JP5621698B2 - 発熱体モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子等の発熱体の熱を効果的に放熱させる発熱体モジュール、該発熱体モジュールの製造方法に関するものである。
近年、発熱体を冷却するための熱拡散部材として、銅やアルミニウム等の金属材料に代えて、グラファイトや炭素繊維などの炭素系材料を用いて形成された熱拡散部材が検討されている。
例えば特許文献1では、発熱体としての半導体素子と放熱板との間に、熱拡散部材として、炭素繊維−金属複合材を用いて形成された熱拡散板が1層配置されている。そして、炭素繊維の配向方向を、熱拡散板の厚さ方向と一致させることで、半導体素子から放熱板へ熱を伝えやすくしている。なお、炭素繊維の配向方向の熱伝導率は1000W/mK程度であり、これにより熱拡散部材は、銅(熱伝導率350〜400W/mK)やアルミニウム(熱伝導率200〜240W/mK)よりも高い熱伝導性を有している。
特開2009−4666号公報
また、グラファイトなどの炭素系材料は、互いに直交する関係にある3軸方向のうち、2軸方向に高熱伝導性(1000W/mK程度)を有し、残りの1軸方向に低熱伝導性(5〜200W/mK程度)を有する。このように、2軸方向に高熱伝導性を有し、残りの1軸方向に低熱伝導性を有する配向性の炭素系材料を用いると、熱拡散板の厚さ方向だけでなく、厚さ方向に垂直な面に沿う一方向にも熱を拡散させることができ、放熱性を向上することができる。
しかしながら、熱拡散板(熱拡散部材)とその隣に位置する部材(例えば半導体素子)との界面には、線膨張係数差に起因する熱応力が生じる。上記した配向性の炭素系材料は、線膨張係数に大きな異方性を有しているため、線膨張係数が高い方向において隣に位置する部材との線膨張係数差、ひいては界面の熱応力が大きくなる。これにより、放熱性能が低下し、発熱体の信頼性が低下する虞がある。
本発明は上記問題点に鑑み、放熱性を向上しつつ熱応力を低減することのできる発熱体モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、冷却器と発熱体との間に介在される熱拡散部材として、2軸方向に高熱伝導性を有し、残りの1軸方向に低熱伝導性を有する配向性の炭素系材料を用いて形成された少なくとも1層の熱拡散板を採用する。また、熱拡散板は、発熱体の搭載面である一面に対して垂直な方向を板厚方向とし、板厚方向と一面に沿う第1方向との熱伝導率が、板厚方向及び第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高くなるように配置される。この熱拡散板により、板厚方向と、板厚方向に垂直な一面に沿う一方向(第1方向)とに熱が拡散されるため、発熱体から冷却器に対して効率よく熱を移動させ、放熱性を向上することができる。
また、配向性の炭素系材料は、高熱伝導方向の線膨張係数に較べて、低熱伝導方向の線膨張係数が高いという、線膨張係数の異方性を有する。これに対し、本発明では、熱拡散板を、線膨張係数の高い第2方向において複数のブロックに分割している。したがって、熱拡散板と熱拡散板の隣に位置する部材との線膨張係数差に基づく熱応力を、熱拡散板(各ブロック)における第2方向の膨張・収縮により緩和(低減)することができる。
なお、高熱伝導方向である第1方向において熱拡散板を分割するのではなく、低熱伝導方向である第2方向において熱拡散板を分割するため、板厚方向に垂直な面に沿う方向への熱の拡散を妨げることは殆どない。
以上から、本発明によれば、放熱性を向上しつつ熱応力を低減することができる。
さらに本発明では、各ブロックが互いに分離独立された構成(一体化されていない構成)となっている。これにより、一体化された構成に較べて、ブロックが第2方向に膨張・収縮しやすく、熱応力を効果的に低減することができる。
請求項2に記載のように、複数層の熱拡散板により熱拡散部材が構成されるとともに、第2方向が互いに異なるように各熱拡散板が配置されることが好ましい。このように、熱拡散部材を構成する複数の熱拡散板の第2方向を異ならせると、互いに直交する位置関係の3軸方向に熱を拡散させることができる。すなわち、放熱性をより向上することができる。
なお、請求項3に記載のように、熱拡散部材が発熱体と電気的に接続される構成において、熱拡散部材が電気絶縁層を介して冷却器上に配置されると、電気絶縁層により、熱拡散部材と冷却器が電気的に接続されるのを抑制することができる。
次に、請求項4に記載の発明では、上記した発熱体モジュールを製造するにあたり、第1方向及び板厚方向の少なくとも一方に沿って延びる溝部を有する熱拡散板を準備する。この溝部は、熱拡散板を、板厚方向及び第1方向により規定される面で分割するために設けられる。このため、溝部を有する熱拡散板と、該熱拡散板の隣に位置する部材とを加熱しつつ接合する際に、接合界面に生じる熱応力により、溝部に沿って熱拡散板を分割し、熱拡散板を第2方向において複数のブロックとすることができる。これによれば、接合前に、熱拡散板を分割する方法に較べて、製造時間を短縮することができる。また、接合時に分割するため、分割した各ブロックを隣に位置する部材とそれぞれ接合する方法に較べて、位置決め等の手間を省き、製造工程を簡素化することもできる。
請求項5に記載のように、溝部を、熱拡散板における接合部材との接触面に設けると、熱応力が生じる接合界面に溝部があるため、熱応力により、熱拡散板を分割しやすくなる。
なお、熱拡散板の隣に位置する部材とは、請求項6に記載の発熱体、請求項7に記載の冷却器、請求項8に記載の、熱拡散板と冷却器との間に設けられる電気絶縁層を採用することができる。また、請求項9に記載のように、熱拡散部材が熱拡散板を複数層有する場合には、熱拡散板同士を接合する際の熱応力により、各熱拡散板をそれぞれの第2方向において複数のブロックとすることもできる。
第1実施形態に係る発熱体モジュールを示す断面図である。 熱拡散部材の概略構成を示す斜視図であり、(a)はブロックを構成する炭素系板材を示す図、(b)はブロックを示す図である。 発熱体モジュールの変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールの変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールの変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールの製造方法の変形例を示す図であり、(a)は熱拡散板の準備工程を示す平面図、(b)は熱拡散板の接合工程を示す斜視図である。 第2実施形態に係る発熱体モジュールを示す断面図である。 熱拡散部材の概略構成を示す斜視図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。 発熱体モジュールのその他変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る発熱体モジュール、発熱体モジュールに適用された熱拡散部材について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示す発熱体モジュール10は、少なくとも、冷却器11、冷却器11上に配置された熱拡散部材12、及び熱拡散部材12の冷却器11と反対の一面12a上に配置された発熱体13を備える。本実施形態では、さらに、熱拡散部材12と冷却器11とを電気的に分離する電気絶縁層14、電気絶縁層14と熱拡散部材12の間に配置された外部接続端子としてのリード15を備える。
そして、冷却器11の一面には、接合部材20により電気絶縁層14が接合され、電気絶縁層14の冷却器11と反対の面には、接合部材21によりリード15が接合されている。また、リード15の電気絶縁層14と反対の面には、接合部材22により熱拡散部材12が接合され、熱拡散部材12のリード15と反対の面、すなわち一面12aには接合部材23により発熱体13が接合されている。
冷却器11は、発熱体13の熱を、図示しない内部通路を流通する冷却媒体に移動させて、発熱体13を冷却する熱交換器である。この冷却器11は、板状をなす本体部の内部に多数の通路が設けられて形成されており、各通路には冷却媒体(例えば冷却用空気や、冷却水等)が流通されるようになっている。
電気絶縁層14は、発熱体13から冷却器11への漏電を防止するためのものである。電気絶縁層14としては、セラミックからなる板材、セラミック材料と樹脂材料の混合体からなるフィルム状の材料、などを用いることができる。本実施形態では、電気絶縁層14として、セラミックからなる板材を採用している。
接合部材20,21としては、熱伝導性が良好であり、接合部材20は、電気絶縁層14と冷却器11を接合でき、接合部材21は、リード15と電気絶縁層14を接合できるものを採用することができる。これら接合部材20,21としては、導電性は特に言及されない。また、リード15と電気絶縁層14との間、電気絶縁層14と冷却器11との間は接合されていなくても良い。例えば、接合部材20,21に代えて、リード15と電気絶縁層14との間、電気絶縁層14と冷却器11との間に薄く濡れ広がって界面熱抵抗を低下させる働きのあるグリス状の材料を用いることもできる。また、電気絶縁層14それ自体に弾力性乃至接着性をもつ材料を使用することで、接合部材20,21を有さない構成とすることもできる。
リード15は、CuやAlなど導電性に優れる金属材料からなり、熱拡散部材12と電気絶縁層14との間に介在されている。そして、発熱体13としての半導体素子の一方の電極と、接合部材22,23及び熱拡散部材12を介して電気的に接続されている。
接合部材22としては、熱伝導性が良好であり、熱拡散部材12とリード15とを接合できるものを採用することができる。例えば単一金属のナノ粒子を焼結してなるものを採用すると良い。単一金属としては、熱伝導性が高い、Ag、Au、Cuのいずれかを採用することが好ましい。ちなみに、Agの熱伝導率は427W/mK、Auの熱伝導率は315W/mK、Cuの熱伝導率は398W/mKである。本実施形態では、接合部材22がAgのナノ粒子を焼結してなる。なお、金属ナノ粒子とは、周囲を有機保護膜でコーティングされたナノサイズ(例えば粒子径が1nm〜100nm)の金属粒子である。
熱拡散部材12は、発熱体13の熱を冷却器11に効率よく伝導させるための部材である。この熱拡散部材12は、互いに直交する2方向に高熱伝導性を有し、残りの一方向に低熱伝導性を有する配向性の炭素系材料を用いて形成された熱拡散板30を少なくとも1層有する。炭素系材料としては、炭素単体、又は、炭素を主成分とし、CuやAlなどの金属、樹脂、セラミックを副成分とする複合材料を採用することができる。また、炭素としては、グラファイト(黒鉛)や炭素繊維を採用することができる。
熱拡散板30は、発熱体13の搭載面である一面12aに垂直な板厚方向1aと、一面12aに沿う方向のうちの第1方向1bに高熱伝導性を有し、板厚方向1a及び第1方向1bに垂直な第2方向1cに低熱伝導性を有する。また、低熱伝導性を有する第2方向1cにおいて、複数のブロック31に分割されている。熱拡散板30の分割数は特に限定されるものではない。熱拡散板30の分割数、すなわちブロック31の数が増えるほど、第2方向1cにおける接合部材22(又は接合部材23)との接触長さが短くなり、これにより歪量、ひいては熱応力を小さくすることができる。すなわち、熱応力の低減に有利である。
本実施形態では、熱拡散部材12が1層の熱拡散板30からなる。そして、熱拡散板30は、図1に示すように第2方向1cにおいて4つのブロック31に分割されている。また、第2方向1cにおいて隣り合うブロック31は接続部材32により接続され、各ブロック31は熱拡散板30として一体化されている。なお、接続部材32としては、ブロック31を構成する炭素系材料よりもヤング率の低い材料(はんだ、Agペースト、樹脂接着剤など)を採用することができる。
各ブロック31は、図2(a)に示す薄板33を積層・一体化してなる。具体的には、複数の薄板33を積層し、この積層体を焼付けすることで形成される。薄板33を構成するグラファイトは、炭素原子が隣接の炭素原子と平面内で3方向に共有結合を形成し、縮合六員環を形成した構造(層状構造)を有しており、各層間をファンデルワールス力で結び付けた異方性を有している。この層状構造のため、層(グラファイトのab面)に対して平行方向と垂直方向では性質が異なっている。具体的には、平行方向に高い熱伝導性(1000W/mK程度)を有し、垂直方向に低い熱伝導性(5〜200W/mK程度)を有している。一方、平行方向の線膨張係数よりも垂直方向の線膨張係数のほうが高くなっている。
薄板33は、図2(a)に示すように平面長方形をなしており、その厚さ方向が、グラファイトの上記垂直方向と一致し、平面長方形の長手方向及び幅方向(短手方向)がグラファイトの上記平行方向と一致している。そして、図2(b)に示すように薄板33がその厚さ方向に複数枚積層され、例えば焼付けにより一体化されてブロック31が構成されている。このため、ブロック31は、板厚方向における寸法が、薄板33の幅方向の寸法に等しくなっている。
このブロック31では、薄板33の積層方向が低熱伝導性の第2方向1cと一致し、板厚方向が、高熱伝導性の板厚方向1aと一致し、長手方向が、高熱伝導性の第1方向1bと一致している。すなわち、薄板33の厚さ方向が低熱伝導性の第2方向1cと一致し、幅方向が、高熱伝導性の板厚方向1aと一致し、長手方向が、高熱伝導性の第1方向1bと一致するように、薄板33を用いてブロック31(熱拡散板30)が構成されている。
なお、熱拡散板30は、その表面に接合部材22,23との接合性を向上させるための図示しない金属薄膜を有しても良い。この金属薄膜は、スパッタや蒸着などの物理的堆積方法やメッキ法により形成されるものであり、少なくとも発熱体13との対向面及びリード15との対向面に形成される。金属薄膜を構成する材料としては、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Pt、Pdのうちの少なくとも1つを採用することができる。
接合部材23としては、熱伝導性が良好であり、発熱体13と熱拡散部材12とを接合できるものであれば良い。例えば接合部材22同様、単一金属(例えばAg)のナノ粒子を焼結してなるものを採用することができる。
発熱体13は、駆動時(動作時)に発熱するものである。例えばシリコンなどの半導体基板に素子が形成されてなる半導体素子を採用することができる。本実施形態では、発熱体13として、半導体基板の両面に電極を有し、半導体基板の厚さ方向に電流が流れる縦型のIGBTを採用している。なお、両面に電極を有する縦型の半導体素子としては、IGBT以外にも、MOSFETやFWD(転流ダイオード)などを採用することができる。
熱拡散部材12の一面12aに搭載される発熱体13の個数は特に限定されるものではない。本実施形態では、図1に示すように発熱体13を1つのみ示すが、複数の発熱体13を備える構成としても良い。
この発熱体13も、熱拡散板30同様、その表面に接合部材23との接合性を向上させるための図示しない金属薄膜を有しても良い。金属薄膜は、スパッタや蒸着などの物理的堆積方法やメッキ法により形成されるものであり、少なくとも熱拡散部材12との対向面に形成される。
このような発熱体モジュール10は、例えば以下に示す製造方法により形成することができる。先ず、発熱体モジュール10を構成する各部材(冷却器11、熱拡散部材12、発熱体13、電気絶縁層14、リード15)を準備する。ここで、熱拡散部材12としては、第2方向1cにおいて複数のブロック31に分割されるとともに、各ブロック31が接続部材32により一体化された熱拡散板30を準備する。そして、図1に示すように、隣り合う部材を接合部材20,21,22,23により接合することで、発熱体モジュール10を得ることができる。
次に、上記した熱拡散部材12及び発熱体モジュール10の特徴部分の効果について説明する。
本実施形態の発熱体モジュール10においては、発熱体13の熱が、接合部材23を介して熱拡散部材12の熱拡散板30に伝達され、第1方向1b(長手方向)に沿って外周側に拡がりつつ板厚方向1aにおいて冷却器11側に拡がる。そして、この熱は、接合部材22を介してリード15に伝導され、さらに接合部材21、電気絶縁層14、及び接合部材20を介して冷却器11に至る。冷却器11においては、上記のように伝導された発熱体13の熱が、内部通路を流通する冷却媒体に移動され、これにより発熱体13は冷却される。
本実施形態では、熱拡散部材12として、互いに直交する3軸方向のうち、2軸方向において高熱伝導性を有し、残りの1軸方向において低熱伝導性を有する配向性の炭素系材料を用いて形成された熱拡散板30を採用する。また、熱拡散板30は、発熱体13の搭載面である一面12aに対して垂直な方向を板厚方向1aとし、板厚方向1aと一面12aに沿う第1方向1bとの熱伝導率が、板厚方向1a及び第1方向1bに垂直な第2方向1cの熱伝導率よりも高くなるように配置される。この熱拡散板30により、板厚方向1aと、板厚方向1aに垂直な一面12aに沿う一方向(第1方向1b)とに熱が拡散されるため、発熱体13から冷却器11に対して効率よく熱を移動させ、放熱性を向上することができる。
また、上記した配向性の炭素系材料は、高熱伝導方向の線膨張係数に較べて、低熱伝導方向の線膨張係数が高いという、線膨張係数の異方性を有する。そこで、本実施形態では、熱伝導率の異方性と線膨張係数の異方性との関係に着目し、熱拡散板30を、線膨張係数の高い第2方向1cにおいて複数のブロック31に分割している。このため、熱拡散板30と板厚方向1aにおいて熱拡散板30の隣に位置する部材(本実施形態では、発熱体13、リード15)との線膨張係数差に基づき生じる熱応力を、熱拡散板30の各ブロック31における第2方向の膨張・収縮により、緩和(低減)することができる。なお、このような熱応力は、例えば接合部材22により、加熱しつつ熱拡散部材12とリード15とを接合する際、接合部材23により、加熱しつつ熱拡散部材12と発熱体13とを接合する際に生じる。
また、熱応力は歪量に比例し、歪量は、線膨張係数差に比例するとともに2つの部材の接合界面の長さにも比例する。このため分割すると、熱拡散板30を分割しない構成に較べて接合界面の長さが短くなり、さらに線膨張係数の高い第2方向1cにおいて分割する効果と相俟って、歪量、ひいては熱応力を効果的に低減することができるとも言える。
また、高熱伝導方向である第1方向1bにおいて熱拡散板30を分割するのではなく、低熱伝導方向である第2方向1cにおいて熱拡散板30を分割する。このため、分割構造により、板厚方向1aに対して垂直な方向への熱の拡がりが制限されるのを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、放熱性を向上しつつ熱応力を低減することができる。
また、本実施形態では、複数のブロック31が、該ブロック31を構成する炭素系材料よりもヤング率の低い接続部材32により接続され、一体化されている。このため、ブロック31が膨張・収縮し、熱応力を低減することができる。また、各ブロック31が一体化されて1層の熱拡散板30をなすため、熱拡散板30の取り扱い、例えば発熱体モジュール10の製造において、熱拡散板30(熱拡散部材12)の位置決めや接合が容易となる。
なお、本実施形態では、熱拡散部材12を、発熱体13で生じた熱が冷却器11に移動され、発熱体13が冷却される発熱体モジュール10に適用する例を示した。しかしながら、その適用範囲は上記例に限定されるものではない。
また、歪量(ひいては熱応力)は、温度にも比例する。このため、熱拡散部材12に接する接合部材22,23として、低温での接合が可能なナノ粒子の焼結体を採用することが好ましい。この焼結体は、以下に示す方法(接合部材23で例示)で形成することができる。先ず、金属ペーストを準備する。金属ペーストとは、周囲を有機保護膜でコーティングされたナノサイズ(例えば粒子径が1nm〜100nm)の金属粒子を溶媒中に分散させたペースト状のものである。接合部材23に隣接する発熱体13及び熱拡散部材12の少なくとも一方に金属ペーストを塗布(例えばスクリーン印刷)する。そして、加熱して有機保護膜や溶媒を熱分解して揮発させると、金属ナノ粒子の表面が露出され、金属ナノ粒子同士が互いに金属結合を形成する。金属ナノ粒子の場合、表面の活性度が高いため、この加熱を低温(例えば最高温度300度以下)で実施することができる。したがって、発熱体13と熱拡散部材12の線膨張係数差に基づいて生じる熱応力を低減することができる。同様に、熱拡散部材12とリード15の線膨張係数差に基づいて生じる熱応力を低減することもできる。
また、接合部材22,23を単一金属とすると、合金系である一般的なはんだ材料に較べて熱伝導率が高いため、放熱性を向上することができる。
(変形例)
本実施形態では、接続部材32によりブロック31が一体化されてなる熱拡散板30の例を示した。すなわち、第2方向1cにおいて、隣り合うブロック31間に、接続部材32が介在される例を示した。しかしながら、図3に示すように、各ブロック31が分離独立した構成、すなわち接続部材32により一体化されていない構成を採用することができる。これによれば、一体化された構成に較べて、ブロック31が第2方向1cに膨張・収縮しやすいため、熱応力を効果的に低減することができる。なお、図3では、分離独立状態を明確にするために、隣り合うブロック31間に空隙を示しているが、隣り合うブロック31が接触していても良い。
また、図4に示すように、接合部材22が、隣り合うブロック31間に介在され、接続部材32の機能を果たす構成を採用することもできる。これによれば部品点数を削減するとともに、製造工程を簡素化することもできる。なお、接合部材22は、熱拡散部材12とリード15とを接合する際に、毛細管現象によって隣り合うブロック31を発熱体13側に濡れ広がることで、ブロック31間に介在される。なお、図4では、接合部材22の例を示したが、接合部材23についても同様である。
本実施形態では、発熱体13として縦型の半導体素子を有し、発熱体モジュール10が、熱拡散部材12と冷却器11との電気的な接続を防止する電気絶縁層14と外部接続端子としてのリード15を備える例を示した。しかしながら、発熱体13として、LDMOSなどの横型の半導体素子を採用する場合には、図5に示すように、電気絶縁層14とリード15を有さない構成を採用することができる。図5では、接合部材24を介して冷却器11と熱拡散部材12が接合されている。接合部材24としては、特に限定されるものではないが、接合部材22,23同様、ナノ粒子の焼結体を採用することが好ましい。
本実施形態では、予め複数のブロック31に分割された熱拡散板30を用いて、該熱拡散板30(熱拡散部材12)とリード15、発熱体13をそれぞれ接合する例を示した。しかしながら、熱拡散板30を該熱拡散板30の隣に位置する部材と加熱しつつ接合する際に接合界面に生じる熱応力を利用し、熱拡散板30を第2方向1cにおいて複数のブロック31に分割しても良い。一例を図6(a),(b)に示す。
先ず、板厚方向1a及び第1方向1bに高熱伝導性を有し、第2方向1cに低熱伝導性を有する配向性の熱拡散板30であって、その表面に板厚方向1a及び第1方向1bの少なくとも一方に沿って延びる溝部30aを有するものを準備する。換言すれば、板厚方向1a及び第1方向1bにて規定されるグラファイトのab面に沿って溝部30aが形成された熱拡散板30を準備する。なお、ここでの熱拡散板30は、薄板33を積層・一体化してなるものではなく、例えばガス状とした材料(グラファイト材料)を平面の上に吹き付けていくことで形成されたものである。すなわち積層板でなく、単板である。
図6(a)に示す例では、平面矩形状の熱拡散板30の表面のうち、リード15との接合面30bに第1方向1bに沿って延びる溝部30aが形成されている。また、第2方向1cにおいて熱拡散板30を等距離で分けるように、3つの溝部30aが第2方向1cに等間隔で形成されている。
次に、溝部30aを有する熱拡散板30を接合する。図6(b)には、熱拡散板30をリード15に加熱しつつ接合する例を示す。接合部材22を介してリード15と熱拡散板30を接合する際、熱拡散板30とリード15の接合界面に熱応力が生じる。ここで、上記したように、熱拡散板30には、グラファイトのab面に沿って溝部30aが形成されている。また、第2方向1cは、ファンデルワールス力で結び付けられている。このため、熱応力により溝部30aに沿ってクラックが進展し、熱拡散板30は、第2方向1cにおいて複数のブロック31(図6では4つ)となる。
このように、溝部30aを設けておき、接合時の熱応力を利用すると、接合前に、熱拡散板30を分割する方法に較べて、製造時間を短縮することができる。また、接合時に分割するため、分割した各ブロック31を板厚方向1aにおいて隣に位置する部材とそれぞれ接合する方法に較べて、位置決め等の手間を省き、製造工程を簡素化することもできる。
また、図6に示す例のように、溝部30aを、熱拡散板30における接合部材22との接触面(接合面30b)に設けると、熱応力が生じる接合界面に溝部30aがあるため、熱応力により、熱拡散板30を容易に分割することができる。
なお、溝部30aの形成位置としては、上記接合面30bに限定されず、板厚方向1a及び第2方向1cに直交する面を除く面に、第1方向1bに沿う溝部30aを設けても良い。また、図6(b)では、分割された状態を明確にするために、隣り合うブロック31間に空隙を示しているが、隣り合うブロック31が接触していても良い。また、図6では、熱拡散板30とリード15との接合を例に示したが、熱拡散板30の接合対象としては特に限定されるものではない。発熱体13、電気絶縁層14、冷却器11、該熱拡散板30とともに熱拡散部材12を構成する他の熱拡散板(第2実施形態参照)との接合の熱応力により、熱拡散板30を分割しても良い。
(第2実施形態)
第1実施形態では、熱拡散部材12が熱拡散板30のみを有する例を示した。これに対し、本実施形態では、熱拡散部材12が複数の熱拡散板を有する。そして、第2方向が互いに異なるように各熱拡散板が配置されることを特徴とする。
図7及び図8では、一例として、熱拡散板30と熱拡散板34の2層により熱拡散部材12が構成されている。なお、図8では、便宜上、2つの熱拡散板30,34を接合する接合部材25を省略している。
2つの熱拡散板30,34は、接合部材25を介して積層方向1aに積層されている。熱拡散板30は、その構成及び配置が、第1実施形態に示した熱拡散板30と同じである。一方、熱拡散板34は、その構成が第1実施形態に示した熱拡散板30とほぼ同じである。すなわち、熱拡散板30,34は、いずれもグラファイトからなる薄板33を積層・一体化してなる。異なる点は、熱拡散板34の第1方向2b及び第2方向2cが、熱拡散板30の第1方向1b及び第2方向1cと異なる点である。
なお、熱拡散板30がリード15側、熱拡散板34が発熱体13側となっている。また、リード15と熱拡散板30の間に介在された接合部材22、発熱体13と熱拡散板34の間に介在された接合部材23は、第1実施形態に示した接合部材22,23と同じ構成となっている。
熱拡散板30は、発熱体13の搭載面である一面12aに垂直な板厚方向1aと、一面12aに沿う方向のうちの第1方向1bとに高熱伝導性を有し、板厚方向1a及び第1方向1bに垂直な第2方向1cに低熱伝導性を有する。
熱拡散板30は、第1実施形態同様、その板厚方向1aに直交する第2方向1cにおいて4つのブロック31に分割されている。また、第2方向1cにおいて隣り合うブロック31は接続部材32により接続され、各ブロック31は熱拡散板30として一体化されている。
そして、各ブロック31において、薄板33の幅方向が板厚方向1aと一致し、薄板33の長手方向が、高熱伝導性の第1方向1bと一致し、薄板33の厚さ方向(積層方向)が第2方向1cと一致している。このため、熱拡散板30の板厚方向1a及び第1方向1bは、高熱伝導性を有し、熱拡散板30の第2方向1cは、低熱伝導性を有している。図7では、紙面上下方向が板厚方向1a、紙面と直交する方向が第1方向1b、紙面左右方向が第2方向1cとなっている。
一方、熱拡散板34は、発熱体13の搭載面である一面12aに垂直な板厚方向2aと、一面12aに沿う方向のうちの第1方向2bとに高熱伝導性を有し、板厚方向2a及び第1方向2bに垂直な第2方向2cに低熱伝導性を有する。
熱拡散板34も、その板厚方向2aに直交する第2方向2cにおいて4つのブロック35に分割されている。また、第2方向2cにおいて隣り合うブロック35は接続部材36により接続され、各ブロック35は熱拡散板34として一体化されている。
そして、各ブロック35において、薄板33の幅方向が板厚方向2aと一致し、薄板33の長手方向が、高熱伝導性の第1方向2bと一致し、薄板33の厚さ方向(積層方向)が第2方向2cと一致している。このため、熱拡散板34の板厚方向2a及び第1方向2bは、高熱伝導性を有し、熱拡散板34の第2方向2cは、低熱伝導性を有している。図7では、紙面上下方向が板厚方向2a、紙面左右方向が第1方向2b、紙面と直交する方向が第2方向2cとなっている。すなわち、熱拡散板30,34において、板厚方向1a,2aが一致し、第1方向1b,2b同士が直交し、第2方向1c,2c同士が直交する位置関係となっている。換言すれば、2つの熱拡散板30,34において、薄板33の厚さ方向(積層方向)のなす角度がほぼ90度となっている。
なお、接続部材36としては、接続部材32同様、ブロック35を構成する炭素系材料よりもヤング率の低い材料(はんだ、Agペースト、樹脂接着剤など)を採用することができる。
そして、2つの熱拡散板30,34は、板厚方向1a,2aに積層されるとともに、接合部材25によって接合されている。接合部材25としては、特に限定されるものではないが、接合部材22,23同様、ナノ粒子の焼結体を採用することが好ましい。このような接合部材25は、金属ナノ粒子を分散してなる金属ペーストを、2つの熱拡散板30,34の互いに対向する面の少なくとも一方に塗布し、加熱することで得ることができる。

このように本実施形態では、2つの熱拡散板30,34の板厚方向1a,2aに垂直な方向において、熱拡散板30における熱伝導性に優れる第1方向1bと、熱拡散板34における熱伝導性に優れる第1方向2bとがほぼ直交する位置関係となっている。このため、2つの熱拡散板30,34を、互いに積層されてなる1つの熱拡散部材12としてみたときに、板厚方向1a,2aに加えて、該板厚方向1a,2aに直交する2方向に良好な熱伝導性を有するものとすることができる。すなわち、3軸方向において熱伝導性に優れた熱拡散部材12とすることができ、熱拡散部材12が熱拡散板30のみを有する構成に較べて、より効率よく発熱体13を冷却することができる。
なお、本実施形態では、板厚方向1a,2aにおいて、発熱体13から熱拡散板34,30を通じて冷却器11側に熱を伝導させるとともに、板厚方向1a,2aに垂直な方向において熱拡散部材12(2つの熱拡散板30,34)の側面から外部雰囲気に熱を逃がすこともできる。
また、本実施形態においても、熱拡散板30を、線膨張係数の高い第2方向1cにおいて複数のブロック31に分割している。このため、熱拡散板30と板厚方向1aにおいて熱拡散板30の隣に位置する部材(本実施形態では、リード15、熱拡散板34)との線膨張係数差に基づき生じる熱応力を、熱拡散板30の各ブロック31における第2方向1cの膨張・収縮により、緩和(低減)することができる。また、熱拡散板34を、線膨張係数の高い第2方向2cにおいて複数のブロック35に分割している。このため、熱拡散板34と板厚方向2aにおいて熱拡散板34の隣に位置する部材(本実施形態では、熱拡散板30、発熱体13)との線膨張係数差に基づき生じる熱応力を、熱拡散板34の各ブロック35における第2方向2cの膨張・収縮により、緩和(低減)することができる。
また、高熱伝導方向である第1方向1b,2bにおいて熱拡散板30,34を分割するのではなく、低熱伝導方向である第2方向1c,2cにおいて熱拡散板30,34を分割する。このため、分割構造により、板厚方向1a,2aに対して垂直な方向への熱の拡がりが制限されるのを抑制することができる。以上により、本実施形態によれば、放熱性をより向上しつつ熱応力を低減することができる。
なお、本実施形態では、熱拡散板30,34において、第2方向1c,2c同士のなす角度がほぼ90度である例を示した。しかしながら、角度は90度に限定されるものではない。第2方向1c,2cが互いに異なっていれば、第2方向1c,2cが一致する(すなわち第1方向1b,2bも一致する)構成に較べて、熱拡散部材12の放熱性(熱伝導性)を向上することができる。
また、本実施形態では、熱拡散部材12として2つの熱拡散板30,34を有する例を示したが、3つ以上の熱拡散板を有する構成としても良い。この場合、各熱拡散板で板厚方向を一致させ、低熱伝導方向である第2方向が互いに異なるように配置すれば良い。
また、本実施形態に示す、複数の熱拡散板を備える構成に、第1実施形態の変形例に示す構成を組み合わせることもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、熱拡散部材12と電気絶縁層14の間に、外部接続端子としてのリード15が介在され、このリード15と熱拡散部材12が接合される例を示した。しかしながら、リード15の配置は上記例に限定されるものではない。
例えば図9及び図10に示すように、熱拡散部材12と発熱体13の間にリード15が配置された構成とすることもできる。図9は、第1実施形態に示した構成において、リード15の配置を、熱拡散部材12と発熱体13の間としたもの、図10は、第2実施形態に示した構成において、リード15の配置を、熱拡散部材12と発熱体13の間としたものを示している。なお、図9及び図10に示す符号26は、熱拡散部材12と電気絶縁層14とを接合する接合部材である。また、符号27は、発熱体13とリード15とを接合する接合部材である。
このような構成とすると、発熱体13をリード15との間に熱拡散部材12が存在しないため、熱拡散部材12による電気抵抗分を減らして、リード15を発熱体13の電力取出し部として活用することができる。
また、図11及び図12に示すように、熱拡散部材12の一面12aにリード15と発熱体13が接合され、リード15が発熱体13と接合されずに熱拡散部材12のみと接合された構成としても良い。このような構成とすると、発熱体13で生じた熱が、リード15を介さずに冷却器11まで伝導されるため、リード15による熱抵抗分、冷却効率を向上することができる。
また、熱拡散部材12が、複数の熱拡散板を積層・一体化してなる構成においては、熱拡散板の間にリード15を配置しても良い。一例として示す図13では、熱拡散板30,34の間にリード15が配置され、熱拡散板30とリード15が接合部材21により接合され、リード15と熱拡散板34が接合部材21により接合されている。
このような構成とすると、発熱体13とリード15の間に熱拡散板30が存在しないため、熱拡散板30による電気抵抗分を減らして、リード15を発熱体13の電力取出し部として活用することができる。
本実施形態では、発熱体13として、半導体基板の両面に電極を有する縦型の半導体素子を、発熱体13の片面側のみで冷却する例を示した。しかしながら、発熱体13の両面で冷却する構成とすることもできる。一例として図14に示す発熱体モジュール10は、第1実施形態に示した発熱体モジュール10を、発熱体13を共通として、板厚方向1aに2つ重ねた構造を有している。
図14において、発熱体13から紙面下方に位置する部分は、第1実施形態に示す発熱体モジュール10と同じ構成となっている。発熱体13の下面13aと反対の面(以下、上面13bと示す)には、接合部材28により金属ブロック16が接合されている。この金属ブロック16は、発熱体13の上面13b側の電極と、上面13b上に位置するリード15とを電気的に接続するとともに、発熱体13と上面13b上に位置する冷却器11とを熱的に接続するターミナル(中継部材)としての機能を果たすものである。
そして、金属ブロック16における発熱体13と反対側の面には、接合部材29により、熱拡散部材12が接合されている。熱拡散部材12よりも紙面上方に位置する部分は、第1実施形態(図1参照)に示す発熱体モジュール10の、熱拡散部材12よりも紙面下方の部分と同じ構成となっている。
なお、接合部材28としては、熱伝導性及び導電性が良好であり、発熱体13と金属ブロック16を接合できるもの(半田など)を採用することができる。もちろん、金属ナノ粒子の焼結体でも良い。この場合には、接合界面の熱応力低減と、より高い熱伝導性能が期待できる。同様に、接合部材29としては、熱伝導性及び導電性が良好であり、金属ブロック16と熱拡散部材12を接合できるもの(半田など)を採用することができる。もちろん、金属ナノ粒子の焼結体でも良い。この場合には、接合界面の熱応力低減と、より高い熱伝導性能が期待できる。
このような構成とすると、発熱体13の下面13a及び上面13bの両側に熱拡散部材12及び冷却器11が存在するので、発熱体13を効率よく冷却することができる。また、発熱体13の両面側それぞれにおいて、熱拡散板30が第2方向1cにおいて分割されているため、熱応力を低減することができる。
また、発熱体13の両面13a,13b側にリード15がそれぞれ存在するため、各リード15を発熱体13の電力取出し部としてそれぞれ活用することができる。
なお、図14では、発熱体13の上面13b側に位置する熱拡散部材12の熱拡散板30と、発熱体13の下面13a側に位置する熱拡散部材12の熱拡散板30とで、板厚方向1aだけでなく、第1方向1b同士、第2方向1c同士がそれぞれ一致する例を示した。しかしながら、第2方向1cが互いに異なる(この場合、第1方向1bも互いに異なる)構成としても良い。
また、図14では、第1実施形態に示す発熱体モジュール10を基礎とする両面放熱構造の例を示した。しかしながら、その他の実施形態及び変形例に示した構成において、両面放熱構造を採用することもできる。
1a,2a・・・板厚方向
1b,2b・・・第1方向
1c,2c・・・第2方向
10・・・発熱体モジュール
11・・・冷却器
12・・・熱拡散部材
13・・・発熱体
14・・・電気絶縁層
15・・・リード
30,34・・・熱拡散板
31,35・・・ブロック
32,36・・・接続部材
33・・・薄板

Claims (9)

  1. 冷却器と、
    炭素系材料を用いて形成された熱拡散板を少なくとも1層有し、前記冷却器上に配置された熱拡散部材と、
    前記熱拡散部材の前記冷却器と反対の一面上に配置された発熱体と、一体的に備え、
    前記発熱体で生じた熱が、前記熱拡散部材を介して前記冷却器に移動され、前記発熱体が冷却される発熱体モジュールであって、
    前記熱拡散板は、前記一面に垂直な板厚方向と前記一面に沿う第1方向の熱伝導率が、前記板厚方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高く、且つ、前記第2方向において複数のブロックに分割されており、
    前記複数のブロックは、互いに分離独立していることを特徴とする発熱体モジュール。
  2. 前記熱拡散部材は、前記熱拡散板を複数層有し、
    前記複数の熱拡散板は、前記板厚方向に積層されるとともに隣り合う前記熱拡散板が接合部材により接合され、且つ、前記第2方向が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の発熱体モジュール。
  3. 前記熱拡散部材は、前記発熱体と電気的に接続されており、電気絶縁層を介して前記冷却器上に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発熱体モジュール。
  4. 冷却器と、
    炭素系材料を用いて形成された熱拡散板を少なくとも1層有し、前記冷却器上に配置された熱拡散部材と、
    前記熱拡散部材の前記冷却器と反対の一面上に配置された発熱体と、一体的に備え、
    前記発熱体で生じた熱が、前記熱拡散部材を介して前記冷却器に移動され、前記発熱体が冷却される発熱体モジュールの製造方法であって、
    前記熱拡散板として、前記一面に垂直な板厚方向と前記一面に沿う第1方向の熱伝導率が、前記板厚方向及び前記第1方向に垂直な第2方向の熱伝導率よりも高く、且つ、その表面に前記第1方向及び前記板厚方向の少なくとも一方に沿って延びる溝部を有するものを準備し、
    前記溝部を有する熱拡散板と、前記板厚方向において前記熱拡散板の隣に位置する部材とを、接合部材を介して加熱しつつ接合するとともに、熱応力により前記溝部に沿って前記熱拡散板を分割し、前記熱拡散板を前記第2方向において複数のブロックとすることを特徴とする発熱体モジュールの製造方法。
  5. 前記溝部を、前記熱拡散板における接合部材との接触面に設けることを特徴とする請求項4に記載の発熱体モジュールの製造方法。
  6. 前記熱拡散板の隣に位置する部材とは、前記発熱体であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発熱体モジュールの製造方法。
  7. 前記熱拡散板の隣に位置する部材とは、前記冷却器であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発熱体モジュールの製造方法。
  8. 前記熱拡散板は、前記発熱体と電気的に接続され、
    前記熱拡散板の隣に位置する部材とは、前記熱拡散板と前記冷却器との間に設けられる電気絶縁層であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発熱体モジュールの製造方法。
  9. 前記熱拡散部材は、前記熱拡散板を複数層有し、
    前記溝部を有する熱拡散板同士を接合する際の熱応力により、各熱拡散板をそれぞれの第2方向において複数のブロックとすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発熱体モジュールの製造方法。
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