JP6046414B2 - 樹脂微粒子、トナー用添加剤、および静電荷像現像用トナー - Google Patents
樹脂微粒子、トナー用添加剤、および静電荷像現像用トナー Download PDFInfo
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Description
コア層の外周にシェル層を備えるコアシェル構造を有する樹脂微粒子であって、
該コア層が芳香環構造含有樹脂からなり、
該シェル層がアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を含む樹脂からなる。
本発明の樹脂微粒子は、コア層の外周にシェル層を備えるコアシェル構造を有する。シェル層は単層であってもよく、複層であってもよい。シェル層が複層の場合、その層数は、好ましくは2層以上であり、より好ましくは2〜5層であり、さらに好ましくは2層である。シェル層の層数が、このような範囲であれば、樹脂微粒子の粒度分布がシャープとなり、粒子径を精密にコントロールすることができる。シェル層が5層より多い場合、粒子間の合一が起こり凝集物量が多くなり、粒度分布がブロードとなるおそれがある。また、工程が煩雑となり生産性が低下するおそれがある。
本発明のトナー用添加剤は、本発明の樹脂微粒子からなる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明のトナー用添加剤を含む。
動的光散乱粒度分布測定装置(ピーエスエスジャパン社製「NICOMP380」)で測定した。
シャーレに樹脂微粒子を薄く伸ばした状態で、温度30℃、湿度90%RHで一定に保たれた雰囲気条件下で24時間放置した。放置によって吸湿した樹脂微粒子1gを測り取り、カールフィッシャー法により水分量を定量し、得られた水分量の百分率を飽和吸湿量(重量%)とした。
樹脂微粒子の摩擦帯電量を、下記条件のブローオフ式帯電測定機(京セラケミカル株式会社製、TB−200)にて測定した。
メッシュアパーチャ:32μm
ブロー圧:20kPa
粉体混合比:0.5重量部(鉄粉キャリア100重量部に対して)
樹脂微粒子のゼータ電位を下記条件の投げ込み式ゼータ電位計(ピーエスエス社製、ESA−9800)にて測定した。
温度:25℃
溶媒:エタノール
粒子濃度:2重量%
真鍮製のセル内に試料を平滑に充填し、23℃/50%RH下で24時間放置した。その試料をコロナ帯電により、試料に約−500Vの初期電荷を与え、5分経過した後の電荷を読み取り、下記式により、電荷保持率を算出した。
電荷保持率(%)=100×(5分後の電荷(V)/初期電荷(V))
スチレン−n-ブチルアクリレート共重合体からなる結着用樹脂剤に着色剤としてカーボンブラックを分散させた平均粒子径11μmのトナー100重量部に対し、実施例または比較例で得られた樹脂微粒子0.5重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、静電荷像現像用トナーを得た。得られた静電荷像現像用トナーについて、30℃、85%RHの条件下で、20万枚連続複写試験を行った。
試験すべき静電荷像現像用トナーを市販の複写機に入れ、30℃、85%RHの条件下で、20万枚の連続複写を行い、カブリの発生レベルを目視で判定した。
ランクA:カブリが認められない
ランクB:カブリが僅かに認められるが目立たない。
ランクC:カブリが認められ目立つ。
ランクBまでを合格レベルとした。
超純水100ml中に試料0.5gを入れ、60℃にて加温し、30分間で溶出処理した液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定を行った(食品衛生法・食品、添加物等の規格基準:昭和34年厚生省告示第370号/ホルムアルデヒドを製造原料とする合成樹脂製の器具又は容器包装/昭和57年厚生省告示第20号に準拠)。
(コア粒子の作製)
攪拌機、温度計、および冷却機を備えたステンレス製の反応釜に、脱イオン水820部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.3部(有効成分60重量%;以下「DBSNa」と称する)を加え、内温を75℃まで昇温し、同温度に保った。
他方、上記反応釜とは異なる容器に、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)140部とジビニルベンゼン(有効成分81重量%;以下「DVB」と称する)60部とを混合して、単量体組成物200部を調製した。
上記反応釜内を窒素ガスで置換した後、上記単量体組成物20部(単量体組成物全量の10重量%)、0.4重量%過酸化水素水50部、および0.4重量%L−アスコルビン酸水溶液50部を上記反応釜内に添加して、初期重合反応を行った。
次いで、上記単量体組成物の残部(単量体組成物全量の90重量%)180部、0.4重量%過酸化水素水450部、および0.4重量%L−アスコルビン酸水溶液450部を、各々異なる投入口より反応釜へ6時間かけて均一に滴下した。その後、内温を90℃まで昇温し、同温度で6時間保持して熟成を行い、コア粒子(1)が分散したコア粒子分散液(1)を得た。この分散液中のコア粒子(1)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は74nm、変動係数は13%であった。
(シェル層の形成によるコアシェル型樹脂微粒子の製造)
ベンゾグアナミン800部(以下「BG」と称する)、37重量%ホルマリン1040部、65重量%DBSNa96部、ドデシルベンゼンスルホン酸80部(以下「DBS」と称する)、イオン交換水10456部を均一に分散混合し、BG分散液を得た。
上記の90℃に保持されたコア粒子分散液(1)2022.3部中に上記のBG分散液を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに90℃で5時間保持し、その後30℃まで冷却して、コア粒子の表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたコアシェル型樹脂微粒子(1)を含有する分散液を得た。この分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(1)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は131nm、変動係数は5%であった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(1)を含有する分散液14494.3部に10%硫酸バンド水溶液160部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(1)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(1)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
(コア粒子の作製)
60重量%DBSNaの量を5.5部にしたこと以外は実施例1のコア粒子の作製と同様に行い、コア粒子(2)が分散したコア粒子分散液(2)を得た。この分散液中のコア粒子(2)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は39nm、変動係数は24%であった。
(シェル層の形成によるコアシェル型樹脂微粒子の製造)
BG1000部、37重量%ホルマリン1300部、65重量%DBSNa115部、DBS100部、イオン交換水13000部を均一に分散混合し、BG分散液を得た。
別途、メラミン1000部、37重量%ホルマリン1930部、65重量%DBSNa115部、DBS100部、イオン交換水13000部を均一に分散混合し、メラミン分散液を得た。
上記の90℃に保持されたコア粒子分散液(2)2025.5部中に上記のBG分散液を1時間かけて滴下した。次いで、上記のメラミン分散液を1時間かけて滴下した。滴下後、さらに90℃で5時間保持し、その後30℃まで冷却して、コア粒子の表面が2層のシェル層により被覆されたコアシェル型樹脂微粒子(2)を含有する分散液を得た。分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(2)は、コア粒子から順に、BGとホルムアルデヒドとの縮合物から構成されるシェル層、メラミンとホルムアルデヒドとの縮合物から構成されるシェル層を有していた。また、分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(2)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は68nm、変動係数は18%であった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(2)を含有する分散液33685.5部に10%硫酸バンド水溶液400部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(2)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(2)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
シェル層の形成によるコアシェル型樹脂微粒子の製造において、コア粒子分散液にメラミン分散液を滴下しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、コア粒子の表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたコアシェル型樹脂微粒子(3)を含有する分散液を得た。分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(3)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は51nm、変動係数は22%であった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(3)を含有する分散液17540.5部に10%硫酸バンド水溶液200部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(3)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(3)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
(コア粒子の作製)
60重量%DBSNaの量を5.5部にしたこと以外は実施例1のコア粒子の作製と同様に行い、コア粒子(3)が分散したコア粒子分散液(3)を得た。この分散液中のコア粒子(3)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は40nm、変動係数は22%であった。
(シェル層の形成によるコアシェル型樹脂微粒子の製造)
BG1500部、37重量%ホルマリン1950部、65重量%DBSNa173部、DBS150部、イオン交換水19500部を均一に分散混合し、BG分散液を得た。
上記の90℃に保持されたコア粒子分散液(3)2025.5部のうち1825.5部を系外に抜き取り、残りのコア粒子分散液(3)200部中に、上記のBG分散液を10時間かけて滴下した。滴下後、さらに90℃で5時間保持し、その後30℃まで冷却して、コア粒子の表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたコアシェル型樹脂微粒子(4)を含有する分散液を得た。この分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(4)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は290nm、変動係数は12%であった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(4)を含有する分散液23473部に10%硫酸バンド水溶液300部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(4)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(4)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
実施例1のコア粒子作製においてDVBのかわりにエチレングリコールジメタクリレートを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、コアシェル型微粒子(C1)を含有する分散液を得た。
得られた分散液中のコアシェル型微粒子(C1)は凝集しており、平均粒子径および変動係数を測定することはできなかった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(C1)を含有する分散液14494.3部に10%硫酸バンド水溶液160部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(C1)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(C1)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
実施例1のコア粒子の作製において、60重量%DBSNaの量を0.7部にしたこと以外は実施例1のコア粒子の作製と同様に行い、ビニル重合体粒子(C2)を含有する分散液を得た。この分散液中のビニル重合体粒子(C2)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は156nm、変動係数は11%であった。
上記ビニル重合体粒子(C2)を含有する分散液2020.7部に10重量%硫酸バンド水溶液40部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを100℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、ビニル重合体粒子(C2)を得た。
ビニル重合体粒子(C2)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
攪拌機、温度計、および冷却機を備えたステンレス製の反応釜に、脱イオン水1710部および65重量%DBSNa6部を加え、内温を90℃まで昇温し、同温度に保った。
他方、上記反応釜とは異なる上記と同一設備を保有した反応容器に、メラミン100部、37重量%ホルマリン193部、25重量%アンモニア水3部を加え、70℃まで昇温して、同温度で30分間保持した後、上記90℃に保持された65重量%DBSNa水溶液中に投入して、5分間保持した。その後、10重量%DBS水溶液50部を投入して、さらに90℃にて5時間保持して熟成を行い、アミノ樹脂架橋粒子(C3)を含有する分散液を得た。この分散液中のアミノ樹脂架橋粒子(C3)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は189nm、変動係数は10%であった。
上記アミノ樹脂架橋粒子(C3)を含有する分散液2062部に10重量%硫酸バンド水溶液20部を添加して、30分攪拌を行った。その後、その分散液を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、アミノ樹脂架橋粒子(C3)を得た。
アミノ樹脂架橋粒子(C3)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
(コア粒子の作製)
攪拌機、温度計、および冷却機を備えたステンレス製の反応釜に、脱イオン水2610部および65重量%DBSNa9.2部を加え、内温を90℃まで昇温し、同温度に保った。
他方、上記反応釜とは異なる上記と同一設備を保有した反応容器に、メラミン100部、37重量%ホルマリン193部、25重量%アンモニア水3部を加え、70℃まで昇温して、同温度で30分間保持した後、上記90℃に保持されたDBSNa水溶液中に投入して、5分間保持した。その後、10重量%DBS水溶液40部を投入して、さらに90℃にて5時間保持して熟成を行い、アミノ樹脂架橋粒子を含有する分散液2955.2部
を得た。
この分散液中のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は122nm、変動係数は6%であった。
(シェル層の形成によるコアシェル型樹脂微粒子の製造)
BG100部、37重量%ホルマリン130部、65重量%DBSNa6.2部、DBS5部、イオン交換水350部を均一に分散混合し、BG分散液を得た。
上記の90℃に保持されたコア粒子分散液(C4)2955.2部中に上記のBG分散液を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに90℃で5時間保持し、その後30℃まで冷却して、コア粒子の表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたコアシェル型樹脂微粒子(C4)を含有する分散液を得た。この分散液中のコアシェル型樹脂微粒子(C4)の平均粒子径および変動係数を測定したところ、体積平均粒子径は150nm、変動係数は8%であった。
上記コアシェル型樹脂微粒子(C4)を含有する分散液3546.4部を遠心分離機により固液分離を行い、得られたケーキをメタノールにて分散洗浄した。そのメタノール分散液を再度固液分離して得られたケーキを190℃で5時間真空乾燥を行った後、ジェットミル粉砕機(粉砕圧:0.7MPa)による粉砕と気流分級を行い、コアシェル型樹脂微粒子(C4)を得た。
コアシェル型樹脂微粒子(C4)の各種物性を測定した結果を表1に示した。
Claims (4)
- コア層の外周にシェル層を備えるコアシェル構造を有する樹脂微粒子であって、
該シェル層が、グアナミン化合物を含むアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を含む樹脂からなり、該アミン化合物中の該グアナミン化合物の含有割合が、該アミノ化合物の全量に対して、60〜100重量%であり、
該コア層が芳香環構造含有樹脂からなり、
該樹脂微粒子の平均粒子径が、0.01〜0.5μmである、
樹脂微粒子。 - 前記芳香環構造含有樹脂が芳香環構造含有ビニル重合体である、請求項1に記載の樹脂微粒子。
- 請求項1または2に記載の樹脂微粒子からなる、トナー用添加剤。
- 請求項3に記載のトナー用添加剤を含む、静電荷像現像用トナー。
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