JP6034817B2 - バナナ酵素処理物およびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、バナナ酵素処理物およびその利用に関するものである。
フィリピン等の原産国で栽培されたバナナは青くて硬い未熟な状態で収穫される。未熟なバナナは、果肉が硬く、未調理では食用には適さないことが知られている。収穫されたバナナは、傷や形がチェックされて選別され、傷のあるバナナや形のよくないバナナは流通から外れる。未収穫のバナナ(木に取り残されたバナナ)も流通から外れる。選別されて消費国に輸入されたバナナは、各国の店頭に並ぶ前に品質検査を受け、検査に合格しなかったバナナ(未熟なバナナ、成熟バナナを含む。)は商品価値がないものとして廃棄されている。このようにして、最終消費者に行き渡るまでの流通過程おいて、原産国および消費国で処分されているバナナが多数存在する。
本発明は、原産国において流通から外れたバナナ、消費国において廃棄されていたバナナ(未熟なバナナ、成熟バナナを含む。)を有効利用することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、バナナの乾燥粉末を酵素処理することによって、バナナが免疫増強作用と有することを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1]乾燥バナナを酵素処理することにより調製されることを特徴とするバナナ酵素処理物。
[2]乾燥バナナが、未熟なバナナを乾燥し粉砕したものであることを特徴とする[1]に記載のバナナ酵素処理物。
[3]酵素が、糖質分解酵素である[1]または[2]に記載のバナナ酵素処理物。
[4]酵素が、糖質分解酵素および蛋白質分解酵素である[1]または[2]に記載のバナナ酵素処理物。
[5]糖質分解酵素が、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ、ペクチナーゼ、ペクトリアーゼ、グルコアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、デキストラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼ、キシラナーゼおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする[3]または[4]に記載のバナナ酵素処理物。
[6]酵素処理前に、乾燥バナナをアルファ化処理することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物。
[7]酵素処理後に、酵素処理物を発酵させることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物。
[8]発酵が、酵母、乳酸菌、納豆菌、麹菌、糸状菌および放線菌からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を用いて行われることを特徴とする[7]に記載のバナナ酵素処理物。
[9]水溶性粉末である[1]〜[8]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物を含有することを特徴とする飲食品。
[11][1]〜[9]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物を含有することを特徴とするサリメント。
[12][1]〜[9]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物を含有することを特徴とする免疫増強剤。
[13][1]〜[9]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物を含有することを特徴とするミトコンドリア活性化促進剤。
[14][1]〜[9]のいずれかに記載のバナナ酵素処理物の製造方法であって、乾燥バナナを酵素処理する酵素処理工程を含むことを特徴とする製造方法。
[15]酵素処理工程の前に未熟なバナナから乾燥バナナを調製する乾燥バナナ調製工程を含むことを特徴とする[14]に記載の製造方法。
本発明によれば、原産国において流通から外れたバナナ、消費国において廃棄されていたバナナ(未熟なバナナ、成熟バナナを含む。)を有効利用することができる。本発明によれば、甘みを呈するバナナ酵素処理物を提供することができる。本発明のバナナ酵素処理物は、水溶性を有する。さらに、本発明のバナナ酵素処理物は、免疫増強剤、ミトコンドリア活性化促進剤等として利用することができる。本発明のバナナ酵素処理物は、飲食品、サプリメント、飼料等の成分として利用することができる。本発明のバナナ酵素処理物は、酵素処理後に発酵させることによりさらに高い免疫増強作用を有するという、当業者に予想外の、本発明特有の特に顕著な効果を有する。
発酵処理物添加によるJ774.1細胞のビーズ貪食(貪食率)への影響を示す図である。 発酵処理物添加によるJ774.1細胞のビーズ貪食(貪食係数)への影響を示す図である。 酵素処理物添加によるRAW264.7細胞のTNF-α産生への影響を示す図である。 発酵処理物添加によるRAW264.7細胞のTNF-α産生への影響を示す図である。 発酵処理物添加によるミトコンドリアのATP産生量への影響を示す図である。 酵素処理物添加によるミトコンドリアUCP3遺伝子発現量への影響を示す図である。 発酵処理物添加によるミトコンドリアUCP3遺伝子発現量への影響を示す図である。 発酵処理物添加によるミトコンドリアPGC1α遺伝子発現量への影響を示す図である。
本発明は、乾燥バナナを酵素処理することにより調製されるバナナ酵素処理物(以下、「本発明のバナナ酵素処理物」という。)を提供する。
〔乾燥バナナ〕
乾燥バナナの原料であるバナナ(学名:Musa spp.)はバショウ科バショウ属の草本植物の果実の総称である。バナナは殆どが食品用に栽培されているが、繊維用または観賞用にも栽培されている。バナナの種類は特に限定されないが、例えばグロスミッチェル、キャベンディッシュ、プランテイン等が挙げられる。
乾燥バナナの原料に用いるバナナの部位は特に限定されないが、全果実(果実の食用部分と皮を含む)が好ましく、皮を除いた果実の食用部分がより好ましい。
バナナは、まだ青くて硬いうちに収穫され、消費国に輸出される。例えば、日本に輸入されたバナナは、室(むろ)と呼ばれるところで追熟され、黄色くなる。追熟は、バナナの場合、温度、湿度をコントロールされた室で、少量のエチレンを与えながら行われる。乾燥バナナの原料に用いるバナナの成熟度合いは特に限定されず、未熟な青バナナおよび成熟した黄バナナのいずれも好適に用いることができる。乾燥のしやすさ、コスト等の点で未熟な青バナナが好ましい。ここで、未熟な青バナナとは追熟していないバナナを意味し、収穫時期に至っていないバナナ、収穫時期のバナナ、輸入直後のバナナ等の未調理では食用に適さないバナナが含まれる。
乾燥バナナの調製方法は、例えばバナナを熱風乾燥、自然乾燥、乾熱乾燥等する方法が挙げられる。乾燥には公知の乾燥装置を使用することができる。乾燥後さらに粉砕等してもよい。粉砕には公知の粉砕装置を使用することができる。乾燥バナナは、乾燥バナナ全量に対して水分量が20重量%以下であることが好ましい。乾燥バナナの形態は特に限定されず、バナナの形状そのまま、チップ状、粒状、粉末状等が挙げられる。乾燥バナナは市販品を入手することも可能である。市販品として例えば、バナナチップ、Tooke(ウガンダ産)プランテイン、バナナ粉(Dole製)等が挙げられる。
〔酵素処理〕
酵素は糖質を分解可能な酵素を含むことが好ましい。糖質分解酵素として、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ、ペクチナーゼ、ペクトリアーゼ、グルコアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、デキストラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼ、キシラナーゼ等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。中でもα−アミラーゼが好ましい。酵素として、糖質分解酵素の他に、蛋白質分解酵素、植物組織崩壊酵素、リン脂質分解酵素を含むことが好ましい。蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)として、例えば、ペプシン、パパイン、カスパーゼ等が挙げられる。植物組織崩壊酵素として、例えばセルラーゼ、ペクチナーゼ等が挙げられる。リン脂質分解酵素として例えばホスホリパーゼ等が挙げられる。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの酵素は、例えば液化酵素6T(エイチビィアイ製)、液化酵素T(エイチビィアイ製)、ビオザイムA(天野エンザイム)、ペクチナーゼ“ナガセ”(ナガセケムテックス)、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(天野エンザイム)、β-アミラーゼF(天野エンザム)の市販品を用いることができる。
酵素処理の方法は、例えば乾燥バナナに水を加えた液を攪拌し、使用する酵素の至適温度、至適pHに調整し、酵素を添加する方法等が挙げられる。水の量は特に限定されないが、例えば乾燥バナナの重量に対して5〜15倍の重量が好ましく、7〜13倍の重量がより好ましく、9〜10倍の重量がさらに好ましい。pHは水酸化ナトリウム、塩酸等を使用して調整しうる。
酵素の添加量は乾燥バナナを可溶化できる量であればよく、用いる乾燥バナナおよび用いる酵素によって至適添加量が異なるため、その都度設定することが好ましい。通常、乾燥バナナを含有する水の全量に対して0.01〜5.0重量%が用いられる。
酵素処理工程により、本発明のバナナ酵素処理物が水溶性を獲得し、また甘味を呈するという効果が得られる。
〔アルファ化処理〕
本発明のバナナ酵素処理物は、乾燥バナナをアルファ化処理して製造することが好ましい。アルファ化処理は酵素処理と同時に行ってもよく酵素処理の前に行ってもよいが、酵素処理の前に行うことが好ましい。
アルファ化処理の方法は特に限定されないが、例えば乾燥バナナに水を加えて加熱する方法、水を加えて加圧する方法等が挙げられる。水の量は特に限定されないが、例えば乾燥バナナの重量に対して5〜15倍の重量が好ましく、7〜13倍の重量がより好ましく、9〜10倍の重量がさらに好ましい。加熱によりアルファ化処理を行う場合、加熱温度は特に限定されないが、例えば50〜150℃であることが好ましく、60〜130℃であることがより好ましく、75〜125℃であることがさらに好ましい。加熱時間はアルファ化処理の効果が妨げられない限り特に限定されず、加熱温度に応じて設定することも可能である。加熱時間として例えば1〜180分間が好ましく、5〜120分間がより好ましい。加熱温度および加熱時間の好ましい組み合わせとして例えば75℃で20〜180分間、80℃で20〜120分間、121℃で5〜30分等が挙げられる。
上記酵素処理、または上記アルファ化処理および上記酵素処理により、目的の酵素処理物が得られる。酵素処理後に、得られた酵素処理物をそのまま酵素処理物として使用してもよく、一旦保存して必要に応じて使用してもよい。また、得られた酵素処理物は後述の発酵処理の材料として使用してもよい。
〔発酵処理〕
本発明のバナナ酵素処理物は、乾燥バナナを発酵処理して製造することが好ましい。発酵処理は、酵素処理の後に行うことが好ましい。
発酵処理に用いる微生物は特に限定されないが、例えば酵母、乳酸菌、納豆菌、麹菌、糸状菌、放線菌等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。酵母としては、例えば、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、カンジダ属、クルイベロミセス属等が挙げられる。これらの中でも、飲食品用途の観点から、サッカロミセス属の酵母が好ましい。乳酸菌としては、例えば、ラクトバチラス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、ロイコノストック属、テトラゲノコッカス属、エノコッカス属、およびワイセラ属等が挙げられる。納豆菌としては、バチラス属等が挙げられる。麹菌としては黄麹菌、白麹菌等が挙げられる。糸状菌としては、例えば、アクレモニウム属、アスペルギルス属、セリポリオプシス属、ケトミウム属、コプリナス属、ジオトリチューム属、ヒュミコラ属、モナスカス属、ムコール属、ペニシリウム属、ファネロケート属、リゾムコール属、リゾプス属、トラメテス属、およびトリコデルマ属が挙げられる。放線菌としては、例えば、アクチノプラネス属、アミコラトプシス属、ストレプトマイセス属、ストレプトバーチシリウム属、およびサーモモノスポラ属が挙げられる。
上記発酵は、酵素処理物と、微生物とを接触させることにより行われる。接触方法については特に制限されない。例えば、酵素処理物を含む液中に、微生物の種培養液を添加する方法が挙げられる。発酵条件についても特に制限されず、発酵温度および発酵時間は、添加する種菌の量、微生物の種類に応じて適宜設定される。例えば、微生物として酵母を用いる場合、発酵pHは4〜9であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、6〜7であることがさらに好ましい。微生物として酵母を用いる場合、発酵温度は20〜50℃であることが好ましく、25〜45℃であることがより好ましく、30〜40℃であることがさらに好ましい。微生物として酵母を用いる場合、発酵時間は例えば1〜12時間であることが好ましく、2〜6時間であることがより好ましく、2〜5時間がさらに好ましい。
なお、本発明は、酵素処理を行わずに乾燥バナナをアルファ化処理後発酵させることによっても得られる乾燥バナナ処理物も含む。
〔固液分離、粉末化〕
本発明のバナナ酵素処理物は、酵素処理により得られる状態のまま使用してもよいし、本発明の効果を奏する限り、例えば酵素処理物を固液分離し残渣を除去する固液分離後の状態で使用してもよいし、さらに固液分離工程で得られた酵素処理物を粉末化する粉末化した状態で使用してもよい。
固液分離は、酵素処理の後に行うことが好ましい。
固液分離は、ろ過、遠心分離、遠心ろ過、サイクロン、フィルタープレス、スクリュープレス、デカンター等を使用して行うことができる。
粉末化は、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等により行うことができる。
〔製造方法〕
本発明は、本発明のバナナ酵素処理物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という。)を提供する。本発明の製造方法において使用される原料(バナナ、酵素、発酵に用いる微生物等)は、本発明のバナナ酵素処理物において使用されるものが好ましい。
本発明の製造方法は「乾燥バナナを酵素処理する酵素処理工程」を含んでいればよく、本発明のバナナ酵素処理物を製造することができる限り他の工程を含んでいてもよい。酵素処理工程では、上記本発明のバナナ酵素処理物の説明中の〔酵素処理〕において記載した内容に従って乾燥バナナを酵素処理すればよい。本発明の製造方法は、酵素処理工程の前に、「未熟なバナナから乾燥バナナを調製する乾燥バナナ調製工程」を含むことが好ましい。乾燥バナナ調製工程では、上記本発明のバナナ酵素処理物の説明中の〔乾燥バナナ〕において記載した内容に従って乾燥バナナを調製すればよい。
本発明の製造方法はさらに、「乾燥バナナをアルファ化処理するアルファ化処理工程」、「酵素処理物を発酵させる発酵処理工程」、「酵素処理物を固液分離し残渣を除去する固液分離工程」、「固液分離工程で得られた酵素処理物を粉末化する粉末化工程」等を含むことが好ましい。これらの工程は、それぞれ、上記本発明のバナナ酵素処理物の説明中の〔アルファ化処理〕、〔発酵処理〕、〔固液分離、粉末化〕において記載した内容に従って行うことができる。アルファ化処理工程は、酵素処理工程の前にまたは乾燥バナナ調製工程と酵素処理工程との間であることが好ましい。固液分離工程は酵素処理工程の後であることが好ましい。発酵処理工程は酵素処理工程の後に、または酵素処理工程と固液分離工程との間であることが好ましい。粉末化工程は固液分離工程の後であることが好ましい。
〔免疫増強剤〕
本発明は、本発明のバナナ酵素処理物を含有する免疫増強剤(以下、本発明の免疫増強剤という。)を提供する。特に、発酵処理工程等を経て製造されたバナナ酵素処理物は強力な免疫増強作用を有する。本発明の免疫増強剤は免疫賦活剤と換言することができる。
〔ミトコンドリア活性化促進剤〕
本発明は、本発明のバナナ酵素処理物を含有するミトコンドリア活性化促進剤(以下、本発明のミトコンドリア活性化促進剤という。)を提供する。特に、発酵処理工程等を経て製造されたバナナ酵素処理物は強力なミトコンドリア活性化促進作用を有する。本発明のミトコンドリア活性化促進剤は活力増強剤と換言することができる。
〔飲食品〕
本発明は、本発明のバナナ酵素処理物を含有する飲食品(以下、本発明の飲食品という。)を提供する。本発明の飲食品は、免疫増強用飲食品、ミトコンドリア活性化促進用飲食品として好適である。本発明の飲食品は、食品でない未熟なバナナを飲食用として利用することができる点で有用である。
飲食品には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品が含まれる。飲食品の形態は特に限定されない。例えば茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料、そば、うどん、中華麺、即席麺等の麺類、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子およびパン類、かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品、加工乳、発酵乳等の乳製品、サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品、ソース、たれ等の調味料、カレー、シチュー、丼、お粥、雑炊等のレトルトパウチ食品、アイスクリーム、シャーベット、かき氷等の冷菓などを挙げることができる。
本発明の飲食品は、本発明のバナナ酵素処理物を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、本発明のバナナ酵素処理物を主成分とする飲食品であってもよい。
〔サプリメント〕
本発明は、本発明のバナナ酵素処理物含有するサプリメント(以下、本発明のサプリメントという。)を含有する。本発明のサプリメントは、免疫増強用サプリメント、ミトコンドリア活性化促進用サプリメントとして好適である。サプリメントは、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、ドリンク剤等の形態で提供することができる。
本発明のサプリメントを製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等の任意の助剤、安定化剤、保存剤、酸化防止剤を添加することができる。
〔飼料〕
本発明の酵素処理物は、飼料の形態で実施することができる。飼料としては、例えば、ウシ、ウマ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ等の家禽用飼料、イヌ、ネコ等のペット用飼料などが挙げられる。本発明の飼料は、飼料中に本発明の酵素処理物を添加する以外、一般的な飼料の製造方法を用いて加工製造することができる。
本発明には、バナナ酵素処理物の有効量をヒトまたは非ヒト動物に投与する免疫増強方法が含まれる。本発明には、バナナ酵素処理物の有効量をヒトまたは非ヒト動物に投与するミトコンドリア活性化促進方法が含まれる。本発明には、バナナ酵素処理物の有効量をヒトまたは非ヒト動物に投与する非治療的な免疫増強方法も含まれる。本発明には、バナナ酵素処理物の有効量をヒトまたは非ヒト動物に投与する非治療的なミトコンドリア活性化促進方法も含まれる。なお、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体または動物の体への処置行為を含まない概念である。
本発明には、免疫増強剤を製造するためのバナナ酵素処理物の使用が含まれる。本発明には、ミトコンドリア活性化剤を製造するためのバナナ酵素処理物の使用が含まれる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔1:製造例〕
(1)乾燥バナナ粉末
バナナ粉(DOLE製)を使用した。
(2)加水処理
乾燥バナナ粉末の重量に対して9倍の水を加えて攪拌したが乾燥バナナ粉末は水に溶けなかった。
(3)加水・加熱処理
乾燥バナナ粉末の重量に対して9倍の水を加えて攪拌後、70℃で1時間加熱したが乾燥バナナ粉末は水に溶けなかった。
(4−1)酵素処理(1)
乾燥バナナ粉末重量に対して9倍の水を加えた後、加熱してα化(糊化)した。その後至適pH6.3に調整し、乾燥バナナ粉末重量に対して1%の液化酵素6T(エイチビィアイ製)を添加した。60℃にて3時間反応させた。
(4−2)酵素処理(2)
(4−1)において、加熱条件を80℃、30分間に代えた以外は(4−1)と同様に行った。
(4−3)酵素処理(3)
(4−1)において、加熱条件を80℃、120分間に代えた以外は(4−1)と同様に行った。
(4−4)酵素処理(4)
(4−1)において、加熱条件を121℃、15分間に代えた以外は(4−1)と同様に行った。
各処理による可溶化の判断は目視によって行った。酵素処理した乾燥バナナ粉末((4−1)〜(4−4))は可溶化することに成功した。以下、(4−1)の反応後の溶液を25℃、8000rpm(190×g)で20分間遠心分離し、遠心上清をスプレードライヤー(入口温度170度、出口温度90度)を用いて粉末化することで得られた粉末を「酵素処理物」と称する。
〔2:発酵処理〕
(4−1)の反応後の溶液をスーパーカメリア(商品名、日清製粉グループ製)の至適温度37℃に調整後、溶液全量に対して0.2%のスーパーカメリア加えて、攪拌しながら4時間反応させた。その後0.45nmフィルターで可溶化成分と不溶成分を分離し、濾液を回収した。濾液を90℃で20分間にて酵素・酵母失活処理し、25℃、8000rpm(190×g)で20分間遠心分離した。遠心上清をスプレードライヤー(入口温度170度、出口温度90度)を用いて熱風乾燥にて粉末化させた。以下、発酵処理後に得られた粉末を「発酵処理物」と称する。
〔3:官能試験〕
健康な成人男女10人をパネラーとして、口腔内に乾燥バナナ粉末、酵素処理物、発酵処理物を含ませ味覚試験を行った。パネラーは、全員乾燥バナナ粉末は苦くてしびれを感じ、酵素処理物及び発酵処理物は甘いと感じた。
〔4:免疫増強作用(1)〕
本発明の発酵処理物による、マクロファージ様細胞のポリスチレンビーズ貪食能増強効果を検討した。
(1)前培養
マウス由来マクロファージ様細胞株J774.1細胞(JCRB細胞バンク、細胞番号JCRB0018)は、10%FBS、100μg/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン含有DMEM培地(以下、培養液Aという。)にて継代培養したものを用いた。培養にはT25培養フラスコを用い、3または4日毎に1〜2×10cells/mLで植え継いだ。37℃に設定した5%COインキュベーター内で培養した。
(2)試験操作
以下の試験操作はクリーンベンチ内で行った。
T25培養フラスコにて前培養したJ774.1細胞をピペッティグにより壁から剥がし、得られた細胞の懸濁液を15mLコニカルチューブに移した。チューブを室温で、1000rpm(190×g)8分間、遠心を行い、上清をデカンテーションで捨て、細胞をペレットとして回収した。タッピングにより細胞をほぐした後、培養液を10mL加え、室温で、1000rpm(190×g)8分間、遠心を行い、上清をデカンテーションで捨て、細胞をペレットとして回収した。細胞ペレットに培養液A5mLを加え、ピペッティングにより細胞を均一に懸濁した。細胞懸濁液100μLを1.5mLマイクロチューブに移し、細胞数と生存率を測定した。生存率が98.3%(90%以上)であったので、残液を試験に用いた。
測定した細胞数に基づいて、5×10cells/mLの細胞懸濁液を調製した。得られた細胞懸濁液を200μLずつカルチャースライドの各ウェルに加えた。37℃の5%COインキュベーターに移して、細胞がウェルの底に接着して伸展するまで2時間前培養を行った。
各濃度(10、100、1000μg/mL)の発酵処理物を含む培養液Aを調製した。調製した各試験液200μLと各ウェルの培養液Aを置換した。置換後、カルチャースライドを10秒間攪拌し、37℃に設定した5%COインキュベーターに移し、1時間培養を行った。なお、陰性対照群として、発酵処理物を含まない培養液Aを使用した。
2×10個のポリスチレンビーズを含む培養液A5.0μLを加えた後、37℃、5%COインキュベーター内で2時間培養した。
カルチャースライドを振盪した後、液をアスピレータで除き、ウェルに37℃に加温したPBS(−)を400μL加えて、再度アスピレータで液を除く洗浄操作を計2回行った。4%パラホルムアルデヒド含有PBS(−)溶液を200μL加え、1時間室温で固定し、4℃で保存した。
保存していたカルチャースライドのウェル中の液をアスピレータで除き、蒸留水を400μL加え、再度アスピレータで液を除く洗浄操作を計3回行った後、カルチャースライドから仕切りを外し風乾させ、キシレン処理(キシレンを細胞にかけて、細胞に接着しているが、取り込まれていないビーズを除く操作)を行い、その後、風乾させた。ディフ・クイックで染色し、顕微鏡下(400倍の倍率)で細胞に含まれるビーズを計測した。ビーズ数が細胞当たり10個まではカウントした数値をそのまま記録し、細胞当たり11個以上の場合は正確なカウントが困難な場合があるので、10個以上と記載し、10個として処理した。細胞数の合計が100個になるまでカウントした。
カウントした値に基づいて、貪食率(一個以上のビーズを取り込んだ細胞数の全体の細胞数に対する割合)と貪食係数(細胞一個当たりの平均取り込み数)を算出した。
(3)結果
貪食率の比較では、陰性対照群に対して10μg/mL発酵処理物添加群が19.3%と約2.1倍、100μg/mL発酵処理物添加群が18.8%と約2.1倍、1000μg/mL発酵処理物添加群が19.0%と約2.1倍、高い値を示した(図1)。
貪食係数の比較においては、10μg/mL発酵処理物添加群が0.46(陰性対照群に対して約2.7倍)、100μg/mL発酵処理物添加群が0.43(陰性対照群に対して約2.5倍)、1000μg/mL発酵処理物添加群が0.33(陰性対照群に対して約2.0倍)と高い値を示した(図2)。なお、データを示していないが、本試験では、陰性対照群と比較して陽性対照群(1μg/mLのLPSを含む培養液A)が有意に高い貪食率および貪食係数が認められたので、試験の成立条件を満たしていると判断した。
〔5:免疫増強作用(2)〕
本発明の酵素処理物によるマクロファージ様細胞のTNF−α産生量増加効果を検討した。
(1)前培養
マウス由来マクロファージ様細胞株RAW264.7細胞(ECACC 91062072)は、4500mg/Lグルコースおよび10%FBS含有DMEM培地(以下、培養液Bという。)にて継代培養したものを用いた。培養には10cmシャーレを用い、2または3日毎に1〜2×10cells/pleteで植え継いだ。37℃に設定した5%COインキュベーター内で培養した。
(2)試験操作
以下、全ての試験操作はクリーンベンチ内で行った。
10cmシャーレにて前培養したRAW264.7細胞をピペッティグと0.25%トリプシンにより剥がし、培養液Bと合わせて10mLに調整して得られた細胞の懸濁液を50mL遠沈管に移した。懸濁液から50μLを取り出し、同量のトリパンブルーと混ぜ合わせた後、細胞数をカウントした。遠沈管を室温で、1000rpm(190×g)5分間遠心を行い、上清を捨て、細胞をペレットとして回収した。
測定した細胞数に基づいて培養液Bを加え、ピペッティングで均一に懸濁して1×10cell/mLの懸濁液を調整した。得られた細胞懸濁液を1mLずつ24well plateの各ウェルに加えた。37℃の5%COインキュベーターに移して、細胞がウェルの底に接着して伸展するまで24時間前培養を行った。
各濃度(1、2.5、5mg/mL)の酵素処理物を含む培養液Bおよび各濃度(0.1、0.5、1、2.5、5mg/mL)の発酵処理物を含む培養液Bを調製した。調製した各試験液1mLと各ウェルの培養液を置換した。置換後、37℃に設定した5%COインキュベーターに移し、24時間培養を行った。なお、陰性対照群として、発酵処理物を含まない培養液Bを使用した。
各試験液を各ウェルから150μL回収した。回収した各試験液それぞれに関して、専用のキット(R&Dsystems Quantikine Mouse ELISAkit)を用いて評価を行った。
(3)結果
酵素処理物はRAW264.7細胞のTNF−α産生量を増加させることが確認された(図3)。発酵処理物は濃度依存的(0.1mg/mLで24.9pg/mL、0.5mg/mLで35.1pg/mL、1mg/mLで36.4pg/mL、2.5mg/mLで56.9pg/mL、5mg/mLで115.7pg/mL)にRAW264.7細胞のTNF−α産生量を増加させることが確認された(図4)。
また、発酵処理物と酵素処理物との同濃度における効果を比較すると、発酵処理物は酵素処理物よりもRAW264.7細胞のTNF−α産生量を増加させる効果が高いことが確認された(図3、4)。なお、データを示していないが、本試験では、陰性対照群と比較して陽性対照群(1μg/mLのLPSを含む培養液B)は高いTNF−α産生値を示したので、試験の成立条件を満たしていると判断した。
〔6:ATP産生増強作用〕
本発明の酵素処理物による、マウス骨格筋由来細胞のATP産生量増加効果を検討した。
(1)前培養
マウス骨格筋由来細胞株C2C12細胞(ECACC RCB0987)は、10%FBS含有DMEM培地(以下、培養液Cという。)にて継代培養したものを用いた。培養には75cm培養フラスコを用い、3または4日毎に2〜4×10cells/mLで植え継いだ。37℃に設定した5%COインキュベーター内で培養した。
(2)試験操作
以下、全ての試験操作はクリーンベンチ内で行った。
75cm培養フラスコにて前培養したC2C12細胞に0.25%トリプシンを含有するPBS(−)溶液を加え、ピペッティングにより剥がし、得られた細胞の懸濁液を50mL遠沈管に移した。遠沈管を室温で、1000rpm、3分間遠心を行い、上清を捨て、培地を10mL添加し懸濁した。細胞懸濁液から50μLを取り、同量のトリパンブルーと混ぜ合わせた後、細胞数をカウントした。遠沈管を室温で、1000rpm、3分間遠心を行い、上清を捨て、細胞をペレットとして回収した。
測定した細胞数に基づいて培養液Cを加え、ピペッティングで均一に懸濁して1×10cells/mLの細胞懸濁液に調製した。ATP産生量測定用には96ウェルホワイトプレートに、タンパク質定量用には96ウェルプレートに、細胞懸濁液をそれぞれ0.1mLずつ播種した。37℃、5%COインキュベーターに移して、細胞がウェルの底に接着して伸展するまで24時間前培養を行った。
各濃度(0.1、0.5、1.0mg/mL)の発酵処理物を含む培養液Cを調製した。調製した各試験液0.1mLと各ウェルの培養液を置換した。置換後、37℃、5%COインキュベーターに移し、24時間培養を行った。なお、陰性対照群として、発酵処理物を含まない培養液Cを使用した。
ATP産生量測定用プレートの各ウェルに、細胞のATP測定試薬(東洋ビーネット製)を0.1mLずつ添加し、ルミノメーター(ARVO MX、PerkinElmer製)を用いて発光量を測定した。タンパク質定量用プレートはBCA protein Assay kit(サーモサイエンティフィック製)を用いて、ウェル中の総タンパク質定量を行った。
(3)結果
細胞あたりのATP産生量の比較では、0.1および0.5mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.5倍であり、1.0mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.6倍であった(図5)。なお、データを示していないが、本試験では、陰性対照群と比較して陽性対照群(2nMピルビン酸を含む培養液C)が有意に高いATP産生値を示したので、試験の成立条件を満たしていると判断した。
〔7:ミトコンドリア関連遺伝子(UCP3遺伝子、PGC1α遺伝子)の発現解析〕
本発明の酵素処理物刺激による、ミトコンドリア関連遺伝子(UCP3遺伝子、PGC1α遺伝子)の発現への影響を調べた。
(1)前培養
C2C12細胞は、培養液Cにて継代培養したものを用いた。培養には10cm細胞培養用シャーレを用い、3または4日毎に1〜2×10cells/mLで植え継いだ。37℃に設定した5%COインキュベーター内で培養した。
(2)試験操作
以下の試験操作はクリーンベンチ内で行った。
10cm細胞培養用シャーレにて前培養したC2C12細胞に0.25%トリプシンを含有したPBS(−)溶液を加え反応後、ピペッティングにより細胞を回収した。得られた細胞の懸濁液を50mL遠沈管に移し、室温で1000rpm(190×g)、3分間遠心を行った。上清を捨て、細胞をペレットとして回収した。
細胞数を計測し、5×10cells/mLの濃度に調整後、24ウェルプレートの各ウェルに500μLずつ加えた。37℃、5%COインキュベーターに移して、細胞がウェルの底に接着して伸展するまで2日間前培養を行った。分化誘導培地(2%FBS含有DMEM培地)に交換し、さらに4日間培養した。
各濃度(0.1、0.5、1.0mg/mL)の酵素処理物を含む培養液Cおよび各濃度(0.1、0.5、1.0mg/mL)の発酵処理物を含む培養液Cを調製した。調製した各試験液500μLと各ウェルの培養液Cを置換し、37℃、5%COインキュベーターに移して、6時間培養した。培養液Cを除き、細胞を300μLのISOGENに(ニッポンジーン製)に溶解した。添付のプロトコルに準じて、total RNAを抽出した。なお、陰性対照群として、発酵処理物を含まない培養液Cを使用した。
得られたtotal RNAは分光光度計を用いて濃度を測定し、500ngの total RNAを鋳型とし、PrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ製)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型とし、SYBR Premix EX Taq に(タカラバイオ製)およびLightCycler 480(ロシュ・ダイアグノスティックス製)を用いてリアルタイムPCRを行い、UCP3、PGC1α遺伝子の発現量を測定した。また、内部標準遺伝子としてはGAPDHの発現量を定量した。定量に用いたプライマーはBiosci. Rep.32,465−478(2012)に記載された配列をもとに作製した(表1参照)。
LightCycler 480専用ソフトウェア(ロシュ・ダイアグノスティックス製)を用いて解析した。
(3)結果
酵素処理物
ミトコンドリア関連遺伝子のうち、UCP3遺伝子の発現量の比較では、0.1mg/mL酵素処理物添加群が陰性対照群に対して約1.1倍、0.5mg/mL酵素処理物添加群が陰性対照群に対して約1.3倍、1.0mg/mL酵素処理物添加群が陰性対照群に対して約1.5倍であり、増加傾向(P=0.06)が認められた(図6)。
発酵処理物
ミトコンドリア関連遺伝子のうち、UCP3遺伝子の発現量の比較では、0.1mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.4倍、0.5mg/mL添加群が陰性対照群に対して約1.5倍、1.0mg/mL添加群が陰性対照群に対して約1.5倍であった(図7)。
PGC1α遺伝子の発現量の比較では、0.1mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.1倍、0.5mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.2倍、1.0mg/mL発酵処理物添加群が陰性対照群に対して約1.3倍であり、増加傾向が認められた(図8)。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
本発明のバナナ酵素処理物は、免疫増強剤、ミトコンドリア活性化促進剤として有用である。本発明のバナナ酵素処理物は飲食品、サプリメント等の成分として有用である。

Claims (12)

  1. (a)未熟なバナナから乾燥バナナを調製する乾燥バナナ調製工程、
    (b)乾燥バナナを酵素処理する酵素処理工程、及び
    (c)酵素処理物を発酵させる発酵処理工程、
    を含むことを特徴とする未熟なバナナの酵素及び発酵処理物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により製造された未熟なバナナの酵素及び発酵処理物。
  3. 酵素が、糖質分解酵素である請求項に記載の処理物
  4. 酵素が、糖質分解酵素および蛋白質分解酵素である請求項に記載の処理物
  5. 糖質分解酵素が、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ、ペクチナーゼ、ペクトリアーゼ、グルコアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、デキストラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼ、キシラナーゼおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする請求項3または4に記載の処理物
  6. 酵素処理前に、乾燥バナナをアルファ化処理することを特徴とする請求項〜5のいずれかに記載の処理物
  7. 発酵が、酵母、乳酸菌、納豆菌、麹菌、糸状菌および放線菌からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を用いて行われることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の処理物
  8. 水溶性粉末である請求項2〜7のいずれかに記載の処理物
  9. 請求項2〜8のいずれかに記載の処理物を含有することを特徴とする飲食品。
  10. 請求項2〜8のいずれかに記載の処理物を含有することを特徴とするサプリメント。
  11. 請求項2〜8のいずれかに記載の処理物を含有することを特徴とする免疫増強剤。
  12. 請求項2〜8のいずれかに記載の処理物を含有することを特徴とするミトコンドリア活性化促進剤。
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