以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる接合システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、接合システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
接合システム1では、図3に示すように例えば2枚の基板としてのウェハWU、WLを接合する。以下、上側に配置されるウェハを、第1の基板としての「上ウェハWU」といい、下側に配置されるウェハを、第2の基板としての「下ウェハWL」という。また、上ウェハWUが接合される接合面を「表面WU1」といい、当該表面WU1と反対側の面を「裏面WU2」という。同様に、下ウェハWLが接合される接合面を「表面WL1」といい、当該表面WL1と反対側の面を「裏面WL2」という。そして、接合システム1では、上ウェハWUと下ウェハWLを接合して、重合基板としての重合ウェハWTを形成する。
接合システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数のウェハWU、WL、複数の重合ウェハWTをそれぞれ収容可能なカセットCU、CL、CTが搬入出される搬入出ステーション2と、ウェハWU、WL、重合ウェハWTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、接合システム1の外部に対してカセットCU、CL、CTを搬入出する際に、カセットCU、CL、CTを載置することができる。このように、搬入出ステーション2は、複数の上ウェハWU、複数の下ウェハWL、複数の重合ウェハWTを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、カセットの1つを異常ウェハの回収用として用いてもよい。すなわち、種々の要因で上ウェハWUと下ウェハWLとの接合に異常が生じたウェハを、他の正常な重合ウェハWTと分離することができるカセットである。本実施の形態においては、複数のカセットCTのうち、1つのカセットCTを異常ウェハの回収用として用い、他のカセットCTを正常な重合ウェハWTの収容用として用いている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10に隣接してウェハ搬送部20が設けられている。ウェハ搬送部20には、X方向に延伸する搬送路21上を移動自在なウェハ搬送装置22が設けられている。ウェハ搬送装置22は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットCU、CL、CTと、後述する処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50、51との間でウェハWU、WL、重合ウェハWTを搬送できる。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数例えば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1の処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2の処理ブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3の処理ブロックG3が設けられている。
例えば第1の処理ブロックG1には、ウェハWU、WLの表面WU1、WL1を改質する表面改質装置30が配置されている。表面改質装置30では、例えば減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが表面WU1、WL1に照射されて、表面WU1、WL1がプラズマ処理され、改質される。
例えば第2の処理ブロックG2には、例えば純水によってウェハWU、WLの表面WU1、WL1を親水化すると共に当該表面WU1、WL1を洗浄する表面親水化装置40、ウェハWU、WLを接合する接合装置41が、搬入出ステーション2側からこの順で水平方向のY方向に並べて配置されている。
表面親水化装置40では、例えばスピンチャックに保持されたウェハWU、WLを回転させながら、当該ウェハWU、WL上に純水を供給する。そうすると、供給された純水はウェハWU、WLの表面WU1、WL1上を拡散し、表面WU1、WL1が親水化される。なお、接合装置41の構成については後述する。
例えば第3の処理ブロックG3には、図2に示すようにウェハWU、WL、重合ウェハWTのトランジション装置50、51が下から順に2段に設けられている。
図1に示すように第1の処理ブロックG1〜第3の処理ブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域60が形成されている。ウェハ搬送領域60には、例えばウェハ搬送装置61が配置されている。
ウェハ搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置61は、ウェハ搬送領域60内を移動し、周囲の第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2及び第3の処理ブロックG3内の所定の装置にウェハWU、WL、重合ウェハWTを搬送できる。
以上の接合システム1には、図1に示すように制御部70が設けられている。制御部70は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合システム1におけるウェハWU、WL、重合ウェハWTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム1における後述のウェハ接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部70にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した接合装置41の構成について説明する。接合装置41は、図4に示すように処理容器100を有している。処理容器100のウェハ搬送領域60側の側面には、ウェハWU、WL、重合ウェハWTの搬入出口101が形成され、当該搬入出口101には開閉シャッタ102が設けられている。処理容器100の表面親水化装置40と反対側の側面には排気口103が形成されている。
処理容器100の内部は、内壁104によって、搬送領域T1と処理領域T2に区画されている。上述した搬入出口101は、搬送領域T1における処理容器100の側面に形成されている。内壁104にも、ウェハWU、WL、重合ウェハWTの搬入出口104aが形成されている。また、図5に示すように、搬送領域T1における処理容器100の天井部には給気口105が設けられている。給気口105には処理領域T2内に空気を送風する気流形成機構としての、例えば送風ユニット106が給気口105を塞ぐように設けられている。送風ユニット106は、送風機106aと、送風機106aにより送風する空気の温度を調節する温度調節機構106bと、送風機106aにより送風する空気からパーティクルを除去するフィルタ106cを有している。フィルタ106cは、給気口105と同じか又はそれよりも大きく形成されており、送風機106aから送風される空気は全量フィルタ106cを介して給気口105から処理容器100内に導入される。また、上述した排気口103は、処理容器100側面において底面近くに形成されている。そのため、処理容器100の搬送領域T1には、送風ユニット106により給気口105から排気口103へ向かう、換言すれば、処理容器100内を上から下に向かう空気の流れ(ダウンフロー)が形成される。なお、本実施の形態では、送風ユニット106からの送風温度は例えば25℃に設定されており、処理容器100の内部の雰囲気が、例えば25℃に維持されている。
搬送領域T1のX方向正方向側には、ウェハWU、WL、重合ウェハWTを一時的に載置するためのトランジション110が設けられている。トランジション110は、例えば2段に形成され、ウェハWU、WL、重合ウェハWTのいずれか2つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、ウェハ搬送機構111が設けられている。ウェハ搬送機構111は、図4及び図5に示すように例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。そして、ウェハ搬送機構111は、搬送領域T1内、又は搬送領域T1と処理領域T2との間でウェハWU、WL、重合ウェハWTを搬送できる。
搬送領域T1のX方向負方向側には、ウェハWU、WLの水平方向の向きを調節する位置調節機構120が設けられている。位置調節機構120は、図6に示すように基台121と、ウェハWU、WLをピンチャック方式で保持し、且つ回転させる保持部122と、ウェハWU、WLのノッチ部の位置を検出する検出部123と、を有している。なお、保持部122のピンチャック方式は、後述する上チャック140と下チャック141におけるピンチャック方式と同様であるので説明を省略する。そして、位置調節機構120では、保持部122に保持されたウェハWU、WLを回転させながら検出部123でウェハWU、WLのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節してウェハWU、WLの水平方向の向きを調節している。
また、搬送領域T1には、図4及び図5に示すように上ウェハWUの表裏面を反転させる反転機構130が設けられている。反転機構130は、図7〜図9に示すように上ウェハWUを保持する保持アーム131を有している。保持アーム131は、水平方向(図7及び図8中のY方向)に延伸している。また保持アーム131には、上ウェハWUを保持する保持部材132が例えば4箇所に設けられている。保持部材132は、図10に示すように保持アーム131に対して水平方向に移動可能に構成されている。また保持部材132の側面には、上ウェハWUの外周部を保持するための切り欠き133が形成されている。そして、これら保持部材132は、上ウェハWUを挟み込んで保持することができる。
保持アーム131は、図7〜図9に示すように例えばモータなどを備えた第1の駆動部134に支持されている。この第1の駆動部134によって、保持アーム131は水平軸周りに回動自在である。また保持アーム131は、第1の駆動部134を中心に回動自在であると共に、水平方向(図7及び図8中のY方向)に移動自在である。第1の駆動部134の下方には、例えばモータなどを備えた第2の駆動部135が設けられている。この第2の駆動部135によって、第1の駆動部134は鉛直方向に延伸する支持柱136に沿って鉛直方向に移動できる。このように第1の駆動部134と第2の駆動部135によって、保持部材132に保持された上ウェハWUは、水平軸周りに回動できると共に鉛直方向及び水平方向に移動できる。また、保持部材132に保持された上ウェハWUは、第1の駆動部134を中心に回動して、位置調節機構120から後述する上チャック140との間を移動できる。
処理領域T2には、図4及び図5に示すように上ウェハWUを下面で吸着保持する第1の保持部としての上チャック140と、下ウェハWLを上面で載置して吸着保持する第2の保持部としての下チャック141とが設けられている。下チャック141は、上チャック140の下方に設けられ、上チャック140と対向配置可能に構成されている。すなわち、上チャック140に保持された上ウェハWUと下チャック141に保持された下ウェハWLは対向して配置可能となっている。
図4、図5及び図11に示すように上チャック140は、当該上チャック140の上方に設けられた上チャック支持部150に支持されている。上チャック支持部150は、処理容器100の天井面に設けられている。すなわち、上チャック140は、上チャック支持部150を介して処理容器100に固定されて設けられている。
上チャック支持部150には、下チャック141に保持された下ウェハWLの表面WL1を撮像する上部撮像部151が設けられている。すなわち、上部撮像部151は上チャック140に隣接して設けられている。
上部撮像部151は、図12に示すように可視光カメラ152を有している。具体的には、可視光カメラ152は、センサ153と、センサ153に接続されるレンズ154とを有している。
図4、図5及び図11に示すように下チャック141は、当該下チャック141の下方に設けられた第1の下チャック移動部160に支持されている。第1の下チャック移動部160は、後述するように下チャック141を水平方向(Y方向)に移動させるように構成されている。また、第1の下チャック移動部160は、下チャック141を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
第1の下チャック移動部160には、上チャック140に保持された上ウェハWUの表面WU1を撮像する下部撮像部161が設けられている。すなわち、下部撮像部161は下チャック141に隣接して設けられている。
下部撮像部161は、図13に示すように可視光カメラ162を有している。可視光カメラ162の構成は、可視光カメラ152の構成と同様であるので説明を省略する。
図4、図5及び図11に示すように第1の下チャック移動部160は、当該第1の下チャック移動部160の下面側に設けられ、水平方向(Y方向)に延伸する一対のレール165、165に取り付けられている。そして、第1の下チャック移動部160は、レール165に沿って移動自在に構成されている。
一対のレール165、165は、第2の下チャック移動部166に配設されている。第2の下チャック移動部166は、当該第2の下チャック移動部166の下面側に設けられ、水平方向(X方向)に延伸する一対のレール167、167に取り付けられている。そして、第2の下チャック移動部166は、レール167に沿って移動自在に構成され、すなわち下チャック141を水平方向(X方向)に移動させるように構成されている。なお、一対のレール167、167は、処理容器100の底面に設けられた載置台168上に配設されている。
次に、接合装置41の上チャック140と下チャック141の詳細な構成について説明する。
上チャック140には、図13及び図14に示すようにピンチャック方式が採用されている。上チャック140は、平面視において少なくとも上ウェハWUより大きい径を有する本体部170を有している。本体部170の下面には、上ウェハWUの裏面WU2に接触する複数のピン171が鉛直下方に延伸して設けられている。複数のピン171の下端の高さは、各ピン171の間で均一になっている。また本体部170の下面には、上ウェハWUの裏面WU2の外周部を支持する外壁部172が設けられている。外壁部172は、複数のピン171の外側に環状に設けられている。なお、外壁部172の下端の高さは、複数のピン171の下端の高さと均一になっている。
本体部170の下面には、外壁部172の内側の領域173(以下、吸引領域173という場合がある。)において、上ウェハWUを真空引きするための吸引口174が形成されている。吸引口174は、例えば吸引領域173の外周部に2箇所に形成されている。吸引口174には、本体部170の内部に設けられた吸引管175が接続されている。さらに吸引管175には、継手を介して真空ポンプ176が接続されている。
そして、上ウェハWU、本体部170及び外壁部172に囲まれて形成された吸引領域173を吸引口174から真空引きし、吸引領域173を減圧する。このとき、吸引領域173の外部の雰囲気が大気圧であるため、上ウェハWUは減圧された分だけ大気圧によって吸引領域173側に押される。これにより、上ウェハWUが上チャック140に吸着保持される。
かかる場合、複数のピン171の高さが均一なので、上チャック140の下面の平面度を小さくすることができる。このように上チャック140の下面を平坦にして(下面の平面度を小さくして)、上チャック140に保持された上ウェハWUの鉛直方向の歪みを抑制することができる。また上ウェハWUの裏面WU2は複数のピン171に支持されているので、上チャック140による上ウェハWUの真空引きを解除する際、当該上ウェハWUが上チャック140から剥がれ易くなる。
本体部170の中心部には、当該本体部170を厚み方向に貫通する貫通孔177が形成されている。この本体部170の中心部は、上チャック140に吸着保持される上ウェハWUの中心部に対応している。そして貫通孔177には、後述する押動部材180の押動ピン181が挿通するようになっている。
上チャック140の上面には、上ウェハWUの中心部を押圧する押動部材180が設けられている。押動部材180は、シリンダ構造を有し、押動ピン181と、当該押動ピン181が昇降する際のガイドとなる外筒182とを有している。押動ピン181は、例えばモータを内蔵した駆動部(図示せず)によって、貫通孔177を挿通して鉛直方向に昇降自在になっている。そして、押動部材180は、後述するウェハWU、WLの接合時に、上ウェハWUの中心部と下ウェハWLの中心部とを当接させて押圧することができる。
下チャック141には、図13及び図15に示すように上チャック140と同様にピンチャック方式が採用されている。下チャック141は、平面視において少なくとも下ウェハWLより大きい径を有する本体部190を有している。本体部190の上面には、下ウェハWLの裏面WL2に接触する複数のピン191が設けられている。複数のピン191も、ピン171と同様に、下端の高さは各ピン191の間で均一になっている。また本体部190の上面には、下ウェハWLの裏面WL2の外周部を支持する外壁部192が設けられている。外壁部192は、複数のピン191の外側に環状に設けられている。外壁部192の下端の高さも、上チャック140の場合と同様に、複数のピン191の下端の高さと均一になっている。
本体部190の上面には、外壁部192の内側の領域193(以下、吸引領域193という場合がある。)において、下ウェハWLを真空引きするための吸引口194が複数形成されている。吸引口194には、本体部190の内部に設けられた吸引管195が接続されている。吸引管195は、例えば2本設けられている。さらに吸引管195には、真空ポンプ196が接続されている。
そして、下ウェハWL、本体部190及び外壁部192に囲まれて形成された吸引領域193を吸引口194から真空引きし、吸引領域193を減圧する。このとき、吸引領域193の外部の雰囲気が大気圧であるため、下ウェハWLは減圧された分だけ大気圧によって吸引領域193側に押され、下チャック141に下ウェハWLが吸着保持される。
かかる場合、複数のピン191の高さが均一なので、下チャック141の上面の平面度を小さくすることができる。また例えば処理容器100内にパーティクルが存在する場合でも、隣り合うピン191の間隔が適切であるため、下チャック141の上面にパーティクルが存在するのを抑制することができる。このように下チャック141の上面を平坦にして(上面の平面度を小さくして)、下チャック141に保持された下ウェハWLの鉛直方向の歪みを抑制することができる。また下ウェハWLの裏面WL2は複数のピン191に支持されているので、下チャック141による下ウェハWLの真空引きを解除する際、当該下ウェハWLが下チャック141から剥がれ易くなる。
本体部190の中心部付近には、当該本体部190を厚み方向に貫通する貫通孔197が例えば3箇所に形成されている。そして貫通孔197には、第1の下チャック移動部160の下方に設けられた昇降ピンが挿通するようになっている。
本体部190の外周部には、ウェハWU、WL、重合ウェハWTが下チャック141から飛び出したり、滑落したりするのを防止するガイド部材198が設けられている。ガイド部材198は、本体部190の外周部に複数個所、例えば4箇所に等間隔に設けられている。
また、上チャック140の本体部170の下面であって外壁部172の外側には、上向きに窪んだ窪み部200と仕切板201が設けられている。窪み部200は、例えば外壁部172の外側に、外壁部172と同心円の環状に形成されている。仕切板201は、外壁部172と同心円の略円筒形状に形成されており、その上部が窪み部200の内部に位置するように配置されている。仕切板201は図示しない昇降機構に接続されている。仕切板201長さは、ウェハWU、WLを接合する際の上チャック140と下チャック141の高さ位置において、仕切板201の下端部と下チャック141の本体部190の上端との間に所定の長さの隙間が形成されるように調整されている。
仕切板201には、開口202が形成されている。開口202には、除湿された乾燥空気を供給する乾燥空気供給源203が乾燥空気供給管204を介して接続されている。仕切板201の、開口202と直径方向において対向する位置には切り欠き210が形成されている。また、切り欠き210の上方には、湿度を測定する、湿度計211が設けられている。
乾燥空気供給源203は、図16に示すように、空気を除湿して乾燥空気を生成する除湿装置220と、除湿装置220で除湿された乾燥空気を送風する送風機221を有している。乾燥空気供給管204の送風機221の下流側には、乾燥空気からパーティクルを除去するフィルタ222が設けられている。また、送風機221とフィルタ222の間には、乾燥空気の温度を調節する乾燥空気温度調節機構223が設けられている。除湿装置220からの乾燥空気の供給、停止や流量の調節は、例えば送風機221と除湿装置220との間に設けられた流量調節機構224により行われる。
なお、接合装置41における各部の動作は、上述した制御部70によって制御される。
次に、以上のように構成された接合システム1を用いて行われるウェハWU、WLの接合処理方法について説明する。図17は、かかるウェハ接合処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の上ウェハWUを収容したカセットCU、複数枚の下ウェハWLを収容したカセットCL、及び空のカセットCTが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置22によりカセットCU内の上ウェハWUが取り出され、処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に上ウェハWUは、ウェハ搬送装置61によって第1の処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが上ウェハWUの表面WU1に照射されて、当該表面WU1がプラズマ処理される。そして、上ウェハWUの表面WU1が改質される(図17の工程S1)。
次に上ウェハWUは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハWUを回転させながら、当該上ウェハWU上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハWUの表面WU1上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハWUの表面WU1に水酸基(シラノール基)が付着して当該表面WU1が親水化される。また、当該純水によって、上ウェハWUの表面WU1が洗浄される(図17の工程S2)。
次に上ウェハWUは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。この際、処理容器100内の搬送領域T1には、予め送風ユニット106によりダウンフローが形成されている。接合装置41に搬入された上ウェハWUは、トランジション110を介してウェハ搬送機構111により位置調節機構120に搬送される。そして位置調節機構120によって、上ウェハWUの水平方向の向きが調節される(図17の工程S3)。
その後、位置調節機構120から反転機構130の保持アーム131に上ウェハWUが受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム131を反転させることにより、上ウェハWUの表裏面が反転される(図17の工程S4)。すなわち、上ウェハWUの表面WU1が下方に向けられる。
その後、反転機構130の保持アーム131が、第1の駆動部134を中心に回動して上チャック140の下方に移動する。そして、反転機構130から上チャック140に上ウェハWUが受け渡される。上ウェハWUは、上チャック140にその裏面WU2が吸着保持される(図17の工程S5)。具体的には、真空ポンプ176を作動させ、吸引領域173を吸引口174から真空引きし、上ウェハWUが上チャック140に吸着保持される。
上ウェハWUに上述した工程S1〜S5の処理が行われている間、当該上ウェハWUに続いて下ウェハWLの処理が行われる。先ず、ウェハ搬送装置22によりカセットCL内の下ウェハWLが取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
次に下ウェハWLは、ウェハ搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハWLの表面WL1が改質される(図17の工程S6)。なお、工程S6における下ウェハWLの表面WL1の改質は、上述した工程S1と同様である。
その後、下ウェハWLは、ウェハ搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハWLの表面WL1が親水化される共に当該表面WL1が洗浄される(図17の工程S7)。なお、工程S7における下ウェハWLの表面WL1の親水化及び洗浄は、上述した工程S2と同様である。
その後、下ウェハWLは、ウェハ搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハWLは、トランジション110を介してウェハ搬送機構111により位置調節機構120に搬送される。そして位置調節機構120によって、下ウェハWLの水平方向の向きが調節される(図17の工程S8)。
その後、下ウェハWLは、ウェハ搬送機構111によって下チャック141に搬送され、下チャック141にその裏面WL2が吸着保持される(図17の工程S9)。具体的には、真空ポンプ196を作動させ、吸引領域193を吸引口194から真空引きし、下ウェハWLが下チャック141に吸着保持される。
次に、上チャック140に保持された上ウェハWUと下チャック141に保持された下ウェハWLとの水平方向の位置調節を行う。
なお、図18に示すように上ウェハWUの表面WU1には予め定められた複数、例えば3点の基準点A1〜A3が形成され、同様に下ウェハWLの表面WL1には予め定められた複数、例えば3点の基準点B1〜B3が形成されている。基準点A1、A3とB1、B3はそれぞれウェハWU、WLの外周部の基準点であり、基準点A2とB2はそれぞれウェハWU、WLの中心部の基準点である。なお、これら基準点A1〜A3、B1〜B3としては、例えばウェハWL、WU上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。また、本実施の形態はウェハWL、WU上の基準点は3点であるが、基準点の数はこれに限定されず任意に設定できる。
先ず、図18に示すように上部撮像部151と下部撮像部161の水平方向位置の調節を行う。具体的には、下部撮像部161が上部撮像部151の略下方に位置するように、第1の下チャック移動部160と第2の下チャック移動部166によって下チャック141を水平方向(X方向及びY方向)に移動させる。そして、上部撮像部151の可視光カメラ152と下部撮像部161の可視光カメラ162で共通のターゲットTを確認し、上部撮像部151と下部撮像部161の水平方向位置が一致するように、下部撮像部161の水平方向位置が微調節される。
次に、図19に示すように第1の下チャック移動部160によって下チャック141を鉛直上方に移動させた後、上チャック140と下チャック141の水平方向位置の調節を行う。具体的には、第1の下チャック移動部160と第2の下チャック移動部166によって下チャック141を水平方向(X方向及びY方向)に移動させながら、上部撮像部151の可視光カメラ152を用いて下ウェハWLの表面WL1の基準点B1〜B3を順次撮像する。同時に、下チャック141を水平方向に移動させながら、下部撮像部161の可視光カメラ162を用いて上ウェハWUの表面WU1の基準点A1〜A3を順次撮像する。なお、図19は上部撮像部151によって下ウェハWLの基準点B1を撮像する共に、下部撮像部161によって上ウェハWUの表面WU1の基準点A1を撮像する様子を示している。撮像された可視光画像は、制御部70に出力される。制御部70では、上部撮像部151で撮像された可視光画像と下部撮像部161で撮像された可視光画像に基づいて、上ウェハWUの基準点A1〜A3と下ウェハWLの基準点B1〜B3がそれぞれ合致するように、第1の下チャック移動部160と第2の下チャック移動部166によって下チャック141の水平方向位置を調節させる。こうして上チャック140と下チャック141の水平方向位置が調節され、上ウェハWUと下ウェハWLの水平方向位置が調節される(図17の工程S10)。
なお、上記水平方向位置の調節は、上述のように下チャック141を水平方向(X方向及びY方向)に移動させると共に、第1の下チャック移動部160によって下チャック141を回転させて、当該下チャック141の向きも調節される。
その後、図20に示すように第1の下チャック移動部160によって下チャック141を鉛直上方に移動させて、上チャック140と下チャック141の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック140に保持された上ウェハWUと下チャック141に保持された下ウェハWLとの鉛直方向位置の調節を行う(図17の工程S11)。このとき、下ウェハWLの表面WL1と上ウェハWUの表面WU1との間の間隔は所定の距離、例えば50μm〜200μmになっている。なお、処理領域T2には送風ユニット106によりダウンフローが形成されているため、ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WU1にパーティクルが付着しにくい。したがって、上ウェハWUと下ウェハWLの水平方向位置の調整の間にパーティクルが付着することを抑制できる。
次に、上チャック140に保持された上ウェハWUと下チャック141に保持された下ウェハWLの接合処理が行われる。
接合処理にあたっては、先ず図21に示すように、仕切板201が降下し、次いで乾燥空気供給源203から乾燥空気が供給される(図17の工程S12)。これにより、仕切板201と、上ウェハWU及び下ウェハWLに囲まれた空間内に、仕切板201の開口202から切り欠き210の向かう乾燥空気の気流が形成される。なお、仕切板201は、仕切板201の開口202から切り欠き210に向かって気流が形成される程度に降下させればよく、仕切板201の下端が下チャック141の本体部190の上端に接するまで降下させる必要はないが、本体部190の上端に接するまで降下させてもよい。なお、乾燥空気供給源203から供給される空気は、除湿装置220と乾燥空気温度調節機構223により、相対湿度が30%、温度が処理領域T2の温度と同じ25℃に調節されている。
次に、図22に示すように押動部材180の押動ピン181を下降させることによって、上ウェハWUの中心部を押圧しながら当該上ウェハWUを下降させる。このとき、押動ピン181には、上ウェハWUがない状態で当該押動ピン181が70μm移動するような荷重、例えば200gがかけられる。そして、押動部材180によって、上ウェハWUの中心部と下ウェハWLの中心部を当接させて押圧する(図17の工程S12)。このとき、上チャック140の吸引口174は吸引領域173の外周部に形成されているので、押動部材180で上ウェハWUの中心部を押圧する際にも、上チャック140によって上ウェハWUの外周部を保持することができる。
そうすると、押圧された上ウェハWUの中心部と下ウェハWLの中心部との間で接合が開始する(図22中の太線部)。すなわち、上ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WL1はそれぞれ工程S1、S6において改質されているため、先ず、表面WU1、WL1間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該表面WU1、WL1同士が接合される。さらに、上ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WL1はそれぞれ工程S2、S7において親水化されているため、表面WU1、WL1間の親水基が水素結合し(分子間力)、表面WU1、WL1同士が強固に接合される。
その後、図23に示すように押動部材180によって上ウェハWUの中心部と下ウェハWLの中心部を押圧した状態で真空ポンプ176の作動を停止して、吸引領域173における上ウェハWUの真空引きを停止する。そうすると、上ウェハWUが下ウェハWL上に落下する。このとき、上ウェハWUの裏面WU2は複数のピン171に支持されているので、上チャック140による上ウェハWUの真空引きを解除した際、当該上ウェハWUが上チャック140から剥がれ易くなっている。そして上ウェハWUの中心部から外周部に向けて、上ウェハWUの真空引きを停止し、上ウェハWUが下ウェハWL上に順次落下して当接し、上述した表面WU1、WL1間のファンデルワールス力と水素結合による接合が順次拡がる。こうして、図24に示すように上ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WL1が全面で当接し、上ウェハWUと下ウェハWLが接合される(図17の工程S13)。この際、処理領域T2には送風ユニット106によりダウンフローが形成されているため、上ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WU1にパーティクルが付着しにくい。したがって、上ウェハWUと下ウェハWLの接合の際、上ウェハWUと下ウェハWLとの間にパーティクルが入り込み、それによりボイドが発生することを抑制できる。また、送風ユニット106により形成されるダウンフローは、フィルタ106cを通った清浄な空気であるため、上ウェハWUと下ウェハWLの間へのパーティクルの侵入がさらに抑制される。
その後、図25に示すように押動部材180の押動ピン181を上チャック140まで上昇させる。また、真空ポンプ196の作動を停止し、吸引領域193における下ウェハWLの真空引きを停止して、下チャック141による下ウェハWLの吸着保持を停止する。このとき、下ウェハWLの裏面WL2は複数のピン191に支持されているので、下チャック141による下ウェハWLの真空引きを解除した際、当該下ウェハWLが下チャック141から剥がれ易くなっている。
また、仕切板201も上チャック140側に上昇させ、乾燥空気供給源203からの乾燥空気の供給を停止する。
上ウェハWUと下ウェハWLが接合された重合ウェハWTは、ウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCTに搬送される。こうして、一連のウェハWU、WLの接合処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、送風ユニット106により給気口105から排気口103に向かう気流が処理領域T2に形成されているので、処理領域T2での上ウェハWUと下ウェハWLの位置合わせの際にウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WU1にパーティクルが付着したり、上ウェハWUと下ウェハWLとの接合の際に上ウェハWUと下ウェハWLとの間にパーティクルが入り込んだりすることを抑制できる。したがって、パーティクルに起因する重合ウェハWTの歪みやボイドの発生を抑制し、上ウェハWUと下ウェハWLの接合処理を適切に行うことができる。
また、給気口105は処理容器100の天井部に設けられ、排気口103は処理容器100側面の底面近くに設けられているので、給気口105から排気口103に向かう気流はダウンフローを形成する。したがって、処理容器100内にパーティクルが持ち込まれた場合においても、パーティクルを再飛散させることなく速やかに排気口103から排出できる。さらには、送風ユニット106にはフィルタ106cが設けられているので、ダウンフローそのものにパーティクルが含まれることを抑制できる。したがって、パーティクルに起因する重合ウェハWTの歪みやボイドの発生をより効率的に抑制できる。なお、給気口105及び排気口103の配置は本実施の形態に限定されるものではなく、処理容器100内を一方向に流れる気流が形成できるものであれば任意に設定できる。例えば給気口105及び排気口103を処理容器100の側面に対向して設けて水平方向の気流を形成してもよいし、排気口103を処理容器100の底面に設けてもよい。なお、パーティクルの再飛散防止という観点から、給気口105は排気口103よりも高い位置に設けることが好ましい。また、給気口105と排気口103は必ずしも1つずつ設ける必要はなく、それぞれ複数設けてもよいし、搬送領域T1側に設けてもよい。給気口105を複数設ける場合、送風ユニット106をそれぞれの給気口105に設けてもよい。このように、処理容器100内を一方向に流れる気流を形成することで、ウェハWUの表面WU1や下ウェハWLの表面WU1へのパーティクルの付着を抑制すると共に、処理容器100内のパーティクルを速やかに排出することができる。
また、送風ユニット106により処理容器100内部の温度が、例えば25℃で一定に保たれているので、接合装置41や上ウェハWU及び下ウェハWLの温度を一定に保つことができる。接合装置41や上ウェハWU及び下ウェハWLの温度に局所的な差が生じると、温度の影響による伸縮量に差が生じ、上ウェハWUと下ウェハWLの水平方向の位置にずれが生じてしまう恐れがあるが、本実施の形態のように温度を一定に保つことで、温度差に起因する位置ずれを防止できる。
なお、以上の実施の形態では、送風ユニット106により処理容器100内に気流を形成したが、処理容器100内に気流を形成する方法は本実施の形態の内容に限定されるものではない。例えば排気口103に処理容器100内を排気する排気機構を設け、この排気機構により給気口105から排気口103に向かう気流を形成してもよい。かかる場合、給気口105には送風ユニット106を設けてもよいし、設けなくてもよい。なお、給気口105に送風ユニット106を設けない場合、フィルタ106cを給気口105を塞ぐように設けてもよいし、温度調節機構106bを給気口105に直接配置してもよい。
以上の実施の形態では、仕切板201に上ウェハWUと下ウェハWLを囲い、当該囲まれた空間内に乾燥空気供給源203から除湿された乾燥空気が供給されるので、上ウェハWUと下ウェハWLの接合処理が乾燥雰囲気内で行われる。ここで、本発明者らによれば、重合ウェハWWTにボイドが生じる原因としては、パーティクルの他に、例えば上ウェハWUの表面WU1と下ウェハWLの表面WL1に付着する水分がある。そのため、処理容器100内に例えばダウンフローを形成して上ウェハWUや下ウェハWLへのパーティクルの付着を抑えても、この水分によるボイドが依然として発生することがあった。上ウェハWUや下ウェハWLへの水分の付着を抑えるためには処理容器100内全体を乾燥雰囲気とすることが考えられるが、処理容器100内全体をまかなう乾燥空気を生成するためには、例えば空気中の水分を結露により凝縮させるための冷凍機やその後乾燥空気を加熱して相対湿度を低下させるためのヒータが大がかりなものとなってしまい、装置の大型化や消費電力及び装置コストの増加につながってしまう。
この点、本実施の形態によれば、仕切板201で囲んだ、上ウェハWUと下ウェハWLの周囲の雰囲気のみに乾燥空気を供給するので、処理容器100内の全体に乾燥空気を供給する場合と比較して、乾燥空気供給源203を大幅に小型化できる。したがって、乾燥空気供給源203の設置にかかるコストや消費電力、及び設置スペースの増加を低く抑えつつ、水分に起因するボイドの発生を効率的に抑制することができる。
また、乾燥空気供給源203から供給される乾燥空気はフィルタ222によりパーティクルが除去されているので、上ウェハWUと下ウェハWLの周囲の雰囲気を清浄に保ち、接合処理を適正に行うことができる。
さらには、乾燥空気温度調節機構223から供給される乾燥空気の温度が乾燥空気温度調節機構223により、処理容器100内の温度と同じ25℃に調節されているので、温度差に起因する位置ずれを防止できる。
なお、以上の実施の形態では、仕切板201に切り欠き210を設けることで、仕切板201の内側の空間に開口202から切り欠き210に向かう気流を形成したが、切り欠き210の配置や形状は、仕切板201の内側の空間に、一方向に流れる空気の流れを形成できるものであれば、任意に設定が可能である。一方向に流れる空気の流れを形成することで、送風ユニット106による気流と同様に、上ウェハWUの表面WU1や下ウェハWLの表面WU1へのパーティクルの付着を抑制すると共に、パーティクルを速やかに仕切板201の外側に排出することができる。
また、以上の実施の形態では、乾燥空気温度調節機構223により乾燥空気の温度を調節したが、当該乾燥空気の温度調節の方法は本実施の形態に限定されない。例えば図26に示すように、乾燥空気供給源203に、乾燥空気温度調節機構223に代えて、所定の容量の乾燥空気を一時的に貯留する貯留槽230を設け、乾燥空気を予め貯留槽230に蓄えておくことで、貯留槽230内の乾燥空気の温度を周囲の雰囲気温度と同じ、例えば25℃となるようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、処理容器100内の温度を25℃に設定したが、当該設定温度はこれに限定されず任意に設定できる。また、乾燥空気供給源203から供給される空気の湿度についても、本実施の形態の相対湿度30%に限定されるものではなく、ボイドが生じることなく接合処理が行える湿度であれば任意に設定できる。
以上の実施の形態では、仕切板201を上チャック140側に設け、接合処理の際に下降するようにしたが、仕切板201の配置は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば下チャック141側に設け、接合処理の際に上昇させるようにしてもよい。
また、以上の実施の形態においては、仕切板201は環状に形状されていたが、接合処理の際に上ウェハWUと下ウェハWLの周囲を囲み、その内部に乾燥空気供給源からの乾燥空気により適切に一方向に向かう気流が形成されるものであれば、どのような形状であってもよく、例えば平面視における形状が矩形状であってもよい。
以上の実施の形態では、接合システム1は、接合装置41に加えて、ウェハWU、WLの表面WU1、WL1を改質する表面改質装置30と、表面WU1、WL1を親水化すると共に当該表面WU1、WL1を洗浄する表面親水化装置40も備えているので、一のシステム内でウェハWU、WLの接合を効率よく行うことができる。したがって、ウェハ接合処理のスループットをより向上させることができる。
以上の実施の形態の接合装置41では、上チャック140を処理容器100に固定し、且つ下チャック141を水平方向及び鉛直方向に移動させていたが、反対に上チャック140を水平方向及び鉛直方向に移動させ、且つ下チャック141を処理容器100に固定してもよい。或いは、上チャック140と下チャック141を共に水平方向及び鉛直方向に移動させてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。