JP6041583B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、系統電源ラインに流出する伝導ノイズを低減した電力変換装置に関する。
モータ(電動機)等の負荷を駆動する電力変換システムは、例えば図4にその概略構成を示すように、系統電源(商用電源)1に入力電源ケーブル2を介して電源入力端子を接続し、電源出力端子に出力電源ケーブル3を介してモータ(負荷)4を接続した電力変換装置5を主体として構成される。この電力変換装置5は、系統電源1から入力される交流電力を一旦、直流電力に変換し、この直流電力をMOS-FETやIGBT等のスイッチング素子を用いてスイッチングすることで、任意の周波数で任意の電圧の交流電力を生成して出力するインバータ装置からなる。
尚、図4に示す電力変換装置5は、その電源入力部に、該電力変換装置5内で発生した伝導ノイズの前記系統電源1側への流出を阻止する為のノイズフィルタ6を備えている。また図4においては、前記系統電源1と前記入力電源ケーブル2との間に、前記電力変換装置5から前記系統電源1側に流出する伝導ノイズを計測する為の電源インピーダンス安定化回路網(LISN)7を介装した例を示している。
ここで前記電力変換装置5の内部構造について図5および図6を参照して簡単に説明する。この電力変換装置(インバータ装置)5は、図4に示した電力変換装置本体を構築する、スイッチング素子(例えばIGBT)S1〜S6や整流ダイオードD1〜D6および平滑コンデンサCdc、更には前記ノイズフィルタ6を形成するコンデンサCx1,Cy1,Cx2,Cy2等の電子回路部品をプリント回路基板11に実装して構成される。
またこのプリント回路基板11には、該プリント回路基板11に沿って延在する導体部12aの先端に前記出力電源端子U,V,Wをそれぞれ形成した3本の出力配線部材12が設けられる。これらの出力配線部材12は、前記プリント回路基板11に立設される基端部12bの上端から該プリント回路基板11に沿って平行に延びる長尺の導体部12aを備えたL字型の部材からなる。
そして前記各出力配線部材12は、前記スイッチング素子S1〜S6の実装位置の近傍において、該スイッチング素子S1〜S6の出力端子に前記基端部12bを前記プリント回路基板11の導体部(プリントパターン)を介して接続して前記プリント回路基板11に立設され、前記長尺の導体部12aを互いに平行に並べて設けられる。尚、前記スイッチング素子S1〜S6の出力端子とは、前記スイッチング素子S1〜S6で構成する三相ブリッジ回路において、スイッチング素子S1,S4からなる上下アームの接続点、スイッチング素子S2,S5からなる上下アームの接続点、およびスイッチング素子S3,S6からなる上下アームの接続点をそれぞれ指す。
更に前記プリント回路基板11には、前記出力配線部材12から離間した位置には該プリント回路基板11に沿って延在する導体部13aの先端に前記入力電源端子R,S,Tをそれぞれ形成した3本の入力配線部材13が設けられる。これらの入力配線部材13は、前記プリント回路基板11に立設される基端部13bの上端から該プリント回路基板11に沿って平行に延びる短尺の導体部13aを備えたL字型の部材からなる。そして前記各入力配線部材13は、前記ノイズフィルタ6の入力端子に接続されて該プリント回路基板11に立設され、前記短尺の導体部13aを互いに平行に並べて設けられる。
一方、前記スイッチング素子S1〜S6は、前記プリント回路基板11を収容する筐体の一部をなす金属体14の上側に、例えば図6に示すようにそのベース面を密着させて装着され、この状態で前記金属体14と平行に位置付けられる前記プリント回路基板11の裏面側に実装される。筐体の一部をなす前記金属体14は、例えば前記プリント回路基板11に設けられた入力アース端子(図示せず)にスタッド(図示せず)を介して接続されることで接地電位に保たれる。そして出力アース端子Eはスタッド15を介して金属体14に接続することで接地電位となり、前記出力アース端子Eに出力アース線(図示せず)を接続することで負荷との間までの接地がとられる。また前記金属体14は、前記スイッチング素子S1〜S6を冷却する役割を兼ねており、特に図6においては前記金属体14の下面側に、前記スイッチング素子S1〜S6の冷却を促進する為の冷却フィン16を装着した例を示している。
尚、図5および図6においては、電力変換装置5において問題となる高周波漏れ電流について説明する為に、前記プリント回路基板11に実装された前記出力配線部材12、入力配線部材13、スイッチング素子Sおよび線間・接地コンデンサCx1,Cy1、および該プリント回路基板11と前記金属体14との配置構造を概略的に示しており、その他の構成部品については省略している。
さて上述した如く構成された前記電力変換装置(インバータ装置)5を運転すると、該電力変換装置5における前記スイッチング素子S1〜S6の高周波スイッチング動作に伴う出力電圧の変動に起因して、該電力変換装置5の浮遊容量と、前記出力電源端子U,V,Wに接続された前記出力電源ケーブル3および前記モータ4の浮遊容量を通して図4に点線Iaで示すように高周波漏れ電流が流れる。
この高周波漏れ電流はコモンモード電流と称され、その多くは図4に点線Ibで示すようにノイズフィルタの働きによって前記電力変換装置5と前記モータ4との間で還流する。しかし前記ノイズフィルタで還流しきれなかった高周波漏れ電流は入力電源ケーブル2を介して図4に点線Icで示すように前記系統電源1側に流出する。一方、電力変換装置内部の誘導ノイズが、入力電源ケーブル2のアース線を介して系統電源1側に流出することもある。すると系統電源1側に流出した高周波漏れ電流が、前記電源インピーダンス安定化回路網(LISN)7を介して入力電源ケーブル2の電力線に回り込む。すると前記高周波漏れ電流は前記入力電源ケーブル2を介して漏洩する、いわゆる伝導ノイズとなり、前記系統電源1に接続された電子機器(図示せず)の誤動作を招来する恐れがある。
この伝導ノイズの発生要因となる前記高周波漏れ電流(コモンモード電流)は、前記電力変換装置5のスイッチング周波数が高くなる程大きくなる。しかも電力変換装置5のスイッチング周波数は、当該電力変換装置5の低騒音化を目的として益々高周波数化する傾向にあり、前述した伝導ノイズの問題が大きくなってきている。
このような問題に対して、前記電力変換装置5の入力部に設けた前述したノイズフィルタ6に加えて、更に該電力変換装置5の出力部(スイッチング素子S1〜S6の出力端子)にコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタとを設けることで、負荷(モータ)4を介して流れる前記コモンモード電流を低減することが提唱されている(例えば特許文献1,2を参照)。
特開2008−67534号公報 特開2010−148259号公報
しかしながら前記ノイズフィルタ6はノイズフィルタの接続位置より上流部分に誘導されたノイズを抑制できないため、前記系統電源1側に流れ出る高周波漏れ電流を抑制する上で限界がある。また特許文献1等に紹介されるように前記電力変換装置5の出力部にコモンモードフィルタとノーマルモードフィルタとを設けたとしても、該電力変換装置5での高周波スイッチング動作に伴う出力電圧の変動に起因する高周波漏れ電流の発生自体を抑制することは困難である。従って高周波漏れ電流に起因する伝導ノイズの発生をフィルタに頼ることなく抑制することが重要な課題となっている。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、電力変換装置での高周波スイッチング動作に伴う出力電圧の変動に伴う高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズの発生を抑制し、これによって系統電源側に流出する伝導ノイズを低減した電力変換装置を提供することにある。
本発明は、伝導ノイズの発生要因が、電力変換装置の内部における誘導結合によって形成される電流路を流れる高周波漏れ電流により、上記電流路を形成する電流ループから発生する誘導ノイズであることに着目してなされている。即ち、本発明は、出力電源ケーブルの電力線とアース線等を介して形成される電力変換装置の内部での高周波漏れ電流の電流経路がループアンテナとなり、該ループにて囲まれた面からの誘導磁界の放出がノイズ源となることに着目している。そして電力変換装置の内部における前記高周波漏れ電流の電流経路となるループの面積を小さくすれば誘導ノイズを低減でき、これに伴って伝導ノイズを低減し得ると言う観点に立脚してなされている。
そこで上述した目的を達成するべく本発明に係る電力変換装置は、該電力変換装置の内部構成として、
電力変換装置本体を構築するスイッチング素子および電子回路部品が実装されるプリント回路基板と、
接地電位に保たれて前記プリント回路基板を収納する筐体の一部を形成する金属体と、
前記スイッチング素子の出力端子に接続されて前記プリント回路基板に立設され、該プリント回路基板に沿って延在させた導体部の先端に出力電源端子を形成した出力配線部材と、
前記金属体と前記出力配線部材との間に設けられ、該金属体に接続されて接地電位に保たれる接地導体部と
を具備したことを特徴としている。
具体的には前記接地導体部は、前記出力配線部材の導体部が対峙する面積以上の面積を有する前記プリント回路基板のベタアースパターン部または平板導体からなり、前記出力配線部材が立設された位置の近傍で前記金属体に1点接続して設けることが好ましい。また前記接地導体部の、前記出力電源端子と並ぶ位置に出力アース端子を設けることが好ましい。
また前記電力変換装置本体は、単相または三相の交流電力を生成するインバータ装置からなり、前記出力配線部材については、前記交流電力の各相に対応する導体部を前記プリント回路基板に沿って平行に延在させて設けることが望ましい。更には前記電力変換装置本体は、前記プリント回路基板に立設された出力配線部材の近傍において、前記接地導体部と前記スイッチング素子の入力端子との間に、入力フィルタを形成する線間・接地コンデンサを接続した構成とすることが望ましい。
尚、前記線間・接地コンデンサは、前記スイッチング素子の正側および負側の各入力端子にそれぞれ一端を接続した第1および第2のコンデンサと、前記接地導体部の前記出力アース端子を設けた位置からの向きが前記出力配線部材の導体部と平行になる位置に一端を接続した第3のコンデンサとからなり、これらの第1〜第3のコンデンサの各他端をスター結線したものである。
上記構成の電力変換装置によれば、金属体と出力配線部材との間に該出力配線部材の導体部が対峙する面積以上の面積を有する接地導体部を設けているので、電力変換装置と負荷との間で還流する高周波漏れ電流は、前記接地導体部を介する電流経路を形成して流れる。従って前記高周波漏れ電流が前記筐体の一部をなす金属体を介する電流経路を形成して流れていた場合よりも、前記高周波漏れ電流の電流経路が形成するループ面積を狭くすることができる。この結果、ループ面積を狭くした分、前記高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズを低減することができ、ひいては系統電源側に生じる伝導ノイズを低く抑えることが可能となる。
また前記プリント回路基板に立設された出力配線部材の近傍において、前記接地導体部と前記スイッチング素子の入力端子との間に、ノイズフィルタの一部を形成する線間・接地コンデンサを設けているので、前記線間・接地コンデンサを整流ダイオードの前段に設けた場合よりも、該線間・接地コンデンサを介する前記高周波漏れ電流の電流経路が形成するループ面積も狭くすることができる。従って前記接地導体部による作用・効果と相俟って前記高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズを更に低減することができ、系統電源側に生じる伝導ノイズを低く抑えることが可能となる。
しかも前記接地導体部の前記出力アース端子を設けた位置と、該接地導体部の前記線間・接地コンデンサを接続した位置とを結ぶ向きを、前記出力配線部材の導体部と平行になるように定めているので、前記出力アース端子と前記線間・接地コンデンサとの間に流れる前記高周波漏れ電流の前記接地導体部上での電流経路を前記出力配線部材の導体部と平行な最短経路とすることができ、この点でも前記高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズの放射を抑えることができる。
故に、電力変換装置の内部構造を工夫して高周波漏れ電流の電流路を形成するループの面積を小さくするだけで、簡易にして効果的に伝導ノイズを低減することかでき、前述したノイズフィルタによる高周波漏れ電流の抑制限界を効果的に補うことができ、その実用的利点が多大である。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置を備えた電力変換システムの概略的な全体構成と伝導ノイズの要因となる高周波漏れ電流の流れを示す図。 本発明の一実施形態に係る電力変換装置の内部構造を概略的に示す斜視図。 図2に示す電力変換装置の内部構造と高周波漏れ電流の流れを示す図。 電力変換システムの概略的な全体構成と伝導ノイズの要因となる高周波漏れ電流の流れを示す図。 従来の電力変換装置の内部構造の例を概略的に示す斜視図。 図5に示す電力変換装置の内部構造と高周波漏れ電流の流れを示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換装置について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電力変換装置を備えた電力変換システムの概略的な全体構成を示す図であり、基本的には図4に示した電力変換システムと同様に構成される。従って前述した図4に示す電力変換システムと同じ構成要素には同一符号を付して示し、その重複する説明については省略する。
尚、ここでは系統電源1から給電される三相交流電力R,S,Tを電力変換装置(インバータ装置)5において電力変換した三相交流電力U,V,Wにて、その負荷4であるモータ(三相交流モータ)を駆動する例について説明するが、電力変換装置5にて単相交流を電力変換して負荷(モータ4)を駆動する電力変換システムにおいても同様に適用可能である。
また図2は、本発明の一実施形態に係る電力変換装置5の内部構造を概略的に示す斜視図であり、図3は図2に示す電力変換装置5の内部構造と高周波漏れ電流の流れを示している。尚、図2および図3に示す電力変換装置5の内部構造も、基本的には前述した図5および図6に示す電力変換装置5の内部構造と同一であり、同一構成要素について同一符号を付して、その繰り返し説明は省略する。
この電力変換装置5が特徴とするところは、該電力変換装置5の筐体の一部をなす前記金属体14と前記出力配線部材12との間に、該金属体14に一点接続されて接地電位に保たれる接地導体部17を設けた点にある。この接地導体部17は、前記出力配線部材12の導体部12aが対峙する面積以上の面積を有する前記プリント回路基板11のベタアースパターン部または平板導体からなる。尚、ここでは前記プリント回路基板11の表面にベタアースパターン部として形成した接地導体部17を示すが、前記プリント回路基板11の裏面側に設けたベタアースパターン部として前記接地導体部17を設けることも可能である。
また前記接地導体部17には、前記出力配線部材12の導体部12aと平行となり、且つ前記導体部12aの先端部にそれぞれ形成された出力電源端子U,V,Wと並ぶ位置に前記出力アース端子Eが設けられている。この出力アース端子Eは、例えば図6に示したように前記金属体14に立設されたスタッド15の上端に形成されたものからなる。そしてこの出力アース端子Eに前記接地導体部17を接続することで該接地導体部17は前記金属体14に一点接続される。
尚、特に図示しないが、例えば前記出力アース端子Eを前記スタッド15とは独立させて前記接地導体部17に設けることも可能である。この場合には前記接地導体部17と前記金属体14との一点接続を、前記金属体14に立設されて前記プリント回路基板11を支持する複数本のスタッドの内、例えば前記スイッチング素子S1〜S6の近傍位置に立設された1本のスタッド15を介して行うようにすれば良い。
一方、前記接地導体部17の一部は、前記プリント回路基板11に立設された前記出力配線部材12の側方を通って、該出力配線部材12の導体部12aと反対側の位置まで延在して設けられている。具体的には前記接地導体部17の延在部17aは、前記スイッチング素子(IGBT)S1〜S6の近傍に配置されて前記プリント回路基板11に実装される線間・接地コンデンサCx2,Cy2の実装部位に至る位置まで設けられている。
ちなみに前記線間・接地コンデンサCx2,Cy2は、前記ノイズフィルタ6の一部を形成するもので、前記スイッチング素子の正側および負側の各入力端子にそれぞれ一端を接続した第1および第2のコンデンサCx2,Cx2、および前記接地導体部17に一端を接続した第3のコンデンサCy2の各他端をスター結線したものからなる。そして前記接地導体部17の延在部17aは、接地側に設けられる前記第3のコンデンサCy2の接続部としての役割を担う。
特に前記接地導体部17の延在部17aは、前記第3のコンデンサCy2の接続点と、該接地導体部17の前記出力アース端子Eを設けた位置とを結ぶ向きが、前記出力配線部材12の導体部12aと平行になるような形状を有している。このような形状の前記接地導体部17の延在部17aは、出力アース端子Eから該接地導体部17に流れ込む高周波漏れ電流に対して、前記出力配線部材12の導体部12aと平行な電流経路を形成して前記線間・接地コンデンサCx2,Cy2に導くように機能する。
このように構成された電力変換装置によれば、図3に高周波漏れ電流の流れを示すように、出力アース端子Eから流れ込む高周波漏れ電流は、図6に示した従来構造のようにスタッド15を介して金属体14に流れることなく、プリント回路基板11上の前記接地導体部17に流れる。そしてこの高周波漏れ電流は、前記接地導体部17の延在部17a介して前記線間・接地コンデンサCx2,Cy2に流れ込んだ後、スイッチング素子S1〜S6の寄生容量(図示せず)を介して前記出力配線部材12に流れ出る。
従って上記構造によれば前記接地導体部17が前記金属体14よりも前記出力配線部材12に近接させて設けられている分、該接地導体部17と出力配線部材12との間に形成される電流経路のループ面積が狭くなる。しかも前記高周波漏れ電流は、前記スイッチング素子(IGBT)S1〜S6の近傍に配置された前記線間・接地コンデンサCx2,Cy2を介して流れるので、図4に示したように線間・接地コンデンサCx2,Cy2を前記整流ダイオードの入力側である交流側に設けた場合よりも、その電流ループを大幅に狭くすることができる。
しかも前述したように前記出力配線部材12に対峙する位置に前記接地導体部17を設けているので、前記線間・接地コンデンサCx2,Cy2を前記スイッチング素子(IGBT)S1〜S6の直流入力端側に設けていることと相俟って、前記高周波漏れ電流の電流経路を最短に設定することができる。この結果、該高周波漏れ電流の電流経路が形成する電流ループから放射される誘導ノイズを小さくすることができる。従って前記高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズの発生量自体を低減することができ、系統電源1側に発生する伝導ノイズを抑制することが可能となる。
更には前述した接地導体部17により、前記プリント回路基板11上に実装される各種の電子回路部品に対する前記出力配線部材12のシールド効果も期待できる。従って前記プリント回路基板11の実装密度が高い場合でも、前記出力配線部材12と該プリント回路基板11に実装された各種電子部品との不本意な誘導結合を防止することが可能となる。この結果、高周波漏れ電流に対する不本意な電流ループが徒に形成されることがなくなり、その分、誘導ノイズの発生を抑えることができるので、誘導ノイズに起因する伝導ノイズを効果的に低減することが可能となる。
尚、出力電源ケーブル3を介して流れる高周波漏れ電流に起因する誘導ノイズについては、専ら、該出力電源ケーブル3が4芯ケーブルや4芯シールドケーブルにより実現されるので、その電力線とアース線との間に形成される電流ループの面積を実質的に無視することができる。従って上述した構成を採用することで前記電力変換装置5の内部における電流ループの面積を極力少なくし、これによって伝導ノイズの発生量を低減することは極めて有効であり、実用性が高いと言える。
かくして上述した如く構成された構造の電力変換装置5を用いて構築される電力変換システムによれば、誘導ノイズの発生を抑制し、前記入力電源ケーブル2を介して前記系統電源1側に流れ出る高周波漏れ電流を少なくすることができるので、伝導ノイズの発生を抑制することができる。本発明者等の実験によれば、図5に示す内部構造の電力変換装置5に比較して、略2dBの伝導ノイズ低減効果があることが確認できた。故に、本発明に係る電力変換装置によれば前記系統電源1に接続された他の電子機器(図示せず)の誤動作を効果的に防止することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば前記出力配線部材12の導体部12aは、専ら、前記プリント回路基板11におけるスイッチング素子S1〜S6の実装位置と、前記出力電源端子U,V,Wを設ける位置とを最短距離で結ぶようにその長さが定められる。従って前記出力配線部材12の導体部12aに対峙する面の全てを覆うように、前記プリント回路基板11上に前記接地導体部17をベタアースパターンとして形成すれば十分である。
また前記出力配線部材12の導体部12aの前記プリント回路基板11からの高さについても出来得る限り低くして、前記接地導体部17との間に形成される電流ループの面積を狭くすることが望ましい。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 系統電源
2 入力電源ケーブル
3 出力電源ケーブル
4 負荷(モータ)
5 電力変換装置
6 ノイズフィルタ
11 プリント回路基板
12 出力配線部材
13 入力配線部材
14 金属体
15 スタッド
16 冷却フィン
17 接地導体部
17a 延在部
S1〜S6 スイッチング素子(IGBT)
U,V,W 出力電源端子
E 出力アース端子
Cx2,Cy2 線間・接地コンデンサ

Claims (5)

  1. 入力電源ケーブルを介して系統電源に接続される入力電源端子から入力される交流電力を直流電力に変換した後、スイッチング素子を用いて前記直流電力をスイッチングして所定周波数で所定電圧の交流電力を生成して出力電源端子から出力する電力変換装置において、
    上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子とが直列接続され前記上アームのスイッチング素子が前記直流電力の正極側に接続されるとともに前記下アームのスイッチング素子が前記直流電力の負極側に接続される単相または三相のアーム回路と電子回路部品が実装され、電力変換装置本体を構築するプリント回路基板と、
    接地電位に保たれて前記プリント回路基板を収納する筐体の一部を形成する金属体と、
    前記アーム回路の前記上アームと前記下アームの接続点に接続されて前記プリント回路基板に立設され、該プリント回路基板に沿って延在させた導体部の先端に前記出力電源端子を形成した出力配線部材と、
    前記金属体と前記出力配線部材との間に設けられ、該金属体に接続されて接地電位に保たれる接地導体部と
    を具備した電力変換装置であって、
    前記接地導体部は、前記出力電源端子と並ぶ位置に出力アース端子を備え、さらに、
    前記プリント回路基板は、前記アーム回路の前記直流電力の正極側の入力端子と前記接地導体部間、負極側の入力端子と前記接地導体部間に、それぞれ1以上の接地コンデンサを接続して形成された入力フィルタを備え、
    前記入力フィルタと前記接地導体部の接続位置と、前記接地導体部の前記出力アース端子の位置とを結ぶ向きは、前記出力配線部材の導体部と平行であることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記接地導体部は、前記出力配線部材の導体部が対峙する面積以上の面積を有する前記プリント回路基板のベタアースパターン部または平板導体からなり、前記金属体に1点接続して設けられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記出力配線部材は、上記交流電力の各相に対応する導体部を前記プリント回路基板に沿って平行に延在させて設けられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記接地導体部は、前記金属体よりも前記出力配線部材に近接させて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記入力フィルタは、前記アーム回路の前記直流電力の正極側の入力端子と負極側の入力端子にそれぞれ一端を接続した第1および第2のコンデンサと、前記接地導体部に一端を接続した第3のコンデンサの各他端をスター結線して形成され、
    前記第3のコンデンサと前記接地導体部の接続位置と、前記接地導体部の前記出力アース端子の位置とを結ぶ向きは、前記出力配線部材の導体部と平行であることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
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