JP6042490B1 - 非発酵ビール風味ノンアルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】コク感、キレ感及び嗜好性に優れ、プリン体の含有量が低い非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の提供。【解決手段】米である穀類エキス、及び乳酸発酵である発酵穀類エキスから選択される少なくとも一種を、不揮発分換算で1〜300mg/100mL、イソα酸を1mg/L以上含有し、プリン体含有量が2mg/100mL以下、糖質含有量が2g/100mL以下であり、更にpH3〜4.2であり、水溶性食物繊維を5〜50g/L含有する非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。【選択図】なし

Description

本発明は非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に関する。
非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、飲用水に、麦汁、麦芽エキス、糖類及び香料などを加えることで、ビール風味を再現して製造される。非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の製造過程では、発酵は行われず、実質的にアルコールを含有させない。
非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は製造過程で発酵を行わないために、製造するのに特別な発酵装置を必要としない。そのため、低コストで大量生産するのに向いており、万人向けの飲料である。しかしながら、どのような成分をどれくらいの量で配合すればビールらしいコク感、キレ感及び嗜好性を再現できるのかは未だ明確になっておらず、製造方法は研究開発の途上である。
ビールが有するコク感は、主として麦芽に起因する。そのため、麦芽の代わりに米、トウモロコシ等の穀類、でんぷん等の副原料を使用した場合はビールのコク感は減少する。ビールのコク感を増強するためには、一般に、デンプン原料中で麦芽の使用比率を高める必要がある。
しかし、近年の消費者の健康志向から、低糖、低カロリーに加えて、プリン体の含有量が低いビール風味飲料に対する要求が高まっている。麦汁又は麦芽エキスにはプリン体が多く含まれている。それゆえ、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のコク感を増強する必要がある場合でも、プリン体の含有量を低く抑えるためには麦汁又は麦芽エキスの使用量は増加させないことが望ましい。その結果、例えば、プリン体の含有量が低い非発酵ビール風味ノンアルコール飲料では、ビール風味飲料に求められるコク感を実現することが困難であり、場合によっては、コク感が不足するという問題がある。
特許文献1には、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に、特定量の高分子糖及び甘味物質を含有させることで、通常のビールと同等の「のどにグッとくる飲み応え」及び「飲んだ後のキレの良さ」が実現されているが、コク感の増強については記載されていない。
特許文献2には、白米の酵素分解抽出物に酵母又は乳酸菌を添加して発酵させた後、固形分をろ別して米発酵物又は米エキス発酵物を得ることが記載されている。そして、この米発酵物等は、ビール、清酒、果実酒、薬味酒、蒸留酒、炭酸飲料水、コーヒー、調味料等の様々な飲食品に添加され、これらの飲食品が持つ刺激、苦み、渋味等が緩和されている。しかしながら、特許文献2のビールはアルコールの刺激が緩和され、味が丸くなったことが記載されているが、コク感の増強については記載されていない。
国際公開2013/080354号公報 国際公開2004/049829号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、コク感、キレ感及び嗜好性に優れ、プリン体の含有量が低い非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を提供することにある。
本発明は、穀類エキス及び発酵穀類エキスから成る群から選択される少なくとも一種を不揮発分換算で1〜300mg/100mL含有する非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を提供する。
ある一形態においては、前記発酵穀類エキスが乳酸発酵穀類エキスである。
ある一形態においては、前記穀類が米である。
ある一形態においては、前記発酵ビール風味ノンアルコール飲料はpH3〜4.2である。
ある一形態においては、前記非発酵ビール風味ノンアルコール飲料はイソα酸を1mg/L以上含有する。
ある一形態においては、前記非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中のプリン体含有量が2mg/100mL以下である。
ある一形態においては、前記非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の糖質含有量が2g/100mL以下である。
ある一形態においては、前記非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は水溶性食物繊維を含有する。
ある一形態においては、前記非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の水溶性食物繊維含有量が不揮発分換算で5〜50g/Lである。
また、本発明は、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、穀類エキス及び発酵穀類エキスから成る群から選択される少なくとも一種を不揮発分換算で1〜300mg/100mL含有させる工程を包含する、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のコク感を増強する方法を提供する。
本発明によれば、コク感、キレ感及び嗜好性に優れ、プリン体の含有量が低い非発酵ビール風味ノンアルコール飲料が提供される。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は穀類エキス又は発酵穀類エキスを含有する。穀類エキス、発酵穀類エキスは両方含有させてもよい。穀類エキス又は発酵穀類エキスを含有させることで、得られる非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のコク感が増強される。
「穀類エキス」とは、穀類の加水物を酵素分解または麹を作用させたものあるいは、穀類からの水抽出物又は有機溶媒抽出物をいう。ここで、水抽出物に関しては、酸・アルカリ抽出でもよく、更に、その抽出前、抽出と同時又は抽出後に、穀類の組織に働く酵素(例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ)や前記酵素を含むもの(例えば、麹、細菌、バクテリアなどの微生物)で処理したものも含む概念である。但し、単なる水抽出物は含まない概念である。
「発酵穀類エキス」とは、穀類発酵物エキス又は穀類エキス発酵物を意味する。穀類発酵物エキスは、糖化酵素又はその酵素を含むもので処理された穀類を発酵させ、発酵した穀類の成分を水抽出又は有機溶媒抽出した物をいう。穀類エキス発酵物は穀類エキスを発酵させた物をいう。発酵穀類エキスは固形成分を含有しない。発酵の種類には、アルコール発酵、乳酸発酵、有機酸発酵等が挙げられる。香味の観点から好ましい発酵は乳酸発酵である。
穀類エキス又は発酵穀類エキスを製造するための穀類としては、大麦、小麦、麦芽、米、粟、稗等が使用できる。これらのエキスはコク感を付与する作用が優れているが、中でも、プリン体含有量が少ない点で、好ましい穀類は米である。
米を原料とした発酵エキスを得る方法の一例を説明する。即ち、粉砕したうるち米に対しアミラーゼ等の糖化酵素によってでんぷん質を分解した後、乳酸菌を植菌して培養する。培養後、加熱処理等により乳酸菌を死滅させ、遠心分離等により固形物を除去し、清澄化したエキスを得る。
非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の穀類エキス又は発酵穀類エキスの含有量は適宜調節されるが、一般に、不揮発分換算で1〜300mg/100mLである。穀類エキス又は発酵穀類エキスの含有量が1mg/100mL未満であるとコク感を増強する効果が少なくなる。この含有量が300mg/100mLを超えると甘味又はもったり感が残る等、味のバランスが悪くなる。非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の穀類エキス又は発酵穀類エキスの含有量は、好ましくは、不揮発分換算で10〜100mg/100mLであり、より好ましくは、不揮発分換算で10〜30mg/100mLである。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、好ましくは、麦汁、大麦エキス、麦芽エキス等の大麦又は小麦由来の成分を含有する。大麦又は小麦由来の成分はコク感を増強する作用に優れる。しかしながら、例えば、麦芽エキスはプリン体含有量が高いので、麦芽エキスの使用量はできるだけ少なくすることが好ましい。
麦芽エキスの含有量は、不揮発分換算で200mg/100mL以下、好ましくは、不揮発分換算で80mg/100mL以下であり、より好ましくは、不揮発分換算で50mg/100mL以下である。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、好ましくは、水溶性食物繊維を含有する。水溶性食物繊維には非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に、通常のビールと同等の「のどにグッとくる飲み応え」を付与する作用がある。
また、水溶性食物繊維は食後の血中中性脂肪の上昇を抑制する作用を有し、本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、肥満、心疾患及び脳梗塞等の予防に有効である。ビール風味飲料は脂質エネルギー比率の高い食事(高脂肪食品)とともに摂取される傾向があり、ビール風味ノンアルコール飲料に食後の血中中性脂肪の上昇抑制機能が付与される意義は高い。
水溶性食物繊維としては、制限はされないが、例えば、寒天、アガロース、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウム(低分子化アルギン酸ナトリウムを含む)、イヌリン、カラギーナン、難消化性デキストリン、水溶性大豆多糖類、サイリウム、フコイダン、ラミナラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の難発酵性食物繊維;アラビアガム、ペクチン(低分子化ペプチンを含む)、グァーガム、グァー豆酵素分解物(グアーガム分解物)、ローカストビーンガム、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、低分子化ヘミセルロース、グルコマンナン等の発酵性食物繊維を挙げることができる。中でも、好ましい水溶性食物繊維は難消化性デキストリンである。
難消化性デキストリンはデンプン分解物であり、デンプンを酸焙焼して得られるデキストリンにアルファーアミラーゼなどの酵素を作用させて酵素分解を行った後、食物繊維成分を分取したものである。
これらデンプン分解物の中でも、非発酵ビール風味飲料ののどに対する引っかかり感を考慮すると、DE5〜24のものが適している。DEが5未満では、デンプン分解物が溶解性に劣り、非発酵ビール風味飲料の貯蔵中に白濁などの現象がみられて外観が悪くなる。DEが24を越えると、非発酵ビール風味飲料ののどに対する引っかかり感が弱く、風味のバランスが悪くなる。好ましくは、デンプン分解物のDEは10〜20であり、より好ましくは13〜17である。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に含まれる水溶性食物繊維の量は、不揮発分換算で好ましくは濃度1g/L以上である。好ましくは、水溶性食物繊維の濃度は5〜50g/L、より好ましくは7〜25g/Lである。水溶性食物繊維の濃度が50g/Lを超えると、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の風味が悪くなることがある。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は甘味物質を適度に含有することが好ましい。甘味物質とは、ヒトが口に含んだときに甘味を感じる物質をいう。代表的な甘味物質は甘味料である。甘味料とは、飲料又は食品に甘みを付けるために使用される調味料をいう。甘味物質を含有することで、得られる飲料は、酸味と甘味のバランスが良くなる。
甘味物質の例として、糖類、糖アルコール類及び高甘味度甘味料等が挙げられる。上記糖類としては、ぶどう糖、果糖、木糖、ソルボース、ガラクトース、異性化糖(果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、高果糖液糖など)、蔗糖、麦芽糖、乳糖、異性化乳糖、パラチノース、イソマルトース、マルトトリオース、ラフィノース、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノースなどが挙げられる。上記糖アルコール類としては、例えば、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトールなどが挙げられる。上記高甘味度甘味料としては、例えばアスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、ラカンカ等が挙げられる。
ある一形態においては、甘味物質として低分子糖が使用される。低分子糖とは各種の糖がグリコシド結合によってつながったオリゴマーをいう。より好ましい甘味物質は、単糖、二糖及び三糖から成る群から選択される一種以上である。更に好ましい甘味物質は、グルコース、フルクトース、マルトース、果糖ぶどう糖及びぶどう糖果糖から成る群から選択される一種以上である。
非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に含まれる甘味物質の濃度は、ショ糖換算で18g/Lを超えない範囲で適宜調節される。非発酵ビール風味飲料に含まれる甘味物質の濃度は、ショ糖換算で1〜18g/L、好ましくは1〜16g/mL、より好ましくは1〜14g/Lである。
本発明における甘味物質としてはアセスルファムKが好ましい。その場合、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に含まれるアセスルファムKの濃度は、60mg/L以下、好ましくは5〜50mg/L、より好ましくは5〜40mg/Lである。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、プリン体の含有量が2mg/100mL以下、好ましくは0.5mg/100mL以下、より好ましくは0.08mg/100mL以下である。プリン体とは、プリンまたはプリン誘導体を示し、例えば、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシン)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸)、および低分子または高分子の核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)等が挙げられるが、プリン核構造を有する化合物であれば特に限定されるものではない。
プリン体の含有量を低減することで、高尿酸血症、痛風等のプリン体の摂取に起因した健康に対する悪影響が生じ難くなる。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、糖質の含有量が2g/100mL以下、より好ましくは0.5g/100mL未満である。糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質の含有量を低減することで、肥満、糖尿病等の糖質の摂取に起因した健康に対する悪影響が生じ難くなる。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、pH3.0〜4.2を示す。非発酵ビール風味ノンアルコール飲料がこの範囲のpHを示すことで、適度な酸味と味のしまりが確保される。その結果、穀類エキス及び発酵穀類エキスの添加による甘味又はもったり感等の重い後味感が無くなり、「飲んだ後のキレの良さ」が感じられる。非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のpHは、好ましくは3.1〜4.0、より好ましくは3.4〜4.0である。非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のpHは、pH調整剤を適量添加することにより、調節することができる。
pH調節剤としては、例えば、酸味物質(その塩類を含む)を使用することができる。酸味物質とは、ヒトが口に含んだときに酸味を感じる物質をいう。酸味物質としては、具体的には、リン酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸及びフィチン酸等が挙げられる。穀類エキス及び発酵穀類エキスを多く添加する際に生じる重い後味感を抑えて、より好ましい「飲んだ後のキレの良さ」と「バランスのよさ」が付与できることから、好ましい酸味物質は、リン酸、乳酸、フィチン酸、グルコン酸、クエン酸及びこれらの塩類である。酸味物質は1種類を使用してよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料は、ビール特有の爽やかな苦味を再現するために、苦味物質を含有してよい。苦味物質とは、ヒトが口に含んだときに苦味を感じる物質をいう。苦味物質としては、ビールと同質若しくは近似する苦味を呈するものであれば特に限定されるものではなく、ホップ中に含まれている苦味成分であってもよく、ホップには含まれていない苦味成分であってもよい。当該苦味物質としては、具体的には、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ナリンジン、クワシン、イソα酸、テトライソα酸、β酸の酸化物、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン等の苦味付与成分、及びゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等の苦味付与素材が代表的に挙げられる。特に好ましい苦味物質はイソα酸である。
単離したイソα酸を苦味物質として用いることができる。また、イソα酸はホップに含有されており、ホップまたはホップエキスとして用いることもできる。ホップまたはホップエキスとは、ホップの葉やその磨砕物、これらを水や熱湯、超臨界二酸化炭素、エタノール等で抽出した抽出液、抽出液の濃縮物や乾燥物、加工物等を指す。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料に含まれるイソα酸の量は、濃度1mg/L以上である。イソα酸の濃度が1mg/L未満になると、穀類エキス及び発酵穀類エキスを含んだ非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の後味がべたつき、重くなることがある。イソα酸の濃度が80mg/Lを超えると、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の風味が悪くなることがある。好ましくは、イソα酸の濃度は1〜30mg/L、より好ましくは6〜30mg/Lである。
他にも、本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料には、本発明の目的を損わない範囲において、酸味物質、苦味物質、糖類、糖アルコール、甘味料、サポニン等の各種配糖体、香料、食物繊維や多糖類、酸類、酵母エキス等の原料を併用することができる。例えば、香料としては、モルトフレーバー(麦や麦芽由来の天然抽出物を含んでも良い)、ホップフレーバー(ホップ由来の天然抽出物を含んでも良い)、ビールフレーバー、アルコールフレーバー、カラメルフレーバー等を挙げることができる。
本発明の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の製造方法は、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を製造する際に通常行われる工程を包含する。一例として、まず、麦汁、穀類エキス又は発酵穀類エキス、甘味物質及びその他の成分を所定量混合して配合物を調製する。次いで、配合物に飲用水を所定量添加して一次原料液を調製する。一次原料液を煮沸後に冷却し、カーボネーション工程によって炭酸を添加する。
必要により、各段階において、濾過、遠心分離等で沈澱を分離除去することもできる。また、上記原料液を濃厚な状態で作成した後に、炭酸水を添加しても良い。これらは通常のソフトドリンクの製造プロセスを用いることで、発酵設備を持たなくても、簡便に非発酵ビール風味ノンアルコール飲料の調製が可能である。
カーボネーション工程や炭酸水添加工程の前に沈殿を除去すると、オリや雑味の原因物質が除去でき、より望ましい。尚、カーボネーション工程や炭酸水の添加工程の前あるいは後に、必要に応じてろ過又は殺菌を行ってもよい。
本発明のビール風味ノンアルコール飲料は、ビール風味ノンアルコール飲料を製造する過程で得られる中間液に穀類エキス及び発酵穀類エキスを所定量添加することで、コク感、キレ感、嗜好性が増強される。ビール風味ノンアルコール飲料を製造する過程には、麦汁、穀物液汁又はホップを含む原材料仕込み、配合、濃度調節、加熱殺菌、冷却、貯蔵、濾過などの工程が包含される。中間液とは、これらのいずれかの工程の最中又は終了後に得られる液をいう。中間液の概念には、例えば、麦汁、穀物液汁、配合液、ろ過液、貯蔵液などが含まれる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
発酵米エキスとして大洋香料社製「米乳酸発酵液PH108」を準備した。これは、うるち米をアミラーゼ等の糖化酵素を用いて酵素処理し、得られた液体に乳酸菌を加えて発酵させた後、遠心分離等により不溶固形分を除去して得られた液である。
表1に掲げる配合成分を数値で示した濃度になる量混合し、得られた配合物に炭酸ガス含有水を加えてベース液1L(リットル)を調製した。このベース液は、糖質ゼロ(0.5mg/100mL未満)、低プリン体(0.08mg/100mL以下)であり、炭酸ガス量は2.8ガス容積(gas vol.)である。
Figure 0006042490
調製したベース液に発酵米エキスを添加し、イソα酸濃度が12mg/Lになるようにホップエキスを添加し、pHが4.0になるようにクエン酸三ナトリウムを添加して、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を調製した。発酵米エキスの添加量は表3に示すとおり、不揮発分換算で0mg/L(対照)〜3000mg/L)になるように調節した。
官能試験
ビール類専門パネル5人が上記飲料を試飲し、おいしさ、コク感、キレ感について、表2の基準にて採点し、5人が付けた点数の平均値を評価として採用した。また、5人のコメントをまとめた。コメントの後の数字は当該評価の件数を意味する。結果を表3に示す。
Figure 0006042490
Figure 0006042490
以上の結果より、発酵米エキスを不揮発分換算で10mg/L〜3000mg/Lで添加することで、コク感、キレ感の改善効果がみられ、結果として高い嗜好性を得ることができた。しかしながら、1000mg/L量においては、300mg/L量と比較して、甘味が感じられキレ感がやや劣る結果となった。
実施例2
実施例1で調製したベース液に、不揮発分換算濃度が1000mg/Lになるように発酵米エキスを添加し、イソα酸濃度が12mg/Lになるようにホップエキスを添加し、クエン酸三ナトリウムを添加して、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を調製した。クエン酸三ナトリウムの添加量は表4に示すとおり、pHが2.8〜4.3になるように調節した。
実施例1と同様にして上記飲料の官能試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006042490
以上の結果より、pHを3.1〜4.0とすることで、実施例1の発酵米エキスによるコク感をほとんど損なうことなく、キレ感の改善効果がみられ、結果として高い嗜好性を得ることができた。
実施例3
実施例1で調製したベース液に、不揮発分換算濃度が1000mg/Lになるように発酵米エキスを添加し、ホップエキスを添加し、pHが4.0になるようにクエン酸三ナトリウムを添加して、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を調製した。ホップエキスの添加量は表5に示すとおり、イソα酸濃度が0〜36mg/Lになるように調節した。
実施例1と同様にして上記飲料の官能試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006042490
以上の結果より、イソα酸濃度を6〜30mg/Lとすることで、実施例1の発酵米エキスによるコク感をほとんど損なうことなく、キレ感の改善効果がみられ、結果として高い嗜好性を得ることができた。

Claims (9)

  1. 発酵米エキスを不揮発分換算で1〜300mg/100mL含有する非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  2. 前記発酵エキスが乳酸発酵エキスである請求項1に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  3. pH3〜4.2である請求項1又は2に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  4. イソα酸を1mg/L以上含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  5. 非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中のプリン体含有量が2mg/100mL以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  6. 非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の糖質含有量が2g/100mL以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  7. 水溶性食物繊維を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  8. 非発酵ビール風味ノンアルコール飲料中の水溶性食物繊維含有量が不揮発分換算で5〜50g/Lである請求項に記載の非発酵ビール風味ノンアルコール飲料。
  9. 非発酵ビール風味ノンアルコール飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、発酵米エキスを不揮発分換算で1〜300mg/100mL含有させる工程を包含する、非発酵ビール風味ノンアルコール飲料のコク感を増強する方法。
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