JP6037731B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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[1](A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)鱗片状充填材及び(C)繊維状充填材を含有する樹脂組成物であって、
前記(A)ポリフェニレンエーエル系樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂とを主成分とする樹脂組成物であり、
前記スチレン系樹脂が、ポリスチレン(GPPS)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS、AAS、AES、ACS)、ゴム変性スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、及びゴム変性スチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体(MABS)からなる群より選ばれる1種以上であり、
前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の含有量の合計が20〜120質量部であり、
前記(B)鱗片状充填材の比率が、前記(B)鱗片状充填剤と前記(C)繊維状充填材との合計質量に対して10〜60質量であり、
80℃の純水に浸漬させた時に溶出する金属イオン量が、30ppm以下である樹脂組成物。
[2](B)鱗片状充填材が、マイカ及びタルクからなる群より選択される少なくとも1種である[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記マイカの酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(K2O)、及び酸化マグネシウム(MgO)含有量の合計が30質量%以下である[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(B)鱗片状充填材の酸化カルシウム(CaO)の含有量が1.4質量%以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記(C)繊維状充填材が、ガラス繊維である[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記(C)繊維状充填材が、Eガラス繊維及びARガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種である[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記樹脂組成物が、(D)有機リン化合物を更に含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]前記樹脂組成物が、(E)金属成分を含有しない離型改良剤を更に含む[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]前記金属イオン量が、カルシウム、カリウム及びマグネシウムの金属イオン合計量である[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]JIS K7129B法(モコン法)に準拠する水蒸気透過性が2.0以下である[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11]ISO 178に準拠する曲げ弾性率が5〜15GPaである[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]ISO 179に準拠するシャルピー衝撃が4.0以上である[1]〜[11]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[13][1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂成形体。
[14][1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂製容器。
[15][1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる燃料電池用樹脂製容器。
本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の合計量を20〜100質量部を含有し、
当該樹脂組成物を、80℃の純水に浸漬させた時に溶出する金属イオン量が、30ppm以下である。
(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の種類及び含有量は、本実施形態の樹脂組成物における、80℃の純水と接触した際の、金属イオンの溶出に影響する。
以下、本実施形態の樹脂組成物の各構成成分について、詳細に説明する。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、ポリフェニレンエーテル樹脂、又はポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂とを主成分とする樹脂組成物を意味する。本実施形態において、「ポリフェニレンエーテル樹脂、又はポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂とを主成分とする」とは、ポリフェニレンエーテル樹脂、又はポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂とを合計で30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することを意味する。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を構成するポリフェニレンエーテル樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を含む、ホモ重合体及び/又は共重合体が挙げられる。
本実施形態においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテル樹脂をブレンドしたものであっても、好ましく使用することができる。
スチレン系樹脂としては、ゴム質重合体存在下又は非存在下で、スチレン系化合物、又は、スチレン系化合物と該スチレン系化合物と共重合可能な化合物とを重合して得られる重合体が挙げられる。
スチレン系化合物としては、以下に制限されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレンが挙げられる。特にスチレンが好ましい。
2種以上併用する場合は、スチレン−無水マレイン酸共重合体を併用すると、後述する(B)鱗片状充填材及び(C)繊維状充填材との密着性が向上するため、より好ましい。
スチレン系樹脂が共重合体である場合の、当該共重合体の重合形態については、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等通常の公知の方法が用いられる。
また、別々に共重合した樹脂をブレンドすることも可能である。好ましくは、アルカリ金属や金属化合物等の不純物が少ない塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合法が使用される。特に、塊状重合又は溶液重合が好ましい。
アルカリ金属の中でもナトリウム及び/又はカリウムの成分の、ポリスチレン樹脂の中の含有量が、好ましくは1質量ppm以下、より好ましくは0.5質量ppm以下、さらに好ましくは0.1質量ppm以下である。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン部分の一部又は全てが水素添加されたスチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹脂、ゴム状のコア・シェルポリマーなどであり、特にスチレン−ブタジエンブロック共重合体及びブタジエン部分の一部又は全てが水素添加されたスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、ガスバリア性、寸法精度と剛性とのバランスの観点から、(B)鱗片状充填材を含むことが必須である。
(B)鱗片状充填材としては、鱗片状(板状、層状を含む)であれば、特に制限なく使用できる。(B)鱗片状充填材としては、例えば、マイカ、タルク、フレーク状ガラス、クレー、ワラストナイト等が挙げられる。
マイカにおいて、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(K2O)及び酸化カルシウム(CaO)の合計含有量は30質量%以下、好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、最も好ましくは15質量%以下である。
最も溶出し易い酸化カルシウム(CaO)の含有量は、1.4質量%以下が好ましく、より好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
なお、マイカにおける、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(K2O)及び酸化カルシウム(CaO)の含有量は、蛍光X線分析法により測定することができる。
Al(Si4O10)(OH)2(鱗マイカ)、NaAl2(AlSi3O10)(OH)2(ソーダマイカ)、KMg3(AlSi3O10)F2(フッ素金マイカ)等がある。これらのマイカは、いずれも壁開性を有している。本実施形態の樹脂組成物は、種類を問わず、いずれのマイカを含有してもよく、1種のみを含有しても、2種以上を含有してもよい。
タルクの平均粒径は、0.5μm〜40μmであり、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μmである。
本実施形態の樹脂組成物には、機械的特性、特に耐衝撃性、ウェルド強度、剛性を満足させる為に、(C)繊維状充填材を(B)鱗片状充填材と併用配合することが必須である。使用する(C)繊維状充填材は特に限定されない。
(C)繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維等が好ましく使用できる。炭素繊維は金属イオン溶出性の点で優れている。一方、寸法精度、難燃性及びコストの観点からは、ガラス繊維がより好ましい。
その他のガラス繊維としては、一般的なEガラス、Cガラス、Tガラスがあるが、熱可塑性樹脂に一般的に配合されるEガラス繊維は、入手性、低コスト、及び(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂との加工性、密着性の観点から、好ましく使用できる。
ガラス繊維は、平均繊維径が5〜25μmであることが好ましく、8〜15μmのものが機械特性ならびに寸法精度のバランスの観点からより好ましい。樹脂組成物中に配合後及び成形品中における平均繊維長が20〜500μmであることが好ましく、30〜300μmがより好ましい。
これらの各種ガラス繊維は、多くのガラスメーカーから入手できる。
集束剤は、通常、フィルム形成剤、界面活性剤、柔軟剤、帯電防止剤、潤滑剤等より構成される。収束剤としては、ウレタン系、酢酸ビニル系、エポキシ系、アクリル系、ポリオレフィン系が挙げられる。(C)繊維状充填材としては、ウレタン系収束剤、酢酸ビニル系収束剤にて処理されたガラス繊維を用いることが好適である。
(C)繊維状充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、上記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)鱗片状充填材、及び(C)繊維状充填材の必須成分を特定の割合で含むものである。かかる割合について次に説明する。
(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の合計含有量が20質量部以上では、樹脂組成物の機械的強度、剛性が十分であり、好ましい。一方、(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の合計含有量が100質量部以下では、金属イオン溶出が少なく、押出混練の安定性が良く、樹脂組成物の機械的強度、難燃性、外観の低下が少なく、好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、(D)有機リン化合物(以下「成分(D)」とも記す。)を更に含んでいてもよい。成分(D)は難燃剤として用いられるものであり、代表的な化合物の例としては、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物が挙げられる。
成分(D)としては、従来市販されている材料も適用でき、例えば、大八化学(株)製 商品名CR−741、CR−747、CR733S、PX−200が挙げられる。
さらに、式(I)で示される縮合リン酸エステルは、他のリン酸エステルを使用した場合に比べて、最終的に得られる樹脂組成物の表面硬度、セルフタッピング特性が優れたものとなるため好ましい。
ここで、酸価とは、JIS K2501に準拠し、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表される値である。
ホスファゼン化合物としては、下記式(V)に示す環状及び直鎖状の構造を有するものが挙げられるが、環状構造化合物が好ましく、n=3及び4の6員環及び8員環のフェノキシホスファゼン化合物が特に好ましい。
さらに、ホスファゼン化合物は、フェニレン基、ビフェニレン基、及び下記式(VI)で示される基から選ばれる架橋基によって架橋されていてもよい。
一般式(VI)で示されるホスファゼン化合物は、公知の化合物であり、例えばJames E. Mark, Harry R. Allcock, Robert West著、”Inorganic Polymers”Pretice−Hall International, Inc., 1992, p61−p140に記載されている。
例えば、非架橋環状フェノキシホスファゼン化合物の合成については、H.R.Allcock著、“Phosphorus−NitrogenCompounds“,Academic Press,(1972)に記載の方法に準じて行うことができ、ジクロルホスファゼンオリゴマー(3量体62%、4量体38%の混合物)1.0ユニットモル(115.9g)を含む20質量%クロルベンゼン溶液580gに、ナトリウムフェノラートのトルエン溶液を撹拌下で添加し、その後、110℃で4時間反応させ、精製することにより、非架橋環状フェノキシホスファゼン化合物が得られる。
さらに、酸価が0.5以下のホスファゼン化合物は、難燃性、耐水性及び電気特性の面からより好ましい。
本実施形態の樹脂製容器を形成する樹脂組成物において、(D)有機リン化合物の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
本実施形態の樹脂製容器を形成する樹脂組成物には、離型性を改良する為に(E)金属成分を含有しない離型改良剤を更に含有することが好ましい。(E)離型改良剤は、成形において離型の改良効果があれば、特に制限なく使用できる。離型改良材として一般的に使用されている脂肪酸化合物も好適に使用できる。ただし、脂肪酸化合物の中の脂肪酸金属塩は、成分中の金属イオンが液体との接触において溶出することがある為、(E)離型改良剤として使用しない。(E)離型改良剤は、成分中に金属を含有しないものである。(E)金属成分を含有しない離型改良剤の具体例として、ポリオレフィン化合物、脂肪酸化合物(ただし、脂肪酸金属塩を除く)、パラフィンオイル、アマイドワックス等が挙げられるが、熱安定性の観点から、ポリオレフィン化合物が特に好ましい。
上記の共重合体には、その性能に影響を与えない範囲で、その他の成分がさらに共重合されていてもよい。
脂肪酸化合物(ただし、脂肪酸金属塩を除く)として、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級脂肪酸等が挙げられる。具体例として、一般的に市販され、入手できる、エチレンビスステアロアマイド(EBS)、モンタン酸エステルワックス等が好適に使用できる。
本実施形態の樹脂製容器を形成する樹脂組成物において、(E)金属成分を含有しない離型改良剤の含有量は、0.005〜10質量%であることが好ましく、0.008〜8質量%であることがより好ましく、0.01〜5質量%であることが更に好ましい。
本実施形態に用いる樹脂組成物は、本発明に所望の効果を損なわない範囲内で、他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、以下に制限されないが、例えば、衝撃改良剤、可塑剤、安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃助剤、充填剤等が挙げられる。前記安定剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属類、無機硫化物及び金属酸化物類よりなる群から選択される1種以上が使用可能である。
本実施形態の樹脂組成物は、80℃の純水に浸漬させたときに溶出する金属イオン量が30ppm以下である。
溶出する金属種としては、主に、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)等が挙げられる。これらの金属種の中でも、カルシウム(Ca)、カリウム(K)及びマグネシウム(Mg)は、純水に溶出し易い傾向があり、本実施形態の樹脂組成物の金属イオン溶出を抑制するには、カルシウム、カリウム及びマグネシウムの含有量は少ないことが非常に効果的である。
これらの合計が、30ppm以下であることが好ましく、25ppm以下であることがより好ましい、20ppm以下であることが更に好ましい。
なお、金属化合物の溶出物は、上記金属種の化合物に限定されるものではない。
なお、本実施形態の樹脂組成物を用いた成形体を実際の製品として使用する際に、接触する液体が上述した純水に限定されないことは言うまでもない。純水には、超純水(和光純薬製)を用いることができる。
金属溶出量(ppm)
=イオンクロマト測定結果濃度(ppm)×[純水量(100質量部)/サンプル量(20質量部)]
なお、測定時に用いた装置及び条件を以下に示す。
カラム:ダイオネクス製 CG16(ガードカラム)+CS16(分離カラム)
溶離液:30mM/Lメタンスルホン酸溶液
流速 :1.2mL/min
導入量:50μL
検出器:導電率検出器
温度 :カラム40℃、検出器35℃
本実施形態の樹脂組成物は、上述した各成分を、加熱下で溶融混合することにより製造することができる。
前記溶融混合する際の溶融混合機としては、好ましくは押出機、より好ましくは二軸押出機、さらに好ましくはニーディングブロックを含むスクリュー構成を適宜選択可能な二軸押出機を用いることができる。
(A−1)PPE樹脂(ポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
極限粘度[η]が0.45(30℃、クロロホルム中)であるポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
PSJポリスチレン 685(PSジャパン製)。
ポリスチレン CT60(ペトロケミカル社製)。
商標 スタイラックAS T9701(旭化成ケミカルズ製)。
(B−1):白マイカ
製品名 BHTマイカ200D(西日本貿易製)
ロットA:CaO含有量:0.04質量%、MgO含有量:1.2質量%、K2O含有量:9.6質量%
(B−2):白マイカ
製品名 BHTマイカ200D(西日本貿易製)
ロットB:CaO含有量:0.1質量%、MgO含有量:4.2質量%、K2O含有量:8.6質量%
(B−3):金マイカ
製品名 スゾライト・マイカ200KI(西日本貿易製)
CaO含有量:1.5質量%、MgO含有量:21.9質量%、K2O含有量:8.0質量%
(B−4)マイカ:マイカ(B−1)と、マイカ(B−3)を1:1で混合したマイカ
(B−5)タルク:竹原化学(株)製、製品名 ハイトロンA
CaO含有量:0.2質量%、MgO含有量:31.0質量%、K2O含有量:0.05質量%
(B−6)タルク:(株)福岡タルク製、福岡篠栗産タルク
CaO含有量:3.8、質量%、MgO含有量:24.8質量%、K2O含有量:0.04質量%
なお、MgO含有量及びCaO含有量は、蛍光X線分析法により測定した。
(C−1):Eガラス繊維
製品名 T−849(日本電気硝子製)
13μm/3mmチョップドストランド。
製品名 (日本電気硝子製)
13μm/3mmチョップドストランド。
(D):リン酸エステル系化合物
製品名CR741(大八化学工業社製)
主成分がビスフェノールA芳香族縮合リン酸エステル化合物、酸価0.1以下。
ここで、酸価は、JIS K2501に準拠し、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表される値とした。
(E−1):エチレン−プロピレン共重合体(EP)
タフマーP0680(三井化学製)。
(E−2):エチレンビスステアロアマイド(EBS)
カオーワックスEB(花王製)。
(E−1´):ステアリン酸マグネシウム
ダイワックスM(大日精化工業製)。
表1に示す組成の各成分を、温度250〜320℃、スクリュー回転数300rpmに設定した二軸押出機(ZSK−25:WERNER&PFLEIDERE社製)にて溶融混練し、樹脂製容器用の樹脂組成物ペレットを得た。
この樹脂組成物ペレットを用いて、シリンダー温度280℃、金型温度70℃にてISO−7391−2に準じて射出成形を行い材料物性評価用のテストピースを作製した。
得られた材料物性評価用のテストピース及び平板を用いて、以下の方法により各種試験を行なった。評価結果を表1に示す。
テフロン(登録商標)製容器を用い、超純水100質量部、樹脂組成物のペレット20質量部を投入して浸漬し、テフロン(登録商標)容器を密閉し、80℃で48時間放置し、熱水抽出を行う。48時間後、室温まで冷却後、抽出液をシリンジで吸引し、セルロース製メンブランフィルター(細孔径0.02μm)でろ過して金属量測定用サンプルを得、当該サンプルを用いて測定することができる。
金属イオンの測定はイオンクロマト分析法(IC)により行うことができる。イオンクロマトグラフ分析計としては、ダイオネクス製 ICS−2000型を用いることができ、標準物質を用いる検量線法により定量することができる。
金属溶出量(ppm)
=イオンクロマト測定結果濃度(ppm)×[純水量(100質量部)/サンプル量(20質量部)]
なお、測定時に用いた装置及び条件を以下に示す。
溶離液:30mM/Lメタンスルホン酸溶液
流速 :1.2mL/min
導入量:50μL
検出器:導電率検出器
温度 :カラム40℃、検出器35℃
導電率(μs/cm)
また、得られた金属量測定用サンプルを用いてホリバES51型(セル定数:1cm-1)にて測定し、25℃における導電率に換算した。
平板(100×100×1mm)を用いて、JIS K7129B法(モコン法)に準拠して水蒸気バリア性を評価した。
試験機: モコン社製 PERMATRAN W3/31
雰囲気: 40℃、90%RH
材料物性評価用のテストピースを用い、ISO 178に準拠して曲げ弾性率を測定した。
材料物性評価用のテストピースを用い、ISO 179に準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。
ISO−7391−2に準じて射出成形を行い材料物性評価用のテストピースを使用し、テストピースの両側に設けたサイドゲートから充填させテストピース中央部にウェルドを作製した。得られたテストピースをISO 527に準拠して引張ウェルド強度を測定した。
得られた樹脂組成物のペレットから、難燃性評価用の試験片を作製した。該試験片の厚み1.5mmで、UL94に基づいて難燃性(燃焼性)を評価した。
平板(150×150×2mm)を用いて、平面度を評価した。なお、成形時に用いた金型はゲート径2mmのピンゲート(1点)であった。図1に示すように、試験片上の15点の位置から最小二乗法により仮想平面を設定し、3次元測定器にて方向のズレを測定して平面度を測定した。
平面度(mm)=(Maxズレ値−Minズレ値)
○:平面度 1.0mm以下
△:平面度 1.1〜1.9mm
×:平面度 2.0mm以上
樹脂組成物を実施例に示す方法により溶融混練する際の押出性に関して、以下の判断基準により判断した。
○:何ら問題なく30分間の押出が可能。
△:30分間の押出において、数回のストランド切れ発生あり。
×:30分間の押出において、10回以上のストランド切れ発生あり。
Claims (15)
- (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)鱗片状充填材及び(C)繊維状充填材を含有する樹脂組成物であって、
前記(A)ポリフェニレンエーエル系樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂とを主成分とする樹脂組成物であり、
前記スチレン系樹脂が、ポリスチレン(GPPS)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS、AAS、AES、ACS)、ゴム変性スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、及びゴム変性スチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体(MABS)からなる群より選ばれる1種以上であり、
前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(B)鱗片状充填材と(C)繊維状充填材の含有量の合計が20〜120質量部であり、
前記(B)鱗片状充填材の比率が、前記(B)鱗片状充填材と前記(C)繊維状充填材との合計質量に対して10〜60質量であり、
80℃の純水に浸漬させた時に溶出する金属イオン量が、30ppm以下である樹脂組成物。 - (B)鱗片状充填材が、マイカ及びタルクからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記マイカの酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(K2O)、及び酸化マグネシウム(MgO)含有量の合計が30質量%以下である、請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)鱗片状充填材の酸化カルシウム(CaO)の含有量が1.4質量%以下である、請求項の1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(C)繊維状充填材が、ガラス繊維である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(C)繊維状充填材が、Eガラス繊維及びARガラス繊維からなる群より選択される少なくとも1種以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が、(D)有機リン化合物を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が、(E)金属成分を含有しない離型改良剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記金属イオン量が、カルシウム、カリウム及びマグネシウムの金属イオン合計量である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- JIS K7129B法(モコン法)に準拠する水蒸気透過性が2.0以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ISO 178に準拠する曲げ弾性率が5〜15GPaである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ISO 179に準拠するシャルピー衝撃が4.0以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂成形体。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂製容器。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる燃料電池用樹脂製容器。
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