JP6040570B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器などの熱伝達機構に関するものに関する。
図7(a)、図7(b)に従来の熱交換器23を示す(特許文献1)。
図7(a)は、熱交換器23の長手方向(冷却水が流れる方向)に垂直方向の断面図であり、図7(b)は、図7(a)のa−b面での断面図である。熱交換器23は、各種分野で使用される加熱流体と冷却流体との間で熱交換する装置であって、ここでは自動車用として、エンジンからの高温の排気ガスを冷却し外部へ放出、または、再利用するために使用されるものを例にとり、ガス入口21と、冷却水入口22と、パイプ24と、ガス出口25と、冷却水出口26と仕切り28と冷却水路27とから構成される。
ガス入口21は、高温度のガスの入口である。自動車の熱交換器23の場合は、エンジンからでる排気ガスである。
冷却水入口22は、冷却水の入口である。
パイプ24は、この場合、高温のガスが流れる通路である。その周りは冷却水路27を流れる冷却水で冷却される。
ガス出口25は、高温のガスが熱交換器23で熱を奪われ、低温になったガスを外部へ放出、または、循環させるための出口である。
冷却水出口26は、冷却水を熱交換器23内部から外部へ出す口である。
仕切り28は、パイプ24内部に設けられ、パイプ24内を流れる高温ガスの熱をパイプ24の外周表面に伝達するためのアルミニウムの板材料であり、パイプ24の内面間の複数箇所を繋ぐ、ジグザクの形状である。
冷却水路27は、熱交換器23内の冷却水の流れる道である。
この熱交換器23では、高温のガスと冷却水との間で熱を交換させる。高温のガスは、ガス入口21から熱交換器23に入り、パイプ24を通り、ガス出口25から外部へ出る。一方、冷却水は、冷却水入口22から熱交換器23に入り、パイプ24の周辺を通過し冷却水出口26から外部へ出る。
特開2003−28586号公報
従来の熱交換器には、上記以外にもいろいろな構造のものがあるが、その基本的な原理は、高温のガスと冷却水のように温度差がある二つの物体がそれぞれ流通する高温部と低温部とをパイプ24のような部材により離隔し、当該部材を介して熱交換させるものである。
したがって、上記従来の熱交換器における低温部と高温部との間の熱交換の効率は、低温部と高温部との境界に位置する部材の熱伝導率に依存することとなる。換言すれば、従来の熱交換器は、その具体的な構造の如何に依らず熱交換効率に限界があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、熱効率のよい熱交換器を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、第1流体が流れる低温部と、前記低温部に隣接する第2流体が流れる高温部と、前記低温部と高温部との境界面に通して設置されたグラファイト素子と、を含む熱交換器を用いる。
本発明の熱交換器では、熱伝導率が高く、熱容量の小さいグラファイトを使用するので、効率よく、小型の熱交換器を実現できる。
(a)〜(c)本発明の実施の形態1にかかる熱交換器のパイプ部分の断面模式図 (a)(b)本発明の実施の形態1にかかる熱交換器のパイプ部分の模式斜視図 (a)本発明のグラファイト素子の斜視図、(b)〜(i)本発明のグラファイト素子の断面図 (a)〜(d)本発明の実施の形態1にかかる熱交換器の変形例を示す図 (a)(b)本発明のグラファイトの製造方法を説明する図 (a)〜(d)本発明の別の応用例を示す図 (a)従来の技術による熱交換器の縦断面図、(b)従来の技術による熱交換器の横断面図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明を行う。
(実施の形態1)
図1(a)から図1(c)は、本発明の実施の形態1の熱交換器の一例を示す、図7(b)の熱交換器23における、1つのパイプ24の断面の両端の模式図であって、図7(a)と同じ方向からの断面図である。
図1(a)に示す構成では、パイプ24の側面の壁内に、グラファイト素子15を埋め込んでいる。図1(b)に示す構成では、グラファイト素子15を側面として、パイプ24を形成している。ハイプ24に受け部40を設け、グラファイト素子15を挿入している。図1(c)に示す構成では、パイプ24の側壁に挿入部41を設け、挿入部41にグラファイト素子15を挿入している。なお、側壁で説明したが、上下いずれか又は双方の面でもよい。
図7(a)、図7(b)の構成に加えて、グラファイト素子15が、パイプ24の壁に配置されている。このグラファイト素子15は、平面方向(図1では、左右、前後方向の平面)の熱伝導率が、ダイヤモンドに近く、熱容量も金属(銅やアルミニウムなど)より小さい。したがって、従来例のアルミニウムを用いた場合に比して、パイプ24内の高温ガスの熱を外周の冷却水へ、より効率的に伝達し冷却することが可能となっている。このグラファイト素子15の詳細は後で説明する。
図2(a)は、図1(a)〜(c)に示す本実施の形態の熱交換器の原理を説明する斜視図であり、熱交換器全体の構成を模式的に示したものである。図2(a)に示すように、本発明の熱交換器では、グラファイト素子15が、高温部10と低温部11との間の境界13に配置され、それらの間で熱交換が行われている。高温部10は、図1の構成においては、パイプ24に、低温部11は冷却水路27にそれぞれ相当する。
このように、本発明は、高温部10と低温部11との間の境界13にグラファイト素子15を設けることにより、熱の交換をより効率的にすることを可能としている。すなわち、本発明は、図1又は図7に示す熱交換器に限らず、低温部と高温部との間で熱交換を行う任意の構成を有する熱交換器において、低温部と高温部との境界に位置する部材の全部又は一部にグラファイト素子を用いることにより、熱交換の効率向上を実現するものである。
図2(b)に示す構成は、高温部10と低温部11の境界に凹部である挿入部41を設け、グラファイト素子15を挿入したものである。ここで、グラファイト素子15と挿入部41との接触により熱伝導効率を上げるため、アルミナの粉などを有する熱伝導ペーストをグラファイト素子15と挿入部41との間に充填、塗布等するとよい。図1(c)に示す構成においても同様である。
ここで、グラファイト素子15を詳細に説明する。
(グラファイト素子15について)
図3(a)は、グラファイト素子15を示す図である。このグラファイト素子15は、平面状の直方体、板である。図3(b)は、その断面図(図中点線に沿って切断した面)である。図3(c)から図3(i)は、図3(b)に対応する変形例の断面図である。
このグラファイト素子15は、グラファイト16を内部に有する。グラファイト16は、炭素の六員環が共有結合されたもので、面方向(ベーサル面)で繋がって、積層された結晶構造を備える。各グラファイト16はファンデルワールス力で結合され、0.25mmから20mmの厚さで、300mm角程度の大きさに構成されている。本願の図では、グラファイト16を表す垂線は、このベーサル面の端面の線でもあり、この垂線の延伸方向によく熱が伝達する。
グラファイト16は、ベーサル面内、つまり、X−Y平面での熱伝導率が、厚さ方向つまりZ方向への熱伝導率よりも大きな値を示す特性を備えている。なお、グラファイト素子15内におけるグラファイト16単体のX、Y、Zの各方向は図3(a)中に示した。すなわち、グラファイト素子15の主面はグラファイト16の側面が積層されることにより形成されており、グラファイト16のベーサル面はグラファイト素子15の厚み方向と一致する。したがって、グラファイト素子15においては、その表面と裏面との間で効率よく熱伝達が行われることとなる。
図3(c)に示す構成では、複数のグラファイト16の積層体を支持部材17で覆っている。各グラファイト16間の熱的な影響は少ないが、XY方向への熱伝導はよく、グラファイト16間も支持部材17で補強されており、機械的な強度を確保している。
図3(d)に示す構成は、複数のグラファイト16と金属シート18を積層したものである。支持部材17として金属シートを用いており、強度を向上できる。
図3(e)に示す構成においては、図3(c)の構成例において、複数のグラファイト16間の支持部材17を、グラファイト16より短くして、端面に凹凸を形成している。表面積が増加し、熱の伝達が向上する。
図3(f)に示す構成は、図3(b)の例において、放熱部材20を両端部に設けている。片方でもよい。外部との間の熱伝達を向上できる。放熱部材20は、アルミニウム製のフィンを用いることができる。
図3(g)に示す構成は、図3(b)の例において、グラファイトのZ軸方向に貫通する穴19を設けている。外部との間の熱伝達を向上できる。放熱部材20は、アルミニウム製のフィンを用いることができる。
図3(h)に示す構成は、図3(b)の例において、グラファイトのZ軸方向に凸部29を設けている。外部との間の熱伝達を向上できる。放熱部材20は、アルミニウム製のフィンを用いることができる。
図3(i)に示す構成は、図3(b)の例において、表面、XY方向に凹部29を設けている。凹部29に接するように又は近接して熱源を設けると熱を周辺へ伝達しやすい。
図3(b)から図3(i)に示す各構成は、用いる用途に応じて、相互に複数、組み合わせできる。
図2に示すように、本実施の形態においては、この熱伝導のよいベーサル面が、高温部10、パイプ24と低温部11、冷却水路27との間の境界13の面に垂直に設けられ、その両者間で熱を効率的に伝達する。図1の構成例でも同様、冷却水路27とパイプ24内との熱交換を促進する。
次に、図4(a)から図4(d)を参照して、グラファイト素子15を熱交換器に応用する例を説明する。
図4(a)に示す構成は、図2と同様、高温部10と低温部11との境界13の上部の壁にグラファイト素子15が配置されたものである。グラファイト素子15により、高温部10と低温部11との熱が交換される。
図4(b)に示す構成は、グラファイト素子15を、高温部10、低温部11の上部に設けられたものである。高温のガスは上部を流れやすく、その熱を伝達するので、熱伝達効率がさらによい。高温部10、低温部11の壁に凹部を設け、グラファイト素子15を入れ込んでもよい。
図4(c)に示す構成は、境界13自身にグラファイト素子15を入れ込んで形成したものである。境界13の広い範囲に渡って、グラファイト16の熱伝導で熱を交換でできる。多くのグラファイト16の断面のより広い面積を利用するので、熱伝達効率がさらによい。
図4(d)に示す構成は、複数のグラファイト16が、別々に、境界13に設けられた例である。境界13の広い範囲にわたって熱の移動ができ熱伝達の効率が上がる。
上記例では、高温部10と低温部11との間に、グラファイト素子15を配置しているが、グラファイトのベーサル面の方向は、高温部10と低温部11とを結ぶ方向に平行、各部に垂直である。
なお、低温部11、高温部10はアルミニウム壁からでき、作製時に開口を設けておき、グラファイト素子15を挿入し、接着剤などで固定、密閉し、作製する。また、予め固定する部分をアルミニウム壁に開口として設けておき、グラファイト素子15を挿入して接着剤で固定してもよい。
グラファイト素子15の使用量により異なるが、高温部10と冷温部11との間の熱交換効率が向上し、熱交換器全体の大きさが1割から3割小さくなる。グラファイト素子15を最大使用すると半分近くの大きさまで熱交換器を小さくできる。
(グラファイト素子15の製法について)
本実施の形態1におけるグラファイト素子15は、グラファイト16が積層された積層体を支持部材17の一例である樹脂で被覆する被覆工程と、被覆工程の後にグラファイト16の積層方向と交差する面に沿って切断する切断工程と、切断工程の後に切断面に表面処理を行なう表面処理工程を実行することにより製造することができる。
被覆工程では、グラファイト素子15の表面が厚さ数mmから数十mmとなるように樹脂で被覆される。
切断工程では、樹脂が固化した後に、ダイヤモンドカッター等を用いて、X−Y平面(ベーサル面、図3(a))に垂直な平面に沿って、数mmから十数mmに設定された所定ピッチで切断処理される。その結果、図3(a)に示すグラファイト素子15が得られる。図3(b)は、その断面図である。なお、本願の図中のグラファイト16の斜線は、炭素の層を表現している。
このとき使用される樹脂として、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に選択でき、型枠内の所定位置にグラファイト素子15を固定し、熱硬化性樹脂に硬化剤を添加して加熱処理を行なうことにより、グラファイト素子15の表面を樹脂Rで被覆することができる。尚、これらは一例であり、耐熱温度等を勘案して適宜選択されるものである。
また、熱可塑性樹脂として、汎用エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネイト、スーパーエンジニアリングプラスチックであるポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、テトラフルオロエチレン等を用いることもできる。
さらに、上述した熱硬化性や熱可塑性樹脂に、無機フィラーや有機修飾したフィラーを複合させ、高耐熱性と寸法安定性を向上させた樹脂を用いることもできる。更に、密着性向上のためアミン系、シリコーン系等を添加した樹脂等を用いることができる。
また、さらに、紫外線硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を用いることも可能であり、特に高温環境下で高い密着性を有するエポキシ樹脂と相性がよい。
支持部材17として樹脂以外に金属やセラミック等を用いることもできる。アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケル(Ni),金(Au)等の金属により構造体の周部を被覆することも可能である。
めっきなどの湿式法、スパッタ等の乾式法の何れかを用いることができる。また、チタン(Ti),コバルト(Co)等の、一般的に炭素と馴染み易い金属、または、その成分が含まれている合金等を下地として用いると、密着性を向上させることができるようになる。
アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミ等のセラミックにより、構造体の周部を被覆することも可能である。セラミックをスラリー状にし、構造体の周部を被覆した後、ホットプレス等を行う方法や、スパッタなどの乾式法を用いることができる。また、前述したようにグラファイト表面をメタライズ化することで、傾斜機能性を付与し、熱応力の緩和と密着性の向上をさせることもできる。
被覆工程の前に、真空含浸法等を用いて、グラファイト素子15に樹脂を含浸させる含浸工程をさらに実行すれば、構造体の機械的強度をより強くすることができる。このとき使用される樹脂は、上述と同様であるが、特にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂を用いることが好ましい。
成膜工程では、グラファイト素子15及び支持部材17の表面に活性種となるTi層が形成され、その上にNi層またはCu層が形成され、さらにAu層が形成される。各金属層の膜厚は0.3μm前後であることが好ましい。
尚、成膜法として、スパッタ法や蒸着法等の乾式法や、メッキ法等の湿式法の何れかを用いることができる。
グラファイト素子15を構成するグラファイト16は炭素であり、半田が付着しない。よって、グラファイト16は、熱源を直接ハンダ付けすることができないため、成膜工程で金属層を形成し、当該金属層を介して熱源とハンダ付けするのであるが、このような金属層を介してハンダ付けすることにより、熱源と強固に結合させることができる。この場合、金属層の膜厚は1μm前後であるため、熱伝導性を然程損なうことが無い。
また、熱源と電気的に絶縁した状態で、熱伝導させる必要がある場合には、グラファイト素子の表面にアルミナ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミ等のセラミックを溶射する溶射工程を実行することにより、セラミック層からなる絶縁膜を容易に形成することができる。
溶射工程の前に、プラズマ法やレーザ法等を用いた表面処理を実行し、グラファイト素子15の表面を活性化することにより、溶射工程でのセラミックの接着性能を向上させることができる。
用途に応じて、グラファイト素子15及び支持部材17の表裏両面に、金属層やセラミック層を形成することも可能である。支持部材17の耐熱性の観点からグラファイト素子15の表面のみのセラミック層を形成してもよい。
つまり、研磨工程、成膜工程、溶射工程の何れか一つまたは全部又は一部を組み合わせた工程によって本発明による表面処理工程が実行される。
このようなグラファイト素子15に用いられるグラファイト16として、高配向性熱分解グラファイトが好適に選択される。通常のグラファイトより高い熱伝導性を備えた高配向性熱分解グラファイトを用いることにより、熱伝導効率を飛躍的に上昇させることができるようになる。特に、ベーサル面において、1500W/mK以上の熱伝導率を有する高配向性熱分解グラファイトを用いることが好ましく、例えば、米国MINTEQ International Inc.製の商品名PYROID HTを用いることができる。
一般に、熱伝導率には、自由電子によるものと格子振動によるものとがあり、ダイヤモンドの高い熱伝導率(1000〜2000W/mK)は格子振動を介したものであり、グラファイトの熱伝導率は極めて異方的で自由電子と格子振動の双方により、一般にはダイヤモンドの半分以下の値である。
しかし、本願で使用するPYROID HTは、密度2.22g/cc、引張強度28900kPa(a方向)、弾性率50GPa(a方向)、曲げ弾性率33200MPa(a方向)、熱膨張整数0.6×10−6/℃(a方向),25×10−6/℃(c方向)、熱伝導率1700W/mK(a方向),7W/mK(c方向)、電気抵抗率5.0×10−4Ωcm(a方向),0.6Ωcm(c方向)、酸化開始温度650℃(a方向)、透過性10−6mmHgの諸特性を備え、特にa方向の熱伝導率は、一般的な熱拡散材として用いられるCuの約4倍、窒化アルミニウム(AlN)や酸化ベリリウム(BeO)の約6倍の値を示す極めて熱伝導率の高い材料である。なお、a方向とはグラファイトの面方向(ベーサル面)、c方向とはグラファイトの積層方向を示すものである。
密度がグラファイトの理論密度2.3g/ccに近く、弾性率50GPa(a方向)と大きな値であるため、機械的振動等のストレスがかかると破断し易く、加工が容易ではないのであるが、上述したように、グラファイト素子15の周部を被覆する支持部材17により支持されているため、加工時の破断、熱源への取付時の機械的ストレス、取付後の機械的振動に対しても、破断することなく、所期の熱伝導性能を維持することができるようになる。
図5(a)に示すように、PYROID HTは、CVD法により製造される。成膜装置36において、ポンプにより真空に引かれたチャンバー内に、原料ガスとしてボンベから供給される炭化水素ガスをガス入口31から入れ、ヒータにより2000℃以上に加熱されることにより熱分解され、析出した微細な炭素核Cが基台33上で結晶化しながら層状に堆積、積層して製造されるのである。
堆積、積層時間を管理することにより、0.25mmから20mmの厚さで、300mm角程度の大きさの板状の構造体を得ることができる。
また、図5(b)に異なる製造方法を示す。図5(b)は、炉37の断面である。はじめに、樹脂シート35、ポリイミドシート、厚み25μを基台35に置き、アルゴンなどの不活性ガスを流しつつ、2000℃に炉37を加熱する。結果、樹脂シート35が分解され、グラファイト16ができる。詳細は、特開平01−56364、特開平03−75211に記載されている。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1のグラファイト素子15を、非流体間で熱交換を行う熱交換器に応用したものである。
図6(a)から図6(d)は、グラファイト素子15を高温部と低温部との間に設けた別の実施例を示す図である。実施の形態1と異なり、実施の形態2におけるグラファイト素子15のベーサル面は、高温部(半導体素子64)と冷温部(放熱部材62)とを結ぶ方向に垂直である。これにより、熱をベーサル面に沿って広げて伝達することにより熱交換するようにしている。
実施の形態1では、熱交換の対象物は液体や気体であり、当該対象物内における熱の分布が均一であったが、この例では、固体同士の熱交換であり、半導体素子64や放熱部材63の表面において熱は不均一に分布しているので、上記のようにベーサル面に沿って熱を広げて伝達する構造としている。
図6(a)に示す構成では、半導体素子64と基板61との間にグラファイト素子15を配置している。グラファイト素子15は、内部のグラファイトのベーサル面が、基板61、半導体素子64と平行になるように設置されている。図6(b)から図6(d)においても、このグラファイトのベーサル面の方向は、同様であって、基板61の反対面に放熱部材62が配置されている。
半導体素子64で発生した熱が、グラファイト素子15と基板61とを介して、放熱部材62へ伝達され、半導体素子64の熱を逃がす。グラファイト素子15で、熱が一旦ベーサル面方向へ広げられ、基板61、放熱部材62へ伝達される。熱が面方向に広げられるので、熱伝導の道幅が広く、熱効率がよい。
バンプ63は、半導体素子64と基板61とを電気的に接続するものである。グラファイト素子15のバンプ63に相当する部分には開口が設けられている。半導体素子15が高温部であり、放熱部材62が低温部であり、グラファイト素子15にて熱の伝達をする。
図6(b)に示す構成では、グラファイト素子15を、半導体素子64とその上方に位置する放熱部材62との間に設けている。
図6(c)に示す構成では、グラファイト素子15を、半導体素子64とその下方に位置する基板61との間に設けている。半導体素子64はその下面に電極があり、バンプ63で電気的に基板に接続される。
図6(d)に示す構成では、グラファイト素子15を半導体素子64とその下方に位置する基板61との間に設けている。この場合、半導体素子64は、その上面に電極があり、ワイヤー65で基板61と接続される。
上記グラファイト素子15としては、図3の各図に示したいずれかのグラファイト素子15を用いることができる。
上記グラファイト素子15は、高温部と低温部との間に位置しており、熱を、両部を結んだ線に対し垂直方向へ広げ、熱の道幅を広げることで熱伝導効率を上げる。
本願発明の熱交換器は、広く熱交換器として、自動車用、家電用、産業機器用熱交換器として利用できる。
10 高温部
11 低温部
13 境界
15 グラファイト素子
16 グラファイト
17 支持部材
18 金属シート
19 穴
20 放熱部材
21 ガス入口
22 冷却水入口
23 熱交換器
24 パイプ
25 ガス出口
26 仕切り
27 冷却水路
28 仕切り
29 凹部
31 ガス入口
32 ガス出口
33 基台
35 樹脂シート
36 成膜装置
37 炉
40 受け部
41 挿入部

Claims (5)

  1. 第1流体が流れる低温部と、
    前記低温部に隣接する第2流体が流れる高温部と、
    前記低温部と高温部との境界に設置されたグラファイト素子と、
    を含む熱交換器であって、
    前記境界の表面に対して、前記グラファイト素子のベーサル面が垂直である熱交換器。
  2. 前記高温部と前記低温部との前記境界に凹部を形成し、前記凹部に、前記グラファイト素子を挿入した請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記境界に、複数の前記グラファイト素子が配置された請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記境界を、前記グラファイト素子で形成した請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記グラファイト素子は、その端部に放熱部材を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
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