JP2015154063A - 洗浄装置、剥離システム、洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

洗浄装置、剥離システム、洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】重合基板から剥離された被処理基板を洗浄する際、当該被処理基板を適切に保持する。【解決手段】第1の洗浄装置は、被処理ウェハWを保持して回転させるポーラスチャック190と、ポーラスチャック190に保持された被処理ウェハWに洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、ポーラスチャック190に保持された被処理ウェハWの温度を調節する温度調節機構200と、を有する。温度調節機構200は、ポーラスチャック190の内部に設けられた発熱体201と、発熱体201に電力を供給する給電部材202と、ポーラスチャック190の外部と発熱体201との間で給電部材202を移動させる移動機構203と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、接着剤で接合された重合基板を剥離した後、剥離された被処理基板を洗浄する洗浄装置、当該洗浄装置を備えた剥離システム、当該洗浄装置を用いた洗浄方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
近年、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」とする)の大口径化が進んでいる。また、実装などの特定の工程において、ウェハの薄化が求められている。ここで、例えば大口径で薄いウェハを、そのまま搬送したり、研磨処理したりすると、ウェハに反りや割れが生じるおそれがある。このため、ウェハを補強するために、例えば支持基板であるウェハやガラス基板にウェハを貼り付けることが行われている。そして、このようにウェハと支持基板が接合された状態でウェハの研磨処理等の所定の処理が行われた後、ウェハと支持基板が剥離される。
かかるウェハと支持基板の剥離は、例えば特許文献1に開示されている剥離システムによって行われる。この剥離システムは、接着剤で接合された重合ウェハをウェハと支持基板に剥離する剥離装置と、剥離されたウェハを洗浄する洗浄装置と、剥離装置と洗浄装置との間でウェハを搬送する搬送装置とを有している。かかる場合、剥離装置では、第1の保持部でウェハを保持し、第2の保持部で支持基板を保持した後、重合ウェハを所定の温度に加熱して、重合ウェハ中の接着剤を軟化させる。そして、接着剤の軟化状態を維持した状態で第1の保持部と第2の保持部を相対的に水平方向に移動させて、重合ウェハを剥離する。その後、搬送装置において、剥離されたウェハをベルヌーイチャックにより非接触の状態で保持し、当該ウェハを剥離装置から洗浄装置に搬送する。洗浄装置では、ポーラスチャックでウェハを保持して回転させながら、ウェハ上に接着剤の溶剤を供給し、当該ウェハ上に残存する接着剤を除去する。
特開2013−236094号公報
しかしながら、特許文献1に記載された洗浄装置では、搬送装置からポーラスチャックにウェハが受け渡されると、ウェハ上に残存する接着剤の温度が下がってしまい、接着剤が硬化して収縮する場合があった。特にポーラスチャックはウェハを真空引きするため、ウェハの放熱が促進され、接着剤の温度が下がりやすい。また、例えばウェハがポーラスチャックに吸着される面にバンプ等が形成されている場合、ポーラスチャックとウェハの隙間から空気のリークが発生し、ポーラスチャックの吸引力(保持力)は弱くなる。そうすると、ポーラスチャックでウェハを吸引しても、ウェハは接着剤の収縮により反ってしまい、ポーラスチャックに適切に保持されない場合があった。特にウェハは薄化されているため、反りやすい。
このようにウェハが反ると、洗浄装置での洗浄処理を停止する必要があるため、剥離システムにおける剥離処理のスループットが低下する。また、ウェハが損傷したり、当該ウェハ上に形成された電子回路やバンプ等のデバイスが損傷を被るおそれもある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、重合基板から剥離された被処理基板を洗浄する際、当該被処理基板を適切に保持することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、接着剤で接合された重合基板を被処理基板と支持基板に剥離した後、剥離された被処理基板を洗浄する洗浄装置であって、被処理基板を保持して回転させる回転保持部と、前記回転保持部に保持された被処理基板に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記回転保持部に保持された被処理基板の温度を調節する温度調節機構と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、回転保持部で被処理基板を保持した後、温度調節機構によって被処理基板の温度を調節し、当該被処理基板上に残存する接着剤の温度を調節できる。そうすると、被処理基板上の接着剤の硬化と収縮が抑制されるので、従来の被処理基板の反りを抑制でき、回転保持部で被処理基板を平坦にして適切に保持することができる。そして、このように被処理基板が平坦に保持されると、洗浄供給部からの洗浄液による被処理基板の洗浄を適切に行うことができ、従来の剥離処理のスループットの低下を抑制することができる。また、被処理基板の反りが抑制されるので、被処理基板が損傷を被るのを抑制でき、さらに当該被処理基板上のデバイスが損傷を被るのも抑制することができる。
前記洗浄装置は、前記回転保持部に被処理基板が保持されてから、少なくとも前記洗浄液供給部から被処理基板への洗浄液の供給を開始するまで、被処理基板の温度を調節するように前記温度調節機構を制御する制御部をさらに有していてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部の内部に設けられた発熱体と、前記発熱体に電力を供給する給電部材と、前記回転保持部の外部と前記発熱体との間で前記給電部材を移動させる移動機構と、を有していてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部で被処理基板を保持する前に、前記移動機構により前記給電部材を前記発熱体に移動させて、前記給電部材により前記発熱体に電力を供給し、前記回転保持部で被処理基板を保持した後に、前記給電部材による電力の供給を停止し、前記移動機構により前記給電部材を前記回転保持部の外部に移動させてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部の内部に設けられた発熱体と、前記回転保持部の外部に設けられ、前記発熱体に磁場を印加する磁場発生源と、を有していてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部に保持された被処理基板に光を照射する光照射部を有していてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部に保持された被処理基板に対して、温度調節された気体を供給する気体供給部を有していてもよい。
前記洗浄液供給部から供給される洗浄液は所定の温度に調節されていてもよい。
別な観点による本発明は、前記洗浄装置を備えた剥離システムであって、重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置と、前記剥離装置で剥離された被処理基板を洗浄する前記洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された支持基板を洗浄する他の洗浄装置と、を備えた剥離処理ステーションと、前記剥離処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、前記剥離処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴としている。
また別な観点による本発明は、接着剤で接合された重合基板を被処理基板と支持基板に剥離した後、剥離された被処理基板を洗浄する洗浄方法であって、回転保持部で被処理基板を保持する保持工程と、その後、前記回転保持部で被処理基板を回転させながら、洗浄液供給部から被処理基板に洗浄液を供給して当該被処理基板を洗浄する洗浄工程と、を有し、前記保持工程の後に、温度調節機構によって被処理基板の温度を調節することを特徴としている。
前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、少なくとも前記洗浄工程において前記洗浄液供給部から被処理基板への洗浄液の供給を開始するまで行われてもよい。
前記温度調節機構は、前記回転保持部の内部に設けられた発熱体を有し、前記保持工程の前に、前記発熱体の発熱によって前記回転保持部を所定の温度に調節しておき、前記保持工程の後に、前記発熱体の発熱を停止させてもよい。
前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、前記回転保持部に保持された被処理基板に光を照射して行われてもよい。
前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、前記回転保持部に保持された被処理基板に対して、温度調節された気体を供給して行われてもよい。
前記洗浄液供給部から供給される洗浄液は所定の温度に調節されていてもよい。
また別な観点による本発明によれば、前記洗浄方法を洗浄装置によって実行させるように、当該洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、重合基板から剥離された被処理基板を洗浄する際、当該被処理基板を適切に保持することができる。
本実施の形態にかかる剥離システムの構成の概略を示す平面図である。 被処理ウェハと支持ウェハの側面図である。 剥離装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。 温度調節機構の構成の概略を示す説明図である。 剥離処理の主な工程を示すフローチャートである。 ポーラスチャックに被処理ウェハが保持される前に、温度調節機構の発熱体を発熱させる様子を示す説明図である。 ポーラスチャックに被処理ウェハが保持された後に、温度調節機構の発熱体の発熱を停止させる様子を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる温度調節機構の構成の概略を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる第1の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。 他の実施の形態にかかる第1の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる剥離システム1の構成の概略を示す平面図である。
剥離システム1では、図2に示すように被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとが接着剤Gで接合された重合基板としての重合ウェハTを、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを介して支持ウェハSと接合される面を「接合面W」といい、当該接合面Wと反対側の面を「非接合面W」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着剤Gを介して被処理ウェハWと接合される面を「接合面S」といい、当該接合面Sと反対側の面を「非接合面S」という。
被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面Wに複数の電子回路やバンプ等を備えた複数のデバイスが形成されている。また、例えば非接合面Sにも、バンプ等が形成されている場合がある。さらに被処理ウェハWは、例えば非接合面Wが研磨処理され、薄化されている。具体的には、被処理ウェハWの厚さは、約20μm〜100μmである。
支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と略同径の円板形状を有し、当該被処理ウェハWを支持するウェハである。なお、本実施の形態では、支持基板としてウェハを用いた場合について説明するが、例えばガラス基板等の他の基板を用いてもよい。
剥離システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション2と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた剥離処理ステーション3と、剥離処理ステーション3に隣接する後処理ステーション4との間で被処理ウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5と、を一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3は、X方向(図1中の上下方向)に並べて配置されている。これら搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3との間には、ウェハ搬送領域6が形成されている。インターフェイスステーション5は、剥離処理ステーション3のY方向負方向側(図1中の左方向側)に配置されている。インターフェイスステーション5のX方向正方向側(図1中の上方向側)には、後処理ステーション4に受け渡す前の被処理ウェハWを検査する検査装置7が配置されている。また、インターフェイスステーション5を挟んで検査装置7の反対側、すなわちインターフェイスステーション5のX方向負方向側(図1中の下方向側)には、検査後の被処理ウェハWの接合面W及び非接合面Wの洗浄と、被処理ウェハWの表裏面の反転を行う検査後洗浄ステーション8が配置されている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、Y方向(図1中の左右方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、剥離システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように搬入出ステーション2は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。
なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。例えばカセットCを複数載置できるようにしてもよく、これら複数のカセットCのうち、1つのカセットCを不具合ウェハの回収用として用い、他方のカセットCを正常な重合ウェハTの収容用として用いてもよい。また、搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと、欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
またカセット載置台10には、処理待ちの複数の重合ウェハTを一時的に収容して待機させておく待機装置12が設けられている。待機装置12には、ダイシングフレームのID(Identification)の読み取りを行うID読取機構が設けられ、かかるID読取機構によって重合ウェハTを識別することができる。さらに待機装置12では、位置調節機構によって重合ウェハTの水平方向の向きを調節することもできる。
ウェハ搬送領域6には、第1の搬送装置20が配置されている。第1の搬送装置20は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。第1の搬送装置20は、ウェハ搬送領域6内を移動し、搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
剥離処理ステーション3は、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離装置30を有している。剥離装置30のY方向負方向側(図1中の左方向側)には、剥離された被処理ウェハWを洗浄する第1の洗浄装置31が配置されている。剥離装置30と第1の洗浄装置31との間には、第2の搬送装置32が設けられている。また、剥離装置30のY方向正方向側(図1中の右方向側)には、剥離された支持ウェハSを洗浄する第2の洗浄装置33が配置されている。このように剥離処理ステーション3には、第1の洗浄装置31、第2の搬送装置32、剥離装置30、第2の洗浄装置33が、インターフェイスステーション5側からこの順で並べて配置されている。
上記剥離装置30の構成と上記第1の洗浄装置31の構成については、それぞれ後述する。
上記第2の搬送装置32としては、例えば特開2013−236094号公報に記載の剥離装置を用いることができる。すなわち、第2の搬送装置32は、例えば被処理ウェハWを非接触の状態で保持するベルヌーイチャックを有している。ベルヌーイチャックは水平方向、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)に移動自在に構成されている。また、ベルヌーイチャックは水平軸回りに回動自在に構成され、当該搬送アームに保持された被処理ウェハWの表裏面を反転させることができる。そして第2の搬送装置32は、剥離された被処理ウェハWの表裏面を反転させつつ、剥離装置30から第1の洗浄装置31に被処理ウェハWを搬送できる。
上記第2の洗浄装置33としては、例えば特開2013−236094号公報に記載の第2の洗浄装置を用いることができる。すなわち、第2の洗浄装置33は、第1の洗浄装置31のほぼ同様の構成を有し、後述する第1の洗浄装置31のポーラスチャック190に代えて、支持ウェハSを保持して回転させるスピンチャックを有している。また、第2の洗浄装置33には、後述する第1の洗浄装置31の温度調節機構200が設けられていない。なお、第2の洗浄装置33において、スピンチャックの下方には、被処理ウェハWの裏面、すなわち非接合面Wに向けて洗浄液を噴射するバックリンスノズル(図示せず)が設けられていてもよい。このバックリンスノズルから噴射される洗浄液によって、被処理ウェハWの非接合面Wと被処理ウェハWの外周部が洗浄される。
検査装置7では、剥離装置30により剥離された被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無が検査される。かかる検査は、例えばチャックに保持された被処理ウェハWを撮像することによって行われる。
検査後洗浄ステーション8では、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認された被処理ウェハWの洗浄が行われる。この検査後洗浄ステーション8は、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する接合面洗浄装置40、被処理ウェハWの非接合面Wを洗浄する非接合面洗浄装置41、被処理ウェハWの表裏面を上下反転させる反転装置42を有している。これら接合面洗浄装置40、反転装置42、非接合面洗浄装置41は、後処理ステーション4側からY方向に並べて配置されている。
インターフェイスステーション5には、Y方向に延伸する搬送路50上を移動自在な第3の搬送装置51が設けられている。第3の搬送装置51は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、剥離処理ステーション3、後処理ステーション4、検査装置7及び検査後洗浄ステーション8との間で被処理ウェハWを搬送できる。
なお、後処理ステーション4では、剥離処理ステーション3で剥離された被処理ウェハWに所定の後処理を行う。所定の後処理として、例えば被処理ウェハWをマウントする処理や、被処理ウェハW上のデバイスの電気的特性の検査を行う処理、被処理ウェハWをチップ毎にダイシングする処理などが行われる。
以上の剥離システム1には、図1に示すように制御部60が設けられている。制御部60は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、剥離システム1における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、剥離システム1における後述の剥離処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部60にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した剥離装置30の構成について説明する。剥離装置30は、図3に示すように、内部を密閉可能な処理容器100を有している。処理容器100の側面には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器100の底面には、当該処理容器100の内部の雰囲気を排気する排気口101が形成されている。排気口101には、例えば真空ポンプなどの排気装置102に連通する排気管103が接続されている。
処理容器100の内部には、被処理ウェハWを下面で吸着保持する第1の保持部110と、支持ウェハSを上面で載置して保持する第2の保持部111とが設けられている。第1の保持部110は、第2の保持部111の上方に設けられ、第2の保持部111と対向するように配置されている。すなわち、処理容器100の内部では、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で、重合ウェハTに剥離処理が行われる。
第1の保持部110には、例えばポーラスチャックが用いられている。第1の保持部110は、平板状の本体部120を有している。本体部120の下面側には、多孔質体であるポーラス121が設けられている。ポーラス121は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス121としては例えば炭化ケイ素や多孔質セラミックが用いられる。
また、本体部120の内部であってポーラス121の上方には吸引空間122が形成されている。吸引空間122は、例えばポーラス121を覆うように形成されている。吸引空間122には、吸引管123が接続されている。吸引管123は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。そして、吸引管123から吸引空間122とポーラス121を介して被処理ウェハの非接合面Wが吸引され、当該被処理ウェハWが第1の保持部110に吸着保持される。
また、本体部120の内部であって吸引空間122の上方には、被処理ウェハWを加熱する加熱機構124が設けられている。加熱機構124には、例えばヒータが用いられる。
第1の保持部110の上面には、当該第1の保持部110を支持する支持板130が設けられている。支持板130は、処理容器100の天井面に支持されている。なお、本実施の形態の支持板130を省略し、第1の保持部110は処理容器100の天井面に当接して支持されてもよい。
第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを吸着保持するための吸引管140が設けられている。吸引管140は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。
また、第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを加熱する加熱機構141が設けられている。加熱機構141には、例えばヒータが用いられる。
第2の保持部111の下方には、第2の保持部111及び支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向に移動させる移動機構150が設けられている。移動機構150は、第2の保持部111を鉛直方向に移動させる鉛直移動部151と、第2の保持部111を水平方向に移動させる水平移動部152とを有している。
鉛直移動部151は、第2の保持部111の下面を支持する支持板160と、支持板160を昇降させて第1の保持部110と第2の保持部111を鉛直方向に接近、離隔させる駆動部161と、支持板160を支持する支持部材162とを有している。駆動部161は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。また、支持部材162は、鉛直方向に伸縮自在に構成され、支持板160と後述する支持体171との間に例えば4箇所に設けられている。
水平移動部152は、X方向(図3中の左右方向)に沿って延伸するレール170と、レール170に取り付けられる支持体171と、支持体171をレール170に沿って移動させる駆動部172とを有している。駆動部172は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。なお、駆動部172は、図示のようにレール170のX方向正方向側に配置されていてもよいし、或いはレール170のX方向負方向側に配置されていてもよい。
なお、第2の保持部111の下方には、重合ウェハT又は支持ウェハSを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは第2の保持部111に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、第2の保持部111の上面から突出可能になっている。
また、剥離装置30における各部の動作は、上述した制御部60によって制御される。
次に、上述した第1の洗浄装置31の構成について説明する。第1の洗浄装置31は、図4及び図5に示すように内部を密閉可能な処理容器180を有している。処理容器180の側面には、被処理ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器180内の中央部には、被処理ウェハWを保持して回転させる、回転保持部としてのポーラスチャック190が設けられている。ポーラスチャック190は、平板状の本体部191と、本体部191の上面側に設けられた多孔質体であるポーラス192とを有している。ポーラス192は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス192としては例えば炭化ケイ素や多孔質セラミックが用いられる。ポーラス192には吸引管(図示せず)が接続され、当該吸引管からポーラス192を介して被処理ウェハWの非接合面Wを吸引することにより、当該被処理ウェハWをポーラスチャック190上に吸着保持できる。なお、本体部191の内部には、後述する発熱体201が設けられている。
ポーラスチャック190の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部193が設けられている。ポーラスチャック190は、チャック駆動部193により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部193には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、ポーラスチャック190は昇降自在になっている。
ポーラスチャック190の周囲には、被処理ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ194が設けられている。カップ194の下面には、回収した液体を排出する排出管195と、カップ194内の雰囲気を真空引きして排気する排気管196が接続されている。
処理容器180の内部には、図6に示すようにポーラスチャック190に保持された被処理ウェハWの温度を調節する温度調節機構200が設けられている。温度調節機構200は、発熱体201、給電部材202及び移動機構203を有している。
発熱体201は、ポーラスチャック190の本体部191の内部において、ポーラス192と干渉しない位置に設けられている。発熱体201には、給電により発熱する材料、例えば金属の抵抗体が用いられる。本体部191の下部には、当該本体部191の下面から発熱体201まで貫通する貫通孔204が形成されている。すなわち発熱体201は、この貫通孔204において露出している。
給電部材202は電源(図示せず)に接続され、発熱体201との間で電流を流すことができる。移動機構203は例えばモータやシリンダなどを備え、移動機構203によって給電部材202は昇降自在になっている。そして、貫通孔204の真下に配置された給電部材202は、発熱体201に対して進退自在になっており、貫通孔204に挿入されて発熱体201に当接できると共に、ポーラスチャック190の外部に移動可能になっている。
図5に示すように、カップ194のX方向負方向(図5中の下方向)側には、Y方向(図5中の左右方向)に沿って延伸するレール210が形成されている。レール210は、例えばカップ194のY方向負方向(図5中の左方向)側の外方からY方向正方向(図5中の右方向)側の外方まで形成されている。レール210には、アーム211が取り付けられている。
アーム211には、図4及び図5に示すように被処理ウェハWに洗浄液、例えば接着剤Gの溶剤である有機溶剤を供給する、洗浄液供給部としての洗浄液ノズル212が支持されている。アーム211は、図5に示すノズル駆動部213により、レール210上を移動自在である。これにより、洗浄液ノズル212は、カップ194のY方向正方向側の外方に設置された待機部214からカップ194内の被処理ウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該被処理ウェハW上を被処理ウェハWの径方向に移動できる。また、アーム211は、ノズル駆動部213によって昇降自在であり、洗浄液ノズル212の高さを調節できる。
洗浄液ノズル212には、例えば2流体ノズルが用いられる。洗浄液ノズル212には、図4に示すように当該洗浄液ノズル212に洗浄液を供給する供給管220が接続されている。供給管220は、内部に洗浄液を貯留する洗浄液供給源221に連通している。供給管220には、洗浄液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群222が設けられている。また、洗浄液ノズル212には、当該洗浄液ノズル212に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する供給管223が接続されている。供給管223は、内部に不活性ガスを貯留するガス供給源224に連通している。供給管223には、不活性ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群225が設けられている。そして、洗浄液と不活性ガスは洗浄液ノズル212内で混合され、当該洗浄液ノズル212から被処理ウェハWに供給される。なお、以下においては、洗浄液と不活性ガスを混合したものを単に「洗浄液」という場合がある。
なお、ポーラスチャック190の下方には、被処理ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられていてもよい。かかる場合、昇降ピンはポーラスチャック190に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、ポーラスチャック190の上面から突出可能になっている。そして、ポーラスチャック190を昇降させる代わりに昇降ピンを昇降させて、ポーラスチャック190との間で被処理ウェハWの受け渡しが行われる。
また、第1の洗浄装置31における各部の動作は、上述した制御部60によって制御される。
次に、以上のように構成された剥離システム1を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理方法について説明する。図7は、かかる剥離処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の重合ウェハTを収容したカセットC、空のカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。第1の搬送装置20によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、待機装置12に搬送される。このとき、重合ウェハTは、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で搬送される。
待機装置12では、ID読取機構によって重合ウェハTのIDを読み取るID読取処理を行う。ID読取機構によって読み取られたIDは、制御部60へ送信される。また待機装置12では、位置調節機構によって重合ウェハTのノッチ部の位置を検出しながら当該重合ウェハTの向きが調節される。さらに例えば装置間の処理時間差等により処理待ちの重合ウェハTが生じる場合には、待機装置12に重合ウェハTを一時的に待機させておくことができ、一連の工程間でのロス時間を短縮することができる。
剥離装置30に搬入された重合ウェハTは、第2の保持部111に吸着保持される。その後、移動機構150により第2の保持部111を上昇させて、第1の保持部110と第2の保持部111で重合ウェハTを挟み込んで保持する。このとき、第1の保持部110に被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持され、第2の保持部111に支持ウェハSの非接合面Sが吸着保持される。
その後、加熱機構124、141によって重合ウェハTが所定の温度、例えば200℃〜250℃に加熱される。そうすると、重合ウェハT中の接着剤Gが軟化する。
続いて、加熱機構124、141によって重合ウェハTを加熱して接着剤Gの軟化状態を維持しながら、移動機構150によって第2の保持部111と支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向、すなわち斜め下方に移動させる。そして、第1の保持部110に保持された被処理ウェハWと、第2の保持部111に保持された支持ウェハSとが剥離される(図7の工程A1)。
この工程A1において、第2の保持部111は、鉛直方向に100μm移動し、且つ水平方向に300mm移動する。ここで、本実施の形態では、重合ウェハT中の接着剤Gの厚みは例えば30μm〜40μmであって、被処理ウェハWの接合面Wに形成されたデバイス(バンプ)の高さは例えば20μmである。したがって、被処理ウェハW上のデバイスと支持ウェハSとの間の距離が微小となる。そこで、例えば第2の保持部111を水平方向にのみ移動させた場合、デバイスと支持ウェハSが接触し、デバイスが損傷を被るおそれがある。この点、本実施の形態のように第2の保持部111を水平方向に移動させると共に鉛直方向にも移動させることによって、デバイスと支持ウェハSとの接触を回避し、デバイスの損傷を抑制することができる。なお、この第2の保持部111の鉛直方向の移動距離と水平方向の移動距離の比率は、被処理ウェハW上のデバイス(バンプ)の高さに基づいて設定される。
その後、剥離装置30で剥離された被処理ウェハWは、第2の搬送装置32によって第1の洗浄装置31に搬送される。この際、第2の搬送装置32のベルヌーイチャックは、被処理ウェハWの接合面Wを非接触で保持しながら、被処理ウェハWの表裏面を反転させる。そして、被処理ウェハWの非接合面Wが下方を向いた状態で、ベルヌーイチャックからポーラスチャック190に被処理ウェハWが受け渡され吸着保持される。
第1の洗浄装置31では、このようにポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持される前に、図8に示すように温度調節機構200の発熱体201を所定の温度、例えば80℃〜100℃に発熱させる。具体的には、移動機構203によって給電部材202を上昇させて、当該給電部材202を発熱体201に当接させる。そして、給電部材202により発熱体201に電力を供給し、給電部材202と発熱体201との間で電流を流して、発熱体201を上記所定の温度に発熱させる。
その後、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持されると、図9に示すように温度調節機構200の発熱体201の発熱を停止させる。具体的には、給電部材202による発熱体201への電極の供給を停止し、移動機構203によって給電部材202を下降させてポーラスチャック190の外部に移動させる。そして、発熱体201の発熱を停止させる。
また、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持された後、移動機構203によって給電部材202を下降させている間に、アーム211によって待機部214の洗浄液ノズル212を被処理ウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、ポーラスチャック190によって被処理ウェハWを回転させながら、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWの接合面Wに洗浄液を供給する。供給された洗浄液は遠心力により被処理ウェハWの接合面Wの全面に拡散されて、当該被処理ウェハWの接合面Wが洗浄される(図7の工程A2)。
ここで、従来、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持されると、被処理ウェハW上に残存する接着剤Gの温度が下がり、接着剤Gが硬化して収縮するため、被処理ウェハWが反ってしまう。
これに対して、本実施の形態では、温度調節機構200によってポーラスチャック190は所定の温度、例えば80℃〜100℃に加熱されているので、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持された際、接着剤Gの硬化は抑制される。なお、ポーラスチャック190の温度は、接着剤Gの種類や処理容器180内の処理雰囲気の温度に応じて設定される。
そして、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWの接合面Wに洗浄液が供給されると、接着剤Gが徐々に溶解し除去されていく。すなわち、被処理ウェハWの反りの要因となる接着剤Gの影響が小さくなっていく。そうすると、接着剤Gの影響に応じてポーラスチャック190の温度が低下しても、被処理ウェハWが反ることはない。換言すれば、被処理ウェハWが反る力よりポーラスチャック190の吸引力が大きければ、被処理ウェハWが反ることはない。発明者らが調べたところ、接着剤Gが被処理ウェハWの反りに影響を与えなくなるまでの時間は、例えば洗浄液ノズル212から洗浄液を供給し始めてから20秒後であり、この際にポーラスチャック190の温度が例えば50℃〜60℃であれば、被処理ウェハWの反りを回避できることが分かった。
以上のように工程A2において、被処理ウェハWはポーラスチャック190に適切に保持され、当該被処理ウェハWの接合面Wが適切に洗浄される。
ここで、上述したように搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと欠陥のある正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
正常な重合ウェハTから剥離された正常な被処理ウェハWは、工程A2で接合面Wが洗浄された後、非接合面Wが下方を向いた状態で第3の搬送装置51によって検査装置7に搬送される。検査装置7では、被処理ウェハWの接合面Wを撮像して、当該接合面Wにおける接着剤Gの残渣の有無が検査される(図7の工程A3)。
検査装置7において接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51により検査後洗浄ステーション8の接合面洗浄装置40に搬送され、接合面洗浄装置40において接合面Wが洗浄される(図7の工程A4)。接合面Wが洗浄されると、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって反転装置42に搬送され、反転装置42において被処理ウェハWの表裏面が反転される(図7の工程A5)。なお、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは接合面洗浄装置40に搬送されることなく反転装置42にて反転される。
その後、反転された被処理ウェハWは、第3の搬送装置51により再び検査装置7に搬送され、非接合面Wの検査が行われる(図7の工程A6)。そして、非接合面Wにおいて接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって非接合面洗浄装置41に搬送され、非接合面洗浄装置41において非接合面Wが洗浄される(図7の工程A7)。次いで、洗浄された被処理ウェハWは、第3の搬送装置51によって後処理ステーション4に搬送される。なお、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは非接合面洗浄装置41に搬送されることなくそのまま後処理ステーション4に搬送される。
その後、後処理ステーション4において被処理ウェハWに所定の後処理が行われる(図7の工程A8)。こうして、被処理ウェハWが製品化される。
一方、欠陥のある重合ウェハTから剥離された欠陥のある被処理ウェハWは、工程A2で接合面Wが洗浄された後、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、欠陥のある被処理ウェハWは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図7の工程A9)。
被処理ウェハWに上述した工程A1〜A9が行われている間、剥離装置30で剥離された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって第2の洗浄装置33に搬送される。そして、第2の洗浄装置33において、支持ウェハSの接合面Sが洗浄される(図7の工程A10)。かかる洗浄処理によって、支持ウェハSの接合面Sに残存する接着剤Gが除去される。
その後、接合面Sが洗浄された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、支持ウェハSは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図7の工程A11)。こうして、一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、ポーラスチャック190で被処理ウェハWを保持した後、温度調節機構200によって被処理ウェハWを加熱し、当該被処理ウェハW上に残存する接着剤Gを加熱できる。そうすると、被処理ウェハW上の接着剤Gの硬化と収縮が抑制されるので、従来の被処理ウェハWの反りを抑制でき、ポーラスチャック190で被処理ウェハWを平坦にして適切に保持することができる。そして、このように被処理ウェハWが平坦に保持されると、洗浄液ノズル212からの洗浄液による被処理ウェハWの洗浄を適切に行うことができ、従来の剥離処理のスループットの低下を抑制することができる。また、被処理ウェハWの反りが抑制されるので、被処理ウェハWが損傷を被るのを抑制でき、さらに当該被処理ウェハW上のデバイスが損傷を被るのも抑制することができる。
また、温度調節機構200は、ポーラスチャック190で被処理ウェハWを保持する前に、発熱体201を発熱させ、ポーラスチャック190を所定の温度に加熱しておき、その後、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが保持されると、発熱体201の発熱を停止させる。そうすると、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが保持された後も、ポーラスチャック190に蓄熱された熱によって接着剤Gの硬化と収縮を抑制し、被処理ウェハWの反りを抑制することができる。
しかも、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが保持された後は、給電部材202はポーラスチャック190の外部に退避する。このため、洗浄液による被処理ウェハWの洗浄の際にポーラスチャック190を回転させても、給電部材202や当該給電部材202に接続される部材(例えばケーブル等)は損傷を被らず、また給電部材202によってポーラスチャック190の回転が妨げられることもない。したがって、温度調節機構200は、被処理ウェハWの温度調節とポーラスチャック190の回転を両方実現できるのである。
さらに、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが保持された後、ポーラスチャック190に蓄熱された熱によって被処理ウェハWは加熱される。そうすると、洗浄液ノズル212から被処理ウェハW上に供給された洗浄液も加熱され、当該洗浄液による被処理ウェハWの洗浄処理が促進される。すなわち、被処理ウェハWの洗浄処理のスループットを向上させることができる。
また、以上の実施の形態の剥離システム1によれば、剥離装置30において重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、第1の洗浄装置31において、剥離された被処理ウェハWを洗浄すると共に、第2の洗浄装置33において、剥離された支持ウェハSを洗浄することができる。このように本実施の形態によれば、一の剥離システム1内で、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄までの一連の剥離処理を効率よく行うことができる。また、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において、被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄をそれぞれ並行して行うことができる。さらに、剥離装置30において被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離する間に、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において別の被処理ウェハWと支持ウェハSを処理することもできる。したがって、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離を効率よく行うことができ、剥離処理のスループットを向上させることができる。
また、このように一連のプロセスにおいて、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの後処理まで行うことができるので、ウェハ処理のスループットをさらに向上させることができる。
以上の実施の第1の洗浄装置31において、被処理ウェハWの温度調節機構は、上記実施の形態の温度調節機構200に限定されず、種々の構成を取り得る。図10〜図12は、温度調節機構の変形例を示している。
図10に示すように、温度調節機構300は、発熱体301と磁場発生源302を有していてもよい。発熱体301は、ポーラスチャック190の本体部191の内部において、ポーラス192と干渉しない位置に設けられている。発熱体301には、磁場によって加熱する材料、例えば金属の磁性体が用いられる。
磁場発生源302は、ポーラスチャック190の外部に設けられている。また、磁場発生源302は電源(図示せず)に接続され、当該磁場発生源302に電流を流すことによって磁場を発生させることができる。そして、この磁場発生源302で発生した磁場が発熱体301に印加され、電磁誘導の原理により、発熱体301が発熱する。
かかる場合においても、上記実施の形態と同様の効果を享受できる。すなわち、工程A2においてポーラスチャック190で被処理ウェハWを保持した後、温度調節機構300によって被処理ウェハWを加熱し、当該被処理ウェハW上に残存する接着剤Gを加熱することで、従来の被処理ウェハWの反りを抑制することができる。
また、温度調節機構300は、ポーラスチャック190と非接触で発熱体301を発熱させることができるので、ポーラスチャック190が停止中に限らず回転中も、被処理ウェハWを加熱できる。そうすると、ポーラスチャック190で被処理ウェハWを回転させながら、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWに洗浄液を供給している間も、被処理ウェハWを加熱できる。したがって、従来の被処理ウェハWの反りをより確実に抑制することができる。
図11に示すように、温度調節機構310は光照射部311を有していてもよい。光照射部311は、処理容器180の天井面において、ポーラスチャック190の上方に設けられている。光照射部311は、ポーラスチャック190に保持された被処理ウェハWに光を照射して、当該被処理ウェハWを所定の温度に加熱することができる。光照射部311には、例えばランプが用いられる。
かかる場合においても、上記実施の形態と同様の効果を享受できる。すなわち、工程A2においてポーラスチャック190で被処理ウェハWを保持した後、温度調節機構310によって被処理ウェハWを加熱し、当該被処理ウェハW上に残存する接着剤Gを加熱することで、従来の被処理ウェハWの反りを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWに洗浄液を供給する際に光照射部311から光を照射すると、当該光が洗浄液ノズル212や洗浄液ノズル212の周辺部材(例えばアーム211等)にも照射される。このため、洗浄液ノズル212が被処理ウェハWの上方に配置された後は、光照射部311からの光の照射を停止するのが好ましい。
図12に示すように、温度調節機構320は気体供給部321を有していてもよい。気体供給部321は、処理容器180の天井面において、ポーラスチャック190の上方に設けられている。気体供給部321は、ポーラスチャック190に保持された被処理ウェハWに温度調節された気体を供給して、当該被処理ウェハWを所定の温度に加熱することができる。気体供給部321には、FFU(ファンフィルタユニット)にヒータが内蔵されたものが用いられる。なお、気体供給部321から供給された気体は、排気管196から排気される。
かかる場合においても、上記実施の形態と同様の効果を享受できる。すなわち、工程A2においてポーラスチャック190で被処理ウェハWを保持した後、温度調節機構320によって被処理ウェハWを加熱し、当該被処理ウェハW上に残存する接着剤Gを加熱することで、従来の被処理ウェハWの反りを抑制することができる。
また、温度調節機構320は、ポーラスチャック190が停止中に限らず回転中も、被処理ウェハWを加熱できる。そうすると、温度調節機構320は、ポーラスチャック190で被処理ウェハWを回転させながら、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWに洗浄液を供給している間も、被処理ウェハWを加熱できる。したがって、従来の被処理ウェハWの反りをより確実に抑制することができる。
以上のように第1の洗浄装置31の温度調節機構による被処理ウェハW(接着剤G)の加熱は、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが保持されてから、少なくとも洗浄液ノズル212から被処理ウェハWへの洗浄液の供給を開始するまでの間、例えば10秒〜15秒行われる。但し、例えば図10と図12に示した場合のように、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWへの洗浄液の供給を開始した後、接着剤Gが被処理ウェハWの反りに影響を与えなくなるまでの時間、例えば20秒が経過するまで、被処理ウェハW(接着剤G)の加熱を継続してもよい。
以上の実施の形態の第1の洗浄装置31において、洗浄液ノズル212から供給される洗浄液は所定の温度、例えば40℃〜70℃に調節されていてもよい。かかる場合、洗浄液ノズル212から被処理ウェハWに洗浄液を供給している間、被処理ウェハW上の接着剤Gの硬化と収縮をより確実に抑制することができる。また、温度調節された洗浄液によって、被処理ウェハWの洗浄処理のスループットを向上させることができる。
以上の実施の形態では、第1の洗浄装置31の洗浄液ノズル212には2流体ノズルが用いられていたが、洗浄液ノズル212の形態は本実施の形態に限定されず種々のノズルを用いることができる。例えば洗浄液ノズル212として、有機溶剤を供給するノズルと不活性ガスを供給するノズルとを一体化したノズル体や、スプレーノズル、ジェットノズル、メガソニックノズルなどを用いてもよい。
また、第1の洗浄装置31において、洗浄液ノズル212に加えて、IPA(イソプロピルアルコール)を供給するノズルを設けてもよい。かかる場合、洗浄液ノズル212からの洗浄液によって被処理ウェハWを洗浄した後、被処理ウェハW上の洗浄液をIPAに置換する。そうすると、被処理ウェハWの接合面Wがより確実に洗浄される。
以上の実施の形態の剥離システム1において、剥離装置30で加熱された被処理ウェハWを所定の温度に冷却する温度調節装置(図示せず)が設けられていてもよい。かかる場合、被処理ウェハWの温度が適切な温度に調節されるので、後続の処理をより円滑に行うことができる。
また以上の実施の形態の剥離システム1において、剥離前の重合ウェハTにおける接着剤Gの周縁部を除去するエッジカット装置(図示せず)が設けられていてもよい。エッジカット装置では、例えば接着剤Gの溶剤に重合ウェハTを浸漬させることによって、接着剤Gの周縁部を溶剤によって溶解させる。かかるエッジカット処理により接着剤Gの周縁部が除去されることで、剥離装置30での剥離処理において被処理ウェハWと支持ウェハSとを剥離させ易くすることができる。
以上の実施の形態の重合ウェハTには、当該重合ウェハTの損傷を抑制するための保護部材、例えばダイシングフレーム(図示せず)が設けられていてもよい。ダイシングフレームは、被処理ウェハW側に設けられている。そして、被処理ウェハWが支持ウェハSから剥離された後も、薄化された被処理ウェハWはダイシングフレームに保護された状態で、所定の処理や搬送が行われる。したがって、剥離後の被処理ウェハWの損傷を抑制することができる。
以上の実施の形態では、後処理ステーション4において被処理ウェハWに後処理を行い製品化する場合について説明したが、本発明は、例えば3次元集積技術で用いられる被処理ウェハを支持ウェハから剥離する場合にも適用することができる。なお、3次元集積技術とは、近年の半導体デバイスの高集積化の要求に応えた技術であって、高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置する代わりに、当該複数の半導体デバイスを3次元に積層する技術である。この3次元集積技術においても、積層される被処理ウェハの薄化が求められており、当該被処理ウェハを支持ウェハに接合して所定の処理が行われる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
1 剥離システム
2 搬入出ステーション
3 剥離処理ステーション
20 第1の搬送装置
30 剥離装置
31 第1の洗浄装置
33 第2の洗浄装置
60 制御部
190 ポーラスチャック
200 温度調節機構
201 発熱体
202 給電部材
203 移動機構
212 洗浄液ノズル
300 温度調節機構
301 発熱体
302 磁場発生源
310 温度調節機構
311 光照射部
320 温度調節機構
321 気体供給部
G 接着剤
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ

Claims (17)

  1. 接着剤で接合された重合基板を被処理基板と支持基板に剥離した後、剥離された被処理基板を洗浄する洗浄装置であって、
    被処理基板を保持して回転させる回転保持部と、
    前記回転保持部に保持された被処理基板に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
    前記回転保持部に保持された被処理基板の温度を調節する温度調節機構と、を有することを特徴とする、洗浄装置。
  2. 前記回転保持部に被処理基板が保持されてから、少なくとも前記洗浄液供給部から被処理基板への洗浄液の供給を開始するまで、被処理基板の温度を調節するように前記温度調節機構を制御する制御部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記温度調節機構は、
    前記回転保持部の内部に設けられた発熱体と、
    前記発熱体に電力を供給する給電部材と、
    前記回転保持部の外部と前記発熱体との間で前記給電部材を移動させる移動機構と、を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
  4. 前記温度調節機構は、
    前記回転保持部で被処理基板を保持する前に、前記移動機構により前記給電部材を前記発熱体に移動させて、前記給電部材により前記発熱体に電力を供給し、
    前記回転保持部で被処理基板を保持した後に、前記給電部材による電力の供給を停止し、前記移動機構により前記給電部材を前記回転保持部の外部に移動させることを特徴とする、請求項3に記載の洗浄装置。
  5. 前記温度調節機構は、
    前記回転保持部の内部に設けられた発熱体と、
    前記回転保持部の外部に設けられ、前記発熱体に磁場を印加する磁場発生源と、を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
  6. 前記温度調節機構は、前記回転保持部に保持された被処理基板に光を照射する光照射部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  7. 前記温度調節機構は、前記回転保持部に保持された被処理基板に対して、温度調節された気体を供給する気体供給部を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  8. 前記洗浄液供給部から供給される洗浄液は所定の温度に調節されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗浄装置を備えた剥離システムであって、
    重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置と、前記剥離装置で剥離された被処理基板を洗浄する前記洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された支持基板を洗浄する他の洗浄装置と、を備えた剥離処理ステーションと、
    前記剥離処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、
    前記剥離処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴とする、剥離システム。
  10. 接着剤で接合された重合基板を被処理基板と支持基板に剥離した後、剥離された被処理基板を洗浄する洗浄方法であって、
    回転保持部で被処理基板を保持する保持工程と、
    その後、前記回転保持部で被処理基板を回転させながら、洗浄液供給部から被処理基板に洗浄液を供給して当該被処理基板を洗浄する洗浄工程と、を有し、
    前記保持工程の後に、温度調節機構によって被処理基板の温度を調節することを特徴とする、洗浄方法。
  11. 前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、少なくとも前記洗浄工程において前記洗浄液供給部から被処理基板への洗浄液の供給を開始するまで行われることを特徴とする、請求項10に記載の洗浄方法。
  12. 前記温度調節機構は、前記回転保持部の内部に設けられた発熱体を有し、
    前記保持工程の前に、前記発熱体の発熱によって前記回転保持部を所定の温度に調節しておき、
    前記保持工程の後に、前記発熱体の発熱を停止させることを特徴とする、請求項10又は11に記載の洗浄方法。
  13. 前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、前記回転保持部に保持された被処理基板に光を照射して行われることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一項に記載の洗浄方法。
  14. 前記温度調節機構による被処理基板の温度調節は、前記回転保持部に保持された被処理基板に対して、温度調節された気体を供給して行われることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載の洗浄方法。
  15. 前記洗浄液供給部から供給される洗浄液は所定の温度に調節されていることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか一項に記載の洗浄方法。
  16. 請求項10〜15のいずか一項に記載の洗浄方法を洗浄装置によって実行させるように、当該洗浄装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
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