ2:3−フルオロ−3−{4−[(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
ディーンスターク装置を備えた100mL二つ口RBF中で、3−(4−アセチル−フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.5g,5.119mmol,1eq)のトルエン(10mL)およびトリフルオロメチルベンゼン(10mL)中攪拌溶液に、室温で、1−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(1.562g,5.631mmol,1.1eq)およびCs2CO3(0.166g,0.512mmol,0.1eq)を加えた。得られた反応混合物を140℃で16時間攪拌した。出発物質の完全消費後、反応混合物を室温に冷却し、tert−ブチルメチルエーテル(50mL)で希釈し、セライトベッドを通して濾過した。ろ液を減圧下濃縮して褐色粘着性油の粗製化合物を得た(3g,粗製物)。粗製化合物を230〜400メッシュのシリカゲルを使ったカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をn−ヘキサン中7%酢酸エチルで溶出し、淡黄色固形物として標記化合物を得た(2.4g,84.81%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:1.47(s,9H),4.15−4.22(m,2H),4.37−4.46(m,2H),7.28(s,2H),7.41(d,J=1.36Hz,1H),7.56−7.58(m,2H),7.87(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):551.7(M−H)。
ステップ3:(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の調製
3−フルオロ−3−{4−[(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.4g,4.633mmol,1eq)のメタノール性HCl(25mL)中攪拌溶液に、0℃で。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をTLCでモニターした。出発物質の消費後、反応混合物を濃縮し、黄色粘着性塊を得て、これをクロロホルム(50mL)に再溶解し、クロロホルムを除去した。この手続きを2回繰り返し、淡黄色固形物として標記化合物を得た(2.4g,粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):453.9(M+H)。
ステップ4:(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニル−アセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オン(2.4g,5.302mmol,1eq)の塩酸塩のDMF(25mL)中攪拌溶液に、室温で、Et3N(3.688mL,26.509mmol,5eq)を加え、続けて、メタンスルホニル酢酸(1.463g,10.604mmol,2eq)、HOBt(0.716g,5.302mmol,1eq)およびEDC.HCl(1.29g,7.953mmol,1.5eq)を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質の消費後、反応混合物に水(30mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(3x25mL)で抽出した。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(2x25mL),LiCl溶液水溶液(2x25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮して褐色粘着性油を得た(粗製物)。精製を40g Redisepカラムを使ってCombiflashクロマトグラフィーで行った。化合物をn−ヘキサン中40%酢酸エチルで溶出し、褐色粘着性油として標記化合物を得た(0.720g,23.68%)。LC−MS(m/z):569.9(M−H)。
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例15)
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オン(0.5g,0.874mmol,1eq)のエタノール(5mL)中攪拌溶液に、ヒドラジン(1.0M THF中溶液,1.31mL,1.311mmol,1.5eq)を加えた。得られた反応混合物を窒素雰囲気下で2時間還流した。出発物質の消費後、反応混合物を濃縮し、粗製化合物を得て、これを酢酸エチル(1mL)に溶解し、100〜200メッシュシリカに吸着させた。粗製化合物を40g Redisepカラムを使ったCombiflashクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物をヘキサン中の55%酢酸エチルで溶出し、オフホワイト固形物として標記化合物を得た(0.170g,33.14%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d:3.12(s,3H),3.77−3.90(m,2H),4.26(s,2H),4.36−4.42(m,2H),4.75(d,J=21.52Hz,2H),7.55(d,J=8.24Hz,2H),7.72(d,J=8.04Hz,2H),7.89(s,2H),8.96(s,1H),LC−MS(m/z):585.8(M−H)。HPLC純度:93.27%。
実施例16.1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン
ステップ1:3−{4−[(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンを使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:3.6g(67.92%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:1.47(s,9H),4.14−4.22(m,2H),4.37−4.45(m,2H),7.14(d,J=1.68Hz,2H),7.31(t,J=2.82Hz,1H),7.36−7.39(m,1H),7.56(d,J=14.72Hz,2H),7.86(d,J=1.36Hz,2H),LC−MS(m/z):516.1(M−H)。
ステップ2:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の調製
3−フルオロ−3−{4−[(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:3.6g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):417.7(M+H)。
ステップ3:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−ブタ−2−エン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩を使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1g(43.1%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:3.17(s,3H),3.88(s,2H),4.32−4.44(m,1H),4.47−4.59(m,1H),4.73−4.86(m,2H),7.14(d,J=1.56Hz,1H),7.32(t,J=2.7Hz,1H),7.38(d,J=1.2Hz,1H),7.59(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=8.32Hz,2H),LC−MS(m/z):535.8(M−H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例16)
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩を使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.150g(60.87%)。1H NMR(400MHz,DMSO)d:3.12(s,3H),3.74−3.90(m,2H),4.26(s,2H),4.33−4.42(m,2H),4.74(d,J=21.52Hz,2H),7.55(d,J=8.24Hz,1H),7.67(d,J=1.52Hz,1H),7.71−7.74(m,3H),8.95(s,1H),LC−MS(m/z):549.7(M−H),HPLC純度:98.71%。
実施例17.1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン
ステップ1:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの調製
メタンスルホニル酢酸の代わりにイソ酪酸を使用したことを除いて、実施例16と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1.0g(47.62%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:1.15−1.19(m,6H),2.46−2.52(m,1H),4.27−4.45(m,3H),4.46−4.58(m,1H),7.14(d,J=1.56Hz,2H),7.30−7.32(m,1H),7.38(d,J=1.12Hz,1H),7.55(d,J=8.4Hz,2H),7.88(d,J=8.48Hz,2H),LC−MS(m/z):485.7(M−H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの調製(実施例17)
(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−ブタ−2−エン−1−オンの代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンを使用したことを除いて、実施例16と同様にしてこの化合物を調製した。収量:0.290g(70.43%)。1H NMR(400MHz,DMSO)d:0.99−1.03(m,6H),2.52−2.56(m,1H),3.75(d,J=17.84Hz,1H),3.87(d,J=17.8Hz,1H),4.74(d,J=21.52Hz,2H),4.25−4.31(m,2H),4.61−4.67(m,2H),7.55(d,J=8.16Hz,2H),7.67(d,J=1.6Hz,2H),7.71−7.73(m,3H),8.94(s,1H),LC−MS(m/z):499.8(M−H),HPLC純度:98.98%。
実施例18.1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン
ステップ1:3−{4−[(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
1−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの代わりに1−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンを使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:3.2g(87.43%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:1.46(s,9H),4.15−4.25(m,2H),4.37−4.48(m,2H),7.23(d,J=6.12Hz,2H),7.40(d,J=1.36Hz,1H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.87(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):533.9(M−H)。
ステップ2:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の調製
3−フルオロ−3−{4−[(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エノイル]フェニル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに3−{4−[(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブタ−2−エノイル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:3.2g(粗製物)。粗製化合物をそのまま次の反応に使用した。LC−MS(m/z):435.6(M+H)。
ステップ3:(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−ブタ−2−エン−1−オンの調製
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩の代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−[4−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)フェニル]−ブタ−2−エン−1−オンの塩酸塩を使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:1g(31.35%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d:3.17(s,3H),3.87(s,2H),4.35−4.43(m,1H),4.51−4.59(m,1H),4.75−4.83(m,2H),7.23(d,J=6.08Hz,2H),7.40(d,J=1.36Hz,1H),7.61(d,J=8.48Hz,2H),7.90(d,J=8.16Hz,2H)。LC−MS(m/z):553.8(M−H)。
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノンの調製(実施例18)
(E/Z)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−3−(3,4,5−トリクロロフェニル)ブタ−2−エン−1−オンの代わりに(E/Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−{4−[3−フルオロ−1−(2−メタンスルホニルアセチル)−アゼチジン−3−イル]フェニル}−ブタ−2−エン−1−オンを使用したことを除いて、実施例15と同様の製法によりこの化合物を調製した。収量:0.090g(39.81%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d:3.12(s,3H),3.81−3.84(m,2H),4.26(s,2H),4.39(d,J=21.4Hz,2H),4.74(d,J=21.72Hz,2H),7.55(d,J=6.88Hz,2H),7.71(d,J=7.12Hz,2H),7.85(bs,2H),8.94(s,1H)。LC−MS(m/z):569.8(M+H)。HPLC純度:97.69%。
前に調製の実施例に加えて、表1(A1〜A139)、表2(B1〜B139)、および表3(C1〜C139)に記載の追加の実施例は、全て、本明細書に示したスキームおよび製法に従って、下記に示す式(2d1)、(2e1)、(2f1)、(3d1)、(3e1)、(3f1)、(4d1)、(4e1)、(4f1)、(5d1)、(5e1)、(5f1)、(6d1)、(6e1)、および(6f1)のそれぞれから調製できる。例えば、式(2d1)、表1、実施例A1の化合物は、化合物1−(3−フルオロ−3−(4−(3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)フェニル)アゼチジン−1−イル)エタノンであり;同様に、式(5e1)、表1、実施例A62の化合物は、化合物2−シクロプロピル−1−(3−(5−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,4,2−ジオキサゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)エタノンであり、同様に、式(2d1)、表1、実施例A99の化合物は、化合物1−(3−(4−(3−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノンであり、同様に、(5e1)、表2、実施例B33の化合物は、化合物2−シクロプロピル−1−(3−(5−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1,4,2−ジオキサゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エタノンであり、同様に、式(2f1)、表2、実施例B96の化合物は、化合物1−(3−(4−(3−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)ナフタレン−1−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−メトキシエタノンであり、同様に、式(2e1)、表3、実施例C41の化合物は、化合物3−(5−(3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)ピリジン−2−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロパノイル)アゼチジン−3−カルボニトリルであり、同様に、式(2d1)、表3、実施例C123の化合物は、化合物3−(4−(3−(3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)フェニル)−1−(2−(メチルチオ)アセチル)アゼチジン−3−カルボニトリルであり、等々。
さらに、R8置換基を含む式6d1〜6f1の化合物は、本明細書で定義のようにR8で置換され、さらに、具体的には、R8は、水素、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、またはシアノであることも意図されている。例えば、R8がHである式(6e1)、表2、実施例B90の化合物は、化合物1−(3−(5−(5−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−シクロプロピルエタノンであり;同様に、R8がメチルである式(6f1)、表2、実施例B79の化合物は、化合物1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)ナフタレン−1−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−(チエタン−3−イル)エタノンであり、等々。
生物学的アッセイ
下記の試験方法を使って、ノミ、マダニ、ハエ、および/またはフナムシに対する本発明の化合物の生物活性を試験できる。
ノサシバエ(ヘマトビア・イリタンス)給餌アッセイ
式(1)の化合物をDMSOに溶解し、一定分量を膜でカバーされたペトリ皿中のクエン酸塩加ウシ血液中に加える。約10匹のノサシバエを各ペトリ皿上に置き、カバーする。ハエに、処理血液細胞を餌にさせる。ハエを約80°Fで最低でも約50%相対湿度に維持する。約2および24時間にハエが受けた打撃およびハエの死亡率を検査する。致死用量90%(LD90)をエンドポイントデータとしてμg/mLで記録する。
サシバエ(ストモキス・カルシトラン)局所的アッセイ
式(1)の化合物をアセトンに溶解し、1μLの溶液を麻酔下のハエ(n=10)の胸郭上に置く。ハエを覚醒させ、室温で24時間インキュベートした 。2および24時間にハエが受けた打撃およびハエの死亡率を検査する。致死用量90%(LD90)をエンドポイントデータとしてμg/ハエの単位で記録する。
ネコノミ(テノセファリデス・フェリス)膜給餌アッセイ−成体
式(1)の化合物をDMSOに溶解し、一定分量を37℃に予め暖めた膜でカバーされたペトリ皿中のクエン酸塩加ウシ血液中に加えた。約30〜35匹の成体ノミを含む給餌チューブをペトリ皿上に置いた。ノミに約2時間給餌した。約2および24時間でのノミの受けた打撃および/または死亡を観察した。致死用量80%(LD80)をエンドポイントデータとしてμg/mLで記録する。このアッセイでは、実施例2および5が、それぞれ、0.3および1μg/mLのLD80であった。実施例3および6は、3μg/mLの(LD80)であった。さらに、24時間の時点の最小有効濃度(MEC)(μM)に基づいて10匹のノミ検体の結果を評価できる。このアッセイでは、実施例2、3、4、および5が、1μMのMECであった。実施例1は、3μMのMECであり、実施例8、14〜16、および18は、30μMのMECであった。
ヒメダニ(オルニチドルス・ツリカタ)血液給餌アッセイ
式(1)の化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、一定分量を膜でカバーされたペトリ皿中のクエン酸塩加ウシ血液に添加した。ペトリ皿を加温トレー上に置いた。約5匹の若虫期マダニを膜上に置き、膜でペトリ皿を覆って、給餌させた。給餌マダニを取りだし、砂の入ったペトリ皿に置く。約24、48および72時間に、給餌マダニの麻痺および/または死亡を観察する。致死用量100%(LD100)をエンドポイントデータとしてμg/mLで記録する。このアッセイでは、実施例6および実施例14は、<0.03μg/mL未満のLD100であり;実施例2〜4は、0.1μg/mLのLD100であり;実施例1および5は、0.3μg/mLのLD100であり;および実施例8、10、12、15、16、および18は、0.3μg/mL超のLD100であった。
カイアシ類(レペオフテイルス・サルモニス(サケジラミ))バイオアッセイ
式(1)の化合物を海水に溶解する。10匹の幼若成虫/成体サケジラミを24時間暴露する。シラミの運動性をモニターし、動けなくなった時点の有効濃度100%(EC100)をエンドポイントデータとして記録する。
以下に、出願時の特許請求の範囲を記載する。
[請求項1]
式(1)
の化合物であって、式中
Aは、フェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、そ
れぞれN、OおよびSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、
Bは、
であり、式中、
は、結合点を表し、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シア
ノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C
0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルコキシ、−C(O)N
H2、−SF5、または−S(O)pRであり、
R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ニトロ、ヒド
ロキシル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、−S
(O)pR、または−ORであり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロア
ルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、ニトロ、−
SC(O)R、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRb
R4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、−OR、または−S(O)
pRであり、
R4は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、
−C(O)R5、−C(S)R5、−C(O)NRaR5、−C(O)C(O)NRaR
5、−S(O)pRc、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、−C(NR7)
NRaR5、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、または
C0−C6アルキルヘテロ環であり、
R5は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C0−C6アルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリー
ル、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、
R6は、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−C(O)NRaR
b、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルケニル、または
C2−C6ハロアルキニルであり、
R7は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、−S(O)pR
c、またはC1−C6アルコキシであり、
R8は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、−S(O)pRc、また
はC1−C6アルコキシであり、
Rは、C1−C6アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり、それぞれ、少なく
とも1個のハロで任意に置換されてもよく、
Raは、水素、C1−C6アルキル、またはC0−C3アルキルC3−C6シクロアル
キルであり、前記アルキルおよびアルキルシクロアルキルは、シアノまたは少なくとも1
個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、
Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキル
フェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環であ
り、化学的に可能な場合、それぞれ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、または−S(O)p
Rから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、
Rcは、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ハロアルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C3アル
キルフェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環
であり、それぞれ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、C1−C6アルキル、C1−
C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pR
、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O
)Rb、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基
で任意に置換されてもよく、
R4およびR5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキ
ルのそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C1−C
6ヒドロキシアルキル、オキソ、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C
1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pRc、−SH、−S(O)p
NRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rc、−SCN、また
は−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基により任意に置換されて
もよく、
R4およびR5C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、ま
たはC0−C6アルキルヘテロ環部分は、さらに、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、
オキソ、=S、=NR7、ヒドロキシル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6ア
ルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−SH、−S(O)pR、お
よびC1−C6ハロアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換され
てもよく、
nは、整数0、1、または2であり、nが2の場合、各R2は、相互に同じでも、異な
っていてもよく、さらに
pは、整数0、1、または2である、
化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩。
[請求項2]
式(2)
を有する請求項1に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に
許容可能なその塩。
[請求項3]
Aは、フェニル、ナフチル、またはピリジニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシル、およびC1
−C6ハロアルキルから独立に選択され
R2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル
、−C(O)NRaRb、または−ORであり、およびnは、整数0、1、または2であ
り、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、N3、またはシアノであり、
R4は、−C(O)R5であり、さらに
R6は、C1−C6ハロアルキルである、
請求項2に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項4]
Aは、フェニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、およびCF3から独立に選
択され、
R3は、水素、ハロまたはヒドロキシルであり、
R6は、CF3であり、さらに
nは、整数0である、
請求項3に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項5]
式(5)
を有する請求項1に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に
許容可能なその塩。
[請求項6]
Aは、フェニル、ナフチル、またはピリジニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシル、およびC1
−C6ハロアルキルから独立に選択され、
R2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル
、−C(O)NRaRb、または−ORであり、nは、整数0、1、または2であり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、N3、またはシアノであり、
R4は、−C(O)R5であり、さらに
R6は、C1−C6ハロアルキルである、
請求項5に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項7]
Aは、フェニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、およびCF3から独立に選
択され、
R3は、水素、ハロまたはヒドロキシルであり、
R6は、CF3であり、さらに
nは、整数0である、
請求項6に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項8]
式(6)
を有する請求項1に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に
許容可能なその塩。
[請求項9]
Aは、フェニル、ナフチル、またはピリジニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシル、およびC1
−C6ハロアルキルから独立に選択され、
R2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル
、−C(O)NRaRb、または−ORであり、nは、整数0、1、または2であり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、N3、またはシアノであり、
R4は、−C(O)R5であり、さらに
R6は、C1−C6ハロアルキルである、
請求項8に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項10]
Aは、フェニルであり、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、およびCF3から独立に選
択され、
R3は、水素、ハロまたはヒドロキシルであり、
R6は、CF3であり、さらに
nは、整数0である、
請求項9に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項11]
式(3)または式(4)
を有し、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシル、およびC1
−C6ハロアルキルから独立に選択され、
R2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル
、−C(O)NRaRb、または−ORであり、nは、整数0、1、または2であり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、N3、またはシアノであり、
R4は、−C(O)R5であり、さらに
R6は、C1−C6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能
なその塩。
[請求項12]
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,
5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−
イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,
5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−
イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(4−{3−フルオロ−1−[
(メチルスルホニル)アセチル]アゼチジン−3−イル}フェニル)−3−(トリフルオ
ロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール、
3−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−[4−(3−フルオロ−1−イ
ソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−
ジヒドロ−2H−ピロール、
1−(3−フルオロ−3−{4−[4−(3,4,5−トリクロロフェニル)−4−トリ
フルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]フェニル}アゼチジン
−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
5−[4−(3−フルオロ−1−イソブチリルアゼチジン−3−イル)フェニル]−3−
(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ
−2H−ピロール、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオ
ロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチ
ジン−1−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオ
ロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチ
ジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1
,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル
)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−[1
,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロアゼチジン−1−イル
)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリ
フルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1
−イル)−2−メタンスルホニルエタノン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリ
フルオロメチル−[1,4,2]ジオキサゾール−3−イル]フェニル}アゼチジン−1
−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−{4−[5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−トリ
フルオロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}アゼチジ
ン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−{4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−トリフルオ
ロメチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル]フェニル}−3−フルオロ
アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(3−フルオロ−3−(4−(5−(3,4,5−トリクロロフェニル)−5−(ト
リフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)アゼ
チジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−
4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン
−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−
4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フルオロアゼチジン
−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、および
1−(3−(4−(5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル)−5−(トリフル
オロメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−3−フル
オロアゼチジン−1−イル)−2−(メチルスルホニル)エタノン、
からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、その立体異性体、および薬理学的に
または獣医学的に許容可能なその塩。
[請求項13]
治療量の式(1)
の化合物、その立体異性体、および薬理学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩を含む
医薬および獣医薬組成物であって、
式中、
Aは、フェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、そ
れぞれ、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を独立に含み、
Bは、
であり、式中、
は、結合点を表し、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シア
ノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C
0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルコキシ、−C(O)N
H2、−SF5、または−S(O)pRであり、
R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ニトロ、ヒド
ロキシル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、−S
(O)pR、または−ORであり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロア
ルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、ニトロ、−
SC(O)R、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRb
R4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、−OR、または−S(O)
pRであり、
R4は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、
−C(O)R5、−C(S)R5、−C(O)NRaR5、−C(O)C(O)NRaR
5、−S(O)pRc、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、−C(NR7)
NRaR5、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、または
C0−C6アルキルヘテロ環であり、
R5は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C0−C6アルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリー
ル、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、
R6は、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−C(O)NRaR
b、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルケニル、または
C2−C6ハロアルキニルであり、
R7は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、−S(O)pR
c、またはC1−C6アルコキシであり、
R8は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、−S(O)pRc、また
はC1−C6アルコキシであり、
Rは、C1−C6アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり、それぞれ、少なく
とも1個のハロで任意に置換されてもよく、
Raは、水素、C1−C6アルキル、またはC0−C3アルキルC3−C6シクロアル
キルであり、前記アルキルおよびアルキルシクロアルキルは、シアノまたは少なくとも1
個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、
Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキル
フェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環であ
り、化学的に可能な場合、それぞれ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、または−S(O)p
Rから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、
Rcは、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ハロアルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C3アル
キルフェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環
であり、それぞれ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、C1−C6アルキル、C1−
C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pR
、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O
)Rb、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基
で任意に置換されてもよく、
R4およびR5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキ
ルのそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C1−C
6ヒドロキシアルキル、オキソ、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C
1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pRc、−SH、−S(O)p
NRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rc、−SCN、また
は−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換に置換され
てもよく、
R4およびR5C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、ま
たはC0−C6アルキルヘテロ環部分は、さらに、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、
オキソ、=S、=NR7、ヒドロキシル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6ア
ルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−SH、−S(O)pR、お
よびC1−C6ハロアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換され
てもよく、
nは、整数0、1、または2であり、nが2の場合、各R2は、相互に同じでも、異な
っていてもよく、さらに
pは、整数0、1、または2である、
医薬および獣医薬組成物。
[請求項14]
薬学的または獣医学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアをさらに含み、任
意選択で、アバメクチン、イベルメクチン、アベルメクチン、モキシデクチン、マメクチ
ン、エプリノメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、ネマデクチン、アルベンダゾール
、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクス
ベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、テトラミソール、レバミソール
、ピランテルパモ酸塩、オキサンテル、モランテル、インドキサカルブ、クロサンテル、
トリクラベンダゾール、クロルスロン、ラフォキサニド、ニクロサミド、プラジカンテル
、エプシプランテル、2−デソキソパラヘルクアミド、ピリプロール、ピラフルプロール
、ルフェヌロン、スピロメシフェン、テブフェノジド、スピノサド、スピネトラム、イミ
ダクロプリド、ジノテフラン、メタフルミゾン、チベンジアミド、クロラントラニリプロ
ール、インドキサカルブ、ピリダリル、デルタメトリン、ピリミジフェン、ピリフルキナ
ゾン、ミルベマイシンオキシム、ミルベマイシン、デミディトラズ、アミトラズ、フィプ
ロニル、S−メトプレン、ヒドロプレン、ピリプロキシフェン、ペルメトリン、およびピ
レトリン、またはこれらの混合物、からなる群より選択される少なくとも1種の獣医薬剤
を含む請求項13に記載の医薬および獣医薬組成物。
[請求項15]
式(1)
の化合物であって、式中、
Aは、フェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、そ
れぞれ、N、OおよびSから独立に選択される1〜4ヘテロ原子を含み、
Bは、
であり、式中、
は結合点を表し、「*」はキラル炭素を表し、
R1a、R1b、およびR1cは、それぞれ、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シ
アノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、
C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルコキシ、−C(O)
NH2、−SF5、または−S(O)pRであり、
R2は、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、ニトロ、ヒド
ロキシル、−C(O)NRaRb、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、−S
(O)pR、または−ORであり、
R3は、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロア
ルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、−C(O)NH2、ニトロ、−
SC(O)R、−C(O)NRaRb、C0−C3アルキルNRaR4、−NRaNRb
R4、−NRaORb、−ONRaRb、N3、−NHR4、−OR、または−S(O)
pRであり、
R4は、水素、C1−C6アルキル、C0−C6アルキルC3−C6シクロアルキル、
−C(O)R5、−C(S)R5、−C(O)NRaR5、−C(O)C(O)NRaR
5、−S(O)pRc、−S(O)2NRaR5、−C(NR7)R5、−C(NR7)
NRaR5、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、または
C0−C6アルキルヘテロ環であり、
R5は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C0−C6アルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリー
ル、またはC0−C6アルキルヘテロ環であり、
R6は、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−C(O)NRaR
b、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルケニル、または
C2−C6ハロアルキニルであり、
R7は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、−S(O)pR
c、またはC1−C6アルコキシであり、
R8は、水素、C1−C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、−S(O)pRc、また
はC1−C6アルコキシであり、
Rは、C1−C6アルキルまたはC3−C6シクロアルキルであり、それぞれ、少なく
とも1個のハロにより任意に置換されてもよく、
Raは、水素、C1−C6アルキル、またはC0−C3アルキルC3−C6シクロアル
キルであり、前記アルキルおよびアルキルシクロアルキルは、シアノまたは少なくとも
1個のハロ置換基で任意に置換されてもよく、
Rbは、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C0−C3アルキル
フェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環であ
り、化学的に可能な場合は、それぞれ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、または−S(O)
pRから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよく、
Rcは、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ハロアルキルC3
−C6シクロアルキル、C0−C3アルキルC3−C6シクロアルキル、C0−C3アル
キルフェニル、C0−C3アルキルヘテロアリール、またはC0−C3アルキルヘテロ環
であり、それぞれ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pR
、−SH、−S(O)pNRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O
)Rb、−SCN、または−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基
で任意に置換されてもよく、
R4およびR5C1−C6アルキルまたはC0−C6アルキルC3−C6シクロアルキ
ルのそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C1−C
6ヒドロキシアルキル、オキソ、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C
1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−S(O)pRc、−SH、−S(O)p
NRaRb、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−SC(O)Rc、−SCN、また
は−C(O)NRaRbから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換されてもよ
く、
R4およびR5C0−C6アルキルフェニル、C0−C6アルキルヘテロアリール、ま
たはC0−C6アルキルヘテロ環部分は、さらに、C1−C6アルキル、シアノ、ハロ、
オキソ、=S、=NR7、ヒドロキシル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6ア
ルコキシ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、−SH、−S(O)pR、お
よびC1−C6ハロアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基で任意に置換され
てもよく、
nは、整数0、1、または2であり、nが2の場合、各R2は、相互に同じであっても
、異なっていてもよく、さらに
pは、整数0、1、または2である、
化合物、その立体異性体、および薬学的にまたは獣医学的に許容可能なその塩の有効量、
ならびに任意選択で少なくとも1種の追加の獣医薬剤を、それを必要としている前記動物
に投与することを含む寄生虫感染または侵入動物の治療方法。