JP6044201B2 - 脱臭機 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱再生型の触媒フィルタを用いて空気を脱臭する脱臭機に関する。
従来、室内などの閉塞空間内の空気を脱臭フィルタに通して脱臭する脱臭機が用いられている。特に、近年では、この脱臭フィルタに加熱再生型の触媒フィルタが用いられ、触媒フィルタをヒータで加熱することにより、吸着した臭気成分を分解して臭気吸着機能を再生できるようにしたものがある。
この種の脱臭機としては、筒体の下部に上方吹出しの軸流ファンが設けられ、この軸流ファンの直上に電気ヒータ、触媒体、および活性炭を順次上方へ配置することで、空気を脱臭するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−63466号公報
しかしながら、電気ヒータや触媒体などを含むフィルタ部が送風路を構成する筒体に接していると考えられ、加熱時に電気ヒータの熱が筒体に直接伝わるような場合は筒体に耐熱性素材を用いる必要があり、コストがかかるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、触媒フィルタを含むフィルタ部を、送風路の少なくとも一部を構成する筒体内に固定する際に、触媒フィルタを加熱するヒータからの熱が筒体に対して直接あるいは間接的に影響を与えないようにし、耐熱温度の低い安価な材料で筒体を構成することが可能な脱臭機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の脱臭機は、空気吸込口と空気吹出口とをつなぐ送風路と、同送風路内に送風手段と、同送風手段で送風された空気から臭気成分を除去するフィルタ部とを備えた脱臭機であって、前記送風路の少なくとも一部を構成する筒体の内壁面には前記フィルタ部を支持するフィルタ支持部が設けられ、前記フィルタ部は、外郭を形成する枠体と、臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、前記触媒フィルタを加熱するヒータと、前記ヒータを支持するヒータ支持部と、前記ヒータ支持部前記枠体に固定する固定部とを備え、前記フィルタ支持部は、前記筒体の内壁面から立設するように延びる複数の突起部を備え、前記フィルタ部の外周面と同外周面と対向する前記筒体の内壁面との間に空隙を形成するように、且つ、前記フィルタ部の前記固定部と前記筒体の前記内壁面との間に空隙を形成するように、前記突起部で前記フィルタ部を支持することを特徴とする。
また、このように構成された脱臭機にあって、前記フィルタ支持部は、前記固定部から離間する位置に配置されることを特徴とする。
また、このように構成された脱臭機にあって、前記筒体には、脱臭機本体が転倒あるいは傾斜した状態で前記ヒータが発熱した場合に、同ヒータで加熱された空気が前記空隙を介して前記筒体から外部に放出される放出口が設けられていることを特徴とする。
また、このように構成された脱臭機にあって、前記筒体は、樹脂により成形され、同筒体の内壁面には、前記フィルタ支持部が一体的に設けられていることを特徴とする。
また、このように構成された脱臭機にあって、前記突起部は、前記フィルタ部を鉛直方向で挟持する第一突起と、前記フィルタ部の外周面と同外周面と対向する前記筒体の内壁面との間に配置されて前記空隙を形成する第二突起とを備えることを特徴とする。
また、このように構成された脱臭機にあって、前記第一突起には、前記枠体を鉛直方向で挟持する上部支持面と下部支持面とが設けられ、前記下部支持面は、前記上部支持面より大きく形成されていることを特徴とする。
本発明の脱臭機によれば、筒体内にフィルタ部と、筒体の内壁面にフィルタ部を支持するフィルタ支持部が設けられ、フィルタ部は、外郭を形成する枠体と、臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、触媒フィルタを加熱するヒータと、ヒータを支持するヒータ支持部とヒータ支持部枠体に固定する固定部を備え、フィルタ支持部は、筒体の内壁面から立設するように延びる複数の突起部を備えフィルタ部の外周面と同外周面と対向する筒体の内壁面との間に空隙を形成するように、且つ、フィルタ部の固定部と筒体の内壁面との間に空隙を形成するように、突起部でフィルタ部を支持するように構成されている。これにより、ヒータからの熱がヒータ支持部を介して固定部まで伝達されるが、筒体の内壁面との間に空隙が設けられているため、固定部から筒体の内壁面へは熱が直接伝わらず、筒体を形成する部材に耐熱性の低い安価な素材を用いることができる。
また、フィルタ支持部は、固定部から離間する位置に配置されている。これにより、ヒータからの熱は、固定部まで伝達されるが、固定部とフィルタ支持部とが離間しているため、固定部の熱がフィルタ支持部へは伝達されず、筒体内壁面に設けられたフィルタ支持部の突起部を耐熱性の低い安価な素材とすることができる。
また、筒体には、脱臭機本体が転倒あるいは傾斜した状態でヒータが発熱した場合に、ヒータで加熱された空気が空隙を介して筒体から外部に放出される放出口が設けられている。これにより、触媒フィルタをヒータで加熱して臭気吸着機能を再生する際に、脱臭機本体が転倒あるいは傾斜したとしても、加熱された空気が筒体内に留まらず、空隙を介して放出口から外部に放出されるため、筒体が必要以上に加熱される心配がなくなり、筒体を形成する部材に耐熱性の低い安価な素材を用いることができる。
また、筒体は、樹脂により成形されていて、その筒体の内壁面にフィルタ支持部が一体的に設けられている。これにより、フィルタ部を支持するフィルタ支持部を別の部品を用いて構成する必要がなくなり、筒体と同じ樹脂を用いてフィルタ支持部を一体成形できるため、省資材化と共に組み立てを容易化することができ、低コストで製造することが可能となる。
また、フィルタ支持部の突起部は、フィルタ部を鉛直方向で挟持する第一突起と、フィルタ部の外周面とその外周面と対向する筒体の内壁面との間に配置されて空隙を形成する第二突起とを備えている。これにより、筒体内のフィルタ部は、筒体の内壁面に設けられたフィルタ支持部の第一突起と第二突起とによって筒体の内壁面との間に空隙を形成しつつ支持されるため、触媒フィルタをヒータで加熱して臭気吸着機能を再生する際に、ヒータからの熱が筒体の内壁面へ伝わりにくく、加熱された空気も空隙を介して移動可能となり、筒体内が必要以上に加熱される心配がないことから、筒体を形成する部材に耐熱性の低い安価な素材を用いることができる。
また、第一突起には、フィルタ部の枠体を鉛直方向で挟持する上部支持面と下部支持面とが設けられ、下部支持面は、上部支持面よりも大きく形成されている。これにより、フィルタ部を第一突起で支持する場合は、上部支持面よりも大きな下部支持面上に安定して載置することが可能となり、さらに上方の挟持面との間に挟み込むことで、フィルタ部を所定の位置に容易かつ確実に支持することができる。
図1は、本発明の一実施形態を示す脱臭機を正面斜め上方から見た斜視図である。 図2は、図1に示す脱臭機の中央部から縦断したX−X線に沿った断面図である。 図3は、図1に示す脱臭機から前面パネルと集塵フィルタを取り外した状態を示す分解斜視図である。 図4は、図3に示す脱臭機の筒体を構成する第1部材と第2部材と脱臭ユニットとの分解斜視図である。 図5は、図4に示す脱臭ユニットの分解斜視図である。 図6は、図4に示す第2部材の裏側に設けられた脱臭ユニットのフィルタ支持部を示す背面斜め下方から見た斜視図である。 図7は、図1に示す脱臭機を図2に示すY−Y線に沿った位置で切り取って上方から見た脱臭ユニットの支持状態を示す断面図である。
以下、本発明にかかる脱臭機の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、図1から図7は本発明にかかる脱臭機1の一実施形態を示している。図1は、本発明の一実施形態を示す脱臭機1を正面斜め上方から見た斜視図である。この脱臭機1は、図1に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筺体を有し、この筺体の前面パネル18に設けられた空気吸込口11から導入した空気を、上面に設けられた空気吹出口12から放出する間に、空気の脱臭処理が行われるようになっている。
また、脱臭機1の筺体の上面部には、空気吹出口12の側方に位置して脱臭機1を操作する操作パネル19が設けられている。さらに、脱臭機1の筺体の両側面は、側面パネル19で覆われている。
図2は、図1に示す脱臭機1の中央部から縦断したX−X線に沿った断面図である。脱臭機1の筺体の内部は、図2に示すように、空気吸込口11から導入した空気を空気吹出口12まで案内する送風路10が形成され、この送風路10の途中には、送風路10の一部を構成する筒体24が設けられる。この筒体24の内部には、送風路10内の空気を空気吸込口11から空気吹出口12に向かって流通させる送風手段としてのシロッコファン13が設けられている。この場合の送風手段は、シロッコファン13が好ましいが、これに限定されず、空気を流通させる機能を有するものであればよい。例えば、送風手段にラジアルファンや軸流ファン、もしくはその他の送風手段などを用いてもよい。
また、シロッコファン13と空気吹出口12との間には、触媒フィルタを含むフィルタ部としての脱臭ユニット14が配置されている。本実施形態にかかる脱臭機1の特徴的な構成は、図2に示す筒体24の内壁面から立設するように突き出て形成されたフィルタ支持部としての突起部30a、30b、40a、40b等を用いて脱臭ユニット14を支持することにより、脱臭ユニット14と筒体24の内壁面との間に空隙10aが形成されるようにした点にある。
また、脱臭ユニット14の下流側には、ここではオゾンを発生させて空気の除菌と脱臭を行うオゾナイザ21が配置されている。このオゾナイザ20は、本実施形態にかかる脱臭機1を構成する上で必ずしも必要とはしない。
図3は、図1に示す脱臭機1から前面パネル18と集塵フィルタ17を取り外した状態を示す分解斜視図である。本実施形態にかかる脱臭機1の前面パネル18の内側には、図3に示すように、筒体24の一部を構成する第2部材16が配置されている。第2部材16には、通風孔16aが設けられ、前面パネル18の下方に設けられた空気吸込口から導入された空気は、集塵フィルタ17によってゴミや塵が除去された後、第2部材16の通風孔16aから筒体24内部に取り込まれる。
図4は、図3に示す脱臭機1の筒体24を構成する第1部材15と第2部材16と脱臭ユニット14との分解斜視図であり、図5は、図4に示す脱臭ユニット14の分解斜視図であり、図6は、図4に示す第2部材16の裏側に設けられた脱臭ユニット14のフィルタ支持部を示す背面斜め下方から見た斜視図であり、図7は、図1に示す脱臭機を図2に示すY−Y線に沿った位置で切り取って上方から見た脱臭ユニットの支持状態を示す断面図である。
本実施形態にかかる脱臭機1の筒体24は、図4に示すように、シロッコファン13や脱臭ユニット14を収容する第1部材15と、これらを収容した後に、第2部材16で蓋をして固定することで、送風路10の一部を構成する筒体24を少ない工数で容易に組み立てることが可能となる。本実施形態における脱臭機1の特徴的な構成は、図4および図6に示すように、第1部材15に脱臭ユニット14を収容して第2部材16で蓋をすることで送風路10の一部を構成する筒体24を形成する際に、脱臭ユニット14を支持するフィルタ支持部が筒体24の内壁面と一体成形されている点にある。
このフィルタ支持部は、図4に示すように、第1部材15に対して脱臭ユニット14を水平方向から挿入して収容する際に、脱臭ユニット14の外郭を形成する枠体としての断熱材保持部141および遮熱板148の前端角部を、筒体24の内壁面から突き出た爪で鉛直方向から挟持する突起部30a、30bが形成されている(第一突起)。また、脱臭ユニット14の枠体の外周面を内壁面から突き出た突起により水平方向からガイドする突起部31a、31bが形成されている(第二突起)。なお、図4では第1部材15の左奥の突起部30a、30bと突起部31a、31bしか見えないが、手前の側面パネル19の裏側にも同様に形成された突起部が配置されている(図7の突起部32a、32bおよび突起部33a、33b)。
上記した突起部30bの下部支持面30b1は、図2および図4に示すように、脱臭ユニット14を収容する際に、脱臭ユニット14の断熱材保持部141を載置する載置面となるため、安定して支持できるように上方に設けられた突起部30aの上部支持面30a1と比べて面積を広くしている。また、突起部30aと突起部30bとの間隔は、脱臭ユニット14の枠体の厚さ(鉛直方向の高さ)に合わせて形成されている。そして、脱臭ユニット14は、第1部材15に対して突起部30aと突起部30bとの間に挿入することで鉛直方向から挟持され、脱臭ユニット14の前端部分の鉛直方向の収容位置が位置決めされる。また、突起部30aと突起部30bとの間に脱臭ユニット14を挿入し易くするため、突起部30aと突起部30bの入口の間隔を所定間隔よりも広くとり、奥に行くに従って所定間隔となるようにテーパーを付けて構成しても良い。
また、脱臭ユニット14の外周面と対向する筒体24の内壁面に設けられた突起部31a、31bは、第1部材15に対して脱臭ユニット14を挿入する際に、脱臭ユニット14の遮熱板148の外周面に対応する位置に突起部31aが配置され、脱臭ユニット14の断熱材保持部141の外周面に対応する位置に突起部31bが配置されている。また、脱臭ユニット14は、突起部31a、31bと対向して配置された突起部33a、33b(図7参照)とによって、脱臭ユニット14の前端部分の水平方向の収容位置が位置決めされる。上記した突起部33a、33bと突起部31a、31bは、いずれも筒体24の内壁面から突出して形成されると共に、第1部材15の壁面15bを外周方向に凹ませたことにより、脱臭ユニット14と筒体24の内壁面との間に空隙10aを形成することができる(図7参照)。
さらに、第2部材16の背面側は、図6に示すように、脱臭ユニット14の後端部一側の鉛直方向から挟持する突起部40a、40b、および、後端部他側の鉛直方向から挟持する突起部42a、42bが設けられている。また、脱臭ユニット14の後端部の外周面に対向する筒体24の内壁面には、一側に突起部41a、41bが鉛直方向に配置され、他側に突起部43a、43bが鉛直方向に配置されている。この第2部材16は、第1部材15に対して脱臭ユニット14を挿入した後、蓋をして固定するために、脱臭ユニット14の後端部の水平方向の2つの角部を支持する突起部40a、40b、41a、41b、42a、42b、43a、43bが筒体24の内壁面と一体成形されている。このように、第2部材16の突起部は、第1部材15の突起部と同様に、筒体24の内壁面から突き出た状態で脱臭ユニット14を支持していると共に、第2部材16の筒体24の壁面16bを外周方向に凹ませたことにより、脱臭ユニット14と筒体24の内壁面との間に空隙10aが形成されている(図7参照)。
また、図4に示すフィルタ部としての脱臭ユニット14は、図5に示すように構成されている。つまり、脱臭ユニット14は、臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタ146と、この触媒フィルタ146を加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータ144と、ヒータ144を支持してヒータ144からの熱を触媒フィルタ146全体に放熱して加熱するヒータ支持部としての放熱板142と、その外周部から周囲に熱が逃げるのを防ぐ環状断熱材145と、触媒フィルタ146の上方に配置され、ヒータ144により加熱された空気が立ち昇り、拡散してしまうのを防ぐ板状断熱材147と、板状断熱材147および環状断熱材145の上面側を覆って配置される遮熱板148と、放熱板142および環状断熱材145の下面側を覆って配置される断熱材保持部141とにより構成されている。
ヒータ144は、ここでは温度が上がるにつれて電気抵抗値が上がる特性を利用して自己の温度を制御するPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)を好適に用いている。このため、ヒータ144にPTCヒータを用いた場合は、これまでヒータ温度を検出していたサーミスタが不要になることから、コストを低減することができる。もちろん、ヒータの種類は、これに限定されるものではなく、シーズヒータやセラミックヒータなど種々のヒータを用いて実施することができる。
放熱板142は、図5に示すように、放射状に延びる複数の放熱部1421を有し、この放熱部1421間に配置される多数の透孔1422によって通気性が確保された金属製のプレートで形成されている。そして、放熱板142は、図5に示すように、周縁部がプレス加工などにより上方に折曲された側壁1423を有して全体として矩形容器状に形成されている。この放熱板142には、側壁1423で囲まれた中央部にヒータ144の下面部を当接させて載置する不図示の被当接部が形成され、被当接部に載置されたヒータ144の側面部と上面部とがヒータ保持部143で覆われている。放熱板142の側壁1423で囲まれた内側に収容された触媒フィルタ146は、ヒータ144からの熱がヒータ保持部143、放熱部1421、および側壁1423から触媒フィルタ146に対して輻射熱により放熱され、加熱される。放熱板142の周囲の4つの側壁には、図5に示すように、放熱板142の各辺に沿う方向のほぼ中央部にコ字状に形成された固定部としてのチャンネル149がそれぞれビス止めされる。このとき、各チャンネル149の両端折曲片は放熱板142に対して外方に向かって配置され、それら両端折曲片を介して断熱材保持部141と遮熱板148とを固定するように構成されている。このため、ヒータ144により触媒フィルタ146を加熱再生する時は、ヒータ144からの熱が放熱板142を介してチャンネル149に伝達されることから、チャンネル149付近の温度が高くなる。
触媒フィルタ146は、心材部分に蜂の巣(ハニカム)構造を取り入れて板状に形成した通気性を有するハニカムコアボードであり、ここではアルミ合金で構成され、その表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さに形成(触媒層)されている。なお、吸着材としては、活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。そして、触媒フィルタ146は、基本的に吸着した臭気成分の分解を加熱により促進できる構造(加熱再生型)であればよく、その他の加熱再生構造を有する触媒フィルタであってもよい。
遮熱板148は、多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。また、板状断熱材147は、通気性を保ちつつ断熱効果も併せ持つ不織布などの素材を好適に用いることができる。さらに、上記した環状断熱材145は、発泡メラミンフォームやポリイミドなどの通気性の無い素材を好適に用いることができる。
このように構成された脱臭ユニット14は、遮熱板148、板状断熱材147、触媒フィルタ146および放熱板142が通気性を有することから、送風路10を流通する空気の通過が可能となっている。このため、図2に示すように、空気吸込口11から導入された空気(矢印A)が、集塵フィルタ17によってゴミや塵が除去された後(矢印B)、通風孔16aからシロッコファン13を経由して脱臭ユニット14に送られ、脱臭ユニット14で脱臭処理された空気が、下流側のオゾナイザ20で生成されたオゾンと共に空気吹出口12から放出される(矢印C)。
また、触媒フィルタ145に吸着された臭気成分は、脱臭運転を行わない場合に、シロッコファン13を停止してヒータ144を加熱すると、ヒータ144を支持する放熱板142の放熱部1421、側壁1423、およびヒータ保持部143を介して脱臭ユニット14が所定温度まで加熱され、臭気成分の分解が熱により促進され、触媒フィルタ146を再生することができる。この場合、ヒータ144からの熱が放熱板142を介してチャンネル149に伝達されることから、チャンネル149付近の温度が高くなる。本実施形態にかかる脱臭機1は、脱臭ユニット14の角部を突起部30a、30b、31a、31b、32a、32b、33a、33b、40a、40b、41a、41bによって支持することにより、高温となるチャンネル149付近と筒体24の内壁面との間に空隙10aが設けられ、チャンネル149からの熱が直接筒体24の内壁面に伝わる心配がなくなるため、耐熱性の低い安価な材料で筒体24を形成することが可能となり、コストを低減できる。
また、脱臭ユニット14と筒体24の内壁面との間に空隙10aがあると、触媒フィルタ146の加熱再生時に図2に示す脱臭機1を転倒あるいは傾斜させた場合、脱臭ユニット14付近に溜まっていた加熱された空気が空隙10aを通って送風路10内を移動することが可能となる。例えば、脱臭ユニット14付近に溜まっていた加熱された空気が空隙10aを通って外部に近い空気吸込口11あるいは空気吹出口12から外部へ放出されるか、外部から冷たい空気が空気吸込口11あるいは空気吹出口12から空隙10aを介して流入すると、送風路10内の温度が低下するため、加熱された空気により筒体24の内壁面が高温に晒されるおそれがなくなる。
本実施形態では、加熱された空気を外部に放出する放出口として、通常設けられている空気吸込口11あるいは空気吹出口12を放出口として利用しているが、これ以外にも図2に示すように、背面パネル22側であって脱臭ユニット14と空気吹出口12との間に専用の放出口23を設けている。従って、脱臭機1の転倒時に、空気吸込口11又は空気吹出口12のいずれか一方が塞がれる状態となっても、残り2つの放出口から加熱された空気が外部へ放出される。
また、本実施形態では、脱臭ユニット14の放熱板142の各辺のほぼ中央部にコ字状に形成されたチャンネル149がそれぞれビス止めされ、このチャンネル149の両端折曲片を介して断熱材保持部141と遮熱板148とを固定するように構成したため、チャンネル149の位置を避けるように、フィルタ支持部の位置を脱臭ユニット14の角部に配置している。しかしながら、チャンネル149の位置が脱臭ユニット14の角部に配置されているような場合は、逆に各辺のほぼ中央部にフィルタ支持部を配置し、角部に空隙10aが形成されるように構成する必要がある。このように、フィルタ支持部を構成する突起部30a、30b、31a、31b、32a、32b、33a、33b、40a、40b、41a、41bの位置と、ヒータ144からの熱が伝わる固定部であるチャネル149の位置とを離間するように配置したため、チャネル149の熱がフィルタ支持部へは伝達されず、筒体24の内壁面に設けられたフィルタ支持部の突起部を耐熱性の低い安価な素材とすることができる。
また、本実施形態では、筒体24の内壁面に設けられるフィルタ支持部を筒体24と同じ樹脂で一体成形し、このフィルタ支持部を用いて脱臭ユニット14を筒体24内に固定するようにしたため、固定手段を別途用意する必要がなく、部品点数を増やさずに容易に組み立てられることから、コストを低減することができる。
なお、本発明の脱臭機は上述した一実施形態を例にとって説明したが、これらの実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。たとえば、脱臭機に加湿ユニットを設けることで加湿機能を追加したり、あるいは、本実施形態で採用したオゾナイザ20以外にマイナスイオンを生成するイオナイザを追加した脱臭機としても本発明を適用することができる。
1 脱臭機
10 送風路
10a 空隙
11 空気吸込口
12 空気吹出口
13 シロッコファン(送風手段)
14 脱臭ユニット(フィルタ部)
141 断熱材保持部(枠体)
142 放熱板
1421 放熱部
1422 透孔
1423 側壁
143 ヒータ保持部
144 ヒータ
145 環状断熱材
146 触媒フィルタ
147 板状断熱材
148 遮熱板(枠体)
149 チャンネル(固定部)
15 第1部材
15b 壁面
16 第2部材
16a 通風孔
16b 壁面
17 集塵フィルタ
18 前面パネル
19 側面パネル
20 操作パネル
21 オゾナイザ
22 背面パネル
23 放出口
30a、30b 突起部(フィルタ支持部)(第一突起)
30a1 上部支持面
30b1 下部支持面
31a、31b 突起部(フィルタ支持部)(第二突起)
32a、32b 突起部(フィルタ支持部)(第一突起)
33a、33b 突起部(フィルタ支持部)(第二突起)
40a、40b 突起部(フィルタ支持部)(第一突起)
41a、41b 突起部(フィルタ支持部)(第二突起)
42a、42b 突起部(フィルタ支持部)(第一突起)
43a、43b 突起部(フィルタ支持部)(第二突起)

Claims (6)

  1. 空気吸込口と空気吹出口とをつなぐ送風路と、同送風路内に送風手段と、同送風手段で送風された空気から臭気成分を除去するフィルタ部とを備えた脱臭機であって、
    前記送風路の少なくとも一部を構成する筒体の内壁面には前記フィルタ部を支持するフィルタ支持部が設けられ、
    前記フィルタ部は、
    外郭を形成する枠体と、
    臭気成分を吸着分解する触媒フィルタと、
    前記触媒フィルタを加熱するヒータと、
    前記ヒータを支持するヒータ支持部と
    前記ヒータ支持部前記枠体に固定する固定部とを備え、
    前記フィルタ支持部は、前記筒体の内壁面から立設するように延びる複数の突起部を備え
    記フィルタ部の外周面と同外周面と対向する前記筒体の内壁面との間に空隙を形成するように、且つ、前記フィルタ部の前記固定部と前記筒体の前記内壁面との間に空隙を形成するように、前記突起部で前記フィルタ部を支持することを特徴とする脱臭機。
  2. 前記フィルタ支持部は、前記固定部から離間する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の脱臭機。
  3. 前記筒体には、
    脱臭機本体が転倒あるいは傾斜した状態で前記ヒータが発熱した場合に、同ヒータで加熱された空気が前記空隙を介して前記筒体から外部に放出される放出口が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の脱臭機。
  4. 前記筒体は、樹脂により成形され、同筒体の内壁面には、前記フィルタ支持部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の脱臭機。
  5. 前記突起部は、前記フィルタ部を鉛直方向で挟持する第一突起と、前記フィルタ部の外周面と同外周面と対向する前記筒体の内壁面との間に配置されて前記空隙を形成する第二突起とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の脱臭機。
  6. 前記第一突起には、前記枠体を鉛直方向で挟持する上部支持面と下部支持面とが設けられ、前記下部支持面は、前記上部支持面より大きく形成されていることを特徴とする請求項5に記載の脱臭機。
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