JP6042240B2 - 平面曲げ疲労試験機 - Google Patents

平面曲げ疲労試験機 Download PDF

Info

Publication number
JP6042240B2
JP6042240B2 JP2013052106A JP2013052106A JP6042240B2 JP 6042240 B2 JP6042240 B2 JP 6042240B2 JP 2013052106 A JP2013052106 A JP 2013052106A JP 2013052106 A JP2013052106 A JP 2013052106A JP 6042240 B2 JP6042240 B2 JP 6042240B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
servo motor
testing machine
plane bending
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013052106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014178192A (ja
Inventor
山 均 祖
山 均 祖
澤 達 哉 古
澤 達 哉 古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Techno Arch Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Techno Arch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Techno Arch Co Ltd filed Critical Tohoku Techno Arch Co Ltd
Priority to JP2013052106A priority Critical patent/JP6042240B2/ja
Publication of JP2014178192A publication Critical patent/JP2014178192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6042240B2 publication Critical patent/JP6042240B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、板状試験片に平面曲げモーメントを繰り返し負荷することにより材料の疲労試験を行うための平面曲げ疲労試験機に関する。
一般にシェンク式平面曲げ疲労試験機と呼ばれ、従来から材料研究者の間で広く利用されている平面曲げ疲労試験機(JIS Z2275準拠)の構成を図1に示す。図1は、本明細書において非特許文献1として参照されているウエブページに記載された動作原理図に基づいて作成されたものである。
図1に示すように、平面曲げ疲労試験機は、機台1の側面に取り付けられた電動モータ2を有しており、この電動モータ2の回転軸2aには、偏芯量を手動調節可能な偏芯カム(偏芯装置)3が取り付けられている。偏芯カム3にはコネクティングロッド4の第1端が枢着されている。コネクティングロッド4の第2端は駆動アーム5の先端に枢着されている。駆動アーム5の基端は、機台1の上面に堅固に固定された図示しない軸受け台に取り付けられた図示しないベアリング(軸受け)により回転可能に支持された揺動軸6に揺動可能に枢着されている。駆動アーム5の中間部分に、試験片TPの第1端を固定するための第1保持部5Aが設けられている。
機台1の上面には、支持ばね板7の下端部が固定されている。支持ばね板7は鉛直方向に延びており、支持ばね板7の中心線は揺動軸6の中心軸線を通過する。支持ばね板7が試験片TPに作用する垂直方向の荷重を支えることにより、ロードセル10に曲げモーメントが負荷されずに荷重のみが作用するようになっている。支持ばね板7の上端部が計測スイングアーム8の基端に取り付けられている。計測スイングアーム8の先端は、トーションバー9を介してロードセル10に取り付けられている。計測スイングアーム8の中間部分に、試験片TPの第1端を固定するための第2保持部8Aが設けられている。第2保持部8Aは、第1保持部5Aと比較すれば無視できる程度の変位しかしない実質的に固定された部材とみなしてもよい。試験片TPが図1に示す中立位置(負荷を受けていない位置)にあるときには、揺動軸6の中心軸線が試験片TPの中心点Cを通過する。従って、第1保持部5Aは、側面視で、中立位置にある試験片TPの中心点Cを中心として揺動する部材であるといえる。なお、試験片TPの中心点Cとは、周知の形状の平面曲げ試験片(図2、図3も参照)におけるくびれ部(試験部)の長さ方向中央すなわち最小断面位置における、試験片厚さ方向及び幅方向に関する中心点を意味する。
偏芯カム3の偏芯量(すなわち電動モータ2の回転軸2aとコネクティングロッド4の第1端の枢軸との距離)を変化させることにより、駆動アーム5の揺動角度範囲が変化し、これにより試験片TPに負荷される曲げモーメントを変更することができる。実際に発生している曲げモーメントはロードセル10の検出値に基づいて算出することができる。また、機台1の側面に沿って電動モータ2を上下方向に移動させて任意の位置で固定することが可能となっており、これによって試験片TPに負荷される平均曲げモーメントを変化させることができる。
この平面曲げ疲労試験機において、偏芯カム3の偏芯量の調節は、以下のようにして行われる。まず、試験機を停止状態として、試験片TPを第1及び第2保持部5A、8Aにしっかりとねじで固定する。偏芯カム3を固定しているねじを緩めて、所望の曲げモーメントが得られそうな位置にコネクティングロッド4の第1端の枢軸が位置するように偏芯カム3の位置を調整し、再度ねじを締めて偏芯カム3を固定する。この状態で、手動で強制的に偏芯カム3を概ね1回転させ、ロードセル10により検出される検出値を確認する。この検出値が所望の値となるまで、偏芯カム3の位置の微調整を繰り返し行う。この作業は熟練を要し、非常に面倒である。さらに旧式の試験機においては、計測スイングアーム8が、ロードセル10の代わりにばねを介して機台1の上面に支持されているものがある。この形式の装置では、計測スイングアーム8の変位量をダイヤルゲージにより測定し、ロードセル10による荷重検出の代わりとしている。この場合には、一連の調整作業がさらに面倒なものとなる。なお、以下、本明細書において、図1に示す構成を有する平面曲げ疲労試験機を「従来試験機」とも呼ぶこととする。
試験片TP自体が受ける疲労被害により曲げ剛性が変化する場合、発生する曲げモーメントも変化する可能性がある。この場合には、試験途中で試験機の運転を停止して偏心力ム3の偏心量を再調整することを行わないのであるなら、全疲労寿命に渡っての「曲げモーメント一定試験」はできないということになる。もっとも、試験部(くびれ部)に応力集中部がない平滑試験片の場合には、疲労寿命の大半で曲げ剛性は無視できる程度にしか変化しないので、疲労寿命評価への影響は無視できるものとみなして試験を行っている場合も多い。しかし、厳密なことを言えば、疲労亀裂が発生し進展する過程では曲げ剛性が大きく変化し、従って曲げモーメントは大きく変化してしまうので、全疲労寿命に渡って荷重一定制御試験を行っていることにはならない。
また、試験部に応力集中部がある切欠試験片の場合、応力集中部に疲労寿命の初期から亀裂等の疲労被害が生じてそれが進展してゆくので、試験片の曲げ剛性は変化する。このため、偏心力ム3の偏心量を一定のまま試験を継続したのでは、試験片に与えられる曲げモーメントが変化し(一般に減少する)、正しい疲労寿命の評価はできない。
[http://www.tksnet.co.jp/products/materials05_01.html]株式会社テークスグループのウエブサイト/製品案内/材料試験機/平面曲げ疲労試験機の頁
本発明の一つの目的は、試験片に対して従来試験機と同様の負荷を与えることを可能としつつ、試験条件(例えば試験片の変位量、試験片に負荷される荷重等)の調整を、容易に、かつ試験機を停止することなく行うことができる平面曲げ疲労試験機を提供することにある。
本発明は、板状試験片に平面曲げモーメントを繰り返し負荷することにより疲労試験を行うための平面曲げ疲労試験機において、前記板状試験片の一端を保持する第1保持部と、前記板状試験片の他端を保持する第2保持部と、前記板状試験片に曲げモーメントを与えるために前記第1保持部を変位させるための駆動力を発生させる回転サーボモータと、交互に正転および逆転する回転揺動運動を前記回転サーボモータが行うように、前記回転サーボモータを制御するモータコントローラと、前記回転サーボモータが発生した回転揺動運動を前記第1保持部に伝達して、中立位置にある前記板状試験片の中心を中心とした揺動運動を前記第1保持部に行わせる伝動部材と、を備えた平面曲げ疲労試験機を提供する。
本発明によれば、試験片に対して従来試験機と同様の負荷を与えることを可能としつつ、試験条件(例えば試験片の変位量、試験片に負荷される荷重等)の調整を容易に行うことができる。さらに、試験機を停止することなく、試験条件の変更を行うことができる。
従来の平面曲げ疲労試験機の構成および動作原理を説明するための概略側面図である。 本発明による平面曲げ疲労試験機の第1実施形態の構成および動作原理を説明する概略側面図である。 第1実施形態の変形例を示す概略斜視図である。 本発明による平面曲げ疲労試験機の第2実施形態の構成を示す概略斜視図である。 疲労試験中の曲げ剛性変化について説明するための図である。 第1実施形態による試験機を用いて行った試験結果について説明するグラフである。
次に、添付図面を参照して発明の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る平面曲げ試験機の構成を示した概略側面図である。図2において、図1に示した部材と同一の部材には同一符号が付されており、これらの部材の重複説明は省略する。
図2に示す第1実施形態では、電動モータとして、正逆回転可能であってかつ回転軸(駆動軸)を任意の回転位相(回転揺動角)に制御することができるサーボモータ20が用いられる。サーボモータ20の動作は、後に詳述するコントローラ(モータコントローラ)100により制御される。サーボモータ20の回転軸には、当該回転軸と同心の円盤部材50が取り付けられており、この円盤部材50の中心から、すなわちサーボモータ20の回転軸から半径方向に所定距離だけ離れた位置に、試験片TPの第1端を固定するための第1保持部50Aが設けられている。側面視で、サーボモータ20の回転軸の回転軸線Oは、円盤部材50の中心、及び試験片TPの中心Cと一致している。
上記の構成から明らかなように、図2に示す実施形態の第1保持部50Aを、(試験片TPに対する相対位置として)図1の従来試験機の第1保持部5Aの揺動軸線と全く同じ位置にある揺動軸線周りに揺動させることができる。そして、試験片TPの第2端の保持に関与する試験機の構造(支持ばね板7、計測スイングアーム8、第2保持部8A、トーションバー9、ロードセル10等)は、従来試験機と全く同一である。すなわち、試験片TPへの負荷形態を、従来試験機と全く同じにすることが構造上可能である。
図3は、図2に示す第1実施形態の変形例を示す斜視図である。図3では、図面の煩雑化の防止のため、計測スイングアーム8の一部および支持ばね板7の表示が省略されている。この変形例においても、試験片TPの第2端の保持に関与する試験機の構造(支持ばね板7、計測スイングアーム8、第2保持部8A、トーションバー9、ロードセル10等)は、従来試験機と全く同一である。図3に示す変形例においては、機台1上に、ボールベアリング等の軸受け52を保持する軸受け台51が堅固に固定されている。軸受け52は、U字型の駆動アーム50Bの両端部の揺動軸53を支持している。従って、駆動アーム50Bは揺動軸53の中心軸線周りに揺動可能である。サーボモータ20に近い側にある揺動軸53は、サーボモータ20の回転軸21に相対回転不能に直接結合されている。そして第1保持部50A’が、揺動軸53から半径方向に所定距離だけ離れた位置において、駆動アーム50Bに取り付けられている。従って、この変形例においても、サーボモータ20の回転軸21を回転揺動させることにより、(試験片TPに対する相対位置として)図1の従来試験機の第1保持部5Aの揺動軸線と全く同じ位置にある揺動軸線周りに第1保持部50A’を揺動させることができる。図3に示す変形例において、上記の点以外は、図2に示す実施形態と同じである。
なお、図3に示す変形例では、サーボモータ20の回転軸21が駆動アーム50Bの揺動軸53に直結されていたが、これには限定されない。例えば、サーボモータ20の回転軸(駆動軸)21と別の回転軸(従動軸)を設け、両回転軸を伝動機構、例えばタイミングベルト、歯車等により駆動力伝達可能に接続してもよい。この場合は、上記別の回転軸(従動軸)が、駆動アーム50Bの揺動軸53と同軸に配置され、駆動アーム50Bの揺動軸53と直結される。
図4は、本発明の第2実施形態に係る平面曲げ試験機の構成を示した概略斜視図である。図4においても、図面の煩雑化の防止のため、計測スイングアーム8の一部および支持ばね板7の表示が省略されている。図4に示す実施形態は、電動モータとして、正逆回転可能であってかつ回転軸(駆動軸)を任意の回転位相(回転揺動角)に制御することができるサーボモータ20が用いられている点、偏芯カム3の偏芯量の調整機構が省略されている点、電動モータ(この場合サーボモータ20)の上下方向の位置調整機能が省略されている点を除いて、図1に示す従来試験機と同じである。但し、偏芯カム3の偏芯量の調整機構、電動モータの上下方向の位置調整機能については、試験機により実現しうる曲げモーメント範囲の拡大、並びに、大振幅時及び小振幅時の制御分解能等を考慮して、省略せずに残しても構わない。なお、図4に示す軸受け台51及び軸受け52は、図1において図示省略した軸受け台及びベアリング(軸受け)に相当する、揺動軸53は図1の揺動軸6に相当する。
図4に示す第2実施形態においても、試験片TPへの負荷態様を従来試験機と全く同じにすることができる。図4に示す第2実施形態には、従来試験機を僅かな改良で本発明に係る試験機に改変できるという利点がある。すなわち、従来試験機のモータをサーボモータに変更し、サーボモータを制御する適当なコントローラを設けるだけで本発明に係る試験機に改変することができる。一方、図2及び図3に示す実施形態では、試験機の駆動機構の構成が簡単になること、並びに、試験片の第1端を支持する第1保持(50A,50A’)とモータの回転軸との間に介在するリンクが少なくなるため、第1保持(50A,50A’)の動作の制御性が向上することが期待できる。
次に、コントローラ100について説明する。コントローラ100は以下のような基本的な制御を行うことができる。
[荷重一定制御(クローズドループフィードバック制御)]
荷重一定制御試験を行う場合は、試験機オペレータがコントローラ100の図示しないユーザインターフェースを用いて、荷重波形を指定(入力)し、さらに荷重ピーク値(山側ピーク値及び谷側ピーク値)を指定(入力)する。なお、ここで指定される「荷重」とは、ロードセル10により検出される荷重そのものであってもよく、ロードセル10により検出される荷重から計算することができる試験片TPに発生している曲げ応力、曲げモーメント等であってもよい。試験中には、ロードセル10にてリアルタイムで試験片TPに負荷される荷重が検出され、コントローラ100に送られる。コントローラ100は、ロードセル10の検出値と目標値(荷重波形により定義される各時点における目標荷重)との差分に応じて、検出値が目標値に一致するように、サーボモータの回転揺動運動を制御する。なお、従来試験機の荷重波形は正弦波であるため、従来試験機と荷重条件をそろえるためには、荷重波形として正弦波を選択するのがよい。なお、上記のように試験片TPへの負荷をロードセル10により検出することに代えて、試験片TPに貼り付けた歪みゲージにより検出してもよい。
[変位一定制御(クローズドループフィードバック制御)]
この場合、例えば、サーボモータ20の回転軸(21)の回転揺動角度を測定することができるロータリーエンコーダ(図示せず)の検出値に基づいて、コントローラ100がサーボモータ20の回転揺動動作を制御する。試験機オペレータがコントローラ100の図示しないユーザインターフェースを用いて、変位量波形を指定(入力)し、さらに変位量ピーク値(山側ピーク値及び谷側ピーク値)を指定(入力)する。なお、ここで言う「変位量」とは、サーボモータ20の回転軸の回転揺動角度でもよく、回転揺動角度の関数として表現することができる適当なパラメータ、例えば回転揺動角度に対応する試験片TPの第1端または第1保持部(図4の5A,図2の50A,図3の50A’)の変位量であってもよい。試験中には、ロータリーエンコーダによりリアルタイムでサーボモータ20の回転軸の回転揺動角度が検出され、コントローラ100に送られる。コントローラ100は、ロータリーエンコーダの検出値と目標値(変位量波形により定義される各時点における目標変位量)との差分に応じて、検出値が目標値に一致するように、サーボモータの回転揺動運動を制御する。なお、従来試験機の変位量波形も正弦波であるため、従来試験機と荷重条件をそろえるためには、変位量波形として正弦波を選択するのがよい。この変位一定制御を行う場合には、ロータリーエンコーダの検出値を用いることに代えて、試験片TPの第1端若しくは第1保持部(5A,50A,50A’)の変位量を直接測定することができる変位計(図示せず)の検出値を用いることもできる。
[オープンループ制御]
上記のようなクローズドループ制御を行うことに代えて、目標とする荷重ピーク値または変位量ピーク値をリミット値として反転動作を行い、サーボモータ20の運転速度は一定とするオープンループ制御を行うこともできる。この場合、例えば、試験機オペレータがコントローラ100に目標とする変位量のピーク値(リミット値)を入力する。コントローラ100は、サーボモータ20を回転速度一定の速度制御モードで制御し、サーボモータ20の回転軸の回転揺動角度を測定するロータリーエンコーダ(図示せず)の検出値がリミット値に到達したときに、サーボモータ20の回転揺動方向を反転させる。リミット値として、例えば、ロードセル10により検出される荷重を用いることもできる。
上記実施形態によれば、以下の有利な効果を得ることができる。
(1)従来試験機(前述したように、図1に示した形式の平面曲げ疲労試験機を意味する。以下に同じ。)と同様の負荷を試験片に与えることを可能としつつ、制御態様(荷重制御、変位量制御、クローズドループ制御、オープンループ制御)に関わらず、試験条件(例えば試験片の変位量、試験片に負荷される荷重等)の調整に必要な労力を従来試験機と比較して大幅に低減することができる。また、試験機を停止することなく、試験条件の変更を行うことができる。上記実施形態に係る平面曲げ疲労試験機では、試験片TPへの負荷形態を従来試験機と全く同じにすることが構造上可能である。このため、試験機の構成を変更したことに伴い、従来機で採取した過去のデータとのマッチングが取れなくなることはない。
(2)荷重または変位量のピーク値(山側ピーク値及び谷側ピーク値)を個別に設定することができるので、平均荷重(目標曲げモーメント)を調整するために従来試験機に設けられていた電動モータの位置調整機構を省略することが可能となる。もちろん、負荷条件調整の柔軟性を確保するため、電動モータの位置調整機構を残しても構わない。
(3)従来試験機では不可能であった、荷重一定制御試験を行うことができる。従来試験機では、変位一定制御試験のみが可能であった。変位量一定試験を行った場合、平滑な試験片であっても疲労亀裂発生前において試験片の疲労被害による曲げ剛性の変化(材料の硬化・軟化現象)により曲げモーメントは若干ではあるが変化する(図5(a)を参照)。また、切り欠き試験片を用いた場合等、疲労亀裂が疲労寿命の早期に発生し、疲労寿命の大半が疲労亀裂の進展に費やされる場合には、試験期間中に曲げ剛性が大きく変化し、従って曲げモーメントは大きく変化してしまう(図5(b)を参照)。これでは、疲労特性試験を計測するのに用いられている荷重一定制御試験ということはできず、さらに厳密にいうなら変位一定制御試験ということもできない。しかしながら、上記実施形態によれば、試験片の曲げ剛性の変化に関係なく、任意の目標波形に応じたクローズドループ荷重制御試験を行うことができる。また、より正確な変位制御試験を実施することもできる。
(4)試験機の運転中に荷重を自在に変更することができるため、応力拡大係数漸減試験を全自動で行うことが可能となる。応力拡大係数漸減試験は公知の試験であるが、これについて簡単に説明しておく。−亀裂が進展する応力拡大係数K(荷重(負荷応力σ))で疲労試験を行った後、亀裂長さaを計測し、亀裂が進展していた場合には、亀裂長さaを考慮してKよりも応力拡大係数を減少(通常、10%減少)させた応力拡大係数Kとなるように目標の荷重(負荷応力σ))を設定して、疲労試験を続行する。最終的に、亀裂がほぼ進展しないとき(通常、da/dn<10−10m/サイクルをもって亀裂が進展しないとみなす。)の応力拡大係数を下限界応力拡大係数と決定する。− この応力拡大係数漸減試験を行う際に、試験片の亀裂長さ計測装置(例えば近接端子直流電位差法による計測装置)を用いて亀裂の進展をリアルタイムでモニタする。亀裂長さ計測装置の計測結果に基づいて、減少させた負荷応力を演算プログラムによって自動的に決定し、この決定された負荷応力が実現されるように、サーボモータ20の動作を制御する。この操作を亀裂がほぼ進展しないようになるまで、負荷応力を自動的に減少させてゆく。これにより、応力拡大係数漸減試験を全自動で行うことができる。この応力拡大係数漸減試験を従来試験機で行うには多大な労力が必要であったが、本実施形態によれば、労力を劇的に低減することができる。
次に、荷重制御を可能とした平面曲げ疲労試験機の利点について、疲労亀裂進展特性を計測する亀裂進展試験を例にとって具体的に説明する。
試験片としてオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lのキャビテーションピーニングの有(CP)、無(NP)を用意し、図2に示す第1実施形態に係る平面曲げ疲労試験機を用いて、荷重制御により疲労亀裂進展特性を調査した。疲労亀裂の長さは、近接端子直流電位差法により測定した。荷重制御による荷重振幅一定疲労試験の結果は、図6のグラフにおいて、白抜き菱形でプロットされたNPの亀裂進展速度曲線と、黒塗り菱形でプロットされたCPの亀裂進展速度曲線により示される。なお、図6のグラフにおいて、縦軸は「亀裂進展速度da/dN(m/サイクル)」、横軸は「応力拡大係数ΔK(MPam1/2)」である。この結果は、パリス則に適合した正しい特性を示しているものと判断できる。
比較例として、変位制御による疲労試験を行った。ここでは、図2に示す第1実施形態に係る平面曲げ疲労試験機を用いて変位制御により疲労亀裂進展特性を調査した。すなわち、この比較例は、図1に示す従来の平面曲げ疲労試験機において、試験初期の荷重を偏芯カム3の偏芯量の調整により行った後に一度も偏芯カム3の偏芯量を調整することなく疲労試験を最後まで継続した場合に相当する。図6のグラフにおいて白抜き丸でプロットされたNPの亀裂進展速度曲線には、楕円で囲まれたように、亀裂進展速度が一定となる領域がある。これは、変位制御の場合、亀裂進展に伴い応力が減少してしまうことが原因である。すなわち、この結果は、疲労亀裂進展特性として適正ではない。
上記のことからわかるように、本実施形態に係る平面曲げ疲労試験機は、従来試験機と同様の態様で試験片に荷重を負荷することを可能としつつ、亀裂の進展過程が疲労寿命の多くを占める疲労評価試験、並びに亀裂の進展特性を計測する疲労亀裂進展試験において、適正なデータを得ることができるという有利な効果を奏するものである。
なお、周知の通り、従来試験機においては、第1保持部及び第2保持部に捻り試験用のアタッチメントを装着することにより、平面曲げ疲労試験機にて丸棒状試験片の捩り試験を行うこともできたが、本実施形態に係る平面曲げ疲労試験機においても同様の使用が可能なことは言うまでもない。
20 サーボモータ
5A、50A、50A’ 第1保持部
8A 第2保持部
100 モータコントローラ
3、4、5;50;50B 伝動部材
10 センサ(ロードセル)

Claims (4)

  1. 板状試験片に平面曲げモーメントを繰り返し負荷することにより疲労試験を行うための平面曲げ疲労試験機において、
    前記板状試験片の一端を保持する第1保持部と、
    前記板状試験片の他端を保持する第2保持部と、
    前記板状試験片に曲げモーメントを与えるために前記第1保持部を変位させるための駆動力を発生させる回転サーボモータと、
    交互に正転および逆転する回転揺動運動を前記回転サーボモータが行うように、前記回転サーボモータを制御するモータコントローラと、
    前記回転サーボモータが発生した回転揺動運動を前記第1保持部に伝達して、中立位置にある前記板状試験片の中心を中心とした揺動運動を前記第1保持部に行わせる伝動部材と
    を備え、
    前記伝動部材が、前記回転サーボモータの回転軸に取り付けられた偏芯カムと、前記偏芯カムに枢着されたコネクティングロッドと、前記コネクティングロッドに枢着されるとともに前記第1保持部が設けられた駆動アームと、前記偏芯カムの偏芯量を調整する調整機構と、を有していることを特徴とする平面曲げ疲労試験機。
  2. 前記第1保持部の変位量若しくは前記試験片に発生している曲げモーメントの変化に応じて変化するパラメータの実際値を検出するセンサと、
    前記センサの検出値に基づいて、前記パラメータの実際値が目標値となるように前記回転サーボモータの回転揺動運動を制御するモータコントローラと、
    をさらに備えた請求項1記載の平面曲げ疲労試験機。
  3. 前記第2保持部に前記センサとしてのロードセルが連結されており、前記モータコントローラは、前記ロードセルの検出値が目標値となるように前記回転サーボモータの回転揺動運動を制御する、請求項2記載の平面曲げ疲労試験機。
  4. 前記センサとして前記回転サーボモータの揺動角度を検出するロータリーエンコーダが設けられ、前記モータコントローラは、前記ロータリーエンコーダの検出値が目標値となるように前記回転サーボモータの回転揺動運動を制御する、請求項2記載の平面曲げ疲労試験機。
JP2013052106A 2013-03-14 2013-03-14 平面曲げ疲労試験機 Active JP6042240B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013052106A JP6042240B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 平面曲げ疲労試験機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013052106A JP6042240B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 平面曲げ疲労試験機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014178192A JP2014178192A (ja) 2014-09-25
JP6042240B2 true JP6042240B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=51698298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013052106A Active JP6042240B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 平面曲げ疲労試験機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6042240B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109612856B (zh) * 2018-12-13 2023-11-24 沈阳国仪检测技术有限公司 一种液压钢管检测装置
CN109708859A (zh) * 2018-12-16 2019-05-03 安徽省巢湖铸造厂有限责任公司 可调节式轨道扣件疲劳试验装置
CN109612710A (zh) * 2018-12-29 2019-04-12 中国铁道科学研究院集团有限公司铁道建筑研究所 一种铁路扣件弹条用高频疲劳动态加载试验机

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4923391B1 (ja) * 1969-11-29 1974-06-15
JPS57197445A (en) * 1981-05-29 1982-12-03 Daido Steel Co Ltd Fatigue testing machine
JPS5886551U (ja) * 1981-12-08 1983-06-11 トピ−工業株式会社 液中における曲げ疲労度試験装置
JP3430660B2 (ja) * 1994-09-19 2003-07-28 有限会社品川通信計装サービス 強度信頼性評価試験装置
JP2000121524A (ja) * 1998-10-16 2000-04-28 Haadeikku:Kk 平面曲げ疲労試験装置
JP2012242342A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 材料試験方法及び材料試験装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014178192A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6042240B2 (ja) 平面曲げ疲労試験機
JP5435135B2 (ja) 材料試験機
JP5259617B2 (ja) 摩擦攪拌溶接工具にかかる荷重を測定する装置及び方法
JP2015155906A (ja) 試料の測定データを決定する方法およびレオメータ
JP2006064668A (ja) ねじり試験装置およびねじり試験方法
EP2817608B1 (en) Apparatus and method for constant shear rate and oscillatory rheology measurements
JP4359626B2 (ja) 荷重装置
WO2009145258A1 (ja) 走行試験装置のベルト蛇行防止装置及びベルト蛇行防止方法
JP2019018328A (ja) 角度検出器の偏心誤差補正方法、ロボットシステム
CN100485339C (zh) 极转动惯量测试仪用回转体滚轮摆动装置
JP2016170051A (ja) 捩り試験装置および捩り測定方法
TW200925599A (en) Fatigue testing device
JP6638475B2 (ja) 零点設定方法、評価装置およびプログラム
JP4298886B2 (ja) トラクション試験方法とその装置
JP2009085847A5 (ja)
JPH10274609A (ja) ねじり試験方法およびねじり試験機
JP2020169842A (ja) 材料試験機、及び材料試験機の制御方法
CN108627334A (zh) 齿轮疲劳试验夹具
JP2012078318A (ja) タイヤ試験装置
JP7314473B2 (ja) 相関関係生成方法、測定力調整方法及び表面性状測定装置
JP5035177B2 (ja) 材料試験機
JP2002228438A (ja) 歯車測定装置及び歯車測定方法
JP7172801B2 (ja) 材料試験機、及び、材料試験機の制御方法
JP2020051832A (ja) 曲率半径計測システムおよびそれを用いたベンディングロール
JP4111888B2 (ja) 摩擦試験装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6042240

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250