JP6038036B2 - 光学位相差素子の製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願
本願は、日本国で2011年9月12日に出願した特願2011−198302および同日に出願した特願2011−198303の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本出願の一部をなすものとして引用する。
本発明は、光学位相差素子およびその製造方法に関するものであり、特に、位相差をパターンニングし、3D画像表示装置などに好適に利用可能な光学位相差素子に関するものである。
位相差をパターンニングした光学位相差素子は、3D画像表示装置などに利用されている。3D画像は、左眼には左眼用の映像のみを、右眼には右眼用の映像のみを見せることで立体像を認識させている。例えば、液晶画像表示装置のような前面に偏光板が配置する表示装置においては、それぞれの画素に対応した位相差をパターンニングした光学位相差素子を装着し、表示装置からの出射光を左眼用画像、右眼用画像の2つの円偏光に変換し、この画像を左右の眼に異なる円偏光眼鏡をかけて観察することにより、左眼には左眼用の映像のみを、右眼には右眼用の映像のみを見せ、立体像を認識させている。このような位相差をパターンニングした光学位相差素子には、図1に示すような表示装置の画素に合わせ市松模様状に隣り合う画素の位相差の遅相軸(または進相軸)方向を90°変えたチェッカー・ボード方式や図2に示すような水平方向に一画素ずつ交互に位相差の遅相軸(または進相軸)方向を90°変えたライン・バイ・ライン方式などがある。
このような位相差をパターンニングした光学位相差素子の作製方法として、偏光により液晶配向能を発現する高分子層(光配向膜)を、マスクを介した偏光でパターン露光し、その高分子層に重合性液晶を塗布して配向させ、この配向を熱や光で重合し固定させることにより、高分子層の配向に対応したパターンに配向固定させる方法がある。
例えば、位相差をパターンニングした光学位相差素子の製造方法として、特許文献1(特開2005−49865号公報)には、第一支持材に、偏光を照射することで分子が所定の配向をする高分子層から成る配向層を設け、続いて、この配向層に偏光を照射して該配向層の配向パターンが、隣接領域において、遅相軸方向が異なる配向パターン若しくは進相軸方向が異なる配向パターンとし、続いて、この配向層に光重合性の液晶モノマー層を設け、続いて、該液晶モノマー層を所定の温度に加熱して該液晶モノマー層の液晶を前記配向層の分子配向に対応した配向とし、続いてこの液晶モノマー層に光を照射して該液晶モノマー層を重合せしめると共に、液晶の配向を固定させて液晶ポリマー層とし、続いて、この液晶ポリマー層に接着層若しくは粘着層を介してフィルム状若しくはシート状の第二支持材を設け、続いて、前記第一支持材を前記配向層から剥離せしめる方法で作製する方法が開示されている。
特開2005−49865号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、マスクを高分子層からなる配向層に被覆して(直線偏光)紫外線を照射する必要があり、露光におけるエネルギー利用効率が低減する。さらに、露光精度や露光強度によっては、所望の配向層を得ることができない虞がある。
特に、ロールtoロールで製造するには、露光精度や露光強度の面で技術的な難しさがあるだけでなく、照射装置が大掛かりになるなどの課題がある。
したがって、本発明の目的は、マスクを設けることなく偏光を全面に照射して位相差がパターンニングされた光学位相差素子およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、配向特性の異なる2種の光配向性材料をパターンニングして塗布し、マスクを用いることなく全面を一括して偏光露光することにより、位相差をパターンニングした光学位相差素子を作製できることを見出し、本発明の一実施態様を完成するに至った。
さらに別の実施態様として、本発明者は、配向特性の異なる2種の光配向性材料をパターンニングして各領域に塗布し、マスクを用いることなく全面を一括して偏光露光することにより、各領域で配向方向が異なる配向膜が得られ、この配向膜上に液晶性化合物を配向させ、その配向を固定させることにより位相差をパターンニングした光学位相差素子を作製できることについても見出した。
本発明の第1の構成は、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向した第1の光配向領域と、前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向した第2の光配向領域とが、それぞれ隣り合う領域に配置され、前記第1の光配向領域と前記第2の光配向領域との遅相軸が、互いに異なる光学位相差素子である。
前記光学位相差素子では、第1の光配向領域および第2の光配向領域は、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー(または、側鎖型液晶発現性感光性ポリマー)、および(ii)側鎖末端にカルボキシル基を有する感光性の側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーからそれぞれ形成されていてもよい。
前記光学位相差素子は、さらに液晶性化合物層を備えていてもよく、前記液晶性化合物層が、第1および第2の光配向領域を配向膜として利用し、この配向膜上に、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向している光学位相差素子であってもよい。
すなわち、本発明の第2の構成として、光学位相差素子は、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向した第1の光配向領域と、
前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向した第2の光配向領域とが、それぞれ隣り合う領域に配置され、前記第1の光配向領域と前記第2の光配向領域との遅相軸が、互いに異なる配向膜と、
この配向膜上において、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向した液晶性化合物層と、
で構成された光学位相差素子であってもよい。
前記光学位相差素子において、第1の光配向領域および第2の光配向領域は、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(ii)感光性の側鎖を有するとともに、側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(iii)シンナモイル基を側鎖に有するビニルシンナメート系感光性ポリマー、および(iv)シス−トランス異性化感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーからそれぞれ形成されていてもよい。
また、前記第1の構成および第2の構成において、第1の光配向領域および第2の光配向領域が、下記式(1)〜(3)のいずれかで表わされる側鎖を有するモノマー単位から形成される感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーからそれぞれ形成されていてもよい。
Figure 0006038036
Figure 0006038036
(前記式(1)および(2)において、nは1〜12、mは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWは、同一または異なって、シンナモイル基、カルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基もしくはそれらの誘導体を表す。)
Figure 0006038036
(前記式(3)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基,アルキルオキシ基またはハロゲンを表す。)
より好ましくは、第1の光配向領域が、前記式(1)で示される側鎖を有するモノマーからなるポリマーから形成され、第2の光配向領域が、前記式(2)または(3)で示される側鎖を有するモノマーからなるポリマーから形成されていてもよい。
このような光学位相差素子は、3D画像表示装置などに好適に用いることができる。
そのため、本発明は、前記光学位相差素子と、偏光素子とが積層されている積層体を包含するとともに、前記光学位相差素子または前記積層体を装着した画像表示装置についても包含する。
本発明の第3の構成は、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とが、それぞれ隣り合った領域に形成された前処理シートを形成する工程と、
前記前処理シートに対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させて第1の光配向領域を形成させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させて第2の光配向領域を形成させる照射工程と、
を備える光学位相差素子の製造方法である。
前記製造方法では、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を用いて、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷およびスクリーン印刷からなる群から選択された少なくとも一つの印刷方法により前処理シートを形成してもよい。
また、偏光照射工程につづいて加熱工程を行ない、さらに冷却工程を行ってもよい。
本発明の第4の構成は、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とがそれぞれ隣り合った領域に形成された前処理膜を形成する工程と、
前記前処理膜に対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させて第1の光配向領域を形成させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させて第2の光配向領域を形成させ、前記第1および第2の光配向領域との遅相軸が互いに異なる配向膜を形成する照射工程と、
前記配向膜上に液晶性化合物を塗布して、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向させた液晶性化合物層を形成する工程と、
を備える光学位相差素子の製造方法である。
前記製造方法では、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を用いて、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷およびスクリーン印刷からなる群から選択された少なくとも一つの印刷方法により前処理膜を形成してもよい。
また、第1の塗布液および第2の塗布液のうち、一方を全面塗布し、その塗布面上に、他方を部分的に塗布してもよい。
なお、請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成要素のどのような組み合わせも、本発明に含まれる。特に、請求の範囲に記載された請求項の2つ以上のどのような組み合わせも本発明に含まれる。
本発明の光学性位相差素子によれば、偏光に対する特定の異方性を有する2種類の光配向性材料を用いて、これらの光配向性材料を前記偏光の電界振動面に対してそれぞれの配向方向をとるようにして、各領域を配設するため、マスクを用いることなく全面を一括して偏光露光することにより、位相差素子を効率よく製造することができる。
特に、特定の光配向性材料を用いた場合、このような位相差素子は、パターンニング精度に優れるだけでなく、所望の形状の明瞭なパターンニングを発現することが可能である。
また、本発明の光学性位相差素子は、マスクを介しない全面露光により光配向性を付与できるため、露光精度や露光強度を調節するなどの煩雑な製造工程を用いなくとも、ロールtoロールなどにより位相差がパターンニングされた位相差素子を製造することができる。
また、光配向性材料からなるシートを直接位相差素子として用いることができる場合、配向層に光重合性の液晶モノマーを塗布する工程も用いなくとも、明瞭な位相差をパターンニングすることが可能である。
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきでない。この発明の範囲は添付のクレームによって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一部分を示す。
位相差をパターンニングした光学位相差素子の一例であるチェッカー・ボード方式を示す模式図である。 位相差をパターンニングした光学位相差素子の一例であるライン・バイ・ライン方式を示す模式図である。 本発明の位相差をパターンニングした光学位相差素子の一例を示す模式図である。 実施例1の位相差をパターンニングした光学位相差素子の作製方法を示す模式図である。 実施例1の位相差をパターンニングした光学位相差素子の偏光顕微鏡観察図および光学系を示す模式図である。 位相差をパターンニングした光学位相差素子の一例を示す模式図である。 実施例3の配向方向の異なる配向層をパターンニングし基材の作製方法を示す模式図である。 実施例3の配向方向の異なる配向層をパターンニングし、その配向層上で液晶性化合物を配向させたときの偏光顕微鏡観察図および光学系を示す模式図。 実施例4の位相差をパターンニングした光学位相差素子の作製方法を示す模式図である。 実施例4の位相差をパターンニングした光学位相差素子の偏光顕微鏡観察図および光学系を示す模式図である。
(位相差をパターンニングした光学位相差素子の基本構成)
本発明の位相差をパターンニングした光学位相差素子では、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向した第1の光配向領域と、前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向した第2の光配向領域とが、それぞれ隣り合う領域に配置され、前記第1の光配向領域と前記第2の光配向領域との遅相軸が、互いに異なっている。
光学位相差素子は、第1の光配向領域と第2の光配向領域とで構成され、これらの領域が直接光配向性を有する液晶性材料として作用し、配向膜を設けなくとも直接位相差のパターンニングを発揮することができる第1の実施態様であってもよい。また、別の態様として、第1の光配向領域と第2の光配向領域が配向膜として作用し、この配向膜上に液晶化合物層を設け、その液晶化合物層の配向を固定させた第2の実施態様であってもよい。
(第1の実施形態)
例えば、第1の実施態様である、位相差をパターンニングした光学位相差素子は、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向した第1の光配向領域と、前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向した第2の光配向領域とが、それぞれ隣り合う領域に配置され、前記第1の光配向領域と前記第2の光配向領域との遅相軸が、互いに異なっており、これらの領域が、光配向性を有する液晶性材料として作用する光学位相差素子であってもよい。
前記光学位相差素子において、領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向が異なる位相差のパターンニングは、光学素子の用途に応じて適宜設定することができる。
図1には、パターンニングの一例として、第1の光配向領域と第2の光配向領域が市松模様状で隣り合うチェッカー・ボード方式を示す模式図が示されている。図1では、第1の光配向領域11と、第2の光配向領域12とが、互いに隣接して格子状に配置されている。
また、図2には、パターンニングの他の例として、第1の光配向領域と第2の光配向領域とが水平方向に縞状で隣り合うライン・バイ・ライン方式を示す模式図が示されている。図2では、第1の光配向領域21と、第2の光配向領域22とが、互いに隣接して交互に縞状に配置されている。さらに、図3にライン・バイ・ライン方式の位相差をパターンニングした光学位相差素子の模式図を例示する。図3では、水平方向に対し、+45°(第1の光配向領域21)、−45°(第2の光配向領域22)の遅相軸を有する領域が縞状に配置している。
材料aが、照射した偏光の電界振動面に対して平行(または垂直)に遅相軸が向いて異方性を生じ、材料bが、照射した偏光の電界振動面に対して垂直(または平行)に遅相軸が向いて異方性を生じる場合、表示装置の画素に合わせ市松模様状に隣り合う画素の位相差の遅相軸(または進相軸)方向を90°変えたチェッカー・ボード方式や水平方向に一画素ずつ交互に位相差の遅相軸(または進相軸)方向を90°変えたライン・バイ・ライン方式のような位相差をパターンニングした光学位相差素子を得ることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施態様である、位相差をパターンニングした光学位相差素子は、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向した第1の光配向領域と、前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向した第2の光配向領域とが、それぞれ隣り合う領域に配置され、前記第1の光配向領域と前記第2の光配向領域との遅相軸が、互いに異なる配向膜と、
この配向膜上において、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向した液晶性化合物層と、
で構成されていてもよい。
本発明の光学位相差素子において、領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向が異なる位相差のパターンニングは、光学素子の用途に応じて適宜設定することができる。
図1には、パターンニングの一例として、第1の光配向領域と第2の光配向領域が市松模様状で隣り合うチェッカー・ボード方式を示す模式図が示されている。図1では、第1の光配向領域11と、第2の光配向領域12とが、互いに隣接して格子状に配置されている。
また、図2には、パターンニングの他の例として、第1の光配向領域と第2の光配向領域とが水平方向に縞状で隣り合うライン・バイ・ライン方式を示す模式図が示されている。図2では、第1の光配向領域21と、第2の光配向領域22とが、互いに隣接して交互に縞状に配置されている。
さらに、図6に第1の光配向領域1aと、第2の光配向領域2a上に液晶化合物を配向させその配向を固定した、ライン・バイ・ライン方式の位相差をパターンニングした光学位相差素子の模式図を例示する。図6では、水平方向に対し、+45°(第1の液晶化合物層1b)、−45°(第2の液晶化合物層2b)の遅相軸を有する領域が縞状に配置している。
(光配向性材料)
本発明において、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とは、互いに異なる光配向性材料から形成され、第1の光配向領域は、偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向する第1の光配向性材料から形成され、第2の光配向領域は、前記偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向する第2の光配向性材料から形成される。
このような光配向性材料は、所定の配向性を発揮できる限り特に限定されないが、第1および第2の光配向性材料は、通常、光配向性を有する液晶性材料、または光配向性を有するまたは誘起する感光性ポリマー材料を少なくとも含んでおり、必要に応じて後述する低分子化合物を含んでいてもよい。
(光配向性を有する液晶性材料または感光性ポリマー材料)
第1および第2の光配向性材料に含まれている光配向性を有する液晶性材料としては、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、および(ii)感光性の側鎖を有するとともに側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマーなどが例示できる。これらは単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光学位相差素子が、さらに液晶性化合物層を備える場合、第1および第2の光配向性材料として、液晶性材料だけでなく、光配向性を有する感光性ポリマー材料を利用してもよい。なお、感光性ポリマー材料としては、少なくとも感光性基を有しており、偏光照射によって異方的な架橋、異性化する感光性基を有する材料、もしくは偏光照射によって異方的な分解反応が進む感光性基を有する材料などが挙げられる。
例えば、感光性ポリマー材料としては、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(ii)感光性の側鎖を有するとともに、側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(iii)シンナモイル基を側鎖に有するビニルシンナメート系感光性ポリマー(例えば、ポリビニルシンナメート、ポリビニルメトキシシンナメートなど)、および(iv)アゾベンゼン基、スチルベン基などを主鎖または側鎖に有するシス−トランス異性化感光性ポリマーなどが例示でき、これらは単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような光配向性を有する感光性ポリマーにおいて、偏光照射によって生じる異方性の遅相軸(または進相軸)の向きは、感光性基、メソゲン成分となる置換基(メソゲンユニット)、スペーサーなどの種類、分子構造などによって、適宜調節可能であり、第1の光配向性材料および第2の光配向性材料としては、所望の配向性を示す材料を適宜選定すればよい。
なお、本発明において感光性基とは、光照射により他の分子と結合する官能基をいう。また、本発明において、液晶性材料とは、材料単独に物理的な外部刺激(加熱、冷却、電場、磁場、せん断の印加等)を与えた時に液晶性を示すか、または溶媒や非液晶性成分との混合により液晶性を発現する材料をいう。
より詳細には、前記感光性基としては、シンナモイル基、カルコン基、クマリン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基(または、それらの誘導体)などが例示でき、メソゲンユニットとしては、ビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基が例示でき、スペーサーとしては、アルキレン基、オキシアルキレン基などが例示できる。
また、感光性の側鎖を有するとともに側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマーとしては、側鎖末端にカルボキシル基を有する感光性の側鎖を有し、該側鎖末端のカルボキシル基の水素結合による2量化により剛直な構造を形成し、側鎖自体にメソゲン基を構造に含まなくとも液晶性を発現するポリマーが好ましく用いられる。
また、上記の側鎖液晶発現型感光性ポリマーを構成する主鎖としては、上記側鎖をスペーサーを介して結合した炭化水素、アクリレート、メタクリレート、シロキサン、マレインイミド、N−フェニルマレインイミドなどが挙げられる。これらのポリマーは同一の繰り返し単位からなる単一重合体または構造の異なる側鎖を有する複数の単位からなる共重合体、あるいは感光性基を含む側鎖を有する単位に、感光性基を含まない側鎖を有する単位を液晶性を損なわない程度に配合して得られる共重合体のいずれであってもよい。
さらに、耐熱性を向上させるために、上記ポリマーに反応性基を導入し、イソシアネート材料、エポキシ材料などの架橋剤により、液晶性を損なわない程度に架橋構造を導入したポリマーであってもよく、また、下記の低分子材料として2官能性の低分子材料を加えて重合し、感光性ポリマーが架橋性ポリマーを含有するようにしてもよい。
また、感光性を調整するために光増感剤を添加してもよい。かかる光増感剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、およびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、および4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体などの光増感剤が好ましく用いられる。
好ましくは、このような光学異方性層を形成するために用いられるポリマーとしては、特開平11−189665号公報、特開2002−202409号公報、特開2004−170595号公報、特開2005−232345号などにより本出願人により開示された液晶性ポリマーを用いることができる。
より好ましくは、例えば、第1の光配向領域および第2の光配向領域は、下記式(1)〜(3)で表わされる側鎖を有するモノマー単位から形成される側鎖液晶発現型感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なる光配向性材料からそれぞれ形成されていてもよい。
Figure 0006038036
Figure 0006038036
前記式(1)および(2)において、nは1〜12、mは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWは、同一または異なって、シンナモイル基、カルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基もしくはそれらの誘導体を表す。
Figure 0006038036
前記式3において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基(例えば、C1−10アルキル基)、アルキルオキシ基(例えば、C1−10アルキルオキシ基)またはハロゲンを表す。
これらの側鎖液晶発現型感光性ポリマーのうち、例えば、偏光照射によって生じる異方性の遅相軸が電界振動方向に対して平行方向となる第1の光配向性材料として、前記式(1)で示される側鎖を有するモノマー単位から形成される側鎖液晶発現型感光性ポリマーを用いてもよい。
より好ましくは、このようなポリマーとして、前記式(1)において、nは6、mは2、Xはnone、Wはシンナモイル基で示される側鎖を有するモノマーを用いて形成されるポリマーなどが挙げられる。
また、偏光照射によって生じる異方性の遅相軸が電界振動方向に対して垂直方向となる第2の光配向性材料として、前記式(2)または(3)で示される側鎖を有するモノマー単位から形成される側鎖液晶発現型感光性ポリマーを用いてもよい。
より好ましくは、このようなポリマーとして、前記式(2)において、nは6、Yはnone、Wは4−メトキシシンナモイル基で示される側鎖を有するモノマーを用いて形成されるポリマーや、前記式(3)において、sは1、tは1、RはHで示される側鎖を有するモノマーを用いて形成されるポリマーなどが挙げられる。
(低分子化合物)
本発明において、光配向領域における配向性を増強するために、前記の感光性基を有する感光性ポリマーに加えて低分子化合物を混合してもよい。かかる低分子化合物としては、メソゲン成分として知られているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基を有し、このような置換基とアリル、アクリレート、メタクリレート、桂皮酸基(またはその誘導体基)などの官能基を、前記のようなスペーサーを介して結合した液晶性を有するものが好ましく用いられる。これらの低分子材料は、単一の材料として用いられるだけでなく、複数の材料が混合されてもよい。このような低分子材料は、感光性ポリマーに対して、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内で加えるのが好ましい。
(液晶性化合物)
光学位相差素子が液晶性化合物層を有する場合、光配向膜上で配向させる液晶性化合物層は、液晶性化合物を光配向膜に塗布した後、光配向膜の配向方向に沿って液晶性化合物を配向させることによって形成される。液晶性化合物は、液晶性ポリマーであっても、液晶性モノマーであってもよく、材料単独に物理的な外部刺激(加熱、冷却、電場、磁場、せん断の印加等)を与えた時に液晶性を示すか、または溶媒や非液晶性成分との混合により液晶性を発現する材料であれば、公知の液晶性化合物を使用することが出来る。
例えば、液晶性化合物は、光や熱により重合する官能基を主鎖または側鎖に有する液晶性モノマーまたは液晶性ポリマーであってもよいし、イソシアネート材料、エポキシ材料などの架橋剤により、液晶性を損なわない程度に架橋構造を導入した液晶性ポリマーまたは液晶性モノマーであってもよい。
また、液晶性化合物として低分子材料として2官能性の低分子液晶材料を塗布してもよい。この場合、低分子液晶材料は、配向後に重合させて架橋性の液晶ポリマー層を形成する。
また、液晶性化合物には、必要に応じて、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。このような液晶性化合物は、第1および第2の光配向領域上で、配向膜のそれぞれの配向方向に応じて配向させた後、その配向を固定される。それにより、配向層上において、液晶性化合物からなり、所定の位相差がパターンニングされた光学異方性層(液晶性化合物層)を形成できる。
(第1の実施態様の光学位相差素子の製造方法)
第1の実施態様の光学位相差素子の製造方法は、
第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とが、それぞれ隣り合った領域に形成された前処理シートを形成する工程と、
前記前処理シートに対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させる照射工程と、
を少なくとも備えている。
(前処理シート形成工程)
前処理シート形成工程では、まず、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とが、それぞれ隣り合う領域に形成される。この場合、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料のそれぞれについて、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を調製する。
これらの塗布液には、前述した光配向性を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、必要により添加された、低分子化合物、光増感剤、およびその他の成分(重合触媒など)が、適当な溶剤に溶解されている。また、塗工性を高めるため、基材への密着性を高めるために配向性を損なわない程度に各種添加剤を加えてもよい。
溶剤としては、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロロベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、これらの溶媒は、単独でまたは混合して用いられる。
塗布手段としては、パターンニングに応じた印刷方法を利用することができ、例えば、印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。このような印刷方法で、得られた塗布液を支持体上などに、所望のパターンニングに応じて塗布する。
なお、第1の塗布液および第2の塗布液は、同時に塗布しても、それぞれを別々に塗布しても、いずれでもよい。
そして、必要に応じて乾燥させて、前処理シート(すなわち液晶性ポリマー層)を支持体上に形成することができる。
この場合の乾燥は常温で行ってもよく、材料にもよるが例えば60℃以下の低温度で加熱して行ってもよい。なお、温度を上げすぎると形成されるフィルムが白濁することがある。
(偏光線照射工程)
このように調製した前処理シートに対して、マスクを介さずに偏光(例えば、直線偏光性紫外線)が照射される。この偏光照射により、第1の光配向性材料は該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向し、第2の光配向性材料は該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向する。
照射される偏光は、感光性基の部分が反応し得る波長の光であれば特に限定されず、液晶性ポリマーの側鎖の種類によっても異なるが、偏光の波長は、一般に200−500nmであり、中でも250−400nmの有効性が高い場合が多い。偏光照射により、液晶性ポリマーは光学的一軸または二軸に配向する。
また、偏光照射は、必要に応じて加熱下でおこなってもよい。
(偏光照射後の加熱工程)
偏光照射後、必要に応じてさらにフィルムを加熱してもよい。加熱することにより、フィルム内において分子運動がおこり、光反応を起こさなかった重合体の側鎖(および低分子材料)は、光反応した側鎖と同じ方向に再配向する。その結果、照射した直線偏光の電界振動方向に対し、平行方向ないしは垂直方向に、側鎖液晶発現型感光性ポリマーの側鎖(及び低分子材料)の分子が配向し、フィルム全体において、複屈折性が誘起された光配向領域が形成される。偏光性紫外線照射後の加熱は、この再配向を促進する。
また、この加熱工程につづいて、さらに冷却工程を行ってもよい。露光したのち加熱して未反応側鎖を配向させたフィルム、または加熱下で露光し配向させたフィルムを、該高分子の軟化点以下まで冷却すると、フィルム内部で分子が凍結状態となり良好な光配向性が得られる。冷却は通常、放置冷却で行うことが好ましく、急速な冷却を行うと、配向が不十分になる場合がある。
(非偏光性の紫外線照射)
ついで、前記の光配向した層に対して、非偏光性の紫外線を照射するのが好ましい。非偏光性紫外線を照射すると、フィルム中に残存している未反応の感光性基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー(および低分子材料)が反応して配向が固定され、安定した光配向層が形成される。なお、非偏光性紫外線の照射は、通常、加熱することなく行われるが、位相差値を調整(低下)する必要がある場合には、加熱して行うこともできる。
以上のようにして、マスクを用いることなく全面を一括して偏光露光することにより、市松模様状や水平方向に交互に縞状に隣り合う領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向が異なる光学的異方性層が形成されている位相差をパターンニングした光学位相差素子を作製できる。このような光学位相差素子では、更に、配向層に光重合性の液晶モノマーを塗布しなくとも、良好な位相差性を発揮する。
(第2の実施態様の光学位相差素子の製造方法)
第2の実施態様の光学位相差素子の製造方法は、
第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とがそれぞれ隣り合った領域に形成された前処理膜を形成する工程と、
前記前処理膜に対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させて第1の光配向領域を形成させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させて第2の光配向領域を形成させ、前記第1および第2の光配向領域との遅相軸が互いに異なる配向膜を形成する照射工程と、
前記配向膜上に液晶性化合物を塗布して、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向させた液晶性化合物層を形成する工程と、
を少なくとも備えている。
(前処理膜形成工程)
前処理膜形成工程では、まず、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とが、それぞれ隣り合う領域に形成される。この場合、第1の光配向性材料と第2の光配向性材料のそれぞれについて、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を調製する。
これらの塗布液には、前述した光配向性を有する感光性ポリマー材料(例えば、側鎖液晶発現型感光性ポリマー、ビニルシンナメート系感光性ポリマー、シス−トランス異性化感光性ポリマーなど)、必要により添加された、低分子化合物、光増感剤、およびその他の成分(重合触媒など)が、適当な溶剤に溶解されている。また、塗工性を高めるため、基材への密着性を高めるために配向性を損なわない程度に各種添加剤を加えてもよい。
溶剤としては、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロロベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、これらの溶媒は、単独でまたは混合して用いられる。
塗布手段としては、パターンニングに応じた印刷方法を利用することができ、例えば、印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。このような印刷方法で、得られた塗布液を支持体上などに、所望のパターンニングに応じて塗布する。
なお、第1の塗布液および第2の塗布液は、同時に塗布しても、それぞれを別々に塗布しても、いずれでもよい。別々に塗布する場合、第1の塗布液および第2の塗布液は、支持面を別々に塗り分けてもよいし、一方の塗布液を塗布した面に他方の塗布液を重ねて塗布してもよい。塗布面は、必要に応じて乾燥させて、前処理膜(すなわち感光性ポリマー層)を支持体上に形成することができる。
いずれにしても、塗布面は、塗布後必要に応じて適宜乾燥させてもよい。この場合の乾燥は常温で行ってもよく、材料にもよるが例えば60℃以下の低温度で加熱して行ってもよい。なお、温度を上げすぎると形成されるフィルムが白濁することがある。
例えば、一旦、一方の塗布液を支持面全体に塗布し塗布面を形成した後、他方の塗布液を部分的に前記塗布面に塗布して別の塗布面を形成してもよい。これらの塗布面は、最上層に存在する感光性ポリマー材料の性質に応じた光配向性を示す。
このような場合、互いの材料の塗布位置を位置あわせすることが不要であるだけでなく、全面塗布する際には、印刷版が不要であるという利点がある。
なお、一方の塗布液を塗布した面に他方の塗布液を重ねて塗布する場合、初めの塗布面が乾燥した後に、他の塗布液を塗布するのが好ましい。
(偏光線照射工程)
このように調製した前処理膜に対して、マスクを介さずに偏光(例えば、直線偏光性紫外線)が照射される。この偏光照射により、第1の光配向性材料は該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向し、第2の光配向性材料は該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向する。
照射される偏光は、感光性基の部分が反応し得る波長の光であれば特に限定されず、感光性ポリマーの側鎖の種類によっても異なるが、偏光の波長は、一般に200−500nmであり、中でも250−400nmの有効性が高い場合が多い。偏光照射により、感光性ポリマーは光学的一軸または二軸に配向する。
また、偏光照射は、必要に応じて加熱下でおこなってもよい。
(偏光照射後の加熱工程)
偏光照射後、必要に応じてさらに配向膜を加熱してもよい。加熱することにより、配向膜内において分子運動がおこり、光反応を起こさなかった重合体の側鎖(および低分子材料)は、光反応した側鎖と同じ方向に再配向する。その結果、照射した直線偏光の電界振動方向に対し、平行方向ないしは垂直方向に、感光性ポリマーの側鎖(及び低分子材料)の分子が配向し、配向膜全体において、複屈折性が誘起された光配向領域が形成される。偏光性紫外線照射後の加熱は、この再配向を促進する。
(液晶性化合物層の形成工程)
次いで、配向膜上に、前述した液晶性化合物を所定の厚みで塗布する。塗布された液晶性化合物は、通常、一旦加熱して等方相に転移後、室温まで降温することにより、各配向膜に形成された第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って分子軸が配向して液晶性化合物層(位相差値が、例えば80〜180nm、好ましくは100〜160nm程度)を形成する。
また、液晶性化合物が光重合性の液晶性化合物である場合、さらに非偏光性の紫外線を照射するのが好ましい。非偏光性紫外線を照射することにより、液晶性化合物層中での液晶性化合物の配向を固定することができる。
さらにまた、配向膜状に形成された光学位相差素子は、支持体から剥離して利用することも可能であり、その場合、得られた光学位相差素子は、適当な剥離手段により剥離されてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。本発明の実施例において用いた材料に関する合成方法を以下に示す。
(単量体1)
4,4’−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。更に、塩基性の条件下において、塩化シンナモイルを加え、下記式(4)に示される単量体1を合成した。
Figure 0006038036
(単量体2)
p−クマル酸と6−クロロ−1−ヘキサノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)桂皮酸を合成した。この生成物にp−トルエンスルホン酸の存在下でメタクリル酸を大過剰加えてエステル化反応させ、下記式(5)で示される単量体2を合成した。
Figure 0006038036
(低分子化合物1)
4,4’−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。更に、塩基性の条件下において、メタクリル酸クロライドを加え、下記式(6)に示される低分子化合物1を合成した。
Figure 0006038036
(重合体1)
単量体1をテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、56℃で24時間重合することにより感光性の重合体1を得た。この重合体1は液晶性を呈した。
(重合体2)
単量体2をジオキサン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、70℃で24時間重合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体2は液晶性を呈した。
〔実施例1〕
重合体1と低分子材料1を重量比85:15で混合してトルエンにて溶解し、さらに0.05重量部の市販(東京化成)の4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを添加し溶液1を調製した。また、重合体2を1、4−ジオキサンに溶解し溶液2を調製した。図4の模式図に例示するよう、この溶液1をポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)40上にグラビア印刷試験機を用いて塗布領域が約150μm幅となるよう塗布した。この基板を室温(約25℃)で乾燥させ、第1の塗布領域41を形成した。更に、溶液2を第1の塗布領域を形成したPETフィルム上にグラビア印刷試験機を用いて塗布領域が約250μm幅となるよう塗布した。この基板を室温(約25℃)で乾燥させ、第1の塗布領域41と第2の塗布領域42とをPETフィルム上に形成した。
続いてこの塗膜に、高圧水銀灯からの光を、グランテーラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光Lを300秒間照射し、続いて、130℃で加熱後、室温に放置し、30分間かけて室温まで徐冷し、配向を誘起させた。更に、配向を固定するために高圧水銀灯からの光を直線偏光に変換せずに1500秒間照射し、隣り合う領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向m、m’が互いに異なる位相差をパターンニングした第1の光配向性領域および第2の光配向性領域が形成されている光学位相差素子をPETフィルム上に作製した。
作製した光学位相差素子の光学特性を確認するため、粘着剤を用いてPETフィルムからTACフィルム上に光学位相差素子を転写した。転写したTACフィルム50を偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察したのが図5−(A)、図5−(B)、図5−(C)である。図中、Aは偏光顕微鏡の偏光子、Bは検光子を示す。
図5−(A)は、偏光顕微鏡の偏光方向に対してa領域は+45°の遅相軸方向、b領域は−45°の遅相軸方向の設定で観察したものである。a領域、b領域ともに位相差により透過光が生じている。
図5−(B)は、a領域の遅相軸方向に対し、位相差値が同等で90°の遅相軸方向Cを有する位相差フィルム51を挿入したものである。a領域の位相差が打ち消され遮光されており、一方、b領域は位相差が打ち消されることなく遮光されることはない(反対に位相差が増強され透過光が増大している)。
図5−(C)は、b領域の遅相軸方向に対し、位相差値が同等で90°の遅相軸方向C´を有する位相差フィルム52を挿入したものである。b領域の位相差が打ち消され遮光されており、一方、a領域は位相差が打ち消されることなく遮光されることはない(反対に位相差が増強され透過光が増大している)。
軸角度が90°異なる位相差フィルムを挿入することにより、a領域、b領域で「位相差が打ち消され遮光」と「位相差が増強され透過光が増大」が反転することから、a領域、b領域で位相差の遅相軸(または進相軸)方向が90°異なる光学的異方性層が形成されていることが確認できた。
すなわち、作製した光学位相差素子は、水平方向に交互に縞状に隣り合う領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向が90°異なる光学的異方性層が形成されている位相差をパターンニングした光学位相差素子であることが確認された。
〔実施例3〕
重合体1をトルエンに溶解し、0.05重量部の4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(東京化成製)を添加し溶液1を調製した。また、重合体2を1、4−ジオキサンに溶解し溶液2を調製した。図7の模式図に例示するよう、この溶液1をガラス板60上の第1の領域に塗布し、この基板を室温(約25℃)で乾燥させ、第1の塗布領域61を形成した。次いで、第1の塗布領域を形成したガラス基板上の第2の領域に溶液2を塗布し、この基板を室温(約25℃)で乾燥させ、第1の塗布領域61と第2の塗布領域62とをガラス基板上に形成した。
続いてこの塗膜に、高圧水銀灯からの光を、グランテーラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光Lを300秒間照射した。次いで、この基材上に、液晶性化合物(「ZLI−4792」、メルクジャパン株式会社製)を塗布し、100℃まで基板を加熱し液晶性化合物を等方相に転移後、室温まで降温した。ここで、この液晶性化合物を塗布した基板を偏光顕微鏡で観察すると、液晶性化合物から形成された液晶性化合物層63は、光配向膜における配向方向に沿って配向していることが確認された。
液晶性化合物を塗布した基板において、2つの領域に境界付近の光学特性を偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察したのが図8−(A)、図8−(B)、図8−(C)である。図中、Aは偏光顕微鏡の偏光子、Bは検光子を示す。
図8−(A)は、直線偏光性の光を照射したときの電界振動方向が偏光顕微鏡の偏光方向に対して45°となる配置で観察したものである。a領域、b領域ともに液晶配向により位相差が生じ透過光が観察される。
図8−(B)は、ここに直線偏光性の光を照射したときの電界振動方向に対して、遅相軸方向Cが垂直(90°)となる配置で位相差フィルム71を挿入したものである。a領域の位相差が打ち消され暗状態となる。一方、b領域は位相差が打ち消されることなく明状態のままである(反対に位相差が増強され透過光が増大する)。
図8−(C)は、ここに直線偏光性の光を照射したときの電界振動方向に対して、遅相軸方向Cが平行(0°)となる配置で位相差フィルム71を挿入したものである。この場合、b領域の位相差が打ち消され暗状態となる。一方、a領域は位相差が打ち消されることなく明状態のままである(反対に位相差が増強され透過光が増大する)。
軸角度が90°異なる位相差フィルムを挿入することにより、a領域、b領域で「位相差が打ち消され暗状態」と「位相差が増強され透過光が増大」が反転することから、a領域、b領域で配向方向が90°異なる配向方向m、m’の配向層が形成されていることが確認された。
以上のように、本発明の製造方法により、領域によって液晶性化合物の配向方向が異なる配向層を作製できることが確認された。
すなわち、作製した光学位相差素子では、水平方向に交互に縞状に隣り合う領域において、液晶性化合物の遅相軸(または進相軸)方向が90°異なる光学的異方性層が形成されていることが確認された。
〔実施例4〕
重合体1をトルエンに溶解し、0.05重量部の4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(東京化成製)を添加し溶液1を調製した。また、重合体2を1、4−ジオキサンに溶解し溶液2を調製した。図9の模式図に例示するよう、この溶液1をガラス板80全面に塗布し、この基板を室温(約25℃)で乾燥させ重合体1の第1の塗布層81を形成した。次に、塗布層81を形成したガラス基板上の特定の領域82に溶液2を塗布し、この基板を室温(約25℃)で乾燥させ、第1の塗布領域81と第2の塗布領域82とをガラス基板上に形成した。
続いてこの塗膜に、高圧水銀灯からの光を、グランテーラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光Lを300秒間照射し、続いて、120℃で加熱後、30分間掛けて室温まで徐冷し、配向膜として用いた。次いで、この基材上に、液晶性化合物(「ZLI−4792」、メルクジャパン株式会社製)80wt%に低分子化合物20wt%を混合し、ここに光重合開始剤(「イルガキュア907」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.05重量部を混合し溶解した。この混合物を作製した配向膜上に塗布し、70℃まで基板を加熱し混合物を等方相に転移後、室温まで降温した。ここで、偏光顕微鏡で観察すると混合物層は配向していることが確認された。
更に、非偏光性の紫外線を300秒間照射し、混合物層を架橋反応させた。混合物層は、配向を保ったまま流動しなくなった。このようにして、配向層上に光学異方性層(液晶性化合物層)83を有する光学位相差素子を作製した。
実施例3と同様に、作製した位相差光学素子の2つの領域の境界付近の光学特性を偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察したのが図10−(A)、図10−(B)、図10−(C)である。
軸角度が90°異なる位相差フィルムを挿入することにより、a領域、b領域で「位相差が打ち消され暗状態」と「位相差が増強され透過光が増大」が反転することから、a領域、b領域で位相差の遅相軸(または進相軸)方向n、n’が90°異なる光学的異方性層が形成されていることが確認された。
以上のように、本発明の製造方法により、領域によって液晶性化合物の配向方向が異なる配向層を作製できることが確認された。
すなわち、作製した光学位相差素子では、水平方向に交互に縞状に隣り合う領域において、液晶性化合物の遅相軸(または進相軸)方向が90°異なる光学的異方性層が形成されていることが確認された。
以上のように、本発明では、隣り合う領域同士の位相差の遅相軸(または進相軸)方向が異なる光学的異方性層が形成されている光学位相差素子を簡易な製造方法で得ることができ、このような位相差をパターンニングした光学位相差素子は、3D画像表示装置などの画像表示装置などに好適に用いることができる。
以上の通り、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。
40: PETフィルム
41: 第1の塗布領域
42: 第2の塗布領域
L: 直線偏光性の光
m: 第1の塗布領域の遅相軸方向
m’: 第2の塗布領域の遅相軸方向
A: 偏光顕微鏡の偏光子
B: 偏光顕微鏡の検光子
50: 実施例1の光学位相差素子を転写したTACフィルム
51: a領域と同等の位相差値を有する位相差フィルム
52: b領域と同等の位相差値を有する位相差フィルム
c: 位相差フィルム51の遅相軸方向
c’: 位相差フィルム52の遅相軸方向
60: ガラス板
61: 第1の塗布領域
62: 第2の塗布領域
63: 液晶性化合物層
70: 実施例1の液晶性化合物を配向させた基板
71: 位相差フィルム
72: 位相差フィルム
d: 位相差フィルム71の遅相軸方向
d’: 位相差フィルム72の遅相軸方向
80: ガラス板
81: 第1の塗布領域
82: 第2の塗布領域
83: 液晶性化合物層
n: 第1の光学異方性層の遅相軸方向
n’: 第1の光学異方性層の遅相軸方向

Claims (10)

  1. 第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とが、それぞれ隣り合った領域に形成された前処理シートを形成する工程と、
    前記前処理シートに対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させて第1の光配向領域を形成させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させて第2の光配向領域を形成させる照射工程と、
    を備える光学位相差素子の製造方法。
  2. 請求項において、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を用いて、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷およびスクリーン印刷からなる群から選択された少なくとも一つの印刷方法により前処理シートを形成する製造方法。
  3. 請求項において、偏光照射工程につづいて加熱工程を行ない、さらに冷却工程を行う製造方法。
  4. 第1の光配向性材料と第2の光配向性材料とがそれぞれ隣り合った領域に形成された前処理膜を形成する工程と、
    前記前処理膜に対して、マスクを介さずに偏光を全面照射し、第1の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して平行に配向させて第1の光配向領域を形成させるとともに、第2の光配向性材料をこの偏光照射により該偏光照射の電界振動面に対して垂直に配向させて第2の光配向領域を形成させ、前記第1および第2の光配向領域との遅相軸が互いに異なる配向膜を形成する照射工程と、
    前記配向膜上に液晶性化合物を塗布して、前記第1および第2の光配向領域のそれぞれの配向方向に沿って配向させた液晶性化合物層を形成する工程と、
    を備える光学位相差素子の製造方法。
  5. 請求項において、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液を用いて、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷およびスクリーン印刷からなる群から選択された少なくとも一つの印刷方法により前処理膜を形成する製造方法。
  6. 請求項において、前処理膜形成工程で、第1の光配向性材料を含む第1の塗布液および第2の光配向性材料を含む第2の塗布液のうち、一方を全面塗布し、その塗布面上に、他方を部分的に塗布する製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、第1の光配向性材料および第2の光配向性材料が、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、および(ii)感光性の側鎖を有するとともに側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーである製造方法
  8. 請求項において、第1の光配向性材料および第2の光配向性材料が、(i)感光性基とメソゲンユニットとが、スペーサーを介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(ii)感光性の側鎖を有するとともに、側鎖末端にカルボキシル基を有する側鎖液晶発現型感光性ポリマー、(iii)シンナモイル基を側鎖に有するビニルシンナメート系感光性ポリマー、および(iv)シス−トランス異性化感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーである製造方法
  9. 請求項において、第1の光配向性材料および第2の光配向性材料が、下記式(1)〜(3)のいずれかで表わされる側鎖を有するモノマー単位から形成される感光性ポリマーからなる群から選択された、互いに異なるポリマーである製造方法
    Figure 0006038036
    Figure 0006038036
    (前記式(1)および(2)において、nは1〜12、mは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C−をそれぞれ表し、W1およびW2は、同一または異なって、シンナモイル基、カルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基もしくはそれらの誘導体を表す。)
    Figure 0006038036
    (前記式(3)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基、アルキルオキシ基またはハロゲンを表す。)
  10. 請求項において、第1の光配向性材料が、前記式(1)で示される側鎖を有するモノマーからなるポリマーであり、第2の光配向性材料が、前記式(2)または(3)で示される側鎖を有するモノマーからなるポリマーである製造方法
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