JP6182476B2 - 気泡除去装置、気泡除去方法および接合システム - Google Patents

気泡除去装置、気泡除去方法および接合システム Download PDF

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開示の実施形態は、気泡除去装置、気泡除去方法および接合システムに関する。
従来、半導体装置の製造工程において、2枚の基板を接合して重合基板を製作する接合処理が行われる場合がある。たとえば、裏面照射型の撮像素子を備えた半導体装置を製造する場合、フォトダイオード等の半導体素子が形成された第1基板に対して第2基板を接合する接合処理が行われる。
ところで、上述した第1基板と第2基板とを接合する手法として、分子間力を利用するものが知られている。たとえば特許文献1に記載される接合システムは、第1、第2基板の接合される接合面を親水化する表面親水化装置と、表面親水化装置によって接合面が親水化された基板同士を接合する接合装置とを備える。かかる接合システムの接合装置では、第1、第2基板を一端から他端に向けて段階的に接触させ、これにより、第1基板と第2基板とをファンデルワールス力および水素結合(分子間力)によって接合する。
特開2011−187716号公報
しかしながら、上述した接合システムにおいては、接合された基板(重合基板)の周縁部における接合面間に気泡が発生することがあった。
すなわち、たとえば上述した接合システムでは、各基板を一端から他端に向けて段階的に接触させて接合している。そのため、基板間に存在する空気は、基板の段階的な接合に伴って他端側へ押し出されていき、最終的には基板の他端から外方へ向けて排出される。しかしながら、たとえば空気が外方へ排出される前に他端側の周縁部が接触して接合されると、空気が他端側の周縁部の接合面間に気泡として残ることがあった。
実施形態の一態様は、第1基板と第2基板とが分子間力によって接合された重合基板の周縁部において接合面間に生じた気泡を除去することのできる気泡除去装置、気泡除去方法および接合システムを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る気泡除去装置は、基板保持部と、挿入部と、気泡検出部と、制御部とを備える。基板保持部は、第1基板と第2基板とが分子間力によって接合された重合基板を保持する。挿入部は、前記基板保持部で保持された前記重合基板における前記第1基板と前記第2基板との接合面間に挿入可能に構成される。気泡検出部は、前記接合面間に生じた気泡を検出する。制御部は、少なくとも前記気泡検出部で気泡が検出された位置の前記接合面間に前記挿入部を挿入し、その後前記挿入部を前記接合面間から抜き出す処理を行う。また、前記気泡検出部は、前記重合基板の上方に位置された所定の測定基準位置から前記重合基板の上側の基板の周縁部までの距離を計測する距離計測部を含むように構成される。
実施形態の一態様によれば、第1基板と第2基板とが分子間力によって接合された重合基板の周縁部において接合面間に生じた気泡を除去することができる。
図1は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図である。 図2は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式側面図である。 図3は、上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。 図4は、接合装置の構成を示す模式平面図である。 図5は、接合装置の構成を示す模式側面図である。 図6は、位置調節機構の構成を示す模式側面図である。 図7は、反転機構の構成を示す模式平面図である。 図8は、反転機構の構成を示す模式側面図である。 図9は、反転機構の構成を示す模式側面図である。 図10は、保持アームおよび保持部材の構成を示す模式側面図である。 図11は、接合装置の内部構成を示す模式側面図である。 図12は、上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図である。 図13は、上チャックを下方から見た場合の模式平面図である。 図14は、下チャックを上方から見た場合の模式平面図である。 図15は、接合システムが実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。 図16Aは、接合装置の動作説明図である。 図16Bは、接合装置の動作説明図である。 図16Cは、接合装置の動作説明図である。 図16Dは、接合装置の動作説明図である。 図16Eは、接合装置の動作説明図である。 図16Fは、接合装置の動作説明図である。 図16Gは、接合装置の動作説明図である。 図16Hは、接合装置の動作説明図である。 図17は、接合された上ウェハと下ウェハ(重合ウェハ)の一例を示す模式平面図である。 図18は、気泡除去装置の構成を示す模式側面図である。 図19は、接合システムが実行する気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。 図20Aは、気泡除去装置の動作説明図である。 図20Bは、気泡除去装置の動作説明図である。 図20Cは、気泡除去装置の動作説明図である。 図20Dは、気泡除去装置の動作説明図である。 図20Eは、気泡除去装置の動作説明図である。 図21は、第1変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。 図22は、第2変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。 図23は、第3変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する気泡除去装置、気泡除去方法および接合システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.接合システムの構成>
まず、実施形態に係る接合システムの構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図であり、図2は、同模式側面図である。また、図3は、上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示す本実施形態に係る接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを(図3参照)を接合することによって重合基板Tを形成する。
第1基板W1は、たとえばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板に複数の電子回路が形成された基板である。また、第2基板W2は、たとえば電子回路が形成されていないベアウェハである。第1基板W1と第2基板W2とは、略同径を有する。なお、第2基板W2に電子回路が形成されていてもよい。
以下では、第1基板W1を「上ウェハW1」と記載し、第2基板W2を「下ウェハW2」、重合基板Tを「重合ウェハT」と記載する。
また、以下では、図3に示すように、上ウェハW1の板面のうち、下ウェハW2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、下ウェハW2の板面のうち、上ウェハW1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2および処理ステーション3は、X軸正方向に沿って、搬入出ステーション2および処理ステーション3の順番で並べて配置される。また、搬入出ステーション2および処理ステーション3は、一体的に接続される。
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1,C2,C3がそれぞれ載置される。カセットC1は上ウェハW1を収容するカセットであり、カセットC2は下ウェハW2を収容するカセットであり、カセットC3は重合ウェハTを収容するカセットである。
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、この搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。搬送装置22は、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、載置板11に載置されたカセットC1〜C3と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬送を行う。
なお、載置板11に載置されるカセットC1〜C3の個数は、図示のものに限定されない。また、載置板11には、カセットC1,C2,C3以外に、不具合が生じた基板を回収するためのカセット等が載置されてもよい。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数たとえば3つの処理ブロックG1,G2,G3が設けられる。たとえば処理ステーション3の正面側(図1のY軸負方向側)には、第1処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のY軸正方向側)には、第2処理ブロックG2が設けられる。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のX軸負方向側)には、第3処理ブロックG3が設けられる。
第1処理ブロックG1には、表面改質装置30と、気泡除去装置31とが配置される。表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを改質する。詳しくは、表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jにおけるSiO2の結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化されやすくするように当該接合面W1j,W2jを改質する。
なお、表面改質装置30では、たとえば減圧雰囲気下において処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる酸素イオンが、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jに照射されることにより、接合面W1j,W2jがプラズマ処理されて改質される。
気泡除去装置31は、後述する接合装置で接合された重合ウェハTの周縁部において、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jとの間に生じた気泡(エッジボイド)を除去する。気泡除去装置31の構成については、後述する。
なお、図1で示した気泡除去装置31の配置位置は、例示であって限定されるものではない。すなわち、たとえば第2処理ブロックG2や第3処理ブロックG3に気泡除去装置31を配置してもよい。さらには、たとえば処理ステーション3のX軸正方向側の位置や、搬入出ステーション2と処理ステーション3との間に新たなステーションを設け、その新たなステーションに気泡除去装置31を配置するようにしてもよい。
第2処理ブロックG2には、表面親水化装置40と、接合装置41とが配置される。表面親水化装置40は、たとえば純水などの親水化処理液によって上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを親水化するとともに、接合面W1j,W2jを洗浄する。表面親水化装置40では、たとえばスピンチャックに保持された上ウェハW1または下ウェハW2を回転させながら、当該上ウェハW1または下ウェハW2上に純水を供給する。これにより、上ウェハW1または下ウェハW2上に供給された純水が上ウェハW1または下ウェハW2の接合面W1j,W2j上を拡散し、接合面W1j,W2jが親水化される。接合装置41は、上ウェハW1および下ウェハW2を接合する。接合装置41の構成については、後述する。
第3処理ブロックG3には、図2に示すように、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのトランジション装置50,51が下から順に2段に設けられる。
図1に示すように、第1処理ブロックG1〜第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
また、図1に示すように、接合システム1は、制御装置300を備える。制御装置300は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置300は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部および記憶部を備える。記憶部には、接合処理や気泡除去処理等の各種処理を制御するプログラムや各種処理で用いられるデータなどが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムなどを読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置300の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
<2.接合装置の構成>
まず、接合装置41の構成について図4〜図11を参照して説明する。図4は、接合装置41の構成を示す模式平面図であり、図5は、同模式側面図である。また、図6は、位置調節機構の構成を示す模式側面図である。また、図7は、反転機構の構成を示す模式平面図であり、図8および図9は、同模式側面図であり、図10は、保持アームおよび保持部材の構成を示す模式側面図である。また、図11は、接合装置の内部構成を示す模式側面図である。
図4に示すように、接合装置41は、内部を密閉可能な処理容器190を有する。処理容器190の搬送領域60側の側面には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられる。
処理容器190の内部は、内壁193によって搬送領域T1と処理領域T2に区画される。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成される。また、内壁193にも、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口194が形成される。
搬送領域T1のY軸負方向側には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを一時的に載置するためのトランジション200が設けられる。トランジション200は、たとえば2段に形成され、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのいずれか2つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、搬送機構201が設けられる。搬送機構201は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。そして、搬送機構201は、搬送領域T1内、または搬送領域T1と処理領域T2との間で上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
搬送領域T1のY軸正方向側には、上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられる。位置調節機構210は、図6に示すように基台211と、上ウェハW1および下ウェハW2を吸着保持して回転させる保持部212と、上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出するノッチ部検出部213とを有する。
かかる位置調節機構210では、保持部212に吸着保持された上ウェハW1および下ウェハW2を回転させながらノッチ部検出部213で上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する。
また、搬送領域T1には、上ウェハW1の表裏面を反転させる反転機構220が設けられる。反転機構220は、図7〜図10に示すように上ウェハW1を保持する保持アーム221を有する。
保持アーム221は、水平方向に延在する。また保持アーム221には、上ウェハW1を保持する保持部材222がたとえば4箇所に設けられる。保持部材222は、図10に示すように保持アーム221に対して水平方向に移動可能に構成されている。また保持部材222の側面には、上ウェハW1の周縁部を保持するための切り欠き223が形成される。これら保持部材222は、上ウェハW1を挟み込んで保持することができる。
保持アーム221は、図7〜図9に示すように、たとえばモータなどを備えた第1の駆動部224に支持される。この第1の駆動部224によって、保持アーム221は水平軸周りに回動自在である。また保持アーム221は、第1の駆動部224を中心に回動自在であるとともに、水平方向に移動自在である。
第1の駆動部224の下方には、たとえばモータなどを備えた第2の駆動部225が設けられる。この第2の駆動部225によって、第1の駆動部224は鉛直方向に延在する支持柱226に沿って鉛直方向に移動可能である。
このように、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1の駆動部224と第2の駆動部225によって水平軸周りに回動することができるとともに、鉛直方向および水平方向に移動することができる。また、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1の駆動部224を中心に回動して、位置調節機構210から後述する上チャック230との間を移動することができる。
図5に示すように、処理領域T2には、上チャック230と下チャック231とが設けられる。上チャック230は、上ウェハW1を上方から吸着保持する。また、下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、下ウェハW2を下方から吸着保持する。
上チャック230は、図5に示すように、処理容器190の天井面に設けられた支持部材280に支持される。
支持部材280には、下チャック231に保持された下ウェハW2の接合面W2jを撮像する上部撮像部281(図11参照)が設けられる。上部撮像部281は、上チャック230に隣接して設けられる。
図4、図5および図11に示すように、下チャック231は、当該下チャック231の下方に設けられた第1の下チャック移動部290に支持される。第1の下チャック移動部290は、後述するように下チャック231を水平方向(Y軸方向)に移動させる。また、第1の下チャック移動部290は、下チャック231を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成される。
第1の下チャック移動部290には、上チャック230に保持された上ウェハW1の接合面W1jを撮像する下部撮像部291が設けられている。下部撮像部291は、下チャック231に隣接して設けられる。
図4、図5および図11に示すように、第1の下チャック移動部290は、当該第1の下チャック移動部290の下面側に設けられ、水平方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール295,295に取り付けられる。第1の下チャック移動部290は、レール295に沿って移動自在に構成される。
一対のレール295,295は、第2の下チャック移動部296に設けられる。第2の下チャック移動部296は、当該第2の下チャック移動部296の下面側に設けられ、水平方向(X軸方向)に延伸する一対のレール297,297に取り付けられる。そして、第2の下チャック移動部296は、レール297に沿って移動自在に、すなわち下チャック231を水平方向(X軸方向)に移動させるように構成される。なお、一対のレール297,297は、処理容器190の底面に設けられた載置台298上に設けられる。
次に、上チャック230と下チャック231の構成について図12〜図14を参照して説明する。図12は、上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図である。また、図13は、上チャック230を下方から見た場合の模式平面図であり、図14は、下チャック231を上方から見た場合の模式平面図である。
図12に示すように、上チャック230は、複数、たとえば3つの領域230a、230b、230cに区画される。これら領域230a、230b、230cは、図13に示すように、上チャック230の中心部から周縁部(外周部)に向けてこの順で設けられる。領域230aは平面視において円形状を有し、領域230b、230cは平面視において環状形状を有する。
各領域230a、230b、230cには、図12に示すように上ウェハW1を吸着保持するための吸引管240a、240b、240cがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管240a、240b、240cには、異なる真空ポンプ241a、241b、241cがそれぞれ接続される。このように、上チャック230は、各領域230a、230b、230c毎に上ウェハW1の真空引きを設定可能に構成されている。
なお、以下において、上述した3つの領域230a、230b、230cを、それぞれ第1領域230a、第2領域230b、第3領域230cという場合がある。また、吸引管240a、240b、240cを、それぞれ第1吸引管240a、第2吸引管240b、第3吸引管240cという場合がある。さらに、真空ポンプ241a、241b、241cを、それぞれ第1真空ポンプ241a、第2真空ポンプ241b、第3真空ポンプ241cという場合がある。
上チャック230の内部には、上ウェハW1を加熱する第1加熱機構242が設けられる。第1加熱機構242には、たとえばヒータが用いられる。なお、上チャック230は、必ずしも第1加熱機構242を備えることを要しない。
上チャック230の中心部には、当該上チャック230を厚み方向に貫通する貫通孔243が形成される。この上チャック230の中心部は、当該上チャック230に吸着保持される上ウェハW1の中心部W1aに対応している。そして、貫通孔243には、後述する押動部材250の押動ピン251が挿通するようになっている。
上チャック230の上面には、上ウェハW1の中心部を押圧する押動部材250が設けられる。押動部材250は、シリンダ構造を有し、押動ピン251と当該押動ピン251が昇降する際のガイドとなる外筒252とを有する。押動ピン251は、たとえばモータを内蔵した駆動部(図示せず)によって、貫通孔243を挿通して鉛直方向に昇降自在になっている。そして、押動部材250は、後述する上ウェハW1および下ウェハW2の接合時に、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとを当接させて押圧することができる。
下チャック231は、図14に示すように、複数、たとえば2つの領域231a、231bに区画される。これら領域231a、231bは、下チャック231の中心部から周縁部に向けてこの順で設けられる。そして、領域231aは平面視において円形状を有し、領域231bは平面視において環状形状を有する。
各領域231a、231bには、図12に示すように下ウェハW2を吸着保持するための吸引管260a、260bがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管260a、260bには、異なる真空ポンプ261a、261bがそれぞれ接続される。このように、下チャック231は、各領域231a、231b毎に下ウェハW2の真空引きを設定可能に構成されている。
下チャック231の内部には、下ウェハW2を加熱する第2加熱機構262が設けられる。第2加熱機構262には、たとえばヒータが用いられる。なお、下チャック231は、必ずしも第2加熱機構262を備えることを要しない。
下チャック231の周縁部には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTが当該下チャック231から飛び出したり、滑落したりするのを防止するストッパ部材263が複数箇所、たとえば5箇所に設けられる。なお、ストッパ部材263は、その頂部が少なくとも下チャック231上の重合ウェハTよりも上方に位置するように鉛直方向に延在する。
<3.接合システムの表面改質装置、表面親水化装置、接合装置の具体的動作>
次に、以上のように構成された表面改質装置30、表面親水化装置40、接合装置41の具体的な動作について図15〜図16Hを参照して説明する。
図15は、接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。また、図16A〜図16Hは、接合装置41の動作説明図である。なお、図15に示す各種の処理は、制御装置300による制御に基づいて実行される。
まず、複数枚の上ウェハW1を収容したカセットC1、複数枚の下ウェハW2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される。その後、搬送装置22によりカセットC1内の上ウェハW1が取り出され、処理ステーション3の第3処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが上ウェハW1の接合面W1jに照射されて、当該接合面W1jがプラズマ処理される。これにより、上ウェハW1の接合面W1jは改質される(ステップS101)。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハW1を回転させながら、当該上ウェハW1上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハW1の接合面W1j上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハW1の接合面W1jに水酸基(シラノール基)が付着して当該接合面W1jが親水化される。また、当該純水によって、上ウェハW1の接合面W1jが洗浄される(ステップS102)。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハW1は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
その後、位置調節機構210から反転機構220の保持アーム221に上ウェハW1が受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム221を反転させることにより、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS104)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jが下方に向けられる。
その後、反転機構220の保持アーム221が、第1の駆動部224を中心に回動して上チャック230の下方に移動する。そして、反転機構220から上チャック230に上ウェハW1が受け渡される。上ウェハW1は、上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS105)。
このとき、すべての真空ポンプ241a、241b、241cを作動させ、上チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて、上ウェハW1を真空引きしている。上ウェハW1は、後述する下ウェハW2が接合装置41に搬送されるまで上チャック230で待機する。
上ウェハW1に上述したステップS101〜S105の処理が行われている間、当該上ウェハW1につづいて下ウェハW2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の下ウェハW2が取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
次に、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS106)。なお、ステップS106における下ウェハW2の接合面W2jの改質は、上述したステップS101と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化されるとともに当該接合面W2jが洗浄される(ステップS107)。なお、ステップS107における下ウェハW2の接合面W2jの親水化および洗浄は、上述したステップS102と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハW2は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS108)。
その後、下ウェハW2は、搬送機構201によって下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS109)。このとき、すべての真空ポンプ261a、261bを作動させ、下チャック231のすべての領域231a、231bにおいて、下ウェハW2を真空引きしている。そして、下ウェハW2の接合面W2jが上方を向くように、当該下ウェハW2の非接合面W2nが下チャック231に吸着保持される。
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS110)。
図16Aに示すように、上ウェハW1の接合面W1jには予め定められた複数、たとえば3点の基準点A1〜A3が形成され、同様に下ウェハW2の接合面W2jには予め定められた複数、たとえば3点の基準点B1〜B3が形成される。これら基準点A1〜A3,B1〜B3としては、たとえば上ウェハW1および下ウェハW2上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。なお、基準点の数は任意に設定可能である。
まず、図16Aに示すように、上部撮像部281および下部撮像部291の水平方向位置の調節を行う。具体的には、下部撮像部291が上部撮像部281の略下方に位置するように、第1の下チャック移動部290と第2の下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させる。そして、上部撮像部281と下部撮像部291とで共通のターゲットXを確認し、上部撮像部281と下部撮像部291の水平方向位置が一致するように、下部撮像部291の水平方向位置が微調節される。
次に、図16Bに示すように、第1の下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させた後、上チャック230と下チャック231の水平方向位置の調節を行う。
具体的には、第1の下チャック移動部290と第2の下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させながら、上部撮像部281を用いて下ウェハW2の接合面W2jの基準点B1〜B3を順次撮像する。同時に、下チャック231を水平方向に移動させながら、下部撮像部291を用いて上ウェハW1の接合面W1jの基準点A1〜A3を順次撮像する。なお、図16Bは上部撮像部281によって下ウェハW2の基準点B1を撮像するとともに、下部撮像部291によって上ウェハW1の基準点A1を撮像する様子を示している。
撮像された画像データは、制御装置300に出力される。制御装置300では、上部撮像部281で撮像された画像データと下部撮像部291で撮像された画像データとに基づいて、上ウェハW1の基準点A1〜A3と下ウェハW2の基準点B1〜B3とがそれぞれ合致するように、第1の下チャック移動部290と第2の下チャック移動部296によって下チャック231の水平方向位置を調節させる。こうして上チャック230と下チャック231の水平方向位置が調節され、上ウェハW1と下ウェハW2の水平方向位置が調節される。
次に、図16Cに示すように、第1の下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させて、上チャック230と下チャック231の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節を行う(ステップS111)。このとき、下ウェハW2の接合面W2jと上ウェハW1の接合面W1jとの間の間隔は所定の距離、たとえば80μm〜200μmになっている。
図16Dは、上述したステップS111までの処理が終わった後の上チャック230、上ウェハW1、下チャック231および下ウェハW2の様子を示している。図16Dに示すように、上ウェハW1は、上チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて真空引きされて保持され、下ウェハW2も下チャック231のすべての領域231a、231bにおいて真空引きされて保持されている。
次に、上ウェハW1と下ウェハW2の接合処理が行われる。具体的には、第1真空ポンプ241aの作動を停止して、図16Eに示すように、第1領域230aにおける第1吸引管240aからの上ウェハW1の真空引きを停止する。このとき、第2領域230bと第3領域230cでは、上ウェハW1が真空引きされて吸着保持されている。その後、押動部材250の押動ピン251を下降させることによって、上ウェハW1の中心部W1aを押圧しながら当該上ウェハW1を下降させる。このとき、押動ピン251には、上ウェハW1がない状態で当該押動ピン251が70μm移動するような荷重、たとえば200gがかけられる。そして、押動部材250によって、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを当接させて押圧する(ステップS112)。
そうすると、押圧された上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとの間で接合が開始する(図16E中の太線部)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS101,S106において改質されているため、まず、接合面W1j,W2j間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面W1j,W2j同士が接合される。さらに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS102,S107において親水化されているため、接合面W1j,W2j間の親水基が水素結合し、接合面W1j,W2j同士が強固に接合される。
その後、図16Fに示すように、押動部材250によって上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを押圧した状態で、第2真空ポンプ241bの作動を停止して、第2領域230bにおける第2吸引管240bからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
そうすると、第2領域230bに保持されていた上ウェハW1が下ウェハW2上に落下する。さらにその後、第3真空ポンプ241cの作動を停止して、第3領域230cにおける第3吸引管240cからの上ウェハW1の真空引きを停止する。このように上ウェハW1の中心部W1aから周縁部W1bに向けて、上ウェハW1の真空引きを段階的に停止し、上ウェハW1が下ウェハW2上に段階的に落下して当接する。そして、上述した接合面W1j,W2j間のファンデルワールス力と水素結合による接合が中心部W1aから周縁部W1bに向けて順次拡がる。
こうして、図16Gに示すように上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2が接合される(ステップS113)。
その後、図16Hに示すように、押動部材250を上チャック230まで上昇させる。また、下チャック231において吸引管260a、260bからの下ウェハW2の真空引きを停止して、下チャック231による下ウェハW2の吸着保持を解除する。これにより、吸着装置41での接合処理が終了する。
ところで、上述のように上ウェハW1と下ウェハW2とを中心部W1a,W2aから周縁部W1b,W2bに向けて段階的に接触させて接合すると、接合された上ウェハW1と下ウェハW2の周縁部W1b,W2b付近に気泡が発生することがあった。
図17は、接合された上ウェハW1と下ウェハW2(重合ウェハT)の一例を示す模式平面図である。なお、図17において、下ウェハW2は上ウェハW1に隠れて見えない。また、図17においては、気泡Bを破線で示している。なお、図17に示す気泡Bの個数、形状および発生位置はあくまでも例示であって、気泡Bの個数等は重合ウェハT毎に異なる。
ここで、気泡Bの発生について詳しく説明すると、接合装置41では、上述のように上ウェハW1と下ウェハW2とを中心部W1a,W2aから周縁部W1b,W2bに向けて段階的に接触させて接合している。
そのため、上ウェハW1と下ウェハW2との間に存在する空気は、上下ウェハW1,W2の段階的な接合に伴って周縁部W1b,W2b側へ押し出されていき、図16Fに矢印Aで示すように、最終的には周縁部W1b,W2b側から外方へ向けて排出される。しかしながら、たとえば空気が外方へ排出される前に周縁部W1b,W2bが接触して接合されると、空気が周縁部W1b,W2bの接合面W1j,W2j間に気泡Bとして残ることがあった(図17参照)。
そこで、本実施形態に係る接合システム1にあっては、気泡除去装置31を備えるようにした。気泡除去装置31は、上ウェハW1と下ウェハW2とが分子間力によって接合された重合ウェハTの周縁部W1b,W2bにおいて接合面W1j,W2j間に生じた気泡Bを除去する。
これにより、接合装置41での接合処理において、上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に気泡Bが生じた場合であっても、気泡Bを除去することができる。以下、その気泡除去装置31について詳しく説明する。
<4.気泡除去装置の構成>
気泡除去装置31の構成について図18を参照して説明する。図18は、気泡除去装置31の構成を示す模式側面図である。
図18に示すように、気泡除去装置31は、内部を密閉可能な処理容器310を有する。処理容器310の側面には、搬入出口(図示せず)が形成される。接合装置41で接合された重合ウェハTや後述する気泡除去処理で気泡Bが除去された重合ウェハTは、この搬入出口を介して搬入出される。なお、搬入出口には、たとえば開閉シャッタが設けられ、開閉シャッタによって処理容器310と他の領域とが仕切られ、パーティクルの進入が防止される。
気泡除去装置31は、チャック320と、気泡検出部330と、挿入部340とを備える。これらチャック320、気泡検出部330および挿入部340は、処理容器310に収容される。
チャック320は、重合ウェハTを下方から吸着保持する。なお、チャック320は、基板保持部の一例に相当する。
チャック320は、円盤状に形成され、その上面には吸着面320aが設けられる。吸着面320aは、重合ウェハTと略同径であり、重合ウェハTの下面、すなわち、下ウェハW2の非接合面W2nと当接する。
チャック320の内部には、吸着面320aを介して外部と連通する吸引空間320bが形成される。吸引空間320bは、吸引管321を介して真空ポンプ322と接続される。かかるチャック320は、真空ポンプ322の作動によって下ウェハW2の非接合面W2nを真空引きして重合ウェハTを吸着保持する。
なお、上記において、チャック320は、重合ウェハTを下方から吸着保持するようにしたが、それに限定されるものではなく、重合ウェハTを上方から吸着保持するように構成してもよい。また、ここでは、チャック320がポーラスチャックである場合の例を示したが、たとえば静電チャックなど他の種類のチャックであってもよい。
上述したチャック320の下方には、支持柱323を介して回転機構324が接続される。回転機構324は、チャック320および支持柱323を一体的に鉛直軸回りに回転させる。
気泡検出部330は、上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に生じた気泡B(図18で図示せず)を検出する。気泡検出部330は、ベース部331に支持され、チャック320に保持された重合ウェハTの上方に配置される。ベース部331は、処理容器310の天井面に設けられた支持部材332に支持柱333を介して支持される。
気泡検出部330としては、たとえばIR(Infrared)カメラを用いることができる。赤外線は、重合ウェハTにおいて気泡Bが発生している部位と発生していない部位とでその反射率が変化する。そこで、まずIRカメラたる気泡検出部330で重合ウェハTを撮像することで、重合ウェハTにおける赤外線の反射率の違い等が示された画像データが得られる。
かかる画像データは制御装置300へ送信され、制御装置300では、この画像データに基づき、気泡Bの有無や重合ウェハTにおいて気泡Bが発生した位置などの情報を得ることができる。なお、制御装置300は、上述した情報に基づいて回転機構324を動作させて重合ウェハTを回転させたり、挿入部340を制御したりするが、これについては後に説明する。
なお、上記では、気泡検出部330をIRカメラとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、気泡検出部は、図18に想像線で示すように、たとえばレーザ変位計や静電容量センサなどの距離計測装置であってもよい。なお、図18では、IRカメラたる気泡検出部330と区別するため、距離計測装置で構成される気泡検出部に符号330aを付した。
気泡検出部330aは、重合ウェハTの上方に配置され、所定の測定基準位置から重合ウェハTの上ウェハW1の周縁部W1bまでの距離Dを計測する。この距離Dは、重合ウェハTにおいて気泡Bが発生している部位と発生していない部位とで異なる。具体的には、気泡Bが発生している部位の距離Dは発生していない部位の距離Dよりも短くなる。したがって、たとえば回転機構324によって重合ウェハTを回転させながら、距離Dを連続的に計測すれば、重合ウェハTにおける気泡Bの有無や気泡Bの位置などを検出することができる。
図18に示すように、重合ウェハTの側方には、挿入部340が配置される。挿入部340は、チャック320で保持された重合ウェハTにおける上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に挿入可能な構成とされる。
詳しくは、挿入部340は、鋭利部材341と、移動機構342とを備える。鋭利部材341は、たとえば刃物であり、先端が重合ウェハTへ向けて突出するように移動機構342に支持される。なお、鋭利部材341は、たとえば針、カミソリ刃やローラ刃あるいは超音波カッター等を用いてもよい。
移動機構342は、X軸方向に延在するレールに沿って鋭利部材341を移動させる。気泡除去装置31は、移動機構342を用いて鋭利部材341を移動させることにより、上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に鋭利部材341を挿入させる。これにより、接合面W1j,W2j間にある気泡Bを除去することができるが、これについては後述する。
また、移動機構342は、位置調節部343によって上方から支持される。位置調節部343は、たとえばベース部331の下部に固定され、移動機構342を鉛直方向に沿って移動させる。これにより、鋭利部材341の高さ位置を、上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2jの位置に合わせることができる。
なお、ここでは、鋭利部材341を位置調節部343で調節するようにしたが、これに限定されるものではなく、重合ウェハTを保持するチャック320の高さ位置を調節して、接合面W1j,W2jの位置を鋭利部材341の高さ位置に合わせるようにしてもよい。また、鋭利部材341の高さ位置およびチャック320の高さ位置の両方を調節するように構成してもよい。
<5.接合システムの気泡除去装置の具体的動作>
次に、以上のように構成された気泡除去装置31の具体的な動作について図19〜図20Eを参照して説明する。
図19は、接合システム1が実行する気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、気泡除去装置31は、制御装置300の制御に基づき、図19に示す各処理手順を実行する。
また、図20A〜図20Eは、気泡除去装置31の動作説明図である。なお、図20A〜図20Cにおいては、理解の便宜のため、気泡Bの大きさなどを誇張して示している。
まず、接合装置41で接合された重合ウェハTは、搬送装置61によって気泡除去装置31に搬送される。気泡除去装置31では、搬送された重合ウェハTがチャック320で保持される。
次に、気泡除去装置31は、気泡検出部330を用いて重合ウェハTの気泡Bを検出する(ステップS201)。具体的には、気泡除去装置31は、重合ウェハTを上方から気泡検出部330で撮像し、得られた画像データを制御装置300へ送る。制御装置300は、送られた画像データに基づいて気泡Bの有無や重合ウェハTにおいて気泡Bが発生した位置などの情報を含む検出結果を記憶部で記憶する。
次に、気泡除去装置31は、ステップS201での検出結果に基づき、重合ウェハTに気泡Bがあったか否かを判定する(ステップS202)。気泡除去装置31は、重合ウェハTに気泡Bがないと判定された場合(ステップS202,No)、気泡除去処理を終了する。
一方、気泡除去装置31は、気泡Bがあると判定された場合(ステップS202,Yes)、ステップS201の検出結果に基づき、重合ウェハTの気泡Bが検出された位置と挿入部340の鋭利部材341とが向かい合うように、重合ウェハTを回転機構324で回転させる(ステップS203)。なお、図17および図20Aでは、重合ウェハTの気泡Bが検出された位置と鋭利部材341とが向かい合った様子を示している。
これにより、後述する処理において、鋭利部材341を重合ウェハTの気泡Bが検出された位置の接合面W1j,W2j間に挿入できることから、気泡Bを確実に除去することができる。
なお、ここでは、重合ウェハTの気泡Bが検出された位置と鋭利部材341とが向かい合うように、重合ウェハTを回転させたが、これに限られるものではなく、たとえば鋭利部材341を移動させるようにしてもよい。
次いで、気泡除去装置31は、鋭利部材341を重合ウェハTの接合面W1j,W2j間に挿入する(ステップS204。図20B参照)。これにより、上ウェハW1の周縁部W1bにおいて接合面W1jは、下ウェハW2の接合面W2jから剥離される。これによって重合ウェハTの接合面W1j,W2j間の気泡Bと外気とが繋がることから、気泡Bは、図20Cに矢印Cで示すように重合ウェハTの外へ排出されることとなる。
その後、鋭利部材341を重合ウェハTの接合面W1j,W2j間から抜き出す(ステップS205。図20D参照)。このように、重合ウェハTにおける上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に鋭利部材341を挿入し、その後鋭利部材341を接合面W1j,W2j間から抜き出すことで、気泡Bを除去することができる。
なお、鋭利部材341が抜き出された後の上ウェハW1の接合面W1jおよび下ウェハW2の接合面W2jには、接合に用いられる親水基や純水が残存していることから、上ウェハW1と下ウェハW2とは分子間力によって再び接合される(図20E参照)。
また、ステップS204,S205の処理においては、接合面W1j,W2jの鋭利部材341が挿入された部位の気泡Bのみならず、鋭利部材341が挿入された部位に隣接する左右数十ミリの領域にある気泡Bも除去することができる。これは、鋭利部材341が接合面W1j,W2j間に挿入されると、挿入された部位に隣接する左右数十ミリの領域にある気泡Bも外気と繋がって排出されるためである。
図19の説明を続けると、次に、気泡除去装置31は、ステップS201での検出結果に基づき、重合ウェハTの全ての気泡Bを除去したか否かを判定する(ステップS206)。気泡除去装置31は、全ての気泡Bを除去していないと判定された場合(ステップS206,No)、ステップS203に戻り、重合ウェハTにおいて次に気泡Bが検出された位置(たとえば、直前に除去された気泡Bと隣接する気泡Bが検出された位置)と鋭利部材341とが向かい合うように、重合ウェハTを回転機構324で回転させる。その後、気泡除去装置31は、ステップS204,S205の処理を再度実行して、隣接する気泡Bを除去する。
このように、気泡除去装置31は、全ての気泡Bが除去されるまでステップS203〜ステップS206の処理を繰り返すことから、重合ウェハTの気泡Bをより一層確実に除去することができる。
他方、気泡除去装置31は、重合ウェハTの全ての気泡Bを除去したと判定された場合(ステップS206,Yes)、気泡除去処理を終了する。気泡除去装置31で気泡Bが除去された重合ウェハTは、搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後、搬入出ステーション2の搬送装置22によって所定の載置板11のカセットC3に搬送される。こうして、一連の上ウェハW1および下ウェハW2の接合処理および気泡除去処理が終了する。
上述してきたように、本実施形態に係る気泡除去装置31は、チャック320と、挿入部340と、制御装置300とを備える。チャック320は、上ウェハW1と下ウェハW2とが分子間力によって接合された重合ウェハTを保持する。挿入部340の鋭利部材341は、チャック320で保持された重合ウェハTにおける上ウェハW1と下ウェハW2との接合面W1j,W2j間に挿入可能に構成される。制御装置300は、鋭利部材341を接合面W1j,W2j間に挿入し、その後鋭利部材341を接合面W1j,W2j間から抜き出す処理を行う。
したがって、本実施形態に係る気泡除去装置31によれば、上ウェハW1と下ウェハW2とが分子間力によって接合された重合ウェハTの周縁部W1b,W2bにおいて接合面W1j,W2j間に生じた気泡Bを除去することができる。
なお、気泡除去装置31で実行される気泡除去処理の処理手順は、図19に示すものに限定されない。以下、気泡除去処理の処理手順の第1変形例から第3変形例について、図21〜図23を参照して説明する。なお、図21〜図23においては、図19に示した処理と同一処理については同一ステップ番号を付し、その説明を省略する。
図21は、第1変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。図21に示すように、第1変形例に係る気泡除去装置31は、ステップS203の処理後、鋭利部材341を接合面W1j,W2j間に挿入する挿入長さL(図20B参照)を設定する(ステップS203a)。
上述した挿入長さLは、ステップS201で得られた検出結果に応じて設定される。たとえば、挿入長さLは、検出結果に含まれる重合ウェハTの気泡Bの位置の情報に基づき、ステップS203の処理で鋭利部材341と向かい合った気泡Bを除去可能な値に設定される。具体的にたとえば、挿入長さLは、検出された気泡Bの位置が重合ウェハTの周縁部W1b,W2bに近い場合は比較的小さい値が設定され、気泡Bの位置が中心部W1a,W2aへ近づくにつれて徐々に大きい値に設定される。
そして、気泡除去装置31は、鋭利部材341を重合ウェハTの接合面W1j,W2j間に、設定した挿入長さL分だけ挿入する(ステップS204a)。これにより、接合面W1j,W2j間の気泡Bと外気とが確実に繋がって、気泡Bは重合ウェハTの外へ排出されることとなる。
このように、第1変形例に係る気泡除去装置31にあっては、検出された気泡Bの位置に応じて鋭利部材341の挿入長さLを設定することから、気泡Bを確実に除去することができる。
また、第1変形例に係る気泡除去装置31は、ステップS206で全ての気泡Bを除去したと判定されるまで、ステップS203〜S206の処理を繰り返す。したがって、挿入長さLは、気泡Bが複数検出された場合、複数の気泡Bごとに設定される、言い換えれば、挿入長さLは、それぞれの気泡Bの位置に応じた適切な値に変更される。これにより、気泡Bが複数検出され、各気泡Bの位置がバラバラの場合であっても、各気泡Bを確実に除去することができる。
なお、上記では、各気泡Bの位置に応じて鋭利部材341の挿入長さLを変更するようにしたが、それに限定されるものではない。すなわち、たとえば、各気泡Bのうち、最も重合ウェハTの中央部W1a,W2a寄りに位置する気泡Bを除去するのに必要な値を、最大挿入長さLmaxとして設定し、全ての気泡Bに対して、鋭利部材341を最大挿入長さLmax分挿入して除去するようにしてもよい。これにより、挿入長さLを気泡Bごとに求める必要がなくなり、よって制御装置300に対する処理負荷の軽減や気泡除去処理に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
次いで、第2変形例に係る気泡除去装置31の気泡除去処理について説明する。上述した実施形態および第1変形例に係る気泡除去装置31の気泡除去処理では、複数の気泡Bが検出された場合、検出された気泡Bごとに鋭利部材341を挿入して、気泡Bを除去していた。
これに対し、第2変形例に係る気泡除去装置31では、まず鋭利部材341を気泡Bが検出された位置に挿入して当該気泡Bを除去し、その後、鋭利部材341を接合面W1j,W2jの周縁部W1b,W2bに対して所定間隔ごとに挿入するようにした。これにより、たとえば複数の気泡Bが検出された場合、気泡Bごとに鋭利部材341と向かい合うように重合ウェハTを回転させるなどの精緻な処理が不要になることから、制御装置300の処理負荷を軽減することができる。
図22は、その第2変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。図22に示すように、第2変形例に係る気泡除去装置31は、ステップS205で気泡Bを除去した後、重合ウェハTが鉛直軸回りに一回転したか否かを判定する(ステップS205a)。
なお、ステップS205aでは、ステップS203での重合ウェハTの位置を基準位置とし、重合ウェハTが後述するステップS205bの処理で回転させられて、基準位置に再び戻ってきた場合に、重合ウェハTが一回転したと判定する。
気泡除去装置31は、重合ウェハTが一回転していないと判定された場合(ステップS205a,No)、重合ウェハTを回転機構324によって所定角度回転させる(ステップS205b)。なお、所定角度をαとした場合、所定角度は0°<α<360°の範囲で任意に設定可能である。
次いで、気泡除去装置31は、ステップS204,S205に進み、所定角度回転した重合ウェハTの接合面W1j,W2j間に鋭利部材341を挿入し、抜き出す。このように、重合ウェハTが一回転するまで、ステップS204,S205,S205a,S205bの処理を繰り返すことで、鋭利部材341は接合面W1j,W2jの周縁部W1b,W2bに対して所定間隔ごとに挿入されることとなる。
気泡除去装置31は、重合ウェハTが一回転したと判定された場合(ステップS205a,Yes)、ステップS206の処理に進む。そして、気泡除去装置31は、全ての気泡Bを除去したと判定された場合(ステップS206,Yes)、気泡除去処理を終了する。
上記のように構成された第2変形例に係る気泡除去装置31によれば、たとえば複数の気泡Bが検出された場合、気泡Bごとに鋭利部材341と向かい合うように重合ウェハTを回転させるなどの精緻な処理が不要になることから、制御装置300の処理負荷を軽減することができる。
なお、第2変形例では、ステップS206の処理を必ずしも行う必要はない。すなわち、重合ウェハTが一回転して鋭利部材341が所定間隔ごとに挿入されたことで、重合ウェハTの気泡Bは除去されたと推定し、ステップS206の処理を行わず、気泡除去処理を終了してもよい。
次いで、第3変形例に係る気泡除去装置31の気泡除去処理について説明する。図23は、第3変形例に係る気泡除去処理の処理手順を示すフローチャートである。
図23に示すように、第3変形例に係る気泡除去装置31は、ステップS204で鋭利部材341を接合面W1j,W2j間に挿入した後、鋭利部材341が挿入された状態で、重合ウェハTを一回転させる(ステップS204b)。
すなわち、第3変形例に係る気泡除去装置31では、鋭利部材341を接合面W1j,W2jの全周に亘って挿入するようにした。これにより、第2変形例と同様、気泡Bごとに鋭利部材341と向かい合うように重合ウェハTを回転させるなどの精緻な処理が不要になることから、制御装置300の処理負荷を軽減することができる。
なお、上記では、鋭利部材341を接合面W1j,W2jの全周に亘って挿入するようにしたが、これに限定されるものではなく、たとえば、接合面W1j,W2jの半周や3/4周に亘って鋭利部材341を挿入するようにしてもよい。
また、第3変形例では、ステップS206の処理を必ずしも行う必要はない。すなわち、重合ウェハTの接合面W1j,W2jの全周に亘って鋭利部材341が挿入されたことで、重合ウェハTの気泡Bは除去されたと推定し、ステップS206の処理を行わず、気泡除去処理を終了してもよい。
なお、上述した実施形態では、気泡除去装置31と接合装置41とを別体としたが、これに限られるのもではなく、たとえば接合装置41が気泡除去装置31を備えるように構成してもよい。
また、上記では、接合システム1が気泡除去装置31を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、たとえば、重合ウェハTの接合強度などの品質を検査する検査システムが、気泡除去装置31を備えるようにしてもよい。また、気泡除去装置31が接合システム1とは独立して設けられるような構成であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
W1 上ウェハ
W2 下ウェハ
T 重合ウェハ
1 接合システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
30 表面改質装置
31 気泡除去装置
40 表面親水化装置
41 接合装置
300 制御装置
310 処理容器
320 チャック
330 気泡検出部
340 挿入部
341 鋭利部材
342 移動機構

Claims (7)

  1. 第1基板と第2基板とが分子間力によって接合された重合基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部で保持された前記重合基板における前記第1基板と前記第2基板との接合面間に挿入可能な挿入部と、
    前記接合面間に生じた気泡を検出する気泡検出部と、
    少なくとも前記気泡検出部で気泡が検出された位置の前記接合面間に前記挿入部を挿入し、その後前記挿入部を前記接合面間から抜き出す処理を行う制御部と
    を備え、
    前記気泡検出部は、
    前記重合基板の上方に位置された所定の測定基準位置から前記重合基板の上側の基板の周縁部までの距離を計測する距離計測部を含むこと
    を特徴とする気泡除去装置。
  2. 前記基板保持部を回転させる回転機構
    をさらに備え、
    前記気泡検出部は、
    前記重合基板を保持する前記基板保持部が前記回転機構によって回転させられた状態で、前記距離計測部によって前記所定の測定基準位置から前記重合基板までの距離を連続的に計測することで、気泡を検出すること
    を特徴とする請求項1に記載の気泡除去装置。
  3. 前記制御部は、
    前記気泡検出部の検出結果に応じて、前記挿入部を前記接合面間に挿入する挿入長さを設定すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の気泡除去装置。
  4. 前記制御部は、
    前記接合面の周縁部に対して所定間隔ごとに前記挿入部を挿入すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の気泡除去装置。
  5. 前記制御部は、
    前記挿入部を前記接合面の全周に亘って挿入すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の気泡除去装置。
  6. 第1基板と第2基板とが分子間力によって接合された重合基板を保持する工程と、
    前記重合基板の上方に位置された所定の測定基準位置から前記重合基板の上側の基板の周縁部までの距離を計測する距離計測部によって、前記第1基板と前記第2基板との接合面間に生じた気泡を検出する工程と、
    少なくとも気泡が検出された位置の前記接合面間に挿入部を挿入する工程と、
    前記挿入部を前記接合面間から抜き出す工程と
    を含むことを特徴とする気泡除去方法。
  7. 基板同士を分子間力によって接合する接合システムであって、
    第1基板および第2基板の接合される接合面を改質する表面改質装置と、
    前記表面改質装置によって改質された前記第1基板および前記第2基板の前記接合面を親水化する表面親水化装置と、
    前記表面親水化装置によって親水化された前記第1基板および前記第2基板を接合する接合装置と、
    前記接合装置によって接合された前記第1基板と前記第2基板との前記接合面間に生じた気泡を除去する気泡除去装置と
    を備え、
    前記気泡除去装置は、
    前記第1基板と前記第2基板とが分子間力によって接合された重合基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部で保持された前記重合基板における前記第1基板と前記第2基板との前記接合面間に挿入可能な挿入部と、
    前記接合面間に生じた気泡を検出する気泡検出部と、
    少なくとも前記気泡検出部で気泡が検出された位置の前記接合面間に前記挿入部を挿入し、その後前記挿入部を前記接合面間から抜き出す処理を行う制御部と
    を備え、
    前記気泡検出部は、
    前記重合基板の上方に位置された所定の測定基準位置から前記重合基板の上側の基板の周縁部までの距離を計測する距離計測部を含むこと
    を特徴とする接合システム。
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