JP2004029503A - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体状汚染物質による汚染を低コストで防止し、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を製造する方法を得る。
【解決手段】液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみをカバー12で覆い、カバー12内部には外気を気体状汚染物質除去装置15、温湿度調整装置16およびHEPAフィルタ18を介して供給する。また、カバー12内部からの排気はクリーンルーム(カバーの外部)に循環して再利用する。
【選択図】 図2
【解決手段】液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみをカバー12で覆い、カバー12内部には外気を気体状汚染物質除去装置15、温湿度調整装置16およびHEPAフィルタ18を介して供給する。また、カバー12内部からの排気はクリーンルーム(カバーの外部)に循環して再利用する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造においては、数μm程度の異物が原因となって欠陥を生じさせるため、液晶表示装置の製造工程は、異物が管理されたクリーンルーム内で行われている。
通常、クリーンルーム内の空気は、HEPAフィルタ等により数μmレベルの異物が除去されると共に温湿度制御が行われており、コストの観点からクリーンルーム内の空気は循環されて再利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、クリーンルーム内の空気は循環再利用されるため、クリーンルーム内で発生する各種の気体状汚染物質、例えば、装置の筐体等に使用される塩化ビニルの可塑剤であるフタル酸ジオクチルや製造工程で使用される溶剤からの揮発物等はHEPAフィルタでは除去されないためクリーンルーム内に蓄積されるという問題があった。
【0004】
一方、液晶表示装置の製造において、気体状汚染物質の存在は、液晶表示装置を構成する対向する二枚の基板の対向する面に形成されている配向膜を汚染して、図2に示すように、液晶表示装置を構成する二枚の基板間に挟持されている液晶分子のプレチルト角(電圧無印加状態で液晶分子が基板と形成する傾斜角)を低下(変化)させ、液晶表示装置の表示品位を低下させるという問題があった。
図2は、液晶表示装置を構成する基板に配向膜を塗布した後、密閉容器内に保管した基板もしくはクリーンルーム内に放置した基板を用いて液晶パネルを形成し、各液晶パネルにおける液晶分子のプレチルト角の保持率を比較した結果を示しており、クリーンルーム内に放置した場合は密閉容器内に保管した場合に比べてプレチルト角の保持率が低下している。
【0005】
従来、このような気体状汚染物質への対策としては、気体状汚染物質の明確な発生源に局所排気を設置することにより、クリーンルーム内での気体状汚染物質の蓄積を防止する方法が取られてきた。
しかし、上記方法では、局所排気を設置した場所で発生する汚染物質を除去することはできるが、装置の筐体等に使用されている塩化ビニル部材からの可塑剤の発生など発生源が明確でなく広範囲に及ぶ場合や、清掃作業、補修作業等による気体状汚染物質の発生など発生場所が固定されない場合もあり、気体状汚染物質の発生源全てに局所排気を設置することはできないという問題があった。
さらに、気体状汚染物質の発生源に局所排気を設置した場合においても、汚染物質を完全に除去するには、大量の排気量を必要としてクリーンルーム内空気の循環使用率が低下するため、コストの観点から充分なレベルまで汚染物質を減らすことができないという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、気体状汚染物質による配向膜の汚染を低コストで防止し、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を製造する方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる液晶表示装置の製造方法は、電極および配向膜等が形成された二枚の基板を対向させて貼り合わせると共に、二枚の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置の製造方法において、配向膜の形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程で使用される処理装置および基板搬送装置をカバーで覆い、カバー内部には外気を取り入れて温湿度調整し、かつフィルタにより数ミクロンレベルの異物を除去した空気が供給されるものである。
【0008】
また、カバーの内部は、カバーの外部に対して陽圧状態になるように調整されているものである。
また、カバー内部に供給される空気は、気体状汚染物質の除去を行った後にカバー内部に供給されるものである。
また、気体状汚染物質の除去は、水スクラバ、冷却吸着板および活性炭フィルタの少なくとも一つを用いて行われるものである。
また、カバーおよびカバーへ外気を導入する配管は、金属やガラス等の無機物により構成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態である液晶表示装置の製造方法を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造方法の一例を示す部分工程図である。
図において、ST1からST7までは、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)等が形成されているTFTアレイ基板側の製造工程を示し、ST11からST16までは、TFTアレイ基板に対向配置され、対向電極やカラーフィルタ等が形成されている対向基板側の製造工程を示し、ST21からST26は上記TFTアレイ基板と対向基板を貼り合わせて液晶パネルを形成する工程の一部を示している。
【0010】
図2は実施の形態1による液晶表示装置の製造方法において、所定の工程間の処理装置および基板搬送装置を覆うクリーンルーム(以下、簡易クリーンルームと称する)の概略構成を示す断面図である。
図において、1はクリーンルームで、天井チャンバー2、作業ゾーン3およびユーティリティゾーン4から構成され、天井チャンバー2と作業ゾーン3の間には天井フィルタ5が配置され、作業ゾーン3は床面のグレーティング6を介してユーティリティゾーン4と接している。7は循環ファンで、作業ゾーン3の空気をユーティリティゾーン5を介して吸引し天井チャンバー2に循環させる。
【0011】
11はクリーンルーム1内に設置された簡易クリーンルーム、12は簡易クリーンルーム11の作業領域を覆うカバー、13はカバー12内部に設置された配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程で使用される処理装置および基板搬送装置(以下、装置と略記する)、14はカバー12内部への外気取入口、15は汚染物質除去装置、16は温湿度調整装置、17はカバー12内部への空気供給配管、18はカバー12の天井部に配設され、数ミクロンレベルの塵埃等を除去可能なHEPAフィルタ、19はカバー12内部の装置13からの局所排気ダクトである。なお、簡易クリーンルーム11の床面はクリーンルーム1の床面(グレーティング6)と共通である。
また、図2中矢印は空気の流れを示している。
【0012】
本実施の形態による液晶表示装置の製造方法においては、液晶表示装置を構成する二枚の基板間に挟持されている液晶分子のプレチルト角を低下させる一因となる対向する二枚の基板の対向する面に形成される配向膜の汚染を防止するために、二枚の各基板に対する配向膜形成工程(ST2、ST12)から、二枚の基板を貼り合わせる工程(ST21)間で使用される装置(処理装置および搬送装置)13をカバー12で覆い、カバー12内部には、クリーンルーム1の外部から外気取入口14を介して取り入れた空気を、温湿度調整装置16によって温湿度調整した後、空気供給配管17を通りカバー12の天井部に設置されたHEPAフィルタ18により塵埃等の異物を除去して供給する。
なお、二枚の基板を貼り合わせた後は、配向膜表面は対向する二枚の基板の内面となり、外気による汚染は無視できるレベルと考えられるため、カバー12で覆う装置13は二枚の基板を重ねて貼り合わせる工程への搬送工程まででよい。
【0013】
カバー12内部に供給された空気はダウンフローされ、クリーンルーム1と共通の床面であるグレーティング6を介してユーティリティゾーン4に排気される。
ユーティリティゾーン4に排気された空気はクリーンルーム1の作業ゾーン3から排気された空気と一緒に循環ファン7によりクリーンルーム1の天井チャンバー2に循環され、クリーンルーム1の循環空気として使用される。
また、カバー12内部の装置13から生じる汚染物質を含む空気は局所排気ダクトからクリーンルーム1外に排気される。
【0014】
また、カバー12内部に供給する空気の空気取入口14に水スクラバ、冷却吸着板、活性炭フィルタ等の気体状汚染物質を吸着除去できる汚染物質除去装置を設置することも可能である。
また、カバー12の内部をクリーンルーム1の作業ゾーン13に対して陽圧状態とすることにより、カバー3を密閉状態で設置する必要はない。
また、カバー12内部への空気供給配管17やカバー3を構成する材質としては、金属やガラス等の無機物を用いることが望ましい。
【0015】
本実施の形態によれば、液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみをカバー12で覆い、カバー12内部には外気を気体状汚染物質除去装置15、温湿度調整装置16およびHEPAフィルタ18を介して供給することにより、クリーンルーム1内で蓄積される気体状汚染物質による液晶表示装置を構成する基板や配向膜への汚染を防止することができ、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を得ることができる。
また、カバー12によって配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみを覆って空調管理を行い、かつカバー12内部からの排気はクリーンルーム1(カバー12の外側)に循環して再利用することにより、クリーンルームのランニングコストを削減することができ、ひいては液晶表示装置の製造コストを削減することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の処理装置および基板搬送装置のみをカバーで覆い、カバー内部には外気を温湿度管理すると共に数ミクロンレベルの塵埃等を除去できるHEPAフィルタを介して供給することにより、気体状汚染物質による液晶表示装置を構成する基板や配向膜への汚染を低コストで防止することができ、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0017】
また、カバーの内部をクリーンルームの作業ゾーンに対して陽圧状態とすることにより、クリーンルーム内の空気がカバー内に流れることがないため、カバーを密閉状態で設置する必要がなくなり、低コストでカバーを設置することができる。
【0018】
また、カバー内部には、外気から気体状汚染物質を除去した後に供給することにより、気体状汚染物質による基板や配向膜の汚染防止に一層の効果が得られる。
【0019】
また、気体状汚染物質除去は、水スクラバ、冷却吸着板、活性炭フィルタ等を用いて容易に行うことが出来る。
【0020】
また、カバーやカバー内部に空気を供給する配管を構成する材質として金属やガラス等の無機物を用いることにより、カバーや配管からの気体状汚染物質の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造方法の一例を示す部分工程図である。
【図2】この発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造工程において使用されるクリーンルームの概略構成を示す断面図である。
【図3】従来技術における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 クリーンルーム、2 天井チャンバー、3 作業ゾーン、
4 ユーティリティゾーン、5 天井フィルタ、6 グレーティング、
7 循環ファン、
11 簡易クリーンルーム、12 カバー、13 装置、14 外気取入口、
15 汚染物質除去装置、16 温湿度調整装置、17 空気供給配管、
18 HEPAフィルタ、19 局所排気ダクト。
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造においては、数μm程度の異物が原因となって欠陥を生じさせるため、液晶表示装置の製造工程は、異物が管理されたクリーンルーム内で行われている。
通常、クリーンルーム内の空気は、HEPAフィルタ等により数μmレベルの異物が除去されると共に温湿度制御が行われており、コストの観点からクリーンルーム内の空気は循環されて再利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、クリーンルーム内の空気は循環再利用されるため、クリーンルーム内で発生する各種の気体状汚染物質、例えば、装置の筐体等に使用される塩化ビニルの可塑剤であるフタル酸ジオクチルや製造工程で使用される溶剤からの揮発物等はHEPAフィルタでは除去されないためクリーンルーム内に蓄積されるという問題があった。
【0004】
一方、液晶表示装置の製造において、気体状汚染物質の存在は、液晶表示装置を構成する対向する二枚の基板の対向する面に形成されている配向膜を汚染して、図2に示すように、液晶表示装置を構成する二枚の基板間に挟持されている液晶分子のプレチルト角(電圧無印加状態で液晶分子が基板と形成する傾斜角)を低下(変化)させ、液晶表示装置の表示品位を低下させるという問題があった。
図2は、液晶表示装置を構成する基板に配向膜を塗布した後、密閉容器内に保管した基板もしくはクリーンルーム内に放置した基板を用いて液晶パネルを形成し、各液晶パネルにおける液晶分子のプレチルト角の保持率を比較した結果を示しており、クリーンルーム内に放置した場合は密閉容器内に保管した場合に比べてプレチルト角の保持率が低下している。
【0005】
従来、このような気体状汚染物質への対策としては、気体状汚染物質の明確な発生源に局所排気を設置することにより、クリーンルーム内での気体状汚染物質の蓄積を防止する方法が取られてきた。
しかし、上記方法では、局所排気を設置した場所で発生する汚染物質を除去することはできるが、装置の筐体等に使用されている塩化ビニル部材からの可塑剤の発生など発生源が明確でなく広範囲に及ぶ場合や、清掃作業、補修作業等による気体状汚染物質の発生など発生場所が固定されない場合もあり、気体状汚染物質の発生源全てに局所排気を設置することはできないという問題があった。
さらに、気体状汚染物質の発生源に局所排気を設置した場合においても、汚染物質を完全に除去するには、大量の排気量を必要としてクリーンルーム内空気の循環使用率が低下するため、コストの観点から充分なレベルまで汚染物質を減らすことができないという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、気体状汚染物質による配向膜の汚染を低コストで防止し、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を製造する方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる液晶表示装置の製造方法は、電極および配向膜等が形成された二枚の基板を対向させて貼り合わせると共に、二枚の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置の製造方法において、配向膜の形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程で使用される処理装置および基板搬送装置をカバーで覆い、カバー内部には外気を取り入れて温湿度調整し、かつフィルタにより数ミクロンレベルの異物を除去した空気が供給されるものである。
【0008】
また、カバーの内部は、カバーの外部に対して陽圧状態になるように調整されているものである。
また、カバー内部に供給される空気は、気体状汚染物質の除去を行った後にカバー内部に供給されるものである。
また、気体状汚染物質の除去は、水スクラバ、冷却吸着板および活性炭フィルタの少なくとも一つを用いて行われるものである。
また、カバーおよびカバーへ外気を導入する配管は、金属やガラス等の無機物により構成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態である液晶表示装置の製造方法を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造方法の一例を示す部分工程図である。
図において、ST1からST7までは、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)等が形成されているTFTアレイ基板側の製造工程を示し、ST11からST16までは、TFTアレイ基板に対向配置され、対向電極やカラーフィルタ等が形成されている対向基板側の製造工程を示し、ST21からST26は上記TFTアレイ基板と対向基板を貼り合わせて液晶パネルを形成する工程の一部を示している。
【0010】
図2は実施の形態1による液晶表示装置の製造方法において、所定の工程間の処理装置および基板搬送装置を覆うクリーンルーム(以下、簡易クリーンルームと称する)の概略構成を示す断面図である。
図において、1はクリーンルームで、天井チャンバー2、作業ゾーン3およびユーティリティゾーン4から構成され、天井チャンバー2と作業ゾーン3の間には天井フィルタ5が配置され、作業ゾーン3は床面のグレーティング6を介してユーティリティゾーン4と接している。7は循環ファンで、作業ゾーン3の空気をユーティリティゾーン5を介して吸引し天井チャンバー2に循環させる。
【0011】
11はクリーンルーム1内に設置された簡易クリーンルーム、12は簡易クリーンルーム11の作業領域を覆うカバー、13はカバー12内部に設置された配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程で使用される処理装置および基板搬送装置(以下、装置と略記する)、14はカバー12内部への外気取入口、15は汚染物質除去装置、16は温湿度調整装置、17はカバー12内部への空気供給配管、18はカバー12の天井部に配設され、数ミクロンレベルの塵埃等を除去可能なHEPAフィルタ、19はカバー12内部の装置13からの局所排気ダクトである。なお、簡易クリーンルーム11の床面はクリーンルーム1の床面(グレーティング6)と共通である。
また、図2中矢印は空気の流れを示している。
【0012】
本実施の形態による液晶表示装置の製造方法においては、液晶表示装置を構成する二枚の基板間に挟持されている液晶分子のプレチルト角を低下させる一因となる対向する二枚の基板の対向する面に形成される配向膜の汚染を防止するために、二枚の各基板に対する配向膜形成工程(ST2、ST12)から、二枚の基板を貼り合わせる工程(ST21)間で使用される装置(処理装置および搬送装置)13をカバー12で覆い、カバー12内部には、クリーンルーム1の外部から外気取入口14を介して取り入れた空気を、温湿度調整装置16によって温湿度調整した後、空気供給配管17を通りカバー12の天井部に設置されたHEPAフィルタ18により塵埃等の異物を除去して供給する。
なお、二枚の基板を貼り合わせた後は、配向膜表面は対向する二枚の基板の内面となり、外気による汚染は無視できるレベルと考えられるため、カバー12で覆う装置13は二枚の基板を重ねて貼り合わせる工程への搬送工程まででよい。
【0013】
カバー12内部に供給された空気はダウンフローされ、クリーンルーム1と共通の床面であるグレーティング6を介してユーティリティゾーン4に排気される。
ユーティリティゾーン4に排気された空気はクリーンルーム1の作業ゾーン3から排気された空気と一緒に循環ファン7によりクリーンルーム1の天井チャンバー2に循環され、クリーンルーム1の循環空気として使用される。
また、カバー12内部の装置13から生じる汚染物質を含む空気は局所排気ダクトからクリーンルーム1外に排気される。
【0014】
また、カバー12内部に供給する空気の空気取入口14に水スクラバ、冷却吸着板、活性炭フィルタ等の気体状汚染物質を吸着除去できる汚染物質除去装置を設置することも可能である。
また、カバー12の内部をクリーンルーム1の作業ゾーン13に対して陽圧状態とすることにより、カバー3を密閉状態で設置する必要はない。
また、カバー12内部への空気供給配管17やカバー3を構成する材質としては、金属やガラス等の無機物を用いることが望ましい。
【0015】
本実施の形態によれば、液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみをカバー12で覆い、カバー12内部には外気を気体状汚染物質除去装置15、温湿度調整装置16およびHEPAフィルタ18を介して供給することにより、クリーンルーム1内で蓄積される気体状汚染物質による液晶表示装置を構成する基板や配向膜への汚染を防止することができ、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を得ることができる。
また、カバー12によって配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の装置13のみを覆って空調管理を行い、かつカバー12内部からの排気はクリーンルーム1(カバー12の外側)に循環して再利用することにより、クリーンルームのランニングコストを削減することができ、ひいては液晶表示装置の製造コストを削減することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、液晶表示装置の製造工程において、配向膜形成から二枚の基板を貼り合わせるまでの工程の処理装置および基板搬送装置のみをカバーで覆い、カバー内部には外気を温湿度管理すると共に数ミクロンレベルの塵埃等を除去できるHEPAフィルタを介して供給することにより、気体状汚染物質による液晶表示装置を構成する基板や配向膜への汚染を低コストで防止することができ、液晶のプレチルト角を安定化して表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0017】
また、カバーの内部をクリーンルームの作業ゾーンに対して陽圧状態とすることにより、クリーンルーム内の空気がカバー内に流れることがないため、カバーを密閉状態で設置する必要がなくなり、低コストでカバーを設置することができる。
【0018】
また、カバー内部には、外気から気体状汚染物質を除去した後に供給することにより、気体状汚染物質による基板や配向膜の汚染防止に一層の効果が得られる。
【0019】
また、気体状汚染物質除去は、水スクラバ、冷却吸着板、活性炭フィルタ等を用いて容易に行うことが出来る。
【0020】
また、カバーやカバー内部に空気を供給する配管を構成する材質として金属やガラス等の無機物を用いることにより、カバーや配管からの気体状汚染物質の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造方法の一例を示す部分工程図である。
【図2】この発明の実施の形態1による液晶表示装置の製造工程において使用されるクリーンルームの概略構成を示す断面図である。
【図3】従来技術における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 クリーンルーム、2 天井チャンバー、3 作業ゾーン、
4 ユーティリティゾーン、5 天井フィルタ、6 グレーティング、
7 循環ファン、
11 簡易クリーンルーム、12 カバー、13 装置、14 外気取入口、
15 汚染物質除去装置、16 温湿度調整装置、17 空気供給配管、
18 HEPAフィルタ、19 局所排気ダクト。
Claims (5)
- 電極および配向膜等が形成された二枚の基板を対向させて貼り合わせると共に、上記二枚の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置の製造方法において、
上記配向膜の形成から上記二枚の基板を貼り合わせるまでの工程で使用される処理装置および基板搬送装置をカバーで覆い、上記カバー内部には外気を取り入れて温湿度調整し、かつフィルタにより数ミクロンレベルの異物を除去した空気が供給されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 上記カバーの内部は、上記カバーの外部に対して陽圧状態になるように調整されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の製造方法。
- 上記カバー内部に供給される空気は、気体状汚染物質の除去を行った後に上記カバー内部に供給されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の製造方法。
- 上記気体状汚染物質の除去は、水スクラバ、冷却吸着板および活性炭フィルタの少なくとも一つを用いて行われることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置の製造方法。
- 上記カバーおよび上記カバーへ外気を導入する配管は、金属やガラス等の無機物により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の液晶表示装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187345A JP2004029503A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 液晶表示装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002187345A JP2004029503A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 液晶表示装置の製造方法 |
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JP2004029503A true JP2004029503A (ja) | 2004-01-29 |
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JP (1) | JP2004029503A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015018926A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 東京エレクトロン株式会社 | 接合装置、接合システム、接合方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
CN105892106A (zh) * | 2016-02-22 | 2016-08-24 | 武汉华星光电技术有限公司 | 烟雾排放系统 |
JP2016198035A (ja) * | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 澁谷工業株式会社 | 空気清浄システム |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187345A patent/JP2004029503A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015018926A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 東京エレクトロン株式会社 | 接合装置、接合システム、接合方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
JP2016198035A (ja) * | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 澁谷工業株式会社 | 空気清浄システム |
CN105892106A (zh) * | 2016-02-22 | 2016-08-24 | 武汉华星光电技术有限公司 | 烟雾排放系统 |
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