JP6036092B2 - 駆動装置、プロジェクターおよび駆動方法 - Google Patents
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Description
レンズの駆動系では、機構上バックラッシュがあり、直前の移動方向に対して逆方向に駆動するときには、バックラッシュの影響を受けて正しい位置に移動することができない。
一般的な構成の一例では、モーターの直近に位置センサーがあり、位置センサーにより先に位置を検出し、その後段に駆動対象(ここでは、レンズ)があるため、モーターが動き出すと先に位置センサーが反応して、その後に駆動対象が動き出す。このため、位置センサーによる位置の検出結果に基づいて、バックラッシュを補償することが可能である。
例えば、モーターによりすぐに駆動対象(ここでは、レンズ)を駆動し、モーターから位置センサーに至るまでの方がギアが多く、モーターから位置センサーまでの方がバックラッシュが大きくなる構成が用いられる場合が考えられる。この場合、位置センサーが位置を検出するよりも前に駆動対象が動き始めるため、位置センサーが駆動対象の動き出しを検出することができず、位置センサーから取得される移動量は実際の移動量よりも小さくなる。
以上のように、従来では、位置センサーよりも駆動対象をモーターの直近に設ける構成の駆動装置において、バックラッシュに関する制御が未だ不十分であるといった問題があった。
なお、このような駆動装置をバックラッシュ以外に適用することも可能である。
なお、このような駆動装置を備えるプロジェクターをバックラッシュ以外に適用することも可能である。
なお、このような駆動方法をバックラッシュ以外に適用することも可能である。
なお、このような駆動装置をバックラッシュ以外に適用することも可能である。
[本実施形態に係るプロジェクターの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクターの概略的な構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、映像入力部1と、CPU(Central Processing Unit)2と、フラッシュROM(Read Only Memory)3と、RAM(Random Acccess Memory)4と、液晶パネルドライバー5と、液晶パネル6と、モータードライバー7と、モーター8と、減速機構9と、変換機構10と、位置センサー11と、レンズ12と、を備える。
また、本実施形態では、駆動装置21の駆動部(駆動系)22は、モータードライバー7と、モーター8と、減速機構9と、変換機構10と、を備える。
また、本実施形態では、画像投写部23は、液晶パネルドライバー5と、液晶パネル6と、レンズ12と、を備える。
本実施形態では、CPU2は制御部の一例として用いられており、位置センサー11は駆動状況検出部の一例として用いられている。
映像入力部1には、映像信号が入力される。映像入力部1は、入力された映像信号をCPU2に出力する。ここで、映像入力部1には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部の装置から出力される映像信号が入力される。
フラッシュROM3は、各種のデータを記憶(保存)し、本実施形態では、プログラムのデータや、様々なデータを記憶する。
RAM4は、CPU2により使用される記憶領域を提供し、様々なデータを一時的に記憶する。
具体例として、CPU2は、フラッシュROM3やRAM4に記憶されたデータを電気信号として読み出すことや、フラッシュROM3やRAM4に電気信号を出力してデータを書き込むことを行う。また、CPU2には、映像入力部1から出力される映像信号が入力され、また、位置センサー11により得られた位置の検出結果(位置検出結果)が電気信号として入力される。また、CPU2は、映像入力部1から入力された映像信号について処理(映像処理)を行い、当該処理後の映像信号を液晶パネルドライバー5に出力する。また、CPU2は、モータードライバー7を制御するための信号(モーター制御信号)を電気信号としてモータードライバー7に出力する。また、CPU2は、ユーザー(利用者)により操作される操作部(図示せず)の操作内容に基づいて、メニューの選択に関する処理や、キーボードの操作に関する処理などを行う。
一例として、CPU2は、フラッシュROM3に記憶されたプログラムのデータや他の必要なデータを読み込んで、当該プログラムに従って、ユーザーにより行われるキーボードの操作などを契機として、モーター制御信号をモータードライバー7に出力して、モーター8の駆動を開始する。
液晶パネル6は、液晶パネルドライバー5により駆動される映像信号に対応する映像(画像)を、レンズ12を介して、スクリーンなどの被投写体(図示せず)に投写する。
モーター8は、減速機構9と機械的に接続されている。モーター8は、モータードライバー7により駆動されて回転し、その回転の動力を減速機構9に伝える。
減速機構9は、変換機構10および位置センサー11(例えば、位置センサー11を支持する部材)のそれぞれと機械的に接続されている。減速機構9は、モーター8により伝えられる動力を変換機構10および位置センサー11のそれぞれに伝える。減速機構9は、例えば、1つまたは複数のギア(歯車)を用いて構成されており、モーター8の回転の速度に応じて、それを適切な速度へ変換する。
本実施形態では、フォーカスの制御を例として説明するが、他の制御についても、同様に適用することが可能である。
ここで、減速機構9の位置の情報は、レンズ12の位置を特定することができ、レンズ12の位置の情報と同等な情報として使用することが可能である。これにより、CPU2は、位置センサー11から入力される位置検出結果(位置の情報)に基づいて、レンズ12の位置を検出(認識)することができる。
なお、位置センサー11からCPU2にレンズ12の位置を通知するための位置検出結果(位置の情報)としては、例えば、減速機構9の位置の情報がそのまま用いられなくてもよく、減速機構9の位置の情報を示す値があらかじめ定められた式などで変換された結果の値が用いられてもよい。
また、位置センサー11としては、様々な手法により位置を検出するものが用いられてもよく、一例として、エンコーダーを用いることができる。
図10は、一般的な駆動系(モータードライバーは省略する)の概略的な構成例を示すブロック図である。一般的には、モーターからレンズまでの間の駆動系は、図10に示されるように、駆動対象(ここでは、レンズ)よりも位置センサー(ここでは、エンコーダー)をモーターの直近に設ける構成になっているものが多い。
図10に示される構成例では、モーター1001のフォーカスリング駆動ギア1011とエンコーダー(ここでは、位置センサーの一例として使用されている)1002とが直近で機械的に接続されており、モーター1001のフォーカスリング駆動ギア1011と中継ギア1012とが機械的に接続されており、中継ギア1012とレンズの駆動ギア(フォーカスリング)1013とが機械的に接続されており、レンズの駆動ギア1013とレンズの可動部分(例えば、レンズを支持する部材)1003とが機械的に接続されている。
モーター1001が動き始めると、レンズよりも先にエンコーダー1002が動き始め、そして、減速機構のバックラッシュ分だけモーターが動いた後にレンズが動き始める。この時間差がバックラッシュに相当するものである。
このような構成では、減速機構のバックラッシュの範囲内(期間中)は、エンコーダー1002が示す位置情報は変化するが、実際にはレンズは動いていない。そして、駆動系を単純に動かすと、この分(バックラッシュの分)だけ駆動不足になるため、バックラッシュ量を上乗せして駆動することが行われる。
本実施形態に係るプロジェクターにおける駆動系は、位置センサー11よりも駆動対象(本実施形態では、レンズ12)をモーター8の直近に設ける構成であり、図10に示される構成例と比べて、位置センサーとレンズの可動部分との位置関係が逆になっている。
図2は、本実施形態に係るプロジェクターにおける駆動系(モータードライバー7は省略する)の構成例を示す図である。
図3は、本実施形態に係るプロジェクターにおける駆動系(モータードライバー7は省略する)の概略的な外観例を示す図である。
図2および図3は、フォーカス駆動部を例に図示したものである。
また、フォーカスリング102は、レンズ12を機械的に動かす。
また、中継ギアとしては、2段以上の中継ギアが用いられてもよい。
(原因0)モーター8とフォーカスリング駆動ギア101との間の機械的な接続において、モーター軸とギアとの取り付けのガタがバックラッシュの原因となり得る。
(原因1)フォーカスリング駆動ギア101とフォーカスリング102との歯車のかみ合わせがバックラッシュの原因となり得る。
(原因2)フォーカスリング駆動ギア101と中継ギア111との歯車のかみ合わせがバックラッシュの原因となり得る。
(原因3)中継ギア111と位置センサー駆動ギア112との歯車のかみ合わせがバックラッシュの原因となり得る。
(原因4)位置センサー駆動ギア112と位置センサー11との間の機械的な接続において、取り付けのガタがバックラッシュの原因となり得る。なお、本実施形態では、位置センサー11を支持する部材としてD形の軸を用いており、D形の穴が設けられた位置センサー11の当該穴に当該軸を通しているだけであり、そこにガタがあり得る。
そこで、本実施形態に係るプロジェクターの駆動装置21では、位置センサー11のバックラッシュの範囲内で駆動するときには、位置情報(位置センサー11により得られる位置の情報)を使用せずに、駆動系を制御する構成とした。
ここで、位置センサー11を用いる位置の制御では、例えば、CPU2が、モーター8に一定の電圧を加えてモーター8を連続して動かしながら、位置センサー11により得られる位置情報をモニター(監視)して、位置情報が目標位置に達したことを検出した時点でモーター8を停止する。
また、例えば、目標位置と現在位置との差分に応じてモーター8に加える電圧を変える制御方法や、この場合に差分の代わりに差分の積分値を使用する制御方法も一般的であり、使用することができる。これらの制御方法についても、位置情報をモニターしてモーター8を停止するという点では、基本的には同様である。
図4に示されるグラフにおいて、横軸は時刻を表し、縦軸はCPU2から出力されるモーター制御信号のレベル(本実施形態では、駆動を指示するレベルと、ゼロのレベルと、停止を指示するレベル)を表す。
図4に示される例では、CPU2は、モーター制御信号のレベルをゼロから駆動を指示するレベルに上げて一定値に保持することで、モータードライバー7を介してモーター8を動かす。そして、CPU2は、モーター8を動かしながら、位置センサー11により得られる位置情報を例えば一定の時間間隔(例えば、50msの間隔)で検出して、検出した位置と目標位置とを比較する。この比較の結果、CPU2は、検出した位置と目標位置とが一致したことを検出したときに、モーター制御信号のレベルを停止を指示するレベルに下げて一定の時間だけ保持し、その時間だけブレーキをかけることにより、モーター8の動きを止める。これにより、レンズ12の位置を目標となる位置に移動させることができる。なお、CPU2は、ブレーキをかけた後に、モーター制御信号のレベルをゼロにする。
位置センサー11のバックラッシュの範囲(区間)内での位置の制御では、CPU2は、あらかじめ定められた駆動単位(駆動の単位となる1ステップ)の駆動を駆動系にさせることを繰り返すことにより、レンズ12を所定の位置(目標位置)へ移動させる。
目標とする駆動量(目標位置までの駆動量)を駆動単位(1回の駆動単位)の移動量で割ると、その結果が駆動回数になる。CPU2は、この駆動回数だけ駆動系を駆動することで、レンズ12を目標位置へ移動させることができる。
ここで、駆動系により駆動単位の駆動を1回行ったときにおけるレンズ12の移動量は、例えばあらかじめ実行されるキャリブレーションによって既知である。
CPU2は、モーター8を駆動したときに、位置センサー11のバックラッシュの残量(バックラッシュ残量)を更新しながら、現在における駆動系の位置が位置センサー11のバックラッシュの範囲内にあるか否かを判定する。具体例として、CPU2は、位置センサー11のバックラッシュ量が10mmであり、その状態から位置センサー11のバックラッシュを減らす方向に駆動系を3mm動かした場合には、位置センサー11のバックラッシュ残量は7mmであると管理する。
CPU2は、前回に駆動系を停止したときにおける駆動方向の情報をメモリー(本実施形態では、RAM4)に保存しておく。CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲を超える駆動をしたとき(位置センサー11のバックラッシュの範囲外での位置の制御をしたとき)だけ、駆動方向の情報を更新し、位置センサー11のバックラッシュの内側での駆動をしたとき(位置センサー11のバックラッシュの範囲内での位置の制御をしたとき)には、駆動方向の情報を更新しない。
本実施形態では、フォーカス制御に関する駆動方向としては、2種類あり、具体的には、レンズ12と液晶パネル6とを近付ける駆動方向と、レンズ12と液晶パネル6とを遠ざける駆動方向がある。
また、CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲を超える駆動をしたときには、上記のように駆動方向の情報を更新し、この駆動方向(前回の駆動方向)と同じ方向(同方向)の位置センサー11のバックラッシュ残量の初期値として、ゼロ(0)を設定する。
CPU2は、前回の駆動方向と逆方向に駆動するときで、その方向(当該逆方向)に対する位置センサー11のバックラッシュ残量が0よりも大きい場合には、駆動量から駆動単位の駆動回数を求め、現在の位置センサー11のバックラッシュ残量から{(駆動単位の移動量)×(駆動回数)}の値を減算して、この結果の値へ位置センサー11のバックラッシュ残量の値を更新する。CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲内での位置の制御として、この駆動回数の駆動を制御する。
CPU2は、前回の駆動方向と逆方向に駆動するときで、その方向(当該逆方向)に対する位置センサー11のバックラッシュ残量が0である場合には、駆動量(位置センサー11のバックラッシュの範囲内で既に動かした量を考慮していない目標値)から既に動かした量を減算して、この結果の値を現在から駆動すべき量とする。そして、CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲外での位置の制御として、この現在から駆動すべき量が達成されるように、位置センサー11により得られる位置情報をモニターしながらモーター8を駆動して制御する。なお、位置センサー11のバックラッシュの範囲内で既に動かした量としては、例えば、位置センサー11のバックラッシュ量が用いられ、この場合、駆動量(位置センサー11のバックラッシュの範囲内で既に動かした量を考慮していない目標値)は、前回における位置センサー11により得られた位置情報からの駆動量となる。
CPU2は、前回の駆動方向と同方向に駆動するときで、その方向(当該同方向)に対する位置センサー11のバックラッシュ残量が0よりも大きい場合には、駆動量から駆動単位の駆動回数を求め、現在の位置センサー11のバックラッシュ残量から{(駆動単位の移動量)×(駆動回数)}の値を減算して、この結果の値へ位置センサー11のバックラッシュ残量の値を更新する。CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲内での位置の制御として、この駆動回数の駆動を制御する。
CPU2は、前回の駆動方向と同方向に駆動するときで、その方向(当該同方向)に対する位置センサー11のバックラッシュ残量が0である場合には、駆動量(目標値)を現在から駆動すべき量とする。そして、CPU2は、位置センサー11のバックラッシュの範囲外での位置の制御として、この現在から駆動すべき量が達成されるように、位置センサー11により得られる位置情報をモニターしながらモーター8を駆動して制御する。なお、駆動量(目標値)は、前回における位置センサー11により得られた位置情報からの駆動量となる。
まず、CPU2は、レンズ12の駆動(移動)の要求が発生すると、前回の駆動時(前回における位置センサー11のバックラッシュの範囲外までの駆動時)における駆動方向の情報に基づいて、同じ方向への駆動であるか、または、そうではないか(逆の方向への駆動であるか)を判定する(ステップS1)。
また、CPU2は、モーター8を駆動して、駆動単位の駆動(移動)を、ステップS3の処理において取得した回数(駆動回数)だけ実行する(ステップS5)。
また、CPU2は、位置センサー11を用いる位置の制御(通常駆動の制御)により、モーター8を駆動して、位置センサー11により得られる位置情報をモニターしながら、現在からの駆動量(補正後の目標値)が達成される位置(目標位置)まで、駆動系を制御する(ステップS7)。
また、CPU2は、モーター8を駆動して、駆動単位の駆動(移動)を、ステップS9の処理において取得した回数(駆動回数)だけ実行する(ステップS5)。
また、CPU2は、位置センサー11を用いる位置の制御(通常駆動の制御)により、モーター8を駆動して、位置センサー11により得られる位置情報をモニターしながら、要求された駆動量(目標値)が達成される位置(目標位置)まで、駆動系を制御する(ステップS7)。
図6〜図9を参照して、キャリブレーションにより位置センサー11のバックラッシュ量を取得する処理の手順の一例を説明する。本実施形態では、CPU2が制御してこの処理を実行するが、他の構成例として、本実施形態に係るプロジェクター(特に、駆動装置21)とは別に、キャリブレーション用の装置を備えて、当該装置によりこの処理を実行してもよい。
図6に示されるグラフにおいて、横軸は時刻を表し、縦軸は駆動系の制御の様子(駆動、または、休止)を表す。なお、この例では、図4に示されるようなブレーキ制御は省略しており、休止の制御にブレーキ制御が含まれる。
ここで、1ステップの駆動の時間と1回分の休止の時間とは、それぞれ、一定の時間に設定されており、図6の例では、1ステップの駆動の時間に比べて、1回分の休止の時間の方が長い。
なお、CPU2は、例えば、アナログデジタル変換器(ADC)の機能を有しており、位置センサー11からアナログ信号として出力される位置検出結果(位置の情報)の信号が入力されると、この信号をADCの機能によりデジタル値(ADC値)へ変換して、このADC値を位置情報として読み込んで取得する。この場合、例えば、この位置情報の数値(ADC値)とレンズ12の位置とを1対1で対応付けて、制御に使用するパラメーターの設定や、そのパラメーターを使用する制御を行うことができる。
図7に示されるグラフにおいて、横軸は駆動制御の周期の回数(総数)を表し、縦軸はADC値(位置情報)を表す。この例では、ADC値(位置情報)は、大きくなるほど、位置の変化量(移動量)が大きいことを表す。
この切片bと横軸の回数が0であるときにおけるADC値の実測値との差分が、位置センサー11のバックラッシュ量に相当する。
(選定例1)では、一定周期の駆動制御を開始したばかりで、モーター8が動き始めたばかりのところのデータについては、位置センサー11のバックラッシュのためにADC値は変化せず、計算の対象外として、使用しない。
(選定例2)では、一定周期の駆動制御を開始したばかりで、モーター8が動き始めたばかりのところのデータについては、位置センサー11のバックラッシュのためにADC値が変化してもノイズなどで変動することがあり得るため、例えば±1(他の任意の数値でもよい)までの変動は除外することとして、計算の対象外として、使用しない。
(選定例4)では、ADC値が変化し始めた部分の初期の値(例えば、変化した直前の値)に対して、例えば±2(他の任意の数値でもよい)以上の差があるADC値があらかじめ定められた回数(所定の回数)継続した場合に、その継続したうちの初回のADC値以降のADC値を、計算の対象として、使用する。
図8に示されるグラフでは、図7に示されるグラフと同様に、横軸は駆動制御の周期の回数(総数)を表し、縦軸はADC値(位置情報)を表す。
図8の例では、前記した所定の回数(繰り返し検出回数)を3に設定した場合には、1番目の回数のADC値に対して、初めて3回連続してADC値の差が2以上となるところは9番目の回数のADC値から11番目の回数のADC値であり、この連続の初回として9番目の回数のADC値を計算の対象の先頭のデータとして、それ以降のデータを使用して計算する。
図9に示されるグラフでは、図7に示されるグラフと同様に、横軸は駆動制御の周期の回数(総数)を表し、縦軸はADC値(位置情報)を表す。
図9の例では、前記した所定の回数(繰り返し検出回数)を3に設定した場合には、1番目の回数のADC値に対して、初めて3回連続してADC値の差が2以上となるところは9番目の回数のADC値から11番目の回数のADC値であり、この連続の初回として9番目の回数のADC値を計算の対象の先頭のデータとして、それ以降のデータを使用して計算する。
図7に示されるグラフにおける横軸が表す回数をxとして、この回数xに対して縦軸が表すADC値の読み出し結果をyとすると、式(1)および式(2)を使用して、上記した直線の傾きaおよび切片bを計算して求めることができる。式(1)および式(2)において、nは、計算の対象とするデータの個数を表す。
ここで、式(1)および式(2)に示される計算式は、一般に、最小二乗法と呼ばれるものであり、公知である。
また、計算の対象として選定して取得するデータの個数としては、例えば、20個程度(例えば、位置センサー11により得られる位置情報が動いたところにおける、計算の対象とする最初のデータから20回くらい)、または、それより多い個数を用いる。
ここで、ADC値の動き始め時の位置(ys)としては、例えば、駆動系の駆動の開始前における位置情報を使用することができる。
ここで、本実施形態では、図7に示されるグラフに表されるような実測値を用いてキャリブレーションを行う構成を示したが、他の構成例として、理論的な設計値などを用いて位置センサー11のバックラッシュ量などの値を設定する構成が用いられてもよい。
このように、本実施形態に係るプロジェクターの駆動装置21では、バックラッシュに関する制御を効果的に行うことができる。
また、本実施形態では、駆動装置21をプロジェクターに適用したが、本実施形態に係る駆動装置21が有する機能(全ての機能、または一部の機能)は、他のものに適用されてもよい。
本実施形態に係る構成例を示す。
一構成例として、駆動対象(本実施形態では、レンズ12)を駆動する駆動部22の駆動状況(本実施形態では、位置の情報)を検出する駆動状況検出部(本実施形態では、位置センサー11)と、前記駆動状況検出部により検出される前記駆動部の駆動状況に基づく量について前記駆動部22を駆動する第1の制御(本実施形態では、位置センサー11のバックラッシュの範囲外での位置の制御)と、あらかじめ定められた量(本実施形態では、位置センサー11のバックラッシュ量未満の量)について前記駆動部22を駆動する第2の制御(本実施形態では、位置センサー11のバックラッシュの範囲内での位置の制御)を行う制御部(本実施形態では、CPU2)と、を備えることを特徴とする駆動装置21である。
なお、一構成例として、駆動状況検出部が、駆動対象を駆動する駆動部の駆動状況を検出する手順と、制御部が、前記駆動状況検出部により検出される前記駆動部の駆動状況に基づく量について前記駆動部を駆動する第1の制御を行う手順と、前記制御部が、あらかじめ定められた量について前記駆動部を駆動する第2の制御を行う手順と、をコンピューターに実行させるための駆動プログラムである。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (4)
- 駆動対象を駆動する駆動部の駆動状況を検出する駆動状況検出部と、
前記駆動状況検出部により検出される前記駆動部の駆動状況に基づく量について前記駆動部を駆動する第1の制御と、あらかじめ定められた量について前記駆動部を駆動する第2の制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の範囲外の量について前記駆動部を駆動する場合には前記第1の制御を行い、前記所定の範囲内の量について前記駆動部を駆動する場合には前記第2の制御を行い、
前記駆動対象は、レンズであり、
前記駆動状況検出部は、前記駆動部の駆動状況として、前記駆動部の駆動により移動するものの位置を検出する位置センサーであり、
前記所定の範囲は、前記駆動状況検出部のバックラッシュの範囲であり、
前記第2の制御における前記あらかじめ定められた量は前記駆動状況検出部のバックラッシュ量未満の量であり、
前記制御部は、前記第2の制御において、前記駆動状況検出部による検出結果を参照せずに、前記駆動状況検出部のバックラッシュの範囲内における前記駆動部の駆動状況を管理し、あらかじめ定められた駆動単位の駆動を前記駆動部にさせることを繰り返すことにより、前記レンズを所定の位置へ移動させることを特徴とする駆動装置。 - 前記駆動部により駆動される前記駆動対象のバックラッシュよりも、前記駆動部により駆動される前記駆動状況検出部のバックラッシュの方が大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。 - 請求項1または請求項2のいずれかに記載の駆動装置と、
画像を投写する画像投写部と、を備え、
前記駆動装置における前記駆動対象は、前記画像投写部におけるレンズである、
ことを特徴とするプロジェクター。 - 駆動状況検出部が、レンズを駆動する駆動部の駆動状況を検出するステップと、
制御部が、前記駆動状況検出部により検出される前記駆動部の駆動状況に基づく量について前記駆動部を駆動する第1の制御を行うステップと、
前記制御部が、あらかじめ定められた量について前記駆動部を駆動する第2の制御を行うステップと、
を有し、
所定の範囲外の量について前記駆動部を駆動する場合には前記第1の制御を行うステップを行い、前記所定の範囲内の量について前記駆動部を駆動する場合には前記第2の制御を行うステップを行い、
前記駆動状況検出部は、前記駆動部の駆動状況として、前記駆動部の駆動により移動するものの位置を検出する位置センサーであり、
前記所定の範囲は、前記駆動状況検出部のバックラッシュの範囲であり、
前記第2の制御を行うステップにおける前記あらかじめ定められた量は前記駆動状況検出部のバックラッシュ量未満の量であり、
前記第2の制御を行うステップにおいて、前記駆動状況検出部による検出結果を参照せずに、前記駆動状況検出部のバックラッシュの範囲内における前記駆動部の駆動状況を管理し、あらかじめ定められた駆動単位の駆動を前記駆動部にさせることを繰り返すことにより、前記レンズを所定の位置へ移動させることを特徴とする駆動方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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