JP2011184381A - アデノシン三リン酸産生促進剤及びアデノシン三リン酸産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性の高い天然抽出物の中からアデノシン三リン酸(ATP)産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とするATP産生促進剤、及び当該ATP産生促進剤を含有するATP産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤を提供する。
【解決手段】ATP産生促進剤に、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有せしめる。
【選択図】なし
【解決手段】ATP産生促進剤に、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有せしめる。
【選択図】なし
Description
本発明は、アデノシン三リン酸(ATP)産生促進剤及びアデノシン三リン酸(ATP)の産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤に関し、特に肝細胞におけるATPの産生を促進し得るATP産生促進剤及びATPの産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤に関する。
労働や運動により発生し蓄積する疲労を回復し、また労働や運動前に服用して労働や運動による疲労を予防することのできる抗疲労剤として、特定のビタミン類を有効成分とする錠剤やドリンク剤等の形態で市販されており、特にドリンク剤の需要は年々増加傾向にある。
一方で、脂肪は、高カロリー、高エネルギーの栄養素であるが、脂肪の構成成分である脂肪酸は、細胞内のミトコンドリアに取り込まれて、β酸化、TCAサイクル及び酸化的リン酸化反応を経て、多量の酸素を使用してアデノシン三リン酸(ATP)が産生され、エネルギーとして利用される。そのため、このATPの産生量が低下することによって、労働や運動等の活動に必要なエネルギーが不足し、その結果として疲労を招くと考えられており、細胞内のミトコンドリアにおけるATPの産生を促進することによって、疲労回復効果を向上することができると考えられる。
このような考えに基づいて、従来、ATP産生促進作用を有するものとして、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウ等の各植物からの抽出物(特許文献1参照)、ナンヨウスギ属植物からの抽出物(特許文献2参照)等が知られている。
本発明は、安全性の高い天然抽出物の中からATP産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とするATP産生促進剤、及び当該ATP産生促進剤を含有するATP産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有することを特徴とするアデノシン三リン酸産生促進剤を提供する。上記発明に係るアデノシン三リン酸産生促進剤は、特に肝細胞におけるアデノシン三リン酸の産生を促進することができる。
また、本発明は、上記アデノシン三リン酸産生促進剤を含有することを特徴とする肝細胞におけるアデノシン三リン酸の産生量の低下に起因する疾患の予防・治療剤を提供する。
本発明によれば、安全性の高い天然抽出物を有効成分として含有するATP産生促進剤、及び当該ATP産生促進剤を含有するATP産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤を提供することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明のATP産生促進剤は、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有する。
本発明のATP産生促進剤は、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有する。
本発明において「抽出物」には、所定の天然物を抽出原料として用いて得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
〔カキ抽出物の製造〕
カキは、世界中の海域に分布するオストレア属又はクラスオストレア属に属する二枚貝であって、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るカキとしては、イタボガキ(学名:Ostrea denseramellosa)フランスガキ(学名:Ostrea edulis)、オリンピアガキ(学名:Ostrea lurida)、マガキ(学名:Crassostrea gigas)、イワガキ(学名:Crassostrea nippona)、アメリカガキ(学名:Crassostrea virginica)、ポルトガルガキ(Crassostrea angulata)等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
カキは、世界中の海域に分布するオストレア属又はクラスオストレア属に属する二枚貝であって、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るカキとしては、イタボガキ(学名:Ostrea denseramellosa)フランスガキ(学名:Ostrea edulis)、オリンピアガキ(学名:Ostrea lurida)、マガキ(学名:Crassostrea gigas)、イワガキ(学名:Crassostrea nippona)、アメリカガキ(学名:Crassostrea virginica)、ポルトガルガキ(Crassostrea angulata)等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
カキ抽出物に含有されるATP産生促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、天然物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、カキからこの作用を有する抽出物を得ることができる。
例えば、殻から剥いたカキ(カキ肉)を所望により乾燥し、粉砕することなくそのまま抽出溶媒による抽出に供することにより、ATP産生促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって洗浄等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。前処理を行うことにより、カキの抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、例えば、40〜100℃、好ましくは60〜100℃の熱水、エタノール、エタノール水溶液等を例示することができる。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
エタノール水溶液を抽出溶媒として使用する場合、エタノールと水との混合比は適宜調整することができる。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもATP産生促進剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
〔ローヤルゼリー蛋白加水分解物の製造〕
ローヤルゼリー蛋白加水分解物は、ローヤルゼリーに水及び蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を添加し、加温及び加圧下で反応させることにより製造することができる。
ローヤルゼリー蛋白加水分解物は、ローヤルゼリーに水及び蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を添加し、加温及び加圧下で反応させることにより製造することができる。
ローヤルゼリーは、ミツバチ科ヨーロッパミツバチ(学名:Apis melifera L.)のうちの若い働き蜂の咽頭腺からの分泌物であり、女王蜂となる幼虫や成虫となった女王蜂に給餌されるものである。
ローヤルゼリーに添加される水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが挙げられる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が挙げられる。したがって、本発明においてローヤルゼリーに添加される水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
ローヤルゼリーに添加されるプロテアーゼとしては、ローヤルゼリー中のタンパク質を分解し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼ等を例示することができ、これらのうち、中性プロテアーゼを好適に用いることができる。
ローヤルゼリーに添加する水の添加量は、特に限定されるものではなく、ローヤルゼリー1質量部に対して2〜10質量部程度であればよい。また、プロテアーゼの添加量は、使用するプロテアーゼの種類にもよるが、例えば、プロテアーゼとして中性プロテアーゼ(デナチームAP,ナガセケムテックス社製)を使用した場合、ローヤルゼリー1質量部に対して0.005〜0.02質量部程度であればよい。
反応時における加温条件としては、例えば、40〜80℃程度であればよく、特に50℃程度であるのが好ましい。また、加圧条件としては、例えば、50〜150MPa程度であればよく、特に60MPa程度であるのが好ましい。
このようにして得られる酵素分解液に1,3−ブチレングリコールを添加し、所定期間冷所に放置し、生成したオリや沈殿を濾過することで、ローヤルゼリー蛋白加水分解物を得ることができる。
このようにして得られたローヤルゼリー蛋白加水分解物は、そのままATP産生促進剤の有効成分として使用してもよいし、当該ローヤルゼリー蛋白加水分解物を常法により希釈、濃縮、乾燥した希釈物、濃縮物、乾燥物、又は得られた乾燥物を所定の粒径に粉砕した粉砕物を上記有効成分として使用してもよい。
〔ヒハツ抽出物及び高麗人参抽出物の製造〕
ヒハツ(学名:Piper longum Linn.)は、東南アジアに広く分布するコショウ科コショウ属に属する常緑のつる性植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。また、ヒハツの果穂は、多肉質の太い円筒状であり、香辛料として利用されている。抽出原料として使用し得るヒハツの構成部位としては、例えば果穂、根、葉、茎、花等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を抽出原料として使用することができるが、特に果穂を使用するのが好ましい。
ヒハツ(学名:Piper longum Linn.)は、東南アジアに広く分布するコショウ科コショウ属に属する常緑のつる性植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。また、ヒハツの果穂は、多肉質の太い円筒状であり、香辛料として利用されている。抽出原料として使用し得るヒハツの構成部位としては、例えば果穂、根、葉、茎、花等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を抽出原料として使用することができるが、特に果穂を使用するのが好ましい。
高麗人参(学名:Panax ginseng C.A. Meyer,別名:朝鮮人参,オタネニンジン)は、中国、日本の東北地方等で栽培されているウコギ科トチバニンジン属に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るオタネニンジンの構成部位としては、例えば、葉部、茎部、花部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を抽出原料として使用することができるが、好ましくは根部である。
ヒハツ及び/又は高麗人参からの抽出物に含有されるATP産生促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、上記植物からこの作用を有する抽出物を得ることができる。
例えば、上記植物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、ATP産生促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記天然物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10〜90容量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもATP産生促進剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
〔黒ニンニク粉砕物の製造〕
黒ニンニクは、ニンニクを熟成させることにより得ることができるものであり、ニンニク(学名:Allium sativum)は、青森、中国等で栽培されているネギ科ネギ属に属する多年草の根茎部であって、これらの地域から容易に入手することができる。
黒ニンニクは、ニンニクを熟成させることにより得ることができるものであり、ニンニク(学名:Allium sativum)は、青森、中国等で栽培されているネギ科ネギ属に属する多年草の根茎部であって、これらの地域から容易に入手することができる。
黒ニンニクは、玄米を発酵させてなる玄米発酵物(例えば、米酢、黒酢、酒、味噌、しょうゆ等)にニンニクを漬け込み、そのニンニクを、遠赤外線を熱源として備える蒸し器にて30〜70℃で250〜350時間蒸してニンニクを熟成させることにより得ることができる。
このようにして得られた黒ニンニクを200℃程度に加温しながら5〜60MPaに加圧した後、瞬時に減圧して常圧にする。これにより、黒ニンニクを粉砕してなり、多孔質構造を有する黒ニンニク粉砕物を製造することができる。
以上のようにして得られるカキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物は、ATP産生促進作用を有しているため、その作用を利用してATP産生促進剤の有効成分として使用することができる。
また、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物は、特に肝細胞におけるATPの産生を促進する作用を有しているため、その作用を利用して、肝細胞におけるATP産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤の有効成分として使用することもできる。肝細胞におけるATP産生量低下に起因する疾患としては、例えば、高アンモニア血症等が挙げられる。
本発明のATP産生促進剤又は肝細胞におけるATP産生量低下に起因する疾患の予防・治療剤は、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上のみからなるものでもよいし、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を製剤化したものでもよい。
カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上は、他の組成物(例えば、飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
なお、本発明のATP産生促進剤は、必要に応じて、ATP産生促進作用を有する天然抽出物等を、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上とともに配合して有効成分として用いることができる。
本発明のATP産生促進剤の患者に対する投与方法としては、静脈内投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本発明のATP産生促進剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本発明のATP産生促進剤は、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上が有するATP産生促進作用を通じて、ATPの産生を促進することができ、特に肝細胞におけるATPの産生を促進することができる。これにより、運動や労働等によって蓄積した疲労を回復することができる。また、特に、肝細胞におけるATP産生量低下に起因する疾患(例えば、高アンモニア血症等)を予防・治療することができる。ただし、本発明のATP産生促進剤は、これらの用途以外にもATP産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
なお、本発明のATP産生促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の試験例に何ら制限されるものではない。なお、下記の試験例においては、試料としてカキ抽出物(丸善製薬社製,商品名:カキエキスパウダー,試料1)、ローヤルゼリー蛋白加水分解物(丸善製薬社製,商品名:脱蛋白ローヤルゼリー粉末,試料2)、ヒハツ抽出物(丸善製薬社製,商品名:ヒハツエキスパウダーMF,試料3)、高麗人参抽出物(丸善製薬社製,商品名:高麗人参エキスパウダーF,試料4)及び黒ニンニク粉砕物(丸善製薬社製,商品名:熟成黒にんにく爆砕パウダー,試料5)を使用した。
〔試験例1〕ATP産生促進作用試験
カキ抽出物(試料1)、ローヤルゼリー蛋白加水分解物(試料2)、ヒハツ抽出物(試料3)、高麗人参抽出物(試料4)及び黒ニンニク粉砕物(試料5)について、以下のようにしてATP産生促進作用を試験した。
カキ抽出物(試料1)、ローヤルゼリー蛋白加水分解物(試料2)、ヒハツ抽出物(試料3)、高麗人参抽出物(試料4)及び黒ニンニク粉砕物(試料5)について、以下のようにしてATP産生促進作用を試験した。
正常ヒト肝細胞(Hepatocyte)を、10%FBS含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有DMEMで希釈した後、コラーゲンコートした96wellプレートに1wellあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を抜き、10%FBS含有DMEMに試料を溶解した試料溶液(試料1〜5,試料濃度は下記表1を参照)を各wellに100μLずつ添加し、2時間培養した。
ATP産生促進作用は、ホタルルシフェラーゼ発光法を用いて細胞内のATP量を測定することにより評価した。すなわち、培養終了後、ATP測定試薬(商品名:『細胞の』ATP測定試薬,東洋ビーネット社製)を各wellに100μLずつ添加し、反応後の化学発光量を、化学発光測定装置(Bio-Tex Instruments, Inc.社製,製品名:KL-800)を用いて測定した。得られた結果から、下記式によりATP産生促進率(%)を算出した。
ATP産生促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「試料無添加時の化学発光量」を表し、Bは「試料添加時の化学発光量」を表す。
結果を表1に示す。
式中、Aは「試料無添加時の化学発光量」を表し、Bは「試料添加時の化学発光量」を表す。
結果を表1に示す。
表1に示すように、カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物(試料1〜5)は、いずれも肝細胞においてATPの産生を促進し得ることが判明した。
本発明のアデノシン三リン酸(ATP)産生促進剤は、運動や労働により蓄積した疲労の回復に大きく貢献できる。
Claims (3)
- カキ抽出物、ローヤルゼリー蛋白加水分解物、ヒハツ抽出物、高麗人参抽出物及び黒ニンニク粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有することを特徴とするアデノシン三リン酸産生促進剤。
- 肝細胞におけるアデノシン三リン酸の産生を促進することを特徴とする請求項1に記載のアデノシン三リン酸産生促進剤。
- 請求項2に記載のアデノシン三リン酸産生促進剤を含有することを特徴とする肝細胞におけるアデノシン三リン酸の産生量の低下に起因する疾患の予防・治療剤。
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