JP2002327449A - 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材 - Google Patents

耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材

Info

Publication number
JP2002327449A
JP2002327449A JP2001133140A JP2001133140A JP2002327449A JP 2002327449 A JP2002327449 A JP 2002327449A JP 2001133140 A JP2001133140 A JP 2001133140A JP 2001133140 A JP2001133140 A JP 2001133140A JP 2002327449 A JP2002327449 A JP 2002327449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
layer
substrate
treated
surface treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001133140A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Matsunaga
俊明 松永
Tadayoshi Ukamura
忠慶 宇賀村
Akira Hattori
晃 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001133140A priority Critical patent/JP2002327449A/ja
Publication of JP2002327449A publication Critical patent/JP2002327449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦低減剤、土付着防止剤又は止水剤により
形成される表面処理層を必須として基材表面に有し、し
かも、使用前に表面処理層が吸水膨潤することが抑制さ
れていることから、表面処理層を保護しつつその作用を
充分に発揮させることができる表面処理基材を提供す
る。 【解決手段】 表面処理層を必須として基材表面に有す
る表面処理基材であって、該表面処理層は、吸水性樹脂
(a)及びバインダー樹脂(b)を必須とし、基材表面
と地盤(土)との間の摩擦を低減する摩擦低減剤により
形成されてなり、該表面処理層が形成された基材表面の
全表面積に占める吸水性樹脂(a)の表面積の割合は、
10%以下である表面処理基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理基材に関
する。更に詳しくは、摩擦低減剤、土付着防止剤又は止
水剤により形成される表面処理層を必須として基材表面
に有する表面処理基材に関する。
【0002】
【従来の技術】建築分野や土木分野の基礎工事等におい
ては、工事を行うために設備や経費、日数等がかかるこ
とから、これらを抑制して効率よく行うことや、地盤中
に埋設された基礎構造物が破損すると、その修復等に多
大な労力を費やすことから、このような不具合の発生を
抑制することが切望されていた。これらを改善すること
ができれば、基礎工事等にかかる費用を抑え、かつ迅速
に工事を完了することが可能となる。
【0003】このような基礎工事等においては、例え
ば、タンク類、貯水槽、ヒューム管、鋼管、鋼管杭等を
地中に埋設するための潜函工法、推進工法等の工事で
は、土圧や土との摩擦により基礎構造物を土中に沈下さ
せたり押し進めたりすることが困難である等の各種の問
題があった。これら各種の工事により地下に埋設された
基礎構造物では、基礎構造物表面と周辺地盤との間の摩
擦(ネガティブフリクション)により破損する等の問題
もあった。
【0004】また、土止め擁壁を利用した地下掘削、基
礎構造物埋設工法等でよく利用される鋼矢板等の仮設鋼
材等を用いる工事では、工事終了後の引抜き回収作業に
おいて土が付着してくることから、回収後、平行に積み
上げることができないので、回収後の仮置きが困難であ
るという問題や、仮設鋼材は回収後の再使用が前提であ
るので、工事業者から仮設鋼材のリース業者へ返却する
際に仮設鋼材の洗浄費用を払わなければならないという
問題等があった。
【0005】更に、地下埋設物工事の仮設の土止め擁
壁、産業廃棄物処理場の2次防護壁等として利用されて
いる鋼矢板連壁等を用いる工事では、連壁の設置が比較
的簡単であるが、例えば、鋼矢板連壁の施工を効率的に
行うための鋼矢板ジョイント部には、どうしても数mm
〜1、2cm程度の隙間が空いてしまうため、このジョ
イント部より水、液漏れが生じてしまうという問題があ
った。
【0006】このような問題について、種々検討されて
いる。例えば、ベントナイトモルタルや地盤と鋼材との
摩擦力を低減する技術として、特開昭63−16561
5号公報には、揮発性膜形成樹脂と高吸水性樹脂を塗布
して膜を形成することが開示されている。また、地盤と
杭等の基礎構造物との摩擦力を低減する技術として、特
開昭58−191816号公報には、実施例において吸
水膨潤性樹脂とポリビニルアルコール等の樹脂溶液又は
ポリプロピレングリコール等の非水系の液体に混合した
分散液が開示され、特開昭63−27619号公報に
は、実施例においてポリビニルブチラールとゼラチン又
は寒天の微粉末が混入され、アルコールを溶剤とした水
膨潤性塗料が開示されている。
【0007】そして、鋼矢板の継手からの漏水を防止す
る技術として、特公平4−25990には、特定のNC
O末端ウレタンプレポリマーを利用した塗布剤が開示さ
れ、特公平6−96688には、電離性吸水ポリマー、
多価金属化合物及びエラストマーの有機溶剤溶液からな
る水膨張性塗料組成物が開示され、特開平2−2066
20には、高吸水性ポリマー、熱可塑性エラストマーの
有機溶剤溶液を剥離紙に塗布、乾燥して得られる、鋼矢
板の継手に接着させる帯状水膨潤性物質が開示されてい
る。
【0008】これらの技術では、基材表面に吸水性樹脂
が付着されることになるが、例えば、基材が地盤に埋め
込まれるときや埋め込まれた後に吸水性樹脂が膨潤、剥
離することにより地盤との摩擦を低減したり、吸水性樹
脂が膨潤することにより鋼矢板の継手からの漏水を防止
したりすることを目的としている。
【0009】しかしながら、これらの技術により吸水性
樹脂を含む塗膜を表面に形成した基材では、使用する前
に塗膜が吸水膨潤してしまい、その効果を充分に発揮す
ることができないという問題があった。例えば、通常で
は鋼矢板等の建築資材は屋外の資材置場等に野積みされ
て保管されることになるが、このときに吸水性樹脂が雨
や夜露、地面からの水分により吸水膨潤し、地盤等に埋
め込んだ後に充分に吸水膨潤しない場合があった。これ
を防止するためには、防水シートで覆ったり、屋内の資
材置場等で保管したりすればよいが、工事の効率が低下
し、費用がかかることになる。また、基材を地盤等に埋
め込むときに塗膜の密着性を維持することができないこ
とから、この場合にも使用時に充分に効果を発揮するこ
とができないという問題があった。従って、これらの問
題を解消して、吸水性樹脂の作用効果を充分に発揮させ
る工夫の余地があった。また、従来では、基材表面と地
盤(土)との間の付着を抑制することができる有効な技
術がなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、摩擦低減剤、土付着防止剤又は止水剤により形成
される表面処理層を必須として基材表面に有し、しか
も、使用前に表面処理層が吸水膨潤することが抑制され
ていることから、表面処理層を保護しつつその作用を充
分に発揮させることができる表面処理基材を提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面処理
層を必須として基材表面に有する表面処理基材について
検討するうち、吸水性樹脂(a)及びバインダー樹脂
(b)を必須として表面処理層を形成し、吸水性樹脂
(a)が表面処理基材上で占める表面積を特定すること
により、使用前に表面処理層中の吸水性樹脂(a)が吸
水膨潤することが抑制され、上記課題をみごとに解決す
ることができることに想到した。また、表面処理層の上
層として耐水性付与層を有することにより、使用前に表
面処理層が吸水膨潤することがより抑制されることを見
いだすと共に、耐水性付与層を耐水性付与剤の塗布によ
り形成する場合には、簡便に耐水性付与層を形成するこ
とができ、しかも表面処理層との密着性が良好となるこ
とや、耐水性付与層を耐水性付与フィルムの貼付により
形成する場合には、粘着剤を用いたり、熱溶融させたり
する等の方法により表面処理層と密着させるので、溶剤
乾燥等の手間がなく、現場施工等に好適となることも見
いだした。更に、耐水性付与層を形成する樹脂の酸価を
特定すると、使用前には耐水性を有し、使用するときに
は吸水性樹脂(a)の作用効果を発揮させることができ
る耐水性付与層が形成されることから、表面処理層を保
護しつつその作用をより充分に発揮させることができる
ことも見いだし、本発明に到達したものである。
【0012】すなわち本発明は、表面処理層を必須とし
て基材表面に有する表面処理基材であって、該表面処理
層は、吸水性樹脂(a)及びバインダー樹脂(b)を必
須とし、基材表面と地盤(土)との間の摩擦を低減する
摩擦低減剤により形成されてなり、該表面処理層が形成
された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の
表面積の割合は、10%以下である表面処理基材であ
る。
【0013】本発明はまた、表面処理層を必須として基
材表面に有する表面処理基材であって、該表面処理層
は、吸水性樹脂(a)及びバインダー樹脂(b)を必須
とし、基材表面と地盤(土)との間の付着を抑制する土
付着防止剤により形成されてなり、該表面処理層が形成
された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の
表面積の割合は、10%以下である表面処理基材でもあ
る。
【0014】本発明は更に、表面処理層を必須として基
材表面に有する表面処理基材であって、該表面処理層
は、吸水性樹脂(a)及びバインダー樹脂(b)を必須
とし、基材表面間の空隙を埋めて止水する止水剤により
形成されてなり、該表面処理層が形成された基材表面の
全表面積に占める吸水性樹脂(a)の表面積の割合は、
10%以下である表面処理基材でもある。なお、本明細
書中では、摩擦低減剤、土付着防止剤又は止水剤を表面
処理剤ともいう。以下に本発明を詳述する。
【0015】本発明の表面処理基材は、基材表面に、吸
水性樹脂(a)及びバインダー樹脂(b)を必須とし、
好ましくは、溶剤(c)をも必須とする表面処理剤によ
り形成されてなる表面処理層を有することにより、下記
(1)〜(5)の作用効果を発揮することになる。すな
わち(1)吸水性樹脂(a)が吸水膨潤する機能を発揮
し、バインダー樹脂(b)が吸水性樹脂(a)を基材表
面に付着させるバインダー機能を発揮することにより、
基材の地盤埋設時には基材表面と表面処理層が密着して
おり、打設時に剥がれることが抑制されることになる
が、表面処理層が摩擦低減剤又は土付着防止剤により形
成されてなる場合には、表面処理層が基材の地盤放置時
に地盤(土)中の水分を吸水膨潤して潤滑ゲル層が形成
され、基材の引き抜き時や地盤移動時に潤滑ゲル層が潤
滑剤として機能しながら、基材表面から剥がれて土と共
に地盤中に残ることから、基材表面と地盤(土)との間
の摩擦力が低減し、土の付着を抑制することが可能とな
る。また、表面処理層が止水剤により形成されてなる場
合には、鋼矢板等の基材を打設して鋼矢板連壁等とする
ときに、表面処理層が地盤(土)中の水分を吸水膨潤し
て基材間のジョイント部の空隙を埋め、止水することが
可能となる。本発明では、表面処理層が形成された基材
表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の表面積の割
合が、10%以下であることにより、基材を打設する前
に吸水性樹脂(a)が吸水膨潤することが抑制され、施
工現場での屋外保管時の雨濡れ等では吸水膨潤せず、基
材の地盤放置時に地盤(土)中の水分により吸水性樹脂
(a)が吸水膨潤してその作用を充分に発揮することが
可能となる。
【0016】(2)バインダー樹脂(b)として、基材
表面に施工されて乾燥しているときには基材表面への密
着力が大きく、また、湿潤しているときには密着力が低
下するものを使用することにより、例えば、基材を地盤
中に埋設するとき等、乾燥時には表面処理層が剥離する
ことが抑制されることになり、また、湿潤時には潤滑ゲ
ル層を形成し、該潤滑ゲル層の密着力が低下して剥がれ
易くなることから、地盤(土)との摩擦や付着をより確
実に防止することができ、表面処理層が摩擦低減剤又は
土付着防止剤により形成されてなる場合に、上記(1)
の作用効果を充分に発揮させることが可能となる。
【0017】(3)表面処理層の基材表面への密着力は
大きいが、強度は大きくないように設定すると、大きな
引っかき力により表面処理層が剥離してしまうことを最
小限に抑えることができる。
【0018】(4)溶剤(c)を使用することにより、
塗布するときに吸水性樹脂(a)が吸水膨潤することが
ないことから、均一に塗布することが可能となり、粘度
が低くスプレー塗布等も可能で塗布作業が容易となる。 (5)上塗りとして耐水性付与層を活用することによ
り、基材を打設するときの表面処理層の密着性維持(剥
離防止)と、吸水性樹脂(a)が地盤(土)中の水分に
より吸水膨潤することをより充分に両立することができ
る。
【0019】本発明の表面処理基材において、表面処理
層が形成された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂
(a)の割合は、10%以下である。すなわち表面処理
基材の基材表面に表面処理層が形成され、その上層とし
て耐水性付与層が形成されない場合であっても、その上
層として耐水性付与層が形成される場合であっても、表
面処理層が形成された基材表面の全表面積を基準に、吸
水性樹脂(a)が占める表面積の割合が、10%以下と
なる。
【0020】上記の割合は、例えば、以下に示す方法に
よって測定することができる。まず、吸水性樹脂(a)
及びバインダー樹脂(b)を必須とする表面処理剤が施
工されている表面処理基材、又は、該表面処理剤と耐水
性付与剤が施工されている表面処理基材を20±3℃の
イオン交換水に1時間浸漬する。浸漬後、イオン交換水
から取り出した上記の施工済み表面処理基材における基
材表面の一定面積(Y)の中で白濁している面積(Z)
が占める割合を%表示で表したものが、表面処理層が形
成された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)
の割合(X)である。すなわち、表面処理層が形成され
た基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の割合
〔X(%)〕={表面処理層が形成された基材表面の一
定面積(範囲)〔Y(cm)〕内で白濁している面積
〔Z(cm)〕/表面処理層が形成された基材表面の
一定面積〔Y(cm)〕}×100で表される。ま
た、白濁している面積の測定については、サンプルその
ものを測定してもよいし、場合によっては、顕微鏡等で
拡大写真を撮影して測定することも可能である。更に、
場合によっては、吸水させるイオン交換水に染料等を添
加し、吸水部分の判断を容易にする等の方法も可能であ
る。
【0021】本発明の表面処理基材においては、表面処
理層が形成された基材表面の全表面積に占める吸水性樹
脂(a)の割合(X)が、10%以下であることが必須
である。10%を超えると、本発明の表面処理基材の基
材表面における耐水性が不充分なため、表面処理剤を施
工した基材、又は、表面処理剤と耐水性付与剤を施工し
た基材を屋外に放置した際の雨濡れにより、取扱い時に
表面処理層又は耐水性付与層の密着強度が落ちて、基材
表面から表面処理層又は耐水性付与層が剥離しやすくな
り、性能が極端に低下したり、例えば、地下水が豊富な
地盤内での耐水性が要求される現場での使用が困難にな
ったりする。上記割合(X)は、5%以下であることが
好ましく、1%以下であることが更に好ましい。
【0022】以下に本発明の表面処理基材における表面
処理層を形成する摩擦低減剤、土付着防止剤又は止水剤
すなわち表面処理剤の必須成分について説明する。本発
明における吸水性樹脂(a)としては、水を吸水すること
によって膨潤し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水
倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものでは
ない。
【0023】上記吸水性樹脂(a)としては、例えば、
ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル
酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有する
ポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)
アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メ
タ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共
重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレ
ンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポ
リスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン
−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケ
ン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラ
フト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイ
ン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコール
スルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラ
フト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋
重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0024】上記吸水性樹脂(a)の好ましい形態とし
ては、ノニオン性基及び/又はスルホン酸(塩)基を有
する吸水性樹脂が挙げられ、より好ましくは、アミド基
又はヒドロキシアルキル基を有する吸水性樹脂が挙げら
れ、例えば、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリル
アミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体等
を例示することができる。また、特に好ましい形態とし
ては、ポリオキシアルキレン基を有する吸水性樹脂が挙
げられ、例えば、メトキシポリオキシアルキレン基を有
する(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸
塩との共重合架橋体等を例示することができる。これら
の形態では、アルカリ水に対する吸水性が向上すること
になるが、メトキシポリオキシアルキレン基を有する吸
水性樹脂が特に優れている。
【0025】上記吸水性樹脂(a)としてはまた、水溶
性を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて架
橋剤を含む単量体成分を重合することによって得られる
樹脂を用いることができる。この場合、吸水性樹脂
(a)が水に対する吸水性に優れ、かつ一般的に安価と
なることから好ましい。このような吸水性樹脂を形成す
るエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて用いられる
架橋剤とは特に限定されるものではないが、エチレン性
不飽和単量体としては、下記に例示する単量体の1種又
は2種以上が挙げられる。
【0026】(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニルス
ルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)
アクリロイルプロパンスルホン酸、及び、これら単量体
のアルカリ金属塩やアンモニウム塩;N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、及び、その四級化
物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アク
リロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、及
び、これら単量体の誘導体;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレート;N−ビニル−2−ピロリドン、
N−ビニルスクシンイミド等のN−ビニル単量体;N−
ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムア
ミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチ
ルアセトアミド等のN−ビニルアミド単量体;ビニルメ
チルエーテル等。
【0027】上記エチレン性不飽和単量体の好ましい形
態としては、ノニオン性基及び/又はスルホン酸(塩)
基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられ、例え
ば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン
酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等を例示することができる。ま
た、特に好ましい形態としては、ポリオキシアルキレン
基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。これ
らの形態のエチレン性不飽和単量体を用いると、吸水性
樹脂(a)のアルカリ水に対する吸水性が向上すること
になるが、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートを用いることが特に好ましい。
【0028】上記吸水性樹脂(a)を形成する単量体成
分としてエチレン性不飽和単量体を2種以上併用する場
合においては、吸水性樹脂(a)を形成する全単量体成
分100重量%に対して、ノニオン性基及び/又はスル
ホン酸(塩)基を有するエチレン性不飽和単量体の割合
を1重量%以上とすることが好ましい。1重量%未満で
あると、ノニオン性基及び/又はスルホン酸(塩)基を
有するエチレン性不飽和単量体により形成されることに
よる吸水性の効果が低くなるおそれがある。より好まし
くは、10重量%以上である。
【0029】上記エチレン性不飽和単量体を2種以上併
用する場合の組み合わせとしては特に限定されず、例え
ば、アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩とアクリルアミドとの組み合わせ、(メタ)
アクリル酸アルカリ金属塩とメトキシポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレートとの組み合わせ等が好
適である。
【0030】上記吸水性樹脂(a)を製造する際の重合
方法や、重合に使用する開始剤等の添加剤としては特に
限定されるものではなく、通常用いられている方法によ
り行うことができる。このように得られる吸水性樹脂
(a)の重量平均分子量や形状、平均粒子径等は、表面
処理剤の組成やアルカリ水のpH、作業環境等に応じて
適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例
えば、平均粒子径としては、30〜800μmであるこ
とが好ましい。800μmを超えると、バインダー樹脂
(b)の溶剤溶液に吸水性樹脂(a)を混合したときに
吸水性樹脂(a)の粒子が大き過ぎることによって粒子
が沈み易くなるおそれがあり、30μm未満であると、
吸水性樹脂(a)の粒子が小さ過ぎることによって微粉
として飛び散り易くなり、取扱いが困難となるおそれが
ある。より好ましくは、30〜600μmであり、更に
好ましくは、30〜400μmである。
【0031】本発明におけるバインダー樹脂(b)は、
バインダーとして、吸水性樹脂(a)を基材に定着させ
る機能を有するものであれば、他には特に限定されない
が、例えば、親水性バインダー樹脂や非親水性バインダ
ー樹脂等が挙げられ、親水性バインダー樹脂としては、
α、β−不飽和カルボン酸系モノマーを共重合した(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール系
樹脂、ポリ酢酸ビニルの部分加水分解物、エチレン−ポ
リビニルアルコール共重合体等が挙げられ、非親水性バ
インダー樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル共
重合体;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチ
レンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレ
ン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)等の熱可塑性エラストマー等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができ
る。
【0032】バインダー樹脂(b)のガラス転移温度
(Tg)は、−50〜80℃であることが好ましく、−2
0〜70℃であることが更に好ましく、0〜70℃であ
ることが最も好ましい。これは、あまりTgが低すぎる
(−50℃以下)と基材への密着力及びバインダーとし
ての機能が低くなり好ましくなく、Tgが高すぎるとや
はり基材への密着力が低下するため好ましくない。
【0033】次にバインダー樹脂(b)の酸価は30m
gKOH/g以上、300mgKOH/g以下が好まし
く、50mgKOH/g以上、200mgKOH/g以
下がより好ましい。酸価が低すぎると、基材との密着力
が低下し好ましくなく、また酸価が高すぎるとバインダ
ー樹脂が硬くなり、バインダー機能が低下したり、密着
力が低下するため好ましくない。
【0034】また、バインダー樹脂(b)の重量平均分
子量は、30000〜300000が好ましく、500
00〜150000がより好ましい。重量平均分子量が
上記範囲外になる場合には、本発明の作用効果が充分に
発揮されないおそれがあるため好ましくない。
【0035】これらの中では、本発明のバインダー樹脂
(b)としては、基材への密着力が高く、自身の塗膜強
度があまり強くない点から、アルカリ水可溶性樹脂が好
ましい。アルカリ水可溶性樹脂のアルカリ水への溶解性
であるが、本発明の特徴を阻害しない限り、特に限定さ
れることはない。例えば、0.4重量%濃度のNaOH
水溶液に溶解し、中性や酸性の水には溶解しない樹脂で
あることが好ましい。このようなアルカリ水可溶性樹脂
としては、上記の溶解性を有するものであれば特に限定
はなく、例えば、α,β−不飽和カルボン酸単量体と、
それと共重合できる他の単量体との共重合体等が挙げら
れる。
【0036】上記アルカリ水可溶性樹脂のアルカリ水へ
の溶解性は、例えば、以下のような溶解性テストにおけ
るアルカリ水可溶性樹脂の重量減少率で評価することも
できる。すなわち本発明で好ましく用いることができる
アルカリ水可溶性樹脂のアルカリ水への溶解性は、例え
ば、アルカリ水可溶性樹脂の5mm以下の形をした成形
体(例えば、二軸押出機を用いて得ることができるよう
な直径3mm、長さ3mmの円筒状のペレット形状、ペ
レット化されていなくても、5mm以下の大きさになる
ようにカットされた成形体等であればよい)10gを
0.4重量%濃度のNaOHの水溶液500gに投入
し、25℃にて、24時間攪拌を行った後のアルカリ水
可溶性樹脂の成形体におけるアルカリ水へ溶解した重量
の減少率で求めることができる。
【0037】上記アルカリ水への溶解性テストにおいて
は、24時間攪拌後に溶解せずに残った樹脂分があれ
ば、ろ別等を行い、水で洗浄し、乾燥後の重量を求め
る。そして、溶解性テストにかける前に元のアルカリ水
可溶性樹脂の重量からの減少率で求めることができる。
つまり、(元の重量−溶解性テスト後の重量)/(元の
重量)の比の%表示で求めることができる。
【0038】上記アルカリ水可溶性樹脂としては、上記
アルカリ水への溶解性テストの値が、50〜100重量
%であることが好ましい。より好ましくは、60〜10
0重量%である。更に好ましくは、70〜100重量%
である。
【0039】本発明おける表面処理剤には、溶剤(c)
を含有させることが好ましい。このような溶剤として
は、通常の塗料等に用いられる公知の溶剤を用いること
ができ、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル
等の脂肪族エステル類、エチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール
誘導品、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の
プロピレングリコール誘導品等の1種又は2種以上が挙
げられる。本発明において、溶剤(c)を用いると、表
面処理剤や耐水性付与剤の粘度が低くなり、スプレー塗
布等も可能で塗布作業が容易となる。なお、本発明で
は、溶剤(c)として、バインダー樹脂(b)中に含ま
れる溶剤を利用することもできる。
【0040】上記溶剤(c)の中でも、基材表面へ塗布
するのに適した沸点、安全性等を有する溶剤を用いるこ
とが好ましい。低沸点の溶剤を選定すれば、速乾性があ
り、短時間で表面処理層が形成できるために厚塗り等が
容易となり、また、高沸点の溶剤を選定すれば、乾燥速
度を調整して、夏場等の現場作業における作業性を好適
にすることができる。このように溶剤(c)を使用する
ことにより、水を含む媒体を用いた場合に生じる表面処
理剤の吸水による膨潤はなく、ゲル状にならないために
塗布作業が容易となる。また、メチルエチルケトンやメ
タノール等の揮発性の大きい溶剤を用いると、10分程
度で乾燥し、水を媒体として用いる場合よりも非常に速
く乾燥するために、次の作業又は工程に迅速に移行する
ことができ、工期又は基材表面への塗布に要する時間を
著しく短縮することができる。
【0041】上記表面処理剤には、その作用効果を阻害
しない範囲で、他の樹脂、顔料、各種安定剤、各種充填
材等の他の添加剤を含んでいてもよく、含んでいなくて
もよい。例えば、表面処理層が形成されていることが容
易に判別可能であるように、着色する目的で、顔料を混
合したり、必要に応じて他の用途の各種添加剤を混合し
たりしてもよい。
【0042】本発明における表面処理剤を構成する全成
分100重量%に対する、吸水性樹脂(a)及びバイン
ダー樹脂(b)の合計量の重量割合としては、例えば、
表面処理剤100重量%に対して、50重量%以上であ
ること好ましい。50重量%未満であると、本発明の作
用効果が阻害されるおそれがある。より好ましくは、7
0重量%以上であり、特に好ましくは、80重量%以上
である。
【0043】本発明における表面処理剤を構成する各成
分の重量割合としては特に限定されないが、例えば、本
発明における表面処理剤の作用効果を確実に発揮するた
めには、表面処理剤を100重量%とすると、吸水性樹
脂(a)が5〜60重量%、バインダー樹脂(b)が1
0〜70重量%、溶剤(c)が5〜70重量%、他の添
加剤が0〜50重量%であることが好ましい。より好ま
しくは、吸水性樹脂(a)が10〜50重量%、バイン
ダー樹脂(b)が10〜60重量%、溶剤(c)が10
〜60重量%、他の添加剤が0〜30重量%である。
【0044】本発明における表面処理剤は、基材表面に
施工することにより表面処理層を形成し、その作用効果
を発揮することになるが、基材表面に施工するとは、
(1)基材表面に本発明における表面処理剤を塗布して
表面処理層を形成することや、(2)本発明における表
面処理剤を塗布して表面処理層を形成させたシートを表
面処理層が外側になるように基材表面に貼り付けるこ
と、(3)フィルム状の形態とした本発明における表面
処理剤を基材表面に貼り付けること等を意味する。
【0045】本発明における表面処理剤の塗布方法とし
ては、特に限定されず、例えば、通常用いられる塗料の
塗布方法を用いることができ、具体的には、はけ、ロー
ラー等を用いて塗装してもよいし、リシリガン等のスプ
レー器具を用いて吹き付け塗装してもよい。また、基材
表面と地盤(土)との間の摩擦を低減したい部分(場
所)、基材表面と地盤(土)との間の付着を抑制したい
部分(場所)や基材表面間の空隙を埋めて止水したい部
分(場所)に対応するように基材表面やシートに塗布す
ることになるが、その他の部分に塗布してもよい。塗布
量としては特に限定されず、例えば、40〜700g/
2 とすることが好ましい。40g/m2 未満である
と、本発明の作用効果を充分に発揮することができない
おそれがあり、700g/m2を超えると、塗布して乾
燥させるまでの時間が長くなり、経済的に不利となるお
それがある。より好ましくは、50〜500g/m2
あり、更に好ましくは、70〜300g/m2 である。
なお、基材表面には、他の表面処理が施されていたり、
下塗り等が塗装されていたりしてもよい。
【0046】本発明における表面処理剤をシートに塗布
し、該シートを基材表面に貼り付ける場合、例えば、
布、紙、プラスチックフィルム等のシートを用いること
ができる。この場合、シートの裏面に粘着剤を塗工して
おくと、基材表面への貼り付けが容易になるため好まし
い。粘着剤としては特に限定されず、例えば、一般に使
用されるアクリル系粘着剤でも良いし、グリース油等を
用いると、工事現場で貼り付けを誤ったときに剥離して
再貼り付けすることが容易となるので好ましい。
【0047】本発明の表面処理基材は、表面処理層を必
須として基材表面に有するものであるが、更に、上記表
面処理基材は、上記表面処理層の上層として耐水性付与
層を有することが好ましい。耐水性付与層を有すること
により、例えば、基材を保管しておく場合に、吸水性樹
脂(a)が雨や夜露、地面からの水分等を吸水して膨潤
してしまい、地盤中でその作用を充分に発揮することが
できなくなることを抑制することが可能となると共に、
基材表面と表面処理層との密着力の低下をより抑制する
ことが可能となるからである。すなわち地盤基礎構造体
等の施工において、施工前の基材の保管時も施工中に
も、表面処理層の密着性維持(剥離防止)と、吸水性樹
脂(a)が地盤中の水分により吸水膨潤することをより
充分に両立することができる。
【0048】本発明の表面処理基材においては、耐水性
付与剤をオーバーコートして耐水性付与層を形成する方
法が好ましく、例えば、塗料の形態である耐水性付与剤
をコーティングすることにより耐水性付与層を形成する
ことも可能であるし、フィルムの形態である耐水性付与
剤を貼付して耐水性付与層を形成することも可能であ
る。すなわち上記耐水性付与層は、耐水性付与剤を塗布
することにより形成されてなることが好ましく、また、
耐水性付与フィルムを貼付することにより形成されてな
ることが好ましい。本発明では、上記表面処理層が形成
された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の
表面積の割合を10%以下とするためには、表面処理
層の上から、耐水性付与剤を塗布する、表面処理層の
上から、耐水性付与フィルムを貼り付ける、ことが最も
好適である。表面処理層の上層として耐水性付与剤を塗
布することにより耐水性付与層を形成する場合には、表
面処理層に対して密着性が良好であるので、使用前に吸
水性樹脂(a)が吸水膨潤することや基材表面と表面処
理層との密着力が低下することをより確実に抑制するこ
とが可能となり、本発明の作用効果が確実に発揮される
ことになる。また、耐水性付与フィルムを貼付すること
により耐水性付与層を形成する場合には、溶剤又は水等
の溶媒を乾燥する手間がなく、施工性が非常に良好とな
ることから現場施工等に最適である。
【0049】上記耐水性付与剤としては、表面処理層中
の吸水性樹脂(a)がその作用を発揮する前に膨潤する
ことを防止することができる耐水性付与層を形成するこ
とができるものであれば特に限定されず、例えば、上述
のバインダー樹脂(b);ワックスやシリコーン系撥水
剤等の従来公知の撥水剤等を用いることができる。ま
た、耐水性付与剤の塗布方法としては、上述した表面処
理剤の塗布方法と同様に行うことができる。この場合、
耐水性付与剤の付着量としては、50g/m程度あれ
ば充分であるが、特に限定されるものではない。更に、
耐水性付与フィルムとしては、本発明における表面処理
剤と同様に、耐水性付与剤をシートに塗布し、該シート
を基材表面に貼り付けることにより得ることができる。
例えば、布、紙、プラスチックフィルム等のシートを用
いることができ、シートの裏面に粘着剤を塗工しておく
と、基材表面への貼り付けが容易になるため好ましい。
【0050】本発明における耐水性付与層は、短期の耐
水性と長期の水溶性、水膨潤性を持っていることにより
本発明の作用効果が発揮されることから、酸価が50〜
150mgKOH/gの樹脂を必須として形成されてな
ることが好ましい。すなわち耐水性付与層を形成する樹
脂の酸価は、50mgKOH/g以上かつ150mgK
OH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/
g以上かつ120mgKOH/g以下であることが更に
好ましく、70mgKOH/g以上かつ100mgKO
H/g以下であることが最も好ましい。ここで、酸価が
50〜150mgKOH/gの樹脂としては、特に限定
されず、例えば、上述のバインダー樹脂(b)における
親水性バインダー樹脂等が挙げられる。
【0051】耐水性付与層を形成する樹脂の酸価が50
mgKOH/g未満であると、耐水性は非常に良好であ
るが、本発明における表面処理層の上層として、更に耐
水性付与層が形成されてなる表面処理基材を地盤(土)
中に投入した場合、耐水性付与層が充分に溶解しないた
め、表面処理層まで水分が到達せず、表面処理層が充分
吸水膨潤できないため、摩擦低減効果、土付着防止効果
又は止水効果が充分に発揮されない。一方、耐水性付与
層を形成する樹脂の酸価が150mgKOH/gを超え
ると、今度は、本発明における表面処理層の上層とし
て、更に耐水性付与層が形成されてなる表面処理基材を
地盤(土)中に投入した場合、耐水性付与層が速やかに
溶解し、摩擦低減効果、土付着防止効果又は止水効果
は、耐水性付与層を有しない表面処理基材の場合と同じ
レベルで発揮されるが、耐水性付与層の耐水性自体が不
充分であるという問題が発生する。
【0052】本発明の表面処理基材を利用すると、上述
したような作用効果が発揮されることになるが、表面処
理基材の基材表面と地盤(土)との間の摩擦を低減する
摩擦低減方法、表面処理基材の基材表面と地盤(土)と
の間の付着を抑制する土付着防止方法、又は、表面処理
基材の基材表面間の空隙を埋めて止水する止水方法であ
って、本発明の表面処理基材を使用する方法は、各種の
基礎工事等における効率を向上させるために有効な方法
となる。これらの摩擦低減方法、土付着防止方法又は止
水方法も、地盤(土)への打設時には表面処理層の剥離
が少なく、打設後には良好な摩擦低減能、土付着防止能
又は止水性能を発揮することから、本発明の好ましい実
施形態である。
【0053】本発明の表面処理基材とは、地盤(土)に
埋設される基材を意味し、その状態としては、(1)地
盤(土)に埋設される前の状態にある基材、(2)地盤
(土)に埋設された状態にある基材、(3)地盤(土)
から抜き出された状態にある基材等が挙げられる。すな
わち本発明の表面処理基材とは、これらの状態にある基
材を意味するものである。また、表面処理基材の全体が
地盤(土)に埋設される必要はなく、少なくとも一部分
が地盤(土)に埋設されることになればよい。
【0054】本発明の表面処理基材としては、その形
状、長さ、材質等が特に限定されるものではない。例え
ば、摩擦低減剤により表面処理層が形成されてなる場合
には、地下構造物、潜函工法や推進工法に用いられる基
体や基材であれば特に限定されず、鋼管やヒューム管等
の管類、鋼矢板、波板、H形鋼、I形鋼、鋼管杭、鉄
柱、コンクリート杭、ポール等の杭類、潜函工法で用い
られる各種タンク類、貯水槽等が挙げられる。また、土
付着防止剤により表面処理層が形成されてなる場合に
は、土止め壁等を構成するための引抜き回収を前提とす
る仮設鋼材として用いられる基材であれば特に限定され
ず、鋼矢板、波板、H形鋼、I形鋼、鋼管杭、鉄柱等の
杭類等が挙げられる。更に、止水剤により表面処理層が
形成されてなる場合には、止水工法に用いられる基材で
あれば特に限定されず、鋼矢板(特にジョイント部)、
波板、H形鋼、I形鋼、鋼管杭、鉄柱、コンクリート
杭、ポール等の杭類等が挙げられる。本発明の表面処理
基材としては、各用途において、上記の各群より選択さ
れる少なくとも一種の基材であることが好ましい。
【0055】以下に本発明の実施形態を例示して説明す
る。本発明の表面処理基材における表面処理層が摩擦低
減剤により形成されてなる場合、表面処理基材の施工形
態としては特に限定されるものではない。例えば、地盤
に穴を掘削し、クレーン等で表面処理基材である鉄鋼等
を釣り下げ、設置し、埋設してもよいし、表面処理基材
を打設、押し込みながら施工する方法である潜函工法や
推進工法等を採用してもよい。また、杭用ケーシング
(表面処理基材)を地盤中に設置し、その内部に鉄筋を
設けた後に、コンクリートを打設しながら杭用ケーシン
グを抜いていくことにより鉄筋コンクリートで構成され
た地盤基礎構造物を施工する工法を用いる場合にも、杭
用ケーシングの外側に表面処理層を形成して行うと、土
圧による影響を抑えて杭用ケーシングを引き抜き易くす
ることができる。このように、本発明ではいずれの打設
方法においても、基材表面における表面処理層の耐水性
が優れることより打設時には剥離することがなく、打設
後には充分に吸水膨潤することにより、本発明の作用効
果を発揮することができることから、周辺の地盤への影
響を最小限に抑えながら、基材表面と地盤(土)間の摩
擦力を低減でき、工事の速度、効率を著しく向上するこ
とができる。また、地盤中に埋設後には、各種の地下基
礎構造物(表面処理基材)の基材表面と周辺地盤との摩
擦をカットし、周辺地盤の変化が構造物へ影響を与える
ことを抑制することができることから、地下基礎構造物
のネガティブフリクションカット工法に好適に用いるこ
とができる。このように、本発明の表面処理基材におけ
る表面処理層が摩擦低減剤により形成されてなる場合、
地下基礎構造物のネガティブフリクションカット工法や
潜函工法、推進工法も、本発明の好ましい実施形態であ
る。
【0056】本発明の表面処理基材における特徴の1つ
として、表面処理層が摩擦低減剤により形成されてなる
場合に、表面処理層が徐放性を有することが挙げられ
る。徐放性とは、表面処理層中の表層部分にある吸水性
樹脂(a)から徐々に地盤(土)中の水分を吸水するこ
とにより、吸水膨潤した吸水性樹脂(a)を有する湿潤
ゲル層を地盤(土)と接触する面に徐々に供給する性質
である。この場合、表面処理層中の表層部分に湿潤ゲル
層が形成されることになり、該湿潤ゲル層が潤滑剤とし
て機能すると共に、吸水膨潤した吸水性樹脂(a)の密
着力が低下することに起因して地盤(土)との間で摩擦
力が生じると湿潤ゲル層が剥がれて摩擦を低減すること
になる。そして表面処理層中の表層部分には、新たな湿
潤ゲル層が供給されることになる。このような徐放性の
調節は、吸水性樹脂(a)の親水性等を適宜設定するこ
とにより行うことができるが、本発明では、バインダー
樹脂(b)の密着力が優れることに起因して吸水性樹脂
(a)の徐放速度を調整して遅くすることが可能である
ことから、様々な工事条件や地下基礎構造体の要求性能
に応じて表面処理層の吸水速度を適切に設定することが
容易であり、基材表面に施工された表面処理層の表面か
ら、地盤(土)中の水分を適当量吸収させることによ
り、何日間にも渡って、つまり長期間に渡って、新たな
湿潤ゲル層(吸水膨潤層)を基材表面に供給することを
適切に行うことが可能となる。
【0057】上記の徐放性について、具体的な1例とし
て図1を用いて説明する。図1(1)〜(4)では、表
面処理基材1aにおける基材表面付近の一部の断面概念
図を示している。図1(1)に示すように表面処理基材
1a(例えば鋼管)に本発明における摩擦低減剤を塗布
して表面処理層3を形成し、(2)に示すようにその表
面付近を吸水膨潤させて湿潤ゲル層を形成させた後、表
面処理基材1aを土中へ打設(1日目)すると、表面処
理基材1aの基材表面と地盤2との間で摩擦力が生じる
が、湿潤ゲル層が潤滑剤として機能すると共に、(3)
に示すように湿潤ゲル層が表面処理層3の表面から剥が
れた状態となる。そして、次の日の工事までに、表面処
理層3の表面付近は土中の水分を吸水膨潤し、新たに湿
潤ゲル層を形成して(4)に示すような状態となる。2
日目に、1日目と同様の方法で地面から表面処理基材1
aを打設し、更に土中深くに押込む場合、湿潤ゲル層は
同様に潤滑剤として機能すると共に、表面処理層3の表
面から剥げることになる。このように(3)と(4)に
示すような現象を繰り返すことにより、土中で何日にも
渡って打設が繰り返される推進工法等を行う場合でも、
本発明における摩擦低減剤を地上で1度表面処理基材に
塗布するだけで、工事中を通じてずっと土中で摩擦低減
機能を発揮することが可能になる。
【0058】本発明の表面処理基材において、摩擦低減
剤により形成される表面処理層は、地下水の多い地盤中
に基材が打設される場合でも上記のように徐放性という
性質を有することから、摩擦低減効果の持続性に優れて
おり、徐々に工事が進行していく潜函工法や推進工法に
対して有効であり、また、埋設後であっても長期間に渡
って摩擦低減効果が持続することになり、地盤等の変動
が起きても、地盤の変動に伴う表面処理基材の変動や変
位を最小限に抑えることができる。その結果、地盤基礎
構造物等の表面処理基材が地盤中で安定化されることに
より、その上に建造されるビル等の建築物が安定化され
ることになる。例えば、地盤基礎構造物をクレーン等で
土中の穴に施工した場合でも、長期間に渡って、基材表
面と地盤(土)との間の摩擦低減効果が持続することに
なるため、表面処理基材が摩擦低減剤により形成されて
なる場合には、効果の高い地盤基礎構造物のネガティブ
フリクションカット工法を行うことが可能となる。
【0059】本発明の表面処理基材における表面処理層
が土付着防止剤により形成されてなる場合、仮設鋼材等
の表面処理基材の施工形態としては、上述したように、
表面処理層が摩擦低減剤により形成されてなる場合と同
様に特に限定されるものではない。この場合には、表面
処理基材の基材表面に形成される表面処理層の厚みを工
事条件等により適宜調整することが好ましい。例えば、
土中の水分量が少ないときや仮設鋼材等の埋設期間が短
いときには、表面処理層の厚みを薄くすることにより、
比較的少量の水分でも基材表面への密着力を低下させる
ようにすることが好ましい。これにより、表面処理基材
を地盤中に打設して表面処理層を湿潤させ、表面処理基
材を引き抜くときに剥がれ易くすることができることか
ら、基材表面への土の付着をより抑制することが可能と
なる。また、土中の水分量が多いときや仮設鋼材等の埋
設期間が長いときには、表面処理層の厚みを厚くするこ
とにより、本発明におけるバインダー樹脂(b)が発揮
する効果と相まって、比較的多量の水があっても、埋設
期間中、湿潤ゲル層の供給を安定化させて基材表面への
土の付着をより防止することができる。このように、表
面処理層の厚みを調節したり、上記表面処理層が摩擦低
減剤により形成されてなる場合と同様に吸水性樹脂
(a)の親水性等を調節したりすることにより、各種現
場の土質、埋設期間等に合わせて、土付着防止能を発揮
することが可能となる。
【0060】本発明の表面処理基材における表面処理層
が摩擦低減剤により形成されてなり、仮設鋼材等を表面
処理基材とする場合では、表面処理基材を引き抜くとき
に、周辺地盤を引き上げる等の悪影響が少なく、引抜き
後の表面処理基材にはほとんど土の付着がなく、表面処
理基材の引抜き後には地盤に生じる空隙が最小限(仮設
鋼材自体の体積とほぼ同じ)に抑えられるので、後処理
(埋め戻し)に必要な薬剤、土砂の使用量が最小限に抑
えられることになる。
【0061】本発明の表面処理基材における表面処理層
が止水剤により形成されてなる場合、鋼矢板等の表面処
理基材の施工形態としては、上述したように、表面処理
層が摩擦低減剤又は土付着防止剤により形成されてなる
場合と同様に特に限定されるものではない。本発明にお
ける止水剤は、鋼矢板等の表面処理基材への施工が容易
であり、すなわち鋼矢板ジョイント部等への施工が容易
であり、特に地盤(土)への打設時において鋼矢板ジョ
イント部等から表面処理層が剥離することを少なくする
ことができる。また、打設後には吸水性樹脂(a)の膨
潤率が高いことから、薄膜であっても高止水性能を発揮
することができ、使用後には鋼矢板ジョイント部等から
表面処理層を除去することを容易にすることができる。
例えば、鋼矢板連壁を用いた止水壁を施工するために、
本発明における止水剤を予め鋼矢板ジョイント部に施工
し、鋼矢板が地盤(土)中に打設された後、地盤(土)
中の水分を吸水し、膨潤することにより、ジョイント部
の空隙を埋め、止水性能を発揮することになる。
【0062】図2では、地盤(土)中に打設された表面
処理基材1a及び1bのジョイント部付近の断面概念図
を示している。図2(1)では、ジョイント部に施工さ
れた表面処理層3が吸水膨潤していない状態を示してお
り、表面処理基材1a及び1bの間に空隙が存在してい
る状態である。(2)では、表面処理層3中の吸水性樹
脂(a)3aが充分に吸水膨潤した状態を示しており、
これにより表面処理基材1a及び1bの間における空隙
が埋められて止水性能を発揮することが可能になる。
【0063】本発明の表面処理基材における表面処理層
が止水剤により形成されてなる場合、上記表面処理層の
基材表面への密着力は、イオン交換水に24時間浸漬後
に20N/cm以上であることが好ましい。これによ
り、止水するときの水圧が高圧となる場合でも、表面処
理層が基材表面から剥離、脱落することを防止すること
ができ、表面処理層の止水性能を良好に保つことができ
ることから、表面処理層がより優れた耐久性を発揮する
ことが可能となる。本発明の作用効果をより確実に発揮
するためには、上記密着力は、50N/cm 以上であ
ることがより好ましい。更に好ましくは、100N/c
以上である。
【0064】本発明において、表面処理基材における表
面処理層のイオン交換水に24時間浸漬後の該基材表面
への密着力の測定方法としては、下記に示す方法を好適
に適用することができる。 表面処理層の湿潤時の基材表面への密着力の測定方法 (1)50mm×50mmの基材に止水剤を施工する。
例えば、止水剤の形態が塗料である場合には、所望の膜
厚になるように基材表面に塗布し、乾燥させる。また、
止水剤の形態がフィルム(粘着剤付き)である場合に
は、基材表面に貼付、養生しておく。
【0065】(2)次に、図3に示すような鋼材製の治
具を接着剤〔例えば、エポキシ系接着剤として、アラル
ダイト(商品名、チバガイギー社製)等〕を用いて、基
材下面(止水剤を施工していない面)と基材上面(止水
剤を施工した面、すなわち止水剤により形成された表面
処理層上)に1個ずつ、計2個接着し、接着剤に指定さ
れた硬化時間の間、養生して硬化させる。この際、基材
下面は全面に接着剤を塗布し、全面を接着する。一方、
基材上面は、基材両端の1cm幅ずつのみに接着剤を塗
布し接着する(すなわち、両端1cm×5cmずつのみ
接着し、内側の3cm×5cmは接着しない)。
【0066】(3)上記(2)で作成した養生、硬化後
の試験体を、20℃のイオン交換水に24時間浸漬後、
市販の引っ張り試験機を用いて、基材表面と止水剤によ
り形成された表面処理層との間の密着力(剥離力)を2
5℃、引っ張り速度が10mm/分の条件にて測定す
る。
【0067】(4)n数すなわち測定回数は、3〜5個
とし、基材表面と止水剤により形成された表面処理層と
の間以外で剥離したサンプルのデータは除いて、全デー
タの平均値を密着力とする。
【0068】上記の各実施形態において、本発明では、
表面処理基材が基材表面に表面処理層を有する場合や、
表面処理層と耐水性付与層を有する場合に、表面処理層
が形成された基材表面の全表面積に占める吸水性樹脂
(a)の表面積の割合が、10%以下であることによ
り、表面処理基材を打設するときに吸水性樹脂(a)が
基材表面から取れることが抑制されると共に、基材を打
設する前に吸水性樹脂(a)が吸水膨潤することが抑制
され、吸水性樹脂(a)による作用を充分に発揮するこ
とが可能となる。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限
り「重量部」を意味する。
【0070】製造例1 吸水性樹脂(a)を以下の方法で以て調製した。即ち、
温度計とブレード(攪拌翼)とを備え、内面が三フッ化
エチレンでライニング処理された容量1.5Lの卓上型
ジャケット付きニーダーを反応器として用い、該反応器
に、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(分子量512)60.18g、メタクリル酸(分子量
86.09)3.76g、メタクリル酸ナトリウム(分
子量108)210.69g、架橋剤であるポリエチレ
ングリコールジアクリレート1.3g、及び、溶媒であ
るイオン交換水352.37gを仕込んだ。単量体成分
における架橋剤の割合は0.14モル%である。
【0071】ジャケットに50℃の温水を流すことによ
り、上記の水溶液を窒素ガス気流下、攪拌しながら50
℃に加熱した。次いで、重合開始剤である2,2′−ア
ゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(分子量2
71.27,和光純薬工業社製化成品V−50)の1
1.6重量%水溶液10gを添加して10秒間攪拌した
後、攪拌を停止して静置した。単量体成分に対する重合
開始剤の割合は0.2モル%である。
【0072】重合開始剤を添加した後、直ちに重合反応
が開始され、90分経過後に内温が100℃(ピーク温
度)に達した。その後、ジャケットに80℃の温水を流
しながら、内容物を更に30分間熟成させた。これによ
り、含水ゲルを得た。反応終了後、ブレードを回転させ
て含水ゲルを微細な状態になるまで解砕した後、反応器
を反転させて該含水ゲルを取り出した。得られた含水ゲ
ルを熱風循環式乾燥機を用いて140℃で3時間乾燥し
た。乾燥後、乾燥物を卓上簡易型粉砕機(協立理工社
製)を用いて粉砕した。これにより、平均粒子径160
μmの吸水性樹脂(1)を得た。
【0073】製造例2 バインダー樹脂(b)を以下の方法で以て調製した。即
ち、温度計と滴下装置とを備えた容量50Lの槽型反応
器に、アクリル酸0.50kg、アクリル酸エチル2.
4kg、メタクリル酸メチル0.10kg、重合開始剤
である2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)12g、及び、溶媒であるメチルアルコール
3kgを仕込んだ。また、滴下装置に、アクリル酸1.
15kg、アクリル酸メチル2.1kg、メタクリル酸
メチル3.75kg、2,2′−アゾビス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル)28g、及び、メチルアルコ
ール7kgからなる混合溶液を仕込んだ。
【0074】上記のメチルアルコール溶液を窒素ガス雰
囲気下、攪拌しながら65℃に加熱し、20分間反応さ
せた。これにより、内容物の重合率を72%に調節し
た。続いて、内温を65℃に保ちながら、滴下装置から
上記の混合溶液を2時間かけて均等に滴下した。滴下終
了後、内容物を65℃で更に3時間熟成させた。反応終
了後、内容物にメチルアルコール10kgを混合するこ
とにより、バインダー樹脂(1)の33重量%メチルア
ルコール溶液を得た。
【0075】得られたバインダー樹脂(1)の重量平均
分子量は12万であり、酸価は130mgKOH/gで
あった。また、バインダー樹脂(1)の示差走査熱量測
定を行った結果、バインダー樹脂(1)は、ガラス転移
温度を−80〜120℃の範囲内に2つ有していた。
【0076】製造例3 耐水性付与剤用ポリマーを以下の方法で以て調製した。
即ち、温度計と滴下装置とを備えた容量50Lの槽型反
応器に、アクリル酸0.38kg、アクリル酸エチル
2.4kg、メタクリル酸メチル0.22kg、重合開
始剤である2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)13g、及び、溶媒であるメチルアルコ
ール3kgを仕込んだ。また、滴下装置に、アクリル酸
0.88kg、アクリル酸メチル2.1kg、メタクリ
ル酸メチル4.02kg、2,2′−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)29g、及び、メチルア
ルコール7kgからなる混合溶液を仕込んだ。
【0077】上記のメチルアルコール溶液を窒素ガス雰
囲気下、攪拌しながら65℃に加熱し、20分間反応さ
せた。これにより、内容物の重合率を72%に調節し
た。続いて、内温を65℃に保ちながら、滴下装置から
上記の混合溶液を2時間かけて均等に滴下した。滴下終
了後、内容物を65℃で更に3時間熟成させた。反応終
了後、内容物にメチルアルコール10kgを混合するこ
とにより、耐水性付与剤用ポリマー(1)の33重量%
メチルアルコール溶液を得た。
【0078】得られた耐水性付与剤用ポリマー(1)の
重量平均分子量は11万であり、酸価は100mgKO
H/gであった。また、耐水性付与剤用ポリマー(1)
の示差走査熱量測定を行った結果、耐水性付与剤用ポリ
マー(1)は、ガラス転移温度を−80〜120℃の範
囲内に2つ有していた。
【0079】製造例4 製造例1で得られた吸水性樹脂(1)50部、製造例2
で得られたバインダー樹脂(1)152部、2−ブタノ
ン48部を良く混合し、表面処理剤用塗料(1)を作製
した。更に上記表面処理剤用塗料(1)をバーコーター
を用いて、乾燥時の膜厚が200μmになるように、テ
フロン(登録商標)シート状に薄く引き伸ばし、室温で
18時間、更に50℃で24時間乾燥した後、片面に粘
着剤を塗布し、表面処理剤フィルム(1)を作製した。
【0080】製造例5 製造例3で製造された耐水性付与剤用ポリマー(1)3
3%メタノール溶液152部の2−ブタノン48部を添
加し、耐水性付与塗料(1)を作製した。更に上記耐水
性付与塗料(1)をバーコーターを用いて、乾燥時の膜
厚が100μmになるように、テフロン(登録商標)シ
ート状に薄く引き伸ばし、室温で18時間、更に50℃
で24時間乾燥した後、片面に粘着剤を塗布し、耐水性
付与フィルム(1)を作製した。
【0081】実施例1 厚さ3mm、70mm×70mmの鋼板に製造例4で得
た表面処理剤用塗料(1)を500g/mの塗布量
(乾燥時の膜厚200μm)で塗布し、室温で2時間乾
燥し、表面処理剤(1)塗布済み鋼板を得た。更に前記
鋼板の上に、製造例5で得た、耐水性付与塗料(1)を
250g/mの塗布量(乾燥時の膜厚100μm)で
塗布し、室温で2時間乾燥し、耐水性付与塗料(1)塗
布済み鋼板を得た。
【0082】次に、上記耐水性付与塗料(1)塗布済み
鋼板をイオン交換水に1時間浸漬した後、取り出し、全
表面積に占める表面の白濁部分の面積割合(%)を測定
した。その結果、白濁部分の面積割合(=全表面積中の
吸水性樹脂(1)が占める表面積の割合)は、約1%で
あった。
【0083】実施例2 実施例1において、表面処理剤用塗料(1)を塗布する
代わりに、製造例4で得られた表面処理剤フィルム
(1)を70mm×70mmのサイズに裁断したものを
鋼板に貼り付け、更にその上に、製造例5で得られた耐
水性付与フィルム(1)を同じく70mm×70mmの
サイズに裁断したものを鋼板に貼り付け、耐水性付与フ
ィルム(1)施工済み鋼板を得た。
【0084】次に、上記耐水性付与フィルム(1)施工
済み鋼板をイオン交換水に1時間浸漬した後、取り出
し、全表面積中に占める表面の白濁部分の面積割合(=
全表面積中の吸水性樹脂(1)が占める表面積の割合)
(%)を測定した。その結果白濁部分はなかった。
【0085】比較例1 実施例2において、耐水性付与フィルム(1)の面積を
50mm×70mmに変更する以外は、実施例2と同様
の操作を繰り返し比較用鋼板(1)の全表面積に占め
る、表面の白濁部分の面積割合(%)を測定した。その
結果、白濁部分の面積割合(=全表面積中の吸水性樹脂
(1)が占める表面積の割合)は約35%であった。
【0086】比較例2 実施例1において、耐水性付与塗料(1)を塗布しない
こと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、比較用
鋼板(2)の全表面積に占める表面の白濁部分の面積割
合(%)を測定した。その結果、白濁部分の面積割合
(=全表面積中の吸水性樹脂(1)が占める表面積の割
合)は約97%であった。
【0087】実施例3 実施例1で作製した耐水性付与塗料(1)塗布済み鋼板
の塗膜上に図3に記載した形状の50mm×50mmの
治具を、無塗布面にはエポキシ系接着剤を治具全面に塗
って接着し、塗布面には、治具接着面の左右10mmず
つの幅にエポキシ系接着剤を塗って接着した(すなわ
ち、中央部の30mm×50mm部分は未接着)。
【0088】上記のように作製した引っ張り試験用の塗
布鋼板(治具付き)(1)を20℃条件下、イオン交換
水に24時間浸漬した後、引っ張り試験機にて、塗膜の
基材(鋼板)に対する湿潤密着強度を測定した。その結
果、上記、耐水性付与塗料(1)塗布済み鋼板の湿潤密
着強度は、274N/cmであり、充分湿潤密着強度
の強いものであった。
【0089】実施例4及び比較例3,4 実施例3において、耐水性付与塗料(1)塗布済み鋼板
の代わりに、実施例2で得られた耐水性付与フィルム
(1)施工済み鋼板及び比較例1で得られた比較用鋼板
(1)、比較例2で得られた比較用鋼板(2)を用いる
以外は同様の操作を行い、上記鋼板の湿潤密着強度を測
定し、その結果を表1にまとめた。
【0090】
【表1】
【0091】実施例5 厚さ1mm、直径50mm、長さ500mmの鋼管の表
面(内側、外側両方)に、まず、製造例4で得られた表
面処理剤用塗料(1)を乾燥時200g/mの塗布量
で塗布後、室温で1時間乾燥し、更にその上に、製造例
5で得られた耐水性付与塗料(1)を乾燥時100g/
の塗布量で塗布後、室温で18時間乾燥し、耐水性
付与塗料塗布済み鋼管(1)を作製した。
【0092】次に、上記耐水性付与塗料塗布済み鋼管
(1)を、まず、イオン交換水中に10分浸漬した。浸
漬後の鋼管表面は、吸水、膨潤した摩擦低減剤層におお
われぬるぬるしていた。次にこの鋼管を、予め試験の1
時間前に10L/mの水道水を散布しておいた、弊社
敷地内(大阪府吹田市)の地面に垂直に立てて、鋼管の
上に厚さ3mm、60mm×60mmの鋼板を乗せた上
から、500gの金槌により60cmの高さから、10
回たたいて、鋼管を土中に打設した。この時に地表から
打設された深さを表2に示した。この鋼管を1日放置
し、翌日、まず、鋼管表面(内側、外側両方)に約50
0mlのイオン交換水を掛け、約10分放置した。放置
後の鋼管表面は、吸水、膨潤した摩擦低減剤層におおわ
れぬるぬるしていた。次に、1日目と同じ方法で鋼管を
土中に打設した。この時、地表から打設された深さを表
2に示した。更に、この鋼管を1日放置し、2日目と同
じ操作で打設を行い、地表から打設された深さを表2に
示した。
【0093】上記実験における、地表から打設された深
さは1日目がやや低かったものの、2、3日目は、無塗
布鋼管(比較例7)と比較して、かなり大きくまたその
深さは2、3日目も低下しなかった。この結果から見て
も、本発明の耐水性付与塗料(1)を基材表面に塗布す
ることにより、水分の多い地盤においても、3日間に渡
って基材表面に摩擦低減剤層が供給され、摩擦低減効果
が充分維持、発揮されたことがわかる。
【0094】実施例6及び比較例5〜7 実施例5において、耐水性付与塗料塗布済み鋼管(1)
の代わりに、表2に記載した表面処理剤、耐水性付与剤
を施工した耐水性付与フィルム施工鋼管(1)、比較用
鋼管(2)、比較用鋼管(3)及び何も塗布していない
無塗布鋼管を用いること以外は、実施例5と同様の操作
を行い、1〜3日目の打設時の深さを測定し、その結果
を表2にまとめた。
【0095】その結果、本発明の表面処理剤フィルム
(1)及び耐水性付与フィルム(1)を施工した耐水性
付与フィルム施工鋼管(1)は、実施例5で使用した耐
水性付与塗料塗布済み鋼管(1)と同じく、無塗布鋼管
と比較して、明らかに打設深さが3日間を通じて大き
く、その低下も見られず、良好な摩擦低減効果及び徐放
性を発揮したことがわかる。
【0096】一方、耐水性付与層が不充分な比較例5、
6の場合には、1日目の打設深さは実施例5,6よりも
むしろ大きいが、2日目、3日目とその効果は著しく小
さくなり、3日目には、打設深さは、無塗布鋼管とあま
り変わらなくなっている。このように、水分の多い今回
のような地盤では、耐水性付与層が不充分な比較用鋼管
(1)、(2)等では、摩擦低減効果の徐放性に大きな
問題が見られた。
【0097】
【表2】
【0098】実施例7 長さ8.1mのIV型鋼矢板の下部7.5m(裏表両面)
に、まず、表面処理剤用塗料(1)を乾燥時の厚さが2
00μmとなるように均一にはけ塗りし、20℃で1時
間乾燥させた後、その上に、耐水性付与塗料(1)を乾
燥時の厚さが100μmとなるように均一にはけ塗り
し、自然乾燥を18時間することにより、耐水性付与塗
料塗布済み土付着防止鋼矢板(1)を得た。
【0099】上記、耐水性付与塗料塗布済み土付着防止
鋼矢板(1)を、バイブロを用いて東京都品川区(地下
水の豊富なシルト層)の土中に埋設し、1ヶ月後、同じ
くバイブロを用いて引抜きを行った。引抜き後の耐水性
付与塗料塗布済み土付着防止用鋼矢板(1)の土及び塗
膜の付着状況を表3にまとめた。表3を見てわかるよう
に、耐水性付与塗料塗布済み土付着防止鋼矢板(1)に
は土及び塗膜の付着は見られず、土付着防止能は非常に
良好なものであることがわかる。
【0100】実施例8及び比較例8〜10 実施例7において、耐水性付与塗料塗布済み土付着防止
鋼矢板(1)の代わりに、表3に記載した.表面処理
剤、耐水性付与剤を施工した耐水性付与フィルム施工済
み土付着防止鋼矢板(1)、比較用土付着防止鋼矢板
(1)、(2)及び何も塗布していない無塗布鋼矢板を
用いること以外は、実施例7と同様の操作を行い、引抜
き後の耐水性付与フィルム施工済み土付着防止鋼矢板
(1)、比較用土付着防止用鋼矢板(1)、(2)及び
何も塗布していない無塗布鋼矢板の土及び塗膜の付着状
況を表3のまとめた。
【0101】
【表3】
【0102】実施例9 表面処理剤塗料(1)を図4に示した鋼材製基材12m
m×50mmの面(2面)に600μm(乾燥時の塗布
厚)の塗布厚で塗布、室温で1時間乾燥した後、更にこ
の上に耐水性付与塗料(1)を100μm(乾燥時の塗
布厚)の塗布厚で塗布、室温で18時間乾燥した。その
後、この2面を5mmの隙間で対面させた直方体型の隙
間(5mm×12mm×50mm)〔耐水性付与塗料塗
布済み隙間(1)〕を作製した。
【0103】次に上記耐水性付与塗料塗布済み隙間
(1)を、イオン交換水に1時間浸漬後、その表面を幅
2mmの鋼製のネジ回し先端で長手(50mm)方向に
片面1度づつ、両面ともやや力を入れて擦った(ポリエ
チレン基材に傷が入らない程度)が、表面がやや荒れる
だけで、ほとんど剥離しなかった。
【0104】次に上記耐水性付与塗料塗布済み隙間
(1)を図5記載の透水速度を測定する装置の下面に設
置し、まず、24時間イオン交換水に浸漬し、隙間を膨
潤により埋めた後、一定時間毎に水面の高さを測定する
ことにより、透水速度を算出し、その結果を表4に示し
た。
【0105】表4の結果より、本発明において、止水剤
用として用いられる表面処理剤用塗料(1)では、最
終到達透水速度が小さい(止水性能が高い)、最終到
達透水速度に到達するまでの時間が短い(約1日で到
達、膨潤速度が速い)、より薄膜で高い止水性能を発
揮できる(安価、打設時に剥離しにくい)等非常に止水
剤として良好な結果が得られた。
【0106】実施例10及び比較例11、12、13 実施例9で、止水剤として、表4に記載したものを使用
する以外は、実施例9と同様の操作を行い、その際測定
された透水速度を表4に示した。表4の結果より、耐水
性付与剤を充分施工し、吸水性樹脂の表面積中の割合を
10%以下にしていないものは塗膜の耐水性が低いため
に、イオン交換水1時間浸漬後の剥離試験で比較的大き
な剥離が発生するため、透水速度も大きくなり、止水性
能が低いものであった。
【0107】
【表4】
【0108】
【発明の効果】本発明の表面処理基材は、上述の構成よ
りなるので、使用前に表面処理層が吸水膨潤することが
抑制されていることから、表面処理層を保護しつつその
作用を充分に発揮させることができ、基材表面と地盤
(土)との間の摩擦を低減する摩擦低減能、基材表面と
地盤(土)との間の付着を抑制する土付着防止能、又
は、基材表面間の空隙を埋めて止水する止水性能を発揮
することができることから、基礎工事等にかかる費用を
抑え、かつ迅速に工事を完了するためや、地盤基礎構造
物を保護するために有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理基材において、摩擦低減剤又
は土付着防止剤により形成されてなる表面処理層の作用
効果を説明するための断面概念図である。
【図2】本発明の表面処理基材において、止水剤により
形成されてなる表面処理層の作用効果を説明するための
断面概念図である。
【図3】本発明の実施例において、表面処理剤の基材表
面への密着力を測定する際に用いられる引っ張り試験用
治具の概略図である。
【図4】本発明の実施例において、止水性能の指標であ
る透水速度を測定するための止水剤施工済み隙間の概略
図である。
【図5】本発明の実施例において、止水性能の指標であ
る透水速度を測定するための装置の概略図である。
【符号の説明】
1a、1b 表面処理基材 2 地盤 3 表面処理層 3a 吸水性樹脂(a) 3b 水及びアルカリ水に不溶なバインダー樹脂
(b) 4 止水剤を施工(塗工)する面 5 止水剤が膨潤して止水する隙間 6 透水速度を測定する装置(図4)の11に接続
する面 7 ガラス管 8 アクリル筒(φ30mm) 9 エポキシ系シール材 10 テフロン(登録商標)板 11 止水剤施工済み隙間(図3)の6に接続する位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 晃 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 2D050 BB10 DA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理層を必須として基材表面に有す
    る表面処理基材であって、該表面処理層は、吸水性樹脂
    (a)及びバインダー樹脂(b)を必須とし、基材表面
    と地盤(土)との間の摩擦を低減する摩擦低減剤により
    形成されてなり、該表面処理層が形成された基材表面の
    全表面積に占める吸水性樹脂(a)の表面積の割合は、
    10%以下であることを特徴とする表面処理基材。
  2. 【請求項2】 表面処理層を必須として基材表面に有す
    る表面処理基材であって、該表面処理層は、吸水性樹脂
    (a)及びバインダー樹脂(b)を必須とし、基材表面
    と地盤(土)との間の付着を抑制する土付着防止剤によ
    り形成されてなり、該表面処理層が形成された基材表面
    の全表面積に占める吸水性樹脂(a)の表面積の割合
    は、10%以下であることを特徴とする表面処理基材。
  3. 【請求項3】 表面処理層を必須として基材表面に有す
    る表面処理基材であって、該表面処理層は、吸水性樹脂
    (a)及びバインダー樹脂(b)を必須とし、基材表面
    間の空隙を埋めて止水する止水剤により形成されてな
    り、該表面処理層が形成された基材表面の全表面積に占
    める吸水性樹脂(a)の表面積の割合は、10%以下で
    あることを特徴とする表面処理基材。
  4. 【請求項4】 更に、前記表面処理基材は、前記表面処
    理層の上層として耐水性付与層を有することを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の表面処理基材。
  5. 【請求項5】 前記耐水性付与層は、耐水性付与剤を塗
    布することにより形成されてなることを特徴とする請求
    項4記載の表面処理基材。
  6. 【請求項6】 前記耐水性付与層は、耐水性付与フィル
    ムを貼付することにより形成されてなることを特徴とす
    る請求項4記載の表面処理基材。
  7. 【請求項7】 前記耐水性付与層は、酸価が50〜15
    0mgKOH/gの樹脂を必須として形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項4、5又は6記載の表面処理基
    材。
JP2001133140A 2001-04-27 2001-04-27 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材 Pending JP2002327449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001133140A JP2002327449A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001133140A JP2002327449A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002327449A true JP2002327449A (ja) 2002-11-15

Family

ID=18981048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001133140A Pending JP2002327449A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002327449A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023618A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Zenitaka Corp ケーソン躯体、該ケーソン躯体を使用した圧入ケーソン工法及び摩擦低減シート
JP2013167048A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Tobishima Corp 潜函工法およびその潜函工法に使用するケーソン
JP2016199892A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 稲垣商事株式会社 屋根材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023618A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Zenitaka Corp ケーソン躯体、該ケーソン躯体を使用した圧入ケーソン工法及び摩擦低減シート
JP2013167048A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Tobishima Corp 潜函工法およびその潜函工法に使用するケーソン
JP2016199892A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 稲垣商事株式会社 屋根材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002327449A (ja) 耐水性が良好な表面処理層を有する表面処理基材
JP3207843B1 (ja) 止水剤用塗料、止水工法用鋼矢板およびそれらを利用した止水工法
JP4786953B2 (ja) ケーソン躯体、該ケーソン躯体を使用した圧入ケーソン工法及び摩擦低減シート
JP4887082B2 (ja) 摩擦低減シートユニット、ケーソン躯体及び該ケーソン躯体を使用した圧入ケーソン工法
US6593280B2 (en) Friction reducing coating for engineering works, and sheet pile, steel tubular pipe and construction method
JP2002322647A (ja) ホットメルト型表面処理剤
JP3212584B2 (ja) 地下構造物の建造方法
JP4265726B2 (ja) 湿潤時の密着性が良好な表面処理剤、前記表面処理剤を用いた工法及び鋼矢板
JP3224533B1 (ja) 摩擦低減剤用塗料ならびにそれを利用したネガティブフリクションカット工法、潜函工法および推進工法
JP2002327433A (ja) 湿潤時の密着性が良好な止水剤、該止水剤を用いた止水工法用鋼矢板、止水工法用鋼管杭、及び、止水工法
JP4132713B2 (ja) 耐水性の良好な水硬性混和物接着抑制剤、埋設物及び接着防止方法
JP3929293B2 (ja) 汚染物拡散防止塗料、汚染物拡散防止方法およびシート状汚染物拡散防止材
JP2002309178A (ja) 剥離しにくい表面処理剤
JP3228505B1 (ja) 密着性の良好な止水材、止水工法用鋼矢板およびそれらを利用した止水工法
JP3264371B2 (ja) 潜函工法または推進工法用の摩擦低減剤用塗料およびそれを利用した潜函工法または推進工法
JP6037768B2 (ja) 止水材組成物およびそれらを用いた止水方法
JP2008163733A (ja) 湿潤時の密着性が良好な表面処理剤、前記表面処理剤を用いた工法及び鋼矢板
JP2008303628A (ja) 摩擦低減材
JP5742103B2 (ja) 既埋設体の撤去方法
JP3212955B2 (ja) 表面処理剤、埋設物、および接着防止方法
JP4898028B2 (ja) 摩擦低減地中沈設体及び周面摩擦力低減工法
JP2002322460A (ja) 使用後残存しにくい表面処理剤
JP4204497B2 (ja) 土木・建築用樹脂組成物及び鋼材の処理方法
JP3181573B1 (ja) 土付着防止剤用塗料、土付着防止用鋼矢板およびそれらを利用した土付着防止工法
JP2002302951A (ja) 耐水性付与層を有する埋設物及び接着防止方法