JP2008217011A - 画像形成装置、画像形成プロセスおよびトナー組成物 - Google Patents

画像形成装置、画像形成プロセスおよびトナー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーン材料上にフルオロポリマ材料を含む定着器部材と共に使用されるトナーおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】エマルジョン/凝集トナーを含む現像システムと、定着器部材と、を含み、前記エマルジョン/凝集トナーが、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤とを含み、前記定着器部材が、基体と、フルオロポリマを含む外層とを含む、画像形成装置である。
【選択図】なし

Description

本明細書では、電子写真装置での画像の現像に使用するためのトナー組成物が開示される。
定着器部材、たとえばポリテトラフルオロエチレンでコーティングされた定着器部材と共に使用されるトナーが当分野で既知である。
定着器部材、たとえばポリテトラフルオロエチレンでコーティングされた中間シリコーン材料を含む定着器ロールは、金属定着器ロール上のポリテトラフルオロエチレンと比較して、はるかに広範囲の紙重量および平滑性を処理するのに好都合であることが見出されている。不運なことに、シリコーン定着器ロール上のそのようなポリテトラフルオロエチレンが高溶融ポリプロピレンワックス含有トナーと共に使用されるとき、受像基体、たとえば紙は定着器ロールから容易に剥離し得ない。これはプリントのストリーク(streak)の量を増加させ得る。
米国特許出願公開第2006/0228639号明細書
それゆえシリコーン材料上にフルオロポリマ材料、たとえばポリテトラフルオロエチレンを含む定着器部材と共に使用されるトナーを開発することがなお所望であり、該トナーはそのような定着器ロールを使用する装置で画像を形成するときに、許容されるドキュメントオフセット、ビニルオフセットおよび折り曲げ特性を達成する。
本発明は、エマルジョン/凝集トナーを含む現像システムと、定着器部材と、を含み、前記エマルジョン/凝集トナーが、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤とを含み、前記定着器部材が、基体と、フルオロポリマを含む外層とを含む、画像形成装置である。
また、本発明は、光伝導部材上に静電画像を形成する工程と、前記光伝導部材の表面上にエマルジョン/凝集トナー粒子を被着させることによって、静電画像を現像して可視画像を形成する工程と、前記可視画像を基体に転写して、前記可視画像を定着器部材によって前記基体に定着させる工程と、を含み、前記エマルジョン/凝集トナーが、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤とを含み、前記定着器部材が、基体と、フルオロポリマを含む外層とを含む、画像形成プロセスである。
また、本発明は、エマルジョン/凝集トナー粒子を有するトナー組成物であって、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤と、を含み、中心線粒子配合物に関する前記ゲルラテックスのラチチュードが、約10重量パーセント±約2重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記高Tgラテックスのラチチュードが、約68重量パーセント±約2重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記ワックスのラチチュードが、約12重量パーセント±約1重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記着色剤のラチチュードが、約10重量パーセント±約1重量パーセントであり、前記高Tgラテックスが、約53℃〜約58℃のガラス転移温度を有する、トナー組成物である。
本明細書に記載するトナーは、本明細書に記載する定着器ロールと共に使用されるときに、基体上に許容されるドキュメントオフセット、ビニルオフセット、折り曲げ特性およびハーフトーン摩擦(half−tone rub)を備えた画像を供給する。
ドキュメントオフセットとは、画像が印刷された後にトナーが画像記録媒体上にどれだけ良好に残存するかを指す。これは印刷物が形成後に相互に積み重ねられるときに特に重要である。
ドキュメントが生成された後に、それらはファイルフォルダおよび3リングバインダで使用されるようなビニル表面に接触して、または他のドキュメントの表面と接触して保管され得る。場合により、完成ドキュメントはこれらの表面に付着およびオフセットして、画像劣化をもたらす。これはビニル表面へのオフセットの場合にはビニルオフセット、または他のドキュメントへのオフセットの場合にはドキュメントオフセットとして既知である。一部のトナーバインダ樹脂は、他の樹脂よりもこの現象に影響を受けやすい。トナーバインダ樹脂の化学組成およびある成分の添加は、ビニルおよびドキュメントオフセットを最小化または防止し得る。
ドキュメントオフセットは一般に、転写されたトナーの量を決定するためにサンプルを引き剥がすことによって、トナー−トナーおよびトナー−紙オフセットの両方について測定される。ドキュメントオフセットは一般に、標準画像基準(Standard Image Reference(SIR))を使用して評価され、SIRではグレード5が損傷を示し、グレード1が重大な損傷を示す。実施形態において、トナー−トナーおよびトナー−紙オフセットの両方についてのSIRは少なくとも約3、たとえば約3.5〜約5または約4〜約5である。ビニルオフセットは一般に、トナー画像からのトナーがビニルに転写されることを除いて、ドキュメントオフセットと類似の方法で測定される。ドキュメントオフセットと同様に、ビニルオフセットのSIRは上と同様である。
折り曲げ特性は、画像が折り畳まれたり、折り曲げられたりしたときにひび割れをどれだけ良好に回避するかを指す。
ハーフトーン摩擦は、画像がグレートーンを有するときにトナーが画像記録基体、たとえば紙またはパッケージにどれだけ良好に残存するかを指す。「グレートーン」とは、塗りつぶされていないが、代わりに印刷画像がトナーのより明るい陰影に見えるように、たとえば黒色トナーによって造影された画像、たとえば黒色トナーによる印刷グレー画像を指す。本開示を制限することなく、グレートーン画像は、側方固着(lateral anchoring)が不十分であるため基体に十分に付着しないことが考えられる。それゆえグレートーン画像のトナー粒子は基体からより容易に除去され得る。
トナーは、乳化重合凝集法(E/A)トナーであり得るが、トナーは他の化学的および/または物理的方法によっても同様に調製され得る。本明細書で開示されるトナーは、ワックス、高ガラス転移温度(Tg)ラテックス、ゲルラテックス、および着色剤を含む。
本明細書での使用に適したワックスの例としては、炭素原子約1個〜炭素原子約30個、または炭素原子約1個〜炭素原子約25個を有する炭化水素ワックスなどの脂肪族ワックスが挙げられる。
本明細書での使用に適したワックスのさらに具体的な例としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、およびそれらの混合物が挙げられる。
実施形態において、ワックスは、たとえば約100ナノメートル〜約500ナノメートルの粒径を有するワックス、水、およびアニオン界面活性剤を含む分散物の形のワックスを含む。実施形態において、ワックスは約2〜約40重量パーセントなどの量で含まれる。中心線トナー粒子配合物に関するワックスのラチチュードは、約12重量パーセント±1重量パーセントであり得る。
本明細書で使用するように「中心線トナー粒子配合物(centerline toner particle formulation)」は、本明細書で開示するトナー粒子の理想的な配合物を指す。「ラチチュード」という用語は、中心線トナー粒子配合物に関連する特徴をなお達成しながら、配合物中で可能な変動を指す。
本明細書で開示されるトナー粒子は、高Tgラテックスも含む。
たとえば高Tgラテックスは、たとえば開始剤、連鎖移動剤(CTA)、および界面活性剤の存在下での乳化重合によって調製される、スチレン、ブチルアクリレートおよびβ−カルボキシエチルアクリレート(β−CEA)モノマなどのモノマを含むラテックスを含む。
β−CEAの代わりに、高Tgラテックスは、モノマを含有するいずれかのカルボン酸を含み得る。
実施形態において、高Tgラテックスは、スチレン:ブチルアクリレート:β−CEAを含み、そこではたとえば高Tgラテックスモノマは、約70重量パーセント〜約90重量パーセントのスチレン、約10重量パーセント〜約30重量パーセントのブチルアクリレート、および約0.05重量パーセント〜約10重量パーセントのβ−CEAを含む。
実施形態において、トナーは、本明細書に記載するトナーの総重量の約50重量パーセント〜約95重量パーセントの量で高Tgラテックスを含む。中心線粒子配合物に関する高Tgラテックスのラチチュード装填は、約68重量パーセント±2重量パーセントであり得る。
本明細書で開示する高Tgラテックスは、実質的に架橋を含まず、約0.1パーセント未満の架橋密度を有する。本明細書で使用するように「架橋密度」は、架橋点であるモノマユニットのモル分率を指す。たとえば分子20個のうち1個がジビニルベンゼンであり、分子20個当たり19個がスチレンである系では、分子20個のうち1個のみが架橋する。すなわちそのような系では、架橋密度は0.05である。
高Tgラテックスの開始Tg(ガラス転移温度)は、約53℃〜約70℃、約53℃〜約58℃、たとえば約55℃であり得る。
高Tgラテックスの重量平均分子量(Mw)は、約20,000〜約60,000であり得る。
ゲルラテックスは、高Tgラテックスから調製され得る。ゲルラテックスは、乳化重合によって調製され得る。
実施形態において、ゲルラテックスの架橋密度は、約0.3パーセント〜約40パーセントである。
実施形態において、トナーは、本明細書に記載するトナーの総重量の約3重量パーセント〜約30重量パーセントの量でゲルラテックスを含む。中心線粒子配合物に関するゲルラテックスのラチチュードは、約10重量パーセント±2重量パーセントであり得る。
高Tgラテックスは、スチレンアクリレート類、スチレンメタクリレート類、ブタジエン類、イソプレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、ポリエステル類、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(メチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(エチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(エチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(メチルアクリレート−イソプレン)、ポリ(エチルアクリレート−イソプレン)、ポリ(プロピルアクリレート−イソプレン)、ポリ(ブチルアクリレート−イソプレン)、ポリ(スチレン−プロピルアクリレート)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸)、およびスチレン/ブチルアクリレート/カルボン酸ターポリマ、スチレン/ブチルアクリレート/β−カルボキシエチルアクリレートターポリマ、およびその混合物からなる群より選択され得る。
ゲルラテックスおよび高Tgラテックスの両方を産生するための使用に適した開始剤は、たとえば過硫酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであり得、架橋開始モノマおよび非架橋開始モノマと共にモノマの総重量に基づいて約0.1重量パーセント〜約5重量パーセントの範囲で存在し得る。実施形態において、界面活性剤は、界面活性剤の約0.3重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲で存在し得る。
ゲルラテックスおよび高Tgラテックスのどちらも同様の方法によって産生され得る。しかしながら高Tgラテックスの産生には、ジビニルベンゼンまたは同様の架橋剤は使用されない。
ゲルラテックスおよび高Tgラテックスはいずれかの適切な方法によって作製され得る。適切な方法の一例を例証のために後述する。
最初に、界面活性剤を水と混合することによって界面活性剤溶液を調製する。本明細書での使用に適した界面活性剤は、反応混合物の約0.01〜約15重量パーセントの有効量の、アニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤であり得る。
別の容器に開始剤溶液を調製する。
なお別の容器でラテックスのモノマ成分と、界面活性剤とを、水と混合することによってモノマエマルジョンを調製する。一実施形態において、スチレン、ブチルアクリレート、および/またはβ−CEAはオレフィン性モノマである。
モノマエマルジョンの調製が完了したら、エマルジョンの少量、たとえば約0.5〜約5パーセントを、界面活性剤溶液を含有するリアクタ内へゆっくり供給し得る。次にリアクタに開始剤溶液をゆっくり添加し得る。約15〜約45分後にエマルジョンの残りをリアクタに添加する。
約1〜約2時間後に、しかしエマルジョンの全部をリアクタに添加する前に、1−ドデカンチオールまたは四臭化炭素(連鎖移動剤)がエマルジョンに添加される。実施形態において、連鎖移動剤は開始モノマの約0.05重量パーセント〜約15重量パーセントの有効量で使用され得る。エマルジョンは引き続きリアクタ内に添加される。
モノマは、約20ナノメートル〜約500ナノメートルの範囲の直径を有するラテックス樹脂粒子を供給するために、渇望(starve)供給条件下で重合され得る。
着色剤または顔料としては、顔料、染料、顔料および染料の混合物、顔料の混合物、染料の混合物などが挙げられる。実施形態において、着色剤は、顔料、染料、その混合物、カーボンブラック、マグネタイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウン、その混合物を約1重量パーセント〜約25重量パーセントの量で含む。実施形態において、中心線粒子配合物に関する着色剤のラチチュードは、トナー組成物の総重量に基づいて約10重量パーセント±1重量パーセントである。
トナー粒子はいずれかの既知の手順、たとえばエマルジョン/凝集プロセスによって作製され得る。本明細書での使用に適したそのようなプロセスの例としては、高Tgラテックス、ゲルラテックス、ワックスおよび着色剤、ならびに脱イオン水の混合物を、凝集剤を含む容器内で形成することが挙げられる。これはワックスの「バルク添加」を指し、バルク添加ではワックスはトナー粒子の成分すべてを含む混合物に添加される。次に混合物はホモジナイザを使用して撹拌され、次にリアクタに移され、リアクタ内でホモジナイズされた混合物は約50℃の温度まで加熱されて、そのような温度でトナー粒子の所望のサイズまでの凝集を可能にする期間にわたって保持される。実施形態において、ワックスの「遅延添加」が利用され得る。そのような「遅延添加」では、ワックスは、高Tgラテックス、ゲルラテックスおよび着色剤ならびに凝集剤の混合物がホモジナイズされた後に混合物に添加され得る。
ワックスが混合物に添加される方法とは無関係に、凝集したトナー粒子の所望のサイズが達成されたら、さらなるトナー凝集を抑制するために混合物のpHが調整される。粒子が合一(coalesce)および球状化できるようにするために、トナー粒子は約90℃の温度までさらに加熱されて、pHは低下する。次にヒーターを止めて、リアクタ混合物を室温まで冷却させて、その温度にて凝集および合一したトナー粒子を回収して、場合により洗浄および乾燥させる。
凝集塊(flocculate)または凝集剤(aggregating agents)の希釈溶液は、粒子凝集時間を最適化するために使用され得る。
実施形態において、凝集塊または凝集剤は、トナー組成物の約0.01重量パーセント〜約10重量パーセントの量で使用され得る。たとえば中心線トナー粒子配合物に関する凝集塊または凝集剤のラチチュードは、トナー組成物の総重量に基づいて約0.17重量パーセント±約0.02重量パーセントである。
形成されたトナー粒子のサイズは、約3μm〜約8μmであり得る。
真円度は、既知のMalvern Sysmex Flow Particle Image Analyzer FPIA−2100を使用して決定され得る。真円度は、粒子の完全な球への近さの尺度である。1.0の真円度は、完全円形球の形状を有する粒子とみなされる。本明細書に記載するトナー粒子は、約0.9〜約1.0の真円度を有し得る。
本明細書に記載するトナーからの印刷画像に適した単位面積当たりの現像されたトナーの質量(TMA)は、約0.35mg/cm〜約0.55mg/cmの範囲であり得る。
トナー粒子の開始Tg(ガラス転移温度)は、約40℃〜約65℃であり得る。
本明細書で開示されるトナー粒子の、Greatag/Macbeth Spectroscan透過濃度計を用いて透過光学密度を測定することによって測定された摩擦定着データは、約0.20ODtr以下である。
トナー粒子はまた、(D84/D50)の体積による上限幾何標準偏差(GSDv)が約1.15〜約1.25の範囲にあるようなサイズを有する。全トナー粒子の50%の累積パーセンテージが、約5.45〜約5.88である体積D50として定義される粒径が達成される。84%の累積パーセントが達成される粒径は、体積D84として定義される。これらの上述の体積平均粒径分布インデックスGSDvは、体積平均粒径分布インデックスGSDvが(体積D84/体積D50)として表現される累積分布でD50およびD84を使用することによって表現できる。トナー粒子のGSDv上限値は、トナー粒子が非常に狭い粒径分布を有するように作製されることを示す。
トナー粒径を制御して、トナー中の細かいおよび粗いトナー粒子の両方の量を制限することも所望であり得る。トナー粒子は、約1.20〜約1.30の(数D50/数D16)として表現されるより低い数比幾何標準偏差(GSDn)と共に、非常に狭い粒径分布を有し得る。
本明細書に記載するトナー粒子は、許容されるトナー粘着も示す。トナー粘着は、Micron Powders Systemsより入手できるHosokawa Micron PT−Rテスタを使用して測定され得る。トナー粘着は通常、粘着パーセント(%)で表現される。粘着パーセントは、トナーの既知の質量、たとえば2グラムを、積み重ねたスクリーン、たとえば53ミクロンのメッシュまたは開口を有する上スクリーン、45ミクロンのメッシュまたは開口を有する中間スクリーン、および38ミクロンのメッシュまたは開口を有する下スクリーンのセットの上に配置して、スクリーンおよびトナーを固定振幅で固定時間、たとえば1ミリメートル振幅で90秒間振動させることによって測定され得る。すべてのスクリーンは、ステンレス鋼製である。そして粘着パーセントは、次のように計算される。
%粘着=50・A+30・B+10・C
式中、Aは53ミクロンスクリーン上に残存するトナーの質量であり、Bは45ミクロンスクリーン上に残存するトナーの質量であり、Cは38ミクロンスクリーン上に残存するトナーの質量である。トナーの粘着パーセントは、時間の終わりにスクリーン上のそれぞれに残存するトナーの量に関連している。100%の粘着パーセント値は、振動ステップの終わりに上スクリーン上にすべてのトナーが残存することに相当し、0%の粘着パーセントはすべてのトナーが3枚すべてのスクリーンを通過した、言い換えれば振動ステップの終わりに3枚のスクリーンのいずれにもトナーが残存していないことに相当する。トナーの粘着パーセントが高くなればなるほど、流れることができるトナー粒子はますます少なくなる。実施形態において、トナーはたとえば約30%〜約80%の範囲の粘着パーセントを有し得る。
本明細書の実施形態において、トナー粒子は、ブロッキング手順に基づいて決定される、許容されるブロッキング温度を有し得る。ブロッキング手順は、現像剤のトナーが高温への露出のために共に固着しはじめる温度を決定するために、各種の高温でのトナー粘着を測定する。ブロッキング温度は、粘着の大規模な連続的増加が存在する以前の最高温度ステップとして定義され得る。言い換えれば、ブロッキング温度は、トナーが温度上昇1℃以内に20%を超える粘着の上昇を有するときの温度である。本明細書で開示されるトナー粒子のブロッキング温度は、約52℃〜約60℃であり得る(たとえば下の表3を参照)。
画像形成プロセスでは、プリント、通常、元の画像のコピーを形成するために画像形成装置が使用される。導電層上に光伝導絶縁層を含む画像形成装置撮像部材(たとえば光伝導部材)は最初に、光伝導絶縁層の表面を均一に静電的に帯電させることによって撮像される。次に部材を、活性化電磁放射線のパターンに露出させると、放射線は非被照範囲に静電潜像を残しながら光伝導絶縁層の被照範囲の電荷を選択的に散逸させる。次に静電潜像は現像されて、光伝導絶縁層表面にトナー粒子を被着させることによって可視像が形成され得る。本明細書での使用に適した現像システムは、導電性磁気ブラシ現像システムであり得る。実施形態において、CMB現像剤は、各種のシステムで、たとえば半導体キャリアを使用する半導体磁気ブラシ現像システムで使用され得る。
得られた可視トナー画像は、適切な受像基体に転写され得る。
トナーを受像基体に定着させるために、普通はホットロール定着が使用される。本方法では、トナー画像を上に有する受像基体は、加熱された定着器部材と加圧部材との間で画像面を定着器部材に接触させて輸送される。加熱された定着器部材との接触時に、トナーは溶融して受像媒体に付着し、定着画像を形成する。
トナーの定着性能は、温度の関数としてキャラクタリゼーションできる。トナーが支持媒体に付着する最低温度は、コールドオフセット温度(COT)と呼ばれ、トナーが定着器部材に付着しない最高温度は、ホットオフセット温度(HOT)と呼ばれる。定着器温度がHOTを超えると、溶融トナーの一部が定着の間に定着器部材に付着して、現像された画像を含有する次の基体に転写されて、たとえば不鮮明な画像が生じる。この望ましくない現象は、オフセッティングとして既知である。トナーのCOTとHOTとの間は、たとえば折り曲げ試験によって決定されるようにトナーの受像基体への許容される付着が起こる最低温度である、最低定着温度(MFT)である。MFTとHOTとの差は、定着ラチチュードと呼ばれる。
本明細書での使用に適した定着器部材は、少なくとも基体と、外層とを含む。いずれの適切な基体も定着器部材のために選択され得る。基体は、ローラまたはベルトであり得る。
定着器部材がベルトであるとき、基体はプラスチックを含む、いずれかの所望の、または適切な材料からなり得る。これらのプラスチックは、その熱特性を変化させずにその機械強度を向上させるために、ガラスまたは他の無機物を充填され得る。
定着器部材は、いずれかの適切な、または所望の材料からなり得る中間層を含み得る。中間層は、例えば、シリコーンゴムを含み得る。中間層は約0.05〜約10ミリメートルの厚さを有し得る。
定着器部材の層は、いずれかの所望の、または適切な手段によって定着器部材基体上へコーティングされ得る。
定着器部材の外層は、フルオロポリマを含み得る。フルオロポリマは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレンコポリマ(FEP)、ポリフルオロアルコキシ(PFA)、パーフルオロアルコキシポリテトラフルオロエチレン(PFA TEFLON(登録商標)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテルコポリマ(MFA)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
実施形態において、外層は少なくとも1つの充填剤をさらに含み得る。充填剤は、金属充填剤、金属酸化物充填剤、ドーピング金属酸化物充填剤、炭素充填剤、ポリマ充填剤、セラミック充填剤およびその混合物からなる群より選択され得る。
実施形態において、任意の接着層が基体と中間層との間に配置され得る。さらなる実施形態において、任意の接着層が、中間層と外層との間に供給され得る。
上述の実施形態は、ここで、次の実施例によってさらに例証される。
<実施例1L:高TgラテックスA>
スチレン、n−ブチルアクリレートおよびβ−CEAの乳化重合から産生されたポリマ粒子を含むラテックスエマルジョンは、次のように調製した。DOWFAX 2A1約6.37キログラムおよび脱イオン水約4096kgを含む界面活性剤溶液は、タンク内で約10分間混合することによって調製した。タンクを次に窒素で約5分間パージしてから、リアクタに移した。次にリアクタを約100RPMで撹拌しながら、窒素で絶えずパージした。次にリアクタを制御速度で約80℃まで加熱して、80℃で維持した。
別個に、過硫酸アンモニウム開始剤約64.5kgを脱イオン水約359kgに溶解させた。
モノマエマルジョンは別個に、エマルジョンを形成するために、スチレン約3516.6kg、ブチルアクリレート約787.7kgおよびβ−CEA約129.1kg、1−ドデカンチオール約30.1kg、ドデカンジオールジアクリレート約15.06kg、DOWFAX 2A1約85.1kg、ならびに脱イオン水約2048kgを混合することによって調製した。エマルジョン約1%を次に、窒素でパージしながら、約80℃の水性界面活性剤相を含有するリアクタに供給して「種」を形成した。開始剤溶液を次にリアクタに注入して、約10分後にエマルジョンの残りを約0.5%/分の速度で供給した。約100分後に、モノマエマルジョンの半分をリアクタに添加した。このときに、1−ドデカンチオール約36.18キログラムをモノマエマルジョン中へ撹拌して、エマルジョンを約0.5%分の速度で供給し、リアクタスターラを約350RPMへ上昇させた。すべてのモノマエマルジョンをリアクタに注入したら、温度を約80℃でさらに約2時間維持して、反応を完了させた。次に完全な冷却を加えて、リアクタ温度を約35℃まで低下させた。生成物をタンクに収集した。ラテックスを乾燥させた後、分子特性は、重量平均分子量Mw=33,700、数平均分子量Mn=10,900、Z平均分子量Mz=78,000、ピークトップ分子量Mp=25,400、分子量分布MWD=3.1であり、開始Tgは58.6℃、そしてラテックス粒径=204ナノメートルであった。
<実施例1G:ゲルラテックス>
スチレン、n−ブチルアクリレート、ジビニルベンゼンおよびβ−CEAの半連続乳化重合から産生されたポリマゲル粒子を含むラテックスエマルジョンは次のように調製した。
Tayca界面活性剤約10.5キログラムおよび脱イオン水約7キログラムを含む界面活性剤溶液は、タンク内で混合することによって調製した。タンクを次に窒素で約5分間パージしてから、界面活性剤溶液の約30パーセントをリアクタ内に移した。追加の脱イオン水約437.4キログラムをリアクタ内に添加した。次にリアクタを約300RPMで撹拌しながら、窒素でパージした。次にリアクタを制御速度で約76℃まで加熱して、76℃で維持した。別の容器に、過硫酸アンモニウム開始剤約3.72kgを脱イオン水約39.4kgに溶解させた。
また第2の別の容器で、モノマエマルジョンは、エマルジョンを形成するために、スチレン約142.2キログラム、n−ブチルアクリレート約76.56キログラム、β−CEA約6.56キログラム、および約55%グレードジビニルベンゼン約2.187キログラム、Tayca溶液約12.25キログラム、ならびに脱イオン水約236.2キログラムを混合することによって調製した。スチレンモノマのn−ブチルアクリレートモノマに対する重量比は、約65〜約35パーセントであった。
上のエマルジョン約1.5%を次に、窒素でパージしながら、約76℃の水性界面活性剤相を含有するリアクタに供給して「種」を形成した。開始剤溶液を次にリアクタに注入し、約20分後にエマルジョンの残りを供給した。
すべてのモノマエマルジョンをリアクタに注入したら、温度を約76℃でさらに約2時間維持して、反応を完了させた。次に完全な冷却を加えて、リアクタ温度を約35℃まで低下させた。1ミクロンフィルタバッグによる濾過の後、生成物を保持タンクに収集した。ラテックスの一部を乾燥させた後、開始Tgは約41℃であった。Microtracによって測定されたラテックスの平均粒径は44ナノメートルであり、ガスクロマトグラフィーによって測定された残留モノマは、スチレンが<50ppm、n−ブチルアクリレートが<100ppmであった。
<実施例1W:ワックスエマルジョン>
Baker Petroliteより購入した、約918のMw、約850のMn、および約107℃の融点を有するPOLYWAX 850(登録商標)ポリエチレンワックス約904.8グラム、および主に分岐ナトリウムドデシルベンゼンスルホナートを含むNEOGEN RK(商標)アニオン性界面活性剤22.6グラムを、約1ガロンのリアクタ内の脱イオン水約3,016グラムに添加して、約400PRMで撹拌した。ワックスを溶融させるために、リアクタ混合物を約130℃まで加熱した。溶融ワックスを含有する水性混合物を次にGaulin 15MRピストンホモジナイザによって、約1リットル/分にて30分間にわたり、均質化圧(homogenizing pressure)が約1,000ポンド/平方インチであるように1次均質化弁(primary homogenizing valve)を全開して、2次均質化弁(secondary homogenizing valve)を一部閉じた状態で、ポンプで送出した。
次に均質化圧が約8,000ポンド/平方インチまで上昇するように、1次均質化弁を一部閉じた。反応混合物をなお約130℃に維持して、約1リットル/分で約60分間にわたってホモジナイザを循環させた。その後、ホモジナイザを停止させ、リアクタ混合物を約15℃/分で室温まで冷却し、生成物容器内へ放出した。
得られた水性ワックスエマルジョンは、ワックス約31重量パーセント、界面活性剤約0.6重量パーセント、および水約68.4重量パーセントを含み、HONEYWELL MICROTRAC(登録商標)UPA150粒径分析器を用いて測定された約250ナノメートルの体積平均直径を有していた。
<実施例1:トナー粒子A(10%カーボンブラック、5%ポリエチレンワックス(遅延添加)、および10%ゲルラテックス)>
EAトナー粒子は、約41.6重量パーセントの固形分装填(solids loading)を有する高Tgラテックス約324.1キログラム、約17重量パーセントの固形分装填を有する黒色顔料分散物(Regal 330)約176.56キログラム、約25重量パーセントの固形分含量を有するゲルラテックス約112キログラムを脱イオン水約776.7キログラムと共に容器内で撹拌しながら混合することによって調製した。
混合物全体をQuadroホモジナイザループによってホモジナイズして、ポリアルミニウムクロライド混合物約4.76キログラムおよび約0.02モル硝酸溶液約42.84キログラムを含有する凝集剤混合物約47.6キログラムを、ホモジナイザループにゆっくり添加した。混合物をさらに約20分間ホモジナイズして、次に約31重量パーセントの固形分装填を有するワックスエマルジョン約46.29キログラムを、ホモジナイザループによって添加した。混合物をさらに約30分間ホモジナイズして、次にホモジナイザを停止させ、ループ内をリアクタ内へ戻して空にした。
リアクタジャケット温度を約59℃に設定し、粒子はCoulterカウンタによって測定したように約4.8ミクロンの目標サイズまで凝集した。約4.8ミクロンに達したら、追加の高TgラテックスA約193.1キログラムを添加し、粒子は約5.85〜約5.90ミクロンの目標粒径まで成長した。粒径は、リアクタ混合物のpHを約1モルの水酸化ナトリウム溶液によって約6.0に調整することによって固定した。
その後、反応混合物を約0.35℃/分で約85℃の温度まで加熱して、続いてリアクタ混合物のpHを約0.3M硝酸溶液によって約3.9に調整した。反応混合物を次に約0.35℃/分で約96℃まで上昇させた。
粒子合一開始時に、pHを点検したが、調整しなかった。粒子形状は、Sysmex FPIA形状分析器を使用して粒子真円度を測定することによって監視した。約0.959の目標真円度が達成されたら、約1パーセントの水酸化ナトリウム溶液によってpHを約7.0に調整した。粒子合一は約96℃にて約2.5時間継続した。
粒子を約63℃まで冷却した。約63℃において、スラリを約4パーセント水酸化ナトリウム溶液によってpH約10まで約60分間にわたって処理し、ほぼ室温の約25℃までの冷却を続けた。
本混合物のトナーは、約75重量パーセントのスチレン/アクリレートポリマ、約10重量パーセントのREGAL 330顔料、約5重量パーセントのPOLYWAX 850(登録商標)および約10重量パーセントのゲルラテックスを含んでいた。粒子は次のように、母液除去後に3回洗浄した。室温にて脱イオン水による1回の洗浄、約40℃にてpH約4.0にて実施された1回の洗浄、そして最後にほぼ室温にて脱イオン水による最終洗浄を行った。
Aljet乾燥機での粒子の乾燥後、最終平均粒径d50=5.89ミクロン、体積によるGSDが1.2、数によるGSDが1.23、微粒子パーセント(<4.0ミクロン)が12.8%、粒子真円度が0.963であった。
トナー粒子Aは、表2でトナー10として示される。
実施例1に示したトナーは、優れたドキュメントおよびビニルオフセット性能を示した。しかしながらハーフトーン摩擦性能は不十分であった。したがってより低いガラス転移温度を有するラテックスと組合された他のワックスおよびワックス装填が下でさらに詳細に述べるように探索された。
一連のトナーは、実施例1に記載した遅延ワックス手順に従って、各種のTgのラテックスを使用して作製した。高Tgラテックスは実施例1Lで記載したように、しかしスチレンおよびブチルアクリレートの可変比および界面活性剤分配の変更を用いて作製した。界面活性剤分配は、リアクタ内の水およびモノマエマルジョンに添加された全Dowfaxのパーセント、すなわちすべてのラテックスに対する添加されたDowfaxの全量のパーセントを指すが、リアクタとモノマエマルジョンタンクとの間の初期分割はわずかに異なった。使用した高Tgラテックスおよびその配合物を下の表1に示す。
Figure 2008217011
またトナーは、バルクワックスを添加して作製された。ワックスエマルジョンは実施例1Wに記載されたように、しかしPOLYWAX 725(登録商標)ワックス(Mw:783、Mn:725および融点:104℃)およびPOLYWAX 655(登録商標)(Mw:707、Mn:655および融点:99℃)を使用して作製した。
実施例2は、より高いワックストナーの調製について説明し、表2は、実施例1のプロセス(遅延ワックス)および実施例2のプロセス(バルクワックス)によって作製されたトナーを示し、定着ラチチュードおよびブロッキングについて評価した。
<実施例2:より高いワックス含量(10%カーボンブラック、12% POLYWAX 725(登録商標)ポリエチレンワックス、10%ゲルワックス)のトナー粒子>
粒子は、約41.6重量パーセントの固形分装填を有する高TgラテックスC約256.1キログラム、約31重量パーセントの固形分装填を有するPOLYWAX 725(登録商標)ワックスエマルジョン約103.16キログラム、約17重量パーセントの固形分装填を有する黒色顔料分散物(Regal 330(登録商標))約163.95キログラム、約25重量パーセントの固形分装填を有するゲルラテックス約104キログラムを、脱イオン水約811.9キログラムと共に容器内で撹拌しながら混合することによって調製した。混合物全体をQuadroホモジナイザループによってホモジナイズして、ポリアルミニウムクロライド混合物約4.42キログラムおよび約0.02モル硝酸溶液約39.78キログラムを含有する凝集剤混合物約44.20キログラムを、ホモジナイザループに添加した。
混合物をさらに約60分間ホモジナイズして、次にホモジナイザを停止させ、ループ内をリアクタ内へ戻して空にした。リアクタジャケット温度を約59℃に設定し、粒子はCoulterカウンタによって測定したように約4.8ミクロンの目標サイズまで凝集した。約4.8ミクロンに達したら、追加の高TgラテックスC約179.3キログラムを添加し、粒子は約5.85〜約5.90ミクロンの目標粒径まで成長した。粒径は、リアクタ混合物のpHを約1モルの水酸化ナトリウム溶液によって約6.0に調整することによって固定した。
その後、反応混合物を約0.35℃/分で約85℃の温度まで加熱して、続いてリアクタ混合物のpHを約0.3M硝酸溶液によって約3.9に調整した。反応混合物を次に約0.35℃/分で約96℃まで上昇させた。
粒子合一開始時に、pHを点検したが調整しなかった。粒子形状は、Sysmex FPIA形状分析器を使用して粒子真円度を測定することによって監視した。約0.958の目標真円度を達成したら、pHを上記のように調整した。粒子合一は、約96℃にて約2.5時間継続された。粒子は、約0.6℃/分の制御速度にて約63℃まで冷却した。約63℃において、スラリは約4パーセント水酸化ナトリウム溶液によってpH約10まで約20分間にわたって処理して、ほぼ室温までの冷却を続けた。
本混合物のトナーは、約68重量パーセントのスチレン/アクリレートポリマ、約10重量パーセントのREGAL 330顔料、約12重量パーセントのPOLYWAX 725および約10重量パーセントのゲルラテックスを含んでいた。粒子は次のように、母液除去後に3回洗浄した。ほぼ室温にて脱イオン水による1回の洗浄、約40℃にてpH約4.0にて実施された1回の洗浄、そして最後にほぼ室温にて脱イオン水による最終洗浄を行った。
Aljet乾燥機での粒子の乾燥後、最終平均粒径d50=5.89ミクロン、体積によるGSDが1.21、数によるGSDが1.26、微粒子パーセント(<4.0ミクロン)が15.7%、粒子真円度が0.959、およびトナー開始Tgは52.7℃であった。
実施例2に示すような、より高いワックス含量のトナー粒子は、表2でトナー5として示す。
Figure 2008217011
表2のすべてのトナーの作製は成功した。トナー配合物で使用した高Tgラテックスのガラス転移温度を低下させることは、折り曲げおよびハーフトーン摩擦の両方を改善した。加えて、トナー配合物でのPOLYWAX 850(登録商標)からPOLYWAX 725(登録商標)への切換は、特にトナー配合物で使用された高Tgラテックスのガラス転移温度が低下されたときに、折り曲げおよびハーフトーン摩擦を改善するように思われた。
ドキュメントオフセットおよび熱粘着データも得られた。ドキュメントオフセットはPOLYWAX 725(登録商標)を利用したトナー配合物で改善され、ワックスはバルク形で装填された。トナー配合物が上昇したガラス転移温度を有する高Tgラテックスを含むときに、ドキュメントオフセット、ビニルオフセットおよび熱粘着のすべてが改善した。
下で表3に示すように、表にまとめたトナー配合物それぞれが約52℃〜約60℃の範囲内の許容されるブロッキング温度を示した。
Figure 2008217011
上の実験結果に基づいて、許容されるドキュメントオフセット、ビニルオフセットおよび熱粘着をなお達成しながら、最も許容される折り曲げおよびハーフトーン摩擦性能を得るための最適な配合物は、約12パーセントのPOLYWAX 725(登録商標)およびTg約55℃のラテックスを有する高Tgラテックス(実施例2に記載)を利用することであった。
ドキュメントオフセットサンプルは、定着前に約0.50mg/cmで紙へ撮像させた。トナー−トナー、およびトナー−紙画像を、約5cm角のシートから切断して、約60℃および約50%RHにて約80g/cm負荷下に置き、これらの条件にて約24時間にわたって試験した。サンプルをチャンバから取り出して室温まで冷却した後、紙のシートを約180°の剥離角を使用して剥離した。紙へ転写されるトナー量を増加させるために、約180°の角度で剥離される上シートはトナーを有したが、下シートは白紙であった。どちらの場合でも下シートを平滑面に対して平らに維持して、その間に上シートをゆっくり剥離した。ドキュメントオフセットサンプルは、標準画像基準(SIR)を使用して評価され、SIRではグレード5が損傷なしを示し、グレード1が深刻な損傷を示す。
Figure 2008217011
ビニルオフセットは、標準ビニル片によって被覆され、次にガラススライド間に配置されて、約250gのおもりで負荷を加えられ、約10g/cmの負荷、約50℃および約50%RHにて環境オーブン内に約24時間入れられた定着プリントから、約5cm角の印刷部分を切断することによって評価した。サンプルを冷却して、慎重に剥離し、SIRと比較した。グレード5は、ビニルへのトナーオフセットなしおよび画像光沢の損傷なしを示す。グレード4.5は、トナーオフセットなし、しかし画像光沢の一部損傷を示す。グレード約4〜約1は、わずか(5)から重大(1)までの、ビニルへのトナーオフセットの漸進的に増加する量を示す。一般に、許容されるグレードは約4を超える。
Figure 2008217011
摩擦定着測定は、厚手ラフペーパーストックに定着させた50%ハーフトーン画像を用いて実施した。クロック(crock)アタッチメントおよび標準クロッククロスを装備したTaber直線摩耗試験機(モデル5700)を使用してトナーの摩擦定着を試験した。試験条件はクロックアタッチメントに500グラムの負荷を追加することを含み、次にプリントを約2インチの範囲で約60cpsにて2サイクル摩擦した。サンプル摩擦後にクロッククロスを取り外し、クロッククロス上のトナーの透過光学密度を、Greatag/Macbeth Spectroscan透過濃度計を用いて測定した。複数のトナーの摩擦定着データを下の表6に示す。
Figure 2008217011

Claims (3)

  1. エマルジョン/凝集トナーを含む現像システムと、
    定着器部材と、
    を含み、
    前記エマルジョン/凝集トナーが、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤とを含み、
    前記定着器部材が、基体と、フルオロポリマを含む外層とを含む、
    画像形成装置。
  2. 光伝導部材上に静電画像を形成する工程と、
    前記光伝導部材の表面上にエマルジョン/凝集トナー粒子を被着させることによって、静電画像を現像して可視画像を形成する工程と、
    前記可視画像を基体に転写して、前記可視画像を定着器部材によって前記基体に定着させる工程と、
    を含み、
    前記エマルジョン/凝集トナーが、ゲルラテックスと、高Tgラテックスと、ワックスと、着色剤とを含み、
    前記定着器部材が、基体と、フルオロポリマを含む外層とを含む、
    画像形成プロセス。
  3. エマルジョン/凝集トナー粒子を有するトナー組成物であって、
    ゲルラテックスと、
    高Tgラテックスと、
    ワックスと、
    着色剤と、
    を含み、
    中心線粒子配合物に関する前記ゲルラテックスのラチチュードが、約10重量パーセント±約2重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記高Tgラテックスのラチチュードが、約68重量パーセント±約2重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記ワックスのラチチュードが、約12重量パーセント±約1重量パーセントであり、中心線粒子配合物に関する前記着色剤のラチチュードが、約10重量パーセント±約1重量パーセントであり、
    前記高Tgラテックスが、約53℃〜約58℃のガラス転移温度を有する、
    トナー組成物。
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