JP6037768B2 - 止水材組成物およびそれらを用いた止水方法 - Google Patents

止水材組成物およびそれらを用いた止水方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば鋼矢板連壁を用いた止水壁のために、予め鋼矢板ジョイント部を処理するための止水材組成物およびそれらを利用した止水方法に関する。
従来より、土止め壁などとして利用されてきた鋼矢板連壁は、連壁の設置が比較的簡単であり、地下埋設物工事の仮設の土止め壁、産業廃棄物処理場の2次防護壁などとしても利用されてきた。
しかしながら、鋼矢板連壁の施工を効率的に行うための鋼矢板ジョイント部には、どうしても数mm〜1、2cm程度の隙間が空いてしまうため、このジョイント部より水、液漏れが生じてしまうという欠点があった。
そのため、上記鋼矢板ジョイント部の止水を目的とした技術が、下記のように、これまでにも提案されてきた。
例えば特許文献1には、ポリエーテルポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)とのNCO末端ウレタンプレポリマーおよび必要によりたれ防止剤および溶剤を含有してなることを特徴とする止水効果を有する湿気硬化型の矢板継手部の塗布剤が開示されている。
特許文献1には、上記塗布剤は、矢板に塗布後、大気で湿気硬化させることのより優れた水膨潤性を発揮すること、塗布そして硬化された塗布剤は水に浸漬することにより自重の5〜20倍程度まで膨張し、しかも矢板の爪部間隙にあっては十分な耐圧性を示すことが開示されている。
例えば特許文献2には、高吸水性のポリマーを主要なる一成分とし、これに水に不溶で、かつ吸水率が0.5以上の成膜可能なるポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を混合してなる膨潤性塗料組成物が開示されている。特許文献2には、上記高吸水性ポリマーとしては、水を吸収して自重の数十倍から千数倍に膨張するものが使用できること、上記塗料組成物は鋼矢板を使用する土木工事において、あらかじめ鋼矢板の爪部分に塗布しておき、打ち込み施工後、水を吸収することにより、徐々に膨潤し、鋼矢板爪部の漏水間隙を完全にシールするように考案されたものであること、が開示されている。
特開昭59−166567号公報 特開昭57−212269号公報
上記の通り、さまざまな止水剤組成物が開示されている。
しかしながら、膨潤倍率の低い止水材を使用する場合には、鋼矢板に厚めに塗る必要があるが、その場合、鋼矢板を地盤に圧入打設する際に、地盤および二つの鋼矢板同士の継手の摩擦(引っ掻き)により剥がれてしまい、止水効果が低下する課題があった。
一方で、膨潤倍率の高い止水材を使用する場合には、鋼矢板に薄く塗ることができ、二つの鋼矢板同士の継手の摩擦(引っ掻き)による剥がれの度合いを小さくできるが、高倍率に膨潤した止水材は耐圧性が低く、止水材の抜け出しが生じて水が漏れ出てしまうという課題があった。
そこで、本発明は、鋼矢板の継手部からの漏水を低減可能な止水材組成物およびそれらを用いた止水方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく止水剤組成物について鋭意検討した。その結果、特定の組み合わせで膨潤材料を使用することにより、鋼矢板を地盤に圧入打設した際の止水性が改善することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、吸水倍率25倍未満の膨潤材料と、吸水倍率25倍以上の膨潤材料とを含む、止水材組成物である。
本発明の別の局面からは、止水方法が提供される。本発明の止水方法は、鋼矢板継手部表面部に、吸水倍率25倍以上の膨潤材料を設け、さらに該膨潤材料の外側に吸水倍率25倍未満の膨潤材料を設けた鋼矢板を使用する、止水方法である。
本発明によれば、鋼矢板を地盤に圧入打設した場合であっても、良好な止水効果を発揮することができる止水材、および止水方法が提供される。
以下に本発明を詳述する。
本発明の止水材は、吸水倍率25倍未満の膨潤材料を必須としている。吸水倍率が25倍未満の膨潤材料としては、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、多硫化ゴム、塩化ゴム、アクリルゴム、ポリ酢酸ビニル等の膨潤ゴム、ウレタン系膨潤材料、モルタル等の水硬性組成物、ベントナイト、セメントベントナイト等の無機系膨潤材料、ゴムスポンジ、ウレタンスポンジ、ポリエチレンフォーム、EVAスポンジ、エアモルタル等の発泡材料、紙類、吸水性繊維、低吸水倍率の吸水性樹脂などが例示される(これらを以下、「膨潤成分A」ということがある)。これら膨潤材料は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
本発明の止水材組成物において、吸水倍率が25倍未満の膨潤材料は、地盤中の水分等により膨潤することにより止水効果を発揮する。本発明の止水材組成物は、通常2または3以上の止水材からなる形態であることが好ましく、その場合、吸水倍率が25倍未満の膨潤材料を含む止水材は、後述する吸水倍率が25倍以上の膨潤材料を含む止水材より外側(鋼矢板表面の反対側)に塗布する(または貼り付ける)ことが好ましい。
本発明の止水材組成物に含まれる上記吸水倍率が25倍未満の膨潤材料は、吸水倍率が2倍〜25倍未満であることが好ましく、吸水倍率が5〜20倍であることがより好ましい。上記範囲であることにより、鋼矢板を地盤に圧入打設した場合等の止水性が向上する。
本発明において、吸水倍率は、下記の方法で測定される。
(吸水倍率測定方法)
吸水倍率の測定方法は、以下のとおりである。
(1)テフロンシート上に乾燥塗布量200g/mになるように塗膜を作成し、24時間常温乾燥後、基材から剥がし、5mm×5mm程度に細かくして、浸透性の袋(ティーバッグ)の中に0.1g仕込む。
(2)次に、脱イオン水100gが注入された容器の中に(1)の袋を浸漬して20分間放置する。
(3)1時間浸漬後に袋を引き上げ5秒間水切り後、10秒間トイレットペーパー(32枚重ね)の上に置き余分な水を除去した後、袋の重量を測定し、下記式より吸水倍率を計算する。
吸水倍率(g/g)=
(吸水膨潤後の袋の重量−袋のみの重量)/袋に仕込んだ塗膜の重量

本発明の止水材組成物は、吸水倍率25倍以上の膨潤材料を必須としている。吸水倍率が25倍以上の膨潤材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体、高倍率の吸水性繊維等が挙げられる(これらを以下、「膨潤成分B」ということがある)。これら吸水性樹脂は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
本発明の止水材組成物において、吸水倍率が25倍以上の膨潤材料は、上記吸水倍率が25倍未満の膨潤材料が剥離した部分の空隙を埋めて閉塞させることにより止水性を発揮する。上記の通り、本発明の止水材組成物は、2または3以上の止水材からなる形態である場合がある。その場合、吸水倍率が25倍以上の膨潤材料を含む止水材は、鋼矢板と上記吸水倍率が25倍未満の膨潤材料を含む止水材より内側(鋼矢板表面側)塗布する(または貼り付ける)ことが好ましい。上記のように塗布(または貼り付け)することにより、上記吸水倍率が25倍未満の膨潤材料が剥離した部分の空隙を容易に埋めて閉塞させることが可能となる。また、鋼矢板等の引き抜き撤去時の引き抜き抵抗を小さくし引き抜き作業効率を向上させる。さらに、回収した鋼矢板に付着した残存の止水材の除去が容易となり鋼矢板の整備が簡便となる。
本発明の止水材組成物に含まれる上記吸水倍率が25倍以上の膨潤材料は、吸水倍率が25倍以上、200倍以下であることが好ましく、吸水倍率が30倍以上、100倍以下であることがより好ましい。上記範囲であることにより、鋼矢板を地盤に圧入打設した場合等の止水性が向上する。
上記の吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の中でも、耐塩性が高いことから、ノニオン性基および/またはスルホン酸(塩)基を有するものがより好ましく、アミド基またはヒドロキシアルキル基を有するものは、さらに好ましい。前記のような耐塩性膨潤材料としては、例えば、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体等が挙げられる。さらに、ポリオキシアルキレン基を有するものが特に好ましい。このような吸水性樹脂(a)としては、例えば、メトキシポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体等が挙げられる。
本発明の止水材組成物における吸水倍率が25倍未満の膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の配合比率(本発明の止水方法における吸水倍率が25倍未満の膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の使用比率)は、質量比で5:95〜95:5であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、25:75〜75:25であることがさらに好ましい。吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の配合比率が上記範囲より少なくなると、吸水倍率が25倍未満の膨潤材料が剥離した際に、空隙をふさぐ効果が小さくなり、止水性が低下する傾向にある。
吸水倍率が25倍未満の膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の合計の使用量は、400〜5000g/mであることが好ましく、90〜2500g/mであることがより好ましい。なお、止水材組成物が後述する溶剤を含む場合であっても、溶剤の質量は、膨潤材料の質量には含まれない。
上記吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の製造方法としては特に限定されないが、例えば、水溶性を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて架橋剤とを含む単量体成分を重合する方法が挙げられる。エチレン性不飽和単量体を(共)重合してなる膨潤材料は、水に対する吸水性により優れており、かつ、一般的に安価である。尚、上記の架橋剤は、特に限定されるものではない。
上記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のカルボン酸(塩)基を有する単量体;(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のスルホン酸(塩)基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;等が例示される。これらエチレン性不飽和単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記吸水倍率が25倍以上の膨潤材料の形状は特に限定されないが、平均粒子径が30〜800μmの粒状であることが好ましく、30〜600μmが更に好ましく、30〜400μmが最も好ましい。上記範囲であれば、後述する溶剤と混合した際に、粒子が沈降し難くなる。
本発明の止水材組成物に含まれる上記吸水倍率が25倍未満の膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の膨潤材料は、上記に例示した膨潤成分AやBに加え、バインダー成分としてバインダー樹脂を含んでいても良い。すなわち、膨潤材料は、膨潤成分とバインダー成分から構成されても良い。バインダー樹脂を含むことにより、膨潤材料の塗布や貼り付けが容易になる。
上記バインダー樹脂は、水不溶性または親水性であることが好ましい。上記バインダー樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニルの部分加水分解物、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体;クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリスチレンポリブタジエンブロックコポリマー等の熱可塑性エラストマー;などが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
親水性バインダー樹脂は、親水性が低すぎると、上記膨潤成分の膨潤を阻害してしまい、土中水分の吸収が低下し、十分に膨潤しないため、止水剤組成物の止水性能が低下する傾向にある。一方、バインダー樹脂の親水性が高すぎると、土中水分の吸水時のバインダーの基材に対する密着力が低下しすぎ、塗膜全体が剥がれやすくなり、止水剤としての耐久性が低下する傾向にある。以上のような理由より、バインダー樹脂は、適度な親水性を有すことが好ましい。
バインダー樹脂の酸価は、適度な親水性を有するためには40mgKOH/g以上である事が好ましく、50mgKOH/g以上である事がより好ましく、70mgKOH/g以上である事がさらに好ましい。上記範囲であれば、親水性が適度であり、止水性能が良好となる傾向にある。また、鋼矢板との密着性を良好にするためには、バインダー樹脂の酸価は、500mgKOH/g以下である事が好ましく、300mgKOH/g以下である事がより好ましく、200mgKOH /g以下である事がさらに好ましい。
バインダー樹脂は、基材(鋼矢板ジョイント部など)への密着性が高く、基材(鋼矢板ジョイント部)の打設時に大きな面積で剥がれにくいという点から、−20℃〜120℃にガラス転移温度を有する事が好ましい。上記範囲であることにより、塗布後の基材を積み重ねたて放置した場合のブロッキングを防止され、基材への密着性、止水剤塗膜の柔軟性が良好になることにより基材を土中に埋設する際に剥離および膨潤材料の脱落を抑制される傾向にある。
0℃〜20℃の間と、20℃〜100℃の間のそれぞれにガラス転移温度を有すると柔軟化成分と形状保持成分とのバランスが良くさらに好ましい。
上記バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はないが、30,000〜300,000の範囲が好ましく、50,000〜200,000の範囲がより好ましい。
バインダー樹脂としては、酸価調節などにより、容易に親水性を調節できるので、アルカリ水可溶性樹脂あるいは酸価が40mgKOH/g〜500mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。
上記アルカリ水可溶性樹脂あるいは酸価が40mgKOH/g〜500mgKOH/gの樹脂の製造方法としては、特に限定されないが、カルボン酸(塩)基を有する単量体と、それと共重合できる単量体とからなる不飽和単量体成分を用いて重合することにより製造することができる。
上記の通り、本発明の止水材組成物は、通常2または3以上の止水材からなる形態であることが好ましいが、上記バインダー樹脂は、吸水倍率が25倍未満の膨潤材料を含む止水材または吸水倍率が25倍以上の膨潤材料を含む止水材のいずれか一方に含まれていても良く、両方に含まれていても良い。好ましくは、両方に含まれていることである。
なお、上記止水材としては、膨潤材料と後述する溶剤(または上記膨潤成分と上記バインダー樹脂を含む溶剤)を別々に保管しておいて、使用前に混合することにより製造しても良い。
それぞれの膨潤材料に含まれる膨潤成分とバインダー成分(バインダー樹脂)の比は、質量比で1:99〜99:1であることが好ましく、5:95〜95:5であることがより好ましく、25:75〜75:25であることがさらに好ましい。
本発明の止水材組成物は、溶剤を含んでいても良い。溶剤は、通常の塗料などに用いられる公知の溶剤であれば、特に限定なく用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール誘導品、プロピレグリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導品等が例示される。これらの溶媒は2種類以上を併用してもよい。
溶剤の選定方法としては、基材へ塗布するのに適した沸点、安全性等を有する溶媒を選定する事が好ましい。低沸点の溶媒を選定すれば速乾性があり、短時間で塗膜が形成できるために厚塗り等が容易となり、高沸点の溶媒を選定すれば作業時間を長くすることができる。媒体として有機溶剤を使用することにより、水を含む媒体を用いた場合に生じる膨潤材料の吸水による膨潤はなく、ゲル状にならないために塗布作業が容易になる。また、メチルエチルケトンやメタノール等の揮発性の大きな溶媒を用いると10分程度で乾燥し、水を媒体として用いる場合よりも非常に早く乾燥するために次の作業あるいは工程に迅速に移行する事ができ、工期あるいは、基材への塗布に要する時間を著しく短縮することができる。
上記の通り、本発明の止水材組成物は、通常2または3以上の止水材からなる形態であることが好ましいが、上記溶剤は、吸水倍率が25倍未満の膨潤材料を含む止水材または吸水倍率が25倍以上の膨潤材料を含む止水材のいずれか一方に含まれていても良く、両方に含まれていても良い。好ましくは、両方に含まれていることである。両方に含まれている場合には、それぞれ別の種類でもよく、同じ種類であっても良い。
なお、上記の通り、上記止水材としては、膨潤材料と溶剤(または上記膨潤成分と上記バインダー樹脂を含む溶剤)を別々に保管しておいて、使用前に混合することにより製造しても良い。
本発明の止水材組成物を構成する止水材が溶剤を含む場合(液体の形態の場合)、それぞれの止水材における膨潤材料(膨潤成分とバインダー成分の合計)と溶剤の比率は、質量比で1:99〜75:25であることが好ましく、5:95〜55:45であることがより好ましく、15:85〜45:55であることがさらに好ましい。
本発明の止水材組成物は、上記の通り、通常2または3以上の止水材からなる形態であることが好ましいが、使用方法としては、鋼矢板に吸水倍率が25倍以上の膨潤材料を含む止水材を塗布または貼り付けし、その上から吸水倍率が25倍未満の膨潤材料を含む止水材を塗布または貼り付けする。上記のように使用すれば、鋼矢板を地盤に圧入打設した場合等に吸水倍率が25倍未満の膨潤材料が地盤中の水分等により膨潤することにより止水効果を発揮し、該吸水倍率が25倍未満の膨潤材料が剥がれた部分においては、吸水倍率が25倍以上の膨潤材料が膨潤することにより、該剥がれおちた空隙を容易に埋めることができる為、止水性を極めて良好に保持することができる。
また、吸水倍率が25倍以上の膨潤材料は良好な摩擦低減性能も有していることから、鋼矢板等の引き抜き撤去時の引き抜き抵抗を小さくし引き抜き作業効率を向上させる。さらに、回収した後の継ぎ手部に付着した吸水倍率が25倍未満の膨潤材料の除去も簡便となり、鋼矢板の再利用が容易になる。
本発明の止水剤組成物が液状である場合の各種基材への塗布方法は、公知の塗料塗布の方法であれば、特に限定されないが、例えば、はけ、ローラー等を用いても良いし、リシンガン等のスプレー器具を用いて吹き付け塗装しても良い。
本発明の止水材を塗布等される基材としては、典型的には鋼矢板であるが、その他の止水工法に用いられる公知の基材に使用可能であり、例えば波板、H形鋼、I形鋼、鋼管杭、鉄柱、コンクリート杭、ポールなどの杭類などが例示される。
本発明の吸水倍率25倍以上の膨潤材料は鋼矢板継ぎ手部表面に塗布し、吸水倍率25倍未満の膨潤材料と鋼矢板継ぎ手部表面との間に設けられることが好ましいが、さらに、プライマーなどの補助層(第三層)を鋼矢板継ぎ手部表面に予め塗布したり、補助層(第三層)を吸水倍率25倍以上の膨潤材料と吸水倍率25倍未満の膨潤材料との間や吸水倍率25倍未満の膨潤材料の外側に介在させても良い。
(具体的な実施形式例)
以下に具体的な実施形式により発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
吸水倍率25倍未満の膨潤材料の例として、例えば日本化学塗料株式会社製「パイルロック」(上記評価方法による吸水倍率は17(g/g)倍であった)、吸水倍率25倍以上の膨潤材料の例としては、例えば株式会社日本触媒製の「フリクションカッター・機能塗布剤」(上記評価方法による吸水倍率は45(g/g)倍であった)を使用する。鋼矢板の継ぎ手部に、まず、「フリクションカッター・機能塗布剤」を塗布し、乾燥後に「パイルロック」をその上から塗布する。「フリクションカッター・機能塗布剤」を400〜1000g/m使用し(有姿)、「パイルロック」を500〜1500g/m使用すると(有姿)良好な漏水の低減効果を発現する。「フリクションカッター・機能塗布剤」と「パイルロック」の使用比率は、乾燥固形分で10:90〜90:10で使用することが好ましい。

Claims (5)

  1. 吸水倍率25倍未満の鋼矢板に塗布する膨潤材料と、吸水倍率25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料とを含む、鋼矢板用止水材組成物。
  2. 鋼矢板継手部表面部に、吸水倍率25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料を設け、さらに該膨潤材料の外側に吸水倍率25倍未満の鋼矢板に塗布する膨潤材料を塗布した鋼矢板を使用する、土止め壁の止水方法。
  3. 吸水倍率が25倍未満の鋼矢板に塗布する膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料の配合比率(本発明の止水方法における吸水倍率が25倍未満の鋼矢板に塗布する膨潤材料と吸水倍率が25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料の使用比率)が、質量比で5:95〜95:5である請求項2に記載の土止め壁止水方法。
  4. 前記吸水倍率25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料が、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体、高倍率の吸水性繊維から選ばれる1種以上である請求項1に記載の鋼矢板用止水材組成物。
  5. 前記吸水倍率25倍以上の鋼矢板に塗布する膨潤材料が、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体、高倍率の吸水性繊維から選ばれる1種以上である請求項2または請求項3に記載の土止め壁の止水方法。
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