JP2008047411A - 試料保持体及び試料検査方法並びに試料検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料中の沈殿物等の検査対象物に到達するまでの入射電子線及び沈殿物から発生した反射電子等の散乱を極力少なくすることにより、該検査対象物の検査を好適に行う。
【解決手段】本発明における試料保持体は、試料が保持される試料保持空間49の壁の少なくとも一部が電子線1により透過される膜44によって構成されているおり、試料保持空間内49に電場を形成するためのアルミニウム層43,アルミニウム電極46が設けられている。アルミニウム層43,アルミニウム電極46間に電圧を印加することにより試料保持空間49内に電場が形成される。形成された電場によって、試料中の検査対象物73が移動し、膜44に接する。これにより、膜44を介して電子線1を試料に照射した際に、電子線1が検査対象物73に到達するまでに生じる散乱を最小限にすることができ、良好なSEM像を取得することができる。
【選択図】図6

Description

この発明は、電子線により透過される膜を介して試料に電子線を照射し、これにより試料の検査を行うことのできる試料保持体及び試料検査方法並びに試料検査装置に関する。
走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」という)の構成を備える試料検査装置では、検査対象となる試料は、通常、真空引きにより減圧された試料室内に配置される。そして、このように減圧雰囲気(真空雰囲気)とされた試料室内に配置された試料に電子線が照射され、当該照射により試料から発生する2次電子や反射電子(後方散乱電子)等の二次的信号が検出される。
このようなSEMによる試料検査においては、試料が減圧雰囲気に晒されることとなる。よって、水分を含有する試料が検査対象であるときには、減圧雰囲気とされた試料室内に試料をそのまま配置すると、試料から水分が蒸発してしまい、水分が含まれた状態での試料の検査に支障をきたすこととなる。
従って、試料に水分が含まれた状態で試料検査を行う際には、試料から水分が蒸発しないようにする必要がある。このためには、試料が減圧雰囲気に晒されないことが望ましい。
このように試料が減圧雰囲気に晒されることなくSEMを用いて試料検査を行う例の一つとして、図1に示すように、膜7により開口7aが密封された試料容器8の内部に試料2を配置し、減圧雰囲気とされたSEMの試料室内に、この試料容器を設置する手法が考えられている。ここで、図中の1は電子線であり、3は試料2に含有された検査対象物であり、6は試料容器8を構成する壁である。
このような試料容器8をSEMの試料室に配置し、該試料容器8内に配置された試料2中の検査対象物3の検査をする際には、試料容器8の内部は減圧されない。この場合、試料容器8に形成された当該開口7aを覆う膜7は、SEMの試料室内の減圧雰囲気と試料容器8内部の減圧されていない雰囲気(例えば、大気圧雰囲気)との間の圧力差に耐えられるとともに、電子線1が透過するものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
試料検査を行う際には、減圧雰囲気とされたSEMの試料室内に配置された試料容器8の当該膜7を介して、試料容器8の外部から試料容器8内の試料2中の検査対象物3に電子線1が照射される。電子線1が照射された検査対象物3からは反射電子(図示せず)が発生し、この反射電子は試料容器8の当該膜7を通過して、SEMの試料室内に設けられた反射電子検出器(図示せず)によって検出される。これにより、SEMによる像(SEM像)が取得されることとなる。
ここで、このように真空と大気圧との圧力差に耐えられる膜を介して試料に電子線を照射し、試料から発生する反射電子を検出してSEM像を取得する例は、非特許文献1(当該文献のChapter1 Introduction)にも記載されている。
また、このような膜を対向して設置して一対の膜を構成し、該一対の膜の間に試料を配置して透過型電子顕微鏡による像を取得する例は、特許文献2及び特許文献3に記載されている。特に、特許文献2には、このような一対の膜を利用して、その間に配置された試料のSEM像を取得する場合についても言及されている。
なお、上述した試料容器を用いずに、SEMの試料室内において試料が低真空雰囲気に晒された状態で試料検査をすることも以前から行われていた。このような試料検査の状態を図2に示す。
同図において、水分等の液体を含有する試料2は、試料保持部材5を構成する試料台4の上に載置されている。試料2中には検査対象物3が含まれている。このようにして試料2を保持する試料保持部材5は、SEMの試料室内に配置され、電子線1が試料2中の検査対象物3に照射される。電子線1が照射された検査対象物3からは反射電子(図示せず)が発生し、当該反射電子は反射電子検出器(図示せず)により検出される。
この場合、試料室内において試料2が晒される雰囲気は、試料2に含まれる液体の蒸気圧程度の圧力に制御され、試料2からの液体の蒸発速度を遅くしている。しかしながら、試料室内の雰囲気が低真空となっているので、SEM像を取得する際での分解能を向上させることが困難である。また、試料2からの液体は徐々に蒸発されることとなるので、長時間の試料検査を行うことはできない。
特表2004−515049号公報 特開昭47−24961号公報 特開平6−318445号公報 「Atmospheric scanning electron microscopy」 Green, Evan Drake Harriman, Ph.D., Stanford University, 1993
上述の試料容器8を用いた場合には、細胞等の湿潤試料のSEM像による検査には好適である。しかしながら、水分等の液体を多く含む液状の試料を検査する場合において、該液体よりも比重が大きく、試料内で沈殿した沈殿物を検査対象としてそのSEM像を取得する場合には不向きであると考えられる。
すなわち、液状の試料内における沈殿物は、電子線が入射する上記膜から離れることとなるので、該膜を透過した電子線が沈殿物に到達するまでに、該膜と沈殿物との間に介在している液体(介在物)によって該電子線は散乱されて減衰するとともに広がってしまい、これにより分解能が著しく低下するからである。さらに、電子線が到達した沈殿物から発生する反射電子も該膜に到達するまでに散乱されて減衰することとなり、これによっても分解能が低下する。
また、上述した低真空雰囲気に液状試料を配置して試料検査を行う際においても、検査対象の沈殿物は液状試料中で沈殿している。この場合、液状試料に入射した電子線が沈殿物に到達するまでには、液状試料における電子線の入射面と沈殿物との間に介在する液体によって該電子線は散乱されて減衰するとともに広がることとなり、分解能が低下することとなる。
なお、上述した各例において、複数の試料の検査を順次行う際には、試料交換を効率良く行うことが望ましい。この場合、試料交換のためには試料室内を一旦大気圧に復帰する必要があるが、このための圧力復帰時間が必要となり、試料交換を行う際に長い時間を要していた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、液状の試料内において沈殿物に到達するまでの入射電子線及び沈殿物から発生した反射電子等の散乱を極力少なくすることにより、該沈殿物の検査を好適に行うことのできる試料保持体及び試料検査方法並びに試料検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、複数の試料の検査を効率良く行うことのできる試料保持体及び試料検査方法並びに試料検査装置を提供することをも目的とする。
本発明に基づく第1の試料保持体は、試料が保持される試料保持空間の壁の少なくとも一部が電子線により透過される膜によって構成されている試料保持体であって、該試料保持空間内に配置される試料中の検査対象物を移動するための電場を形成する電極を具備したことを特徴とする。
本発明に基づく第2の試料保持体は、試料が流通する流路の壁の少なくとも一部が電子線により透過される膜によって構成されている試料保持体であって、該流路内に配置される試料中の検査対象物を移動するための電場を形成する電極を具備したことを特徴とする。
本発明に基づく第1の試料検査方法は、前記試料保持体内の試料に前記電極を介して電場を印加する電場印加工程を実行し、この状態で前記膜を介して該試料に電子線を照射する電子線照射工程を行い、当該電子線照射により試料から発生する2次的信号を検出して該試料の情報を取得することを特徴とする。
本発明に基づく第2の試料検査方法は、電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する試料配置工程と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する減圧工程と、該液状試料に電場を印加し、これにより該液状試料に含まれた検査対象物を該膜の第1の面に接近させる電場印加工程と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する電子線照射工程と、当該電子線照射により該検査対象物から発生する2次的信号を検出して該液状試料の情報を取得する試料情報検出工程とを備えることを特徴とする。
本発明に基づく第1の試料検査装置は、前記試料保持体内の試料に前記電極を介して電場を印加する手段と、前記膜を介して該試料に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により該試料から発生する2次的信号を検出する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に基づく第2の試料検査装置は、電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する手段と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する手段と、該液状試料に電極を介して電場を印加する手段と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により該液状試料から発生する2次的信号を検出する検出手段とを備える。
本発明においては、電子線が透過する膜を介して電子線が照射される試料に対して、試料中の検査対象物を移動するための電場が印加される。
これにより、当該電場の作用によって、試料中の沈殿物等の検査対象物は該膜側に移動し、該膜に近接することとなる。よって、該膜と検査対象物との間に介在する液体等の介在物を極力排除することができ、該膜と検査対象物との間において、入射電子線の散乱及び反射電子線等の散乱を極力少なくすることができる。
従って、分解能の低下を招くことなく沈殿物等の検査対象物の検査を好適に行うことができる。
また、入口及び出口に連通する流路内の試料に対して該膜を介して電子線が照射されるようにすることにより、試料交換を効率良く行うことができる。
本発明における試料保持体(セル)は、沈殿物等の検査対象物を含有する液状の試料を保持するセルに関し、該セルの壁の一部が、電子線を透過し気体や液体を透過しない膜であり、該セル内に電場を印加可能な電極を備える。これにより、該セル内の空間に電場が形成され、該空間に配置された試料に電場が印加される。
本発明においては、該膜を介して試料中の検査対象物に電子線を照射するので、SEMによる試料検査中に、試料中の液体の蒸発を防ぐことができる。
また、試料に含まれた検査対象物(微粒子等)は正又は負に帯電する。さらに生体細胞が検査対象物である場合には、該生体細胞は脂質二重膜で覆われていることに起因して帯電する。そのため、これら検査対象物は、試料に印加された電場の作用により、試料内で移動する。この作用効果を用いて、試料中の検査対象物を該膜に接近させ、これにより接触させれば、該膜と検査対象物との介在物(液体等)による電子線の散乱及び検査対象物から発生する反射電子等の散乱を最小限にすることができ、SEMによる高分解能観察を実現することができる。
このようなセルをウエットエッチング、ドライエッチング、及びナノインプリントのうちの少なくとも一つを含む工程により作成すれば、セルの制作が容易であり、また制作コストを削減することができる。
同様の方法を用いてセル内に流路を形成し、その流路に入口と出口を設けることにより、セル内へ試料の供給及び排出が容易となる。これにより、このセルを用いて、SEMによる試料検査を実行しながら試料交換を行うことも可能となる。
ここで、セルに配置される該膜は、1気圧(101325Pa)の圧力差に耐えられることが望ましい。
また、セル内に配置される電極を3対設けることにより、試料内において検査対象物をX,Y,Z方向の各方向に移動させることができる。特に、該電極を試料に接するようにすると、当該電場がより強く試料内に浸入するので、試料内での検査対象物の移動により効果がある。
さらに、該膜に導電性を持たせ、これを電極とすることにより、簡単な構成で電極を形成することができる。
次に、本発明における試料検査方法及び試料検査装置では、上述のセル内に配置された試料中の検査対象物に上記膜を介して電子線を照射し、これにより検査対象物から発生する反射電子等の2次的信号を検出する。
特に、電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する試料配置工程と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する減圧工程と、該液状試料に電場を印加し、これにより該液状試料に含まれた検査対象物を該膜の第1の面に接近させる電場印加工程と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する電子線照射工程と、当該電子線照射により該検査対象物から発生する2次的信号を検出して該液状試料の情報を取得する試料情報検出工程とを実施することと、一の液状試料についての当該各工程を実施した後、該膜の第1の面側から該液状試料の一部又は全部を排出する排出工程を行い、その後に他の液状試料についての試料配置工程、電場印加工程、電子線照射工程、試料情報検出工程、及び試料排出工程を実行することもできる。
なお、試料検査装置においては、集束した電子線を試料に照射させるために、少なくとも電子源(例えばW(タングステン)フィラメントを用いた熱放出電子銃)、電子レンズ、及び試料から発生した反射電子等の2次的信号を検出するための検出器(半導体検出器等)を備えている。
ここで、上記の2次的信号とは、2次電子、反射電子(後方散乱電子)、X線、若しくはカソードルミネッセンス光である。
また、該膜に検査対象物を接触させるため、印加・形成される電場の方向は、該膜に垂直な方向が特に望ましい。なお、当該電場の方向は、該膜の垂直方向に対して0度〜50度、又は130度〜180度の範囲の方向であっても良い。
さらに、試料中において検出対象物を3次元的に任意の方向に移動させるためには、当該電場を発生させる電極を少なくとも3対設けることが望ましい。
そして、試料中における検査対象物の高速な移動を実現するために、当該電場を発生させる電極のうちの少なくとも一つを試料に接触させると良い。
また、該膜に導電性を持たせると、該膜が電極としての機能を備えることとなり、試料中の検査対象物が確実に該膜に接触するようにできる。
なお、上述のように試料に電場を印加する際、一次線である電子線はセル内において偏向作用を受けるので、それを補正することも必要となる。
試料に含まれる検査対象物は、真空中では変形してしまうもの、特に生体を構成する物質である赤血球、白血球、精子、卵子、骨髄細胞、神経細胞、筋細胞、及び脂肪細胞が一例として該当する。
本実施例は、試料を保持するためのセルを作成し、検査対象物を含有する液状の試料を該セル内に配置することで、SEMによる試料検査の際に試料から液体が蒸発するのを防止しするとともに、セルに入射した電子線が検査対象物に到達するまでの経路で液体等の介在物を極力排除し、検査対象物のSEM像の分解能を向上させるものである。
図3に、本実施例におけるセルの作成手順(作成方法)を示す。シリコン基板41上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ50nmの窒化シリコン層42を形成する。
さらに、窒化シリコン層42上に、50nmの厚さを備えるアルミニウム層43を蒸着により形成する。その後、ウエットエッチングによりシリコンウエハ41の一部を削り、試料保持空間49を形成する。
ここで、ウエットエッチング時に使用されるエッチング液としては、KOHを用いることができる。このエッチング液を使用したウエットエッチング時での窒化シリコンに対するシリコンのエッチング速度は速く、その選択比は十分に高いので、当該エッチングを窒化シリコン層42で止める制御が可能となる。
これにより、試料保持空間49に対応する位置に、窒化シリコン層42とアルミニウム層43とが積層してなる膜44が形成される。この膜44は、試料保持空間49の壁の一部を構成し、電子線は透過するが1気圧程度の圧力差に耐えることができ、気体や液体を透過しない。
このようにして作成された上部構造体47と、他のシリコン基板45上にアルミニウム電極46を蒸着により形成した下部構造体48とを接着により組み合わせてセル(試料保持体)40を作成することができる。
ここで、検査対象物を含む液状の試料は、当該接着の前に試料保持空間49内に供給し、その後上部構成体47と下部構成体48とを図示しない接着剤により接着する。
なお、上記セル40では、膜44の一部に窒化シリコン層42を配置したが、これの代わりに窒化ホウ素、ベリリウム、酸化シリコン、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボンのうちの少なくとも1つを含むものを用いても良い。
また、膜44の膜厚は10〜1000nmの範囲であれば良いが、薄ければ電子線の散乱が少ないので分解能が向上するのに対して破れやすくなり、厚ければ電子線の散乱が多くなって分解能が低下するが破れにくくなる。そのため、試料及び検査対象物に応じて適切な膜44の厚みが存在する。
なお、膜44を構成する各層(各種薄膜)をスパッタリング、蒸着、レーザーアブレーション等の化学的又は物理的薄膜形成方法を用いることも可能である。また、アルミニウム層43及びアルミニウム電極46は、これらの代わりに導電性を有する別の材料で形成するようにしても良い。
本実施例では、膜44を窒化シリコン層42とアルミニウム層43の2種の層を積層して形成したが、電子線が透過しかつ気体や液体が透過しない導電性を有する膜を用いることにより、図4に示すごとく、1種類の導電膜51を使用しても良い。具体的な導電膜51としては、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、及び窒化ホウ素等の絶縁層にリンやボロン等の不純部物をドーピングしてなる膜や、ベリリウムからなる膜を用いることができる。
なお、本実施例の変形例としては、図5に示すごとく、膜44の部分にアルミニウム層43を有さないセル61(図5(a)参照)や、アルミニウム層43と窒化シリコン層42の積層順序が逆の構造のセル62(図5(b)参照)を用いることができる。
ここで、上記セルにおける膜44の部分に使用される材料は、電子線の散乱を防止するため、原子番号の小さい元素からなるものを用いる必要がある。この場合、当該材料を構成する元素は、その原子番号が14以下であることが特に望ましい。
さらに、上述した電極を有するセルの使用例を図6に示す。セル40の電極(アルミニウム電極46,アルミニウム層43)には、スイッチ74を介して電源が75が接続されている。ここで、該スイッチ74が開いてセル40の電極間に電圧を印加していない状態を図6(a)に示し、また該スイッチ74が閉じてセル40の電極間に電圧が印加された状態を図6(b)に示す。
セル40の試料保持空間49には、予め固定処理と金属染色処理を施した検査対象物である赤血球73が蒸留水と共に入れられている。この赤血球73を含む蒸留水が試料となる。
当該固定処理と金属染色処理は、次の方法で行った。
(1)赤血球を、Ph7.4、浸透圧300〜400mOsmに調整した1%グルタールアルデヒド溶液に60分間浮遊させ、(2)1%オスミウム酸水溶液に60分間浮遊させ、 (3)蒸留水に浮遊させる。
ただし、各工程(1),(2),(3)の間には、遠沈や洗浄を行う。なお、当該一連の工程は、SEMを用いて生体細胞を真空中で観察するための前処理として公知の工程である。
図6(a)に示ように、スイッチ74が開いて、セル40の電極間に電圧が印加されていない状態では、試料保持空間49内において赤血球73は液中(蒸留水中)で浮遊している。
次に、スイッチ74を閉じて、電源75により電極間に電圧を印加すると、図6(b)に示すように、試料保持空間49内において赤血球73は膜44に接近するように移動し、赤血球73は膜44に近接して接触する。
上述したセル40は、図7に示すSEMの試料室14内のステージ15上に載置されている。同図において、11は電子源であり、12は電子レンズであり、13は電子源11及び電子レンズ12を備える鏡筒である。
セル40の試料保持空間49内に試料を供給しておく。これにより膜44の第1の面側に試料が配置される(試料配置工程)。
次いで、SEMの試料室14内を所定の真空度まで減圧する。これにより、膜44の第2の面側の雰囲気が減圧される(減圧工程)。
さらに、上述のごとく、セル40の電極間に電圧を印加する。これにより、試料に電場が印加されることとなり、試料に含まれた赤血球73は膜44の第1の面に接近する(電場印加工程)。
そして、SEMの試料室14内において、電子源11から放出された電子線1をセル40に向けて照射すると、当該電子線1は電子レンズ12により集束されるとともに、セル40の膜44の第2の面側から該膜44を介して試料中の赤血球73に到達する(電子線照射工程)。このとき、赤血球73は膜44に近接して接触しているので、膜44と赤血球73との間の介在物(液体等)は極力排除されており、この間における散乱による広がりを最小限にして電子線1を赤血球73に照射させることができる。
また、電子線1が赤血球73に照射されることにより発生する反射電子の散乱を最小限にすることができ、この反射電子を検出器16により効率的に検出することができる。これにより、赤血球73のSEM像を良好に取得することができる(試料情報検出工程)。
なお、スイッチ74を開いた状態では、赤血球73は膜44に近接していないため、膜44と赤血球73との間の介在物の存在により電子線1は散乱し、赤血球73に電子線1が十分に到達せず、良好なSEM像を取得することができない。
ここで、上記において印加される電場の方向は、セル40の膜44に検査対象物(赤血球等)を確実に接触させるために、膜44の面に垂直方向であることが最も好ましい。また、当該電場の方向は、膜44の面の垂直方向に対して0度〜50度、若しくは130度〜180度であっても良い。
上記の例では、取得されるSEM像のコントラスト向上のために、赤血球に前処理(固定処理、金属染色処理)を行ったが、コントラストが十分得られる場合には、このような前処理は不要である。
本実施例は、多数の試料に対する検査を実施する場合のセル及び検査方法である。検査対象物を含有する液状の試料をセルの試料保持空間(流路)49に容易に供給(注入)するために、図8に示すごとく、セル80に流路の入口81及び出口82を設ける。流路は、ウエットエッチング、ドライエッチング等の通常の半導体プロセスを用いることにより形成できる。
このセル80は、図7に示したSEMの試料室14内のステージ15上に載置される。ここで、セル80の入口81と出口82は、試料室14の外側まで連通しており、試料室14の外から試料の出し入れが可能になっている。
例えば、入口81から検査対象物である赤血球73を蒸留水とともに流し込む。ここで、上述した前処理が赤血球73に対して行われており、赤血球73を含んだ蒸留水が試料となっている。赤血球73を含有する当該試料がセル80の試料保持空間49に供給された時点では、試料保持空間49内において赤血球73は液中(蒸留水中)で浮遊している。
その後、上述と同様に、セル80のアルミニウム層43とアルミニウム電極46に電位を与え、試料保持空間49内に電場を印加・形成する。これにより、形成された電場によって、赤血球73は、試料保持空間49内において膜44に接近するように移動し、赤血球73は膜44に接近して接触する。
この状態で、上述と同様に膜44を介して電子線1を赤血球73に照射することにより、良好なSEM像を取得して検査をすることができる。
その後、当該電場の印加を解除し、入口81から別の新しい赤血球を流し入れるとともに、出口82から検査済みの赤血球を排出する。これにより、セル80の試料保持空間49から検査済みの赤血球を出し、新しい未検査の赤血球を入れた状態で、再度試料保持空間49内に電場を印加・形成する。この形成された電場によって、当該未検査の赤血球は試料保持空間49内において膜44に接近して接触する。この状態で、同様に膜44を介して電子線1を赤血球に照射することにより、良好なSEM像を取得して検査をすることができる。
このようにして、多数(多種)の赤血球の検査が効率良く順次実行できる。すなわち、従来のように試料の交換の度にSEMの試料室を大気に復帰させる必要がなく、高速で多数の試料検査が可能となる。
本実施例においては、一の試料についての上記試料配置工程、減圧工程、電場印加工程、電子線照射工程、及び試料情報検出工程を実行した後、膜44の第1の面側から試料の一部又は全部を排出する試料排出工程を行い、その後、他の試料についての試料配置工程、電場印加工程、電子線照射工程、試料情報検出工程、及び試料排出工程を実行することができる。
本実施例では、セルの試料保持空間49内において、試料の液中に存在する検査対象物が任意の方向に移動できるようにするため、図9に示すごとく、セルを構成する上部構成体90に電極92を2対(4個)追加するように設けた。ここで、図9(a)は、この上部構成体90の断面図を示し、図9(b)は、該上部構成体90の下方からみた平面図を示す。
この上部構成体90と、図3に示した下部構成体48とを接着により組み合わせてセル93を作成する。これにより、セル93は、電極を3対(6個)備える。
セル93の試料保持空間49に、赤血球等の検査対象物を含む液状の試料を入れた後、各電極に加える電位を調整することにより、試料の液中で検査対象物を任意の方向に移動させることができる。これにより、検査対象物のSEM像を取得する際に、検査対象物を任意の望ましい検査位置に移動させることができる。
なお、この状態で検査対象物のSEM像を取得するために、セル93の膜44を介して電子線を検査対象物に照射すると、当該電子線は、セル93内において上記電極に印加される電位により形成された電場に起因して偏向を受けることとなる。また、セル93内において電子線の加速エネルギーが変動することもある。これを補正するには、SEMの鏡筒に備えられた図示しない偏光器の動作条件を調整したり、電子源からの電子線のエネルギーを調整することで対応することができる。
本実施例は、セルに電極を設けないで、セルの試料保持空間内に配置された液状試料中の検査対象物を電子線が入射する膜に接触させる例である。図10に、当該実施例を示す。
図10は、本実施例におけるSEMであって、図3に示したSEMと相違する点は、ステージ15に電源100が接続されており、この電源100によりセル中の試料に電場を印加することができるようになっている点である。
当該SEMにおいて使用されるセルの第1の例及び第2の例を、それぞれ図11及び図12に示す。
図11に示す第1の例(セル101)では、上記実施例1における図3に示したセル40に対して、アルミニウム電極46(図3参照)を設けないセルの構成となっている。
また、図12に示す第2の例(セル102)では、上述の図3に示したセル40に対して、アルミニウム電極46及びアルミニウム層43を設けないセルの構成となっている。
このようなセル101,102に赤血球等の検査対象物が含まれた液状の試料を封入し、該セル101,102をSEM(図10参照)の試料室14内のステージ15に載置する。そして、例えば、電源100の電位を−1kVに設定して当該電位をステージ15に印加し、この状態で電子線1の初期加速エネルギーを20keVに設定すると、良好なSEM像を取得することができる。
また、図13に示すSEMは、ステージ15上に水平方向にて相対向する電極対を構成する電極110を配置した例である。同図において、図示された電極(電極対)110の相対向する方向に対して、水平面内において直交する方向にも、互いに対向する他の電極対(図示せず)が配置されている。これにより、ステージ15上には2つの電極対(電極の数は合計4個となる)が設けられており、これら電極対におけるそれぞれの対向方向は、電子線1の進行方向(垂直方向)に対して直交している。
このSEMを用いて、これらの電極対を構成する各電極に任意の電位を印加することにより、セル101,102内の試料中の検査対象物をステージ15の面に平行な任意の方向にも移動させることができる。
上述した各実施例において、液状の試料中での赤血球等の検査対象物のSEMによる検査が可能となった。これにより、従来行われていた脱水や乾燥の前処理工程が不要となるので、検査対象物の高分解能で正確な形状観察・形状検査が可能となった。
なお、上記実施例においては、検査対象物として赤血球を用いたが、それ以外にも、白血球、精子、卵子、骨髄細胞、神経細胞、筋細胞、脂肪細胞でも観察・検査が可能である。
また、これらの生体細胞の検査を行う際に、予め金属染色処理を行うと、検査時における2次電子や反射電子から得られるSEM像のコントラストや分解能を向上させることができる。ここで、金属染色に用いる金属は、原子番号の大きなものが時に良く、例えばオスミウム、ルテニウム、タングステン、若しくはウランが好ましい。
なお、上記実施例では反射電子の取得により試料中の検査対象物の検査を行ったが、電子線の照射により発生する2次電子、X線、又はカソードルミネッセンス光を検出することにより検査対象物の情報を取得することも可能である。
また、試料に印加される電場の大きさは、試料中の液体のpH値、イオン濃度、検査対象物の電荷及び濃度に依存するので、該液体や検査対象物に応じた適切な電場の値を設定する必要がある。
さらに、上記の例では生物試料を検査対象物として用いたが、それ以外のものでも液中で帯電するものであれば検査対象物として本発明に適用可能である。
なお、本発明においては、試料中の検査対象物(赤血球等の構造物)の検査を行うことを試料検査としている。
本発明における試料検査方法は、上記何れかのセル内の試料に上記電極を介して電場を印加する電場印加工程を実行し、この状態で上記膜を介して試料中の検査対象物に電子線を照射する電子線照射工程を行い、当該電子線照射により試料中の検査対象物から発生する反射電子等の2次的信号を検出して試料における検査対象物の情報を取得する。
また、本発明における他の試料検査方法は、電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する試料配置工程と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する減圧工程と、該液状試料に電場を印加し、これにより該液状試料に含まれた検査対象物を該膜の第1の面に接近させる電場印加工程と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する電子線照射工程と、当該電子線照射により該検査対象物から発生する2次的信号を検出して該液状試料の情報を取得する試料情報検出工程とを備えている。
特に、一の液状試料についての前記各工程を実行した後、前記膜の第1の面側から該液状試料の一部又は全部を排出する試料排出工程を行い、その後、他の液状試料についての前記試料配置工程、電場印加工程、電子線照射工程、試料情報検出工程、及び試料排出工程を実行することも可能である。この場合には、試料交換を迅速に行うことができる。
さらに、本発明における試料検査装置は、上記何れかのセル内の試料に前記電極を介して電場を印加する手段と、前記膜を介して該試料中の検査対象物に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により試料中の検査対象物から発生する反射電子等の2次的信号を検出する手段とを備えている。
そして、本発明における他の試料検査装置は、電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する手段と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する手段と、該液状試料に電極を介して電場を印加する手段と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により該検査対象物から発生する2次的信号を検出する検出手段とを備えている。
特に、上記膜の第1の面側から液状試料の一部又は全部を排出する手段を備えても良い。この場合にも、試料交換を迅速に行うことができる。
本発明においては、従来真空中での観察・検査においてのみ得られた高分解画像が、液中の検査対象物に対しても検査が可能となる。特に、生体細胞を検査対象物とした場合では、従来のように前処理によって形状が変化することがないので、生きているときの形状を保持した状態での観察・検査が可能となる。
従来技術における試料容器を用いた試料検査を説明する図である。 従来技術における低真空雰囲気での試料検査を説明する図である。 実施例1におけるセルの作成方法を説明する図である。 実施例1における他のセルを示す図である。 実施例1におけるセルの変形例を示す図である。 実施例1のセルの使用例を示す図である。 SEMを示す図である。 実施例2におけるセルを示す図である。 実施例3におけるセル及びその作成方法を示す図である。 実施例4におけるSEMを示す図である。 実施例4におけるセルの第1の例を示す図である。 実施例4におけるセルの第2の例を示す図である。 実施例4におけるSEMの第2の例を示す図である。
符号の説明
1…電子線、2…試料、3…検査対象物、4…試料台、5…試料保持部材、6…壁、7…膜、8…試料容器、11…電子源、12…電子レンズ、13…鏡筒、14…試料室、15…ステージ、40…セル(試料保持体)、41…シリコン基板、42…窒化シリコン層、43…アルミニウム層、44…膜、45…シリコン基板、46…アルミニウム電極、47…上部構成体、48…下部構成体、49…試料保持空間、51…導電膜、61,62…セル、73…赤血球(検査対象物)、74…スイッチ、75…電源、80…セル、81…入口、82…出口、90…上部構成体、92…電極、93…セル、100…電源、101,102…セル、110…電極

Claims (29)

  1. 試料が保持される試料保持空間の壁の少なくとも一部が電子線により透過される膜によって構成されている試料保持体であって、該試料保持空間内に配置される試料中の検査対象物を移動するための電場を形成する電極を具備した試料保持体。
  2. 入口及び出口を有し、該入口及び出口を介して試料が流通する流路の壁の少なくとも一部が電子線により透過される膜によって構成されている試料保持体であって、該流路内に配置される試料中の検査対象物を移動するための電場を形成する電極を具備した試料保持体。
  3. 前記電極を少なくとも3対具備することを特徴とする請求項1又は2記載の試料保持体。
  4. 前記膜に備えられた導電部により前記電極の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の試料保持体。
  5. 前記試料が、液体を含有する液状試料であることを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の試料保持体。
  6. 前記電極の一部分が試料に接することを特徴とする請求項1乃至5何れか記載の試料保持体。
  7. 前記膜は、少なくとも1気圧の圧力差に対して強度が保持されていることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の試料保持体。
  8. 請求項1乃至7何れか記載の試料保持体内の試料に前記電極を介して電場を印加する電場印加工程を実行し、この状態で前記膜を介して該試料に電子線を照射する電子線照射工程を行い、当該電子線照射により試料から発生する2次的信号を検出して該試料の情報を取得する試料検査方法。
  9. 電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する試料配置工程と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する減圧工程と、該液状試料に電場を印加し、これにより該液状試料に含まれた検査対象物を該膜の第1の面に接近させる電場印加工程と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する電子線照射工程と、当該電子線照射により該検査対象物から発生する2次的信号を検出して該液状試料の情報を取得する試料情報検出工程とを備える試料検査方法。
  10. 一の液状試料についての前記各工程を実行した後、前記膜の第1の面側から該液状試料の一部又は全部を排出する試料排出工程を行い、その後、他の液状試料についての前記試料配置工程、電場印加工程、電子線照射工程、試料情報検出工程、及び試料排出工程を実行することを特徴とする請求項9記載の試料検査方法。
  11. 前記電場印加工程において、少なくとも3対の電極により当該電場を形成することを特徴とする請求項9又は10記載の試料検査方法。
  12. 前記電場印加工程において、前記膜に備えられた導電部により当該電場を形成することを特徴とする請求項9乃至11何れか記載の試料検査方法。
  13. 前記電場印加工程において、当該電場を形成する電極の一部が前記液状試料に接することを特徴とする請求項9乃至12何れか記載の試料検査方法。
  14. 前記2次的信号は、2次電子、反射電子、X線、若しくはカソードルミネッセンス光であることを特徴とする請求項8乃至13何れか記載の試料検査方法。
  15. 前記電場印加工程において、当該電場の方向が、前記膜の垂直方向に対して0〜50度の角度若しくは130〜180度の角度傾斜した方向であることを特徴とする請求項8乃至14何れか記載の試料検査方法。
  16. 前記電子線照射工程において、前記試料に印加された電場に起因する前記電子線の偏向又は該電子線の加速エネルギーの変動を補正することを特徴とする請求項8乃至15何れか記載の試料検査方法。
  17. 前記試料は、検査対象物として生体を構成する物質を含有することを特徴とする請求項8乃至16何れか記載の試料検査方法。
  18. 前記検査対象物は、赤血球、白血球、精子、卵子、骨髄細胞、神経細胞、筋細胞、又は脂肪細胞であることを特徴とする請求項17記載の試料検査方法。
  19. 請求項1乃至7何れか記載の試料保持体内の試料に前記電極を介して電場を印加する手段と、前記膜を介して該試料に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により該試料から発生する2次的信号を検出する手段とを備える試料検査装置。
  20. 電子線が透過する膜の第1の面側に液状試料を配置する手段と、該膜の第2の面側の雰囲気を減圧する手段と、該液状試料に電極を介して電場を印加する手段と、該膜の第2の面側から該膜を介して該液状試料に電子線を照射する手段と、当該電子線照射により該液状試料から発生する2次的信号を検出する検出手段とを備える試料検査装置。
  21. 前記膜の第1の面側から前記液状試料の一部又は全部を排出する手段をさらに備えることを特徴とする請求項20記載の試料検査装置。
  22. 少なくとも3対の電極により前記電場を形成することを特徴とする請求項20又は21記載の試料検査装置。
  23. 前記膜に備えられた導電部により前記電場を形成することを特徴とする請求項20乃至22何れか記載の試料検査装置。
  24. 前記電場を形成する電極の一部が前記液状試料に接することを特徴とする請求項20乃至23何れか記載の試料検査装置。
  25. 前記2次的信号は、2次電子、反射電子、X線、若しくはカソードルミネッセンス光であることを特徴とする請求項19乃至24何れか記載の試料検査装置。
  26. 前記電場の方向が、前記膜の垂直方向に対して0〜50度の角度若しくは130〜180度の角度傾斜した方向であることを特徴とする請求項19乃至25何れか記載の試料検査装置。
  27. 前記試料に印加された電場に起因する前記電子線の偏向又は該電子線の加速エネルギーの変動を補正する手段をさらに備えることを特徴とする請求項19乃至26何れか記載の試料検査装置。
  28. 前記試料は、検査対象物として生体を構成する物質を含有することを特徴とする請求項19乃至27何れか記載の試料検査装置。
  29. 前記検査対象物は、赤血球、白血球、精子、卵子、骨髄細胞、神経細胞、筋細胞、又は脂肪細胞であることを特徴とする請求項28記載の試料検査装置。
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