JP6466217B2 - 剥離装置及び剥離システム - Google Patents

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Description

本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離する剥離装置、及び当該剥離装置を備えた剥離システムに関する。
近年、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)の大口径化が進んでいる。また、実装などの特定の工程において、ウェハの薄化が求められている。ここで、例えば大口径で薄いウェハを、そのまま搬送したり、研磨処理したりすると、ウェハに反りや割れが生じるおそれがある。このため、ウェハを補強するために、例えば支持基板であるウェハやガラス基板にウェハを貼り付けることが行われている。そして、このようにウェハと支持基板が接合された状態でウェハの研磨処理等の所定の処理が行われた後、ウェハと支持基板が剥離される。
かかるウェハと支持基板の剥離は、例えば特許文献1に開示されている剥離システムによって行われる。この剥離システムは、接着剤で接合された重合ウェハをウェハと支持基板に剥離する剥離装置と、剥離されたウェハを洗浄する洗浄装置と、剥離装置と洗浄装置との間でウェハを搬送する搬送装置とを有している。かかる場合、剥離装置では、第1の保持部でウェハを保持し、第2の保持部で支持基板を保持した後、重合ウェハを所定の温度に加熱して、重合ウェハ中の接着剤を軟化させる。そして、接着剤の軟化状態を維持した状態で第1の保持部と第2の保持部を相対的に水平方向に移動させて、重合ウェハを剥離する。その後、搬送装置において、剥離されたウェハをベルヌーイチャックにより非接触の状態で保持し、当該ウェハを剥離装置から洗浄装置に搬送する。洗浄装置では、ポーラスチャックでウェハを保持して回転させながら、ウェハ上に接着剤の溶剤を供給し、当該ウェハ上に残存する接着剤を除去する。
特開2013−236094号公報
しかしながら、特許文献1に記載された剥離システムでは、剥離されたウェハがベルヌーイチャックに受け渡されると、ウェハ上に残存する接着剤の温度が下がり、接着剤が硬化して収縮する場合があった。より詳細に説明すると、接着剤においてウェハと反対側の面(以下、「表面」という)、すなわち外気に露出する表面は、接着剤のウェハ側の面(以下、「裏面」という)に比べて、温度が下がりやすい。特にベルヌーイチャックは気体を噴出してウェハを非接触で保持するため、この気体によって接着剤の表面の温度は裏面の温度に比べて下がりやすい。そうすると、接着剤はその表面が裏面に先だって収縮し、これによりウェハは接着剤と反対側に突出して反ってしまう。特にウェハは薄化されているため、この反りが顕著になる。
このようにウェハが反ると、ベルヌーイチャックでウェハを適切に保持することができず、また洗浄装置のポーラスチャックでもウェハを適切に保持することができない。したがって、剥離システムにおける剥離処理を適切に行うことができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、重合基板から剥離された被処理基板の反りを抑制し、重合基板の剥離処理を適切に行うことを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離する剥離装置であって、重合基板を加熱する加熱機構を備え、被処理基板を保持する第1の保持部と、支持基板を保持する第2の保持部と、剥離後の被処理基板を非接合面側から冷却する冷却部と、を有し、前記冷却部は、前記第1の保持部に設けられ、且つ前記第1の保持部に保持された被処理基板の非接合面に冷却媒体を供給する冷媒供給部と、前記第1の保持部に隣接して配置される冷却板と、を有することを特徴としている。なお、被処理基板の非接合面とは、被処理基板が接着剤を介して支持基板と接合される面と反対側の面をいう。
本発明によれば、第1の保持部に保持された被処理基板と第2の保持部に保持された支持基板を加熱しながら剥離した後、冷却部によって、剥離後の被処理基板を非接合面側から冷却する。そうすると、接着剤は被処理基板側の面(以下、「裏面」という)から冷却され、これにより接着剤は裏面から硬化して収縮する。一方、接着剤において被処理基板と反対側の面(以下、「表面」という)は外気によって冷却されて収縮するが、上述のように接着剤の裏面を積極的に収縮させることで、接着剤の表面と裏面との収縮差を小さくできる。これにより、冷却後の被処理基板の反りが抑制され、被処理基板をほぼ平坦にすることができる。したがって、搬送装置のベルヌーイチャックや洗浄装置のポーラスチャックで被処理基板を適切に保持することができ、重合基板の剥離処理を適切に行うことができる。換言すれば、重合基板の剥離処理の安定性を向上させることができるのである。
記冷却媒体は不活性ガスであるのが好ましい。
冷却板は、前記第1の保持部から前記冷却板に被処理基板が搬送されている間に、当該被処理基板に付着した接着剤が硬化しない位置に配置されているのが好ましい
別な観点による本発明は、前記剥離装置を備えた剥離システムであって、前記剥離装置と、前記剥離装置で剥離された第1の基板を洗浄する第1の洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された第2の基板を洗浄する第2の洗浄装置と、を備えた処理ステーションと、前記処理ステーションに対して、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴としている。
前記搬送装置は、被処理基板の接合面を保持するベルヌーイチャックを有し、
前記冷媒供給部は、被処理基板の非接合面を保持する前記第1の保持部から前記搬送装置に被処理基板を受け渡す際に、被処理基板の冷却を行ってもよい。
また、前記搬送装置は、前記第1の保持部と、被処理基板の非接合面を保持する前記冷却板との間で被処理基板を搬送してもよい。
本発明によれば、重合基板から剥離された被処理基板の反りを抑制し、重合基板の剥離処理を適切に行うことができる。
本実施の形態にかかる剥離システムの構成の概略を示す平面図である。 被処理ウェハと支持ウェハの側面図である。 剥離装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。 第2の搬送装置の構成の概略を示す側面図である。 剥離処理の主な工程を示すフローチャートである。 剥離後の被処理ウェハを非接合面側から冷却する様子を示す説明図である。 冷却後の被処理ウェハの状態を示す説明図である。 冷却後の被処理ウェハの状態を示す説明図である。 ベルヌーイチャックからポーラスチャックに被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる剥離装置の構成の概略を示す縦断面図である。 他の実施の形態において、第1の保持部から冷却板に被処理ウェハを搬送する様子を示す説明図である。 他の実施の形態において、剥離後の被処理ウェハを非接合面側から冷却する様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる剥離システム1の構成の概略を示す平面図である。
剥離システム1では、図2に示すように被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとが接着剤Gで接合された重合基板としての重合ウェハTを、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを介して支持ウェハSと接合される面を「接合面W」といい、当該接合面Wと反対側の面を「非接合面W」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着剤Gを介して被処理ウェハWと接合される面を「接合面S」といい、当該接合面Sと反対側の面を「非接合面S」という。
被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面Wに複数の電子回路やバンプ等を備えた複数のデバイスが形成されている。また、例えば非接合面Wにも、バンプ等が形成されている場合がある。さらに被処理ウェハWは、例えば非接合面Wが研磨処理され、薄化されている。具体的には、被処理ウェハWの厚さは、約20μm〜100μmである。
支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と略同径の円板形状を有し、当該被処理ウェハWを支持するウェハである。なお、本実施の形態では、支持基板としてウェハを用いた場合について説明するが、例えばガラス基板等の他の基板を用いてもよい。
剥離システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション2と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた剥離処理ステーション3と、剥離処理ステーション3に隣接する後処理ステーション4との間で被処理ウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5と、を一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3は、X方向(図1中の上下方向)に並べて配置されている。これら搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3との間には、ウェハ搬送領域6が形成されている。インターフェイスステーション5は、剥離処理ステーション3のY方向負方向側(図1中の左方向側)に配置されている。インターフェイスステーション5のX方向正方向側(図1中の上方向側)には、後処理ステーション4に受け渡す前の被処理ウェハWを検査する検査装置7が配置されている。また、インターフェイスステーション5を挟んで検査装置7の反対側、すなわちインターフェイスステーション5のX方向負方向側(図1中の下方向側)には、検査後の被処理ウェハWの接合面W及び非接合面Wの洗浄と、被処理ウェハWの表裏面の反転を行う検査後洗浄ステーション8が配置されている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、Y方向(図1中の左右方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、剥離システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように搬入出ステーション2は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。
なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。例えばカセットCを複数載置できるようにしてもよく、これら複数のカセットCのうち、1つのカセットCを不具合ウェハの回収用として用い、他方のカセットCを正常な重合ウェハTの収容用として用いてもよい。また、搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと、欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
またカセット載置台10には、処理待ちの複数の重合ウェハTを一時的に収容して待機させておく待機装置12が設けられている。待機装置12には、ダイシングフレームのID(Identification)の読み取りを行うID読取機構が設けられ、かかるID読取機構によって重合ウェハTを識別することができる。さらに待機装置12では、位置調節機構によって重合ウェハTの水平方向の向きを調節することもできる。
ウェハ搬送領域6には、第1の搬送装置20が配置されている。第1の搬送装置20は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。第1の搬送装置20は、ウェハ搬送領域6内を移動し、搬入出ステーション2と剥離処理ステーション3との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
剥離処理ステーション3は、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離装置30を有している。剥離装置30のY方向負方向側(図1中の左方向側)には、剥離された被処理ウェハWを洗浄する第1の洗浄装置31が配置されている。剥離装置30と第1の洗浄装置31との間には、第2の搬送装置32が設けられている。また、剥離装置30のY方向正方向側(図1中の右方向側)には、剥離された支持ウェハSを洗浄する第2の洗浄装置33が配置されている。このように剥離処理ステーション3には、第1の洗浄装置31、第2の搬送装置32、剥離装置30、第2の洗浄装置33が、インターフェイスステーション5側からこの順で並べて配置されている。
上記剥離装置30の構成、上記第1の洗浄装置31、第2の搬送装置32の構成については、それぞれ後述する。
上記第2の洗浄装置33としては、例えば特開2013−236094号公報に記載の第2の洗浄装置を用いることができる。すなわち、第2の洗浄装置33は、第1の洗浄装置31のほぼ同様の構成を有し、後述する第1の洗浄装置31のポーラスチャック190に代えて、支持ウェハSを保持して回転させるスピンチャックを有している。なお、第2の洗浄装置33において、スピンチャックの下方には、被処理ウェハWの裏面、すなわち非接合面Wに向けて洗浄液を噴射するバックリンスノズル(図示せず)が設けられていてもよい。このバックリンスノズルから噴射される洗浄液によって、被処理ウェハWの非接合面Wと被処理ウェハWの外周部が洗浄される。
検査装置7では、剥離装置30により剥離された被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無が検査される。かかる検査は、例えばチャックに保持された被処理ウェハWを撮像することによって行われる。
検査後洗浄ステーション8では、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認された被処理ウェハWの洗浄が行われる。この検査後洗浄ステーション8は、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する接合面洗浄装置40、被処理ウェハWの非接合面Wを洗浄する非接合面洗浄装置41、被処理ウェハWの表裏面を上下反転させる反転装置42を有している。これら接合面洗浄装置40、反転装置42、非接合面洗浄装置41は、後処理ステーション4側からY方向に並べて配置されている。
インターフェイスステーション5には、Y方向に延伸する搬送路50上を移動自在な第3の搬送装置51が設けられている。第3の搬送装置51は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、剥離処理ステーション3、後処理ステーション4、検査装置7及び検査後洗浄ステーション8との間で被処理ウェハWを搬送できる。
なお、後処理ステーション4では、剥離処理ステーション3で剥離された被処理ウェハWに所定の後処理を行う。所定の後処理として、例えば被処理ウェハWをマウントする処理や、被処理ウェハW上のデバイスの電気的特性の検査を行う処理、被処理ウェハWをチップ毎にダイシングする処理などが行われる。
以上の剥離システム1には、図1に示すように制御部60が設けられている。制御部60は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、剥離システム1における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、剥離システム1における後述の剥離処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部60にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した剥離装置30の構成について説明する。剥離装置30は、図3に示すように、内部を密閉可能な処理容器100を有している。処理容器100の側面には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器100の底面には、当該処理容器100の内部の雰囲気を排気する排気口101が形成されている。排気口101には、例えば真空ポンプなどの排気装置102に連通する排気管103が接続されている。
処理容器100の内部には、被処理ウェハWを下面で吸着保持する第1の保持部110と、支持ウェハSを上面で載置して保持する第2の保持部111とが設けられている。第1の保持部110は、第2の保持部111の上方に設けられ、第2の保持部111と対向するように配置されている。すなわち、処理容器100の内部では、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で、重合ウェハTに剥離処理が行われる。
第1の保持部110には、例えばポーラスチャックが用いられている。第1の保持部110は、平板状の本体部120を有している。本体部120の下面側には、多孔質体であるポーラス121が設けられている。ポーラス121は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス121としては例えば炭化ケイ素や多孔質セラミックが用いられる。
本体部120の内部であってポーラス121の上方には吸引空間122が形成されている。吸引空間122は、例えばポーラス121を覆うように形成されている。吸引空間122には、吸引管123が接続されている。吸引管123は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。そして、吸引管123から吸引空間122とポーラス121を介して被処理ウェハの非接合面Wが吸引され、当該被処理ウェハWが第1の保持部110に吸着保持される。
本体部120の内部であって吸引空間122の上方には、被処理ウェハWを加熱する加熱機構124が設けられている。加熱機構124には、例えばヒータが用いられる。
また、本体部120には、第1の保持部110に保持された被処理ウェハWの非接合面Wに冷却媒体である不活性ガスを供給する、冷媒供給部としてのガス供給部125が設けられている。ガス供給部125は、被処理ウェハWの非接合面Wに当接するポーラス121の表面において開口している。また、ガス供給部125は、ポーラス121の表面において均一に分布するように複数設けられ、被処理ウェハWの非接合面Wに面内均一に不活性ガスを供給する。これら複数のガス供給部125は、内部に不活性ガスを貯留するガス供給源126に連通している。ガス供給源126からガス供給部125に供給される不活性ガスは、所定の温度に調節されている。不活性ガスは、例えばガス供給源126の内部で温度調節されてもよいし、或いはガス供給部125に設けられた温調機構(図示せず)によって温度調節されてもよい。なお、これらガス供給部125とガス供給源126が、本発明の冷却部を構成している。
第1の保持部110の上面には、当該第1の保持部110を支持する支持板130が設けられている。支持板130は、処理容器100の天井面に支持されている。なお、本実施の形態の支持板130を省略し、第1の保持部110は処理容器100の天井面に当接して支持されてもよい。
第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを吸着保持するための吸引管140が設けられている。吸引管140は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。
また、第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを加熱する加熱機構141が設けられている。加熱機構141には、例えばヒータが用いられる。
第2の保持部111の下方には、第2の保持部111及び支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向に移動させる移動機構150が設けられている。移動機構150は、第2の保持部111を鉛直方向に移動させる鉛直移動部151と、第2の保持部111を水平方向に移動させる水平移動部152とを有している。
鉛直移動部151は、第2の保持部111の下面を支持する支持板160と、支持板160を昇降させて第1の保持部110と第2の保持部111を鉛直方向に接近、離隔させる駆動部161と、支持板160を支持する支持部材162とを有している。駆動部161は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。また、支持部材162は、鉛直方向に伸縮自在に構成され、支持板160と後述する支持体171との間に例えば4箇所に設けられている。
水平移動部152は、X方向(図3中の左右方向)に沿って延伸するレール170と、レール170に取り付けられる支持体171と、支持体171をレール170に沿って移動させる駆動部172とを有している。駆動部172は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。なお、駆動部172は、図示のようにレール170のX方向正方向側に配置されていてもよいし、或いはレール170のX方向負方向側に配置されていてもよい。
なお、第2の保持部111の下方には、重合ウェハT又は支持ウェハSを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは第2の保持部111に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、第2の保持部111の上面から突出可能になっている。
また、剥離装置30における各部の動作は、上述した制御部60によって制御される。
次に、上述した第1の洗浄装置31の構成について説明する。第1の洗浄装置31は、図4及び図5に示すように内部を密閉可能な処理容器180を有している。処理容器180の側面には、被処理ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器180内の中央部には、被処理ウェハWを保持して回転させるポーラスチャック190が設けられている。ポーラスチャック190は、平板状の本体部191と、本体部191の上面側に設けられた多孔質体であるポーラス192とを有している。ポーラス192は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス192としては例えば炭化ケイ素や多孔質セラミックが用いられる。ポーラス192には吸引管(図示せず)が接続され、当該吸引管からポーラス192を介して被処理ウェハWの非接合面Wを吸引することにより、当該被処理ウェハWをポーラスチャック190上に吸着保持できる。
ポーラスチャック190の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部193が設けられている。ポーラスチャック190は、チャック駆動部193により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部193には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、ポーラスチャック190は昇降自在になっている。
ポーラスチャック190の周囲には、被処理ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ194が設けられている。カップ194の下面には、回収した液体を排出する排出管195と、カップ194内の雰囲気を真空引きして排気する排気管196が接続されている。
図5に示すように、カップ194のX方向負方向(図5中の下方向)側には、Y方向(図5中の左右方向)に沿って延伸するレール200が形成されている。レール200は、例えばカップ194のY方向負方向(図5中の左方向)側の外方からY方向正方向(図5中の右方向)側の外方まで形成されている。レール200には、アーム201が取り付けられている。
アーム201には、図4及び図5に示すように被処理ウェハWに洗浄液、例えば接着剤Gの溶剤である有機溶剤を供給する洗浄液ノズル202が支持されている。アーム201は、図5に示すノズル駆動部203により、レール200上を移動自在である。これにより、洗浄液ノズル202は、カップ194のY方向正方向側の外方に設置された待機部204からカップ194内の被処理ウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該被処理ウェハW上を被処理ウェハWの径方向に移動できる。また、アーム201は、ノズル駆動部203によって昇降自在であり、洗浄液ノズル202の高さを調節できる。
洗浄液ノズル202には、例えば2流体ノズルが用いられる。洗浄液ノズル202には、図4に示すように当該洗浄液ノズル202に洗浄液を供給する供給管210が接続されている。供給管210は、内部に洗浄液を貯留する洗浄液供給源211に連通している。供給管210には、洗浄液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群212が設けられている。また、洗浄液ノズル202には、当該洗浄液ノズル202に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する供給管213が接続されている。供給管213は、内部に不活性ガスを貯留するガス供給源214に連通している。供給管213には、不活性ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群215が設けられている。そして、洗浄液と不活性ガスは洗浄液ノズル202内で混合され、当該洗浄液ノズル202から被処理ウェハWに供給される。なお、以下においては、洗浄液と不活性ガスを混合したものを単に「洗浄液」という場合がある。
なお、ポーラスチャック190の下方には、被処理ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられていてもよい。かかる場合、昇降ピンはポーラスチャック190に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、ポーラスチャック190の上面から突出可能になっている。そして、ポーラスチャック190を昇降させる代わりに昇降ピンを昇降させて、ポーラスチャック190との間で被処理ウェハWの受け渡しが行われる。
また、第1の洗浄装置31における各部の動作は、上述した制御部60によって制御される。
次に、上述した第2の搬送装置32の構成について説明する。第2の搬送装置32は、図6に示すように被処理ウェハWを保持するベルヌーイチャック230を有している。ベルヌーイチャック230は、気体を噴出することにより被処理ウェハWを浮遊させ、非接触の状態で被処理ウェハWを吸引懸垂し保持することができる。ベルヌーイチャック230は、支持アーム231に支持されている。支持アーム231は、第1の駆動部232に支持されている。この第1の駆動部232により、支持アーム231は水平軸周りに回動自在であり、且つ水平方向に伸縮できる。第1の駆動部232の下方には、第2の駆動部233が設けられている。この第2の駆動部233により、第1の駆動部232は鉛直軸周りに回転自在であり、且つ鉛直方向に昇降できる。そして第2の搬送装置32は、剥離された被処理ウェハWの表裏面を反転させつつ、剥離装置30から第1の洗浄装置31に被処理ウェハWを搬送できる。
なお、第2の搬送装置32における各部の動作は、上述した制御部60によって制御される。
次に、以上のように構成された剥離システム1を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理方法について説明する。図7は、かかる剥離処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の重合ウェハTを収容したカセットC、空のカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。第1の搬送装置20によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、待機装置12に搬送される。このとき、重合ウェハTは、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で搬送される。
待機装置12では、ID読取機構によって重合ウェハTのIDを読み取るID読取処理を行う。ID読取機構によって読み取られたIDは、制御部60へ送信される。また待機装置12では、位置調節機構によって重合ウェハTのノッチ部の位置を検出しながら当該重合ウェハTの向きが調節される。さらに例えば装置間の処理時間差等により処理待ちの重合ウェハTが生じる場合には、待機装置12に重合ウェハTを一時的に待機させておくことができ、一連の工程間でのロス時間を短縮することができる。
剥離装置30に搬入された重合ウェハTは、第2の保持部111に吸着保持される。その後、移動機構150により第2の保持部111を上昇させて、第1の保持部110と第2の保持部111で重合ウェハTを挟み込んで保持する。このとき、第1の保持部110に被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持され、第2の保持部111に支持ウェハSの非接合面Sが吸着保持される。
その後、加熱機構124、141によって重合ウェハTが所定の温度、例えば200℃〜250℃に加熱される。そうすると、重合ウェハT中の接着剤Gが軟化する。
続いて、加熱機構124、141によって重合ウェハTを加熱して接着剤Gの軟化状態を維持しながら、移動機構150によって第2の保持部111と支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向、すなわち斜め下方に移動させる。そして、第1の保持部110に保持された被処理ウェハWと、第2の保持部111に保持された支持ウェハSとが剥離される(図7の工程A1)。
この工程A1において、第2の保持部111は、鉛直方向に100μm移動し、且つ水平方向に300mm移動する。ここで、本実施の形態では、重合ウェハT中の接着剤Gの厚みは例えば30μm〜40μmであって、被処理ウェハWの接合面Wに形成されたデバイス(バンプ)の高さは例えば20μmである。したがって、被処理ウェハW上のデバイスと支持ウェハSとの間の距離が微小となる。そこで、例えば第2の保持部111を水平方向にのみ移動させた場合、デバイスと支持ウェハSが接触し、デバイスが損傷を被るおそれがある。この点、本実施の形態のように第2の保持部111を水平方向に移動させると共に鉛直方向にも移動させることによって、デバイスと支持ウェハSとの接触を回避し、デバイスの損傷を抑制することができる。なお、この第2の保持部111の鉛直方向の移動距離と水平方向の移動距離の比率は、被処理ウェハW上のデバイス(バンプ)の高さに基づいて設定される。
その後、図8に示すように第1の保持部110に被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持された状態で、ガス供給部125から非接合面Wに、所定の温度に調節された不活性ガスを供給する。これにより、被処理ウェハWは非接合面W側から冷却される。そして図9に示すように、接着剤Gは被処理ウェハW側の面(以下、「裏面G」という)から冷却され、例えば100℃まで冷却される(図7の工程A2)。そうすると、これにより接着剤Gは裏面Gから硬化して収縮する。なお、不活性ガスによって接着剤Gを冷却する目標温度は、当該接着剤Gが硬化する温度であって、接着剤の種類に応じて任意に設定される。
一方、接着剤Gにおいて被処理ウェハWと反対側の面(以下、「表面G」という)は外気によって冷却されて収縮するが、上述のように接着剤Gの裏面Gを積極的に収縮させることで、接着剤Gの表面Gの収縮と裏面Gの収縮をほぼ同じにすることができる。なお、接着剤Gの表面Gの収縮と裏面Gの収縮は、例えば不活性ガスの温度や供給時間等によって制御される。そして、このように接着剤Gの表面Gと裏面Gとの収縮差を小さく制御することにより、被処理ウェハWの反りが抑制され、被処理ウェハWをほぼ平坦にすることができる。そして、第1の保持部110に保持された被処理ウェハWの下方に配置されたベルヌーイチャック230によって、被処理ウェハWを適切に保持することができる。
なお、工程A2において、図10に示すように接着剤Gの裏面Gが表面Gに先だって収縮するように、接着剤Gの裏面Gを冷却してもよい。そうすると、被処理ウェハWは接着剤G側に突出して若干程度反る。かかる場合でも、接着剤Gの表面Gと裏面Gとの収縮差を小さいので、被処理ウェハWの反り量は小さい。このため、ベルヌーイチャック230によって被処理ウェハWを適切に保持することができる。
ここで、従来、剥離後の被処理ウェハWに対して何も処理しない場合、接着剤Gの表面Gは裏面Gに先だって収縮するため、被処理ウェハWは接着剤Gと反対側に大きく突出して反る。これに対して、図9と図10に示したいずれの場合でも、かかる従来の被処理ウェハWの反りを防止して、ベルヌーイチャック230によって被処理ウェハWを適切に保持することができる。
第1の保持部110からベルヌーイチャック230に被処理ウェハWが受け渡されると、図11に示すように支持アーム231を回動させてベルヌーイチャック230を第1の洗浄装置31のポーラスチャック190の上方に移動させると共に、ベルヌーイチャック230を反転させて被処理ウェハWの非接合面Wを下方に向ける。このとき、ポーラスチャック190をカップ194よりも上方まで上昇させて待機させておく。その後、ベルヌーイチャック230からポーラスチャック190に被処理ウェハWが受け渡され吸着保持される。このとき、上述したように被処理ウェハWがほぼ平坦になっているので、ポーラスチャック190によって被処理ウェハWを適切に保持することができる。
第1の洗浄装置31では、ポーラスチャック190に被処理ウェハWが吸着保持されると、ポーラスチャック190を所定の位置まで下降させる。続いて、アーム201によって待機部204の洗浄液ノズル202を被処理ウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、ポーラスチャック190によって被処理ウェハWを回転させながら、洗浄液ノズル202から被処理ウェハWの接合面Wに洗浄液を供給する。供給された洗浄液は遠心力により被処理ウェハWの接合面Wの全面に拡散されて、当該被処理ウェハWの接合面Wが洗浄される(図9の工程A3)。
ここで、上述したように搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと欠陥のある正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
正常な重合ウェハTから剥離された正常な被処理ウェハWは、工程A3で接合面Wが洗浄された後、非接合面Wが下方を向いた状態で第3の搬送装置51によって検査装置7に搬送される。検査装置7では、被処理ウェハWの接合面Wを撮像して、当該接合面Wにおける接着剤Gの残渣の有無が検査される(図7の工程A4)。
検査装置7において接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51により検査後洗浄ステーション8の接合面洗浄装置40に搬送され、接合面洗浄装置40において接合面Wが洗浄される(図7の工程A5)。接合面Wが洗浄されると、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって反転装置42に搬送され、反転装置42において被処理ウェハWの表裏面が反転される(図7の工程A6)。なお、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは接合面洗浄装置40に搬送されることなく反転装置42にて反転される。
その後、反転された被処理ウェハWは、第3の搬送装置51により再び検査装置7に搬送され、非接合面Wの検査が行われる(図7の工程A7)。そして、非接合面Wにおいて接着剤Gの残渣やパーティクルなどが確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって非接合面洗浄装置41に搬送され、非接合面洗浄装置41において非接合面Wが洗浄される(図7の工程A8)。次いで、洗浄された被処理ウェハWは、第3の搬送装置51によって後処理ステーション4に搬送される。なお、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは非接合面洗浄装置41に搬送されることなくそのまま後処理ステーション4に搬送される。
その後、後処理ステーション4において被処理ウェハWに所定の後処理が行われる(図7の工程A9)。こうして、被処理ウェハWが製品化される。
一方、欠陥のある重合ウェハTから剥離された欠陥のある被処理ウェハWは、工程A3で接合面Wが洗浄された後、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、欠陥のある被処理ウェハWは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図7の工程A10)。
被処理ウェハWに上述した工程A1〜A10が行われている間、剥離装置30で剥離された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって第2の洗浄装置33に搬送される。そして、第2の洗浄装置33において、支持ウェハSの接合面Sが洗浄される(図7の工程A11)。かかる洗浄処理によって、支持ウェハSの接合面Sに残存する接着剤Gが除去される。
その後、接合面Sが洗浄された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、支持ウェハSは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図7の工程A12)。こうして、一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、第1の保持部110に保持された被処理ウェハWと第2の保持部111に保持された支持ウェハSを加熱しながら剥離した後、剥離後の被処理ウェハWを非接合面W側から冷却する。そうすると、接着剤Gは裏面Gから冷却され、これにより接着剤Gは裏面Gから硬化して収縮する。一方、接着剤Gの表面Gは外気によって冷却されて収縮するが、上述のように接着剤Gの裏面Gを積極的に収縮させることで、接着剤Gの表面Gと裏面Gとの収縮差を小さくできる。これにより、冷却後の被処理ウェハWの反りが抑制され、被処理ウェハWをほぼ平坦にすることができる。したがって、第2の搬送装置32のベルヌーイチャック230や第1の洗浄装置31のポーラスチャック190で被処理ウェハWを適切に保持することができ、重合ウェハTの剥離処理を適切に行うことができる。換言すれば、重合ウェハTの剥離処理の安定性を向上させることができる。
また、ガス供給部125は第1の保持部110に設けられているので、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、直ちに剥離後の被処理ウェハWに対して、当該被処理ウェハWの非接合面Wに不活性ガスを供給することができる。このため、接着剤Gの表面Gが裏面Gに先だって収縮するのを確実に抑制することができ、接着剤Gの表面Gと裏面Gとの収縮差をより小さくすることができる。そして、被処理ウェハWの反りをより小さくすることができる。
さらに、このように第1の保持部110に保持された被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを積極的に硬化させるので、その後、ベルヌーイチャック230に被処理ウェハWを受け渡した際、当該ベルヌーイチャック230に接着剤Gが付着するのを抑制することもできる。
なお、本実施の形態では、ガス供給部125から不活性ガスを供給したが、被処理ウェハWの非接合面Wに供給する冷却媒体はこれに限定されず、例えば空気等、種々の冷却媒体を用いることができる。但し、被処理ウェハW上のデバイスが影響を受けないようにするためには、冷却媒体として不活性ガスを用いるのが好ましい。
また、以上の実施の形態の剥離システム1によれば、剥離装置30において重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、第1の洗浄装置31において、剥離された被処理ウェハWを洗浄すると共に、第2の洗浄装置33において、剥離された支持ウェハSを洗浄することができる。このように本実施の形態によれば、一の剥離システム1内で、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄までの一連の剥離処理を効率よく行うことができる。また、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において、被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄をそれぞれ並行して行うことができる。さらに、剥離装置30において被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離する間に、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において別の被処理ウェハWと支持ウェハSを処理することもできる。したがって、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離を効率よく行うことができ、剥離処理のスループットを向上させることができる。
また、このように一連のプロセスにおいて、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの後処理まで行うことができるので、剥離処理のスループットをさらに向上させることができる。
以上の実施の形態では、剥離後の被処理ウェハWを非接合面W側から冷却する冷却部は、ガス供給部125とガス供給源126を備えていたが、冷却部の構成はこれに限定されず、種々の構成を取り得る。
例えば図12に示すように、冷却部は冷却板300を有している。冷却板300は、第1の保持部110に隣接して配置されている。後述するように剥離後の被処理ウェハWは第1の保持部110から冷却板300に搬送される。この被処理ウェハWの搬送中に被処理ウェハW上の接着剤Gが硬化しない位置に、冷却板300は配置されている。
冷却板300には、例えば第1の保持部110と同様にポーラスチャックが用いられる。冷却板300は、平板状の本体部310を有している。本体部310の下面側には、多孔質体であるポーラス311が設けられている。ポーラス311は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス311としては例えば炭化ケイ素や多孔質セラミックが用いられる。
本体部310の内部であってポーラス311の上方には吸引空間312が形成されている。吸引空間312は、例えばポーラス311を覆うように形成されている。吸引空間312には、吸引管313が接続されている。吸引管313は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。そして、吸引管313から吸引空間312とポーラス311を介して被処理ウェハの非接合面Wが吸引され、当該被処理ウェハWが冷却板300に保持される。
本体部310の内部であって吸引空間312の上方には、被処理ウェハWを冷却する冷却部材314が設けられている。冷却部材314には、例えばペルチェ素子等が用いられる。
なお、本実施の形態では、冷却板300にポーラスチャックを用いていたが、被処理ウェハWを保持する構成は本実施の形態に限定されず、任意に設計することができる。例えば被処理ウェハWは、冷却板300とは別の保持機構(図示せず)によって保持されてもよい。また本実施の形態では、被処理ウェハWは冷却板300に当接して保持されていたが、被処理ウェハWと冷却板300との間に微小な隙間が形成されていてもよい。かかる場合でも、冷却板300によって被処理ウェハWを冷却することは可能である。
かかる場合、工程A1において重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、図13に示すように第2の搬送装置32のベルヌーイチャック230によって、第1の保持部110から冷却板300に被処理ウェハWは搬送される。そして、図14に示すようにベルヌーイチャック230から冷却板300に被処理ウェハWが受け渡され、当該冷却板300に被処理ウェハWの非接合面Wが保持される。
上述したように冷却板300は第1の保持部110に隣接して配置されているので、被処理ウェハWの搬送時間を短時間にできる。そうすると、被処理ウェハWの搬送中、接着剤Gの表面Gが外気に晒されていても、表面Gの温度がほとんど低下せず、当該表面Gは硬化して収縮しない。
その後、工程A2において、冷却板300に被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持された状態で、冷却板300によって当該被処理ウェハWが非接合面W側から冷却される。そうすると、接着剤Gは裏面Gから冷却されて、裏面Gから硬化して収縮する。このため、接着剤Gの表面Gの収縮と裏面Gの収縮をほぼ同じにすることができ、被処理ウェハWをほぼ平坦にすることができる。
なお、後続の工程A3〜A12については、上記実施の形態における工程A3〜A12と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を享受できる。すなわち、冷却後の被処理ウェハWをほぼ平坦にできるので、第2の搬送装置32のベルヌーイチャック230や第1の洗浄装置31のポーラスチャック190で被処理ウェハWを適切に保持することができ、重合ウェハTの剥離処理を適切に行うことができる。
また、冷却板300は第1の保持部110と独立して設けられているので、冷却板300による被処理ウェハW(接着剤G)の冷却に伴って、第1の保持部110が影響を受けることがない。すなわち、第1の保持部110が冷却されることがなく、第1の保持部110の温度を維持することができる。そうすると、工程A1において重合ウェハTを加熱しながら剥離した後、工程A2において剥離後の被処理ウェハWを冷却しても、次の重合ウェハTを加熱するために第1の保持部110の温度を調節する必要がない。したがって、第1の保持部110を用いた重合ウェハTの剥離処理を連続して行うことができ、剥離処理のスループットを向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1の保持部110に隣接して設けられる冷却部として、冷却板300を用いたが、冷却部の構成はこれに限定されない。例えば被処理ウェハW非接合面Wに不活性ガス等の冷却媒体を供給する冷却部を、第1の保持部110に隣接して設けてもよい。
また、冷却部は、図3に示したガス供給部125とガス供給源126と、図12に示した冷却板300をすべて備えていてもよい。かかる場合、両実施の形態における効果を相乗的に享受することができる。
以上の実施の形態の剥離システム1において、剥離前の重合ウェハTにおける接着剤Gの周縁部を除去するエッジカット装置(図示せず)が設けられていてもよい。エッジカット装置では、例えば接着剤Gの溶剤に重合ウェハTを浸漬させることによって、接着剤Gの周縁部を溶剤によって溶解させる。かかるエッジカット処理により接着剤Gの周縁部が除去されることで、剥離装置30での剥離処理において被処理ウェハWと支持ウェハSとを剥離させ易くすることができる。
以上の実施の形態の重合ウェハTには、当該重合ウェハTの損傷を抑制するための保護部材、例えばダイシングフレーム(図示せず)が設けられていてもよい。ダイシングフレームは、被処理ウェハW側に設けられている。そして、被処理ウェハWが支持ウェハSから剥離された後も、薄化された被処理ウェハWはダイシングフレームに保護された状態で、所定の処理や搬送が行われる。したがって、剥離後の被処理ウェハWの損傷を抑制することができる。
以上の実施の形態では、後処理ステーション4において被処理ウェハWに後処理を行い製品化する場合について説明したが、本発明は、例えば3次元集積技術で用いられる被処理ウェハを支持ウェハから剥離する場合にも適用することができる。なお、3次元集積技術とは、近年の半導体デバイスの高集積化の要求に応えた技術であって、高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置する代わりに、当該複数の半導体デバイスを3次元に積層する技術である。この3次元集積技術においても、積層される被処理ウェハの薄化が求められており、当該被処理ウェハを支持ウェハに接合して所定の処理が行われる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
1 剥離システム
2 搬入出ステーション
3 剥離処理ステーション
20 第1の搬送装置
30 剥離装置
31 第1の洗浄装置
33 第2の洗浄装置
60 制御部
110 第1の保持部
111 第2の保持部
124 加熱機構
125 ガス供給部
126 ガス供給源
300 冷却板
G 接着剤
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ

Claims (6)

  1. 被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を剥離する剥離装置であって、
    重合基板を加熱する加熱機構を備え、被処理基板を保持する第1の保持部と、
    支持基板を保持する第2の保持部と、
    剥離後の被処理基板を非接合面側から冷却する冷却部と、を有し、
    前記冷却部は、
    前記第1の保持部に設けられ、且つ前記第1の保持部に保持された被処理基板の非接合面に冷却媒体を供給する冷媒供給部と、
    前記第1の保持部に隣接して配置される冷却板と、を有することを特徴とする、剥離装置。
  2. 前記冷却媒体は不活性ガスであることを特徴とする、請求項1に記載の剥離装置。
  3. 前記冷却板は、前記第1の保持部から前記冷却板に被処理基板が搬送されている間に、当該被処理基板に付着した接着剤が硬化しない位置に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の剥離装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の剥離装置を備えた剥離システムであって、
    前記剥離装置と、前記剥離装置で剥離された第1の基板を洗浄する第1の洗浄装置と、前記剥離装置で剥離された第2の基板を洗浄する第2の洗浄装置と、を備えた処理ステーションと、
    前記処理ステーションに対して、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、
    前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴とする、剥離システム。
  5. 前記搬送装置は、被処理基板の接合面を保持するベルヌーイチャックを有し、
    前記冷媒供給部は、被処理基板の非接合面を保持する前記第1の保持部から前記搬送装置に被処理基板を受け渡す際に、被処理基板の冷却を行うことを特徴とする、請求項4に記載の剥離システム
  6. 前記搬送装置は、前記第1の保持部と、被処理基板の非接合面を保持する前記冷却板との間で被処理基板を搬送することを特徴とする、請求項4に記載の剥離システム
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