JP6044427B2 - リチウムイオン二次電池正極用集電体、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池正極用集電体、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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本発明は、リチウムイオン二次電池正極用集電体、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池の正極集電体には、電解塩などの腐食に耐えるため、表面に安定な不動態膜を形成するAlなどの金属を使用するのが一般的である。例えばAlを集電体に用いた場合、その表面にAl、AlF等の不動態膜が形成される。Alの集電体は表面に上記不動態膜を形成することで腐食されることなく、集電機能を保つことができる。
近年、リチウムイオン二次電池は、高電圧使用環境下(本明細書では4.3V以上の電圧で使用することを高電圧使用と定義する)でも使用できることが望まれている。上記Alの集電体は高電圧使用環境下では腐食がおこりやすく、Alの集電体を有するリチウムイオン二次電池はサイクル特性が低下しやすい。
高電圧使用環境下においてサイクル特性を上げるために集電体に保護膜を形成する検討が行われている。例えば特許文献1には、ヨウ化Al、TiN、Ti、SnO、In、RuO等から選ばれる化合物を構成成分として含む保護膜が形成された集電体が記載されている。この保護膜は、高電圧下においても電気化学的に安定な化合物から構成されている。特許文献1には、50℃で2週間放置後の電池の容量維持率(%)と容量回復率(%)、50℃で300サイクル試験後の電池のサイクル特性(%)が記載されている。しかしながら一般的に集電体に保護膜を形成すると正極の抵抗が高くなる。特許文献1において、正極の抵抗に関する記載はない。正極の抵抗が高くなると電池容量が下がる。
また高電圧使用環境下において電池容量を改善するために、集電体に導電層を形成する検討が行われている。特許文献2には、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の集電体の表面の不動態膜の厚みを3nm以下とし、さらにその不動態膜の上に金属または金属炭化物からなる導電層が形成されている正極集電体が記載されている。特許文献2の実施例において各放電レートによる電池容量が測定されており、50C以上のレートにおいて、不動態膜の上に導電層が形成されることにより電池容量が改善されることが記載されている。つまり特許文献2に記載の保護膜によれば、保護膜により正極の抵抗があがるのを抑制できたことが推察される。しかしながら、特許文献2においては、電池のサイクル特性は評価されていない。
このようにこれらの保護膜では、保護膜による正極の抵抗の上昇を抑制しながらかつ優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池正極用集電体を達成するに至っていない。
特開2004−55247号公報 特開2011−96667号公報
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、高電圧使用環境下においても、保護膜による正極の抵抗の上昇を抑制しながらかつ優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池正極用集電体、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討した結果、集電体本体の表面にバインダー粒子と導電性粒子とを含むコート層を形成し、導電性粒子の少なくとも一部がコート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置することにより、リチウムイオン二次電池は高電圧使用環境下においてもコート層による正極の抵抗の上昇を抑制できかつ優れたサイクル特性を有することを見いだした。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体は、集電体本体と、集電体本体の表面に形成され、バインダー粒子と導電性粒子とを含むコート層とを有し、導電性粒子の少なくとも一部は、コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されていることを特徴とする。
バインダー粒子の平均粒径D50と、導電性粒子の平均粒径D50とは、一方が他方よりも大きいことが好ましい。なお、D50とはレーザー回析法による粒度分布測定における体積分布の積算値が50%に相当する粒子径を指す。つまり、D50とは、体積基準で測定したメディアン径を指す。
バインダー粒子の平均粒径D50は導電性粒子の平均粒径D50よりも大きいことが好ましい。
さらにコート層の厚みは、バインダー粒子の平均粒径D50と同等であることが好ましい。
コート層の表面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)画像で観察した場合の導電性粒子とバインダー粒子の面積比は、導電性粒子:バインダー粒子=15:85〜90:10であることが好ましい。
導電性粒子は、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、過酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(II)(SnO)、酸化錫(IV)(SnO)、酸化錫(VI)(SnO)、二酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(III)(W)、酸化タングステン(IV)(WO)、酸化タングステン(VI)(WO)、酸化クロム(Cr)、窒化チタン(TiN)、窒化ゲルマニウム(Ge)、窒化ランタン(LaN)、炭化タングステン(WC)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭素(C)、酸化インジウムにZn、Mo、W、Ti、Zr、Sn及びHから選ばれる少なくとも一種を添加したもの、酸化錫にF、W、Ta、Sb及びBから選ばれる少なくとも一種を添加したもの、酸化亜鉛にGa、Al及びBから選ばれる少なくとも一種を添加したもの及び酸化チタンにNbを添加したものから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
バインダー粒子はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニル(PVF)から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、上記リチウムイオン二次電池正極用集電体と、リチウムイオン二次電池正極用集電体の表面に形成され、正極活物質と結着剤とを有する正極活物質層と、を有することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は本発明のリチウムイオン二次電池用正極を有することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体は、集電体本体の表面に、導電性粒子とバインダー粒子とを含むコート層を形成しており、導電性粒子の少なくとも一部は、コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されているので、本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体を有するリチウムイオン二次電池を高電圧使用環境下で用いても、正極の抵抗があがりにくく、かつ良好なサイクル特性を示す。
本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層における構成粒子の第一配置例を説明する模式図である。 本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層における構成粒子の第二配置例を説明する模式図である。 本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層における構成粒子の第三配置例を説明する模式図である。 本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層における構成粒子の第四配置例を説明する模式図である。 本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層における構成粒子の第五配置例を説明する模式図である。 実施例1のリチウムイオン二次電池正極用集電体の表面の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)写真である。 実施例1のリチウムイオン二次電池正極用集電体を説明する模式断面図である。
<リチウムイオン二次電池正極用集電体>
本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体は、集電体本体と、集電体本体の表面に形成されるコート層とを有する。
集電体本体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。本発明のリチウムイオン二次電池では、集電体本体の表面にコート層が形成されているため、集電体本体は電解塩等の腐食に耐えることができる。そのため、集電体本体に用いることのできる材料として、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケル、アルミニウム、銅などの金属材料または導電性樹脂を挙げることができる。また集電体本体は、箔、シート、フィルムなどの形態をとることができる。そのため、集電体本体として、例えば銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。
集電体本体の厚みは10μm〜100μmであることが好ましい。
アルミニウム箔を集電体本体として用いると、アルミニウム箔の表面には、通常大気中の酸素との自然反応によって形成されたAl、電解液中の電解塩との反応で形成されたAlF等の不動態膜が形成される。この不動態膜は絶縁体であり、その比抵抗(Ωcm)の桁数は10程度である。アルミニウム箔は不動態膜によって電解塩から保護されるが、不動態膜は高抵抗の膜であるため、不動態膜を表面に有する集電体を用いる電極は高抵抗となり、その電極を用いた電池は出力特性が低下するといわれている。
本発明のリチウムイオン二次電池では集電体本体の表面にコート層が形成されているため、上記不動態膜が形成されにくい。そのため、このコート層によって、高抵抗層が集電体本体の表面に形成されることを抑制でき、かつ集電体本体を電解液から守ることができる。
コート層はバインダー粒子と導電性粒子とを含む。導電性粒子の少なくとも一部は、コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されている。
コート層は集電体本体の表面を被覆することにより電解液が集電体本体に接触することを防ぐ効果を有する。そのためコート層は、空隙の少ない構成となっていることが好ましい。コート層の空隙を少なくするためにはバインダー粒子と導電性粒子とが隙間なくコート層に充填されていることが好ましい。
バインダー粒子及び導電性粒子は、例えば球形状、扁平状、針状の形状を有すればよい。バインダー粒子及び導電性粒子が球形状の形状であることがコート層の空隙を少なくするには好ましい。
またコート層はバインダー粒子に加えて粒子形状を有さないバインダー樹脂をさらに含んでも良い。バインダー樹脂をさらに用いることによってコート層の集電体本体への密着性がさらに向上する。
バインダー粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニル(PVF)から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
バインダー粒子はPTFEであることが特に好ましい。PTFEは耐酸化性に優れている。またフッ素樹脂の一種であるPTFEは、電解液とのぬれ性が悪く電解液を遠ざける効果がある。
バインダー粒子に加えて使用できるバインダー樹脂として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)が例示できる。
バインダー粒子は平均粒径D50が10nm〜1000nmであることが好ましい。バインダー粒子の平均粒径D50が10nm以上あれば、集電体本体の表面を被覆することができる。バインダー粒子の平均粒径D50が1000nmより大きいと、コート層の膜厚が厚くなりすぎるため好ましくない。
コート層において、導電性粒子の少なくとも一部はコート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されている。コート層において導電性粒子がこのような構成となっているため、コート層はコート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的につながっており、コート層の導電性は高くなる。また、少量の導電性粒子でも効率的にコート層の導電性を高めることができる。
導電性粒子はその粉体比抵抗が1E+3Ωcm以下であることが好ましい。また導電性粒子は平均粒径D50が10nm〜1000nmであることが好ましい。導電性粒子の平均粒径D50が10nm以上あれば、導電性粒子間の抵抗が上がりすぎず、適切な導電性をコート層に持たせることができる。導電性粒子の平均粒径D50が1000nmより大きいと、コート層の膜厚が厚くなりすぎるため好ましくない。
導電性粒子は、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、過酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(II)(SnO)、酸化錫(IV)(SnO)、酸化錫(VI)(SnO)、二酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(III)(W)、酸化タングステン(IV)(WO)、酸化タングステン(VI)(WO)、酸化クロム(Cr)、窒化チタン(TiN)、窒化ゲルマニウム(Ge)、窒化ランタン(LaN)、炭化タングステン(WC)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭素(C)、酸化インジウムにZn、Mo、W、Ti、Zr、Sn及びHから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの、酸化錫にF、W、Ta、Sb及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの、酸化亜鉛にGa、Al及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの及び酸化チタンにNb元素を添加したものから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
酸化インジウムにZn、Mo、W、Ti、Zr、Sn及びHから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもののうち、酸化インジウムにZn元素あるいはSn元素を添加したものが好ましい。酸化インジウムにZn元素を添加したものとして、インジウム亜鉛酸化物が挙げられ、酸化インジウムにSn元素を添加したものとして、インジウム錫酸化物が挙げられる。インジウム亜鉛酸化物としてIn−ZnO(IZO)が好ましく、インジウム錫酸化物としてIn−SnO(ITO)が好ましい。
酸化錫にF、W、Ta、Sb、P及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもののうち、酸化錫に、F元素、Sb元素、Ta元素あるいはP元素を添加したものが好ましい。酸化錫にF元素を添加したものとして、フッ素錫酸化物が挙げられ、酸化錫にSb元素を添加したものとして、アンチモン錫酸化物が挙げられ、酸化錫にTa元素を添加したものとして、タンタル錫酸化物が挙げられ、酸化錫にP元素を添加したものとして、リン錫酸化物が挙げられる。フッ素錫酸化物としてフッ素添加酸化錫(FTO)が好ましく、アンチモン錫酸化物としてアンチモン添加酸化錫(ATO)が好ましく、タンタル錫酸化物としてタンタル添加酸化錫(TaTO)が好ましく、リン錫酸化物としてリン添加酸化錫(PTO)が好ましい。
酸化亜鉛にGa、Al及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもののうち、酸化亜鉛にGa元素を添加したものとして、ガリウム亜鉛酸化物が挙げられ、酸化亜鉛にAl元素を添加したものとして、アルミニウム亜鉛酸化物が挙げられ、酸化亜鉛にB元素を添加したものとして、ホウ素亜鉛酸化物が挙げられる。ガリウム亜鉛酸化物としてガリウム添加酸化亜鉛(GZO)が好ましく、アルミニウム亜鉛酸化物としてアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)が好ましく、ホウ素亜鉛酸化物としてホウ素添加酸化亜鉛(BZO)が好ましい。
酸化チタンにNb元素を添加したものとして、チタンニオブ酸化物が挙げられる。チタンニオブ酸化物としてTiO;Nbが好ましい。
上記導電性粒子の中でも特にSnOが好ましい。SnOは十分な導電性を有し、かつ大気中の酸素、電解液及び電解塩に耐性があり、また高電圧においてもその耐性は発揮される。またSnOは耐酸化性にも優れている。
バインダー粒子の平均粒径D50と、導電性粒子の平均粒径D50とは、一方が他方よりも大きいことが好ましい。
このような構成とすることによって、バインダー粒子と導電性粒子とはお互いがうまく組み合わさってコート層の空隙を少なくできる。コート層をより空隙が少ない構造とすれば、コート層は電解液が集電体本体に接触することをより抑制できる。
導電性粒子とバインダー粒子の配置は、導電性粒子の少なくとも一部がコート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されていればよい。コート層に含まれる導電性粒子の含有量にもよるが、バインダー粒子と導電性粒子とが空隙が少なくなるようにコート層に充填され、コート層に含まれる導電性粒子のほとんどすべてがコート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されていることが好ましい。
コート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の配置例を以下の第一配置例〜第五配置例に例示して説明する。以下の配置例は説明のためのものであり、本発明は、下記の配置例に限定されるものではない。
(第一配置例)
図1に本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の第一配置例を説明する模式図を示す。図1において、コート層2は集電体本体1の表面に形成され、正極活物質層5はコート層2の表面に形成されている。つまりコート層2は集電体本体1と正極活物質層5とに挟まれている。コート層2内には、導電性粒子3とバインダー粒子4とが含まれている。
導電性粒子3はバインダー粒子4よりも平均粒径D50が小さい。そのため、平均粒径D50が小さい導電性粒子3は平均粒径D50が大きいバインダー粒子4同士が形成した隙間に入り込むことができ、コート層2は空隙が少なくなる。そのため、コート層2は電解液が集電体本体1に接触することをより抑制できる。
複数の導電性粒子3はバインダー粒子4同士が形成する隙間内でコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで連続して配置されている。そのため、導電性粒子3は、コート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続して配置されている。従って導電性粒子3の配置によりコート層2は導電性を高めることができ、正極の抵抗を低くできる。
バインダー粒子4の平均粒径D50は導電性粒子3の平均粒径D50よりも大きい。そしてコート層2の厚みはバインダー粒子4の平均粒径D50よりも厚い。第一配置例では、集電体本体1の表面に対するコート層2の被覆性が高くなる。
(第二配置例)
図2に本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の第二配置例を説明する模式図を示す。図2において、集電体本体1の表面にコート層2が形成されている。コート層2の表面には正極活物質層5が形成されている。つまりコート層2は集電体本体1と正極活物質層5とに挟まれている。コート層2内には、導電性粒子3とバインダー粒子4とが含まれている。
導電性粒子3はバインダー粒子4よりも平均粒径D50が小さい。そのため、平均粒径D50が小さい導電性粒子3は平均粒径D50が大きいバインダー粒子4同士が形成した隙間に入り込むことができ、コート層2は空隙が少なくなる。そのため、コート層2は電解液が集電体本体1に接触することをより抑制できる。
複数の導電性粒子3はバインダー粒子4同士が形成する隙間内でコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで連続して配置されている。そのため、導電性粒子3は、コート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続して配置されている。従って導電性粒子3の配置によりコート層2は導電性を高めることができ、正極の抵抗を低くできる。
バインダー粒子4の平均粒径D50は導電性粒子3の平均粒径D50よりも大きい。そしてコート層2の厚みはバインダー粒子4の平均粒径D50と同等である。第二配置例では、集電体本体1の表面に対するコート層2の被覆性が高くなる。さらに第二配置例ではバインダー粒子4間の垂直方向の空隙を減らす効果が望めるため、被覆性に関しては第一配置例に比べ第二配置例が更に好ましい。
図2に示す第二配置例によれば、コート層2を簡便に作製することができる。例えば、バインダー粒子4を集電体本体1の表面に間隔をあけて一層となるように配置し、次にバインダー粒子4同士が形成する隙間に導電性粒子3を充填することによって、図2に示すコート層2を作製できる。
(第三配置例)
図3に本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の第三配置例を説明する模式図を示す。図3において、集電体本体1の表面にコート層2が形成されている。コート層2の表面には正極活物質層5が形成されている。つまりコート層2は集電体本体1と正極活物質層5とに挟まれている。コート層2内には、導電性粒子3とバインダー粒子4とが含まれている。
導電性粒子3はバインダー粒子4よりも平均粒径D50が大きい。そのため、平均粒径D50が小さいバインダー粒子4は平均粒径D50が大きい導電性粒子3同士が形成した隙間に入り込むことができ、コート層2は空隙が少なくなる。そのため、コート層2は電解液が集電体本体1に接触することをより抑制できる。
複数の導電性粒子3はコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで連続して配置されている。そのため、導電性粒子3は、コート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続して配置されている。従って導電性粒子3の配置によりコート層2は導電性を高めることができ、正極の抵抗を低くできる。
導電性粒子3はバインダー粒子4よりも平均粒径D50が大きい。そしてコート層2の厚みは導電性粒子3の平均粒径D50よりも厚い。第三配置例では、集電体本体1の表面と正極活物質層5の両方に導電性粒子3が直接接触することが容易なため、第三配置例はコート層2の導電性を確保するためには好ましい配置である。
(第四配置例)
図4に本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の第四配置例を説明する模式図を示す。図4において、集電体本体1の表面にコート層2が形成されている。コート層2の表面には正極活物質層5が形成されている。つまりコート層2は集電体本体1と正極活物質層5とに挟まれている。コート層2内には、導電性粒子3とバインダー粒子4とが含まれている。
導電性粒子3はバインダー粒子4よりも平均粒径D50が大きい。そのため、平均粒径D50が小さいバインダー粒子4は平均粒径D50が大きい導電性粒子3同士が形成した隙間に入り込むことができ、コート層2は空隙が少なくなる。そのため、コート層2は電解液が集電体本体1に接触することをより抑制できる。
コート層2の厚みは導電性粒子3の平均粒径D50と同等である。導電性粒子3はコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで一層となるように配置されている。そのため、導電性粒子3は、コート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続して配置されている。従って導電性粒子3の配置によりコート層2は導電性を高めることができ、正極の抵抗を低くできる。
図4に示す第四配置例によれば、コート層2を簡便に作製することができる。例えば導電性粒子3を集電体本体1の表面に間隔をあけて一層となるように配置し、導電性粒子3同士が形成する隙間にバインダー粒子4を充填することによって、図4に示すコート層2を作製できる。第四配置例では、集電体本体1の表面と正極活物質層5の両方に導電性粒子3が直接接触することが容易なため、第四配置例はコート層2の導電性を確保するためには好ましい配置である。第四配置例は、第三配置例と比べて、導電性粒子3同士の接触を必要としないため、さらに簡便にコート層の導電性を確保できる。
(第五配置例)
図5に本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層におけるバインダー粒子及び導電性粒子の第五配置例を説明する模式図を示す。図5において、集電体本体1の表面にコート層2が形成されている。コート層2の表面には正極活物質層5が形成されている。つまりコート層2は集電体本体1と正極活物質層5とに挟まれている。コート層2内には、導電性粒子3とバインダー粒子4とが含まれている。
導電性粒子3とバインダー粒子4とは平均粒径D50が同等でありかつコート層2の厚みは、導電性粒子3及びバインダー粒子4の平均粒径D50と同等である。この構成によれば、コート層2は空隙が少なくなる。そのため、コート層2は電解液が集電体本体1に接触することをより抑制できる。
コート層2の厚みは導電性粒子3の平均粒径D50と同等である。導電性粒子3はコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで一層となるように配置されている。そのため、導電性粒子3は、コート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続して配置されている。また図5に示す第五配置例によれば、コート層2に含有されるほとんどすべての導電性粒子3はコート層2の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続している。従って導電性粒子3の配置により、より簡便にコート層2は導電性を高めることができ、正極の抵抗を低くできる。
図5に示す第五配置例によれば、コート層2をさらに簡便に作製することができる。例えばバインダー粒子4と導電性粒子3とを混合し、各粒子が隙間なく一層となるように混合物を集電体本体1の表面に配置することによって図5に示すコート層2を作製できる。
上記第一配置例〜第五配置例の中では第一配置例及び第二配置例が好ましい。すなわち
バインダー粒子の平均粒径D50は導電性粒子の平均粒径D50よりも大きいことが好ましい。バインダー粒子のほうが導電性粒子に比べて集電体本体の保護作用が強い。導電性粒子に比べてバインダー粒子の方が大きい平均粒径D50を有するので、コート層は電解液からの集電体本体の保護作用をより強く発揮できる。
さらに導電性粒子の平均粒径D50はバインダー粒子の平均粒径D50の1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。このような構成とすることにより、コート層はより空隙を少なくできる。
さらにコート層の厚みは、バインダー粒子の平均粒径D50と同等であることが好ましい。つまり上記した第二配置例が好ましい。この構成とすることにより、コート層を集電体本体により簡便に形成することができる。
コート層の厚みは10nm〜1μmであることが好ましく、20nm〜500nmであることがより好ましい。コート層の厚みが10nm以上であれば、そのコート層によって集電体本体の表面を良好に保護することができ、電解液による集電体本体の腐食を効果的に抑制することができる。コート層の厚みが1μm以下であれば、電池内の正極用集電体本体の占める体積を適正にすることができる。電池内の正極用集電体本体の占める体積が大きくなりすぎると、正極活物質の量等を減らさなければならなくなり、電池容量の低下につながり好ましくない。
コート層の表面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)画像で観察した場合の導電性粒子とバインダー粒子の面積比は、導電性粒子:バインダー粒子=15:85〜90:10であることが好ましい。
SEM画像における導電性粒子とバインダー粒子の面積比が上記範囲であれば、コート層は集電体本体を電解液から良好に保護し、かつ正極の抵抗を低くできる。導電性粒子とバインダー粒子の使用する物質の組み合わせによって、面積比の具体的な数値は上記範囲内で適宜選択されればよい。
この集電体本体へコート層を形成する方法は、特に限定されないが、以下の方法で形成できる。
バインダー粒子を粘度調整のため有機溶媒又は水に分散させてペースト状にする。ペースト状のバインダー粒子を集電体本体に塗布し、塗布後に乾燥する。バインダー粒子の塗布方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。
粘度調整のための有機溶媒としては、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、エチレングリコール、イソプロパノール(IPA)などが使用可能である。水は蒸留水やイオン交換水など、不純物を取り除いたものが好ましい。
次に導電性粒子を粘度調整のため有機溶媒又は水に分散させてペースト状にする。ペースト状の導電性粒子をバインダー粒子が配置された集電体本体に塗布し、バインダー粒子同士が形成する隙間を埋めるように導電性粒子を充填する。充填後にバインダー粒子と導電性粒子が配置された集電体本体を乾燥する。
導電性粒子の塗布方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。供給量を調整することにより導電性粒子を密に充填させて塗布することができるため、導電性粒子の塗布方法はロールコート法が望ましい。
粘度調整のための有機溶媒としては、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、エチレングリコール、イソプロパノール(IPA)などが使用可能である。水は蒸留水やイオン交換水など、不純物を取り除いたものが好ましい。
上記では、バインダー粒子を配置してから導電性粒子を配置したが、先に導電性粒子を配置してからバインダー粒子を配置してもいい。またコート層の膜厚は最初に塗布した粒子の平均粒径D50と同等にすることが好ましい。そのように作成すると簡便に導電性粒子を集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで連続して配置することができる。
またバインダー粒子と導電性粒子とをあらかじめ混合してから、混合物を集電体本体に塗布することもできる。
バインダー粒子に加えてさらにバインダー樹脂を塗布する場合は、バインダー樹脂を有機溶剤又は水に溶かしてペースト状にしたバインダー樹脂ペーストを、バインダー粒子ペーストまたは導電性粒子ペーストもしくはバインダー粒子と導電性粒子を混合したペーストに混合し、各手順で混合物を塗布すればよい。
<リチウムイオン二次電池用正極>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、上記リチウムイオン二次電池正極用集電体と、正極活物質層とを有する。本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、上記リチウムイオン二次電池正極用集電体を有するので、その抵抗を下げることができる。
正極活物質層は、正極活物質と結着剤とを含む。正極活物質層には必要に応じて導電助剤をさらに含んでも良い。
正極活物質としては、リチウム含有化合物あるいは他の金属化合物よりなるものを用いることができる。リチウム含有化合物としては、例えば、層状構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物、一般式: LiCoNiMn (Dはドープ成分であり、Al、Mg、Ti、Sn、Zn、W、Zr、Mo、Fe、Naからなる成分であり、必要に応じて添加される、p+q+r+s=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1、0≦s<1、0.8≦a<2.0、−0.2≦x−(a+p+q+r+s)≦0.2)で表される層状構造を有するリチウムコバルト含有複合金属酸化物、一般式:LiMPOで示されるオリビン型リチウムリン酸複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiのうちの少なくとも一種)、一般式:LiMPOFで示されるフッ化オリビン型リチウムリン酸複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiのうちの少なくとも一種)、一般式:LiMSiOで示されるケイ酸塩系型リチウム複合酸化物(MはMn、Fe、Co及びNiのうちの少なくとも一種)を用いることができる。また他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム若しくは二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタン若しくは硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。
また正極活物質は、化学式:LiMO(MはNi,Co及びMnから選択される少なくとも1つである)で表されるリチウム含有酸化物よりなることが好ましく、さらに一般式: LiCoNiMn (Dはドープ成分であり、Al、Mg、Ti、Sn、Zn、W、Zr、Mo、Fe、Naからなる成分であり、必要に応じて添加される、p+q+r+s=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1、0≦s<1、0.8≦a<2.0、−0.2≦x−(a+p+q+r+s)≦0.2)で表される層状構造を有するリチウムコバルト含有複合金属酸化物よりなることが好ましい。
リチウム含有酸化物としては、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiCoO、LiNi0.8Co0.2、LiCoMnOを用いることができる。中でもLiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3は、熱安定性の点で好ましい。
正極活物質はその平均粒径D50が1μm〜20μmである粉末形状であることが好ましい。正極活物質の平均粒径D50が1μmより小さいと正極活物質の比表面積が大きくなり正極活物質と電解液との反応面積が増える。正極活物質の平均粒径D50が20μmより大きいとリチウムイオン二次電池の抵抗が大きくなり、リチウムイオン二次電池の出力特性が下がる。正極活物質の平均粒径D50は粒度分布測定法によって計測できる。
結着剤は、上記正極活物質及び導電助剤を上記リチウムイオン二次電池正極用集電体に繋ぎ止める役割を果たす。結着剤として、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリ酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリイミドおよびポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、並びにスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴムを用いることができる。
導電助剤は、必要に応じて電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)(KB)、気相法炭素繊維(VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、正極に含有される活物質100質量部に対して、1質量部〜30質量部程度とすることができる。
正極は、正極活物質および結着剤、並びに必要に応じて導電助剤を含む正極活物質層形成用組成物を調製し、さらにこの組成物に適当な溶剤を加えてペースト状にしてから、リチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層の表面に塗布後、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
正極活物質層形成用組成物の塗布方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。
粘度調整のための溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)などが使用可能である。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用正極を有することを特徴とする。上記リチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池は、優れたサイクル性能を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、電池構成要素として、上記したリチウムイオン二次電池用正極に加えて、負極、セパレータ、電解液を用いる。
負極は、集電体本体と、集電体本体の表面に結着させた負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質、結着剤を含み、必要に応じて導電助剤を含む。集電体本体、結着剤、導電助剤はリチウムイオン二次電池正極用集電体及びリチウムイオン二次電池用正極で説明したものと同様である。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料、リチウムと合金化可能な元素、リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物、あるいは高分子材料などを用いることができる。
炭素系材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。ここで、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
リチウムと合金化可能な元素は、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biの少なくとも1種を有するとよい。中でも、リチウムと合金化可能な元素は、珪素(Si)または錫(Sn)であるとよい。
リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物としては、例えば、ZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<v≦2)、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiOあるいはLiSnOなどが使用できる。リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物は珪素化合物または錫化合物であることがよい。珪素化合物は、SiO(0.5≦x≦1.5)であることがよい。錫化合物は、例えば、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)などが使用できる。
高分子材料としては、ポリアセチレン、ポリピロールなどが使用できる。
セパレータは正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータは、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミックス製の多孔質膜が使用できる。
電解液はリチウムイオン二次電池用に用いることのできる電解液が使用できる。電解液は、溶媒とこの溶媒に溶解された電解質とを含んでいる。
例えば溶媒として環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類が使用できる。環状エステル類として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等が使用できる。鎖状エステル類として、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等が使用できる。エーテル類として、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等が使用できる。
また上記電解液に溶解させる電解質として、例えばLiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を使用することができる。
例えば、電解液として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの溶媒にLiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
上記リチウムイオン二次電池は車両に搭載することができる。上記リチウムイオン二次電池は、優れたサイクル性能を有するため、そのリチウムイオン二次電池を搭載した車両は、寿命、出力の面で高性能となる。
車両としては、電池による電気エネルギーを動力源の全部または一部に使用する車両であればよく、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、電動フォークリフト、電気車椅子、電動アシスト自転車、電動二輪車が挙げられる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池正極用集電体、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
<集電体本体へのコート層の形成>
集電体本体として厚み20μmのアルミニウム箔を準備した。バインダー粒子として平均粒径D50が100nmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を準備した。導電性粒子として、平均粒径D50が20nmのSnO粉末を準備した。また粘度調整溶媒としてイオン交換水及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を準備した。また比較例で用いるバインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を準備した。
(集電体A)
SnO粉末とPTFE粒子とを各々イオン交換水に分散させ、SnO分散液とPTFE分散液とを作製した。アルミニウム箔にPTFE粒子の平均粒径D50と同等の膜厚つまり100nmとなるようにPTFE分散液を塗布した。塗布後のアルミニウム箔を120℃で6時間乾燥した。これによりアルミニウム箔上に隣り合うPTFE粒子同士の間に集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで貫通した隙間が形成されたPTFE粒子配置集電体が作成できた。次にPTFE粒子配置集電体にSnO分散液を塗布した。ここでSnO粉末がPTFE粒子同士の形成した隙間を十分に埋めるように塗布した。この時SnO粉末の質量とPTFE粒子の質量が2:1となるように各分散液を塗布した。SnO分散液を塗布したPTFE粒子配置集電体を120℃で6時間乾燥した。これにより厚みが100nmのコート層が形成された集電体を形成した。このコート層はPTFE粒子同士の形成した隙間にSnO粉末が集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで充填された構成となった。これを集電体Aとした。
(集電体B)
コート層を形成せず、アルミニウム箔そのものを集電体Bとした。
(集電体C)
膜厚が200nmとなるようにPTFE分散液をアルミニウム箔に塗布した。この場合PTFE粒子はアルミニウム箔上に2〜3層に積層する形になった。そのため隣り合うPTFE粒子により形成される隙間は、必ずしも集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで貫通してはいなかった。この隙間にSnO分散液を充填した。集電体Aと同様にSnO粉末の質量とPTFE粒子の質量が2:1となるように各分散液を塗布した。SnO分散液を塗布したPTFE粒子配置集電体を120℃で6時間乾燥した。これにより厚みが200nmのコート層が形成された集電体を形成した。これを集電体Cとした。
(集電体D)
SnO粉末とPVDFとを質量比で2:1となるように混合し、NMPで所望の粘度となるまで希釈した。この混合物をアルミニウム箔に膜厚が100nmとなるように塗布した。混合物を塗布したアルミニウム箔を120℃で6時間乾燥して集電体Dを作成した。集電体Dのコート層はPVDFの膜にSnO粉末が分散した構造となっていた。
<ラミネート型リチウムイオン二次電池作製>
(実施例1)
集電体Aを正極用集電体として用いた実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池を次のようにして作製した。まず正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3と導電助剤としてアセチレンブラックと、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、それぞれ94質量部、3質量部、3質量部として混合し、この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、スラリーを作製した。
上記集電体Aにスラリーをのせ、ドクターブレードを用いてスラリーが膜状になるように集電体Aに塗布した。得られたシートを80℃で20分間乾燥してNMPを揮発させて除去した後、ロ−ルプレス機により、集電体Aと集電体A上の塗布物を強固に密着接合させた。この時電極目付けは3.0g/cmとなるようにした。接合物を120℃で6時間、真空乾燥機で加熱し、所定の形状(25mm×30mmの矩形状)に切り取り、厚さ50μm程度の正極とした。
負極は以下のように作製した。黒鉛粉末97質量部と、導電助剤としてアセチレンブラック1質量部と、結着剤として、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)1質量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量部とを混合し、この混合物を適量のイオン交換水に分散させてスラリーを作製した。このスラリーを負極用集電体である厚み20μmの銅箔にドクターブレードを用いて膜状になるように塗布し、スラリーを塗布した銅箔を乾燥後プレスし、接合物を120℃で6時間、真空乾燥機で加熱し、所定の形状(25mm×30mmの矩形状)に切り取り、厚さ45μm程度の負極とした。
上記の正極および負極を用いて、ラミネート型リチウムイオン二次電池を製作した。詳しくは、正極および負極の間に、セパレータとしてポリプロピレン樹脂からなる矩形状シート(27×32mm、厚さ25μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに電解液を注入した。電解液としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)をEC:DEC=3:7(体積比)で混合した溶媒に1モルのLiPFを溶解した溶液を用いた。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたラミネート型リチウムイオン二次電池を得た。なお、正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はラミネート型リチウムイオン二次電池の外側に延出している。以上の工程で、実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1)
実施例1における集電体Aの代わりに集電体Bを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1のラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
実施例1における集電体Aの代わりに集電体Cを用いた以外は実施例1と同様にして比較例2のラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3)
実施例1における集電体Aの代わりに集電体Dを用いた以外は実施例1と同様にして比較例3のラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
<集電体の観察>
(集電体A)
集電体Aのコート層の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した。結果を図6に示す。図6において、白色の部分がSnO粉末であり、黒色部分がPTFE粒子である。図6から、コート層はSnO粉末とPTFE粒子とが空隙なく配置されていることがわかった。ここで集電体Aのコート層の厚みは100nmとPTFE粒子の平均粒径D50と同等であった。
集電体Aのコート層の表面のSEM画像におけるSnO粉末:PTFE粒子の面積比は、SnO粉末:PTFE粒子=1:4であった。
集電体Aの断面模式図を図7に示す。図7では集電体本体1の上にコート層2が形成されている。コート層2はSnO粉末6とPTFE粒子7とを含む。コート層2の厚みは、PTFE粒子7の平均粒径D50と同等である。SnO粉末6の平均粒径D50は20nmであり、PTFE粒子7の平均粒径D50は100nmである。PTFE粒子7同士が形成する隙間にSnO粉末6がコート層2の集電体本体1側の一方の表面から相対する表面に連続するように充填されている。
<セル抵抗評価>
実施例1および比較例1〜3のラミネート型リチウムイオン二次電池のセル抵抗を測定した。セル抵抗(Ω)は、SOC(State of charge)20%時の電圧(3.6V)にて3Cレート、10秒放電にて測定した。セル抵抗の測定値が小さい方がリチウムイオン二次電池の内部損失が少ないことを示す。またセル抵抗は3Cレートで測定されているので、このセル抵抗の測定値は高レート特性を示す指標ともなる。結果を表1に示す。
実施例1のセル抵抗は比較例1のセル抵抗と同等であり、比較例2及び比較例3のセル抵抗に比べて大幅に低かった。このことから実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池は、コート層が形成されてもセル抵抗が増大しないことが確認できた。これは上記集電体Aの表面観察で説明したように、実施例1における集電体本体に形成されたコート層は導電性粒子によって集電体本体の一方の表面から相対する表面まで電気的に連続しているからであると考えられる。
ここで比較例2及び比較例3はどちらも導電性粒子がコート層に含まれているが、セル抵抗は増大した。このことから比較例2及び比較例3ではコート層の中で導電性粒子が電気的に連続していなかったと推測される。また比較例2及び比較例3では、どちらもコート層の導電性が確保されていないので、コート層の厚みの厚い比較例2のほうが比較例3に比べてセル抵抗が大きくなったと推察される。
<サイクル特性評価>
実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3のラミネート型リチウムイオン二次電池のサイクル特性を評価した。以下の条件で充放電を繰り返したサイクル試験を行い各サイクルの放電容量を測定した。充電の際は、60℃において1Cレート、電圧4.5VでCC充電(定電流充電)をした。放電の際は3.0V、1CレートでCC放電(定電流放電)を行った。この充放電を1サイクルとし、200サイクルまでサイクル試験を行った。サイクル試験の前後に0.33Cレートで放電容量を測定した。初回サイクルの0.33Cレートにおける放電容量を基準とし、200サイクル試験後の容量維持率を次に示す式にて求めた。
容量維持率(%)=(200サイクル試験後の0.33Cレートの放電容量/初回0.33Cレートの放電容量)×100
実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3のラミネート型リチウムイオン二次電池のサイクル後容量維持率の結果を表2に示す。
表2の結果から、実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池はコート層の形成されていない集電体本体を用いた比較例1のラミネート型リチウムイオン二次電池と比べて、サイクル試験後の容量維持率(%)が大幅に向上した。この結果よりコート層による集電体本体の保護作用が確認できた。
また実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池は、比較例2及び比較例3のラミネート型リチウムイオン二次電池と比較してもサイクル試験後の容量維持率(%)が高かった。これは比較例2及び比較例3のラミネート型リチウムイオン二次電池と比べて実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池において、電解液の浸透に対するコート層の集電体本体の保護効果が高く、電解液による集電体本体の腐食をより防ぐことができた結果であると考える。
セル抵抗測定結果及びサイクル特性結果から、実施例1のラミネート型リチウムイオン二次電池は高電圧使用環境下においても保護膜による抵抗の上昇を抑制できかつ優れたサイクル特性を有することがわかった。
1:集電体本体、2:コート層、3:導電性粒子、4:バインダー粒子、5:正極活物質層、6:SnO粉末、7:PTFE粒子。

Claims (11)

  1. 集電体本体と、
    該集電体本体の表面に形成され、バインダー粒子と導電性粒子とを含むコート層とを有し、
    該導電性粒子の少なくとも一部は、該コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されており、
    前記バインダー粒子の平均粒径D 50 は前記導電性粒子の平均粒径D 50 よりも大きく、
    前記コート層において、前記バインダー粒子が前記集電体本体の表面に間隔をあけて一層となるように配置されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  2. 集電体本体と、
    該集電体本体の表面に形成され、バインダー粒子と導電性粒子とを含むコート層とを有し、
    該導電性粒子の少なくとも一部は、該コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されており、
    前記バインダー粒子の平均粒径D 50 は前記導電性粒子の平均粒径D 50 よりも大きく、
    前記バインダー粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニル(PVF)から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  3. 集電体本体と、
    該集電体本体の表面に形成され、バインダー粒子と導電性粒子とを含むコート層とを有し、
    該導電性粒子の少なくとも一部は、該コート層の集電体本体側の一方の表面から相対する他方の表面まで電気的に連続するように配置されており、
    該導電性粒子は、酸化錫(IV)(SnO )であることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  4. 前記バインダー粒子の平均粒径D50と、前記導電性粒子の平均粒径D50とは、一方が他方よりも大きい請求項に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  5. 前記バインダー粒子の平均粒径D50は前記導電性粒子の平均粒径D50よりも大きい請求項に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  6. 前記コート層において、前記バインダー粒子が前記集電体本体の表面に間隔をあけて一層となるように配置されている請求項2又は5に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  7. 前記導電性粒子は、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、過酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(II)(SnO)、酸化錫(IV)(SnO)、酸化錫(VI)(SnO)、二酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(III)(W)、酸化タングステン(IV)(WO)、酸化タングステン(VI)(WO)、酸化クロム(Cr)、窒化チタン(TiN)、窒化ゲルマニウム(Ge)、窒化ランタン(LaN)、炭化タングステン(WC)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭素(C)、酸化インジウムにZn、Mo、W、Ti、Zr、Sn及びHから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの、酸化錫にF、W、Ta、Sb及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの、酸化亜鉛にGa、Al及びBから選ばれる少なくとも一種の元素を添加したもの及び酸化チタンにNb元素を添加したものから選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  8. 前記バインダー粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニル(PVF)から選ばれる少なくとも1つである請求項1、3〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  9. 前記コート層の表面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)画像で観察した場合の前記導電性粒子と前記バインダー粒子の面積比は、該導電性粒子:該バインダー粒子=15:85〜90:10である請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池正極用集電体と、
    該リチウムイオン二次電池正極用集電体の表面に形成され、正極活物質と結着剤とを有する正極活物質層と、
    を有するリチウムイオン二次電池用正極。
  11. 請求項10に記載のリチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池。
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