JP6045923B2 - 仕切材 - Google Patents

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本発明は、外箱内に物品を整列して収容させる仕切材に関する。
特許文献1,2には、底壁に所定形状の切断線を設け、内部に一対の板部からなる保持壁を形成した仕切材が記載されている。第1板部は、第2板部が連続した端部の逆側端部が底壁に連続している。第2板部は、第1板部が連続した端部の逆側端部に係合部が形成されている。第1および第2板部を底壁から抜き上げて山折りし、第2板部の係合部を底壁の切断縁に係合する。これにより、第1および第2板部からなる保持壁を底壁から立設した状態に維持する。
しかしながら、特許文献1,2の仕切材は、物品の延び方向の端部を保持壁で保持して移動を規制できるが、延び方向(縦方向)に対する直交方向(横方向)の移動は規制できない。よって、円柱状の物品を収容させる場合、物品が底壁上で転動可能なため所定位置に配置できず、物品の収容作業性が悪いという不都合がある。また、仕切材は、限られた面積の底壁に切起構造の保持壁を形成するため、組立状態での保持壁の全高を、収容する物品の保持に適した高さで形成できない場合がある。
実開昭48−109070号公報 実開平6−69118号公報
本発明は、物品の収容作業性も向上できるとともに、希望寸法の保持壁を形成できる仕切材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の仕切材は、外箱の底に配置される底壁と、前記底壁に形成され、前記外箱に収容する物品に沿って延びる位置決め溝と、前記位置決め溝の少なくとも一方の端部側に位置し、前記底壁から外向きに突出するように連設され、前記物品の端部を保持する保持壁とを備えている。前記保持壁は、前記底壁に連続した第1板部と、前記第1板部に連続し、前記第1板部に重畳配置されている第2板部と、前記第2板部にリード罫を介して連続し、前記底壁に係合されている係合突部とを有する。なお、前記底壁は、前記位置決め溝の延び方向に対する直交方向の横幅が、前記外箱の横幅と略同一である。
この仕切材は、底壁に物品に沿って延びる位置決め溝を備え、その端部に保持壁が形成されているため、この位置決め溝の縁で物品の横方向の移動(転動)を防止し、保持壁で物品の縦方向の移動を防止できる。よって、仕切材を配置した外箱に物品を収容させる際には、確実に物品を所定位置に配置できるため、収容作業性を向上できる。また、物品の端部を保持する保持壁は、位置決め溝の端部に位置するように底壁に連設されるため、高さおよび横幅を希望寸法で形成できる。さらに、保持壁を底壁に連設する構成であるため、面積に制約がある底壁であっても物品毎に位置決め溝を確実に形成することができる。
また、前記保持壁は、前記底壁に連続した第1板部と、前記第1板部に連続した第2板部と、前記第2板部に連続し前記底壁に係合される係合突部とを有するため、仕切材の希望位置に希望寸法の保持壁を形成することができる。
この場合、前記係合突部を係合する被係合部を、前記位置決め溝の端部に設けることが好ましい。このようにすれば、仕切材を構成するブランクの構造を簡素化できるため、コストダウンを図ることができる。
本発明の仕切材では、底壁に形成した位置決め溝と底壁に連設した保持壁とで物品の移動を防止できるため、外箱への物品の収容作業性を向上できる。また、保持壁は底壁に連設されるため、高さおよび横幅を希望寸法で形成できるうえ、面積に制約がある底壁であっても物品毎に位置決め溝を確実に形成できる。
本発明に係る実施形態の仕切材を用いた外箱を示す斜視図。 図1の要部断面図。 仕切材のブランクを示す斜視図。 仕切材を組み立てる際の一工程を示す斜視図。 仕切材を組み立てる際の他の一工程を示す斜視図。 仕切材のブランクを示す平面図。 仕切材の変形例を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る仕切材20を用いた包装箱を示す。この包装箱は、外箱10の内部に仕切材20を配置し、缶飲料等の円柱状の物品1A,1Bを整列して収容させる。本実施形態では、仕切材20によって物品1A,1Bの縦横両方向の移動を防止できる構成とし、外箱10への収容時の作業性を向上できるようにする。
外箱10および仕切材20は、段ボール紙を周知の紙器打抜装置によって、一枚のブランクとして打ち抜いて形成される。なお、段ボール紙は、表ライナおよび裏ライナの間に波状の中しんを配設した周知の構成である。
外箱10は、平面視矩形状をなす底壁部11を備え、底壁部11の4辺に外壁部12A〜12Dを連設した構成である。各外壁部12A〜12Dは、底壁部11に連続した外板部13と、この外板部13に連続した上板部14と、この上板部14に連続した内板部15とを備えた二重壁構造である。そのうち、縦方向に対向する外壁部12A,12Cの内板部15には、組立状態で下側に位置する端縁中央に、半円形状の指穴16が打ち抜きにより形成されている。また、横方向に対向する外壁部12B,12Dの内板部15には、組立状態で下端縁から上向きに延びる係止溝17が打ち抜きにより形成されている。なお、外箱10の上端開口は、天壁部の4辺に外壁部を連設した蓋体(図示せず)によって閉塞される。
図6に示すように、仕切材20のブランクは、外箱10の底壁部11上に配置される底壁21と、底壁21から外向きに突出するように連設した保持壁26A,26Bとを備える。なお、図6中、一点鎖線は、肉厚を圧縮するように裏ライナの側から罫を入れて形成した折曲線を示す。また、ブランク中の実線は、表ライナから裏ライナにかけて刃を入れて形成した切断線、および、打ち抜きによる形状線(縁)を示す。
底壁21は、外箱10の底壁部11の横幅と実質的に同一(具体的には僅かに狭い)の横幅に形成される。本実施形態の底壁21は、第1の物品1Aを配置する中央配置部22と、第1の物品1Aより縦方向の寸法(全長)が小さい第2の物品1Bを配置する一対の側方配置部23,23とを備える。第1の物品1Aの全長は、第2の物品1Bの全長の約1.5倍の寸法である。そして、中央配置部22は、外箱10内の縦方向の中央から一端側の外壁部12Aにかけて延び、側方配置部23は、外箱10内の縦方向を3等分した中央に位置するように設けられている。
底壁21の各配置部22,23には、配置する物品1A,1Bに沿って縦方向に延びる位置決め溝24A,24Bが打ち抜きにより形成されている。具体的には、中央配置部22には、1個の位置決め溝24Aが、両端間にかけて延びるように設けられている。側方配置部23には、横方向に所定間隔をあけて2個の位置決め溝24B,24Bが、両端間にかけて延びるように設けられている。各位置決め溝24A,24Bの横幅は、配置する物品1A,1Bの形状に応じて設定される。位置決め溝24Aには、外箱10への装着状態で外箱10の縦方向の中央に位置する、側方配置部23,23間側(上側)の端部に、被係合部25Aが設けられている。位置決め溝24Bには、両端部に被係合部25Bが形成されている。これら被係合部25A,25Bは、位置決め溝24A,24Bから外向きに広がる逆台形状の抜き穴により構成されている。
保持壁26A,26Bは、位置決め溝24A,24Bの端部側に位置し、物品1A,1Bの端部を保持する。中央配置部22に連続する保持壁26Aは、側方配置部23,23間に位置する上側の端縁だけに連設されている。また、側方配置部23に連続する保持壁26Bは、縦方向の両端縁に連設されている。各配置部22,23と保持壁26A,26Bとの境界部分には第1折曲線27が設けられている。また、側方配置部23の一対の位置決め溝24B,24Bの間には、第1折曲線27上に第1切断線28が形成され、リード罫とされている。
各保持壁26A,26Bは、底壁21に連続した第1板部29A,29Bと、第1板部29A,29Bの先端に連続した第2板部30A,30Bとを備える。第1板部29A,29Bと第2板部30A,30Bとは、平行に延びる一対の第2折曲線31a,31bによって区画されている。各第2折曲線31a,31bに沿って折り曲げることにより、第1板部29A,29Bと第2板部30A,30Bとを重畳させることができる。保持壁26Bを構成する第1および第2板部29B,30Bの外側縁には、重畳状態で下方に位置し、外箱10の係止溝17に係止する係止部32が設けられている。
第2板部30A,30Bの先端には、組立状態で底壁21に係合される係合突部33A,33Bが連設されている。本実施形態では、位置決め溝24A,24Bの端部に形成した被係合部25A,25Bに係合する台形状に形成されている。これらの係合により、第1板部29A,29Bおよび第2板部30A,30Bの重畳(起立)状態を維持する。なお、係合突部33A,33Bと各第2板部30A,30Bとの境界部分には、第3折曲線34上に第2切断線35を形成したリード罫が形成されている。
横方向に隣接する保持壁26Aと側方配置部23および上側の保持壁26Bとは、区画用切断部36Aにより区画され、下側の保持壁26Bと中央配置部22とは区画用切断部36Bにより区画されている。本実施形態では、区画用切断部36Aは所定幅で打ち抜いたスリットにより構成され、区画用切断部36Bは切断線により構成される。
なお、保持壁26A,26Bは、底壁21の端部に連設する構成であるため、配置する物品1A,1Bの端部形状に応じて横幅を希望に応じて設定できる。そして、本実施形態の保持壁26Bは、2個の物品1B,1Bを保持可能な寸法で形成されている。また、保持壁26A,26Bは、底壁21からの突出寸法が、組立状態での全高の半分に相当する。そのため、突出寸法を大きくすることにより組立状態での全高を高くし、突出寸法を小さくすることにより組立状態での全高を低くすることができる。このように、本実施形態の保持壁26A,26Bは、底壁21の端部に連設する構成であるため、その縦横の寸法を配置する物品1A,1Bに応じて設定することができる。
本実施形態の仕切材20のブランクは、底壁21の中央配置部22の下端および下側の保持壁26Bの第2板部30Bの下端が、直線状をなすように形成されている。そして、この下端縁から上側の保持壁26Bの第2板部30Bの上端までの縦方向の寸法が、外箱10の縦方向の内寸より小さく形成されている。これにより、仕切材20のブランクは、展開状態で外箱10の内部に収容可能な面積および形状とされている。
仕切材20を組み立てる場合には、図3に示すように、裏ライナの側の上方に位置するように配置する。ついで、図4に示すように、底壁21に対して各保持壁26A,26Bを第1折曲線27に沿って上向きに屈曲させる。その後、図5に示すように、各保持壁26A,26Bの第1板部29A,29Bおよび第2板部30A,30Bを第2折曲線31a,31bに沿って山折りし、第2板部30A,30Bを第1板部29A,29Bの内側に重畳させる。また、係合突部33A,33Bを谷折りして内向きに突出させ、位置決め溝24A,24Bの端部の被係合部25A,25Bに係合させる。
このように、仕切壁を組み立てる際には、切起構造の場合のような抜き上げ操作は必要なく、外側から巻き込むように保持壁26A,26Bを折り曲げるだけで良い。そのため、組立作業が極めて簡素であり、作業性を向上できる。
最後に、図1に示すように、組み立てた仕切材20を外箱10内に配置し、係止部32を外箱10の係止溝17に係止する。そして、物品1A,1Bを所定位置に整列して配置する。具体的には、中央配置部22、および、中央配置部22の縦方向の上側に物品1Aを配置する。また、側方配置部23,23、および、側方配置部23の縦方向の上下に物品1Bを配置する。
この際、仕切材20上に配置する物品1A,1Bは、底壁21に形成された位置決め溝24A,24Bにより、横方向の転動が防止されるとともに、端部に位置する保持壁26A,26Bにより縦方向の移動が防止される。よって、確実に物品1A,1Bを所定位置に配置できるため、収容作業性を向上できる。
また、保持壁26A,26Bは、前述のように、位置決め溝24A,24Bの端部に位置するように底壁21に連設されているため、その高さおよび横幅を希望寸法で形成できる。よって、収容する物品1A,1Bの保持に適した保持壁26A,26Bとすることができる。さらに、保持壁26A,26Bを底壁21に連設する構成であるため、面積に制約がある底壁21であっても、物品1A,1B毎に最適な横幅の位置決め溝24A,24Bを確実に形成することができる。
しかも、本実施形態では、保持壁26A,26Bの係合突部33A,33Bを係合する被係合部25A,25Bを、位置決め溝24A,24Bの端部に設けているため、ブランクの構造を簡素化でき、コストダウンを図ることができる。そして、保持壁26A,26Bの外側縁に、外箱10の係止溝17に係止する係止部32を設けているため、外箱10の所定位置に仕切材20を確実に位置決めできる。
因みに、特許文献1,2の仕切材であっても、物品毎に保持壁を形成することにより個別の位置決め溝を形成することは可能である。しかし、物品の端部の保持に適した横幅の保持壁を形成した場合、位置決め溝の横幅が広くなるため、収容時の位置決め機能が低下する。逆に、位置決め溝を位置決めに適した横幅で形成した場合、保持壁の横幅が狭くなるため、物品の保持機能が低下する。そのため、本実施形態と同様の作用および効果は得ることができない。
なお、本発明の仕切材20は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、保持壁26A,26Bの第1板部29A,29Bおよび第2板部30A,30Bが重畳するように折り曲げたが、被係合部25A,25Bの係止位置を変更することにより、図7に示すように、所定角度で傾斜する逆V字形状とすることもできる。また、位置決め溝24A,24Bの横に位置するように、被係合部25A,25Bおよび係合突部33A,33Bを形成し、第2板部30A,30Bに位置決め溝24A,24Bに連続する位置決め溝37を形成し、板状をなす物品2A,2Bを配設する構成としてもよい。
さらに、各配置部22,23の横方向の側縁または隣接する位置決め溝24B,24B間に3本の折曲線を設け、上向きに突出する区画壁を形成してもよい。また、位置決め溝24A,24Bに沿って延びる連続部を有する切起構造の区画壁を形成してもよい。
さらに、保持壁26A,26Bは、仕切材20を配置する外箱10に応じて、中央配置部22のように、位置決め溝24A,24Bの少なくとも一方の端部側だけに連設する構成であってもよい。また、保持壁26A,26Bは、第1板部29A,29Bおよび第2板部30A,30Bからなる二重壁構造の構成に限られず、希望に応じて変更が可能である。
そして、前記実施形態では、1個の物品を配置する中央配置部22と、2個の物品を配置する一対(合計4個)の側方配置部23,23とを備える構成としたが、その組み合わせや配置等は希望に応じて変更が可能である。また、前記各実施形態では、仕切材を段ボール紙により形成したが、ボール紙(単紙)により形成してもよい。
1A,1B…物品
10…外箱
11…底壁部
17…係止溝
20…仕切材
21…底壁
22…中央配置部
23…側方配置部
24A,24B…位置決め溝
25A,25B…被係合部
26A,26B…保持壁
29A,29B…第1板部
30A,30B…第2板部
32…係止部
33A,33B…係合突部

Claims (2)

  1. 外箱の底に配置される底壁と、
    前記底壁に形成され、前記外箱に収容する物品に沿って延びる位置決め溝と、
    前記位置決め溝の少なくとも一方の端部側に位置し、前記底壁から外向きに突出するように連設され、前記物品の端部を保持する保持壁とを備え、
    前記保持壁は、
    前記底壁に連続した第1板部と、
    前記第1板部に連続し、前記第1板部に重畳配置されている第2板部と、
    前記第2板部にリード罫を介して連続し、前記底壁に係合されている係合突部とを有することを特徴とする仕切材。
  2. 前記係合突部を係合する被係合部を、前記位置決め溝の端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の仕切材。
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