JP6035902B2 - マイクロレンズアレイおよび立体画像表示装置 - Google Patents
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Description
立体画像表示装置上で立体画像を構成する技術については、多数の方式が提案されている。それらは、立体画像を観察する際に観察者が専用の眼鏡を必要とする方式と、専用の眼鏡を必要としない方式に分類することができる。
レンチキュラ方式による立体画像の表示では、視差のある右目用画像と左目用画像とを立体画像表示装置の画像表示部上にストライプ状に交互に配置する。レンチキュラレンズ200は、そのストライプ状に配置された右目用画像と左目用画像に対応するよう、表面に細長く微細な凸レンズを配置して構成される。そして、レンチキュラレンズ200をその画像表示部の前方に配置し、観察者の右目には右目用画像のみが、左目には左目用画像のみがそれぞれ観察されるようにして、観察者に立体画像を提供する。
その一対の基板間に部材を有し、
その部材は、脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物から形成されることを特徴とするマイクロレンズアレイに関する。
感光性組成物は、
(A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、
(B)多官能性単量体、および
(C)感光性重合開始剤
を含有することが好ましい。
感光性組成物は、
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂、および
(B−II)活性光線または放射線照射により酸を発生する化合物
を含有することが好ましい。
第1の基板および第2の基板間に部材を有し、
その部材は、脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物から形成されることを特徴とするマイクロレンズアレイに関する。
(A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、
(B)多官能性単量体、および
(C)感光性重合開始剤
を含有することが好ましい。
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂、および
(B−II)活性光線または放射線照射により酸を発生する化合物
を含有することが好ましい。
平面画像と立体画像とを切り替えて表示する画像表示部とを有することを特徴とする立体画像表示装置に関する。
本実施形態のマイクロレンズアレイの部材の形成に好適な本実施の形態の感光性組成物は、例えば、10μmを超える厚膜で塗膜を形成でき、優れた分解能でのパターニングを実現する。そして、パターンとして、所望とする高さと形状を備えた部材を形成することができる。そして、形成された部材は、上述したように、基板面に平行な方向の断面構造がドット状やストライプ状となる柱状のスペーサ構造の他、基板間に挟持される液晶層を区画するように基板間に立設された隔壁構造等、所望の構造の選択が可能である。そして、そのスペーサ等の部材は、支持部材として機能し、基板間の距離を維持して液晶層の厚さを保持するのに必要な強度を備える。さらに、本実施の形態の感光性組成物から構成されたスペーサ等の部材は、加熱による伸縮が軽微で、加熱によってその高さや形状の変動が生じ難いという特性を備えている。
(B)成分:多官能性単量体
(C)成分:感光性重合開始剤
(D)成分:有機溶剤
(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像性を有する樹脂であれば特に限定されず、多様な樹脂の選択が可能である。
そして、本実施形態の感光性組成物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂として、フェノール性水酸基を有する構造単位(a1)および脂環式炭化水素基を有する構造単位(a2)を有する重合体(重合体(A))の選択が好ましい。
すなわち、重合体(A)が脂環式炭化水素基を有する構造単位(a2)を有することで、塗膜の光に対する透過率を高くすることができ、塗膜の基板近辺および表面近辺の露光量が多くなる。ところが、フェノール性水酸基を有する構造単位(a1)を有する重合体(A)を有する塗膜は、活性種を失活する機能を有しているため、発生した活性種の量に比例して活性種は失活する。このため露光により、塗膜の表面近辺および塗膜の基板近辺でより多く発生した活性種は失活する。その結果、塗膜の厚さ方向で均一な活性種の量となり、その結果、所望とする構造の部材、すなわち、スペーサ等の部材が形成される。
「フェノール性水酸基」とは、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香族環に直接結合した水酸基を示す。また、「構造単位」とは重合体を形成する際に用いる単量体毎を1単位とする重合体の構造を示す。この「フェノール性水酸基を有する構造単位」は、フェノール性水酸基を有する単量体(a1’)を用いて重合することにより、またはフェノール性水酸基に変換可能な基を有する単量体を用いて重合後、フェノール性水酸基へ変換することにより、フェノール性水酸基を有する構造単位(a1)を重合体(A)の構造に導入することができる。
「脂環式炭化水素基」とは、炭素と水素のみで構成されている基であって芳香族基を除く炭素原子が環状構造(多環状構造も含む。)である基を示す。また、「構造単位」とは重合体を形成する際に用いる単量体毎を1単位とする重合体の構造を示す。この「フェノール性水酸基を有する構造単位」は、脂環式炭化水素基を有する単量体(a2’)を用いて重合することにより、脂環式炭化水素基を有する構造単位(a2)を重合体(A)に導入することができる。
本実施形態の感光性組成物の成分である重合体(A)は、加熱時に所望の形状を維持できるスペーサ等の部材を形成できるという効果を損なわない範囲で、その他の構造単位(a3)を含有することができる。その他の構造単位(a3)としては、基板との密着性とを向上させる目的で用いられるポリアルキレングリコール基を有する構造単位、重合体(A)の現像液に対する溶解性を調整する目的でカルボキシル基を有する構造単位等を挙げられる。
(B)成分の多官能性単量体(多官能性単量体(B))とは、少なくとも2個以上の重合性の不飽和結合基を有する単量体のことである。多官能性単量体(B)は、光の作用により(C)成分の感光性重合開始剤から発生した活性種と作用して重合を開始し、3次元的に架橋構造を形成しうる成分やエポキシ基のような熱により架橋構造を形成しうる成分である。これにより本実施の形態の感光性組成物から得られる塗膜において、光を当てた箇所は、現像液に対して溶けにくくなる。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
環状脂肪族エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル;
高級脂肪酸のグリシジルエステル;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(ジャパンエポキシレジン社)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、ジャパンエポキシレジン社)、EPPN(登録商標)201、同202(以上、日本化薬社)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN(登録商標)102、同103S、同104S、同1020、同1025、同1027(以上、日本化薬社)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン社)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、同184(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)、ERL−4234、同4299、同4221、同4206(以上、U.C.C社)、ショーダイン509(昭和電工社)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ社)、エピコート871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン社)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング社)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、エポライト100MF(共栄社化学社)、エピオール(登録商標)TMP(日本油脂社)等が挙げられる。
これらのうちでは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびポリフェノール型エポキシ樹脂の選択が好ましい。
(C)成分の感光性重合開始剤とは、半導体レーザ、メタルハライドランプ、高圧水銀灯(g線、h線、i線等)、エキシマレーザ、極端紫外線および電子線等の露光光により、上述した多官能性単量体(B)が重合を開始しうる活性種を発生することができる化合物のことである。
本実施形態の感光性組成物は、(D)成分として、有機溶剤を含有することが好ましい。
(D)成分の有機溶剤は、本実施の形態の感光性組成物中に含まれる有機溶剤(D)以外の他の成分を均一に溶解させることができ、且つこれら他の成分と反応しない化合物であれば限定されない。
本実施の形態の感光性組成物には、必要に応じて、熱重合禁止剤、界面活性剤、接着助剤、溶解性調整剤、粘度調整剤等を用いることができる。
溶解性調整剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよいが、良好なスペーサ等の部材を得るには、低分子カルボン酸と低分子フェノール化合物を両方用いるのが好ましい。
本実施形態の感光性組成物は、上述の(A)成分〜(D)成分および任意的に添加するその他の成分を均一に混合することによって調製される。本実施形態の感光性組成物は、例えば、上述の適当な有機溶剤(D)に他の成分が溶解された溶液状態で用いる。例えば、(A)成分〜(C)成分および任意的に添加されるその他の成分を、有機溶剤(D)とともに所定の割合で混合することにより、溶液状態の感光性組成物を調製することができる。
本発明の実施形態の感光性組成物に用いられる(A−II)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(以下、(A−II)成分という。)は、(a−ii−1)下記式(11):
(a−ii−1)単位は、上記式(11)で表される構成単位である。
上記式(11)において、R101は水素原子またはメチル基である。
R102で示される低級アルキル基は、直鎖状および枝分かれ状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基等が挙げられるが、これらの中で、高いコントラスト比の感光性を実現し、解像度、焦点深度幅等が良好な点から、炭素数2〜4の低級アルキル基が好適である。
その単環式炭化水素環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等を例示することができる。
(a−ii−2)単位は、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位である。
本実施形態の感光性組成物の別の例に用いられる(B−II)活性光線または放射線照射により酸を発生する化合物(以下、(B−II)成分という。)は、酸発生剤であり、光により直接または間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。
本発明の実施形態の感光性組成物の別の例は、(C−II)他のアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。本発明の実施形態の感光性組成物の別の例に用いられる(C−II)他のアルカリ可溶性樹脂は、上述した式(11)で表される構成単位を含む共重合体からなる樹脂を除く樹脂である(以下、(C−II)成分という。)。(C−II)成分としては、従来化学増幅型レジストにおけるアルカリ可溶性樹脂として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。これらのうち、特に、(c−ii−1)ノボラック樹脂、(c−ii−2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体、および(c−ii−3)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有することが好ましく、さらに、(c−ii−1)ノボラック樹脂および/または(c−ii−2)ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位との共重合体を含有することが好ましい。こうすることによって、感光性組成物の塗布性および現像速度を制御することが容易となる。
(c−ii−1)成分であるノボラック樹脂は、例えば、フェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
また、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
特に、フェノール類としてm−クレゾールのみを用いたノボラック樹脂は、現像プロファイルが特に良好であり好ましい。
本実施形態に用いられる(c−ii−2)成分は、少なくともヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とを有する共重合体である。すなわち、ヒドロキシスチレン構成単位とスチレン構成単位とからなる共重合体や、ヒドロキシスチレン構成単位及びスチレン構成単位とそれら以外の構成単位とからなる共重合体である。
スチレン構成単位としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
(c−ii−3)成分であるアクリル樹脂は、アルカリ可溶性のアクリル樹脂であれば特に限定されないが、特に、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、およびカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有するものが好ましい。
本発明の実施形態の感光性組成物の別の例には、パターニングによるパターンの形状、引き置き安定性等の向上のために、さらに(D−II)酸拡散制御剤(以下、(D−II)成分という。)を含有させることが好ましい。
本実施形態のマイクロレンズアレイのスペーサ等の部材の形成方法は、本実施形態の感光性組成物を用い、下記の工程(1)〜工程(3)を有して構成される。
工程(2):工程(1)で得られた塗膜を、スペーサ等の部材の形状に対応するよう、露光する工程。
工程(3):工程(2)で得られた露光後の塗膜を現像処理する工程。
以下、各工程の詳細について説明する。
工程(1)では、基板上に感光性組成物を塗布する。そして、必要に応じて加熱処理(以下、「プレベーク」とも言う。)を行って溶剤を除去し、感光性組成物の塗膜を形成する。
基板としては、ガラス基板、プラスチック基板およびシリコン等の半導体基板上に感光性組成物の塗膜を形成することができる。そして、本実施の形態のマイクロレンズアレイを形成する場合、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な電極が形成されたガラス基板やプラスチック基板等が選択される。
また、プレベークを行う場合、その条件は、各成分、特に溶剤の種類および使用量等によって適宜選択可能であるが、好ましくは、60℃〜160℃で30秒間〜15分間程度である。
工程(2)では、工程(1)で得られた塗膜を、目的とするスペーサ等の部材の形状に対応するよう、必要に応じ、パターン化マスクを介して露光し、潜像を有する塗膜(露光後の塗膜)を形成する。
露光光としては、半導体レーザ、メタルハライドランプ、高圧水銀灯(g線、h線、i線等)、エキシマレーザ、極端紫外線および電子線等が挙げられる。上述の塗膜に対する透明性が高い点、高解像度でパターンを形成できる点から高圧水銀灯が好ましい。
また、ポジ型である本実施形態の感光性組成物の別の例を用いて工程(1)により得られる塗膜の場合、ポストベークの条件は、各成分、特に感光性組成物中に含まれる(B−2)成分の種類および使用量等によって適宜選択可能である。
工程(3)では、工程(2)で得られた露光後の塗膜に、現像液を接触することにより、相対的に現像液に対する溶解性の高い箇所を除去しパターン化塗膜を形成する。すなわち、工程(3)は、潜像を有する塗膜を現像し、潜像をパターン化しパターン化塗膜を形成する工程である。
また、ネガ型である本実施形態の感光性組成物を用いて工程(1)により得られる塗膜の場合、パターン化塗膜中に残存する、露光光により分解しなかった感光性重合開始剤(C)を分解することを目的に、または、分解により発生した活性種により多官能性単量体(B)の重合を進行させ、パターン化塗膜を十分に硬化させることを目的に、光を全面に照射(後露光)することもできる。その場合の後露光における露光量は、好ましくは、1mJ/cm2〜1500mJ/cm2である。さらに、パターン化塗膜を十分に硬化させることを目的に、ポストベークをすることも可能である。ポストベークの条件は、各成分の種類および使用量等によって適宜選択可能であるが、通常、150℃〜250℃で10分間〜120分間程度である。
次に、本実施形態のマイクロレンズアレイについて説明する。
本実施形態のマイクロレンズアレイは、レンチキュラ方式による立体画像表示装置に好適なマイクロレンズアレイであり、平面画像表示と立体画像表示の切り替えに対応できるように構成される。本実施形態のマイクロレンズアレイは、対向する表面のそれぞれに電極が形成された一対の基板と、それらに挟持された屈折率異方性を有する液晶層と、上述した本実施の形態の感光性組成物から形成されたスペーサ等の部材とから構成される。立体画像表示装置での平面画像の表示に際しては実質的な透明体として機能する。立体画像の表示に際しては、電圧の印加によって液晶層を駆動し、液晶の配向状態を制御することにより、レンズ作用する。すなわち、本実施形態のマイクロレンズアレイは、電圧印加により、レンチキュラレンズとして機能する。
以下で図面を用い、より詳細に本実施形態のマイクロレンズアレイについて説明する。
すなわち、本実施の形態のマイクロレンズアレイ1は、光出射側に配置される基板2と、光入射側に配置される基板3と、それら基板2および基板3に挟持された液晶層4と、基板2の液晶層4の側の面に設けられた共通電極5と、基板3の液晶層4の側に設けられた櫛歯形状の櫛歯電極6と、基板2と基板3との間に立設されたスペーサ7とを有する。
尚、本実施の形態のマイクロレンズアレイ1では、櫛歯電極6からなる層と配向膜8からなる層との間に、平坦化膜を有していてもよい。
尚、図2に示す本実施形態のマイクロレンズアレイ1のスペーサ7は、断面形状が円形となる形状を有するが、スペーサ7の形状については、他の形状とすることも可能である。例えば、断面が、楕円形や長方形や正方形となる柱状の形状とすることが可能である。
本実施形態の立体画像表示装置は、平面画像と立体画像を切り替えて表示することができる画像表示部と、上述した本実施の形態のマイクロレンズアレイとを有する立体画像表示装置である。
[実施例1]
反応容器に、重合触媒として、2,2−アゾイソブチロニトリルを5部、重合溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを150部、単量体として、メタクリル酸(a3−1)を11部、イソボルニルアクリレート(a2−1)を39部、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン(a1−1)を30部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート(a2−2)を15部、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート(a3−2)を5部、連鎖移動剤として、tert−ドデシルメルカプタンを0.2部入れ、混合溶液を形成した。得られた混合溶液の80℃で3時間加熱した。加熱後の混合溶液に2,2−アゾイソブチロニトリルを2部入れた後、これを80℃で3時間加熱した後、100℃で1時間加熱した。加熱後の混合溶液を23℃に冷却して、アルカリ可溶性樹脂である重合体(A−1)を含有する溶液を得た。
[実施例2]
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついた反応容器(フラスコ)を窒素置換した後、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを仕込み、攪拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合触媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、(a−ii−1−1)として1−エチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位50質量%、および(a−ii−2−1)として2−エトキシエチルアクリレート構成単位50質量%を仕込み、重合触媒が溶解するまで攪拌した後、この溶液をフラスコ内に3時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、質量平均分子量350000の樹脂(A−II−1)を得た。
[実施例3]
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして質量平均分子量15000のノボラック樹脂を得た。この樹脂をノボラック樹脂(c−ii−1−1))とした。
[実施例4]
実施例1で得られた重合体(A−1)100質量部、[B]重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物を60質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名「エピコート152」、ジャパンエポキシレジン社)20質量部、[C]重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア(登録商標)651」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)19質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名「Lucirin(登録商標)LR8953X」、BASF社製)4質量部、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュア(登録商標)OXE02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)を2質量部、接着助剤としてとしてトリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「Y−11597」、モメンティブ社製)3質量部、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(商品名「FTX−218F」、ネオス社製)0.1質量部を溶剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、感光性組成物を調製した。
<感光性組成物(ポジ型)の調製>
(A−II)成分として実施例2で得られた樹脂(A−II−1)を50質量部、(B−II)成分として下記化学式の化合物(B−II−1)を1質量部、および(C−II)成分として実施例3で得られたノボラック樹脂(c−ii−1−1)を50質量部用い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに混合して均一溶液とした後、孔径1μmのメンブレンフィルターを通して濾過し、ポジ型の感光性組成物を調製した。
[実施例6]
実施例4の感光性組成物をガラス基板上の塗布し、ホットプレートにて120℃で5分間加熱処理し、膜厚58μmの塗膜を形成した。形成した塗膜に、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−150」)を用いて、パターン化マスクを介して高圧水銀灯から照射される紫外線を露光した。露光後の塗膜を、水酸化カリウムを2質量%含有する水溶液にて現像処理90秒間、次いで、水洗処理することにより、パターン幅40μm、パターン高さ50μmのパターンを形成した。
実施例4の感光性組成物をガラス基板上の塗布し、ホットプレートにて120℃で5分間加熱処理し、膜厚58μmの塗膜を形成した。形成した塗膜に、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−150」)を用いて、パターン化マスクを介して高圧水銀灯から照射される紫外線を露光した。露光後の塗膜を、0.40質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃において現像した。ここで現像時間は80秒間とした。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、その後乾燥することにより、パターン幅40μm、パターン高さ50μmのパターンを形成した。
[実施例8]
実施例6で得られたパターンを有する基板を、さらにオーブンにて220℃で1時間加熱処理し、その後、加熱処理後のパターン高さを、レーザ顕微鏡(VK−8500、キーエンス社)を用いて測定した。加熱処理後のパターン高さを測定した。加熱処理後のパターン高さは48μmであった。その結果、220℃での加熱処理によるパターンの高さの変化量は4%であり、実施例4の感光性組成物を用いて形成されるパターンは、形成後に200℃以上で加熱されても伸縮を5%以下に抑制できることがわかった。
[実施例9]
本実施例のマイクロレンズアレイは、基板間に配置された部材として、基板間に立設されたスペーサを有するマイクロレンズアレイである。
はじめに、公知のフォトリソグラフィ法によって、ITOからなる櫛歯電極が形成されたガラス基板上に、実施例4の感光性組成物を塗布した。次いで、ホットプレートにて120℃で5分間加熱処理し、膜厚58μmの塗膜を形成した。形成した塗膜に、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−150」)を用いて、スペーサパターンに対応するパターンを備えたパターン化マスクを介して高圧水銀灯から照射される紫外線を露光した。露光後の塗膜を、水酸化カリウムを2質量%含有する水溶液にて現像処理90秒間、次いで、水洗処理することにより、櫛歯電極が形成されたガラス基板上に高さ50μmのスペーサパターンを形成した。
実施例5の感光性組成物を用い、実施例7に記載の方法と同様にしてスペーサパターンを形成した以外、上記したのと同様の方法に従い、マイクロレンズアレイを製造した。製造されたマイクロレンズアレイは、図1に示すのと同様の構造を備えている。液晶層の厚さは面内で均一に制御されて50μmであった。そして、液晶層を挟持する各基板の電極への電圧印加により、図3に示した液晶の配向状態を実現した。
[実施例11]
画像表示部として液晶表示方式の画像表示部(液晶ディスプレイ)を準備した。液晶ディスプレイは、TN(Twisted Nematic)モードの液晶ディスプレイであり、透明基板間にツイストネマティック液晶を挟持して構成された液晶パネルをさらに一対の偏光板で挟持した構造を有する。そして、液晶ディスプレイは、立体画像と平面画像とを切り替えて表示できるよう構成されており、立体画像を表示する場合には、視差のある右目用画像と左目用画像とをストライプ状に交互に形成して表示することができる。一方、平面画像を表示する場合には、立体画像の表示時における右目用画像の形成部分と左目用画像の形成部分とを2次元画像の単位画素として、高精細な平面画像を表示することができる。
この液晶ディスプレイを用い、実施例9のマイクロレンズアレイを重ね合わせ、図5に示したのと同様の構造の立体画像表示装置を製造した。
マイクロレンズアレイに、実施例10のマイクロレンズアレイを用いた以外は実施例11に記載の製造方法と同様とし、図5に示したのと同様の構造の立体画像表示装置を製造した。
例えば、図1および図2に示す本実施形態のマイクロレンズアレイ1のスペーサ7は、断面形状が円形となる柱状のスペーサ構造を有するが、本発明ではそうした構造のみに限られるわけではない。
本発明では、マイクロレンズアレイにおいて、断面がストライプ状となるスペーサ構造や、格子状の部材等、基板間に挟持される液晶層を区画するように基板間に立設された隔壁構造を備えた部材を配置することが可能である。
2、3 基板
4 液晶層
5 共通電極
6 櫛歯電極
7、27 スペーサ
8 配向膜
9 液晶
100 立体画像表示装置
101 観察者
102 画像表示部
200 レンチキュラレンズ
Claims (19)
- 一対の基板間に30μm〜70μmの厚さの液晶層を挟持して構成されるマイクロレンズアレイであって、
前記一対の基板間に柱状のスペーサ構造または隔壁構造の部材を有し、
前記部材は、
(A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、
(B)多官能性単量体、および
(C)感光性重合開始剤
を含有する感光性組成物から形成されることを特徴とするマイクロレンズアレイ。 - (A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、フェノール性水酸基を有する構造単位および脂環式炭化水素基を有する構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズアレイ。
- (B)多官能性単量体は、エポキシ基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記基板間に配置される部材は、200℃加熱時の伸縮率が5%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 一対の基板間に20μm〜100μmの厚さの液晶層を挟持して構成されるマイクロレンズアレイであって、
前記一対の基板間に柱状のスペーサ構造または隔壁構造の部材を有し、
前記部材は、
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂、および
(B−II)活性光線または放射線照射により酸を発生する化合物
を含有する感光性組成物から形成され、
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂は、下記式(11)で示される特定構造を有する構成単位を含む共重合体からなる樹脂を含有することを特徴とするマイクロレンズアレイ。
- 前記基板間に配置される部材は、200℃加熱時の伸縮率が5%以下であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロレンズアレイ。
- 対向配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板間に挟持された液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層側の面に設けられ、互いに平行に配置された複数の電極要素を有する櫛歯電極と、前記第2の基板の前記液晶層側の面に設けられた共通電極とを有し、前記櫛歯電極および前記共通電極間への電圧印加により前記液晶層を駆動してレンズ作用するマイクロレンズアレイであって、
前記液晶層が30μm〜70μmの厚さを有し、
前記第1の基板および前記第2の基板間に柱状のスペーサ構造または隔壁構造の部材を有し、
前記部材は、
(A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、
(B)多官能性単量体、および
(C)感光性重合開始剤
を含有する感光性組成物から形成されることを特徴とするマイクロレンズアレイ。 - 前記第1の基板および前記第2の基板それぞれの前記液晶層と接する面には平行配向用の配向膜が設けられることを特徴とする請求項7に記載のマイクロレンズアレイ。
- (A)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、フェノール性水酸基を有する構造単位および脂環式炭化水素基を有する構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項7または8に記載のマイクロレンズアレイ。
- (B)多官能性単量体は、エポキシ基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記液晶層は正の誘電異方性を有する液晶を含有して構成されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記第1の基板および前記第2の基板間の部材は、200℃加熱時の伸縮率が5%以下であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 対向配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板間に挟持された液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層側の面に設けられ、互いに平行に配置された複数の電極要素を有する櫛歯電極と、前記第2の基板の前記液晶層側の面に設けられた共通電極とを有し、前記櫛歯電極および前記共通電極間への電圧印加により前記液晶層を駆動してレンズ作用するマイクロレンズアレイであって、
前記第1の基板および前記第2の基板間に柱状のスペーサ構造または隔壁構造の部材を有し、
前記部材は、
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂、および
(B−II)活性光線または放射線照射により酸を発生する化合物
を含有する感光性組成物から形成され、
(A−II)脂環式炭化水素基を有する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアルカリ可溶性樹脂は、下記式(11)で示される特定構造を有する構成単位を含む共重合体からなる樹脂を含有することを特徴とするマイクロレンズアレイ。
- 前記第1の基板および前記第2の基板それぞれの前記液晶層と接する面には平行配向用の配向膜が設けられることを特徴とする請求項13に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記液晶層は正の誘電異方性を有する液晶を含有して構成されることを特徴とする請求項13または14に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記基板間に挟持される液晶層の厚さは20μm〜100μmであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 前記第1の基板および前記第2の基板間の部材は、200℃加熱時の伸縮率が5%以下であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイ。
- 請求項1〜17のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイと、
平面画像と立体画像とを切り替えて表示する画像表示部とを有することを特徴とする立体画像表示装置。 - 前記画像表示部は、液晶表示方式、EL表示方式またはプラズマ表示方式の画像表示部であること特徴とする請求項18に記載の立体画像表示装置。
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