JP2001013426A - 光変調デバイスの製造方法 - Google Patents

光変調デバイスの製造方法

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JP2001013426A
JP2001013426A JP11182464A JP18246499A JP2001013426A JP 2001013426 A JP2001013426 A JP 2001013426A JP 11182464 A JP11182464 A JP 11182464A JP 18246499 A JP18246499 A JP 18246499A JP 2001013426 A JP2001013426 A JP 2001013426A
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Japan
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wiring
piezoelectric element
modulation device
light modulation
manufacturing
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JP11182464A
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English (en)
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Katsuto Shimada
勝人 島田
Mari Sakai
真理 酒井
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射面の曲率変化を大きして集光性能を向上
させてSN比を向上させると共に小型、省スペース化を
可能とし、且つ製造効率を向上することのできる光変調
デバイスの製造方法を提供する。 【解決手段】 基板11上に駆動素子50を形成する工
程と、駆動素子50上に絶縁膜12を形成する工程と、
駆動素子50との接続をするための接続端子部58を絶
縁膜12に形成する工程と、圧電素子30の何れか一方
の電極に接続される駆動用配線53を接続端子部58か
ら引き出す工程と、駆動素子50に対応する位置に支持
部材31aを介して圧電素子30を形成するための犠牲
層70をパターン形成する工程と、犠牲層70上に圧電
素子30をパターン形成する工程と、圧電素子30の何
れか一方の電極と駆動用配線53とをそれぞれ接続する
第1接続用配線36を形成すると共に他方の電極に接続
される第2接続用配線37を形成する工程と、犠牲層7
0を除去して支持部材31aを形成する工程とを有する
ことにより、圧電素子30と駆動素子50とを接続する
配線を比較的容易に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射ミラーの変形
によって入射光を変調して表示を行うための光変調デバ
イスの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、光を変調して表示を行うための光変
調デバイスとしては、例えば、基板上に設けた電極に電
圧を印加し、その静電力等によってミラーを傾斜させて
入射光を変調させるものや、圧電体層を一対の電極膜で
挟持した圧電素子上にミラーを設け、駆動素子を介して
電圧を印加して圧電素子を変形させることにより、この
ミラーを傾斜させて入射光を変調させるもの等が知られ
ている。
【0003】また、圧電素子を利用したものとしては、
特表平9−504387号公報に見られるように、片持
ち梁状の圧電素子の表面に薄膜等からなるミラー膜を形
成し、圧電素子を変形させることによりこのミラー膜を
屈曲させて入射光の方向を変えるものも提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな圧電素子を利用した光変調デバイスは、何れにして
も、圧電素子の長手方向一端部を支持した片持ち梁状の
構造であり、この構造の場合、圧電素子をその長手方向
に沿った一方向のみに変形させることで光の方向を変え
て変調するため、変調性能が低いという問題がある。
【0005】また、何れの構造にしても、圧電素子を構
成する上電極及び下電極と駆動素子とを接続する配線
は、それぞれ別工程で形成されるため製造工程が煩雑で
あり、製造効率が低いという問題がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、反射面
の曲率変化を大きして集光性能を向上させてSN比を向
上させると共に小型、省スペース化を可能とし、且つ製
造効率を向上することのできる光変調デバイスの製造方
法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、圧電体層及びこれを挟持する第1及
び第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反
射するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要
素に対応して基板上に設けられた駆動素子とを有する光
変調デバイスの製造方法において、前記基板上に前記駆
動素子を形成する工程と、前記駆動素子上に絶縁膜を形
成する工程と、前記駆動素子との接続をするための接続
端子部を前記絶縁膜に形成する工程と、前記圧電素子の
何れか一方の電極に接続される駆動用配線を前記接続端
子部から引き出す工程と、前記駆動素子に対応する位置
に支持部材を介して前記圧電素子を形成するための犠牲
層をパターン形成する工程と、該犠牲層上に前記圧電素
子をパターン形成する工程と、当該圧電素子の何れか一
方の電極と前記駆動用配線とをそれぞれ接続する第1接
続用配線を形成すると共に他方の電極に接続される第2
接続用配線を形成する工程と、前記犠牲層を除去して前
記支持部材を形成する工程とを有することを特徴とする
光変調デバイスの製造方法にある。
【0008】かかる第1の態様では、圧電素子の形状に
拘わらず、圧電素子と駆動素子とを接続する配線を比較
的容易に形成できる。
【0009】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記駆動用配線を形成する工程では、当該駆動用配
線を形成すると共に前記他方の電極に接続する第1信号
配線を形成し、その後当該第1信号配線と前記第2接続
用配線とを接続することを特徴とする光変調デバイスの
製造方法にある。
【0010】かかる第2の態様では、駆動用配線と第1
信号配線とが同一層で形成されるため、製造工程を簡略
化できる。
【0011】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記駆動用配線を形成する工程では、さらに前記駆
動素子のドレインに接続されて信号を供給する第2信号
配線を形成することを特徴とする光変調デバイスの製造
方法にある。
【0012】かかる第3の態様では、駆動用配線と第1
信号配線と第2の信号配線とが同一層で形成されるた
め、製造工程を簡略化できる。
【0013】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記支持部材及び当該支持部材に対向
する領域の前記圧電素子に少なくとも前記圧電素子を除
去した圧電素子除去部を設け、前記第1及び第2接続用
配線を前記圧電素子除去部内に平面的に分離して配置す
ることを特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0014】かかる第4の態様では、圧電素子と駆動素
子との配線を圧電素子除去部内に比較的容易に形成でき
る。
【0015】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記支持部材に前記圧電素子除去部に連通する支持
部材貫通部を設け、前記第1及び第2接続用配線を当該
支持部材貫通部内まで延設されていることを特徴とする
光変調デバイスの製造方法にある。
【0016】かかる第5の態様では、圧電素子と駆動素
子との配線を支持部材貫通部を介して比較的容易に形成
することができる。
【0017】本発明の第6の態様は、第4又は5の態様
において、前記犠牲層を形成する工程の前に、前記駆動
素子に対応した島状の前記支持部材を形成する工程を有
することを特徴とする光変調デバイスの製造方法にあ
る。
【0018】かかる第6の態様では、島状の支持部材を
介して圧電素子が支持される。
【0019】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記駆動用配線及び前記第1信号配線を前記支持部
材の外面を介して上面まで延設し、前記圧電素子除去部
内で前記駆動用配線と前記第1接続用配線、及び前記第
1の信号配線と前記第2接続用配線とを接続することを
特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0020】かかる第7の態様では、島状の支持部材を
形成後に圧電素子等を形成し、支持部材上で圧電素子と
駆動素子との配線を容易且つ確実に接続できる。
【0021】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧電素子の何れか一方の電極が、
前記ミラー膜構造を兼ねることを特徴とする光変調デバ
イスの製造方法にある。
【0022】かかる第8の態様では、ミラー膜と一方の
電極とが同一工程で形成されるため、製造工程を簡略化
できる。
【0023】本発明の第9の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧電素子の何れか一方の電極上
に、反射膜を形成することを特徴とする光変調デバイス
の製造方法にある。
【0024】かかる第9の態様では、電極膜とは別に反
射膜を選択できるため、反射率の高いミラー膜を形成で
きる。
【0025】本発明の第10の態様は、第9の態様にお
いて、前記反射膜が前記第1又は第2接続用配線を兼ね
ることを特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0026】かかる第10の態様では、反射膜が圧電素
子と駆動素子との配線の一部を構成するため、製造工程
が簡略化される。
【0027】本発明の第11の態様は、第1〜7の何れ
かの態様において、前記圧電素子上に前記ミラー膜構造
を構成するミラー部材を少なくとも一つ形成することを
特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0028】かかる第11の態様では、ミラー部材によ
って光が反射されるため、駆動時にも平坦な反射面が得
られる。
【0029】本発明の第12の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記圧電素子を前記支持部材との
接続部分から二次元方向に広がる形状とすると共に前記
支持部材を前記圧電素子の略中央部に形成することを特
徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0030】かかる第12の態様では、ミラー要素が曲
面状に変形され曲率変化量を向上した光変調デバイスを
比較的容易に製造できる。
【0031】本発明の第13の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記圧電素子を前記支持部との接
続部分から略一方向に広がる形状とすると共に、前記支
持部材をその長手方向一端部に形成することを特徴とす
る光変調デバイスの製造方法にある。
【0032】かかる第13の態様では、圧電素子が片持
ち梁状態で支持され、端部を支点として変形する光変調
デバイスを比較的容易に製造できる。
【0033】本発明の第14の態様は、第1〜13の何
れかの態様において、前記駆動素子を単結晶シリコンか
らなる前記基板上に形成することを特徴とする光変調デ
バイスの製造方法にある。
【0034】かかる第14の態様では、駆動素子を基板
上に比較的容易に形成できる。
【0035】本発明の第15の態様は、第1〜14の何
れかの態様において、前記基板が絶縁体又は絶縁膜が形
成された基板からなり、前記基板上にトランジスタが形
成されたものであることを特徴とする光変調デバイスの
製造方法にある。
【0036】かかる第15の態様では、駆動素子の性能
を向上することができる。
【0037】本発明の第16の態様は、第1〜15の何
れかの態様において、前記接続端子部が前記絶縁層に形
成されたコンタクトホール又は当該コンタクトホールに
導電部材が埋設されたプラグであることを特徴とする光
変調デバイスの製造方法にある。
【0038】かかる第16の態様では、コンタクトホー
ル又はプラグを介して駆動素子と駆動用配線とが接続さ
れる。
【0039】本発明の第17の態様は、第1〜16の何
れかの態様において、前記第2信号配線と前記駆動素子
のゲート電極である第3信号配線とを交差する方向に配
置することを特徴とする光変調デバイスの製造方法にあ
る。
【0040】かかる第17の態様では、第2の信号配線
の何れかと第3信号配線の何れかとを選択することで、
これらが交差する部分の圧電素子を選択的に駆動でき
る。
【0041】本発明の第18の態様は、第1〜17の何
れかの態様において、前記第1信号配線と第2信号配線
との接点が形成されないように、これらの配線を交差し
ない方向に配置することを特徴とする光変調デバイスの
製造方法にある。
【0042】かかる第18の態様では、第1信号配線と
第2信号配線とが短絡することがなく、これらの配線を
同一平面上に形成できる。
【0043】本発明の第19の態様は、第1〜18の何
れかの態様において、前記第1信号配線を接地すること
を特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0044】かかる19の態様では、第1信号配線を基
準として第2信号配線及び第3信号配線に容易に電圧を
加えることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
てを詳細に説明する。
【0046】(実施形態1)図1は、実施形態1に係る
光変調デバイスの概略を示す斜視図であり、図2は、そ
の一つのミラー要素を示す断面図である。
【0047】図1に示すように、本実施形態の光変調デ
バイス10は、例えば、厚さが500μmのシリコン
(Si)基板等で形成されたミラー基板11と、このミ
ラー基板11上に、2次元アレイ状に設けられたミラー
要素20と、このミラー要素20を変形させる駆動素子
50とを有する。
【0048】ミラー要素20は、例えば、1280×1
024要素の2次元アレイ状に設けられ、各ミラー要素
20は、例えば、図2に示すように、弾性板31上に形
成された下電極膜32、圧電体層33及び上電極膜34
を有する圧電素子30と、この圧電素子30の上電極膜
34上に略全面に亘って設けられた反射膜35とを有す
る。また、各ミラー要素20の表面は、例えば、一辺が
約20μmの略正方形を有し、その略中心部には後述す
る貫通孔が形成されている。また、本実施形態では、弾
性板31の略中央部に略円筒形状の支持部31aを有
し、ミラー要素20はこの支持部31aを介してミラー
基板11に固定されている。すなわち、これらのミラー
要素20は、この支持部31aを支点として、一辺略2
0μmの領域が変形されるようになっている。このよう
なミラー要素20を保持する支持部31aの外径は、特
に限定されないが、ミラー要素20を確実に保持可能な
程度で、できるだけ小さいことが好ましい。
【0049】また、この支持部31a及びこれに対向す
る領域のミラー要素20には、これらを貫通してミラー
基板11を露出する貫通孔40が形成されており、この
貫通孔40を介して駆動素子50と圧電素子30の上電
極膜34及び下電極膜32とがそれぞれ接続されてい
る。
【0050】この駆動素子50は、圧電素子30を駆動
するトランジスタであり、例えば、p型のシリコン基板
に各ミラー要素20に対応して設けられたnチャンネル
MOSトランジスタである。これらの駆動素子50は、
第1の層間絶縁膜12によって覆われており、各ミラー
要素20は、実際には、この第1の層間絶縁膜12上に
支持部31aを介して設けられている。
【0051】ここで、圧電素子30を駆動する駆動素子
50であるMOSトランジスタの基本的な構成を説明す
る。MOSトランジスタは、図3に示すように、p形シ
リコン基板であるミラー基板11の2カ所にそれぞれド
ナーがドープされたソース51とドレイン52とを有す
る。ソース51には、駆動配線53等を介して圧電素子
30の下電極膜32に接続され、上電極膜34には第1
信号ライン54が接続されている。また、ドレイン52
には第2信号ライン55が接続されており、これらソー
ス51とドレイン52との間には、ゲート絶縁膜59を
介してゲート電極56が設けられている。
【0052】このような構成のMOSトランジスタで
は、ソース51に対してゲート電極56に正のバイアス
電圧を印加すると、ゲート絶縁膜59に接する半導体表
面では、表面に印加された正の電圧によって正孔が表面
から追い出されるため、p形シリコン基板であるミラー
基板11には、静電誘導によって電子が誘起され、電子
の通路であるチャネル57が形成される。このとき、ソ
ース51に対してドレイン52に正の電圧を印加する
と、ソース51から注入された電子は、チャネル57を
通ってドレイン52に移動する。すなわち、ドレイン5
2とソース51との間に電流が流れて圧電素子30が駆
動される。
【0053】ここで、本実施形態に係る圧電素子30と
駆動素子50との配線構造について説明する。図4は、
駆動素子50の一つを模式的に示した平面図である。な
お、図2は、図4のA−A断面を示す図となっている。
【0054】図2及び図4に示すように、支持部31a
の貫通孔40に対応する領域の第1の層間絶縁膜12に
は、下電極膜32と駆動素子50のソース51とを接続
する接続端子部58が設けられている。この接続端子部
58は、本実施形態では、第1の層間絶縁膜12にソー
ス51を露出するコンタクトホール12aが形成される
と共に、このコンタクトホール12aにソース51に接
続される駆動配線53が第1の層間絶縁膜12上まで延
設されることにより構成されている。そして、この接続
端子部58となる駆動配線53と下電極膜32とが、貫
通孔40内に設けられた第2の層間絶縁膜13上に円周
方向の一部に延設された下電極用接続配線36によって
接続されている。なお、この接続端子部58は、コンタ
クトホール12aに駆動配線53を形成する構成に限定
されず、第1の層間絶縁膜12に形成したコンタクトホ
ール12aを介して下電極膜32と接続可能な構成であ
ればよく、例えば、コンタクトホール12aにタングス
テン(W)等のプラグ部材を埋設し、これと下電極膜3
2とを接続する構成としてもよい。
【0055】また、この接続端子部58の両側には、上
電極膜34に信号を供給する第1信号ライン54と駆動
素子50のドレイン52に接続する第2信号ライン55
とが、本実施形態では、ゲート電極56に略直交する方
向にそれぞれ延設されている。
【0056】この第1信号ライン54は、少なくとも幅
方向一端部が支持部31aの貫通孔40に対向する領域
に位置するように設けられ、その延設方向の端部で接地
されている。また、第1信号ライン54と上電極膜34
とは貫通孔40内に設けられた第2の層間絶縁膜13上
に延設された上電極用接続配線37によって接続されて
いる。例えば、本実施形態では、反射膜35が上電極用
接続配線37を兼ねており、反射膜35が上電極膜34
上から貫通孔40内の円周方向の一部に延設されて第1
信号ライン54の幅方向一端部の露出部54aに接続さ
れている。なお、反射膜35と上電極用接続配線37と
を別々に設けてもよいことは言うまでもない。
【0057】ここで、下電極用接続配線36と上電極用
接続配線37を兼ねる反射膜35とは、本実施形態で
は、同一平面上である第2の層間絶縁膜13上に延設さ
れているが確実に絶縁されている。すなわち、これらの
接続配線36、37は、所定の幅で貫通孔40内に相対
向して設けられており、延設方向においては、詳しくは
後述するが、第2の層間絶縁膜13によって確実に絶縁
されている。
【0058】また、第2信号ライン55は、本実施形態
では、支持部31aの外側に設けられており、駆動素子
50のドレイン52に対向する領域の第1の層間絶縁膜
12に設けられたコンタクトホール12bを介してドレ
イン52と接続されている。
【0059】このような構成では、上述のような駆動素
子50の動作により、所望の圧電素子30に選択的に電
圧を印加して駆動させることができ、ミラー要素20の
変形制御を容易に行うことができる。
【0060】このような本実施形態の光変調デバイス1
0の製造方法は、特に限定されないが、本実施形態で
は、以下の工程で製造した。なお、図5及び図6は、本
実施形態の光変調デバイスの製造方法を示す断面図であ
る。
【0061】まず、図5(a)に示すように、p型のシ
リコン基板に予めMOSトランジスタである駆動素子5
0を形成したミラー基板11上に第1の層間絶縁膜12
を形成し、その後パターニングすることにより、駆動素
子50のソース51に対向する領域にソース51を露出
するコンタクトホール12aを形成する。この第1の層
間絶縁膜12の材質は、絶縁材料であれば特に限定され
ず、例えば、窒化珪素、酸化珪素等を用いることができ
る。
【0062】次に、図5(b)に示すように、第1の層
間絶縁膜12上に、駆動配線53、第1信号ライン54
及び第2信号ライン55を形成する。すなわち、第1の
層間絶縁膜12上全面に配線膜60を形成し、その後パ
ターニングすることにより、駆動配線53、第1信号ラ
イン54及び第2信号ライン55とする。
【0063】次に、図5(c)に示すように、犠牲層7
0を形成すると共にパターニングして各ミラー要素20
に対応して犠牲層除去部71を形成する。この犠牲層7
0は、各ミラー要素20に対応して支持部31aを形成
するためのものであり、その材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリシリコン又はリンドープ酸化シリコン
(PSG)等を用いることが好ましく、本実施形態で
は、エッチングレートが比較的速いPSGを用いた。
【0064】次に、図5(d)に示すように、犠牲層7
0の形状に沿って、圧電素子30を構成する弾性板3
1、下電極膜32、圧電体層33及び上電極膜34を順
次積層する。
【0065】弾性板31の材料は、弾性変形可能で且つ
所定の剛性を有する材料であれば、特に限定されない
が、本実施形態では、ジルコニウム層を形成後、例え
ば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジル
コニウムからなる弾性板31とした。
【0066】下電極膜32の材料としては、白金等が好
適である。これは、後述するようにスパッタリング法や
ゾル−ゲル法で成膜する圧電体層33は、成膜後に大気
雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の
温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。す
なわち、下電極膜32の材料は、このような高温、酸化
雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧
電体層33としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用
いた場合には、酸化鉛(PbO)の拡散による導電性の
変化が少ないことが望ましい。これらの理由から、本実
施形態では、白金をスパッタリングによって形成した。
【0067】圧電体層33の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)系の材料が好ましく、本実施形態
では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾル
を塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで
金属酸化物とする、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電
体層33を形成した。なお、この圧電体層33の成膜方
法は、特に限定されず、例えばスパッタリング法で形成
してもよい。
【0068】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0069】上電極膜34は、導電性の高い材料であれ
ばよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多くの
金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態で
は、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0070】次に、図6(a)に示すように、圧電素子
30を構成する上電極膜34及び圧電体層33をエッチ
ングによりパターニングする。続いて、図6(b)に示
すように、下電極膜32及び弾性板31をエッチングに
よりパターニングして、ミラー要素20を構成する各圧
電素子30を形成すると共に、各圧電素子30の略中央
部に駆動配線53及び第1信号ライン54を露出する貫
通孔40を形成する。このとき、下電極膜32の貫通孔
40側の端部を少なくとも圧電体層33よりも内側に位
置するようにパターニングし、下電極膜32の表面を露
出させておくことが好ましい。
【0071】次に、図6(c)に示すように、圧電素子
30及び貫通孔40を覆って第2の層間絶縁膜13を形
成すると共にパターニングする。詳しくは、パターニン
グにより、上電極膜37上に両端部を残して円周方向略
全面に亘って上電極膜34が露出する上電極露出部34
aを形成すると共に、下電極膜32上に円周方向の一部
の表面が露出する下電極露出部32aを形成する。さら
に、ミラー基板11上の駆動配線53上に少なくともそ
の一部が露出する駆動配線露出部53aを形成すると共
に、第1信号ライン54上の一部が露出する信号ライン
露出部54aを形成する。
【0072】このように第2の層間絶縁膜13をパター
ニングすることにより、この第2の層間絶縁膜13によ
って、以下の工程で形成される下電極用接続配線36と
上電極用接続配線37との絶縁が図られると共に、駆動
配線53と第1信号ライン54との絶縁が図られる。な
お、この第2の層間絶縁膜13の材料としては、第1の
層間絶縁膜12と同様に、例えば、窒化珪素、酸化珪素
の他、ポリイミドを用いてもよい。
【0073】次に、図6(d)に示すように、上電極膜
34上に反射膜35を形成すると共に、貫通孔40の内
周面に下電極用接続配線36、上電極用接続配線37を
形成する。本実施形態では、反射膜35が上電極用接続
配線37を兼ねており、この反射膜35と下電極用接続
配線36とは、同一平面、すなわち、同一層によって形
成されている。したがって、反射膜35及び下電極用接
続配線36となる接続配線膜61を上電極膜34上から
貫通孔40の内面に亘って形成すると共に、パターニン
グして分離することにより形成することができる。すな
わち、上電極膜34上略全面に亘って反射膜35を形成
すると共に、貫通孔40の円周方向の一部に反射膜35
の一部から連続して信号ライン露出部54aまで上電極
用接続配線37を延設する。さらに、貫通孔40の円周
方向の一部に、下電極膜露出部32aと駆動配線露出部
53aとを接続する下電極用接続配線36を形成する。
【0074】なお、このような接続配線膜61の材料と
しては、本実施形態では、反射膜35が上電極用接続配
線37を兼ねているため、導電性の材料であり且つ光の
反射率が高いことが好ましく、例えば、アルミニウム
(Al)又は銀(Ag)等を用いることが好ましい。
【0075】その後、犠牲層70をエッチングにより除
去する。本実施形態では、犠牲層70の材料として、P
SGを用いているため、弗酸水溶液によってエッチング
した。なお、ポリシリコンを用いた場合には、弗酸及び
硝酸の混合水溶液、あるいは水酸化カリウム水溶液によ
ってエッチングすることができる。
【0076】以上が、本実施形態の光変調デバイスの一
連の製造工程である。なお、第2信号ライン55と駆動
素子50のドレイン52との接続については説明してい
ないが、駆動配線53とソース51との接続部と同様
に、ドレイン52に対向する領域の第1の層間絶縁膜1
2に貫通孔等を形成することにより第2信号ライン55
とドレイン52とを接続すればよい。
【0077】ここで、このように形成された本実施形態
の光変調デバイスの動作について説明する。なお、図7
は、本実施形態の光変調デバイス及び光変調デバイスに
照射される光の光路を模式的に示した図である。
【0078】光変調デバイス10は、ミラー要素20を
変形させることにより光を変調させるものであり、本実
施形態では、ミラー要素20は、圧電素子30に電圧が
印加されない状態ではほぼ平坦となっており、駆動素子
50のスイッチングによって圧電素子30に電圧が印加
されると圧電素子30の圧電体層33が面内方向に収縮
して、ミラー要素20は弾性板31が接合された支持部
31aを支点として、圧電素子30は弾性板31側を凸
として変形し、反射膜35が凹面鏡となるようになって
いる。
【0079】また、このような本実施形態の光変調デバ
イス10は、例えば、図7に示すように、ミラー要素2
0に相対向する位置に、遮光ドットアレイ100を具備
する。この遮光ドットアレイ100は、例えば、ガラス
等の透明基板からなり、各ミラー要素に対向して遮光ド
ット101が設けられている。この遮光ドット101
は、光吸収材料からなり、例えば、樹脂に分散されたカ
ーボンブラック、黒色顔料、黒色染料等が挙げられる。
また、遮光ドットアレイ100は、各遮光ドット101
が凹面鏡状に変形したミラー要素20Bの焦点近傍に設
けられている。例えば、本実施形態の構成では、ミラー
要素20Bの変形量は0.2μmであるため、遮光ドッ
ト101は各ミラー要素20から約0.2mmの距離で
設けられている。
【0080】このような構成では、圧電素子30に電圧
が印加されていない状態では、入射光90がミラー要素
20Aの反射膜35に対して略直角に入射されるため、
入射光90は入射光路と略同一光路で出射される。一
方、駆動素子50によって圧電素子30に電圧が印加さ
れた状態ではミラー要素が変形されて凹面鏡となるた
め、反射された後には変形したミラー要素20Bの焦点
方向に集光される。本実施形態では、上述のように遮光
ドット101が変形したミラー要素20Bの焦点近傍に
設けられているため、入射光90は反射された後、遮光
ドット101に集光されて入射方向にもどることはな
い。すなわち、このような光変調デバイス10を表示装
置等に用いた場合、圧電素子30に電圧を印加する、し
ないによって、入射光90のON、OFFの制御を容易
に行うことができる。なお、上述した例では、圧電素子
30が変形しない場合がON、変形した場合がOFFと
なるが、勿論、これと逆になるように設定することもで
きる。
【0081】以上のような本実施形態の構成では、圧電
素子30の上電極膜34及び下電極膜32と駆動素子5
0とを接続する上電極用接続配線37及び下電極用接続
配線36を比較的容易に形成することができる。また、
これら上電極用接続配線37及び下電極用接続配線36
を支持部31aに形成された貫通孔40内に形成するよ
うにした。これにより、圧電素子30が支持部31aか
ら二次元方向に延設される構造の光変調デバイスを実現
でき、その配線も比較的容易に形成することができる。
【0082】したがって、ミラー要素の周囲を保持して
変形させる構成に比べて、ミラー要素の変形量を十分に
大きくした光変調デバイスを実現することができる。ま
た、このような光変調デバイスは、反射面の開口率が大
きく反射効率が向上する。さらには、集光率が高く、S
N比が大きい光変調デバイスを実現することができる。
また、圧電素子の少なくとも上電極膜と駆動素子とを接
続する配線が、ミラー要素の実質的に変形されない部分
に設けられているため、配線により変形が拘束されるこ
とがなく、性能の低下を防止することができる。
【0083】また、上述した実施形態で、第1信号ライ
ン54は、その延設方向の端部で接地するようにした
が、これに限定されない。
【0084】(実施形態2)図8は、実施形態2に係る
光変調デバイスの断面図である。
【0085】本実施形態は、ミラー要素20を支持する
支持部材をミラー要素20とは別部材で形成した例であ
り、例えば、本実施形態では、図8に示すように、ミラ
ー基板上に島状の支持部材80が設けられ、ミラー要素
20はこの支持部材80を介してミラー基板11上に固
定され、この支持部材80に対向する領域には、支持部
材80の表面が露出する貫通部40Aが設けられてい
る。
【0086】また、本実施形態では、駆動素子50のソ
ース51を露出するコンタクトホール12aが支持部材
80の外側の第1の層間絶縁膜12に形成されており、
駆動配線53がこのコンタクトホール12aから貫通部
40Aに対向する領域の支持部材80上まで延設されて
おり、この貫通部40A内で下電極用接続配線36を介
して下電極膜32と接続されている。また、第1信号ラ
イン54も支持部材80上まで延設されており、貫通部
40Aに対向する領域の支持部材80上で上電極用接続
配線37を兼ねる反射膜35を介して上電極膜34と接
続されている。
【0087】このような構成の光変調デバイスの製造方
法は、特に限定されいが、例えば、本実施形態では、以
下の工程で製造した。なお、図9は、実施形態2に係る
光変調デバイスの製造工程を示す断面図である。
【0088】まず、図9(a)に示すように、実施形態
1と同様に、p型のシリコン基板に予めMOSトランジ
スタからなる駆動素子50を形成したミラー基板11上
に第1の層間絶縁膜12を形成し、この第1の層間絶縁
膜12上に、支持部材材料層81を形成しパターニング
することにより、各ミラー要素20に対応して島状の支
持部材80を形成する。
【0089】次に、図9(b)に示すように、第1の層
間絶縁膜12の各支持部材80近傍に、第1の層間絶縁
膜12をパターニングすることにより、駆動素子50の
ソース51を露出するコンタクトホール12aを形成す
る。
【0090】次に、図9(c)に示すように、第1の層
間絶縁膜12及び支持部材80上に、駆動配線53、第
1信号ライン54及び第2信号ライン55を形成する。
すなわち、第1の層間絶縁膜12及び支持部材80上全
面に配線膜60を形成し、その後パターニングすること
により、駆動配線53、第1信号ライン54及び第2信
号ライン55とする。
【0091】次に、図9(d)に示すように、支持部材
80の周囲に犠牲層70を形成する。この犠牲層70上
には、以下の工程で圧電素子30を構成する各層が形成
されるが、この圧電素子30の下面の高さと支持部材8
0の上面の高さとは略同一であることが好ましい。その
ため、この犠牲層70は、支持部材80と略同一の高さ
で形成することが好ましい。
【0092】なお、その後は、図6に示す実施形態1の
製造工程と同様、圧電素子30及び反射膜35等を形成
及びパターニング後、犠牲層70を除去することによ
り、本実施形態の構成の光変調デバイスを製造すること
ができる。
【0093】このような本実施形態の構成においても、
実施形態1と同様に、圧電素子30の上電極膜34及び
下電極膜32と駆動素子50とを接続する配線を比較的
容易に形成することができ、ミラー要素の変形量を十分
に大きくした光変調デバイスを実現することができる。
【0094】なお、本実施形態では、支持部材80上
で、駆動配線53と下電極用接続配線36との接続等を
行う構成としたが、これに限定されず、例えば、支持部
材にミラー基板11に連通する連通孔を設け、ミラー基
板11上で行うようにしてもよい。
【0095】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、本発明の光変調デバイスは上述した実
施形態に限定されるものではないが、何れにしても比較
的容易に圧電素子と駆動素子との接続配線を形成するこ
とができる。
【0096】また、上述した実施形態では、反射膜35
は凹面鏡として作用するものとしたが、これに限定され
ず、成膜条件等を適宜調整して凸面鏡として作用させる
ようにしてもよい。
【0097】また、例えば、上述の実施形態では、ミラ
ー要素20を支持する、例えば、支持部材80に対応す
る部分から圧電素子30が二次元方向に延設され、この
支持部材80に対応する部分を支点としてミラー要素2
0が曲面状に変形する光変調デバイスを例示したが、こ
の構成に限定されず、例えば、図10(a)に示すよう
に、ミラー要素20Cが支持部材80Aから略一方向に
延設され、その長手方向一端部で支持部材80Aにより
片持ち梁状態で支持された構成であっても、本発明を適
用することができる。
【0098】また、例えば、上述の実施形態では、圧電
素子30上に反射膜35を形成してミラー要素20とし
た構成を例示したが、これに限定されず、例えば、図1
0(b)に示すように、支持部材80Aによって片持ち
梁状態で支持された圧電素子30Aの支持部材80Aと
は反対側の端部近傍に、ミラー部材との接続部を形成
し、ミラー部材90を設けたミラー要素20Dとして
も、本発明を適用することができる。
【0099】また、勿論、このようなミラー部材を上述
のような曲面状に変形する圧電素子上に、複数個配列す
るようにしてもよい。
【0100】さらに、例えば、このようにミラー要素が
片持ち梁状態で支持された構成では、圧電素子30と駆
動素子50との配線を、支持部材80Aの外周面に延設
する構成としてもよい。すなわち、図11に示すよう
に、ミラー要素20C及び支持部材80Aに貫通孔を設
けずに、下電極用接続配線36A及び上電極用接続配線
37Aを支持部材80Aの外周面を介してミラー基板1
1上まで延設するようにしてもよい。また、この下電極
用接続配線36Aと上電極用接続配線37Aとは、例え
ば、図示するように第3の層間絶縁膜14を間に挟むこ
とによりにより容易に行うことができる。また、勿論、
これら両接続配線36A及び37Aを支持部材80Aの
円周方向の異なる位置に延設するようにしてもよい。
【0101】以下には、遮光ドットアレイ以外を用いた
光変調デバイスの構成例、及び凸面鏡として作用させた
場合の構成例を示す。なお、ミラー基板を両側に具備す
る構成及びミラー基板を介して入射光を入射させる構成
は特に図示しないが、適宜選択可能であることはいうま
でもない。また、本発明は集光性能の向上により入射光
を反射面に集光させる特別な光学系を必要としないとい
う効果を奏するものであるが、入射光を集光させる光学
系を用いてもよく、以下にはこのような構成も示す。
【0102】図12には、上述した遮光ドットアレイ1
00の代わりに、ピンホールアレイ110及びマクロレ
ンズアレイ120を設けた光変調デバイスの概略構成を
示す。ここで、ピンホールアレイ110は、各ミラー要
素20に対向する位置にピンホール111を有し、ま
た、各マクロレンズアレイ120は、各ミラー要素20
に対向する位置に凸レンズ121を有する。なお、ピン
ホールアレイ110の各ピンホール111は、変形した
ミラー要素20Bの焦点近傍に設けられている。
【0103】かかる光変調デバイスでは、変形したミラ
ー要素20Bに入射した光はピンホールアレイ110の
ピンホール111を通過して戻るが、変形していないミ
ラー要素20Aに入射した光はピンホールアレイ110
の遮光部112に遮断される。
【0104】すなわち、この例では、上述した例とは反
対に、ミラー要素を変形した場合がONであり、未変形
の場合がOFFとなる。
【0105】なお、ミラー要素20をミラー基板11と
は反対側が凸となるように変形させ、凸面鏡として作用
しても光変調デバイスとすることができる。
【0106】また、以上説明した各実施形態において
は、圧電素子30の変形の際に圧電素子30と対向する
ミラー基板11が帯電し、静電力により圧電素子30の
変形が阻害される可能性がある。従って、このような問
題を解消するために、上述した構成に加えて、さらに、
圧電素子30の下電極膜32に対向するミラー基板11
を対向する下電極膜32と略同一電位にするようにして
もよい。すなわち、相対向する電極が共通電極で接地さ
れている状態の場合には、基板も接地状態にする。これ
により、圧電素子30の電極とミラー基板との電位差に
よる帯電が生じなくなり、ミラー要素20の変形が阻害
されることがなく、ミラー要素20の変位量の低下を抑
えることができる。
【0107】また、例えば、下電極膜32に対向するミ
ラー基板11上に対向電極を設け、この対向電極と下電
極膜32との間に、圧電素子30の変形を補助する方向
に静電力が生じるように電圧を印加するようにしてもよ
い。このような構成では、ミラー要素20の変位量をさ
らに増加させることができ、集光率をさらに高め、SN
比の向上を図ることができる。
【0108】さらに、以上説明した実施形態では、各ミ
ラー要素20の下電極膜32又は上電極膜34への配線
は、全て支持部31a又は支持部材80を介してミラー
基板11まで延設するようにしたが、これに限定される
ものではない。例えば、下電極膜32への配線のみは支
持部31a等を介してミラー基板11へ延設し、上電極
膜34の配線は支持部31a等とは反対側の先端部の一
部に接触するように設けてもよい。この場合、圧電素子
30の変形を妨げることがないようにする必要があるこ
とは言うまでもない。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る製造
方法で製造された光変調デバイスでは、ミラー要素を支
持部材で支持すると共に、支持部材内に圧電素子と駆動
素子との接続配線を設けるようにしたため、支持部材と
の接続部分を支点として略曲面状に変形させることがで
きる。これにより、ミラー要素の曲率変化を十分に大き
くすることができ、集光率を著しく向上することができ
る。したがって、小型化しても十分な曲率変化が得られ
るという効果を奏する。
【0110】また、本発明では、駆動素子と圧電素子と
を接続する複数の配線を支持部材を介して延設するよう
にした。また、これら配線のうちの幾つかを同一工程で
形成するようにしたため、製造工程を簡略化でき製造工
程を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの概
略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの要
部断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る駆動素子の概略を示
す断面図及び光変調デバイスの配線図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る駆動素子の概略を示
す平面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの光
学系の概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る光変調デバイスの要
部断面図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
の概略を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
の要部断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
の光学系の概略断面図である。
【符号の説明】 10 光変調デバイス 11 ミラー基板 20 ミラー要素 30 圧電素子 31 弾性板 31a 支持部 32 下電極膜 33 圧電体層 34 上電極膜 35 反射膜 36 下電極用接続配線 37 上電極用接続配線 40 貫通孔 50 駆動素子 53 駆動配線 54 第1信号ライン 55 第2信号ライン 80 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA04 AB12 AB38 AC08 AZ02 AZ08 5C058 AA18 AB04 BA01 BA05 BA33 BA35 EA13 EA27

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び第
    2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射す
    るミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素に
    対応して基板上に設けられた駆動素子とを有する光変調
    デバイスの製造方法において、 前記基板上に前記駆動素子を形成する工程と、前記駆動
    素子上に絶縁膜を形成する工程と、前記駆動素子との接
    続をするための接続端子部を前記絶縁膜に形成する工程
    と、前記圧電素子の何れか一方の電極に接続される駆動
    用配線を前記接続端子部から引き出す工程と、前記駆動
    素子に対応する位置に支持部材を介して前記圧電素子を
    形成するための犠牲層をパターン形成する工程と、該犠
    牲層上に前記圧電素子をパターン形成する工程と、当該
    圧電素子の何れか一方の電極と前記駆動用配線とをそれ
    ぞれ接続する第1接続用配線を形成すると共に他方の電
    極に接続される第2接続用配線を形成する工程と、前記
    犠牲層を除去して前記支持部材を形成する工程とを有す
    ることを特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動用配線を形
    成する工程では、当該駆動用配線を形成すると共に前記
    他方の電極に接続する第1信号配線を形成し、その後当
    該第1信号配線と前記第2接続用配線とを接続すること
    を特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記駆動用配線を形
    成する工程では、さらに前記駆動素子のドレインに接続
    されて信号を供給する第2信号配線を形成することを特
    徴とする光変調デバイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記支
    持部材及び当該支持部材に対向する領域の前記圧電素子
    に少なくとも前記圧電素子を除去した圧電素子除去部を
    設け、前記第1及び第2接続用配線を前記圧電素子除去
    部内に平面的に分離して配置することを特徴とする光変
    調デバイスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記支持部材に前記
    圧電素子除去部に連通する支持部材貫通部を設け、前記
    第1及び第2接続用配線を当該支持部材貫通部内まで延
    設されていることを特徴とする光変調デバイスの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、前記犠牲層を
    形成する工程の前に、前記駆動素子に対応した島状の前
    記支持部材を形成する工程を有することを特徴とする光
    変調デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記駆動用配線及び
    前記第1信号配線を前記支持部材の外面を介して上面ま
    で延設し、前記圧電素子除去部内で前記駆動用配線と前
    記第1接続用配線、及び前記第1の信号配線と前記第2
    接続用配線とを接続することを特徴とする光変調デバイ
    スの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    電素子の何れか一方の電極が、前記ミラー膜構造を兼ね
    ることを特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    電素子の何れか一方の電極上に、反射膜を形成すること
    を特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記反射膜が前記
    第1又は第2接続用配線を兼ねることを特徴とする光変
    調デバイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記
    圧電素子上に前記ミラー膜構造を構成するミラー部材を
    少なくとも一つ形成することを特徴とする光変調デバイ
    スの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
    記圧電素子を前記支持部材との接続部分から二次元方向
    に広がる形状とすると共に前記支持部材を前記圧電素子
    の略中央部に形成することを特徴とする光変調デバイス
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
    記圧電素子を前記支持部との接続部分から略一方向に広
    がる形状とすると共に、前記支持部材をその長手方向一
    端部に形成することを特徴とする光変調デバイスの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れかにおいて、前
    記駆動素子を単結晶シリコンからなる前記基板上に形成
    することを特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れかにおいて、前
    記基板が絶縁体又は絶縁膜が形成された基板からなり、
    前記基板上にトランジスタが形成されたものであること
    を特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れかにおいて、前
    記接続端子部が前記絶縁層に形成されたコンタクトホー
    ル又は当該コンタクトホールに導電部材が埋設されたプ
    ラグであることを特徴とする光変調デバイスの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16の何れかにおいて、前
    記第2信号配線と前記駆動素子のゲート電極である第3
    信号配線とを交差する方向に配置することを特徴とする
    光変調デバイスの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17の何れかにおいて、前
    記第1信号配線と第2信号配線との接点が形成されない
    ように、これらの配線を交差しない方向に配置すること
    を特徴とする光変調デバイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18の何れかにおいて、前
    記第1信号配線を接地することを特徴とする光変調デバ
    イスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9261667B2 (en) 2012-09-26 2016-02-16 Seiko Epson Corporation Driving device, projector, and driving method

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