JP6685153B2 - 接合装置および接合システム - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、接合装置および接合システムに関する。
従来、半導体ウェハ等の基板同士を接合する接合装置として、分子間力によって基板同士を接合する接合装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記した接合装置では、表面を改質および親水化させた2枚の基板が上下に対向するようにして、それぞれ保持部によって保持される。そして、接合装置は、大気圧雰囲気下において、上方の基板(以下、上側基板と記載する)の中心部をピンで押し下げて、下方の基板(以下、下側基板と記載する)の中心部に接触させる。これにより、まず、上側基板の中心部と下側基板の中心部とが分子間力によって接合され、さらに、接合領域が中心部から周縁部へ拡大していくことで、上側基板と下側基板とが全面で接合される。
特開2014−143366号公報
しかしながら、上記した従来技術においては、接合された上側基板と下側基板との間に気泡が発生することがあった。具体的には、上記のように接合領域が基板の中心部から周縁部へ拡大していく過程において、上側基板と下側基板との間の空気は圧縮され、かかる圧縮空気は周縁部側へ移動することとなる。
従来技術に係る保持部の周縁部分は大気圧雰囲気に開放されていることから、圧縮空気は、基板の周縁部付近へ到達すると圧力が急激に低下し、圧縮空気中の水分が結露することがある。かかる水分が例えば基板の周縁部に付着すると、付着した水分に起因して基板間の周縁部に気泡が発生することがあった。
実施形態の一態様は、接合された基板間に気泡が発生することを抑制することのできる接合装置および接合システムを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る接合装置は、第1保持部と、第2保持部と、壁部と、隙間とを備える。第1保持部は、下面側に第1基板を吸着保持する。第2保持部は、前記第1保持部の下方に設けられ、上面側に第2基板を前記第1基板に対向させて吸着保持する。壁部は、前記第1保持部と前記第2保持部との間において前記第1基板と前記第2基板との接合処理が行われる処理空間を囲むように形成される。隙間は、前記壁部によって囲まれた前記処理空間と前記壁部の外側の外部空間とを連通するとともに、前記第1基板と前記第2基板との接合処理時に生じる前記第1基板と前記第2基板との間の圧縮空気の出口となる前記壁部は、前記第1保持部から前記第2保持部へ向けて突出するように形成される第1壁部と、前記第2保持部から前記第1保持部へ向けて突出するように形成される第2壁部とを備える。前記隙間は、前記第1壁部の先端部と前記第2壁部の先端部との間に形成された隙間と、前記第1保持部において前記第1基板を吸着保持しない非吸着領域および前記第2保持部において前記第2基板を吸着保持しない非吸着領域の少なくともいずれかに形成された隙間とを含む。
実施形態の一態様によれば、接合された基板間に気泡が発生することを抑制することができる。
図1は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図である。 図2は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式側面図である。 図3は、第1基板および第2基板の模式側面図である。 図4は、接合装置の構成を示す模式平面図である。 図5は、接合装置の構成を示す模式側面図である。 図6は、位置調節機構の構成を示す模式側面図である。 図7は、反転機構の構成を示す模式平面図である。 図8は、反転機構の構成を示す模式側面図(その1)である。 図9は、反転機構の構成を示す模式側面図(その2)である。 図10は、保持アームおよび保持部材の構成を示す模式側面図である。 図11は、接合装置の内部構成を示す模式側面図である。 図12Aは、上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図(その1)である。 図12Bは、上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図(その2)である。 図13は、上チャックを下方から見た場合の模式平面図である。 図14は、下チャックを上方から見た場合の模式平面図である。 図15は、接合システムが実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。 図16Aは、接合装置の動作説明図(その1)である。 図16Bは、接合装置の動作説明図(その2)である。 図16Cは、接合装置の動作説明図(その3)である。 図16Dは、接合装置の動作説明図(その4)である。 図16Eは、接合装置の動作説明図(その5)である。 図16Fは、接合装置の動作説明図(その6)である。 図16Gは、接合装置の動作説明図(その7)である。 図16Hは、接合装置の動作説明図(その8)である。 図17は、第1変形例に係る上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図である。 図18は、第2変形例に係る上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する接合装置および接合システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.接合システムの構成>
まず、実施形態に係る接合システムの構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図であり、図2は、同模式側面図である。また、図3は、第1基板および第2基板の模式側面図である。
なお、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、図1,2等を含む各図面では、説明に必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略する場合がある。
図1に示す本実施形態に係る接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合基板Tを形成する(図3参照)。
第1基板W1は、例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板に複数の電子回路が形成された基板である。また、第2基板W2は、例えば電子回路が形成されていないベアウェハである。第1基板W1と第2基板W2とは、略同径を有する。なお、第2基板W2に電子回路が形成されていてもよい。
以下では、第1基板W1を「上ウェハW1」と記載し、第2基板W2を「下ウェハW2」、重合基板Tを「重合ウェハT」と記載する場合がある。
また、以下では、図3に示すように、上ウェハW1の板面のうち、下ウェハW2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、下ウェハW2の板面のうち、上ウェハW1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2および処理ステーション3は、X軸正方向に沿って、搬入出ステーション2および処理ステーション3の順番で並べて配置される。また、搬入出ステーション2および処理ステーション3は、一体的に接続される。
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(例えば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1,C2,C3がそれぞれ載置される。例えば、カセットC1は上ウェハW1を収容するカセットであり、カセットC2は下ウェハW2を収容するカセットであり、カセットC3は重合ウェハTを収容するカセットである。
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、この搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。搬送装置22は、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、載置板11に載置されたカセットC1〜C3と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬送を行う。
なお、載置板11に載置されるカセットC1〜C3の個数は、図示のものに限定されない。また、載置板11には、カセットC1,C2,C3以外に、不具合が生じた基板を回収するためのカセット等が載置されてもよい。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数の処理ブロック、例えば3つの処理ブロックG1,G2,G3が設けられる。例えば処理ステーション3の正面側(図1のY軸負方向側)には、第1処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のY軸正方向側)には、第2処理ブロックG2が設けられる。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のX軸負方向側)には、第3処理ブロックG3が設けられる。
第1処理ブロックG1には、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを改質する表面改質装置30が配置される。表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jにおけるSiO2の結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化されやすくするように当該接合面W1j,W2jを改質する。
なお、表面改質装置30では、例えば減圧雰囲気下において処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる酸素イオンが、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jに照射されることにより、接合面W1j,W2jがプラズマ処理されて改質される。
第2処理ブロックG2には、表面親水化装置40と、接合装置41とが配置される。表面親水化装置40は、例えば純水によって上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを親水化するとともに、接合面W1j,W2jを洗浄する。表面親水化装置40では、例えばスピンチャックに保持された上ウェハW1または下ウェハW2を回転させながら、当該上ウェハW1または下ウェハW2上に純水を供給する。これにより、上ウェハW1または下ウェハW2上に供給された純水が上ウェハW1または下ウェハW2の接合面W1j,W2j上を拡散し、接合面W1j,W2jが親水化される。
接合装置41は、親水化された上ウェハW1と下ウェハW2とを分子間力により接合する。かかる接合装置41の構成については、後述する。
第3処理ブロックG3には、図2に示すように、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのトランジション(TRS)装置50,51が下から順に2段に設けられる。
また、図1に示すように、第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
また、図1に示すように、接合システム1は、制御装置70を備える。制御装置70は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置70は、例えばコンピュータであり、図示しない制御部および記憶部を備える。記憶部には、接合処理等の各種処理を制御するプログラムや各種処理で用いられるデータなどが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラム等を読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置70の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
<2.接合装置の構成>
次に、接合装置41の構成について図4〜図11を参照して説明する。図4は、接合装置41の構成を示す模式平面図であり、図5は、同模式側面図である。また、図6は、位置調節機構210の構成を示す模式側面図である。また、図7は、反転機構220の構成を示す模式平面図であり、図8および図9は、同模式側面図(その1)および(その2)である。また、図10は、保持アーム221および保持部材222の構成を示す模式側面図であり、図11は、接合装置41の内部構成を示す模式側面図である。
図4に示すように、接合装置41は、内部を密閉可能な処理容器190を有する。なお、接合装置41では、例えば大気圧雰囲気下において後述する接合処理が行われることから、上記した処理容器190の内部の圧力は、大気圧に設定されている。
処理容器190の搬送領域60側の側面には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられる。
処理容器190の内部は、内壁193によって搬送領域T1と処理領域T2とに区画される。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成される。また、内壁193にも、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口194が形成される。
搬送領域T1のY軸負方向側には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを一時的に載置するためのトランジション200が設けられる。トランジション200は、例えば2段に形成され(図5参照)、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのいずれか2つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、搬送機構201が設けられる。搬送機構201は、例えば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。そして、搬送機構201は、搬送領域T1内、または搬送領域T1と処理領域T2との間で上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
搬送領域T1のY軸正方向側には、上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられる。位置調節機構210は、図6に示すように基台211と、上ウェハW1および下ウェハW2を吸着保持して回転させる保持部212と、上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出する検出部213とを有する。
かかる位置調節機構210では、保持部212に吸着保持された上ウェハW1および下ウェハW2を回転させながら検出部213で上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する。
また、搬送領域T1には、上ウェハW1の表裏面を反転させる反転機構220が設けられる。反転機構220は、図7〜図10に示すように上ウェハW1を保持する保持アーム221を有する。
保持アーム221は、水平方向に延在する。また保持アーム221には、上ウェハW1を保持する保持部材222が例えば4箇所に設けられる。保持部材222は、図10に示すように保持アーム221に対して水平方向に移動可能に構成されている。また保持部材222の側面には、上ウェハW1の外周部を保持するための切り欠き223が形成される。これら保持部材222は、上ウェハW1を挟み込んで保持することができる。
保持アーム221は、図7〜図9に示すように、例えばモータなどを備えた第1駆動部224に支持される。保持アーム221は、この第1駆動部224によって、水平軸周りに回動自在である。また保持アーム221は、第1駆動部224を中心に回動自在であるとともに、水平方向に移動自在である。
第1駆動部224の下方には、例えばモータなどを備えた第2駆動部225が設けられる。第1駆動部224は、この第2駆動部225によって、鉛直方向に延在する支持柱226に沿って鉛直方向に移動可能である。
このように、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224と第2駆動部225によって、水平軸周りに回動することができるとともに鉛直方向および水平方向に移動することができる。また、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224を中心に回動して、位置調節機構210から後述する上チャック230との間を移動することができる。
また、図5に示すように、処理領域T2には、上チャック230と下チャック231とが設けられる。上チャック230は、上ウェハW1を上方から吸着保持する。また、下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、下ウェハW2を下方から吸着保持する。
上チャック230は、図5に示すように、処理容器190の天井面に設けられた支持部材280に支持される。支持部材280には、下チャック231に保持された下ウェハW2の接合面W2jを撮像する上部撮像部281(図11参照)が設けられる。上部撮像部281は、上チャック230に隣接して設けられる。
また、図4、図5および図11に示すように、下チャック231は、当該下チャック231の下方に設けられた第1下チャック移動部290に支持される。第1下チャック移動部290は、後述するように下チャック231を水平方向(Y軸方向)に移動させる。また、第1下チャック移動部290は、下チャック231を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成される。
第1下チャック移動部290には、上チャック230に保持された上ウェハW1の接合面W1jを撮像する下部撮像部291が設けられている。下部撮像部291は、下チャック231に隣接して設けられる。
また、図4、図5および図11に示すように、第1下チャック移動部290は、当該第1下チャック移動部290の下面側に設けられ、水平方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール295に取り付けられる。第1下チャック移動部290は、レール295に沿って移動自在に構成される。
一対のレール295は、第2下チャック移動部296に設けられる。第2下チャック移動部296は、当該第2下チャック移動部296の下面側に設けられ、水平方向(X軸方向)に延伸する一対のレール297に取り付けられる。そして、第2下チャック移動部296は、レール297に沿って移動自在に、すなわち下チャック231を水平方向(X軸方向)に移動させるように構成される。なお、一対のレール297は、処理容器190の底面に設けられた載置台298上に設けられる。
次に、上チャック230および下チャック231の構成について図12A〜図14を参照して説明する。図12A,12Bは、上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図(その1)および(その2)である。また、図13は、上チャック230を下方から見た場合の模式平面図であり、図14は、下チャック231を上方から見た場合の模式平面図である。
図12Aに示すように、上チャック230は、平面視において少なくとも上ウェハW1より大きい径を有する略円盤状の本体部240を備える。上チャック230の本体部240は、複数、例えば3つの領域230a,230b,230cに区画される。
これら領域230a,230b,230cは、図13に示すように、上チャック230の中心部から周縁部(外周部)230eに向けてこの順で設けられる。領域230aは平面視において円形状を有し、領域230b,230cは平面視において環状形状を有する。なお、図12A,13等においては、理解の便宜のため、各領域230a,230b,230cの境界線を破線で示したが、かかる境界線の位置は例示であって限定されるものではない。
領域230a,230bには、図12Aに示すように上ウェハW1を吸着保持するための吸引管242a1,242a2,242bが設けられる。詳しくは、領域230aには吸引管242a1,242a2が設けられ、かかる吸引管242a1,242a2には真空ポンプ243aが接続される。また、領域230bには吸引管242bが設けられ、かかる吸引管242bには真空ポンプ243bが接続される。このように、上チャック230は、領域230a,230b毎に上ウェハW1の真空引きを設定可能に構成されている。
一方、領域230cは、上チャック230の周縁部230eを含む領域であり、また、吸引管等を備えず、上ウェハW1を吸着保持しない領域である。したがって、以下では、領域230a,230bを「吸着領域230a,230b」、領域230cを「非吸着領域230c」と記載する場合がある。
上チャック230の中心部には、当該上チャック230を厚み方向に貫通する貫通孔245が形成される。この上チャック230の中心部は、当該上チャック230に吸着保持される上ウェハW1の中心部W1aに対応している。そして、貫通孔245には、押動機構250の押動ピン251が挿通されている。
押動機構250は、上チャック230に吸着保持された上ウェハW1の中心部W1aを上方から押圧する。押動機構250は、例えばシリンダ構造を有しており、押動ピン251と押動ピン251が昇降する際のガイドとなる外筒252とを備える。押動ピン251は、例えばモータを内蔵した駆動部(図示せず)によって、貫通孔245を挿通して鉛直方向に昇降自在になっている。
また、上チャック230には、壁部260が形成されている。具体的には、壁部260は、上チャック230に吸着保持された上ウェハW1を取り囲むように設けられた環状形状または略環状形状の部材である。また、壁部260は、上チャック230の非吸着領域230cで、かつ周縁部230e付近において、上チャック230から下チャック231へ向けて突出するように形成されている。なお、壁部260の詳細な構成については、図12Bを用いて後述する。
下チャック231は、ピンチャック方式により下ウェハW2を吸着保持する。具体的には、図12Aに示すように、下チャック231は、平面視において少なくとも下ウェハW2より大きい径を有する略円盤状の本体部270を備える。
下チャック231の本体部270は、複数、例えば2つの領域231a,231bに区画される。これら領域231a,231bは、下チャック231の中心部から周縁部231eに向けてこの順で設けられる。そして、領域231aは平面視において円形状を有し、領域231bは平面視において環状形状を有する。なお、図12A,14等においては、理解の便宜のため、各領域231a,231bの境界線を破線で示したが、かかる境界線の位置は例示であって限定されるものではない。
本体部270の上面において領域231aには、下ウェハW2に接触する複数のピン271が設けられる。また、本体部270の上面において複数のピン271の外側には、下ウェハW2の周縁部W2bを支持する環状形状の外壁部272が設けられる。
また、領域231aには、下ウェハW2を吸着保持するための吸引管274が設けられ、かかる吸引管274には真空ポンプ275が接続される。したがって、下チャック231は、外壁部272の内側空間を真空ポンプ275により真空引きすることにより、かかる内側空間を減圧する。上記した外壁部272の内側空間の減圧により、下ウェハW2はピン271および外壁部272側に吸引され、よって下チャック231に下ウェハW2が吸着保持される。
上記した下チャック231にあっては、例えば複数のピン271の高さが均一とされることで、下チャック231の上面の平面度を小さくすることができる。また、例えば処理容器190(図4参照)内にパーティクルが存在する場合でも、隣り合うピン271の間隔を適切に設定することで、下チャック231の上面にパーティクルが付着することを抑制することができる。このように、下チャック231の上面を平坦にして(上面の平面度を小さくして)、下チャック231に保持された下ウェハW2の鉛直方向の歪みを抑制することができる。また、下ウェハW2は複数のピン271に支持されているので、下チャック231による下ウェハW2の真空引きを解除する際、下ウェハW2を下チャック231から剥がし易くすることができる。
下チャック231の領域231bは、下チャック231の周縁部231eを含む領域であり、また、上記したピン271等を備えず、下ウェハW2を吸着保持しない領域である。したがって、以下では、領域231aを「吸着領域231a」、領域231bを「非吸着領域231b」と記載する場合がある。
上記のように構成された上チャック230および下チャック231は、後述する接合処理が実行される前に、まず、保持された上ウェハW1と下ウェハW2とを近接させるように位置の調節が行われる。図12Bは、かかる位置調節が行われた後の上チャック230および下チャック231の様子を示している。
図12Bに示すように、上記した位置調節によって上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jとは、接合処理可能な距離まで近接される。このとき、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jとの離間距離daは所定の距離、例えば80μm〜200μmとされる。
また、上記した位置調節が行われると、上ウェハW1に設けられた壁部260は、下ウェハW2の非吸着領域231bに近接される。詳しくは、壁部260は、先端部260aが下ウェハW2の非吸着領域231bのうちの周縁部231e付近に近接するように位置される。
そのため、上ウェハW1と下ウェハW2との接合処理が行われる処理空間E1は、壁部260によって取り囲まれたような状態となる。すなわち、壁部260は、上チャック230と下チャック231との間において上ウェハW1と下ウェハW2との接合処理が行われる処理空間E1を囲むように形成される。
また、壁部260の先端部260aと下ウェハW2の非吸着領域231bとの間には、隙間265が形成される。隙間265は、壁部260によって囲まれた処理空間E1と壁部260の外側の外部空間E2とを連通する。
また、隙間265は、上ウェハW1と下ウェハW2との離間距離da以下の隙間である。詳しくは、隙間265の大きさは、壁部260の先端部260aと下チャック231との離間距離d1で表わされ、かかる離間距離d1が上ウェハW1と下ウェハW2との離間距離da以下となるように設定される(d1≦da)。なお、上記では、隙間265において離間距離d1が離間距離da以下となるようにしたが、これに限定されるものではない。
また、隙間265は、処理空間E1と外部空間E2とを連通する方向(図12Bの例では紙面横方向)において処理空間E1側から外部空間E2側までの距離d2が3mm以上(例えば5mm)となるように形成されている。なお、上記した隙間265の距離d2は、壁部260の壁厚に相当する。また、上記では、距離d2について具体的な数値を例に挙げたが、これに限定されるものではない。
なお、上記では、隙間265を壁部260の先端部260aと下ウェハW2との間に形成するようにしたが、これは例示であって限定されるものではなく、処理空間E1と外部空間E2とを連通できる形状であればよい。すなわち、例えば壁部260の先端部260aを下ウェハW2に当接させるとともに、壁部260に1つまたは2つ以上のスリットを隙間265として形成するように構成してもよい。
本実施形態に係る接合装置41にあっては、上記のように構成された壁部260および隙間265を備えることで、接合された上ウェハW1と下ウェハW2との間に気泡が発生することを抑制することができるが、これについては、図16E〜図16Gを用いて後述する。
<3.接合システムの表面改質装置、表面親水化装置、接合装置の具体的動作>
次に、以上のように構成された表面改質装置30、表面親水化装置40、接合装置41の具体的な動作について、図15〜図16Hを参照して説明する。
図15は、接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。また、図16A〜図16Hは、接合装置41の動作説明図(その1)〜(その8)である。なお、図15に示す各種の処理は、制御装置70による制御に基づいて実行される。
まず、複数枚の上ウェハW1を収容したカセットC1、複数枚の下ウェハW2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される(図1参照)。その後、搬送装置22によりカセットC1内の上ウェハW1が取り出され、処理ステーション3の第3処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが上ウェハW1の接合面W1jに照射されて、当該接合面W1jがプラズマ処理される。これにより、上ウェハW1の接合面W1jが改質される(ステップS101)。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハW1を回転させながら、当該上ウェハW1上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハW1の接合面W1j上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハW1の接合面W1jに水酸基(シラノール基)が付着して当該接合面W1jが親水化される。また、当該純水によって、上ウェハW1の接合面W1jが洗浄される(ステップS102)。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハW1は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される(図4参照)。そして位置調節機構210によって、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
その後、位置調節機構210から反転機構220の保持アーム221に上ウェハW1が受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム221を反転させることにより、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS104)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jが下方に向けられる。
その後、反転機構220の保持アーム221が、第1駆動部224を中心に回動して上チャック230の下方に移動する。そして、反転機構220から上チャック230に上ウェハW1が受け渡される。上ウェハW1は、上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS105)。
このとき、すべての真空ポンプ243a,243bを作動させ、上チャック230のすべての吸着領域230a,230bにおいて、上ウェハW1を真空引きしている(図12A参照)。上ウェハW1は、後述する下ウェハW2が接合装置41に搬送されるまで上チャック230で待機する。
上ウェハW1に上述したステップS101〜S105の処理が行われている間、下ウェハW2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の下ウェハW2が取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される(図1参照)。
次に、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS106)。なお、ステップS106における下ウェハW2の接合面W2jの改質は、上述したステップS101と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化されるとともに当該接合面W2jが洗浄される(ステップS107)。なお、ステップS107における下ウェハW2の接合面W2jの親水化および洗浄は、上述したステップS102と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハW2は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される(図4参照)。そして位置調節機構210によって、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS108)。
その後、下ウェハW2は、搬送機構201によって下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS109)。このとき、真空ポンプ275を作動させ、下チャック231の吸着領域231aにおいて、下ウェハW2を真空引きしている(図12A参照)。そして、下ウェハW2の接合面W2jが上方を向くように、当該下ウェハW2の非接合面W2nが下チャック231に吸着保持される。
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS110)。
なお、位置調節に先立っては、図16Aに示すように、上ウェハW1の接合面W1jには予め定められた複数、例えば3点の基準点A1〜A3が設定され、同様に下ウェハW2の接合面W2jには予め定められた複数、例えば3点の基準点B1〜B3が設定される。これら基準点A1〜A3,B1〜B3としては、例えば上ウェハW1および下ウェハW2上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。なお、基準点の数は任意に設定可能である。
まず、図16Aに示すように、上部撮像部281および下部撮像部291の水平方向位置の調節を行う。具体的には、下部撮像部291が上部撮像部281の略下方に位置するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させる。そして、上部撮像部281と下部撮像部291とで共通のターゲットXを確認し、上部撮像部281と下部撮像部291の水平方向位置が一致するように、下部撮像部291の水平方向位置が微調節される。
次に、図16Bに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させた後、上チャック230と下チャック231の水平方向位置の調節を行う。
具体的には、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させながら、上部撮像部281を用いて下ウェハW2の接合面W2jの基準点B1〜B3を順次撮像する。同時に、下チャック231を水平方向に移動させながら、下部撮像部291を用いて上ウェハW1の接合面W1jの基準点A1〜A3を順次撮像する。なお、図16Bは上部撮像部281によって下ウェハW2の基準点B1を撮像するとともに、下部撮像部291によって上ウェハW1の基準点A1を撮像する様子を示している。
撮像された画像データは、制御装置70に出力される。制御装置70では、上部撮像部281で撮像された画像データと下部撮像部291で撮像された画像データとに基づいて、上ウェハW1の基準点A1〜A3と下ウェハW2の基準点B1〜B3とがそれぞれ合致するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231の水平方向位置を調節させる。こうして上チャック230と下チャック231の水平方向位置が調節され、上ウェハW1と下ウェハW2の水平方向位置が調節される。
次に、図16Cに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させて、上チャック230と下チャック231の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節を行う(ステップS111)。
図16Dは、上述したステップS111までの処理が終わった後の上チャック230、上ウェハW1、下チャック231および下ウェハW2の様子を示している。図16Dに示すように、上ウェハW1は、上チャック230のすべての吸着領域230a,230bにおいて真空引きされて保持され、下ウェハW2も下チャック231の吸着領域231aにおいて真空引きされて保持されている。
次に、上ウェハW1と下ウェハW2とを大気圧雰囲気下において分子間力により接合する接合処理が行われる。上記で大気圧雰囲気下としたが、必ずしも大気圧と同一であることを要さず、大気圧に対し、例えば±10kPaの圧力範囲を含んでいてもよい。
接合処理では、具体的には、真空ポンプ243aの作動を停止して、図16Eに示すように、吸着領域230aにおける吸引管242a1,242a2からの上ウェハW1の真空引きを停止する。このとき、吸着領域230bでは、上ウェハW1が真空引きされて吸着保持されている。その後、押動機構250の押動ピン251を下降させることによって、上ウェハW1の中心部W1aを押圧しながら当該上ウェハW1を下降させる。このとき、押動ピン251には、上ウェハW1がない状態で当該押動ピン251が70μm移動するような荷重、例えば200gがかけられる。このように、押動機構250の押動ピン251によって、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを当接させて押圧する(ステップS112)。
そうすると、押圧された上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとの間で接合が開始される(図16E中の太線部)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jとはそれぞれステップS101,S106において改質されているため、まず、接合面W1j,W2j間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面W1j,W2j同士が接合される。さらに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS102,S107において親水化されているため、接合面W1j,W2j間の親水基が水素結合し、接合面W1j,W2j同士が強固に接合される。
その後、接合面W1j,W2j間のファンデルワールス力と水素結合による接合領域は、上ウェハW1および下ウェハW2の中心部W1a,W2aから周縁部W1b,W2bへ拡大していく。この接合領域が拡大していく過程において、上ウェハW1と下ウェハW2との間の空気は圧縮され、かかる圧縮空気は、矢印F1で示すように、周縁部W1b,W2b側へ移動することとなる。
次いで、図16Fに示すように、押動ピン251によって上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとを押圧した状態で、真空ポンプ243bの作動を停止して、吸着領域230bにおける吸引管242bからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
そうすると、吸着領域230bに保持されていた上ウェハW1の周縁部W1bが下ウェハW2の周縁部W2b上に落下する。このように、上ウェハW1の中心部W1aから周縁部W1bに向けて、上ウェハW1の真空引きを段階的に停止し、上ウェハW1が下ウェハW2上に段階的に落下して当接する。
上記のように、上ウェハW1の周縁部W1bが下ウェハW2の周縁部W2bに向けて落下すると、上ウェハW1と下ウェハW2との間の圧縮空気は、矢印F2で示すように、周縁部W1b,W2bから外側へ押し出される。
上ウェハW1には処理空間E1を囲む壁部260が形成されるとともに、壁部260と下ウェハW2との間に隙間265が形成されていることから、周縁部W1b,W2bから押し出された圧縮空気は、処理空間E1を通過した後、隙間265から外部空間E2へ逃げることとなる。
ここで、例えば仮に、壁部260および隙間265が形成されない構成であった場合、上チャック230および下チャック231の周縁部230e,231eは、大気圧雰囲気の外部空間E2に直接開放される。そのため、圧縮空気は、各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2bに到達したときに圧力が急激に低下し、圧縮空気中の水分が結露することがある。かかる水分が各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2bに付着すると、接合後の上ウェハW1と下ウェハW2との間に、付着した水分に起因した気泡が発生することがあった。
本実施形態では、圧縮空気は、壁部260によって囲まれた処理空間E1を通過した後、隙間265を通って外部空間E2へ逃げるため、各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2bに到達した時点では圧力は急激に低下し難い、言い換えると、結露が発生し難い。
また、隙間265は外部空間E2に連通されて開放されることから、圧縮空気は、隙間265を通って外部空間E2へ逃げるときに、圧力が比較的大きく低下する。そのため、隙間265付近で圧縮空気の水分が結露することがある。かかる場合であっても、結露した水分H(図16G参照)は、例えば下チャック231において隙間265を形成する周縁部231e付近に付着するため、気泡の原因となることはない。なお、結露した水分Hは、微量であり自然に蒸発することから、以後の接合処理に影響を与えることもない。
このように、本実施形態に係る接合装置41にあっては、壁部260および隙間265を備えることで、隙間265付近で結露し易くし、その結果として各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2b付近での結露の発生を抑制することができる。これにより、本実施形態では、接合後の上ウェハW1と下ウェハW2との間に、水分に起因した気泡が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態にあっては、圧縮空気の出口である隙間265を、上ウェハW1と下ウェハW2との離間距離da以下の隙間とした(d1≦da。図12B参照)。これにより、圧縮空気は、上ウェハW1と下ウェハW2との間より狭い隙間265、または上ウェハW1と下ウェハW2との間と同じ大きさの隙間265を通ることとなる。そのため、圧縮空気においては、圧力を維持あるいは僅かに上昇させた状態で、各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2bから隙間265まで流れて外部空間E2へ逃がすことが可能となる。これにより、本実施形態にあっては、圧縮空気の圧力が周縁部W1b,W2b付近で急激に低下して結露が発生することを効果的に抑制することができる。
また、隙間265は、上記したように、処理空間E1側から外部空間E2側までの距離d2が3mm以上となるように形成される(図12B参照)。これについて説明すると、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、接合装置41において壁部260および隙間265を備えない構成の場合、接合された各ウェハW1,W2において、周縁部W1b,W2bから中心部W1a,W2a側へ3mmまでの間に比較的多くの気泡が生じているという知見を得た。
したがって、本実施形態に係る接合装置41では、上記した知見に基づき、隙間265の距離d2が3mm以上に設定されるようにした。これにより、隙間265においては、結露の生じ易い距離d2を十分に確保することが可能となり、よって隙間265付近でより一層結露し易くすることができる。この結果として、各ウェハW1,W2の周縁部W1b,W2b付近での結露がより発生し難くなり、接合後の上ウェハW1と下ウェハW2との間に気泡が発生することを効果的に抑制することができる。
接合処理の説明を続けると、上記したように、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jとの接合領域は、中心部W1a,W2aから周縁部W1b,W2bに向けて順次拡がる。こうして、図16Gに示すように上ウェハW1と下ウェハW2とが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2とが接合される(ステップS113)。
その後、図16Hに示すように、押動ピン251を上チャック230まで上昇させる。また、下チャック231において吸引管274からの下ウェハW2の真空引きを停止して、下チャック231による下ウェハW2の吸着保持を解除する。これにより、接合装置41での接合処理が終了する。
上ウェハW1と下ウェハW2との接合によって得られた重合ウェハTは、搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後、搬入出ステーション2の搬送装置22によって所定の載置板11のカセットC3に搬送される(図1参照)。こうして、一連の基板処理が終了する。
上述してきたように、実施形態に係る接合装置41は、上チャック230(第1保持部の一例)と、下チャック231(第2保持部の一例)と、壁部260と、隙間265とを備える。上チャック230は、下面側に上ウェハW1(第1基板の一例)を保持する。下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、上面側に下ウェハW2(第2基板の一例)を上ウェハW1に対向させて保持する。
壁部260は、上チャック230と下チャック231との間において上ウェハW1と下ウェハW2との接合処理が行われる処理空間E1を囲むように形成される。隙間265は、壁部260によって囲まれた処理空間E1と壁部260の外側の外部空間E2とを連通する。これにより、接合された上ウェハW1と下ウェハW2との間に気泡が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態に係る接合装置41において、壁部260は、上チャック230から下チャック231へ向けて突出するように形成され、隙間265は、壁部260の先端部260aと下チャック231との間に形成された隙間であるようにした。これにより、本実施形態にあっては、圧縮空気の出口となる隙間265を、簡易な構成で形成することができる。
<4.第1変形例>
次に、第1変形例に係る接合装置について説明する。第1変形例および後述する第2変形例では、壁部260および隙間265が形成される位置を、上記した実施形態に対して変更するようにした。
図17は、第1変形例に係る上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図である。なお、以下においては、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図17に示すように、第1変形例に係る接合装置において、壁部260は、下チャック231に形成される。具体的には、壁部260は、下チャック231の非吸着領域231bで、かつ周縁部231e付近において、下チャック231から上チャック230へ向けて突出するように形成される。
そして、隙間265は、下チャック231に設けられた壁部260の先端部260aと上チャック230の非吸着領域230cとの間に形成される。
第1変形例にあっては、壁部260および隙間265を上記のように構成することで、圧縮空気の出口となる隙間265を、簡易に形成することができる。
また、壁部260は、下チャック231の周縁部231eに形成されることから、下ウェハW2や接合後の重合ウェハTが下チャック231から大きくずれて飛び出したり、滑落したりすることを防止することができる。すなわち、第1変形例に係る壁部260は、ストッパ部材として機能することができる。なお、残余の効果は従前の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
<5.第2変形例>
次に、第2変形例に係る接合装置について図18を参照して説明する。図18は、第2変形例に係る上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図である。
図18に示すように、第2変形例に係る接合装置において、壁部260は、第1壁部261と、第2壁部262とを備える。第1壁部261は、上チャック230の非吸着領域230cで、かつ周縁部230e付近において、上チャック230から下チャック231へ向けて突出するように形成される。
第2壁部262は、下チャック231において、上チャック230に形成された第1壁部261と対応する位置に形成される。詳しくは、第2壁部262は、下チャック231の非吸着領域231bで、かつ周縁部231e付近において、下チャック231から上チャック230へ向けて突出するように形成される。
そして、隙間265は、第1壁部261の先端部261aと第2壁部262の先端部262aとの間に形成される。なお、図18に示す例では、第1壁部261および第2壁部262において、上下方向の高さが同じになるようにしたが、これに限られず、高さが異なるように構成してもよい。
第2変形例にあっては、第1、第2壁部261,262および隙間265を上記のように構成することで、圧縮空気の出口となる隙間265を、簡易に形成することができる。
また、第2壁部262は、下チャック231の周縁部231eに形成されることから、下ウェハW2や接合後の重合ウェハTが下チャック231から大きくずれて飛び出したり、滑落したりすることを防止することができる。すなわち、第2変形例に係る第2壁部262は、ストッパ部材として機能することができる。なお、残余の効果は従前の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
なお、上記した実施形態および各変形例にあっては、隙間265が例えば先端部260a,261a,262aなど壁部260の一部を用いて形成されるようにしたが、これに限定されるものではない。
すなわち、隙間265は、上記した処理空間E1と外部空間E2とを連通して圧縮空気の出口として機能すればよく、例えば図18に想像線で示すように、上チャック230の非吸着領域230cや下チャック231の非吸着領域231bに形成されるようにしてもよい。なお、図18では、上チャック230に形成された隙間を符号265a、下チャック231に形成された隙間を符号265bで示した。
また、上記した隙間265a,265bが形成される場合、壁部260側には隙間265が形成されないようにしてもよい。なお、上記した隙間265a,265bは、両方形成されても、いずれか一方のみ形成されてもよい。
また、上記では、壁部260が、上チャック230や下チャック231から連続して一体的に形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば壁部260と上チャック230、または、壁部260と下チャック231とが別体に形成されていてもよい。
また、上チャック230および下チャック231における吸着機構の構成は、上ウェハW1や下ウェハW2を吸引して吸着するバキュームチャック方式やピンチャック方式に限られるものではない。すなわち、上チャック230および下チャック231として、例えば静電吸着により上ウェハW1や下ウェハW2を吸着保持する静電チャックを用いてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 接合システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
30 表面改質装置
40 表面親水化装置
41 接合装置
70 制御装置
230 上チャック(第1保持部)
231 下チャック(第2保持部)
260 壁部
261 第1壁部
262 第2壁部
265,265a,265b 隙間
E1 処理空間
E2 外部空間
W1 上ウェハ
W2 下ウェハ

Claims (4)

  1. 下面側に第1基板を吸着保持する第1保持部と、
    前記第1保持部の下方に設けられ、上面側に第2基板を前記第1基板に対向させて吸着保持する第2保持部と、
    前記第1保持部と前記第2保持部との間において前記第1基板と前記第2基板との接合処理が行われる処理空間を囲むように形成される壁部と、
    前記壁部によって囲まれた前記処理空間と前記壁部の外側の外部空間とを連通するとともに、前記第1基板と前記第2基板との接合処理時に生じる前記第1基板と前記第2基板との間の圧縮空気の出口となる隙間と
    を備え
    前記壁部は、
    前記第1保持部から前記第2保持部へ向けて突出するように形成される第1壁部と、
    前記第2保持部から前記第1保持部へ向けて突出するように形成される第2壁部と
    を備え、
    前記隙間は、
    前記第1壁部の先端部と前記第2壁部の先端部との間に形成された隙間と、
    前記第1保持部において前記第1基板を吸着保持しない非吸着領域および前記第2保持部において前記第2基板を吸着保持しない非吸着領域の少なくともいずれかに形成された隙間と
    を含むことを特徴とする接合装置。
  2. 前記隙間は、
    前記第1基板と前記第2基板との離間距離以下の隙間であること
    を特徴とする請求項1に記載の接合装置。
  3. 前記隙間は、
    前記処理空間と前記外部空間とを連通する方向において前記処理空間側から前記外部空間側までの距離が3mm以上となるように形成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の接合装置。
  4. 第1基板および第2基板の接合される表面を改質する表面改質装置と、
    改質された前記第1基板および前記第2基板の表面を親水化する表面親水化装置と、
    親水化された前記第1基板と前記第2基板とを分子間力により接合する接合装置と
    を備え、
    前記接合装置は、
    下面側に前記第1基板を吸着保持する第1保持部と、
    前記第1保持部の下方に設けられ、上面側に前記第2基板を前記第1基板に対向させて吸着保持する第2保持部と、
    前記第1保持部と前記第2保持部との間において前記第1基板と前記第2基板との接合処理が行われる処理空間を囲むように形成される壁部と、
    前記壁部によって囲まれた前記処理空間と前記壁部の外側の外部空間とを連通するとともに、前記第1基板と前記第2基板との接合処理時に生じる前記第1基板と前記第2基板との間の圧縮空気の出口となる隙間と
    を備え
    前記壁部は、
    前記第1保持部から前記第2保持部へ向けて突出するように形成される第1壁部と、
    前記第2保持部から前記第1保持部へ向けて突出するように形成される第2壁部と
    を備え、
    前記隙間は、
    前記第1壁部の先端部と前記第2壁部の先端部との間に形成された隙間と、
    前記第1保持部において前記第1基板を吸着保持しない非吸着領域および前記第2保持部において前記第2基板を吸着保持しない非吸着領域の少なくともいずれかに形成された隙間と
    を含むことを特徴とする接合システム。
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