JP3208802B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

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JP3208802B2
JP3208802B2 JP25055891A JP25055891A JP3208802B2 JP 3208802 B2 JP3208802 B2 JP 3208802B2 JP 25055891 A JP25055891 A JP 25055891A JP 25055891 A JP25055891 A JP 25055891A JP 3208802 B2 JP3208802 B2 JP 3208802B2
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昭 小笠原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影レンズを移動被写
体に追尾駆動する自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先に出願人は、電荷蓄積型イメージセン
サ(以下、AFセンサと呼ぶ)を用いた自動焦点調節装
置の制御方法として、AFセンサの電荷蓄積と撮影レン
ズ駆動(以下、サ−ボと呼ぶ)とを時間的に並行して行
うことにより、サ−ボ時間や焦点調節精度を向上させ
る、いわゆるオ−バラップサーボの制御方法を特開平2
−146010号で開示し、引き続いて、オ−バラップ
サーボを行いながら被写体の運動を検出し、被写体の位
置を予測して撮影レンズを駆動する、いわゆるオ−バラ
ップ予測駆動の制御方法を特願平2−256677号で
提案した。さらに、特願平3−178780号で、上記
オ−バラップ予測駆動を改良した制御方法を提案した。
【0003】図11は、撮影レンズをモ−タにより駆動
して合焦状態にサ−ボする自動焦点調節(以下、オ−ト
フォ−カスまたは単にAFと呼ぶ)装置を備えたカメラ
のブロック図である。図において、撮影レンズ1を透過
した被写体からの焦点検出光束は、カメラ本体内に設け
たCCDなどのAFセンサ2上に結像し、AFセンサ2
からの光像信号はインタフェース3を介してシステム全
体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下、CPUと
呼ぶ)4へ送られる。
【0004】AFセンサ2上に投影される焦点検出光束
の光像パタ−ンは、インタフェース3でA/D変換され
てCPU4へ出力されるか、またはインタフェース3で
適当な信号レベルに増幅され、CPU4に内蔵されたA
/D変換器により直接A/D変換される。CPU4は、
ディジタル信号に変換された光像パタ−ンを所定のアル
ゴリズムで処理してデフォ−カス量を算出し、このデフ
ォーカス量に基づいて撮影レンズ1を合焦させるための
レンズ駆動量を算出する。ここでは、具体的なデフォ−
カス量検出のための光学的な原理や、アルゴリズムにつ
いては既に周知であるため、説明を省略する。
【0005】撮影レンズ1には、その移動量をモニタす
るためのエンコ−ダ6が設けられており、撮影レンズ1
が光軸に沿って一定量移動する毎にエンコ−ダ6はパル
スを発生する。CPU4は、算出されたレンズ駆動量を
ドライバ5へ出力してサーボモータ7を駆動し、撮影レ
ンズ1を合焦方向に駆動する。さらにCPU4は、エン
コ−ダ6からのフィ−ドバックパルスによって撮影レン
ズ1の移動量をモニタし、デフォ−カス量に相当するパ
ルス数だけのフィードバックパルスをカウントすると、
サーボモ−タ7の駆動を停止する。通常、エンコ−ダ6
は、サーボモ−タ7の回転軸や減速ギアの一部に付設し
たフォトインタラプタなどで構成され、撮影レンズ駆動
用モ−タ7の回転を検出する。
【0006】ここで、デフォ−カス量とは、図12に示
すように撮影レンズ1を透過した焦点検出光束が結像す
る面(結像面)と、フィルム面(予定結像面)との相対
的な像面ズレ量△Zであり、撮影レンズ1を合焦させる
ために必要なレンズ移動量とほぼ等しい。従って、光像
をフィルム面に結像させる(合焦させる)ため、前ピン
状態の時は、デフォ−カス量△Zαだけ撮影レンズ1を
後に移動し、後ピン状態の時は、デフォ−カス量△Zβ
だけ撮影レンズ1を前に移動する。なお、厳密にはデフ
ォ−カス量△Zとレンズ駆動量とは一致しないが、本明
細書では両者は等しいものとする。
【0007】次に図13により、オ−バラップ予測駆動
を説明する。図において、横軸は時間tであり、縦軸は
光軸上の距離Zである。図中にQで示す線図は、撮影レ
ンズ1と撮影レンズ1による被写体結像面との光軸上の
距離Zの軌跡を示し、被写体の移動にともなってその距
離Zが時間とともに変化する様子を示す。またLで示す
線図は、撮影レンズ1とフィルム面と等価な予定焦点面
との間の光軸上の距離Zである。従って、線図Qと線図
Lとの差はデフォ−カスの大きさDを示す。また、t(n
-1),t(n),t(n+1)で示す時刻は、AFセンサ2の各
電荷蓄積期間のほぼ中央時刻であり、これらの時刻の両
側の上方の線図Qまたは線図Lまで引いた2本の縦線で
挟まれる期間が電荷蓄積期間である。さらに、時刻t(n
-1),t(n),t(n+1)における各デフォ−カス量をD(n-
1),D(n),D(n+1)と表す。以下、本図と同様な図にお
いても、上記の縦軸Z,横軸t,線図Qおよび線図Lな
どは同じ意味を持つものとする。なお以下では、センサ
蓄積時刻を時刻t(n)などと表現するが、実際には電荷蓄
積型AFセンサ2を用いる限り蓄積時間が必要である。
また本明細書では、AFセンサ2の電荷蓄積時間を測距
時間と呼ぶ。
【0008】図から明かなように、時刻t(n-1) から時
刻t(n)までの被写体像面の移動量P(n)は、時刻t(n)
の測距で得られるデフォ−カス量D(n)、時刻t(n-1)の
測距で得られる前回のデフォ−カス量D(n-1)、および
この間の撮影レンズの移動量M(n)により次式で表され
る。 P(n)=D(n)+M(n)−D(n-1) ・・・(1) 従って、この間の被写体像面の移動速度S(n)は次式に
より求められる。 S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-1)} ・・・(2) ここで、測距周期{t(n+1)−t(n)}が毎回ほぼ等しいと
すると、時刻t(n)から次回の測距時刻t(n+1)までの被
写体の移動量P(n+1)は今回の移動量P(n)にほぼ等しい
と予想できる。AFセンサ2の電荷蓄積終了からデフォ
−カス量の算出までには、CCDのデ−タ転送時間やデ
フォーカス量の演算時間がかかり、オ−バラップサ−ボ
では一般にこの間も図のように撮影レンズ1が駆動され
るため、この間の撮影レンズ1の移動した量PD(n)を
考慮し補正する必要がある。 時刻t(n)の測距によるデ
フォ−カス量の演算が時刻tm(n)に終了し、このときの
レンズ位置をA点とすると、t(n)からtm(n)まで撮影
レンズ1が移動した量がPD(n)である。従って、時
刻tm(n)において次回の測距によるデフォーカス量がゼ
ロとなるようにサ−ボすべき総合量X(n)は、時刻t(n)
の測距で得られたデフォ−カス量D(n)に、時刻t(n)か
ら次回の測距時刻t(n+1)までの被写体の予想移動量P
(n)を加算し、その加算結果から時刻t(n)からデフォー
カス量の演算終了時刻tm(n)までのレンズ駆動量PD
(n)を差し引いて求められる。すなわち、 X(n)=D(n)+P(n)−PD(n) =2D(n)+M(n)−D(n-1)−PD(n) ・・・(3)
【0009】この後、撮影レンズ1が図14に示す線図
L1のように駆動され、次回の測距開始までに(3)式
で示す駆動量X(n)のレンズ駆動が終了するとすれば、
次回のデフォ−カス量D(n+1)はほぼゼロとなる。しか
し、現実にはモータパワ−は有限であり、しかも時刻t
m(n)で測距結果が出た後に、すぐに次回の測距を始める
ため、その間のレンズ駆動時間は極めて僅かで、一般に
は図中の線図L2のようのように駆動され、次回の測距
開始までには(3)式のレンズ駆動は終了しない。従っ
て、毎回測距結果のデフォーカス量が算出されるたび
に、(3)式で得られるレンズ駆動量をサーボ目標とす
るようにサーボリフレッシュしても、撮影レンズ1は被
写体に追いつけない。
【0010】この問題を改善するため、特願平2−25
6677号では、t(n)からtm(n)までのレンズ移動量
PD(n)を無視して、 X(n)=D(n)+P(n) =2D(n)+M(n)−D(n-1) ・・・(4) だけサ−ボすることを提案している。こうすると、図1
4に示す線図L3のように、時刻t(n+1)での被写体の
予想位置よりPD(n)だけ余分に撮影レンズ1が駆動
されるため、線図Qにより接近する結果となり好ましい
としていた。しかし、この方法ではサ−ボが安定して行
われないことが指摘され、これを改良するため、上述し
た特願平3−178780号では次のような提案がなさ
れた。すなわち、ある回の測距により得られたデフォ−
カス量に基づくサーボのリフレッシュを、デフォ−カス
量の演算終了の直後、つまり次回のAFセンサ2の電荷
蓄積開始の直前に行うのを避け、次回のAFセンサ2の
電荷蓄積が終了した後に行う。この結果、サーボのリフ
レッシュ時刻である次回の電荷蓄積終了時刻から、さら
にその次の電荷蓄積開始時刻までを、センサ出力に影響
を与えないでレンズ駆動を行うために使うことができ、
この間にほぼ撮影レンズ1を目標位置に移動することが
できる。
【0011】図15により、この方法を説明する。時刻
t(n)における測距の結果が時刻tm(n)で出るのは図1
4と同様であるが、今回はサーボのリフレッシュは時刻
tm(n)では行わず、演算結果であるデフォ−カス量D
(n)を記憶するだけとする。またこの時、前回のサーボ
を実行中であればそのまま続行し、次回t(n+1)での測
距期間中も引き続いてサーボを行う。サーボのリフレッ
シュを行うのは、次回の時刻t(n+1)の測距が終了した
直後の時刻tr(n)である。つまり、ある測距結果に基づ
くサーボ目標のリフレッシュを、その次の測距が終了す
るまで待つことにする。
【0012】なお従来、ある測距結果に基づいてレンズ
駆動を行う場合、一般にはエンコ−ダからのパルス信号
計数用のカウンタを増算型のときはゼロクリア、減算型
の時にはプリセットしていた。これは、サ−ボリフレッ
シュ時にレンズ駆動量に相当するパルス数をカウンタの
比較値あるいはプリセット値として設定することが、レ
ンズ駆動量の目標の設定となるため、制御上わかりすく
自然であったからである。しかしここでは、撮影レンズ
1の駆動量を示すエンコ−ダ6からのモニタパルスをカ
ウンタで単純に累積加算して行き、サ−ボのリフレッシ
ュのたびにリセットやプリセットをしないこととする。
これは、撮影レンズ1の駆動量を示すエンコ−ダ6から
のモニタパルスをカウンタで単純に累積加算して行き、
サ−ボのリフレッシュのたびに操作をしないことで可能
となる。この方式をリニアカウント方式と呼ぶ。また、
制御システムはレンズ駆動量の積算値をいつでも読み出
せるものとする。こうすると、カウンタの値は撮影レン
ズ1の光軸上のある位置に対応するが、これは撮影レン
ズ1とフィルム面との距離も表すことになる。
【0013】図14に示すように、これまでは、縦軸は
撮影レンズとフィルム面、あるいは被写体との距離[mm]
としてきたが、リニアカウント方式では、相対的ではあ
るがカウンタの値としても縦軸をスケ−ルすることがで
きる。1パルス当たりの光軸方向の像面移動量[mm]は、
そのレンズ固有の比例計数をパルス数に掛ければ得られ
る。そこで、例えば時刻t(n)におけるカウント値をC
(t(n))と表す。図15の右側の縦軸は、撮影レンズ1と
被写体の位置をエンコ−ダ6からのパルス数でスケ−リ
ングしたものである。特に、撮影レンズ1がある特定の
位置にある時に、カウンタの値が特にある値となるよう
に初期設定すれば(例えば、無限遠にある被写体へ合焦
している場合がカウント値ゼロとなるように)、カウン
タの値から被写体までの絶体距離を求めることができる
が、ここでは単に撮影光学系の移動量、つまりレンズ位
置の変化量を測定できれば良いため、このような作業は
必要ない。つまり、パルス数の絶対値には特に意味はな
く、ふたつのカウント値の差分がその間の撮影レンズ1
の移動量を示すということを利用する。
【0014】また、本出願人は特開平2−146010
号において、AFセンサ2の電荷蓄積期間中に駆動され
ている撮影レンズ1の平均的位置の算出方法の開示を行
ったが、このレンズ位置はカウント値に対する相対値で
計算される。これは、測距中の平均的レンズ位置がパル
スカウント値C(t(n))として計算されることを示したも
のであり、リニアカウント方式との整合性がよい。これ
より(1)式中の二つの測距時刻t(n),t(n-1)の間の
レンズの移動量M(n)は、 M(n)=f(C(t(n))−C(t(n-1))) ・・・(5) と表せる。ここで、f()は、パルス数を距離[mm]に変
換する関数で、先に述べたように実質的にはC(t(n))−
C(t(n-1))に定数を掛けることで近似することが出来
る。この係数は、それぞれの撮影レンズ1によって変わ
る固有のデ−タである。また、これから(2)式で与え
られる被写体像面速度S(n)は常に簡単に求められる。
【0015】図15において、時刻t(n)の測距値D(n)
を、時刻t(n+1)の測距終了まで記憶しておいても、通
常、その間も撮影レンズ1は前回のサーボリフレッシュ
時のサ−ボ目標に対して移動している。サ−ボリフレッ
シュ時刻tr(n)におけるカウンタ値がC(tr(n))で、時刻
t(n)の測距中の平均測距位置がカウンタ値でC(t(n))
であったとすれば、この間の移動量EC(n)は、 EC(n)=C(tr(n))−C(t(n)) ・・・(6) と表せる。ただし、これはパルスカウント値換算でのレ
ンズ移動量であり、[mm]単位での光軸方向の移動量E
(n)は、同様に変換関数f()により、 E(n)=f(EC(n)) ・・・(7) と表せる。
【0016】このように、リニアカウント方式は、各時
刻のレンズ位置をすべてカウント値として同じスケ−ル
で表現でき、極めて都合がよい。もちろん、毎回のサ−
ボリフレッシュのたびにカウント値をゼロクリアするこ
れまでの方法でも、マイクロコンピュータ4で毎回のレ
ンズ駆動量をソフトウェア的に加算して行くことにより
原理的には可能であるが、繁雑であるため、デ−タ処理
技術上は明らかにリニアカウント方式が優れている。た
だし、サ−ボリフレッシュ時のサ−ボ目標の設定に際し
ては、その時カウント値をいったん読み出し、このカウ
ント値に必要とするレンズ駆動量に相当するパルス数を
加算して求める必要がある。これがカウント値で表した
新しい撮影レンズ1の目標駆動位置となる。
【0017】時刻tr(n)のサ−ボリフレッシュ時のサ−
ボ目標位置は、さらにその次の時刻t(n+2)の測距時刻
における被写体予想位置Q(n+2)である。これは、測距
時刻t(n)における被写体位置Q(tn)から、時刻t(n)か
ら時刻t(n+2)までの被写体移動予想量P(n)だけ先であ
る。P(n)は、時間{t(n+2)−t(n)}に相当する測距
周期の2回分の時間と被写体像面速度S(n)を掛けて得
られるから、 P(n)={t(n+2)−t(n)}*S(n) ・・・(8) である。ここで、{t(n+2)−t(n)}は、過去の測距時
間から推定するのが適切であり、例えば、t(n+2)−t
(n)=t(n)−t(n-2)と仮定して求めればよい。時刻t
(n)でレンズ位置がQ(t(n))よりデフォ−カス量D(n)だ
け遅れていたことと、時刻t(n)から時刻tr(n)までの
レンズの移動量が(7)式より得られるから、時刻tr
(n)で駆動すべき量X(n)は、図15より明かに、 X(n)=D(n)+{t(n+2)−t(n)}*S(n)−E(n) ・・・(9) となる。
【0018】以上のように、サ−ボリフレッシュを次回
の時刻t(n+1)の測距期間後まで遅らせると、それから
次次回の時刻t(n+2)の測距開始までの時間をレンズ駆
動のために最大限に使うことができる。この期間内に目
標とするレンズ駆動量を駆動してしまうことができれ
ば、図15中の線図U1で示すように、時刻t(n+2)で
の測距結果となるデフォーカス量D(n+2)はほぼゼロと
なる。また、線図U2で示すように、レンズ駆動が時刻
t(n+2)の測距開始までに終っていない場合は、撮影レ
ンズ1が被写体にやや遅れていることになる。この場合
は、時刻t(n+2)における測距はレンズ駆動とオ−バラ
ップして行われる。時刻t(n+2)の測距期間中にサ−ボ
が終る場合もあるが、いずれにせよ、この測距終了時に
は前回同様、時刻t(n+1)の測距結果に基づき時刻tr(n
+1)でサ−ボがリフレッシュされる。従って、この方法
により基本的には撮影レンズ1を被写体にほぼ安定して
追従させることが可能で、被写体が一様に運動していて
測距などが充分正確であれば、撮影レンズ1が被写体像
面に大きく遅れたり、あるいは被写体像面を追い越すこ
とはない。
【0019】しかし、実際には被写体の不規則な運動や
測距の誤差やレンズ駆動の制御上の問題により撮影レン
ズ1が被写体像面を追い越すことがある。この量が大き
いと、サ−ボリフレッシュ時に(9)式で算出されるレ
ンズ駆動量が負になる。つまり、時刻t(n+2)における
被写体像面の予想位置を、時刻tr(n)で撮影レンズ1が
すでに追い越してしまうことも希にはあり得る。この時
は、レンズ駆動の一様性やレンズ駆動機構の機械的なバ
ックラッシュの悪影響を考慮して、撮影レンズ1を逆方
向に駆動するのは避け、とりあえずレンズ駆動を停止す
るか、その時点のサ−ボ目標を維持するのがよい。被写
体が同一方向に移動している限り、その後の測距で再び
被写体像面が撮影レンズ1を追い越した正常な状態が検
出され、通常のオ−バラップ予測駆動に戻るはずであ
る。以上が、オ−バラップ予測駆動の概説である。
【0020】次に、予測駆動モ−ドに入るための条件と
なる、被写体の移動を検出する方法について説明する。
この方法も特願平2−256677号によって開示され
ている。オ−バラップサ−ボでは測距サイクルが極めて
短いため、被写体の移動を検出するために被写体像面速
度を(2)式によって算出したのでは、測距の1周期で
の被写体の像面移動量が僅かで測定精度が悪い。そこ
で、速度の検出精度を上げるため、より長い時間間隔で
の像面位置の変化をとらえることを提案している。図1
6はこの方法の一例を示し、測距2周期における像面移
動量に基づいて被写体像面速度を演算する。時刻t(n-
2),t(n-1),t(n)におけるデフォ−カス量をそれぞれD
(nー2),D(n-1),D(n)とし、時刻t(n-2) から時刻t
(n)までのレンズ移動量をM2(n)とすると、時刻t(n-2)
からtnまでの平均像面移動速度は、 S(n)={D(n)−D(n-2)+M2(n)}/{t(n)−t(n-2)} ・・・(10) となる。被写体像面速度S(n)は、測距結果が算出され
るごとに順次新しい値が得られる。もちろん、測距3周
期以上にわたって計算を行なえば、より安定した検出精
度を得ることもできる。ところが、像面移動速度の計算
のためのベ−ス時間を長くしてゆくと、安定性は向上す
るが、被写体の加速的な動きに対する応答性が低下する
ので、適当な蓄積回数を選択する必要がある。また、被
写体輝度が低いと蓄積時間が長くなり測距の周期が延び
るため、輝度の高い時と同じ周期で速度検出を行なうと
応答性が悪くなる。そこで、被写体の速度検出のための
ベ−ス時間が常にほぼ一定になるように、蓄積時間に応
じて速度検出に用いる周期の数を選択することを提案し
ている。この時、測距周期がベ−ス時間より長い場合
は、(2)式のように1周期だけのデフォ−カス量の変
化を用いることになる。
【0021】このように、2世代以上離れた測距デ−タ
とその間のレンズの移動量とに基づいて算出した被写体
像面速度S(n)は、被写体が動体か否かの判定に用いる
だけでなく、(9)式による予測レンズ駆動量の計算の
ときにも(2)式の代わりに用いることができ、精度も
向上する。例えば、2周期で被写体像面速度を算出する
場合は、 P(n)=D(n)+M2(n)−D(n-2) ・・・(12) S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-2)} ・・・(13) ただし,M2(n)は,t(n-2)からt(n)の間に撮影レンズ1
が移動した距離を示す。式(12),(13)を式
(9)へ代入すると、 X(n)=D(n)+{t(n+2)−t(n)}*{D(n)+M2(n)−D(n-2)} /{t(n)−t(n-2)}−E(n) ・・・(14) さらに、t(n+2)−t(n)=t(n)−t(n-2)と仮定すれば、 X(n)=2D(n)−D(n-2)+M2(n)−E(n) ・・・(15) が得られる。
【0022】(15)式には、測距時刻t(n)が入って
いないため計算が簡単になる。しかし、これは、毎回の
測距でデフォ−カス量の検出に失敗しないことを前提に
しており、実際には被写体の測距部分がカメラの手振れ
や被写体自信の動きで毎回異なり、測距失敗が往々にし
て発生することを考慮すると、一般には測距時刻を考慮
した(9)式や(14)式による方法で毎回サ−ボ量X
(n)を算出する方が賢明である。
【0023】図16は、特願平2−256677号に開
示した測距2周期で被写体像面速度を算出する場合の図
である。なお、3周期以上離れた測距デ−タから被写体
像面速度を算出する場合も同様であり、説明を省略す
る。しかし、このようにして求めた像面移動速度に対し
て、例えば、しきい値δを設け、 S(n)>δ ・・・(16) なるとき動体であると判定しても、被写体像面速度がし
きい値程度の時やオ−バラップ予測駆動中に減速してく
ると動体かどうかの判定が毎回安定せず、オーバーラッ
プ予測駆動モ−ドに入ったり出たりして、撮影レンズ1
はぎくしゃくした動きとなる。また、測距精度や被写体
像面速度検出精度が充分でない場合にもこのようなこと
が起きる。
【0024】この問題を解決するため、得られた被写体
像面速度S(n)の数回の履歴を調べてオーバーラップ予
測駆動モ−ドに入るか、または同モードを出るかの判断
を行なう。さらに、オーバーラップ予測駆動モ−ドへの
出入りに、ヒステリシスを設けている。図17は、この
方法を用いた被写体の静止移動判定のためのフロ−チャ
−トである。この例では、3世代の被写体像面速度S
(0),S(1),S(2)により動体の判定を行っているが、
この世代数はシステムの応答性や安定性を考慮して選ん
でよい。このフローチャートにより、この被写体の静止
移動判定方法を説明する。ステップS1で、連続3回の
被写体像面速度の極性が同じこと、つまり撮影レンズ1
に近づいているか遠ざかっているかの判定が安定してい
ることを検査して、全部一致しなければS8で静止被写
体と判定している。これによって、被写体が同一方向に
移動していることの検出精度が向上する。次に、それま
でオーバーラップ予測駆動モードに入っていない場合、
動体の判定がなされるためには、フローチャートからわ
かるように、ステップS2,S3,S4で、それぞれS
(0)>2mm/sec,S(1)>1.5mm/sec,S(2)>1mm/secが肯
定されることが必要である。従って、被写体像面速度が
少なくも一度は2mm/secを越えないと動体とは判定され
ない。また、それまでの速度の変化は、ステップS3,
S4で判別されるように、ある程度加速的である必要が
ある。ステップS2,S3,S4の順にフローを進め
ば、被写体が動体であると認識され、非予測駆動モード
から予測駆動モードへ移る。
【0025】一旦、オーバーラップ予測駆動モードに入
ると、このモードから抜けて通常のサ−ボとなるのは、
ステップS5で、S(0)≦1mm/secと判定される場合であ
る。つまり、一度オーバーラップ予測駆動モードに入る
と、このモードからは抜けにくくなるように条件が設定
される。この例では、少なくも一度は2mm/sec以上の速
度が検出された被写体に対する予測駆動制御は、1mm/s
ec以下にならない限り維持される。オーバーラップ予測
駆動中に、1mm/sec≦S(0)<2mm/secの被写体像面速度
が検出されると、ステップS6で、それまでに動体と判
定されて予測駆動モードに入っていればそのまま同モー
ドで制御され、そうでなければ静止被写体と判定する。
これにより、動体認識あるいはオーバーラップ予測駆動
モードへの出入りにヒステリシスをかけることができ
る。しきい値による動体判定を行う限り、そのしきい値
近辺の速度でサ−ボがぎくしゃくするのはのある程度や
むを得ないが、このようにヒステリシスを設けるとかな
り安定性が改善される。
【0026】次に、被写体像面速度の検出精度に関する
オ−バラップサ−ボ特有の問題点を説明する。例えば、
(13)式で与えられる図16の被写体の平均像面速度
は、レンズ駆動中に測距して得たデフォ−カス量D
(n),D(n-2)を用いており、被写体と測距中の撮影レン
ズ1との相対速度が速いほど精度が悪くなる。従って、
これから算出される被写体像面速度も同様であり、同じ
値の被写体像面速度S(n)であってもその時のレンズ速
度によって精度が異なり、(16)式のような判定条件
や、図17に示すフローチャートによって動体の判定を
する場合の信頼性も異なる。この問題を解決するため、
(8)式の被写体像面速度の測定精度を指標として、被
写体像面速度とそれを検出した期間の撮影レンズ1の平
均速度Sl(n)との比r=S(n)/Sl(n)を考慮する。図
16におけるM2(n)が、時刻t(n-2)から時刻t(n)まで
の撮影レンズ1の移動量であるから、撮影レンズ1の平
均速度Slは、 Sl(n)=M2(n)/{t(n)−t(n-2)} ・・・(17) 従って、 r={D(n)−D(n-2)+M2(n)}/M2(n) ・・・(18) である。速度比rは、被写体像面速度とレンズ速度との
比であるから、r>1では被写体像面が撮影レンズ1よ
り速く、逆にr<1では被写体像面が撮影レンズ1より
遅い、r=1の時に両者がほぼ同じ速度で動くことを意
味し、この時、AFセンサ2上の画像はほぼ静止してい
て、もっとも測距精度がよいと考えられる。つまり、r
は1に近いほど被写体像面速度S(n)の精度が高いとい
える。
【0027】予測駆動モードに入った後は、被写体像面
速度とレンズ速度とは平均的にはほぼ同じとなるから、
rも1に近く、被写体像面速度の検出精度に悪影響を与
えることは少ない。一般に、最も問題となるのは、予測
駆動モードに入る以前の単なるオ−バラップサ−ボ中
に、レンズ速度が高くなると測距精度が悪くなるため、
被写体が静止しているにも関わらず図17に示すフロー
チャートにより動体と誤認することである。これを防ぐ
ため、rが1から大きく外れている場合には、たとえ前
述の図17に示す判定方法により動体と判定されても、
この判定結果を採用しない。静止被写体をオ−バラップ
サ−ボしながらその像面速度を計算すると、いかに測距
精度が悪くてもレンズ速度より速いという結果が出るこ
とはまず有り得ないので、rの制限として、 r≧ λ (λ≦1) ・・・(19) なる動体認識のための条件を追加することで、静止被写
体を動体と誤認することを避けることができる。λは、
測距精度や各パラメ−タの精度によって決めるが、一般
的にλ=0.5程度がよいとの実験結果が得られてい
る。λ=0.5の時、被写体像面速度S(n)がレンズ速
度Sl(n)の50%以上でないと、動体と判定して予測駆
動モードに入らないことを意味する。これにより、レン
ズ駆動速度が被写体像面速度に比べかなり速い時(約2
倍以上)は、撮影レンズ1がその速度で駆動され、撮影
レンズ1の結像面がフィルム面にかなり接近して撮影レ
ンズ1の駆動速度が減速されると予測駆動モードに入
る。一旦、予測駆動モードに入った後は、動作の安定の
ため(10)式による動体認識条件を外して、単に図1
7に示すフローチャートによって動体の判定なった方が
よい。つまり、サ−ボ中に(10)式をrが満たさなく
ても、既に予測駆動モードに入っていれば図17の判定
方法だけで引き続き予測駆動を行うか、あるいは通常の
静止被写体のオ−バラップサ−ボに切り換えるかの判断
をする。
【0028】図18は、この(19)式による被写体像
面速度の信頼性試験を図17の動体判定ルーチン最初に
追加したものであり、上述した制御を行う。ただし、図
18にはステップS13,S14が追加されている。こ
れらは、デフォ−カス量D(0)がしきい値Dαより小さ
い時に初めて予測駆動モードに入り、一旦、予測駆動モ
ードに入った後はデフォ−カス量がDβより大きくなる
と、予測駆動モードを抜け通常のサ−ボに戻るという規
則をサ−ボの安定化のため追加したものである。ここ
で、もちろん、 Dα≧Dβ ・・・(20) としてヒステリシスをかけている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
撮影状況においては、次々と選択される別の被写体や、
あるいは被写体の選択の過程における意図しない種々の
被写体がオ−トフォ−カスの対象となる。この結果、撮
影レンズの駆動方向は、無限方向から至近方向へ、ある
いは至近方向から無限方向へと頻繁に切り換わる。この
時、レンズ駆動用モ−タと撮影レンズとの間のギアなど
から構成されるレンズ駆動機構においてバックラッシュ
が発生し、この影響で被写体の速度を誤って検出し、被
写体の静止または移動の判定を誤ることがある。
【0030】ここで、バックラッシュにより制御装置が
誤って被写体を動体であると判定する理由を説明する。
図19(a)は、撮影レンズの駆動方向が逆転した時の
様子を示す。図13と同様、横軸は時間tであり、縦軸
は光軸上の距離Zである。撮影レンズは、線図Lで示す
ように、時刻tAまで駆動されると静止し、時刻tBまで
停止したままでいる。時刻tAから時刻tBまでは、撮影
レンズ1の駆動が停止されるようにカメラが操作されて
いるか、合焦状態が続いているか、などの場合が考えら
れる。時刻tBからは、別の被写体を選んだり、ふたた
びオ−トフォ−カスが作動するようにカメラの操作が行
われたことによって、測距結果に基づいて撮影レンズ1
を駆動し始める。この時、時刻tA以前の駆動方向と時
刻tBからの駆動方向が図に示すように反転すると、レ
ンズ駆動用のモ−タは時刻tBから回転を始めるが、上
述したようにレンズ駆動機構に存在するバックラッシュ
のため、実際に撮影レンズ1が回転を始めるのはこれよ
り遅れた時刻tCからとなる。時刻tBから時刻tCまで
の間は、モ−タが回転してレンズ駆動機構のバックラッ
シュをとっている。
【0031】しかし、撮影レンズ1の動きをモニタする
エンコ−ダ6は、通常、モ−タ軸あるいはこれに近いギ
アに付設されるため、エンコ−ダ6からのフィ−ドバッ
クパルスは図19(b)に示すように時刻tBから発生
する。この時、制御装置が、エンコーダ6からのフィ−
ドバックパルスを入力して撮影レンズ1が移動を開始し
たと認識し、上述したように被写体の動体判定を行う
と、時刻tBから時刻tCまでは実際には撮影レンズ1が
動かないのにその移動量M(n)を検出してしまい、
(1)式,(2)式で示した被写体像面速度を検出する
ことになる。例えば、被写体が静止していた時は、その
間に検出されるデフォ−カス量D(n)は毎回同じであ
り、発生したフィ−ドバックパルスに相当する撮影レン
ズ1の移動量分M(n)だけ、被写体の結像面が移動し
たと誤って算出する。言い換えると、制御装置が、フィ
−ドバックパルスから認識する撮影レンズ1の結像面は
図19(a)の線図Pで示す軌跡に沿って移動し、時刻
tBから時刻tCまでの間、被写体像面が線図Pの傾きの
速度で動いていると判断する。
【0032】バックラッシュの大きさがかなりある場合
には、これをモ−タを回転させて解消させて行く時刻t
Bから時刻tCまでの間に何回も測距が行われることがあ
り、その様子を拡大して図20に示す。同図では、時刻
tBから時刻tCまでの間に、時刻t(i),t(i+1),t(i
+2),t(i+3)で4回の測距が行われる。図17に示すよ
うに、過去3回の速度履歴を調べて動体判断を行った場
合、図20に示す例では、モ−タ逆転後の最初の時刻t
(i)の測距で被写体が時刻t(i-1)からM(i)動いたと認
識し、以後も順次、各測距時間間隔でM(i+1),M(i+
2),M(i+3)の被写体像面の移動を検出し、(2)式あ
るいは(13)式で被写体像面速度S(n)を算出しても
この動体判定条件をパスして動体と判定する可能性があ
ることが理解できる。
【0033】本発明の目的は、撮影レンズの駆動方向が
反転しても被写体の静止または移動を正確に判定し、移
動被写体に対する追尾性能を向上させた自動焦点調節装
置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1に対応づけて本発明を説明すると、請求項1の発明
は、撮影レンズ100の焦点調節状態を示すデフォーカ
ス量を繰り返し検出する焦点検出手段101と、少なく
とも焦点検出手段101によって検出された現在および
過去のデフォーカス量に基づいて、被写体の移動を繰り
返し判定する移動判定手段102と、この移動判定手段
102により被写体が移動していると判定されると、少
なくとも焦点検出手段101によって検出されたデフォ
ーカス量に基づいて、移動被写体に追尾して撮影レンズ
100を駆動するための追尾デフォーカス量を算出し、
さらにその追尾デフォーカス量に基づいて撮影レンズ1
00の駆動方向および駆動量を演算する第1の演算手段
103と、移動判定手段102により被写体の移動判定
がなされない時は、焦点検出手段101によって検出さ
れた現在のデフォーカス量に基づいて撮影レンズ100
の駆動方向および駆動量を演算する第2の演算手段10
3Aと、第1の演算手段103または第2の演算手段1
03Aにより演算された駆動方向および駆動量に従っ
て、レンズ駆動機構104を介して撮影レンズ100を
駆動する駆動手段105と、この駆動手段105の駆動
量を検出する駆動量検出手段106とを備えた自動焦点
調節装置であって、移動判定手段102は、駆動手段1
05で撮影レンズ100の駆動方向が反転された時は、
駆動量検出手段106でレンズ駆動機構104に存在す
るバックラッシュ量に相当する駆動量が検出されるまで
被写体の移動判定を行わず、レンズ駆動機構104に存
在するバックラッシュ量に相当する駆動量が検出された
後に焦点検出手段101で検出されたデフォーカス量に
基づいて、被写体の移動判定を行なうことにより、上記
目的を達成する。請求項2の発明は、駆動手段105の
所定の駆動量ごとにパルスを発生するエンコーダやフォ
トインタラプタなどのパルス発生器と、このパルス発生
器の発生パルスをカウントするカウンターとから構成さ
れる駆動量検出手段106Aを備える。請求項3の自動
焦点調節装置の駆動量検出手段106Aのカウンター
は、駆動手段105の駆動方向および駆動量の更新時に
もそのカウント値を変更せずにそのまま発生パルスを累
積カウントし、駆動手段105の駆動方向反転時のカウ
ント値から所定量のカウント値の変化があった時に、レ
ンズ駆動機構104に存在するバックラッシュ量に相当
する量の駆動がなされたことを検出する。請求項4の発
明は、電荷蓄積型光電変換素子を有し、撮影レンズ10
0の焦点調節状態を示すデフォーカス量を繰り返し検出
する焦点検出手段201と、少なくとも焦点検出手段2
01によって検出された現在および過去のデフォーカス
量に基づいて、被写体の移動を繰り返し判定する移動判
定手段202と、この移動判定手段202により被写体
が移動していると判定されると、少なくとも焦点検出手
段201によって検出されたデフォーカス量に基づい
て、移動被写体に追尾して撮影レンズ100を駆動する
ための追尾デフォーカス量を算出し、さらにその追尾デ
フォーカス量に基づいて撮影レンズ100の駆動方向お
よび駆動量を演算する第1の演算手段203と、移動判
定手段202により被写体の移動判定がなされない時
は、焦点検出手段201によって検出された現在のデフ
ォーカス量に基づいて撮影レンズ100の駆動方向およ
び駆動量を演算する第2の演算手段203Aと、第1の
演算手段203または第2の演算手段203Aにより演
算された駆動方向および駆動量に従って、レンズ駆動機
構104を介して撮影レンズ100を駆動する駆動手段
205とを備えた自動焦点調節装置であって、移動判定
手段202は、駆動手段205で撮影レンズ100の駆
動方向が反転された時は、焦点検出手段201の電荷蓄
積型光電変換素子が所定回数の電荷蓄積動作を行なうま
では被写体の移動判定を行わず、焦点検出手段201の
電荷蓄積型光電変換素子が所定回数の電荷蓄積動作を行
なった後に検出されたデフォーカス量に基づいて、被写
体の移動判定を行なうことにより、上記目的を達成す
る。請求項5の発明は、撮影レンズ100の焦点調節状
態を示すデフォーカス量を繰り返し検出する焦点検出手
段301と、少なくとも焦点検出手段301によって検
出された現在および過去のデフォーカス量に基づいて、
被写体の移動を繰り返し判定する移動判定手段302
と、この移動判定手段302により被写体が移動してい
ると判定されると、少なくとも焦点検出手段301によ
って検出されたデフォーカス量に基づいて、移動被写体
に追尾して撮影レンズ100を駆動するための追尾デフ
ォーカス量を算出し、さらにその追尾デフォーカス量に
基づいて撮影レンズ100の駆動方向および駆動量を演
算する第1の演算手段303と、移動判定手段302に
より被写体の移動判定がなされない時は、焦点検出手段
301によって検出された最新のデフォーカス量に基づ
いて撮影レンズ100の駆動方向および駆動量を演算す
る第2の演算手段303Aと、第1の演算手段303ま
たは第2の演算手段303Aにより演算された駆動方向
および駆動量に従って、レンズ駆動機構104を介して
撮影レンズ100を駆動する駆動手段305とを備えた
自動焦点調節装置であって、移動判定手段302は、駆
動手段305で撮影レンズ100の駆動方向が反転され
てから所定時間を経過するまでは被写体の移動判定を行
わず、駆動手段305で撮影レンズ100の駆動方向が
反転されてから所定時間を経過した後に焦点検出手段1
01で検出されたデフォーカス量に基づいて、前記被写
体の移動判定を行なうことにより、上記目的を達成す
る。
【0035】
【作用】請求項1では、移動判定手段102が、駆動手
段105で撮影レンズ100の駆動方向が反転された時
は、駆動量検出手段106でレンズ駆動機構104に存
在するバックラッシュ量に相当する駆動量が検出された
後に焦点検出手段101で検出されたデフォーカス量に
基づいて、被写体の移動判定を行なう。また請求項4で
は、移動判定手段202が、駆動手段203で撮影レン
ズ100の駆動方向が反転された時は、焦点検出手段2
01の電荷蓄積型光電変換素子が所定回数の電荷蓄積動
作を行なった後に検出されたデフォーカス量に基づい
て、被写体の移動判定を行なう。さらに請求項5では、
移動判定手段302が、駆動手段305で撮影レンズ1
00の駆動方向が反転されてから所定時間を経過した後
に焦点検出手段301で検出されたデフォーカス量に基
づいて、被写体の移動判定を行なう。
【0036】
【実施例】
−第1の実施例− 次に、第1の実施例を説明する。なおこの実施例の構成
は、図11で説明した構成と同様であり、説明を省略す
る。図2〜図4は、レンズ駆動反転時からのレンズ駆動
量を算出することにより、バックラッシュ駆動中に誤っ
て被写体が動体であると判定することを避けるための制
御フロー図である。図2は、AFセンサ2の電荷蓄積か
らデフォ−カス量の算出と被写体の像面速度算出のため
の各種デ−タのリフレッシュまでの制御フローである。
ステップS1からS3までは、周知の電荷蓄積型AFセ
ンサ2の電荷蓄積制御の制御フロ−であり、説明を省略
する。ステップS4で、AFセンサ2からの出力をAD
変換するとともに、不図示のRAMにこれらのAD変換
したデータを記憶する。その後、上述した特願平3−1
78780号で提案したように、AFセンサ2からのデ
ータに基づいてデフォ−カス量の演算を行なう前に追尾
サ−ボのためのレンズ駆動目標の更新を行う。ここで、
制御上で追尾サ−ボ中であることを記憶しておくため、
動体認識フラグXを設けることにし、ステップS5で、
動体認識フラグXにより追尾サ−ボ中であるか否かを判
別する。なお、動体認識フラグXの設定は後述する動体
テストで行ない、追尾サ−ボ中であればX=1、そうで
なければX=0が設定される。
【0037】追尾サ−ボ中であればステップS6へ進
み、例えば(9)式によって動体追尾駆動量、すなわち
サ−ボ目標X(n)を算出する。続くステップS7では、
算出されたサーボ目標X(n)に基づいて撮影レンズ1の
駆動方向が前回と同じか否かを判別し、前回の駆動方向
と同じであればステップS8へ進み、算出した新しいサ
−ボ目標X(n)に対してサ−ボを開始する。この時、前
回のサ−ボが完了していなければそのままレンズ駆動を
引き継ぎ、完了していれば改めてレンズ駆動を開始す
る。なお動体認識フラグXは、レンズ駆動をしていない
時でも追尾サ−ボモードであればX=1のままとする。
【0038】ステップS7で、駆動方向が反転したと判
別された時は、撮影レンズ1の結像面がフィルム面と等
価な予定焦点面を行き過ぎてしまった状態であり、上述
したようにここで駆動方向を逆転することは避け、単に
前回のサ−ボ目標を更新せずにおく。またステップS5
で追尾サ−ボ中ではないと判別された時は、当然、ステ
ップS8の追尾サ−ボのためのサ−ボ目標の更新はスキ
ップしてステップS9へ進む。ステップS9で、AF演
算を行う。AF演算とは、ステップS4でRAMに記憶
したAFセンサ2のAD変換デ−タに対して、然るべき
焦点検出アルゴリズムを適用することによりデフォ−カ
ス量を算出することである。オ−バラップサ−ボでは、
このAF演算期間中にもレンズ駆動が平行して行われ
る。
【0039】ステップS10ではアルゴリズムが成功し
たか否かを判別し、失敗すればそれ以降の処理に進めな
いのでステップS1へ戻って再度測距を行う。アルゴリ
ズムの失敗は、被写体が低コントラストであったり、A
Fセンサ2の出力レベルが不適当な時などに起きる。ア
ルゴリズムが成功した時はステップS11で、算出され
たデフォ−カス量D(0)の記憶と最新の被写体像面速度
S(0)の計算のほか、次回の被写体像面速度計算のため
に、デフォ−カス量、測距時刻、測距時のレンズ位置
(パルスカウント値)の一組みごとに過去数世代の測距
デ−タの記憶を更新する。これは、図16で説明したよ
うに、数世代前からのデ−タに基づいて被写体像面速度
を演算するためである。具体的には、RAMの記憶領域
の中の一番古い世代の1組のデ−タを捨てて、新しく得
た1組のデ−タを記憶する。このようにすれば、RAM
の容量を小さく抑えることができる。なお、上述した特
開平2−146010号で述べたように、RAMに何世
代のデータを記憶するかは、被写体像面速度を最大で何
世代前からの測距デ−タに基づいて演算するかにより決
定する。またステップS11では、被写体像面速度S
(n)の履歴も同様に更新する。これは、図17や図18
で説明した動体認識のテストのためである。
【0040】図3,4は、撮影レンズ1の駆動方向を反
転するごとにエンコーダー6のパルスカウント値(レン
ズ位置)PRを記憶しておき、駆動方向反転後のレンズ
駆動量がバックラッシュに相当するレンズ駆動量PBよ
り大きくなってから検出されたデフォーカス量に基づい
て、被写体の動体判定を行なう動作を示す。なお、レン
ズ駆動量を検出するエンコーダー6のフィードバックパ
ルスのカウント方法は、上述したリニアカウント方式に
より行なう。ステップS12で、駆動方向反転後のレン
ズ駆動量を求めるため、その位置におけるパルスカウン
ト値(レンズ位置)PNを読み込む。ステップS13
で、駆動方向反転後のレンズ駆動量PN−PRがバックラ
ッシュ量PBより大きいか否かを判別し、小さい時はま
だバックラッシュを脱出していないと判断し、誤って被
写体を動体と判定しないようにステップS16で最新の
像面速度S(0)に0を設定する。これによって、図17
に示すように、動体判定で何世代かの速度の履歴をテス
トする場合は、レンズ駆動がバックラッシュ域から出た
後の速度の履歴が規定の条件を満たすまで、動体と判断
しないようにできる。さらにステップS19で、動体認
識フラグX=0として追尾サ−ボ中でないことを明確に
する。
【0041】一方、ステップS13でレンズ駆動方向反
転後のレンズ駆動量PN−PRがバックラッシュ量PBよ
り大きい場合は、ステップS14へ進み、例えば上述し
た図17に示す動体判定テストを行う。続くステップS
15で、動体か否かを判別し、動体であればステップS
17へ進み、動体認識フラグXにより追尾駆動中か否か
を判別し、追尾駆動中であればサ−ボリフレッシュはス
テップS8で行うのでステップS1へ戻って次回の測距
を始める。追尾駆動中でなければステップS18へ進
み、動体認識フラグX=1としてこれより追尾駆動モー
ドに入る。なおステップS15において動体でないと判
別された時は、ステップS19へ進み、動体認識フラグ
X=0とする。この時、ここまで追尾駆動モードで撮影
レンズ1の駆動制御が行なわれていれば、ここで追尾駆
動モードからでることになる。
【0042】次に、図4のステップS20で、オーバー
ラップサーボ補正を行なう。すなわち、測距時刻から焦
点検出演算終了時刻までのレンズ移動量をデフォ−カス
量から差し引いて補正する。具体的には、上述した特開
平2−146010号に開示したように、(9)式にお
いて被写体像面速度を0としてレンズ駆動量X(n)=D
(n)−E(n)を計算することである。ステップS21で、
算出されたレンズ駆動量X(n)のレンズ駆動方向が今ま
でのレンズ駆動方向と同じか否かを判別し、同方向であ
ればステップS25へ進み、算出された新しい駆動量X
(n)でサーボ目標を更新する。逆方向であればステップ
S22へ進み、上記ステップS18で追尾駆動モードに
入ることが決定された場合でも、本発明の趣旨に基づき
レンズ駆動方向を反転する場合は動体認識フラグX=0
として追尾駆動モードを出る。
【0043】ステップS23で、モータ7を駆動中であ
るか否かを判別し、駆動中でなければすぐに撮影レンズ
1を逆方向に駆動開始できるので、ステップS24で、
まず駆動方向反転時のパルスカウント値PRを記憶した
後、ステップS25へ進み、サーボ目標を更新してレン
ズ駆動を開始する。ここで、ステップS24で記憶した
パルスカウント値PRは、上記ステップS13のレンズ
駆動機構のバックラッシュを脱したか否かの判別に用い
られる。ステップS23でモ−タ駆動中の時は、ステッ
プS26へ進んでモータ7に急ブレ−キをかけ、続くス
テップS27で撮影レンズ1の停止を確認した後、ステ
ップS28でモータブレ−キを解除する。そして、図2
のステップS1へ戻り次の測距を行なう。なお、ステッ
プS28からステップS20へ戻るようにすれば、モー
タブレ−キ後に直ちに撮影レンズ1を駆動できるが、こ
の実施例では、駆動方向反転時には撮影レンズ1を停止
して精度よくデフォ−カスを測定した後、レンズ駆動を
行なうためこのような処理手順にした。
【0044】なお、上記第1の実施例では、撮影レンズ
1の駆動方向が反転された後、レンズ駆動機構のバック
ラッシュが解消されるまでに算出された被写体像面速度
Sを0に設定した。この結果、例えば図17に示す動体
判定テストを行なうと、静止被写体と判定される。被写
体像面速度Sは、繰り返し検出されるデフォーカス量に
基づいて算出されるので、この方法は、駆動方向反転
後、さらにレンズ駆動機構のバックラッシュが解消され
た後に検出された複数回のデフォーカス量に基づいて、
改めて被写体像面速度Sを演算し、これらの被写体像面
速度Sに基づいて上記動体判定を行なうのと同じであ
る。
【0045】このように、撮影レンズの駆動方向が反転
された時は、レンズ駆動機構のバックラッシュが解消さ
れた後の最新のデータに基づいて被写体の静止または移
動の判定を行なうようにしたので、実際の撮影状況にお
いて被写体が次次と変更されたり、意図しない別の被写
体の侵入によって撮影レンズの駆動方向が頻繁に反転し
ても、被写体の静止または移動を正確に判定でき、撮影
レンズをスムーズに駆動制御して移動被写体に対する追
尾性能を向上させることができる。また、モータ7の駆
動量を検出するため、所定の駆動量ごとにパルス信号を
発生するエンコーダーと、このパルス信号を計数するカ
ウンターを用い、サーボリフレッシュ時にもこのカウン
ターでパルス信号を累積カウントして、駆動方向反転時
のカウント値からバックラッシュに相当する量のカウン
ト値の変化があった時に、レンズ駆動機構に存在するバ
ックラッシュ量に相当する量の駆動がなされたことを検
出するようにしたので、制御演算が簡単になる。
【0046】−第2の実施例− 上記第1の実施例では、駆動方向反転後のモ−タの駆動
量を正確に検出し、バックラッシュ解消を検出したが、
簡易的にバックラッシュ解消を検出する第2の実施例を
説明する。なおこの実施例の構成は、図11で説明した
構成と同様であり、説明を省略する。この実施例では、
駆動方向反転後に所定回数の測距が行なわれた後の測距
で検出されたデフォーカス量に基づいて、被写体の動体
判定を行う。図5,図6は、第2の実施例の制御フロー
図である。なお、AFセンサ2の電荷蓄積からデフォ−
カス量の算出と被写体の像面速度算出のための各種デ−
タのリフレッシュまでの処理は、上述した図2と同様で
あり説明を省略する。また、それ以後の処理において
も、図3,図4と同様な処理を行なうステップに対して
は同ステップ番号を付して相違点を中心に説明する。図
6のステップS24Aで、パルスカウント値PRを記憶
する代りに、測距カウンタCNTを所定値(ここでは、
例えば4とする)にプリセットし、図5のステップS1
2Aにおいて、測距カウンタCNTのカウント値が0か
否かを判別し、0ならばステップS14へ進んで上述し
た動体判定テストを行い、0でなければステップS13
Aへ進み、駆動方向反転後まだ所定回数の測距を終了し
ていないので、測距カウンタCNTをデクリメントした
後、ステップS16で、上述したように被写体像面速度
S(0)を0とする。つまり、駆動方向反転後は、測距ご
とにステップS13Aで測距カウンタCNTのプリセッ
ト値が毎回デクリメントされ、遂に0になると被写体の
動体判定テストを行なう。
【0047】測距の周期は、被写体の輝度に応じてAF
センサ2の電荷蓄積時間が変化するため変動するが、充
分明るい状態での測距周期をもとに、駆動方向反転後の
モ−タ駆動速度とバックラッシュ量から安全を考慮して
測距回数を決定する。実際には、バックラッシュ量は比
較的小さいから数100msecのモ−タ駆動で解消し、例
えば測距サイクルの最短時間を50msecとすれば4,5
回の測距を行ううちにバックラッシュは解消する。
【0048】このように、撮影レンズの駆動方向が反転
された時は、所定回数の電荷蓄積を行なった後に検出さ
れたデフォーカス量に基づいて被写体像面速度Sを算出
し、それらに基づいて被写体の静止または移動を判定す
るようにしたので、上記第1の実施例に比べて精密さは
劣るが、少ない制御ソフトのROM,RAMの使用量で
ほぼ同様な効果が得られる。
【0049】−第3の実施例− 次に、撮影レンズの駆動方向を反転してから所定時間が
経過した後に検出されたデフォーカス量に基づいて、被
写体の動体判定を行う第3の実施例を説明する。なおこ
の実施例の構成は、図11で説明した構成と同様であ
り、説明を省略する。図7,図8は、第3の実施例の制
御フロー図である。なお、AFセンサ2の電荷蓄積から
デフォ−カス量の算出と被写体の像面速度算出のための
各種デ−タのリフレッシュまでの処理は、上述した図2
と同様であり説明を省略する。また、それ以後の処理に
おいても、図3,図4と同様な処理を行なうステップに
対しては同ステップ番号を付して相違点を中心に説明す
る。図8のステップS24Bで、パルスカウント値PR
を記憶する代りに、不図示のタイマから時刻TRを読み
取って記憶し、図7のステップS12Bで、タイマから
時刻TNを読み取る。そして、ステップS13Bで、駆
動方向反転後の経過時間TN−TRが所定時間TBに達し
ているか否かを判別し、達していればステップS14へ
進んで動体判定テストを行い、達していなければステッ
プS16へ進んで被写体像面速度S(0)を0とする。な
おこの所定時間TBは、駆動方向反転後のモ−タ駆動速
度と実際のバックラッシュ量とを考慮して、確実にバッ
クラッシュを解消するまでの時間を設定する。
【0050】このように、撮影レンズの駆動方向が反転
されてから所定時間を経過した後に検出されたデフォー
カス量に基づいて被写体像面速度Sを算出し、それらに
基づいて被写体の静止または移動を判定するようにした
ので、上記第1の実施例に比べて精密さは劣るが、少な
い制御ソフトのROM,RAMの使用量でほぼ同様な効
果が得られる。
【0051】−第4の実施例− 次に、駆動方向を逆転して撮影レンズを駆動する時に、
撮影レンズの駆動開始後すぐにAFセンサの電荷蓄積を
開始せず、レンズ駆動機構のバックラッシュに相当する
量だけモ−タが駆動されてから電荷蓄積を開始する第4
の実施例を説明する。図9,図10は、この制御フロー
を示す。なおこの実施例の構成は、図11で説明した構
成と同様であり、説明を省略する。また、AFセンサ2
の電荷蓄積からデフォ−カス量の算出と被写体の像面速
度算出のための各種デ−タのリフレッシュまでの処理
は、上述した図2と同様であり説明を省略する。また、
それ以後の処理においても、図3,図4と同様な処理を
行なうステップに対しては同ステップ番号を付して相違
点を中心に説明する。この第4の実施例では、図2のス
テップS11の処理後に行なっていた図3のステップS
12,S13を削除し、図10に示すように、ステップ
S24以降に行なうようにした。すなわち、撮影レンズ
1の駆動方向を反転してからモ−タ駆動量(PN−PR)
がバックラッシュに相当する量(PB)に達するまで、
ステップS1へ戻らないようにし、次回のAFセンサ2
の電荷蓄積を遅延させる。
【0052】このようにすれば、バックラッシュの影響
による被写体像面速度の誤検出は駆動方向反転後の1度
だけとなるため、図17に示す動体判定でも静止被写体
を誤って動体と判断することがない。この駆動反転後の
1度の速度誤検出の影響が、動体の誤認識確率を上げる
不安があれば、図17で示す過去の被写体像面速度のテ
ストをさらにもう1世代過去のものまで行うようにすれ
ばよい。図17の例ではD(4)の検査を追加すること
になる。
【0053】これまでは、バックラッシュの影響で撮影
レンズの駆動方向反転後に静止被写体を動体と誤認識す
ることに対する対策という立場から、上記実施例を説明
した。しかし、実際の撮影状況では被写体が次々に変化
したり、手振れの影響によって、デフォ−カス量が次々
に変動するのが常である。こうした状況では一時的に測
距しているゾ−ンの被写体が一方向に動いたり、モ−タ
の起動直後の加速的な被写体の結像面の動きとデフォ−
カス量の検出誤差のため、例えば図18の制御フローで
示す動体判定を行なっても誤って動体と判定をすること
がある。このような不都合を軽減する手段としても、こ
こに述べた手段を用いることができる。つまり動体判定
を行うのを、レンズ駆動方向反転後のレンズ駆動量があ
る値に達するまで、あるいはある時間経過するまで禁止
することにより、この間に誤って動体判定をすることを
防ぐことができる。この場合、動体判定を行うのを禁止
するのは、これまでのようにバックラッシュに相当する
モ−タの回転量に匹敵するレンズ駆動量やレンズ駆動時
間より一般には大きな値とし、被写体が1方向に移動し
ていると断定するに足る充分な値とする。このための制
御フロー図は、図2〜図10と同様であり、しきい値の
選び方が違うだけである。
【0054】以上の実施例の構成において、AFセンサ
2,インタフェース3およびマイクロコンピュータ4が
焦点検出手段を、マイクロコンピュータ4が移動判定手
段、第1および第2の演算手段を、ドライバー5が駆動
手段を、エンコーダー6が駆動量検出手段をそれぞれ構
成する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、撮影レンズの駆動方向が反転された時は、駆動量
検出手段でレンズ駆動機構に存在するバックラッシュ量
に相当する駆動量が検出された後に検出されたデフォー
カス量に基づいて、被写体の移動判定を行うようにした
ので、撮影レンズの駆動方法が反転した時でも被写体
動を正確に判定でき、撮影レンズをスムーズに駆動制
御して移動被写体に対する追尾性能を向上させることが
できる。また、実際の撮影状況において被写体が次次と
変更されたり、意図しない別の被写体の侵入によって撮
影レンズの駆動方向が頻繁に反転しても、被写体の移動
判定が正確に行なわれ、その判定結果に基づいて撮影レ
ンズがスムーズに駆動される。また請求項2および請求
項3の発明によれば、駆動手段の駆動量を検出するた
め、所定の駆動量ごとにパルス信号を発生するパルス発
生器と、そのパルス信号を計数するカウンターを用い、
サーボリフレッシュ時にもこのカウンターでパルス信号
を累積カウントして、駆動方向反転時のカウント値から
バックラッシュに相当する量のカウント値の変化があっ
た時に、レンズ駆動機構に存在するバックラッシュ量に
相当する量の駆動がなされたことを検出するようにした
ので、制御演算が簡単になる。請求項4の発明によれ
ば、撮影レンズの駆動方向が反転された時は、電荷蓄積
型光電変換素子が所定回数の電荷蓄積動作を行なった後
に検出されたデフォーカス量に基づいて、被写体の移動
判定を行なうようにしたので、請求項1の発明に比べて
精密さが多少劣るものの、少ない制御ソフトのROM,
RAMの使用量で請求項1の発明とほぼ同様な効果が得
られる。請求項5の発明によれば、撮影レンズの駆動方
向が反転されてから所定時間を経過した後に検出された
デフォーカス量に基づいて、被写体の移動判定を行う
うにしたので、請求項1の発明に比べて精密さが多少劣
るものの、少ない制御ソフトのROM,RAMの使用量
で請求項1の発明とほぼ同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図。
【図2】第1の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図3】第1の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図4】第1の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図5】第2の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図6】第2の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図7】第3の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図8】第3の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図9】第4の実施例の制御フローを示すフローチャー
ト。
【図10】第4の実施例の制御フローを示すフローチャ
ート。
【図11】自動焦点調節装置を備えたカメラのブロック
図。
【図12】デフォーカス量を説明する図。
【図13】オーバーラップ予測駆動を説明する図。
【図14】オーバーラップ予測駆動を説明する図。
【図15】図13,14に示すオーバーラップ予測駆動
を改良した駆動方法を説明する図。
【図16】被写体像面速度の算出方法を説明する図。
【図17】被写体の静止移動判定ルーチンを示すフロー
チャート。
【図18】他の被写体の静止移動判定ルーチンを示すフ
ローチャート。
【図19】撮影レンズの駆動方向が反転した時の状態を
説明する図。
【図20】レンズ駆動機構のバックラッシュを解消駆動
中の状態を説明する図。
【符号の説明】
1,100 撮影レンズ 2 AFセンサ 3 インタフェース 4 マイクロコンピュータ 5 ドライバー 6 エンコーダ 7 モータ 101,201,301 焦点検出手段 102,202,302 静止移動判定手段 103,203,303 演算手段 104 レンズ駆動機構 105,205,305 駆動手段 106,106A 駆動量検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/28 G02B 7/04 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影レンズの焦点調節状態を示すデフォー
    カス量を繰り返し検出する焦点検出手段と、 少なくとも前記焦点検出手段によって検出された現在お
    よび過去のデフォーカス量に基づいて、被写体の移動
    繰り返し判定する移動判定手段と、 この移動判定手段により前記被写体が移動していると判
    定されると、少なくとも前記焦点検出手段によって検出
    されたデフォーカス量に基づいて、前記移動被写体に追
    尾して前記撮影レンズを駆動するための追尾デフォーカ
    ス量を算出し、さらにその追尾デフォーカス量に基づい
    て前記撮影レンズの駆動方向および駆動量を演算する
    1の演算手段と、前記移動判定手段により前記被写体の移動判定がなされ
    ない時は、前記焦点検出手段によって検出された現在の
    デフォーカス量に基づいて前記撮影レンズの駆動方向お
    よび駆動量を演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段または前記第2の 演算手段により演
    算された前記駆動方向および駆動量に従って、レンズ駆
    動機構を介して前記撮影レンズを駆動する駆動手段と、 この駆動手段の駆動量を検出する駆動量検出手段とを備
    えた自動焦点調節装置であって、 前記移動判定手段は、前記駆動手段で前記撮影レンズの
    駆動方向が反転された時は、前記駆動量検出手段で前記
    レンズ駆動機構に存在するバックラッシュ量に相当する
    駆動量が検出されるまで前記被写体の移動判定を行わ
    ず、前記レンズ駆動機構に存在するバックラッシュ量に
    相当する駆動量が検出された後に前記焦点検出手段で検
    出されたデフォーカス量に基づいて、前記被写体の移動
    判定を行なうことを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の自動焦点調節装置におい
    て、 前記駆動量検出手段は、前記駆動手段の所定の駆動量ご
    とにパルスを発生するエンコーダやフォトインタラプタ
    などのパルス発生器と、このパルス発生器の発生パルス
    をカウントするカウンターとから構成されることを特徴
    とする自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の自動焦点調節装置におい
    て、 前記駆動量検出手段の前記カウンターは、前記駆動手段
    の駆動方向および駆動量の更新時にもそのカウント値を
    変更せずにそのまま前記発生パルスを累積カウントし、
    前記駆動手段の駆動方向反転時のカウント値から所定量
    のカウント値の変化があった時に、前記レンズ駆動機構
    に存在するバックラッシュ量に相当する量の駆動がなさ
    れたことを検出することを特徴とする自動焦点調節装
    置。
  4. 【請求項4】電荷蓄積型光電変換素子を有し、撮影レン
    ズの焦点調節状態を示すデフォーカス量を繰り返し検出
    する焦点検出手段と、 少なくとも前記焦点検出手段によって検出された現在お
    よび過去のデフォーカス量に基づいて、被写体の移動
    繰り返し判定する移動判定手段と、 この移動判定手段により前記被写体が移動していると判
    定されると、少なくとも前記焦点検出手段によって検出
    されたデフォーカス量に基づいて、前記移動被写体に追
    尾して前記撮影レンズを駆動するための追尾デフォーカ
    ス量を算出し、さらにその追尾デフォーカス量に基づい
    て前記撮影レンズの駆動方向および駆動量を演算する
    1の演算手段と、前記移動判定手段により前記被写体の移動判定がなされ
    ない時は、前記焦点検出手段によって検出された現在の
    デフォーカス量に基づいて前記撮影レンズの駆動方向お
    よび駆動量を演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段または前記第2の 演算手段により演
    算された前記駆動方向および駆動量に従って、レンズ駆
    動機構を介して前記撮影レンズを駆動する駆動手段とを
    備えた自動焦点調節装置であって、 前記移動判定手段は、前記駆動手段で前記撮影レンズの
    駆動方向が反転された時は、前記焦点検出手段の前記電
    荷蓄積型光電変換素子が所定回数の電荷蓄積動作を行な
    うまでは前記被写体の移動判定を行わず、前記焦点検出
    手段の前記電荷蓄積型光電変換素子が所定回数の電荷蓄
    積動作を行なった後に検出されたデフォーカス量に基づ
    いて、前記被写体の移動判定を行なうことを特徴とする
    自動焦点調節装置。
  5. 【請求項5】撮影レンズの焦点調節状態を示すデフォー
    カス量を繰り返し検出する焦点検出手段と、 少なくとも前記焦点検出手段によって検出された現在お
    よび過去のデフォーカス量に基づいて、被写体の移動
    繰り返し判定する移動判定手段と、 この移動判定手段により前記被写体が移動していると判
    定されると、少なくとも前記焦点検出手段によって検出
    されたデフォーカス量に基づいて、前記移動被写体に追
    尾して前記撮影レンズを駆動するための追尾デフォーカ
    ス量を算出し、さらにその追尾デフォーカス量に基づい
    て前記撮影レンズの駆動方向および駆動量を演算する
    1の演算手段と、前記移動判定手段により前記被写体の移動判定がなされ
    ない時は、前記焦点検出手段によって検出された最新の
    デフォーカス量に基づいて前記撮影レンズの駆動方向お
    よび駆動量を演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段または前記第2の 演算手段により演
    算された前記駆動方向および駆動量に従って、レンズ駆
    動機構を介して前記撮影レンズを駆動する駆動手段とを
    備えた自動焦点調節装置であって、 前記移動判定手段は、前記駆動手段で前記撮影レンズの
    駆動方向が反転されてから所定時間を経過するまでは前
    記被写体の移動判定を行わず、前記駆動手段で前記撮影
    レンズの駆動方向が反転されてから所定時間を経過した
    後に前記焦点検出手段で検出されたデフォーカス量に基
    づいて、前記被写体の移動判定を行なうことを特徴とす
    る自動焦点調節装置。
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