JP6037852B2 - プラントの異常状態解決支援システム - Google Patents
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が開示されているが、未知の事故や故障等の課題が発生したケースに対して、「課題に関連する部門のメンバーに漏れなく自動通知し、関連部門の管理者層から指示を募り、実務者層から処置実行を促す」、或いは「管理者と担当者間の課題解決に向けた指示状況やその対応状況を見える化する(「見える化する」とは、未知の事故や故障等の解決すべき課題の内容と、その内容に対応させて課題に対処すべき対象者、あるいは課題を連絡すべき対象者を特定し、フロー図等により容易に把握できる形態で特定した対象者の端末に示すことを意味する。以下同様)、更には「課題解決に直結する処置が完了するまで、指示に対する現場対応が迅速に処置されるよう自動フォローする」といった処理手段は記載されていなかった。
このような場合においては、従来は、異常発見の伝達方法は電話が主となるので、あらゆる報告・指揮が当直長に集中しやすく、上述の異常発見から現状把握、そして復旧処置に至るプロセスがスピーディに実行出来ない。また、当直長他の管理者が立案する“問題解決プロセス”は、管理者の判断に委ねられるのでフォーマットを定められず、その問題解決プロセスを共有したり、他の管理者がチェックしたり、複数の管理部門の管理者および作業者間で協力してフォローすることも困難であった。
プラントの運転状態が異常の際に、その異常内容の通知、異常に対する指示の状況、および処置の状況のメッセージを記憶するデータベースと、
前記メッセージの種別を入力し表示する複数の端末と、
メッセージ配信手段を備え、前記複数の端末のうち、一の端末に入力された前記メッセージを前記メッセージ配信手段により配信先ユーザの端末へ配信するとともに、前記メッセージの内容や前記配信の状況を前記データベースに入力するサーバー機と、
前記複数の端末と前記サーバー機との間で、前記メッセージの交換を行うネットワークと、を備え、
前記サーバー機は、前記プラントを構成する設備の中からプラントの運転状態の異常通知情報に含まれる設備を特定し、その異常を解決することにより前記プラントの運転状態の復旧に向けた複数の対応が全て完了するまで、前記データベースに記憶された前記メッセージの中から、前記異常内容に対応させて前記異常に対する指示のメッセージを選択し配信するものである。
この発明によれば、本システムが持つデータベースから入力された異常の内容あるいは対策、これらについての指示あるいは処置内容を呼び出す手段を備えるとともに、異常発生に対する対応状況のデータベース化によって、異常に対応する作業フローおよび対応状況の見える化を実現したので、第三者による作業フローの評価が可能となる。
また、情報の伝達先についても、入力されたメッセージの情報から、関係者を機械的に選定する手段を備えることで、指示者が認知していない有識者への通知や異常の内容に直接関わる運転員や保守員などの関係者への配信漏れを防止するとともに、当直の引き継ぎ時の情報伝達にかかる労力を軽減して半日程度で異常状態を解決できるシステムを提供できるという効果を奏する。
以下、この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。
端末2には、メッセージ入力手段12によりメッセージの種別(プラント異常を発見した者は“異常通知“、管理者は”対応指示“、実務者は”処置内容“)が入力され、メッセージ表示手段11によりメッセージの種別である異常通知、指示状況、あるいは対応状況が表示される。端末2から配信されたメッセージは、サーバー機1の異常通知管理表、指示票生成手段14により異常通知、指示状況、あるいは対応状況に加工され、データベースとして記録される。また、端末2とサーバー機1は、ネットワーク3を介して、データの授受を行っている。
端末2に入力されたメッセージは、サーバー機1に送信され、サーバー機1では、画面ID取得処理15および配信先決定手段9にてメッセージの種別に応じた配信先ユーザが自動選定され、メッセージ配信手段8により配信先ユーザの端末へメッセージが送信される。また、配信先決定手段9は、発電所内の組織体制を設定した体制表データベース4と、ユーザ毎の専門性や機器担当区分を定義した機器担当表データベース5を有し、これらから入力したデータが参照され、送信元端末のユーザIDやメッセージ内の機器名から配信先が自動的に決定される(図38の「体制表データ概念図」及び図39の「機器担当表概念図」参照)。
また、やり取りされるメッセージから“対応指示”と“処置内容”を記憶する指示票データベース7と、指示に対する処置状況は異常通知管理表データベース6として記録され、端末2のメッセージ表示手段11を用いて確認できる。
端末2には、ユーザを識別するためにログイン管理を行うユーザID取得手段10が搭載されており、ユーザが端末2にログインするとサーバー機1内のユーザID登録手段13に登録される。
端末を立ち上げると、図2に示すユーザID取得処理に基づき、システム立ち上げ時に図9に示すユーザID入力画面が表示され、ユーザIDの入力が促される。ユーザID取得手段10を用いてユーザIDが入力されログインが実行されると、ユーザIDがサーバー機へ送信される(図3)。サーバー機は、図4に示すユーザID登録処理にて、端末から受信したユーザIDと、ユーザIDから得られる所属を異常通知管理表データベース6、指示票データベース7に書き込む。登録されたユーザIDと所属は、メッセージ配信先を決定するときに参照される。
及び担当者のユーザIDを更新する。この場合において、機器担当表データベースのユーザIDの更新は、図8に示す「機器担当表のユーザID更新手段」のフローに従って更新される。
以下、この発明の実施の形態2を図16に基づいて説明する。
実施の形態1では、異常発生から処置完了までのプロセスを、機械的に課題解決チームを構築したり、情報共有する機能を紹介したが、実施の形態2では、設定した期限までに回答を得るための自動フォロー機能を提供する。
そこで実施の形態2では、指示依頼や処置を自動フォローするために、異常発見者の設定日時を超過した項目について、実施を促すメッセージを送信する機能と端末に期限超過している指示事項を表示する機能を付加した。
図17に期限超過フォロー手段21のフローを示す。期限超過判断はサーバー機の現在時刻と図42に示す指示票の“処置期限“の日時と比較することで実施する。期限超過の場合は図15の処置状況確認画面にメッセージを表示するとともに期限超過している指示を表示文字等の一部の内容について色を変えて表示する色変え表示を行う。
以下、この発明の実施の形態3を、図20に基づいて説明する。
実施の形態1では、異常発生に対して、管理部門の端末からの指示依頼を引き出し、その依頼の処置完了をもって事態の収束(ここでは、異常の原因あるいは異常設備が判明し、それにより異常事態が解決され正常運転に戻った状態をいう。以下同様)を図ることとしていたが、処置結果によっては、指示の追加や既存の指示内容の実施順序を変更される場合もあるので、その対応機能が必要となることが想定される。これについて以下説明する。
すなわち、サーバー機に指示順序制御手段22を追加する。各指示に対する実行順序の入力手段は、端末2のメッセージ入力手段12により、図21に示す指示事項の条件入力画面を用いて条件設定する。具体的には、1001と1002の回答を受け、指示者がタスクの順番、あるいは論理構成(例えば1001と1002のand条件をとって1003とする場合には「設定」を「AND」とする)、などを入力して条件を設定する。
以下、この発明の実施の形態4を図23に基づいて説明する。
実施の形態1では、異常発生、指示依頼、処置完了、異常収束の順に、これらのプロセスを、異常に関係するメンバーに情報共有する機能を説明したが、体制表に記載されていない組織や、個人を指定して対応を依頼することが出来なかった。
実施の形態4では、特定の個人を指名して依頼することを考慮し、連絡先(ログインユーザデータベース)に指名者を設定出来るとともに、体制外のメンバーへも対応依頼を実施する画面を付加した。
以下、この発明の実施の形態5を図28に基づいて説明する。
実施の形態1では、異常発生の通知は、PCを用いてキーボードから文字入力されることを想定しているが、異常発見の際の現場状況によっては、手入力手段が使用不可のケースが想定される。そこで、実施の形態5では、事象発生通知を、音声認識手段と音声入力手段で実現する機能を付加した。
以下、この発明の実施の形態6を図31に基づいて説明する。
実施の形態1では、異常発生通知は、事象欄に記載される文字情報だけであるが、異常によっては文字だけでは十分に表現出来ない場合がある。
実施の形態6では、異常発生時の異音や破損状態、あるいは、それらを処置した改修後の状態を効果的に伝達する手段として、音声や画像をファイル形式で添付する機能を付加した。
なお、以上の説明における「端末2」については、図面(図1他)中で個別にはT1、T2、・・・、Tnと記して1台ずつ区別した。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
5 機器担当表データベース、6 異常通知管理表データベース、
7 指示票データベース、8 メッセージ配信手段、9 配信先決定手段、 10 ユーザID取得手段、11 メッセージ表示手段、
12 メッセージ入力手段、13 ユーザID登録手段、
14 異常通知管理表、指示票生成手段、15 画面ID取得処理、
21 期限超過フォロー手段、22 指示順序制御手段、
23 ログインユーザ格納処理、24 ログインユーザデータベース、
25 音声認識手段、26 添付ファイル管理手段、
51 資格データベース。
Claims (7)
- プラントの運転状態が異常の際に、その異常内容の通知、異常に対する指示の状況、および処置の状況のメッセージを記憶するデータベースと、
前記メッセージの種別を入力し表示する複数の端末と、
メッセージ配信手段を備え、前記複数の端末のうち、一の端末に入力された前記メッセージを前記メッセージ配信手段により配信先ユーザの端末へ配信するとともに、前記メッセージの内容や前記配信の状況を前記データベースに入力するサーバー機と、
前記複数の端末と前記サーバー機との間で、前記メッセージの交換を行うネットワークと、を備え、
前記サーバー機は、前記プラントを構成する設備の中からプラントの運転状態の異常通知情報に含まれる設備を特定し、その異常を解決することにより前記プラントの運転状態の復旧に向けた複数の対応が全て完了するまで、前記データベースに記憶された前記メッセージの中から、前記異常内容に対応させて前記異常に対する指示のメッセージを選択し配信することを特徴とするプラントの異常状態解決支援システム。 - 前記異常に対する指示には、プラント運転員の教育履歴あるいは保有資格を記載した資格データを、前記データベースに資格データベースとして記憶するとともに、前記資格データベースの更新に応じて管理者及び担当者のユーザIDを更新することを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
- 前記特定した設備の異常状態を解決する場合、その異常に対する処置の内容ごとにその解決の期限を設定することにより、当該期限を超過した項目に対して自動的なフォローを行うことを特徴とする請求項1に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
- 前記特定した異常通知情報に含まれる設備の処置状況に応じて、前記異常に対する指示を追加し、または既存の指示内容への実施順を編集可能としたことを特徴とする請求項1に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
- 前記メッセージの配信時に、ユーザIDあるいは画面IDの中から特定のIDを指定することにより、前記異常に対する指示をする連絡先の追加、当該連絡先を含む前記異常に対する指示の連絡先に指名者を設定でき、かつ体制外のメンバーへも対応依頼可能とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
- 前記異常内容の通知は、音声入力手段と音声認識手段とを用いた入力であることを特徴とする請求項1に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
- 前記異常の発生の際の異音、前記異常を特定した設備の特定時の状態、または改修後の当該設備の状態を伝達する手段として、異常発生の際または改修後の前記設備の状態を示す音声や画像のデータをファイル形式で添付することを特徴とする請求項1に記載のプラントの異常状態解決支援システム。
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