JP6047032B2 - 防水板、及び防水板装置 - Google Patents
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そこで本発明は、止水性を高めることが可能な防水板、及び防水板装置を提供することを課題とする。
以下、説明のしやすさのため、防水板装置を挟んで水が滞留する側を「外部側」と記載することがあり、防水板装置により水の浸入を阻止する側を「内部側」と記載することがある。また、防水板装置を挟んで外部側と内部側とを結ぶ方向を「内外方向」と記載することがある。
なお、本形態では通路に防水板装置が設置された例を説明するが、この他必要に応じて適切な場所に防水板装置を設置することができる。これには例えば建物のドアに併設して建物外部で溢れ出した水を建物内部に侵入させないように構成することもできる。
図1、図2(a)、図2(b)からわかるように、ガイド2は通路の対向する壁部のそれぞれに沿って対向して立設される長尺の部材である。従ってガイド2は少なくとも2つのガイド2が一対となって配置されている。また、ガイド2はここに配置される防水板の厚み以上の開口を有するものであればよく、既設、新設を問わない。
本形態では、片4、片5の先端には互いに近づく方向に延びる先端片4a、5aが設けられ、その先端は湾曲するように曲げられており、先端片4aの湾曲の凸部と先端片5aの湾曲の凸部とが対向するように配置されている。これにより、後述するガイド止水材13、押圧手段40との接触面積を増やして止水性を向上させている。
ガイド2’によれば片4’と片5’aとの間の間隙によりガイド2と同様に作用する。さらにガイド2’には中空部5’が設けられているので、長尺であるガイドの曲げやねじれに対する強度を高めることができる。これにより、図6(a)にも表れているようにガイド2’を壁部に埋めることなく壁面に直接取り付けても強度の問題が発生することを防止することができる。
ただし、これに限らず路面を掘り下げてここにガイドの下端部を埋めて設置することを妨げるものではない。
面材11は、防水板10の本体として水を塞き止める機能を有する板状の面材である。従って想定される水からの力を受けても変形及び破断することのない強度を有して構成される必要があり、かかる観点から金属により形成されていることが好ましい。
そこで、面材11は、このように分割された防水板10の上下端を連結する構造を備えている。図9(a)には図3にVIIIで示した領域を拡大した図を示し、図9(b)にはその分解図が表れている。すなわち、図9(a)、図9(b)からは、防水板10の下端部の断面形状及び上端の断面形状がわかる。
一方、防水板10の下端部は、上端部に形成された凹凸に対応するように凹凸が形成されている。具体的には図9(b)からわかるように外部側から内部側に向けて、凸部11f、凹部11g、凹部11h、凸部11iが順に形成されている。ここで、凸部11fは切り欠き11a、凹部11gは凸部11b、凹部11hは連結部止水材12及び凸部11d、並びに凸部11iは切り欠き11eにそれぞれ対応している。
連結部止水材12及び面材11の上下端部の凹凸の構造により、防水板10の下端部と防水板10の上端部が連結されたとき、図3、図9(a)のように、止水性が確保される。
滑り止め14としては、滑り止めとして機能すれば特に限定されていることはないが、例えば防震ゴムを用いることができる。
面材21の上端部の構造は防水板10の下端に連結する構造であり、上記した防水板10の上端部の構造と同じである。従って図3からわかるように、面材21の上端部には連結部止水材22が配置されており、これは上記した連結部止水材12と同じである。
さらに同様の観点から、第一止水材26は軟質の材料により構成されていることが好ましい。ここでいう軟質は、クッション材のように弾力性に富む材質であり、これにより防水板を設置したときに、防水板の自重だけで路面に接触させる面部を圧接させる効果が得られる。また、止水時には防水板下部位置には大きな水圧がかかるが、軟質であることで路面に押し付ける作用が働き、更に密着性が高まる。例えばこれらの軟質止水材料として考えられるものは、スポンジゴムまたは硬度の低いゴム(一例として硬度10°〜40°程度)の中空または中実断面形状が好ましい。材質としてはEPDM、クロロプレンゴム、シリコンゴム等が主として挙げられる。
第二止水材27は、図3、図10に表れている断面において、防水板と交差する方向に延在し、これが面部27aとなる。本形態では面部27aは外部側となる端部が第一止水材26よりも路面に沿って外部側に延在している。該面部27aは外部側に滞留した水から水圧を受ける面を有している。また、路面への密着性を高める観点から他の部材から拘束を受けないように構成されていることが好ましい。
本形態では面部27aが板状であることにより、水圧によって路面に密着しやすくなる。ただし、面部27aは板状であることに限らず厚く形成されてブロック状であってもよい。これによれば水圧に加えて自重によっても路面に密着する。
上記したように第二止水材27では、第一止水材26から外部側方向に面部27aが延び出しており、これにより、水圧を利用して路面の勾配等でも追従して密着性を高めることができる。この場合面部27aは外部側の片21eを越えない程度に延出していることが好ましい。
一方、第二止水材27の内部側において、第一止水材26と固定された路面から片21fに固定部材28まで延びている形状については、このように固定することで止水時の防水板の内外方向の振れ、たわみ等についても安定した接地状態を保持することができる。ただしこれは1つの形態であり、路面の状態を考慮して後述するような第二止水材の固定も可能である(図12参照)。
押圧手段40は、防水板10及び最下部防水板20を内外方向に押圧し、ガイド2の内面に強く密着させることにより止水性を向上する部材である。本形態では、押圧手段40は楔型の部材であり、防水板10の面に重なるべき基面41及び該基面41に対して傾斜している傾斜面42を有して構成されている。
本形態の押圧手段40はゴム等の弾性部材により形成されることが好ましい。これにより基面41及び傾斜面42の防水板10、20、及びガイド2との密着性を向上させることができる。
すなわち、段差を有することなく一定の傾斜面を有する楔状の押圧手段を用いた場合、重ねて設置する防水板の外部側の左右ガイドにそれぞれ一箇所打ち込むこととなるが、例えば最下部の防水板を押圧手段で固定したとしても、二段目の防水板の押圧手段が最下部の防水板の押圧手段の打ち込み量より多く打ち込んでしまった場合は、最下部の防水板の押圧手段が緩くなってしまうことが考えられ、打ち込み量の管理が必要になる。これに対して押圧手段40’によれば、平行部を基準として打ち込み量を合わせることで、同じ打ち込み量となり、打ち込み量と押圧状態の管理がし易い。
本形態では3つの傾斜部42’a及び3つの平行部42’bを有する例であるがこれに限らずその数は特に限定されるものではない。
図14に示したように、2つのガイド2を該ガイド2に形成された溝の開口部が向かい合うように通路の対向する壁部のそれぞれ立設させておく。このとき、図5のようにガイド2を壁部に埋めるようにしてもよく、図6のように壁面に接触させるようにしてもよい。また、ガイドを壁部に設置するに際しては壁部とガイドとの間から内外方向に水が漏れないように止水手段により止水が行われていることが好ましい。
このとき、本形態によれば例えば図15に示したように防水板10、及び最下部防水板20を1つにまとめておくことができる。すなわち、最下部防水板20の面材21に具備された片21dの上面に防水板10を立てるように載置する。これにより防水板10、及び最下部防水板20が平行に重なるように取りまとめられる。このとき、防水板10の滑り止め14及び最下部防水板20の滑り止め24が接触することにより防水板10と最下部防水板20との滑りが防止され、さらに安定させることができる。
一方、最下部防水板20の下端については第一止水材26と、第二止水材27の特に面部27aの作用により高い止水性が保たれる。これによれば防水板10及び最下部防水板20を下方に押圧して止水性を高める他の手段を用いなくてもよい場合が増え、装置の簡素化も可能となる。ただし、当該他の手段を適用することを妨げるものではない。
図19(a)の例では、傾斜面42’のうち、最も先端側に配置された平行部42’bでガイド2と接触するように押圧手段40’を用いている。一方、図19(b)の例では、傾斜面42’のうち、先端から2つ目に配置された平行部42’bでガイド2と接触するように押圧手段40’を用いている。このように押圧手段40’では段階的に差し込む量が分かりやすい形状とされており、均一で安定した押圧状態を確保し易い。
中柱110は、図21に示した所定の断面を有して図20に表れているように路面のうち2つのガイド2間に立設されている。これにより、ガイド2と中柱110とに挟まれた2つの空間が形成されている。当該2つの空間のそれぞれに防水板10及び最下部防水板20が配置される。
第一ガイド112は、当該断面において内外方向に延びる片113を有し、該片113の端部のそれぞれから一方のガイド2に向けて延びる片114、片115が配置されている。これにより片114と片115とは内外方向に所定の間隔を有して並列され、その間には溝が形成される。そしてこの溝のうち、片113が配置される側とは反対側には該溝内に通じる開口が形成される。従って、第一ガイド112は断面が略コ字状、略C字状とされている。また、片114、片115の先端には互いに近づく方向に延びる先端片114a、115aが設けられ、その先端は湾曲するように曲げられ、先端片114aの湾曲の凸部と先端片115aの湾曲の凸部とが対向するように配置されている。これにより、ガイド止水材13、押圧手段40との接触面積を増やして止水性を向上させている。
第二ガイド116は、当該断面において内外方向に延びる片117を有し、該片117の端部のそれぞれから他方のガイド2に向けて延びる片118、片119が配置されている。これにより片118と片119とは内外方向に所定の間隔を有して並列され、その間には溝が形成される。そしてこの溝のうち、片117が配置される側とは反対側には該溝内に通じる開口が形成される。従って、第二ガイド116も断面が略コ字状、略C字状とされている。また、片118、片119の先端には互いに近づく方向に延びる先端片118a、119aが設けられ、その先端は湾曲するように曲げられ、先端片118aの湾曲の凸部と先端片119aの湾曲の凸部とが対向するように配置されている。これにより、ガイド止水材13、押圧手段40との接触面積を増やして止水性を向上させている。
また、図22には図21の矢印Eで示したように、中柱110の下端部を内部側から見た図を表した。図22からわかるように、中柱110の止水柱120の下端には、片121、片122、片123と路面との間に、片121、片122、片123と同形状である凹型形状である止水ゴム124が挟まれている。これにより、片121、片122、片123及び路面で囲まれるコ字状の空間Sが形成されている。
片122の下端部では、図23に示したように片122と路面との間に配置された上記止水ゴム124の外部側端面が最下部防水板20の下端止水材25の内部側面にまで延びるガイド止水材23に接触して止水性が確保されている。図23は中柱110の下端部の周辺を路面側から見上げる方向に見た図である。
中柱150も中柱110と同様に2つのガイド2の間に立設されて(図20参照)、左右に配置される防水板10、最下部防水板20を連結する部材である。従って、中柱150は図24に表れる断面を有して上下方向に延びている。
すなわち、中柱150のような構造によっても防水板装置を構成することが可能である。
2 ガイド
10 防水板
20 最下部防水板(防水板)
25 下端止水材
26 第一止水材(止水材本体)
27 第二止水材
27a 面部
40 押圧手段
Claims (4)
- 水の浸入を防ぐ防水板であって、
下端部に下端止水材を具備してなり、
前記下端止水材は、中空断面を有する止水材である止水材本体、及び該止水材本体に取り付けられた前記防水板と交差する方向に延在する面部を有し、
前記面部は前記止水材本体よりも硬質の材料により形成されている防水板。 - 前記面部は板状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水板。
- 所定の間隔を有して立設される、溝を有する一対のガイドと、
前記一対のガイドの前記溝に両端が保持される請求項1又は2に記載の防水板と、を備え、
前記防水板の一方の面のうち、前記ガイドと接触する部位には止水材が設けられ、前記防水板の他方の面のうち、前記ガイドと前記防水板との間には押圧部材が挟まれている、防水板装置。 - 前記一対のガイドの間に溝を有する中柱が立設され、前記一対のガイドの一方のガイド及び前記中柱の前記溝に両端が保持される前記防水板を備え、及び/又は、前記一対のガイドの他方のガイド及び前記中柱の前記溝に両端が保持される前記防水板が備えられる請求項3に記載の防水板装置。
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