JP6038833B2 - 締結構造体及び締結方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、タッピングネジを用いて部材同士を締結する締結構造体及び締結方法に関する。
例えば、平板状の主部材に対して、平板状の副部材を固定するとともに、前記主部材と前記副部材とを一体化する締結構造として、一般的に、主部材と副部材とをともに貫通させたボルトとナットとを螺合して、螺合したボルトとナットとで主部材と副部材を挟持して締結する方法によるものが多用されている。
しかしながら、上述のような締結構造の場合、締結対象部材の両側で締結作業が必要となるため、例えば、特許文献1において開示されるように、副部材側の作業のみで締結できるタッピングネジを用いることがある。
タッピングネジとは、セルフフォーミングネジともいい、主部材に形成した下穴に対して螺入する際に、タッピングネジに備えたネジ山が、下穴にネジ溝を形成しながら螺合することで締結できるネジ部材である。
そして、特許文献1では、タッピングネジの径に対して、下穴に対するタッピングネジの埋め込み長が1〜2.2倍となる締結構造が開示されているが、主部材が平板状である場合、上述のような埋め込み長が確保された締結構造体を得ることはできなかった。
特開2010−19391号公報
そこで、この発明は、タッピングネジを用いて、板状の主部材と副部材とを構造的に一体化することができる締結構造体を提供することを目的とする。
この発明は、平板状の主部材に対して、副部材を固定するとともに、前記主部材と前記副部材とを一体化する締結構造体であって、前記主部材の所定箇所に形成した非貫通穴に対して、前記副部材を貫通したタッピングネジを螺入して接合され、前記主部材が前記タッピングネジの径以下の厚みで形成され、前記非貫通穴に対する前記タッピングネジの螺入量に応じた螺合強度に対して、一体化した前記主部材及び前記副部材に対して作用する設定荷重が作用した際に、前記タッピングネジが破断するように前記タッピングネジが配置され、前記タッピングネジの径に対して1/3以上の深さで前記非貫通穴に前記タッピングネジが螺入されたことを特徴とする。
上述の一体化は、タッピングネジによって支圧接合された主部材と副部材とが、一部材として評価できるように接合された状態であることを含む概念である。
上述のタッピングネジは、タッピングネジに備えたネジ山が、下穴にネジ溝を形成しながら螺合することで締結できるネジ部材であり、頭つきのタップネジや、ナットの螺合を許容するタッピングボルトを含むものとする。
この発明により、板状の主部材と副部材とを、構造的に一体化することができる。
詳述すると、前記タッピングネジの径以下の厚みの前記主部材の所定箇所に形成された非貫通穴に対して、前記副部材を貫通したタッピングネジを、前記タッピングネジの径に対して1/3以上の深さで螺入することで、下穴が主部材を貫通することに起因する主部材の強度低下が生じることなく、構造的に一体化すると評価できる締結構造体を実現することができる。
また、前記非貫通穴に対する前記タッピングネジの螺入量に応じた螺合強度に対して、一体化した前記主部材及び前記副部材に対して作用する設定荷重が作用した際に、前記タッピングネジが破断するように前記タッピングネジが配置されているため、複数のタッピングネジを用いた締結構造において、タッピングネジの強度や、前記非貫通穴に対する前記タッピングネジの螺入量に応じた螺合強度に基づいて、タッピングネジの設置間隔を設定するため、確実に一体化することができる締結構造体を構成できる。
またこの発明の態様として、前記主部材の底面に前記非貫通穴を設けるとともに、前記タッピングネジを、前記非貫通穴に対して上向きに螺入することができる。
この発明により、主部材の底面から下向きに突出するように、タッピングネジを螺入するだけで締結構造体を構成できるため、例えば、供用中の高架道路の下面において、補強版を取り付けて補強する場合であっても、底面側からの施工のみで補強構造を構成できるため、通行止め等の交通規制や舗装面を除去する必要がなく、低コストかつ効率的に施工することができる。
この発明によれば、タッピングネジを用いて、板状の主部材と副部材とを構造的に一体化することができる締結構造体を提供することができる。
タッピング締結構造体の断面図。 タッピング締結構造体の分解斜視図。 タッピング締結構造体の説明図。 タッピング締結構造体に対する疲労試験についての説明図。 複数本のタップネジを用いたタッピング締結構造体の説明図。 タッピング締結構造体の拡大図。 タッピング締結構造体の分解斜視図。 タッピング締結構造体の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態のタッピング締結構造体1について、図1及び図5とともに説明する。
なお、図1はタップネジ10を用いたタッピング締結構造体1の断面図を示し、図2はタッピング締結構造体1の分解斜視図を示し、図3はタッピング締結構造体1の施工順序についての説明図を示している。
また、図4はタッピング締結構造体1に対する疲労試験についての説明図を示し、図5は、複数本のタップネジ10を配置したタッピング締結構造体1についての説明図を示している。
タッピング締結構造体1は、タップネジ10によって主部材2と副部材4とを締結した締結構造体であり、タップネジ10とワッシャ40とで構成している。
タッピング締結構造体1を構成するタップネジ10は、ネジ頭部11と、ネジ軸部20と、ネジ軸部20の外周に形成したタップネジ部21とで構成している。
タップネジ部21は、主部材2の表面2aの所定位置にあらかじめ形成された下穴3の内表面にネジ溝を形成しながらタップネジ10を螺入するためのネジ山である。
なお、下穴3は、主部材2の厚みに比べて3/4程度の深さで形成した非貫通の穴であり、例えば、12mm厚の主部材2の場合、下穴3は9mmの深さで形成し、3mmの厚みが残るように下穴3を形成している。詳しくは、下穴3が貫通することによる主部材2の強度低下を考慮して、下穴3は非貫通とし、さらには、螺合状態において主部材2の強度低下に影響しないように所定の厚みを残して下穴3を形成している。
ワッシャ40は、高力ボルト用座金で構成する平型ワッシャであり、副部材4のボルト穴4aより径大な外径と、タップネジ10のネジ軸部20より径大かつネジ頭部11より径小な内径を有するリング状である。
なお、上述の説明では、ワッシャ40とタップネジ10とを別体で構成しているが、ワッシャ40をタップネジ10と一体化していてもよい。
主部材2及び副部材4は、主に鋼板で構成されるほか、主部材2は鋼製箱桁、鋼床版等の鋼構造物であってもよく、副部材4は、UFC等どのような素材を用いるものであってもよい。
このように構成したタッピング締結構造体1において、タップネジ10により副部材4を主部材2に固定するためには、図3(a)に示すように、まず、主部材2の表面2aにおける所定箇所に下穴3をあらかじめ形成しておく。
そして、図3(b)に示すように、主部材2の下穴3と、副部材4のボルト穴4aが連通するように副部材4を配置し、ワッシャ40を介して、副部材4のボルト穴4aを貫通するように主部材2の下穴3にタップネジ10を螺入して、下穴3に所定の深さのネジ溝を形成しながらタッピング締結構造体1を構成する(図1参照)。
なお、副部材4に設けたボルト穴4aは、図1に示すように、タップネジ10におけるタップネジ部21のネジ山の頂部を通る見かけの外径と略同一に形成することが好ましいが、更には、ボルト穴4aを見かけの外径より小径に形成することがより好ましい。
このように構成したタッピング締結構造体1では、タップネジ部21と下穴3とを螺合させた状態において、タップネジ10に引っ張り力が作用した際には、タップネジ部21と下穴3との接触面(ネジ溝)が塑性変形してタップネジ10が主部材2から脱落するより先にネジ軸部20又はネジ頭部11が破断するように、主部材2に対するタップネジ10の取付強度、すなわち下穴3とタップネジ部21との埋め込み長等に応じた螺合強度を設定している。
このように、平板状の主部材2に対して、平板状の副部材4を固定するとともに、主部材2と副部材4とを一体化するタッピング締結構造体1では、主部材2の所定箇所に形成した下穴3に対して、副部材4を貫通したタップネジ10のタップネジ部21を螺入して接合することにより、板状の主部材2と板状の副部材4とを、構造的に一体化することができる。
詳述すると、主部材2の所定箇所に形成した未貫通の下穴3に対して、副部材4のボルト穴4aを貫通したタップネジ10のタップネジ部21を螺入することで、主部材2の強度が低下することなく、構造的に一体化すると評価できる締結構造体を実現することができる。
より具体的には、副部材4に設けたボルト穴4aを、タップネジ10におけるタップネジ部21のネジ山の頂部を通る見かけの外径と略同一、あるいは小径に形成して、下穴3にタップネジ10を螺合することで、確実な支圧接合を実現し、板状の主部材2と板状の副部材4とを、構造的に一体化することができる。
また、下穴3を、主部材2の厚みの3/4以下の深さで形成するとともに、タップネジ10のネジ軸部20の径に対して1/3以上の深さで下穴3にタップネジ10を螺入することにより、下穴3を形成した主部材2の強度を確保しながら、タップネジ10と下穴3との埋め込み長を確保できるため、主部材2に対するタップネジ10の取付強度、すなわち下穴3とタップネジ部21との螺合強度を確保することができる。したがって、主部材2と副部材4とを構造的に確実に一体化できる締結強度を有する締結構造体を実現することができる。
なお、このように構成したタッピング締結構造体1の締結強度を評価するために行った疲労試験について、図4とともに説明する。
図4(a)に示すように、タップネジ10を螺合した試験体に対して、所定の負荷を繰り返し作用させる引張疲労試験を実施した。試験体は12mm厚のSM490YBである主部材の中央部分にφ11.5mmの未貫通の下穴を設け、9mm厚のSS400である副部材に設けた同径の貫通孔を介してφ12mmのタップネジを主部材及び副部材にトルクレンチ等を用いて締め込み、下穴とタップネジとが嵌合するようにしている。引張疲労試験における繰り返し数の上限は1,000万回とし、周波数は5Hzとした。
当該試験体に対して引張疲労試験を実施した結果、図4(b)に示すように、未貫通の下穴3にタップネジ10を螺入した主部材2は、概ねC等級を上回る疲労強度を確認することができた。
このことから、未貫通の下穴3にタップネジ10を螺入した主部材2は、十分な強度を有しており、主部材2及び副部材4をタップネジ10で締結したタッピング締結構造体1は、強固に締結されているため、構造的に一体化されていると評価できることを確認できた。
なお、このように構成するタップネジ10を複数本用いるタッピング締結構造体1では、タッピング締結構造体1に作用するものとして設定する設計荷重に応じて、ネジ軸部20の強度、及び主部材2に対するタップネジ10の取付強度に基づいて設置間隔や配置を設定する。
具体的には、ネジ軸部20の材質及び断面径、並びに下穴3への埋め込み長に基づいて定まるせん断強度と、安全率とに基づいて限界せん断力を算定し、限界せん断力と設計荷重によるせん断力とに基づいて、図5(a)に示すようにピッチpで配置したり、図5(b)に示すようにピッチp及び間隔wで配置したりするように、タップネジ10の設置間隔を設定する。
しかしながら、下穴3は、上述したような理由により主部材2を貫通しないため、下穴3の深さが主部材2の厚みによって制限される。つまり、主部材2に対するタップネジ10の取り付け強度(螺合強度)に影響する埋め込み長(螺入量)には制限があるため、所定のせん断強度を得るためには、ネジ軸部20の強度及び断面径を調整することとなる。このようにして、埋め込み長が制限された下穴3に螺合させるタップネジ10の強度及び断面径を調整しながら、施工効率及び施工や材料コストのバランスをとって設置間隔や配置を設定する。
また、複数本のタップネジ10を用いる場合であっても、一体化した主部材2及び副部材4に対して作用するとされる設計荷重に対して、下穴3に対するネジ軸部20の断面径及び埋め込み長に応じた螺合強度及びネジ軸部20の強度に応じて、タップネジ10を配置することにより、確実に一体化することができる締結構造体を構成することができる。
続いて、別の実施形態のタッピング締結構造体100について、図6乃至8とともに説明する。
図6はタッピングボルト110を用いたタッピング締結構造体100の断面図を示し、図7はタッピング締結構造体100の分解斜視図を示し、図8はタッピング締結構造体100の施工順序についての説明図を示している。なお、前述の実施例と共通するものについては、説明を省略する。
タッピング締結構造体100は、タッピングボルト110、ワッシャ40、及び固定ナット150とで構成している。
タッピング締結構造体100を構成するタッピングボルト110は、ボルト軸部120と、主部材2にボルト軸部120を植設するために、ボルト軸部120の端部に形成したタッピングネジ部130とで構成している。
タッピングネジ部130は、主部材2の表面2aの所定位置にあらかじめ形成された下穴3の内表面にネジ溝を形成しながらタッピングボルト110を螺合するためのネジ山である。
ワッシャ40は、高力ボルト用座金で構成する平型ワッシャであり、副部材4のボルト穴4aより径大な外径と、タッピングボルト110のボルト軸部120より径大な内径を有するリング状である。
固定ナット150は、ボルト軸部120のネジ部121と螺合するナットである。
このように構成したタッピング締結構造体100において、タッピングボルト110により副部材4を主部材2に固定するためには、図8(a)(b)に示すように、まず、主部材2の表面2aにおける所定箇所に形成した下穴3に対して、タッピングネジ部130を螺合させて、下穴3の内表面にネジ溝を形成しながら、上向きに突出するようにタッピングボルト110を植設する。
そして、植設されたタッピングボルト110に対して、図8(c)に示すように、ボルト穴4aを貫通させて副部材4を取付け、ワッシャ40を装着してから、固定ナット150を螺合して、タッピング締結構造体100を構成する(図6参照)。
なお、副部材4に設けたボルト穴4aは、図6に示すように、タッピングボルト110におけるタッピングネジ部130のネジ山の頂部を通る見かけの外径と略同一に形成することが好ましいが、更には、ボルト穴4aを見かけの外径より小径に形成することがより好ましい。この場合、主部材2の下穴3と副部材4のボルト穴4aとを合わせて主部材2と副部材4とを重ねてから、タッピングネジ部130によって、ボルト穴4aと下穴3の内表面にネジ溝を形成しながら、タッピングボルト110を植設することとなる。
このように構成したタッピング締結構造体100では、タッピングネジ部130と下穴3とを螺合させて主部材2の表面2aに植設した状態において、タッピングボルト110に引っ張り力が作用した際には、タッピングネジ部130と下穴3との螺合部分(ネジ溝)が塑性変形してタッピングボルト110が主部材2から脱落するより先にボルト軸部120が破断するように、主部材2に対するタッピングボルト110の取付強度、すなわち下穴3とタッピングネジ部130との埋め込み長等に応じた螺合強度を設定している。
なお、このように構成するとともに、複数本のタッピングボルト110を用いるタッピング締結構造体100では、タッピング締結構造体100に作用するものとして設定する設計荷重に応じて、ボルト軸部120の強度、及び主部材2に対するタッピングボルト110の取付強度に基づいて設置間隔や配置を設定している。
具体的には、ボルト軸部120の材質及び断面径、並びに下穴3への埋め込み長に基づいて定まるせん断強度と、安全率とに基づいて限界せん断力を算定し、限界せん断力と設計荷重によるせん断力とに基づいて、タッピングボルト110の設置間隔を設定している。
しかしながら、下穴3は、上述したような理由により主部材2を貫通しないため、下穴3の深さが主部材2の厚みによって制限される。つまり、主部材2に対するタッピングボルト110の取り付け強度(螺合強度)に影響する埋め込み長(螺入量)には制限があるため、所定のせん断強度を得るためには、ボルト軸部120の断面径を調整することとなる。このようにして、埋め込み長が制限された下穴3に螺合させるボルト軸部120の強度及び断面径を調整するとともに、施工効率及び施工や材料コストのバランスをとりながら、設置間隔や配置を設定する。
このように、平板状の主部材2に対して、平板状の副部材4を固定するとともに、主部材2と副部材4とを一体化するタッピング締結構造体100では、主部材2の所定箇所に形成した下穴3に対して、副部材4を貫通したタッピングボルト110のタッピングネジ部130を螺入してから固定ナット150を螺合することにより、板状の主部材2と板状の副部材4とを、構造的に一体化することができる。
詳述すると、主部材2の所定箇所に形成した未貫通の下穴3に対して、副部材4を貫通したタッピングボルト110のタッピングネジ部130を螺入することで、主部材2の強度が低下することなく、構造的に一体化すると評価できる締結構造体を実現することができる。
より具体的には、副部材4に設けたボルト穴4aを、タッピングボルト110におけるタッピングネジ部130のネジ山の頂部を通る見かけの外径と略同一、あるいは小径に形成して、下穴3に植設したタッピングボルト110と固定ナット150とを螺合することで、確実な支圧接合を実現し、板状の主部材2と板状の副部材4とを、構造的に一体化することができる。
また、下穴3を、主部材2の厚みの3/4以下の深さで形成するとともに、タッピングネジ部130の径に対して1/3以上の深さで下穴3にタッピングボルト110を螺入することにより、下穴3を形成した主部材2の強度を確保しながら、タッピングボルト110の下穴3に対する埋め込み長を確保できるため、主部材2に対するタッピングボルト110の取付強度、すなわち下穴3とタッピングネジ部130との螺合強度を確保することができる。したがって、主部材2と副部材4とを構造的に確実に一体化できる締結強度を有する締結構造体を実現することができる。
また、図5において複数本のタップネジ10を配置したタッピング締結構造体1と同様に、複数本のタッピングボルト110を用いる場合であっても、一体化した主部材2及び副部材4に対して作用するとされる設計荷重に対して、下穴3に対するタッピングネジ部130の断面径及び埋め込み長に応じた螺合強度及びボルト軸部120の強度に応じて、タッピングボルト110を配置することにより、確実に一体化することができる締結構造体を構成することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の締結構造体は、タッピング締結構造体1,100に対応し、
以下同様に、
非貫通穴は、下穴3に対応し、
タッピングネジは、タップネジ10,タッピングボルト110に対応し、
設定荷重は、設計荷重に対応するも
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、副部材4に設けたボルト穴4aを、タップネジ10におけるタップネジ部21やタッピングボルト110におけるタッピングネジ部130のネジ山の頂部を通る見かけの外径より大きく形成してもよい。この場合、下穴3に対するタップネジ10の螺入や、タッピングボルト110と固定ナット150との螺合によって、タップネジ10やタッピングボルト110に軸力を導入することで、タップネジ10やタッピングボルト110の締結によって構成されるタッピング締結構造体1,100では、摩擦接合によって主部材2と副部材4とを確実に一体化することができる。
また、主部材2の底面に下穴3を設けるとともに、タップネジ10,タッピングボルト110を、下穴3に対して上方向に螺入するだけで締結構造体を構成できるので、例えば、供用中の高架道路の下面における補強等の施工を、通行止め等の交通規制や舗装面を除去することなく、低コストかつ効率的に実施することができる。
1,100…タッピング締結構造体
2…主部材
3…下穴
4…副部材
10…タップネジ
110…タッピングボルト

Claims (3)

  1. 平板状の主部材に対して、副部材を固定するとともに、前記主部材と前記副部材とを一体化する締結構造体であって、
    前記主部材の所定箇所に形成した非貫通穴に対して、前記副部材を貫通したタッピングネジを螺入して接合され、
    前記主部材が前記タッピングネジの径以下の厚みで形成され、
    前記非貫通穴に対する前記タッピングネジの螺入量に応じた螺合強度に対して、一体化した前記主部材及び前記副部材に対して作用する設定荷重が作用した際に、前記タッピングネジが破断するように前記タッピングネジが配置され
    前記タッピングネジの径に対して1/3以上の深さで前記非貫通穴に前記タッピングネジが螺入された
    締結構造体。
  2. 前記主部材の底面に前記非貫通穴を設けるとともに、
    前記タッピングネジを、前記非貫通穴に対して上向きに螺入した
    請求項1に記載の締結構造体。
  3. 平板状の主部材に対して、タッピングネジによって副部材を固定するとともに、前記主部材と前記副部材とを一体化する締結方法であって、
    前記主部材を前記タッピングネジの径以下の厚みで形成するとともに、
    前記主部材の所定箇所に形成した非貫通穴に対して、前記副部材を貫通した前記タッピングネジを、前記タッピングネジの径に対して1/3以上の深さで螺入して接合し、
    前記非貫通穴に対する前記タッピングネジの螺入量に応じた螺合強度に対して、一体化した前記主部材及び前記副部材に対して作用する設定荷重が作用した際に、前記タッピングネジが破断するように前記タッピングネジを配置する
    締結方法。
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