JP6035602B2 - 荷電粒子線装置、試料台ユニット、及び試料観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大気圧または大気圧より若干の負圧状態の所定のガス雰囲気下で観察可能な荷電粒子線装置に関する。
物体の微小な領域を観察するために、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などが用いられる。一般的に、これらの装置では試料を配置するための筐体を真空排気し、試料雰囲気を真空状態にして試料を撮像する。しかしながら、生物化学試料や液体試料などは真空によってダメージを受け、または状態が変わってしまう。一方で、このような試料を電子顕微鏡で観察したいというニーズは大きく、近年、観察対象試料を大気圧下で観察可能なSEM装置や試料保持装置などが開発されている。
これらの装置は、原理的には電子光学系と試料の間に電子線が透過可能な隔膜を設けて真空状態と大気状態を仕切るもので、いずれも試料と電子光学系との間に隔膜を設ける点で共通する。
例えば、特許文献1には、電子光学鏡筒の電子源側を下向きに、また対物レンズ側を上向きに配置し、電子光学鏡筒末端の電子線の出射孔上にOリングを介して電子線が透過できる隔膜を設けたSEMが開示されている。当該文献に記載された発明では、観察対象試料が含まれる液体を隔膜上に直接載置し、試料の下面から一次電子線を照射して、反射電子または二次電子を検出してSEM観察を行う。試料は、隔膜の周囲に設置された環状部材と隔膜により構成される空間内に保持され、さらにこの空間内には水などの液体が満たされている。
特開2009−158222号公報(米国特許出願公開第2009/0166536号明細書)
従来のSEM装置や試料保持装置は、試料と隔膜とが接触されている点で共通する。そのために、試料を交換するたびに真空と大気を分離している隔膜を交換する必要がある。
例えば、特許文献1に記載のSEMは試料交換を行う際は試料が搭載された隔膜付きの環状部材を取り外す必要があるために、荷電粒子光学鏡筒側の真空状態を大気状態にする必要があった。そのため、試料交換を高スループットで行える装置ではなかった。
さらに、隔膜と試料とが非接触の状態で観察する方式であっても、試料が液状の場合には、自然な状態では表面張力により試料表面が隔膜と平行にならないので、隔膜と試料とが接触するまで近接させなければ観察することができず、試料交換のたびに隔膜の交換が必要となる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、大気圧またはこれと同程度の圧力の雰囲気下に配置された試料交換を高スループットで行えることが可能な試料観察方法及び荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、真空排気される筐体の気密状態を維持可能であり、かつ前記一次荷電粒子線を透過または通過させる第一の隔膜と、前記試料と、の間に、前記一次荷電粒子線を透過または通過可能で第二の隔膜を備え、前記第二の隔膜を介して試料に対して前記一次荷電粒子線を照射することを特徴とする。
本発明によれば、大気圧またはこれと同程度の圧力の雰囲気下に配置された試料交換を高スループットで行えることが可能な試料観察方法及び荷電粒子線装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 試料搭載方法の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 接触防止部材の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 隔膜、試料、試料台の構成例。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 隔膜、試料、検出器近傍の詳細図。 実施例2の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例3の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例3の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。 実施例4の荷電粒子顕微鏡の全体構成図。
以下、図面を用いて各実施形態について説明する。
以下では、荷電粒子線装置の一例として、荷電粒子線顕微鏡について説明する。ただし、これは本発明の単なる一例であって、本発明は以下説明する実施の形態に限定されるものではない。本発明は、走査電子顕微鏡、走査イオン顕微鏡、走査透過電子顕微鏡、これらと試料加工装置との複合装置、またはこれらを応用した解析・検査装置にも適用可能である。
また、本明細書において「大気圧」とは大気雰囲気または所定のガス雰囲気であって、大気圧または若干の負圧状態の圧力環境のことを意味する。具体的には約10Pa(大気圧)から〜10Pa程度である。
<装置構成>
本実施例では、基本的な実施形態について説明する。図1には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。
図1に示される荷電粒子顕微鏡は、主として、荷電粒子光学鏡筒2、荷電粒子光学鏡筒2と接続されこれを支持する筐体(真空室)7、大気雰囲気下に配置される試料ステージ5、およびこれらを制御する制御系によって構成される。荷電粒子顕微鏡の使用時には荷電粒子光学鏡筒2と第1筐体の内部は真空ポンプ4により真空排気される。真空ポンプ4の起動・停止動作も制御系により制御される。図中、真空ポンプ4は一つのみ示されているが、二つ以上あってもよい。荷電粒子光学鏡筒2及び筺体7は図示しない柱等が土台270によって支えられているとする。
荷電粒子光学鏡筒2は、荷電粒子線を発生する荷電粒子源8、発生した荷電粒子線を集束して鏡筒下部へ導き、一次荷電粒子線として試料6を走査する光学レンズ1などの要素により構成される。荷電粒子光学鏡筒2は筐体7内部に突き出すように設置されており、真空封止部材123を介して筐体7に固定されている。荷電粒子光学鏡筒2の端部には、上記一次荷電粒子線の照射により得られる二次的荷電粒子(二次電子または反射電子)を検出する検出器3が配置される。
本実施例の荷電粒子顕微鏡は、制御系として、装置使用者が使用するコンピュータ35、コンピュータ35と接続され通信を行う上位制御部36、上位制御部36から送信される命令に従って真空排気系や荷電粒子光学系などの制御を行う下位制御部37を備える。コンピュータ35は、装置の操作画面(GUI)が表示されるモニタと、キーボードやマウスなどの操作画面への入力手段を備える。上位制御部36、下位制御部37およびコンピュータ35は、各々通信線43、44により接続される。
下位制御部37は真空ポンプ4、荷電粒子源8や光学レンズ1などを制御するための制御信号を送受信する部位であり、さらには検出器3の出力信号をディジタル画像信号に変換して上位制御部36へ送信する。図では検出器3からの出力信号をプリアンプなどの増幅器154を経由して下位制御部37に接続している。もし、増幅器が不要であればなくてもよい。
上位制御部36と下位制御部37ではアナログ回路やディジタル回路などが混在していてもよく、また上位制御部36と下位制御部37が一つに統一されていてもよい。なお、図1に示す制御系の構成は一例に過ぎず、制御ユニットやバルブ、真空ポンプまたは通信用の配線などの変形例は、本実施例で意図する機能を満たす限り、本実施例のSEMないし荷電粒子線装置の範疇に属する。
筐体7には、一端が真空ポンプ4に接続された真空配管16が接続され、内部を真空状態に維持できる。同時に、筐体内部を大気開放するためのリークバルブ14を備え、メンテナンス時などに、筐体7の内部を大気開放することができる。リークバルブ14は、なくてもよいし、二つ以上あってもよい。また、筐体7におけるリークバルブ14の配置箇所は、図1に示された場所に限られず、筐体7上の別の位置に配置されていてもよい。
筐体下面には上記荷電粒子光学鏡筒2の直下になる位置に第一の隔膜10を備える。この第一の隔膜10は、荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出される一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能であり、一次荷電粒子線は、第一の隔膜10を通って最終的に試料台52に搭載された試料6に到達する。第一の隔膜10によって構成される閉空間は真空排気可能である。よって、本実施例では、第一の隔膜10によって真空排気される空間の気密状態が維持されるので、荷電粒子光学鏡筒2を真空状態に維持できかつ試料6を大気圧に維持して観察することができる。また、観察中、試料6を自由に交換できる。
<第一の隔膜>
第一の隔膜10は土台9上に成膜または蒸着されている。第一の隔膜10はカーボン材、有機材、金属材、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、酸化シリコンなどである。土台9は例えばシリコンや金属部材のような部材である。第一の隔膜10部は複数配置された多窓であってもよい。一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能な隔膜の厚みは数nm〜数μm程度である。第一の隔膜は大気圧と真空を分離するための差圧下で破損しないことが必要である。そのため、第一の隔膜10の面積は数十μmから大きくとも数mm程度の大きさである。第一の隔膜10の形状は正方形でなく、長方形などのような形状でもよい。形状に関してはどのような形状でもかまわない。
第一の隔膜10を支持する土台9は隔膜保持部材155上に具備されている。図示しないが、土台9と隔膜保持部材155は真空シールが可能な接着剤や両面テープ等により接着されているものとする。隔膜保持部材155は、筐体7の下面側に真空封止部材124を介して脱着可能に固定される。第一の隔膜10は、荷電粒子線が透過する要請上、厚さ数nm〜数μm程度以下と非常に薄いため、経時劣化または観察準備の際に破損する可能性がある。また、第一の隔膜10及びそれを支持する土台9は小さい場合直接ハンドリングすることが非常に困難である。そのため、本実施例のように、第一の隔膜10および土台9を隔膜保持部材155と一体化し、土台9を直接ではなく隔膜保持部材155を介してハンドリングできるようにすることで、第一の隔膜10及び土台9の取扱い(特に交換)が非常に容易となる。つまり、第一の隔膜10が破損した場合には、隔膜保持部材155ごと交換すればよく、万が一第一の隔膜10を直接交換しなければならない場合でも、隔膜保持部材155を装置外部に取り出し、第一の隔膜10または土台9ごとの交換を装置外部で行うことができる。
筺体7に具備された第一の隔膜10の下部には大気雰囲気下に配置された試料ステージ5を備える。試料ステージ5には少なくとも試料6を隔膜10に接近させることが可能な高さ調整機能をもつZ軸駆動機構を備える。当然のことながら、試料面内方向に動くXY駆動機構を備えてもよい。
<第二の隔膜>
第一の隔膜10と試料ステージ5との間には試料6を搭載可能で第二の隔膜50が具備された土台51が配置される。試料6と第二の隔膜50は試料ステージ5上の試料台上に配置される。第二の隔膜50は土台51によって支持されている。言い換えれば、試料ステージ5の上に載置された試料6は第二の隔膜50によってその表面(観察面)が覆われる。すなわち、第二の隔膜50の試料台側の面(第一の隔膜に対向する面と反対側の面)に試料が接触した状態で一次荷電粒子線が照射される。このため第二の隔膜50は荷電粒子線が透過または通過可能で着脱可能に構成されている。
試料台、土台、第二の隔膜等をまとめて、試料台ユニットと総称するが、「試料台ユニット」はこれらのうち一部のみから構成されていてもよい。
以下で説明する実施例において好適な試料6は液体を含んだ試料である。例えば水溶液、有機溶剤、油、ゾル、ゲル、ゼリーなどの液体を含んだ試料である。または、細胞、細菌、血球、ウイルスなどの生体またはバイオ試料である。または、有機物や金属などのナノ・マイクロ微粒子やナノワイヤが混在された試料である。本明細書において、試料が「液体」または「液状」であるとは、上記に例を挙げたように、定形性がない試料、すなわち表面が固形の試料以外の試料一般を総称するものとする。以下では、特に断りがない限りこのような液状試料を観察対象として説明する。
液体を含んだ試料を観察するためには、試料台上に液滴を載せて、直接観察することも可能である。しかしながら、この手法は以下のいくつかの問題点がある。第一に、液滴が試料台上で球状になっていると、液滴試料の先端部しか観察できないといった問題がある。これは、荷電粒子線の大気中の平均自由工程は非常に短いために、液滴の全体に荷電粒子線を到達させることが難しいためである。第二に、液滴は非常に形状が変形しやすく、多少の振動でも液滴である試料形状が変形する。もし、誤って第一の隔膜10に接触させた場合に、第一の隔膜10が破損し真空状態である筺体7内に試料6が入り込む危険もある。これらの問題を解決するためには、液体を薄く延ばすことで解決できそうであるが、この場合液体を含んだ試料は乾燥しはじめる。一方で、本実施例における第二の隔膜50を配置する方法では、荷電粒子線が透過可能な隔膜によって乾燥することを最大限に低減することが可能であるとともに、液滴形状を強制的に平坦にすることができるため、非常に簡単かつ高スループットに、第一の隔膜近くに試料をもっていくことが可能となる。
図2に、第二の隔膜50を用いた試料配置方法について示す。液体を含んでいる試料6が第二の隔膜50の下面側に接触すると、試料形状が隔膜面にそって平坦になる。つまり、図2(a)のように試料台52に配置された液体を含んだ試料6を滴下等により搭載した後に、図2(b)のように試料6を第二の隔膜50直下に搭載されるように第二の隔膜50が具備された土台51を搭載すればよい。これにより、第二の隔膜50、土台51、試料台52により形成される空間に試料が保持され、液体を含んだ試料6の上面(一次荷電粒子線の照射面)を平坦にすることが可能となる。なお、図示しないが第二の隔膜50の図中下面や試料台52に前記液体を含んだ試料が密着性を高めるために、親水性の材料が塗布または蒸着等されていてもよい。第二の隔膜50のおかげで液体試料の観察面が強制的に平面になるので、第一の隔膜10と第二の隔膜50が近接しやすくなる。なお、土台51の厚みは数mm程度の厚みがあってもよいし、数百nmといった非常に薄い箔でもよい。第二の隔膜50がその形状を維持できればどのような薄さでもかまわない。また、上記したように試料の形状制御さえ可能であれば土台51がなくてもよい。
ここで、図3で第一の隔膜10と第二の隔膜50の近傍の詳細を説明する。本図では荷電粒子光学鏡筒の光軸53と第一の隔膜の中心軸54と第二の隔膜の中心軸55のそれぞれの軸の位置があっているものとする。すなわち、これら3つの軸が一致するように調整されている。荷電粒子光学鏡筒の光軸53と第一の隔膜の中心軸54の軸合わせは、隔膜保持部材155を図中横方向や紙面垂直方向に移動することで可能である。この移動は何らかの冶具を使ってもよいし、手で操作してもよいし、また、隔膜保持部材155を取り付ける時に、ちょうど第一の隔膜の中心軸54が荷電粒子光学鏡筒の光軸53と合致するようなはめ合いにしてもよい。第一の隔膜の中心軸54と第二の隔膜の中心軸55は、第二の隔膜を保持するXY駆動機構をもつ試料ステージ5を操作することで軸合わせが可能である。
荷電粒子光学鏡筒から放出された一次荷電粒子線は筺体7の内部空間11側から第一の隔膜10に照射される。前述の通り第一の隔膜10は非常に薄いために、一次荷電粒子線は隔膜を透過または通過する。第一の隔膜10を透過または通過した一次荷電粒子線は第一の隔膜10と第二の隔膜50との間の大気空間上を通過する。荷電粒子線は大気空間によって散乱をうける。荷電粒子線の大気中の平均自由工程は荷電粒子線のエネルギーによるが数μmから1mm以下程度である。そのため、第一の隔膜10と第二の隔膜50との距離は出来る限り小さいほうがよい。第一の隔膜10と第二の隔膜50との接近は試料ステージ5のZ軸操作により接近させることが可能である。なお、図示しないが、第一の隔膜10と第二の隔膜50が接触したことを電気的に検知するための検知部を備えてもよい。
次に、一次荷電粒子線は第二の隔膜50に照射される。第二の隔膜50は第一の隔膜と同様に一次荷電粒子線が透過可能な薄さとなっており、具体的には数nm〜数μm程度である。また、この第二の隔膜50は大気圧と真空を分離する必要はないので、第一の隔膜10ほどは強度が高い必要がない。そのため、第二の隔膜50は第一の隔膜10よりさらに薄く、また窓面積も大きくすることが可能である。第一の隔膜10の窓面積より第二の隔膜の窓面積のほうが大きいと、荷電粒子光学鏡筒側より試料6の全体が見えない事になるが、前述の試料ステージのXY駆動機構を動かせば第二の隔膜直下の試料6はどこでも観察可能である。第二の隔膜50が載置された試料ステージを移動することにより、第一の隔膜10と第二の隔膜50が非接触の状態でこれらの位置関係を変更することができる。また、後述するように複数の第二の隔膜50を第一の隔膜10の窓の鉛直方向(例えば直下)に配置して、複数の試料を同時観察するために、第一の隔膜10の窓面積よりも、第二の隔膜50の窓面積を小さくしてもよい。この場合には第一の隔膜10を透過又は通過した一次荷電粒子線が複数の第二の隔膜50のうち一部又は全部に同時に照射されることになる。したがって、第一の隔膜10の窓の視野内に観察対象とする第二の隔膜及び試料が載置された試料台を移動させれば、複数の試料を同視野内で観察することができる。なお、ここで「窓」とは一次荷電粒子線が通過又は透過する領域を指す。
第二の隔膜50を透過または通過した荷電粒子線は試料6に照射され、二次電子や反射電子などの二次的荷電粒子を発生させる。この二次的荷電粒子は筺体7にある検出器3にて検出することが可能である。なお、図示しないが、本検出器は必ずしも筺体7の中にある必要はなく、第一の隔膜10近傍の大気空間上にあってもよい。また、試料6に荷電粒子線が照射された際にX線やカソードルミネッセンス光などの光子も放出されるので、それら光子線を検出可能な検出器を筺体7や第一の隔膜10近傍の大気空間上にあってもよい。また。後述するように、二次的荷電粒子や光子の検出器は試料6の直下にあってもよい。また、荷電粒子線の散乱確率は気体分子の質量数や密度に比例する。従って、大気よりも質量数の軽いガス分子を第一の隔膜10と第二の隔膜50との間を配置してもよい。置換ガスの種類としては、窒素や水蒸気など、大気よりも軽いガスであれば画像S/Nの改善効果が見られるが、質量のより軽いヘリウムガスや水素ガスの方が、画像S/Nの改善効果が大きい。
従来技術では真空と大気空間の間にある隔膜に試料が接触されているため、試料交換を実施するために真空状態を一度大気状態に戻す必要があった。一方、本実施例の方式によれば、液体試料6が第二の隔膜にてカバーされていることによって、第一の隔膜に接近しやすくなる。試料6を第一の隔膜10に限界まで接近させても試料6と第一の隔膜10との間に第二の隔膜50があるので、試料と第一の隔膜は直接接触しない。このため、真空と大気空間の間にある第一の隔膜をはずすことなく、試料交換を容易に且つ高スループットに行うことが可能である。
<透過検出器>
次に、図4を用いて試料6の透過像観察を行うための構造を図示する。試料6の第二の隔膜50の反対側に試料6を透過した荷電粒子線を検出することが可能な検出器59を備える。検出器59は数keVから数十keVのエネルギーで飛来してくる荷電粒子線を検知及び増幅することができる検出素子である。例えば、シリコン等の半導体材料で作られた半導体検出器や、ガラス面または内部にて荷電粒子信号を光に変換することが可能なシンチレータやルミネッセンス発光材、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)素子等である。検出器59からの信号は配線60を経由してプリアンプ61に送信される。プリアンプ61からの信号は図示しない配線にて下位制御部37に送られ、画像形成信号として使用される。プリアンプは図中大気空間上に配置してあるが、筺体7や試料ステージ5に具備されていてもよい。検出器59が荷電粒子信号を光に変換する検出素子ならば、配線60は光伝送路であり、プリアンプ61は光信号を電気信号に増幅可能な光電気信号増幅器となる。
<接触防止部材>
次に、図5を用いて、第一の隔膜10と第二の隔膜50(または隔膜とそれら土台)とが接触することによって、隔膜が破損するのを防止するための接触防止部材を有する構成に関して説明する。図では、各隔膜の近傍だけを図示し、荷電粒子光学鏡筒2や筺体7などは省略する。図5(a)には第二の隔膜50近傍に接触防止部材56が具備された様子を図示している。接触防止部材56は隔膜の周囲にあってもよいし、隔膜上のどこかに配置してもよい。このように、接触防止部材56を配置すれば、第二の隔膜50を第一の隔膜10に近接させても、隔膜同士が接触することはないので、ユーザは安心して試料ステージ5のZ軸駆動機構を操作できる。この接触防止部材56は第二の隔膜50を製作する際に成膜または蒸着することにより製作が可能である。材料としては例えば有機膜や金属膜などである。厚みとしては、数十nmから100μm以下程度である。この接触防止部材56は図中第二の隔膜50上に具備されているが、第一の隔膜10側にあってもよいし、また両方にあってもよい。接触防止部材56により、第一の隔膜10と第二の隔膜50との最小の近接距離が制限され、この距離以上隔膜同士が近づくことを防止できる。
また、接触防止部材として、厚みがわかっている箔材を第一の隔膜10または第二の隔膜50上に後から配置してもよい。例えばアルミホイルなどを第一の隔膜10または第二の隔膜50近傍に配置する方法である。これは、隔膜10や隔膜50を製作した後から箔材の搭載可能なので、接触防止部材56の厚みや材料を後から簡単に変更可能であるといった構成である。
図5(b)には接触防止部材57が試料台52上に搭載されている状態を図示している。第二の隔膜50を第一の隔膜10に近接させた時に、接触防止部材57が隔膜保持部材155にぶつかるので、隔膜同士が接触することはない。接触防止部材57は例えばおねじであり、試料台52にはめねじが具備していることによって、取付けが可能となる。図中、接触防止部材57は試料台52上に搭載されているが、隔膜保持部材155に具備されていてもよいし、前記両方に具備されていてもよい。
また、図5(c)のように接触防止部材57の先端に回転するボールベアリング58を配置してもよい。この場合、このボールベアリング58が隔膜保持部材155に接触することになる。接触防止部材57の先端にボールベアリング58が配置されていると、接触防止部材57が隔膜保持部材155に接触した状態で、図中横方向や紙面方向に試料を移動させることが可能となる。ここで、試料台と隔膜保持部材155との間の距離(または試料表面と隔膜との間の距離)が接触防止部材57により一定に制限された状態のまま、試料台を荷電粒子光学鏡筒の光軸の垂直方向に駆動可能である構造であれば、ボールベアリングに限定されない。この部材を微調整用部材と称する。接触防止部材57と隔膜保持部材155間との摩擦が少ないのであればこの微調整用部材はボールベアリングでなくてもかまわない。例えば、ポリテトラフルオロエチレンを代表とするフッ素樹脂などの有機物などのうち摩擦係数が少ない材料を使用してもよいし、接触面積を極力小さくすることによって接触防止部材57と隔膜保持部材155との間のすべりをよくしてもよい。
<複数配置>
前記までは試料台52上に第二の隔膜50は一つだけ図示していたが、図6で示したように大気空間の中に複数配置してもよい。この場合のように、一つの板部材(試料台または試料ステージ等)に複数の試料搭載箇所を設け、板部材の移動により様々な種類の試料を隔膜50の下に配置すれば、非常に高スループットに多くの試料の荷電粒子線による観察または分析が可能である。この場合の観察や分析は検出器3による二次的荷電粒子検出だけでなく、前述の図示しないX線などの光子線検出器や透過荷電粒子線の検出を行ってもよい。この複数の検出器による観察や分析は別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、試料ステージ5に自動搬送機能を備えていれば、さらに高スループットになるのはいうまでもない。自動搬送機能としては例えば第一の隔膜10下に所望の第二の隔膜50が自動搬送されるために、試料ステージ5に電動モータなどの自動搬送機構を備える。
また、図6では図中横方向だけに第二の隔膜50が並んでいる状態を記載しているが、図7(a)のように試料台52上に平面上に二次元的に第二の隔膜50を複数並べてもよい。または、図7(b)のように土台51は共通で、第二の隔膜50及び試料6だけが複数あってもよい。図7(b)の場合は、土台51の図中下面側から見ると図7(c)のように試料搭載部が複数あるので、試料6の搭載が非常に効率よく実施することが可能となる。この場合は図7(c)の状態で試料を各隔膜に載置して土台51をひっくり返して試料台52の上に載せればよい。こうすることで試料台52と第二の隔膜50間に試料を閉じ込めた状態とすることが可能である。試料台52と土台51間に図示しないゴムなどの液体漏れ防止部材を配置してもよい。図示しないが、第一の隔膜10と第二の隔膜50との接触及び破損を防止するための前述の接触防止部材56や接触防止部材57を具備されていてもよい。また、図6では第一の隔膜10の下に第二の隔膜50が一つだけ配置されているが、第一の隔膜10の窓面積よりも第二の隔膜50の窓面積が小さければ、第一の隔膜10下に複数の第二の隔膜50を配置してもよい。この場合、複数の第二の隔膜50下の複数の試料の一括した試料観察及び分析が可能となる。
<液体導入路>
次に、第一の隔膜10と第二の隔膜50との距離が一定の状態でも、試料6を第二の隔膜を一部として形成される試料保持空間に搭載可能な方法に関して説明する。図8では試料台52の直下(第二の隔膜と対向する面内)に試料6が導入可能な開口部62を備える。試料ステージ上に配置された状態で試料6を第二の隔膜50の直下に配置したい場合は、試料ステージにも図示しない開口部を備えてもよい。この構成の場合は、第一の隔膜10と第二の隔膜50との距離が一定で荷電粒子線が第二の隔膜50に照射させている状態で試料6を搭載することが可能となる。本構成は試料6を外部で調整して、すぐに二次的荷電粒子やX線などの光子線にて観察及び分析したい場合に有用である。また、土台51が密着または接着している試料台52を装置外部に取り外した状態で、装置外部にて開口部62から試料を導入してもよい。
図9では、第二の隔膜50を支持する土台51の中に液体が流れる流路63を備えている。図では流路は土台51と試料台52、第二の隔膜50によって形成されているが、これに限られず、第二の隔膜50と一体化した部材が試料の流路を形成する部分を有していれば良い。流路63を用いることにより例えば図中矢印方向に液体試料を流すこと可能となる。また、図のように液体を導入口と共に液体を排出する流路をもうけてもよい。この構成の場合土台51の横方向から試料を導入可能であるので、図8の構成よりも簡単に且つ高スループットで試料を導入することが可能である。図示しないが、流路63に試料を導入するノズルなどのような試料伝達経路をもうけてもよい。
図10では流路63及び第二の隔膜50に接触した試料が複数ある構成を示す。この場合試料を導入する方向は図中紙面垂直方向である。このような構成の場合第一の隔膜10の窓面積よりも小さな窓面積をもつ複数の第2の隔膜50があるので、複数の流路63を流れている試料の観察や分析が一括して可能となる。
<光学顕微鏡>
次に、図11に、試料台52の下に光学顕微鏡64を備えた構成に関して説明する。光学顕微鏡64は第二の隔膜50に対して試料側に配置されている。荷電粒子光学鏡筒の光軸53と、第一の隔膜の中心軸54と、第二の隔膜の中心軸55と、光学顕微鏡64の光軸65のそれぞれの軸の位置がほぼ合っているとする。図示しないが試料ステージ5は光学顕微鏡64を避ける構成で配置されるものとする。この構成の場合、試料6の観察及び分析が荷電粒子線顕微鏡だけでなく光学顕微鏡64でも可能となる。但し、この場合は、試料台52は光学顕微鏡の光に対して透明である必要がある。透明な部材としては、透明ガラス、透明プラスチック、透明の結晶体などである。より一般的な試料台としてスライドグラス(又はプレパラート)やディッシュ(又はシャーレ)などの透明試料台などがある。なお、前述では便宜上「顕微鏡」と記載したが、荷電粒子線を試料に照射した試料の挙動を光学顕微鏡にて観察してもよいし、光学顕微鏡からの光を試料に照射してその挙動を荷電粒子線顕微鏡により観察してもよい。
<その他>
また、図示しないが、第二の隔膜近傍に温度ヒータや試料中に電界を発生可能な電圧印加部などを備えてもよい。この場合、試料が加熱または冷却していく様子や、試料に電界が印加されている様子を観察することが可能となる。また、前述では第一の隔膜と第二の隔膜の二種類の隔膜を配置することに関して説明したが、隔膜の数は三種類以上あってもよい。例えば、荷電粒子光学鏡筒2の内部に隔膜があってもよい。本発明では隔膜の数は問わず、本実施例で意図する機能を満たす限り、本実施例のSEMないし荷電粒子線装置の範疇に属する。
以下では、一般的な荷電粒子線装置を簡便に大気下にて試料観察できる装置構成に関して説明する。図12には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。実施例1と同様、本実施例の荷電粒子顕微鏡も、荷電粒子光学鏡筒2、該荷電粒子光学鏡筒を装置設置面に対して支持する筐体(真空室)7、試料ステージ5などによって構成される。これらの各要素の動作・機能あるいは各要素に付加される付加要素は、実施例1とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
本構成では、筐体7(以下、第1筺体)に挿入して使用される第2筐体(アタッチメント)121を備える。第2筐体121は、直方体形状の本体部131と合わせ部132とにより構成される。後述するように本体部131の直方体形状の側面のうち少なくとも一側面は開放面15となっている。本体部131の直方体形状の側面のうち隔膜保持部材155が設置される面以外の面は、第2筺体121の壁によって構成されていてもよいし、第2筺体121自体には壁がなく第1筺体7に組み込まれた状態で第1筺体7の側壁によって構成されても良い。第2筐体121は第1筐体7の側面又は内壁面又は荷電粒子光学鏡筒に位置が固定される。本体部131は、観察対象である試料6を格納する機能を持ち、上記の開口部を通って第1筐体7内部に挿入される。合わせ部132は、第1筐体7の開口部が設けられた側面側の外壁面との合わせ面を構成し、真空封止部材126を介して上記側面側の外壁面に固定される。これによって、第2筐体121全体が第1筐体7に嵌合される。上記の開口部は、荷電粒子顕微鏡の真空試料室にもともと備わっている試料の搬入・搬出用の開口を利用して製造することが最も簡便である。つまり、もともと開いている穴の大きさに合わせて第2筐体121を製造し、穴の周囲に真空封止部材126を取り付ければ、装置の改造が必要最小限ですむ。また、第2筐体121は第1筐体7から取り外しも可能である。
第2筐体121の側面は大気空間と少なくとも試料の出し入れが可能な大きさの面で連通した開放面15であり、第2筐体121の内部(図の点線より右側;以降、第2の空間とする)に格納される試料6は、観察中、大気圧状態に置かれる。なお、図12は光軸と平行方向の装置断面図であるため開放面15は一面のみが図示されているが図12の紙面奥方向および手前方向の第1の筺体の側面により真空封止されていれば、第2の筺体121の開放面15は一面に限られない。第2の筺体121が第1の筺体7に組み込まれた状態で少なくとも開放面が一面以上あればよい。一方、第1筐体7には真空ポンプ4が接続されており、第1筐体7の内壁面と第2筐体の外壁面および隔膜10によって構成される閉空間(以下、第1の空間とする)を真空排気可能である。第2の空間の圧力を第1の空間の圧力より大きく保つように隔膜が配置されることで、本実施例では、第2の空間を圧力的に隔離することができる。すなわち、隔膜10により第1の空間11が高真空に維持される一方、第2の空間12は大気圧または大気圧とほぼ同等の圧力のガス雰囲気に維持されるので、装置の動作中、荷電粒子光学鏡筒2や検出器3を真空状態に維持でき、かつ試料6を大気圧に維持することができる。また、第2筐体121が開放面を有するので、観察中、試料6を自由に交換できる。
第2筐体121の上面側には、第2筐体121全体が第1筐体7に嵌合された場合に上記荷電粒子光学鏡筒2の直下になる位置に第一の隔膜10を備える。この第一の隔膜10は、荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出される一次荷電粒子線を透過または通過させることが可能であり、一次荷電粒子線は、第一の隔膜10を通って最終的に試料6に到達する。
以上の通り、隔膜を備えたアタッチメント部を導入することによって、一般的な真空下荷電粒子線装置を用いて大気圧またはガス雰囲気で試料観察することが可能である。さらに前述の液体導入機構により、大気圧またはガス雰囲気かつ液体浸潤状態での試料観察が可能となる。また、本実施例のアタッチメントは、試料室の側面から挿入する方式のため大型化が容易である。
第2筐体121の内部には試料ステージ5が配置される。試料ステージ5上には試料台52が配置される。試料台52上には第二の隔膜50を備えた土台51が配置される。図では、第一の隔膜10と第二の隔膜50が近接している状態で、液体を含んだ試料6を導入可能な液体導入出部300を備えた装置構成について説明する。第2筺体121内部の試料ステージ5の試料下部に開口部62を備えられ液体導入出部300を備える。液体導入出部300から導入出される試料は開口部62経由で試料6に伝達される。図示しないが、液体導入出部300は金属などの部材や接着剤やテープなどを用いて試料ステージ5または第2筺体121上に固定してもよい。また、試料台52も同様に何らかの部材を用いてステージ5上に固定してもよい。試料6または試料台52は開放面15経由で第2筐体121の内部に簡単に搬送可能である。
液体導入出部300は例えば、液体を送ることが可能なノズルやストローなどの管材である。液体導入出部300は試料ステージ5に具備されていてもよいし着脱可能としてもよい。また、液体導入出部300の機能は数滴の液体を搭載可能なさじのようなものによってもよい。例えば、装置外部にてさじ上に液体を置き、その液体の載ったさじごと試料に接近させて、試料下側から試料を液体に接触させる手順にて、試料に液体を供給する。また、装置外部にて荷電粒子線が照射される試料面より下側の部位に、液体を接触させたのちに、試料ステージ5上に配置してから、隔膜下に前記試料を配置して荷電粒子線を試料に照射してもよい。荷電粒子線が照射される側の試料表面よりも下側(例えば試料の下面方向または側面方向)から液体を導入することができればどのような形態でもかまわない。
尚、本構成は図8の構造を採用した装置構成の説明図であるが、液体導入出部300や開口部62はなくてもよく、前述のように試料台上で試料搭載して第二の隔膜50を具備してから、第2筐体121の内部に持ち運んでもよい。
以上、実施例2における第2筺体121内部の第二の隔膜50配置に関して説明したが、第二の隔膜50、その土台、並びに液体導入出部300の配置場所及び配置方法に関しては上記以外の場所に配置されてもよく、本実施例で意図する機能を満たす限り、本実施例のSEMないし荷電粒子線装置の範疇に属する。
図13には、本実施例の荷電粒子顕微鏡の全体構成図を示す。実施例1、2と同様、本実施例の荷電粒子顕微鏡も、荷電粒子光学鏡筒2、該荷電粒子光学鏡筒を装置設置面に対して支持する第1筐体(真空室)7、第1筐体7に挿入して使用される第2筐体(アタッチメント)121、制御系などによって構成される。これらの各要素の動作・機能あるいは各要素に付加される付加要素は、実施例1や2とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施例の荷電粒子顕微鏡の場合、第2筐体121の少なくとも一側面をなす開放面を蓋部材122で蓋うことができるようになっており、種々の機能が実現できる。以下ではそれについて説明する。
<試料ステージに関して>
本実施例の荷電粒子顕微鏡は、試料位置を変更することで観察視野を移動する手段としての試料ステージ5を蓋部材122に備えている。試料ステージ5には、面内方向へのXY駆動機構および高さ方向へのZ軸駆動機構を備えている。蓋部材122には試料ステージ5を支持する底板となる支持板107が取り付けられており、試料ステージ5は支持板107に固定されている。支持板107は、蓋部材122の第2筐体121への対向面に向けて第2筐体121の内部に向かって延伸するよう取り付けられている。Z軸駆動機構およびXY駆動機構からはそれぞれ支軸が伸びており、各々蓋部材122が有する操作つまみ108および操作つまみ109と繋がっている。装置ユーザは、これらの操作つまみ108および109を操作することにより、試料6の第2筐体121内での位置を調整する。
<試料近傍雰囲気に関して>
本実施例の荷電粒子顕微鏡においては、第2筐体内に置換ガスを供給する機能または第一の空間11や装置外部である外気とは異なった気圧状態を形成可能な機能を備えている。荷電粒子光学鏡筒2の下端から放出された荷電粒子線は、高真空に維持された第1の空間を通って、第一の隔膜10を通過し、更に、大気圧または(第1の空間よりも)低真空度に維持された第2の空間に侵入する。その後、第二の隔膜50を通過し試料6に荷電粒子線が照射される。大気空間では電子線は気体分子によって散乱されるため、平均自由行程は短くなる。つまり、隔膜10と試料6の距離が大きいと一次荷電粒子線または荷電粒子線照射により発生する二次電子、反射電子もしくは透過電子等が試料及び検出器3まで届かなくなる。一方、荷電粒子線の散乱確率は、気体分子の質量数や密度に比例する。従って、大気よりも質量数の軽いガス分子で第2の空間を置換するか、少しだけ真空引きすることを行えば、電子線の散乱確率が低下し、荷電粒子線が試料に到達できるようになる。また、第2の空間の全体ではなくても、少なくとも第2の空間中の荷電粒子線の通過経路、すなわち第一の隔膜10と第二の隔膜50との間の空間の大気をガス置換または真空引きできればよい。
以上の理由から、本実施例の荷電粒子顕微鏡では、蓋部材122にガス供給管100の取り付け部(ガス導入部)を設けている。ガス供給管100は連結部102によりガスボンベ103と連結されており、これにより第2の空間12内に置換ガスが導入される。ガス供給管100の途中には、ガス制御用バルブ101が配置されており、管内を流れる置換ガスの流量を制御できる。このため、ガス制御用バルブ101から下位制御部37に信号線が伸びており、装置ユーザは、コンピュータ35のモニタ上に表示される操作画面で、置換ガスの流量を制御できる。また、ガス制御用バルブ101は手動にて操作して開閉してもよい。
置換ガスの種類としては、窒素や水蒸気など、大気よりも軽いガスであれば画像S/Nの改善効果が見られるが、質量のより軽いヘリウムガスや水素ガスの方が、画像S/Nの改善効果が大きい。
置換ガスは軽元素ガスであるため、第2の空間12の上部に溜まりやすく、下側は置換しにくい。そこで、蓋部材122でガス供給管100の取り付け位置よりも下側に第2の空間の内外を連通する開口を設ける。例えば図13では圧力調整弁104の取り付け位置に開口を設ける。これにより、ガス導入部から導入された軽元素ガスに押されて大気ガスが下側の開口から排出されるため、第2筐体121内を効率的にガスで置換できる。なお、この開口を後述する粗排気ポートと兼用しても良い。
上述の開口の代わりに圧力調整弁104を設けても良い。当該圧力調整弁104は、第2筐体121の内部圧力が1気圧以上になると自動的にバルブが開く機能を有する。このような機能を有する圧力調整弁を備えることで、軽元素ガスの導入時、内部圧力が1気圧以上になると自動的に開いて窒素や酸素などの大気ガス成分を装置外部に排出し、軽元素ガスを装置内部に充満させることが可能となる。なお、図示したガスボンベまたは真空ポンプ103は、荷電粒子顕微鏡に備え付けられる場合もあれば、装置ユーザが事後的に取り付ける場合もある。
また、ヘリウムガスや水素ガスのような軽元素ガスであっても、電子線散乱が大きい場合がある。その場合は、ガスボンベ103を真空ポンプにすればよい。そして、少しだけ真空引きすることによって、第2の筐体内部を極低真空状態(すなわち大気圧に近い圧力の雰囲気)にすることが可能となる。つまり、第一の隔膜10と第二の隔膜50との間の空間を真空にすることが可能である。例えば、第2の筐体121または蓋部材122に真空排気ポートを設け、第2筐体121内を少しだけ真空排気する。その後置換ガスを導入してもよい。この場合の真空排気は、第2筐体121内部に残留する大気ガス成分を一定量以下に減らせればよいので高真空排気を行う必要はなく、粗排気で十分である。第2の空間を真空排気する場合は、土台51と試料台52間に真空封じ部66を備える必要がある。真空封じ部材は接着剤などで土台51と試料台52と接着してもよいし、図示しないOリングやパッキンなどを用いて第二の隔膜内部と第2筐体121側の気圧状態を分離してもよい。また、図示しないが気密状態が安定的に維持されるように、金属部材やねじ等を用いて押さえつけるような構造としてもよい。
このように、第一の隔膜10と第二の隔膜50の二つの隔膜が配置されていることによって、試料6を搭載してから観察までの時間が非常に短く従来技術よりはるかに高スループットで試料観察及び交換が可能となる。
このように本実施例では、試料が載置された空間を大気圧(約10Pa)から約10Paまでの任意の真空度に制御することができる。従来のいわゆる低真空走査電子顕微鏡では、電子線カラムと試料室が連通しているので、試料室の真空度を下げて大気圧に近い圧力とすると電子線カラムの中の圧力も連動して変化してしまい、大気圧(約10Pa)〜10Paの圧力に試料室を制御することは困難であった。本実施例によれば、第2の空間と第1の空間を薄膜により隔離しているので、第2の筐体121および蓋部材122に囲まれた第2の空間12の中の雰囲気の圧力およびガス種は自由に制御することができる。したがって、これまで制御することが難しかった大気圧(約10Pa)〜10Paの圧力に試料室を制御することができる。さらに、大気圧(約10Pa)での観察だけでなく、その近傍の圧力に連続的に変化させて試料の状態を観察することが可能となる。
また、図示しないが、ボンベ103部はガスボンベと真空ポンプを複合的に接続した、複合ガス制御ユニット等でもよい。図示しないが第二の隔膜50下の試料6を加熱するための加熱機構を第2の筺体121内部に配置してもよい。
<液体または気体導入出部>
次に、図14に装置外部の大気空間から第二の隔膜50に覆われた状態に試料をセットするための構成を示す。前述の実施例と同様に、試料ステージ5周辺及び試料6近傍に液体導入出部300を備える。液体導入出部300は蓋部材122に接続されている。蓋部材122につなぎ部310を設ければ装置外部から液体導入出用ポンプや注射器などの液体導入出制御部を取り付ける際により簡便となる。前述の通り、第2筺体内部空間は所望のガス状態や低真空状態になる場合がある。そのため、第二の隔膜50を支持する土台51と試料台52間の真空封じ部材66だけでなく、試料台52と試料ステージ5間にも真空封じ部材66を備える。図示しないが気密状態が安定的に維持されるように、金属部材やねじ等で押さえつけるような構造としてもよい。
本実施例による構成は前述までの構成と比べて、第2筺体内部の第二の空間12が閉じられているという特徴を持つ。そのため、例えば第一の隔膜10と第二の隔膜50との間にガス導入し、または真空排気することが可能な荷電粒子線装置を提供することが可能となる。
<その他>
以上説明したように、本実施例では、試料ステージ5およびその操作つまみ108、109、ガス供給管100、圧力調整弁104、つなぎ部310が全て蓋部材122に集約して取り付けられている。従って装置ユーザは、上記操作つまみ108、109の操作、試料の交換作業、またはガス供給管100、圧力調整弁104や液体導入出の制御の操作を第1筐体の同じ面に対して行うことができる。よって、上記構成物が試料室の他の面にバラバラに取り付けられている構成の荷電粒子顕微鏡に比べて操作性が非常に向上している。
以上説明した構成に加え、第2筐体121と蓋部材122との接触状態を検知する接触モニタを設けて、第2の空間が閉じているまたは開いていることを監視してもよい。
また、二次電子検出器や反射電子検出器に加えて、X線検出器や光検出器を設けて、EDS分析や蛍光線の検出ができるようにしてもよい。X線検出器や光検出器の配置としては、第1の空間11または第2の空間12のいずれに配置されてもよい。
以上、本実施例により、実施例1や2の効果に加え、大気圧から置換ガスが導入可能である。また、第一の空間とは異なった圧力の雰囲気下での試料観察が可能である。また、隔膜を取り外して第1の空間と第2の空間を連通させることにより、大気または所定のガス雰囲気下での観察に加えて第一の空間と同じ真空状態での試料観察も可能なSEMが実現される。
本実施例では、実施例1の変形例である荷電粒子光学鏡筒2が第一の隔膜10に対して下側にある構成に関して説明する。図15(a)に、本実施例の荷電粒子顕微鏡の構成図を示す。真空ポンプや制御系などは省略して図示する。また、真空室である筺体7、荷電粒子光学鏡筒2は装置設置面に対して柱や支え等によって支持されているものとする。各要素の動作・機能または各要素に付加される付加要素は、前述の実施例とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
本装置には、試料6が搭載された第二の隔膜50上を第一の隔膜10に接近させる試料ステージ5が具備される。本装置構成では図中試料6下側の試料面、すなわち第二の隔膜50と試料6の接触面が観察されることになる。本構成では装置上部が開放されており、且つ第二の隔膜面が装置下側であるので、重力を利用して試料6の第二の隔膜上への搭載が可能である。
もし、図15(b)のように、第二の隔膜50を備えた土台51を直接第一の隔膜10側に搭載してもよい(図中矢印)。この場合は必ずしも試料ステージ5は必要でないが、第一の隔膜10と第二の隔膜50の間に厚みが規定され成膜された薄膜や着脱可能な箔材などの接触防止部材56を置くことによって、第二の隔膜50を備えた土台51を安心して配置することが可能となる。第一の隔膜10と第二の隔膜50との位置関係を変更したければ、図中横方向や紙面方向に土台51を移動させればよい。土台51の移動は手や冶具で行っていてもよいし、XY方向だけの移動手段を有する試料ステージを配置してもよい。
1:光学レンズ、2:荷電粒子光学鏡筒、3:検出器、4:真空ポンプ、5:試料ステージ、6:試料、7:筐体、8:荷電粒子源、9:土台、10:第一の隔膜、11:第1の空間、12:第2の空間、13:液滴試料の先端部、14:リークバルブ、15:開放面、16:真空配管、17:ステージ支持台、18:支柱、19:蓋部材用支持部材、20:底板、35:コンピュータ、36:上位制御部、37:下位制御部、43,44,45:通信線、
50:第一の隔膜、51:土台、52:試料台、53:荷電粒子線の光軸、54:第一の隔膜の中心軸、55:第二の隔膜の中心軸、56:接触防止部材、57:接触防止部材、58:ボールベアリング、59:検出器、60:配線または光伝送路、61:プリアンプまたは光電気信号増幅器、62:開口部、63:流路、64:光学顕微鏡、65:光学顕微鏡の光軸、66:真空封じ部、
100:ガス供給管、101:ガス制御用バルブ、102:連結部、103:ガスボンベまたは真空ポンプ、104:圧力調整弁、107:支持板、108,109:操作つまみ、121:第2筐体、122,130:蓋部材、123,124,125,126,128,129:真空封止部材、131:本体部、132:合わせ部、
154:信号増幅器、155:隔膜保持部材、
204:試料位置操作つまみ、
300:液体導入出口

Claims (14)

  1. 一次荷電粒子線を試料上に照射する荷電粒子光学鏡筒と、
    当該荷電粒子線装置の一部を成し、内部が真空ポンプにより真空排気される筐体と、
    前記真空排気される空間の気密状態を維持可能であり、かつ前記一次荷電粒子線を透過または通過させる第一の隔膜と、
    前記第一の隔膜と前記試料との間に前記一次荷電粒子線を透過または通過可能で第二の隔膜と、を備え、
    前記第二の隔膜に接触した状態の試料に対して前記一次荷電粒子線を照射し、
    前記第一の隔膜の窓面積よりも前記第二の隔膜の窓面積の方が大きい、荷電粒子線装置。
  2. 前記第二の隔膜と前記試料とを搭載可能な試料ステージを有し、
    前記第一の隔膜と前記第二の隔膜とが非接触の状態で、当該第一の隔膜と当該第二の隔膜との位置関係と変更可能である、請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記第一の隔膜と前記第二の隔膜との距離が一定の状態で、前記第二の隔膜を一部として形成される試料保持空間に前記試料を導入することが可能である、請求項1記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記第二の隔膜が試料台または試料ステージ上に複数配置される、請求項1記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記第二の隔膜に対して前記試料側に配置される光学式顕微鏡を有する、請求項1記載の荷電粒子線装置。
  6. 一次荷電粒子線を透過または通過させる第一の隔膜により、試料が載置された空間の圧力が前記一次荷電粒子線を発生する荷電粒子光学鏡筒内部の圧力より大きく保たれるように前記試料が載置された空間が隔離された状態で、前記試料に前記一次荷電粒子線を照射することで前記試料を観察する試料観察装置向けの試料台ユニットであって、
    前記一次荷電粒子線を透過または通過させる第二の隔膜と、
    前記第二の隔膜を保持する保持部材と、
    前記第二の隔膜の保持部材が載置される試料台を有し、
    前記第二の隔膜、前記保持部材、前記試料台によって形成される空間に試料が保持され
    前記第一の隔膜の窓面積よりも前記第二の隔膜の窓面積の方が大きい、試料台ユニット。
  7. 前記第一の隔膜と前記第二の隔膜との間の最小距離を制限する部材を有する、請求項6記載の試料台ユニット。
  8. 前記第二の隔膜が前記試料台上に複数配置される、請求項6記載の試料台ユニット。
  9. 前記試料を保持する試料台は、前記第二の隔膜と対向する面に、前記試料を導入する開口部を有する、請求項6記載の試料台ユニット。
  10. 前記保持部材は前記試料の流路を有する、請求項6記載の試料台ユニット。
  11. 荷電粒子光学鏡筒から照射される一次荷電粒子線が、試料が載置された空間の圧力が前記荷電粒子光学鏡筒内部の圧力より大きく保たれるように前記試料が載置された空間と前記荷電粒子光学鏡筒の内部の空間とを隔離する第一の隔膜を透過または通過するステップと、
    前記第一の隔膜を透過または通過した前記一次荷電粒子線が第二の隔膜を透過または通過するステップと、
    前記第二の隔膜を透過または通過した前記一次荷電粒子線が前記第二の隔膜に接触した前記試料に照射されるステップと、
    前記一次荷電粒子線の照射によって前記試料から発生した信号を検出するステップを有し、
    前記第一の隔膜の窓面積よりも前記第二の隔膜の窓面積の方が大きい、試料観察方法。
  12. 前記第一の隔膜と前記第二の隔膜とが非接触の状態で、前記第二の隔膜と前記試料とを保持している試料ステージを移動させて、前記第一の隔膜と前記第二の隔膜との位置関係を変更する、請求項11記載の試料観察方法。
  13. 前記第一の隔膜と前記第二の隔膜との距離が一定の状態で、前記第二の隔膜を一部として形成される空間に前記試料を導入する、請求項11記載の試料観察方法。
  14. 前記第二の隔膜は複数設けられており、
    前記複数の第二の隔膜のうち一部または全部に前記第一の隔膜を通過または透過した前記一次荷電粒子線が照射されるように、前記複数の第二の隔膜が配置された試料台を移動する、請求項11記載の試料観察方法。
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