JP6036933B2 - 車両用樹脂ドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用樹脂ドア構造に関する。
下記特許文献1には、樹脂製のインナパネルとアウタパネルとをウレタン等の接着剤を用いて接着した樹脂製バックドア構造が開示されている。
特開2011−136606号公報
しかしながら、上記特許文献1の樹脂製バックドア構造では、例えば、インナパネルの接着剤塗布面に車両内側に大きく凹んだ凹部が存在すると、接着剤を塗布したときに、凹部の底部に接着剤が届かない可能性がある。そのため、インナパネルの凹部にアウタパネルの接合面を重ねたときに、凹部の底部の手前側にある接着剤を切る現象が発生し、シール切れの原因となる。
本発明は上記事実を考慮し、インナパネルとアウタパネルとを接着剤により接着する際に、接着剤の充填不足によるシール切れの発生を防止又は抑制することができる車両用樹脂ドア構造を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る車両用樹脂ドア構造は、車両用ドアの車室外側に配置されるアウタパネルと、前記アウタパネルの車室内側に配置される樹脂製のインナパネルと、前記アウタパネルと前記インナパネルとを接着剤により接合する接合部に設けられ、前記アウタパネル及び前記インナパネルのパネル面からクランク状に折れ曲がる折曲げ部と、前記接着剤が塗布される前記パネル面側の前記折曲げ部の少なくとも底部のパネル面側の角部に形成され、前記角部の面から起立すると共に前記インナパネル側のみに形成されたリブと、を有し、前記インナパネルは、前記インナパネルと前記アウタパネルとの距離が車両外側から車両内側に向かい徐々に広くなる傾斜部を有する
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用樹脂ドア構造において、前記インナパネルの端部は前記アウタパネル側に屈曲するインナ屈曲部を有し、前記インナ屈曲部の高さは、前記接着剤の厚みより低い
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用樹脂ドア構造において、前記アウタパネルの端部は前記インナパネル側に屈曲するアウタ屈曲部を有し、前記アウタ屈曲部は、前記インナ屈曲部より外側に配置されている。
請求項1記載の本発明によれば、アウタパネルと樹脂製のインナパネルとを接着剤により接合する接合部には、アウタパネル及びインナパネルのパネル面からクランク状に折れ曲がる折曲げ部が設けられている。接着剤が塗布されるパネル面側の折曲げ部の少なくとも底部のパネル面側の角部には、角部の面から起立すると共にインナパネル側のみに形成されたリブが設けられている。これにより、アウタパネルの接合部又はインナパネルの接合部の一方に接着剤が塗布され、アウタパネルの接合部とインナパネルの接合部とを相対的に押し付けて接合するときに、接着剤が塗布されるパネル面側の折曲げ部の少なくとも底部のパネル面側の角部のインナパネル側のみにリブが形成されていることで、リブが接着剤に食い込む(めり込む)。これにより、インナパネルとアウタパネルとを接着剤により接着する際に、折曲げ部の底部のパネル面側の角部での接着剤の充填不足によるシール切れの発生を防止又は抑制することができる。
本発明に係る車両用樹脂ドア構造によれば、インナパネルとアウタパネルとを接着剤により接着する際に、接着剤の充填不足によるシール切れの発生を防止又は抑制することができる。
一実施形態に係る車両用樹脂ドア構造が適用された樹脂バックドアを示す背面図である。 図1に示す樹脂バックドアのリアウインドガラスを除いた状態で示す分解斜視図である。 図2に示すアウタアッパ及びアウタロアが接合されるインナパネルの接着剤の塗布部を示す斜視図である。 図2に示すアウタアッパ及びアウタロアが接合されるインナパネルの接着剤の塗布部を示す断面図である。 図2に示すインナパネル単体の背面図である。 インナパネルの車両幅方向外側上部の接合部に形成された折曲げ部を示す斜視図である。 図6中の2−2線に沿ったインナパネルとアウタパネルとの接合部を示す断面図である。 図7中の3−3線に沿ったインナパネルとアウタパネルとの接合部を示す断面図である。 インナパネルの車両幅方向外側の車両上下方向中間部の接合部に形成された折曲げ部を示す斜視図である。 図9中の4−4線に沿ったインナパネルとアウタパネルとの接合部を示す断面図である。 図10中の5−5線に沿ったインナパネルとアウタパネルとの接合部を示す断面図である。 インナパネルの車両幅方向中央部の車両下部側の接合部に形成された折曲げ部を示す斜視図である。 図12中の6−6線に沿ったインナパネルとアウタパネルとの接合部を示す断面図である。 図13に示すインナパネルの折曲げ部付近を示す拡大断面図であって、アウタパネルを接合する前の状態を示す図である。 (A)は、比較例のインナパネルの車両幅方向外側上部における折曲げ部にアウタパネルを接合する状態を示す断面図であり、(B)は、比較例のインナパネルの車両幅方向外側の車両上下方向中間部における折曲げ部にアウタパネルを接合する状態を示す断面図であり、(C)は、比較例のインナパネルの車両幅方向中央部の車両下部側における折曲げ部にアウタパネルを接合する状態を示す断面図である。 (A)、(B)は、比較例のインナパネルの車両幅方向外側の車両上下方向中間部における折曲げ部にアウタパネルを接合する過程を示す断面図である。
以下、図1〜図14を用いて、本発明に係る車両用樹脂ドア構造の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印RRは車両後方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
図1には、車両用樹脂ドア構造の一例としての車両用樹脂バックドア構造が適用されたバックドア10が示されている。また、図2には、図1に示すバックドア10がリアウインドガラスを除いた状態で分解斜視図にて示されている。車両本体(図示省略)の後端部には、略矩形状のバックドア開口部(図示省略)が設けられており、バックドア開口部は図1に示すバックドア10によって開閉される。バックドア10は、上端部が車両本体の後端部にヒンジ(図示省略)によって開閉可能に支持されている。
図1及び図2に示されるように、バックドア10は、車室外側の上部側に配置されたアウタパネルの一例としてのアウタアッパ12と、車室外側の下部側に配置されたアウタパネルの一例としてのアウタロア14と、アウタアッパ12及びアウタロア14の車室内側に配置された樹脂製のインナパネル16と、を備えている。言い換えると、アウタアッパ12は、インナパネル16の上部側における車両前後方向後方側に配置されており、アウタロア14は、インナパネル16の下部側における車両前後方向後方側に配置されている。本実施形態では、アウタアッパ12とアウタロア14は、樹脂製のパネルで形成されている。
図2に示されるように、バックドア10の車両幅方向両側には、アウタアッパ12及びアウタロア14とインナパネル16との間に車両上下方向に沿って金属製(例えば鋼板)のヒンジリインフォース18が配設されている。ヒンジリインフォース18は、車両後面視にて略逆L字状に形成されており、左右対称に配置されている。ヒンジリインフォース18の上部には、バックドア10を車両本体(図示省略)の後端部に開閉可能に支持するヒンジ(図示省略)が取り付けられる。ヒンジリインフォース18は、インナパネル16に図示しない締結具によって締結固定されている。
インナパネル16の上部側には開口部22が設けられている。バックドア10には、開口部22を覆うようにリアウインドガラス20(図1参照)が取り付けられている。
図3及び図4に示されるように、インナパネル16とアウタアッパ12との接合部、及びインナパネル16とアウタロア14との接合部は、ポリウレタン等の接着剤80により接合されている。より具体的には、インナパネル16の上端周縁部(接合部)16Aに沿って接着剤80が塗布されると共に、インナパネル16の開口部22の上縁部(接合部)16Bに沿って接着剤80が塗布される。この状態で、アウタアッパ12がインナパネル16に矢印Aに示す斜め下方方向にセットされる(押し付けられる)ことで、アウタアッパ12の上端周縁部(接合部)12Aと下端周縁部(接合部)12Bが、インナパネル16の上端周縁部16Aと開口部22の上縁部16Bにそれぞれ接着剤80により接合される。
また、インナパネル16の開口部22の下縁部(接合部)16Cに沿って接着剤80が塗布されると共に、インナパネル16の下側周縁部(接合部)16Dに沿って接着剤80が塗布され、さらにインナパネル16の車両幅方向の中央部(接合部)16Eにループ状に接着剤80が塗布される。この状態で、アウタロア14がインナパネル16に矢印Bに示す横方向にセットされる(押し付けられる)ことで、アウタロア14の上端部(接合部)14Aと下側周縁部(接合部)14Bと中央部(接合部)14Cが、インナパネル16の開口部22の下縁部16Cと下側周縁部16Dと突出部16Eにそれぞれ接着剤80により接合される。
図6〜図8には、バックドア10の車両幅方向外側上部におけるアウタアッパ12とインナパネル16との接合部30が示されている(図5参照)。図5、図6及び図8に示されるように、バックドア10の車両幅方向外側上部におけるアウタアッパ12とインナパネル16との接合部30には、アウタアッパ12及びインナパネル16の車両外側(上部側)のパネル面13A、17Aから車両内側にクランク状に折れ曲がる折曲げ部36、38が形成されている。より具体的には、アウタアッパ12の折曲げ部36は、車両側面視にて上部側のパネル面13Aから車両前方斜め下方側に向かって延びた壁部13Bと、壁部13Bの下端から車両後方斜め下方側に向かって延びたパネル面13Cと、を備えている。すなわち、アウタアッパ12の折曲げ部36には、車両側面視にて壁部13Bと底部のパネル面13Cとで車両内側(車両前方側)に凸状に湾曲するように突出した凸状面36Aが形成されている(図8参照)。
インナパネル16の折曲げ部38は、車両側面視にて上部側のパネル面17Aから車両前方斜め下方側に向かって延びた壁部17Bと、壁部17Bの下端から車両後方斜め下方側に向かって延びた底部のパネル面17Cと、を備えている。すなわち、インナパネル16の折曲げ部38には、車両側面視にて壁部17Bとパネル面17Cとで車両内側(車両前方側)に凹状に湾曲するように凹んだ角部(底部のパネル面17C側の角部)としての凹状面(凹状部)38Aが形成されている。凹状面38Aは、凸状面36Aの形状に合わせて形成されている。
本実施形態では、インナパネル16の接合部に接着剤80が塗布される。図6〜図8に示されるように、接着剤80が塗布される折曲げ部38の凹状面38Aには、凹状面38Aから略直交する方向に起立するリブ40が形成されている。リブ40は、凹状面38Aの角部に略車両上下方向に跨って形成されており、凹状面38Aから車両外側に向かって起立している。
図7に示されるように、インナパネル16の車両幅方向外側端部には、アウタアッパ12に向かって屈曲された屈曲部42が形成されている。インナパネル16のパネル面に対する屈曲部42の高さ(車両前後方向の長さ)は、インナパネル16とアウタアッパ12とを接合する接着剤80の厚みよりも低く(車両前後方向の長さが短く)設定されている。また、アウタアッパ12の車両幅方向外側端部は、インナパネル16の車両幅方向外側端部よりも外側に延びており、アウタアッパ12の車両幅方向外側端部には、インナパネル16の屈曲部42に沿ってインナパネル16側に屈曲された屈曲部44が形成されている。
また、図7に示されるように、インナパネル16の凹状面38Aとアウタアッパ12の凸状面36Aとの車両幅方向内側の間隔(面間距離)Lは、インナパネル16の凹状面38Aとアウタアッパ12の凸状面36Aとの車両幅方向外側の間隔(面間距離)よりも広く設定されている。本実施形態では、インナパネル16の凹状面38Aとアウタアッパ12の凸状面36Aとの間隔(面間距離)Lは、車両幅方向外側から車両幅方向内側に向かうにしたがって徐々に広くなるように設定されている。すなわち、インナパネル16の凹状面38Aは、車両平面視にて車両幅方向外側より車両幅方向内側が車両前方側に配置されるように傾斜している。
図9〜図11には、バックドア10の車両幅方向外側の車両上下方向中間部におけるアウタロア14とインナパネル16との接合部50が示されている(図5参照)。図5、図9及び図11に示されるように、アウタロア14とインナパネル16との接合部50には、アウタロア14及びインナパネル16の車両外側(下部側)のパネル面15A、17Dから車両内側にクランク状に折れ曲がる折曲げ部52、54が形成されている。より具体的には、アウタロア14の折曲げ部52には、車両側面視にて下部側のパネル面15Aの上端から車両内側(車両前方側)に屈曲するように突出した突出面52Aと、突出面52Aの前端から上方側に延びたパネル面52Bと、を備えている(図11参照)。
インナパネル16の折曲げ部54には、車両側面視にて下部側のパネル面17Dの上端から車両内側(車両前方側)に屈曲された壁部17Eと、壁部17Eの前端から上方側に延びた底部のパネル面17Fと、を備えている。すなわち、インナパネル16の折曲げ部54には、車両側面視にて壁部17Eとパネル面17Fとで車両内側(車両前方側)に凹状に湾曲するように凹んだ角部(底部のパネル面17F側の角部)としての凹状面(凹状部)54が形成されている。凹状面54Aは、突出面52Aとパネル面52Bの形状に合わせて形成されている。
図9〜図11に示されるように、接着剤80が塗布される折曲げ部54の凹状面54Aには、凹状面54Aから略直交する方向に起立するリブ56が形成されている。リブ56は、凹状面54Aの角部付近から壁部17Eに車両前後方向に沿って形成されており、凹状面54Aから車両外側に向かって起立している。
また、図10に示されるように、インナパネル16の凹状面54Aとアウタロア14の突出面52A又はパネル面52Bとの間隔(面間距離)Lは、一般部位(折曲げ部以外の部位)のインナパネルの接合面とアウタロアの接合面との間隔よりも広く設定されている。例えば、一般部位のインナパネルの接合面とアウタロアの接合面との間隔が約3mm程度であるのに対し、インナパネル16の凹状面54Aとアウタロア14の突出面52Aとの間隔(面間距離)Lは、約5mm程度に設定されている。
図12〜図14には、バックドア10の車両幅方向中央部の下部側におけるアウタロア14とインナパネル16との接合部60が示されている(図5参照)。図5、図12〜図14に示されるように、バックドア10の車両幅方向中央部の下部側におけるアウタロア14とインナパネル16との接合部60には、アウタロア14及びインナパネル16の車両外側(上部側)のパネル面15B、17Gから車両内側にクランク状に折れ曲がる折曲げ部62、64が形成されている。より具体的には、アウタロア14の折曲げ部62は、車両側面視にて上部側のパネル面15Bから車両前方側に向かって延びた壁部15Cと、壁部15Cの前端から車両下方側に向かって延びたパネル面15Dと、を備えている。すなわち、アウタアッパ12の折曲げ部36には、車両側面視にて壁部15Cとパネル面15Dとで車両内側(車両前方側)に凸状に屈曲するように突出した凸状面62Aが形成されている(図8参照)。
インナパネル16の折曲げ部64は、車両側面視にて上部側のパネル面17Gから車両前方側に向かって延びた壁部17Hと、壁部17Hの前端から車両下方側に向かって延びた底部のパネル面17Iと、を備えている。すなわち、インナパネル16の折曲げ部64には、車両側面視にて壁部17Hとパネル面17Iとで車両内側(車両前方側)に凹状に屈曲するように凹んだ角部(底部のパネル面17I側の角部)としての凹状面(凹状部)64Aが形成されている。凹状面64Aは、凸状面62Aの形状に合わせて形成されている。
接着剤80が塗布される折曲げ部64の凹状面64Aには、凹状面64Aから略直交する方向に起立するリブ66が形成されている。リブ40は、凹状面64Aの角部付近から壁部17Hに跨って車両前後方向及び車両上下方向に形成されており、凹状面64Aから車両外側に向かって起立している。
ここで、本実施形態のバックドア10の作用並びに効果を説明する前に、図15及び図16を用いて、比較例の樹脂バックドア構造が適用されたバックドア100について説明する。
図15(A)には、比較例のバックドア100において、図8に示すバックドア10の車両幅方向外側上部におけるアウタアッパとインナパネルとの接合部30に対応する部位が示されている。図15(B)には、比較例のバックドア100において、図11に示すバックドア10の車両幅方向外側の車両上下方向中間部におけるアウタアッパとインナパネルとの接合部50に対応する部位が示されている。図15(C)には、図13に示すバックドア10の車両幅方向中央部付近におけるアウタアッパとインナパネルとの接合部60に対応する部位が示されている。
図15(A)に示されるように、アウタアッパ102のインナパネル106への矢印Aに示すセット方向と凹状面38Aとのなす角度が小さい部位38B、すなわち、矢印Aに示すセット方向と平行に近い凹状面38Aの部位38Bでは、アウタアッパ102をインナパネル106へセットする軌跡上、インナパネル106に塗布された接着剤80がかきとられる可能性がある。
同様に、図15(B)及び図16(A)、(B)に示されるように、アウタロア104のインナパネル106への矢印Bに示すセット方向と凹状面54Aとのなす角度が小さい部位54B、すなわち、矢印Bに示すセット方向と平行に近い凹状面54Aの部位54Bでは、アウタロア104をインナパネル106へセットしていく過程で、インナパネル106に塗布された接着剤80の上部側(図16中の2点鎖線より上方側)がかきとられる可能性がある。このため、接着剤80の塗布状態が不安定になる可能性がある。
また、図6(B)に示されるように、かきとられた接着剤80は、アウタロア104とインナパネル106との間の凹状面54Aの内側領域108付近に寄せ集められる。内側領域108付近に集められた接着剤80は、接着剤80の塗布線と直交する方向、すなわち内側領域108の横方向(バックドア100の幅方向)にはみ出すため、接着剤80による接合部(シールライン)がバックドア100の外周部にある場合、接着剤80がバックドア100の外周部の外側にはみ出す可能性がある。この接着剤80のはみ出しについては、接着剤80をインナパネル、アウタパネルのどちらに塗布しても同じ問題が発生する。
図15(C)に示されるように、アウタロア104の矢印Bに示すセット方向と平行に近い凹状面64Aの部位64Bでも、アウタロア104をインナパネル106へセットするときに接着剤80がかきとられる可能性がある。
また、図15(A)に示されるように、インナパネル106の凹状面38Aでは、接着剤80を塗布する接着剤塗布ロボットの軌跡が追従できず、凹状面38Aの角部で塗布した接着剤80が浮き上がっている状態、すなわち接着剤浮き120が起こる場合がある。浮き上がった接着剤80の底面(奥側面)は、アウタアッパ102をセットするときにインナパネル106に押し付けられるが、気泡が入ったり、接着剤80の硬化がはじまって、接着剤塗布ロボットのノズルから吐出された際のでこぼこ形状が残ったり、接着剤80の充填不足によるシール切れの原因となる可能性がある。
また、シール切れのもうひとつの原因は、かきとり時の接着剤80の位置の変化である。すなわち、接着剤80のかきとりにより引きずられることで、接着剤80が一様に充填されないことがある。
同様に、図15(C)に示されるように、インナパネル106の凹状面64Aの角部でも、塗布した接着剤80が浮き上がる接着剤浮き120が起こり、接着部のシール切れの原因となる場合がある。
これに対して、図7及び図8に示されるように、本実施形態のバックドア10では、インナパネル16の折曲げ部38における凹状面38Aに略車両上下方向に沿って、凹状面38Aから略直交する方向に起立するリブ40が形成されている。言い換えると、インナパネル16の折曲げ部38には、アウタアッパ12の矢印Aに示すセット方向とインナパネル16の凹状面38Aとのなす角度が小さい部位38B(壁部17Bの後面)、及び接着剤浮きが発生しやすい部位38C(底部のパネル面17C側の角部付近)にリブ40が形成されている(図8参照)。これにより、凹状面38Aの角部で接着剤80が浮いていても、又はアウタアッパ12を矢印A方向にセットする際に接着剤80がかきとられても、アウタアッパ12をインナパネル16にセットした状態では、リブ40の先端に接着剤80が食い込む(めり込む)。このため、図7及び図8に示されるように、リブ40の先端をシールラインとして、インナパネル16とアウタアッパ12とをより確実にシールすることができる。
また、図11に示されるように、インナパネル16の折曲げ部54には、アウタロア14の矢印Bに示すセット方向とインナパネル16の凹状面54Aとのなす角度が小さい部位54B(壁部17Eの上面)にリブ56が形成されている。これにより、図10及び図11に示されるように、アウタロア14を矢印B方向にセットする際に接着剤80がかきとられても、アウタロア14をインナパネル16にセットした状態では、リブ56の先端に接着剤80が食い込む。
同様に、図13及び図14に示されるように、インナパネル16の折曲げ部64には、アウタロア14の矢印Bに示すセット方向とインナパネル16の凹状面64Aとのなす角度が小さい部位64B(壁部17Hの下面)、及び接着剤浮きが発生しやすい部位64C(底部のパネル面17I側の角部付近)にリブ66が形成されている。これにより、凹状面64Aで接着剤80が浮いていても、又はアウタロア14を矢印B方向にセットする際に接着剤80がかきとられても、アウタロア14をインナパネル16にセットした状態では、リブ66の先端に接着剤80が食い込む(めり込む)。このため、リブ56、66の先端をシールラインとして、インナパネル16とアウタロア14とをより確実にシールすることができる。
また、図7に示されるように、本実施形態のバックドア10では、インナパネル16の凹状面38Aとアウタアッパ12の凸状面36Aとの間隔(面間距離)Lが、車両幅方向外側から車両幅方向内側に向かうにしたがって徐々に広くなるように形成されている。これにより、アウタアッパ12をインナパネル16へセットする際に、接着剤80がかきとられて凹状面38Aの底部のパネル面17C側の溜まりやすい部分で、接着剤80がバックドア10の車両幅方向外側の外周部にはみ出すことを抑制することができる。
また、図10に示されるように、インナパネル16の凹状面54Aとアウタロア14の突出面52Aとの間隔(面間距離)Lが、一般的な接合部(折曲げ部52、54以外の接合部)の間隔よりも広く設定されている。これにより、アウタロア14をインナパネル16へセットする際に、接着剤80がかきとられて凹状面54Aの底部のパネル面17F側の溜まりやすい部分で、接着剤80がバックドア10の車両幅方向外側の外周部にはみ出すことを抑制することができる。
一方、比較例のバックドア100では、インナパネル106の折曲げ部で、接着部のシール切れや、バックドア100の車両幅方向外側の外周部への接着剤80のはみ出しが発生する可能性がある。これを避けるために、例えば、シール切れに対してエプトシーラー(ゴム発泡体を主成分としたシーリング材)等のシーリング材を貼り付けると、コストアップにつながる。また、例えば、インナパネル106の折曲げ部の面に角度をつける構造とすると、意匠上の自由度を制約することになる。
これに対して、本実施形態のバックドア10では、インナパネル16の折曲げ部38、54、64にアウタアッパ12又はアウタロア14を接合したときに、リブ40、56、66によりシール切れの発生を抑制することができるので、シール切れに対するエプトシーラー(ゴム発泡体を主成分としたシーリング材)等の貼り物の追加や、追加のポリウレタン等の接着剤の塗布が不要となる。また、バックドア10の車両幅方向外側の外周部からはみ出した接着剤の処理が不要となると共に、部分的に接着剤量を減らす等の不安定な工程をなくすことができる。これらの問題は、インナパネル16の折曲げ部の面に角度をつけるという意匠的な制約につながることが多いが、本発明により、高い意匠上の自由度を得ることができる。
なお、上記実施形態では、接着剤が塗布されるインナパネル16の折曲げ部の底部のパネル面側の角部付近にリブを設けたが、アウタアッパ及びアウタロアに接着剤が塗布される場合は、アウタアッパ及びアウタロアの折曲げ部の底部のパネル面側の角部付近にリブを設けることが好ましい。これにより、アウタアッパ及びアウタロアの接合部をインナパネル16の接合部に接着剤により接合したときに、アウタアッパ及びアウタロアの折曲げ部の角部付近での接着剤の充填不足によるシール切れの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、アウタアッパ12とアウタロア14に分割された2部材でアウタパネルが構成されているが、一体化した1枚のパネルでアウタパネルを構成し、当該アウタパネルの上部側にリアウインドガラスを取り付けるための開口部を形成してもよい。
また、本実施形態では、アウタパネルとしてのアウタアッパ及びアウタロアと、インナパネル16の両方を樹脂で形成したバックドア10を用いたが、これに限定されず、インナパネル16のみを樹脂製としてもよい。
また、本実施形態では、樹脂製のバックドア構造に本発明を適用したが、バックドアに限定されず、アウタパネルと樹脂製のインナパネルとを接着剤により接合する樹脂製ドア構造にも本発明を適用することができる。
10 バックドア(車両用樹脂ドア)
12 アウタアッパ(アウタパネル)
14 アウタロア(アウタパネル)
16 インナパネル
17A パネル面
17C パネル面(底部のパネル面)
17D パネル面
17F パネル面(底部のパネル面)
17G パネル面
17I パネル面(底部のパネル面)
30 接合部
36 折曲げ部
38 折曲げ部
38A 凹状面(凹状部)
40 リブ
50 接合部
52 折曲げ部
54 折曲げ部
54A 凹状面(凹状部)
56 リブ
60 接合部
62 折曲げ部
64 折曲げ部
64A 凹状面(凹状部)
66 リブ
80 接着剤

Claims (3)

  1. 車両用ドアの車室外側に配置されるアウタパネルと、
    前記アウタパネルの車室内側に配置される樹脂製のインナパネルと、
    前記アウタパネルと前記インナパネルとを接着剤により接合する接合部に設けられ、前記アウタパネル及び前記インナパネルのパネル面からクランク状に折れ曲がる折曲げ部と、
    前記接着剤が塗布される前記パネル面側の前記折曲げ部の少なくとも底部のパネル面側の角部に形成され、前記角部の面から起立すると共に前記インナパネル側のみに形成されたリブと、
    を有し、
    前記インナパネルは、
    前記インナパネルと前記アウタパネルとの距離が車両外側から車両内側に向かい徐々に広くなる傾斜部を有する車両用樹脂ドア構造。
  2. 前記インナパネルの端部は前記アウタパネル側に屈曲するインナ屈曲部を有し、
    前記インナ屈曲部の高さは、前記接着剤の厚みより低い請求項1に記載の車両用樹脂ドア構造。
  3. 前記アウタパネルの端部は前記インナパネル側に屈曲するアウタ屈曲部を有し、
    前記アウタ屈曲部は、前記インナ屈曲部より外側に配置されている請求項2に記載の車両用樹脂ドア構造。
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