JP6034662B2 - ポリイミドフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、半導体組み立て用接着フィルムに用いられるポリイミドフィルムに関する。さらにはポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドを有する接着フィルムに関する。
電子機器類の小型・薄型・高機能化により、各種電子部品の小型・高集積化、電子部品の中でも特に半導体チップを搭載した半導体製品の小型・高集積化、が要請され、この要請に応える半導体チップのパッケージ形態の実現が重要とされている。
半導体チップの高密度実装を実現するパッケージ形態として、CSP(Chip Size Package)が提案されている。CSPの中でも、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)やSON(Small Outline None−leaded package)と呼ばれるパッケージ形態が、小型・高集積化を容易に実現可能な技術である点で特に注目される。
QFNの製造方法としては、生産性の高さの点で、複数のチップを一括封止するMAP(Molded Array Packaging)方式による製造方法が用いられることが多い。この製造方法は、次のようなものである。
はじめに、接着フィルム貼り合わせ工程において、リードフレームの一方の面に接着フィルムを貼着し、次いで、ダイボンディング工程において、リードフレームに複数形成された半導体素子搭載部(ダイパッド部)に、ICチップ等の半導体素子を各々搭載する。次に、ワイヤボンディング工程において、リードフレームの各半導体素子搭載部の外周に沿って配設された複数のリードと半導体素子とをボンディングワイヤにより電気的に接続する。次に、樹脂封止工程において、リードフレームに搭載された半導体素子を封止樹脂により封止し、その後、接着シート剥離工程において、接着シートをリードフレームから剥離することにより、複数のQFNが配列されたQFNユニットを形成することができる。最後に、ダイシング工程において、このQFNユニットを各QFNの外周に沿ってダイシングすることにより、複数のQFNを同時に製造することができる。
しかしながら、リードフレームと接着フィルムとの線膨張係数の違いに起因して、常温とリードフレーム貼り合わせ温度との温度差によってリードフレームに反りが発生することが問題となる。
かかる反りを減少させる手法として、例えば特許文献1には、テープの厚み方向に非貫通の凹部を長さ方向に亘って連続的にまたは繰り返して形成することが記載されている。
また特許文献2、3には接着フィルムの線膨張係数及び加熱収縮率の範囲を決めることで反りを低減する手法を提案している。
しかしながら、これらの手法では反りだけではなく、フィルムの異方性の影響による対角線上で発生する反り(ツイスト)を低減するのは不十分であった。
特開2011−204826号公報 特開2008−95063号公報 特許4251807号
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、反りの発生が抑制され、ツイストを低減された、半導体組み立て用接着フィルムに用いられるポリイミドフィルムを提供することを目的とする。また、リードフレームの厚みが薄い場合において、反りの発生が抑制され、ツイストを低減された、半導体組み立て用接着フィルムに用いられるポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリイミドフィルムの製膜幅が1m以上あって、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における式1で表される配向係数AI(45,135)値が全幅にわたって15以下であり、機械搬送方向(MD)及び幅方向(TD)の線膨張係数が10.0ppm/℃以上25.0ppm/℃以下の範囲であることを満足する場合に、半導体組み立て用接着フィルムとしてリードフレーム貼り合わせ時の反り及びツイストを抑制できることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]製膜幅が1m以上あって、
フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における超音波パルスの伝播速度Vを測定したときの式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が全幅にわたって15以下であり、かつ
機械搬送方向(MD)及び幅方向(TD)の線膨張係数が10.0ppm/℃以上25.0ppm/℃以下の範囲であり、半導体組み立て用接着フィルムに用いられることを特徴とするポリイミドフィルム。
AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
[2]少なくとも片面に接着剤層を有することを特徴とする前記[1]記載の接着性ポリイミドフィルム。
[3]接着剤層に用いる接着剤が、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤及び熱可塑性ポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の接着剤であることを特徴とする前記[2]記載のポリイミドフィルム。
[4]接着剤層に用いる接着剤が、熱可塑性ポリイミドであることを特徴とする前記[2]記載のポリイミドフィルム。
[5]リードフレームの厚みが2.0mm以下の半導体組み立てに用いられることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[6]ポリイミドフィルムがフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)の2軸延伸処理により延伸されており、MDの延伸が2段階延伸であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[7]パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上の酸無水物成分とを使用して製造されることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[8]ポリイミドフィルムが、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとパラフェニレンジアミンとのモル比が69/31〜90/10である芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とのモル比が80/20〜60/40である酸無水物成分とからなるポリアミド酸から製造される、又はパラフェニレンジアミンである芳香族ジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である酸無水物成分とからなり、芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とのモル比が40/60〜60/40であるポリアミド酸から製造されることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
本発明のポリイミドフィルムは、半導体組み立て用接着フィルムの用途において、リードフレーム接着時の反り、ツイストの発生を抑制できる。具体的には、リードフレーム接着時の反りにおいて、端部各々の反りを小さくできるとともに、端部各々の反りの差異を小さくすることができ、例えば、それぞれの反りを2mm以下にすることができる。従って、QFN、SON等の半導体組み立て用接着フィルムとして好適に用いることが可能である。さらに、リードフレームが薄い場合において、より効果的に反りの発生を抑制させ、ツイストを低減させることができる。
半導体用接着フィルムを貼り合わせたリードフレームの反りの測定方法を側面から示した概略図である。 本発明のポリイミドフィルムのAI(45,135)の測定位置を示す概略図である。白抜きの矢印は、フィルムの機械搬送方向(MD)を示す。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明の態様の一つは、製膜幅が1m以上あって、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における超音波パルスの伝播速度Vを測定したときの式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が全幅にわたって15以下であり、かつ機械搬送方向(MD)及び幅方向(TD)の線膨張係数が10.0ppm/℃以上25.0ppm/℃以下の範囲であり、半導体組み立て用接着フィルムに用いられることを特徴とするポリイミドフィルムである。
本発明の式1における超音波パルスの伝播速度(超音波速度ともいう)Vとは、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。SST−2500を使用するとフィルムの面方向0〜180°(0°はMD方向に平行)を11.25°刻みで16方向の超音波速度を自動的に測定される。得られた各方向の速度のうち、MDを基準として45°と135°における超音波速度V45、V135から式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が求められる。
AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
得られるAI(45,135)の値が小さければ小さいほど、対角線上における異方性が小さいフィルムであることを表す。本発明において、上記異方性指数は、通常15以下であり、反りの発生をより抑制できる点から、より好ましくは14以下であり、さらに好ましくは13以下であり、特に好ましくは12以下である。
フィルムの熱膨張係数αMDと及び幅方向(TD)の線膨張係数αTDとしては、半導体組み立て用接着フィルム用途において、反りを抑制できる点から、通常10.0〜25.0ppm/℃の範囲であり、更に、リードフレームの厚みが薄い(例えば、0.10〜1.5mm)場合において、反りが大きくなりやすい傾向であり、その反りを抑えることができることから、12.0〜22.0ppm/℃の範囲が好ましく、14.0〜20.0ppm/℃の範囲がより好ましい。αMDとαTDの線膨張係数の値が、上記範囲内ではリードフレームを貼り合わせたときの反りは2mm以内に抑制できるが、線膨張係数の値が10.0ppm/℃未満、25.0ppm/℃より大きい場合では反りは2mm以上と大きくなってしまうため、好ましくない。また、線膨張係数の値が10.0ppm/℃以上25.0ppm/℃以下の範囲内である場合に、ポリイミドフィルムのAI(45,135)値が15より大きくなると、リードフレームを貼り合わせたときの反りが2mm以上と大きくなるため、好ましくない。前記熱膨張係数は、いずれも島津製作所製TMA−50を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した値である。
本発明のフィルムは、半導体組み立て用接着フィルムに用いられ、例えば、QFN、SON等の用途が挙げられ、好適にはQFNが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、(1)芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させ、ポリアミド酸溶液を得る工程、(2)前記工程(1)で得られたポリアミド酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程、(3)前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸(以下、縦延伸ともいう)が2段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.00倍以上1.50倍以下であるMDとTDの2軸延伸処理する工程を含むことができる。
工程(1)は、芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミド酸溶液を得る工程である。
上記芳香族ジアミンの具体例としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンジジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5−アミノフェニル)ベンゼン又はこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。この中でフィルムの引張弾性率を高くする効果のあるパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミンの量を調整し、最終的に得られるポリイミドフィルムの引張弾性率が4.0GPa以上にすることが好ましく、具体的には、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の芳香族ジアミン成分が好ましい。これらの芳香族ジアミンは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの芳香族ジアミンのうち、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。パラフェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを併用する場合、(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、(ii)パラフェニレンジアミンとを69/31〜90/10(モル比)で用いることがより好ましく、70/30〜85/15(モル比)で用いることがとりわけ好ましい。
上記酸無水物成分の具体例としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、又はこれらのアミド形成性誘導体等の酸無水物が挙げられ、芳香族テトラカルボン酸の酸二無水物が好ましく、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。これらの酸無水物成分は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらのうち、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを80/20〜60/40(モル比)で用いることがより好ましく、75/25〜65/35(モル比)で用いることがとりわけ好ましい。
本発明において、ポリアミド酸溶液の形成に使用される有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素の使用も可能である。
重合方法は公知のいずれの方法で行ってもよく、特に限定されないが、例えば、(i)先に芳香族ジアミン成分全量を有機溶媒中に入れ、その後酸無水物成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるように加えて重合する方法、(ii)先に酸無水物成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を酸無水物成分と当量になるように加えて重合する方法、(iii)一方の芳香族ジアミン成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して酸無水物成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン成分を添加し、続いて酸無水物成分を全芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法、(iv)酸無水物成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、酸無水物成分を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン成分を全芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とがほぼ当量になるように添加して重合する方法、(v)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるように反応させてポリアミド酸溶液(A)を調製し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミド酸溶液(B)を調製する。次いで、得られた各ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法、(vi)(v)において、ポリアミド酸溶液(A)を調製するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では酸無水物成分を過剰に、またポリアミド酸溶液(A)で酸無水物成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせ、これら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とがほぼ当量になるよう調製する方法等が挙げられる。
こうして得られるポリアミド酸溶液は、固形分を5〜40重量%含有しているものが好ましく、10〜30重量%含有しているものがより好ましい。また、ポリアミド酸溶液の粘度は、JIS K6726_1994に従い、ブルックフィールド粘度計を用いた回転粘度計法による測定値であり、特に限定されないが、10〜2000Pa・s(100〜20000poise)のものが好ましく、安定した送液の供給という点から、100〜1000Pa・s(1000〜10000poise)のものがより好ましい。また、有機溶媒溶液中のポリアミド酸は部分的にイミド化されていてもよい。
本発明のポリアミド酸溶液は、フィルムの易滑性を得るため必要に応じて、酸化チタン、微細シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ポリイミドフィラー等の化学的に不活性な有機フィラー又は無機フィラー等を含有していてもよい。
本発明に用いる無機フィラー(無機粒子)は、特に限定されないが、全粒子の粒子径が0.005μm以上2.0μm以下の無機フィラーが好ましく、全粒子の粒子径が0.01μm以上1.5μm以下の無機フィラーがより好ましい。前記粒子径は、堀場製作所のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いて測定することができる。
本発明に用いるフィラーは、特に限定されないが、ポリアミド酸溶液の重量に対して0.03重量%以上1.0重量%未満の割合で、フィルム中に均一に分散されていることが好ましく、易滑性効果の点から0.30重量%以上0.80重量%以下の割合がより好ましい。1.0重量%以上では機械的強度の低下が見られ、0.03重量%以下では十分な易滑性効果が見られず好ましくない。
工程(2)は、前記工程(1)で得られたポリアミド酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程である。前記ポリアミド酸溶液を環化反応させる方法は、特に限定されないが、具体的には、(i)前記ポリアミド酸溶液をフィルム状にキャストし、熱的に脱水環化させてゲルフィルムを得る方法(熱閉環法)、又は(ii)前記ポリアミド酸溶液に環化触媒及び転化剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、加熱により、ゲルフィルムを得る方法(化学閉環法)等が挙げられ、得られるポリイミドフィルムについて、他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できる点で後者の方法が好ましい。上記ポリアミド酸溶液は、ゲル化遅延剤等を含有することができる。ゲル化遅延剤としては、特に限定されず、アセチルアセトン等を使用することができる。
前記環化触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン;ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン;イソキノリン、ピリジン、β−ピコリン等の複素環第3級アミン等が挙げられ、イソキノリン、ピリジン及びβ−ピコリンからなる群から選ばれる1種以上の複素環式第3級アミンが好ましい。前記転化剤としては、特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族カルボン酸無水物;無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物等が挙げられ、無水酢酸及び/又は無水安息香酸が好ましい。これらの環化触媒及び転化剤の含有量は、特に限定されないが、ポリアミド酸溶液100重量%に対して、それぞれ10〜40重量%程度が好ましく、15〜30重量%程度がより好ましい。
前記ポリアミド酸溶液又はポリアミド酸溶液に環化触媒及び転化剤を混合した混合溶液は、スリット状口金を通ってフィルム状に成型され、加熱された支持体上に流延され、支持体上で熱閉環反応をし、自己支持性を有するゲルフィルムとなって支持体から剥離される。
前記支持体としては、特に限定されないが、金属(例えばステンレス)製の回転ドラム、エンドレスベルト等が例として挙げられ、支持体の温度は(i)液体又は気体の熱媒体、(ii)電気ヒーター等の輻射熱等により制御され、特に限定されない。
前記ゲルフィルムは、前記ポリアミド酸溶液又はポリアミド酸溶液に環化触媒及び転化剤を混合した混合溶液を、支持体からの受熱、熱風又は電気ヒーター等の熱源からの受熱により、好ましくは30〜200℃、より好ましくは40〜150℃に加熱して閉環反応させ、遊離した有機溶媒等の揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するようになり、支持体から剥離されることにより得られる。
工程(3)は、前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸が2段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.00倍以上1.50倍以下であるMDとTDへの2軸延伸処理する工程である。
前記支持体から剥離されたゲルフィルムは、回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向(MD)に延伸される。回転ロールには、ゲルフィルムの走行速度を規制する必要な把持力が必要であり、回転ロールとしては、金属ロールとゴムロールを組み合わせてなるニップロール、バキュウムロール、多段張力カットロール又は減圧吸引方式のサクセションロール等を使用するのが好ましい。
工程(3)において、2軸延伸処理を行う。前記2軸延伸処理の順番は、特に限定されないが、機械搬送方向(MD)の延伸(縦延伸)を行ったのち、幅方向(TD)の延伸(以下、横延伸ともいう)を行うのが好ましい。また、縦延伸を行い、次いで加熱処理をしたのち横延伸を行う工程、又は縦延伸を行い、次いで加熱処理と並行して、横延伸を行う工程が、他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できる点から、より好ましい。
前記2軸延伸処理におけるMDの延伸(縦延伸)は、ポリイミドフィルムについて、他の構成要件との組み合わせによって反りを抑制するために、2段階にわけて行う。MDへの2段階延伸において、第1段階目の延伸倍率(以下、縦延伸率ともいう)は、特に限定されないが、1.02倍以上1.50倍以下が好ましく、均一に反りを抑制できる点から、1.05倍以上1.30倍以下がより好ましい。第2段階目のMDの延伸倍率は、1.00倍以上1.30倍以下が好ましく、他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できる点から、1.02倍以上1.20倍以下がより好ましい。また、本発明において、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合は、他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できる点から、MDの総延伸倍率の40%以上が好ましい。ここで、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合の算出方法は、下記の通りである。
Figure 0006034662
例えば、延伸倍率1.1倍というのは、基本長(延伸前の長さ)1に対して0.1倍延ばした状態である。したがって、延伸倍率から1を引いて算出する。MDの総延伸倍率は、特に限定されないが、1.02倍以上1.50倍以下が好ましく、1.05倍以上1.30倍以下がより好ましい。MDの延伸温度は、特に限定されないが、60〜100℃程度が好ましく、65〜90℃程度がより好ましい。MDの延伸速度は、特に限定されないが、2段階延伸を行う場合、他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できる点から、該2段階延伸の第1段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該2段階延伸の第2段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。MDへの2段階延伸において、各段階の延伸時間は、特に限定されないが、5秒〜5分程度であり、10秒〜3分が好ましい。前記した縦延伸のパターンとしては、延伸倍率1から前記延伸倍率まで、一気に延伸する方法、逐次に延伸する方法、少しずつ不定率な倍率で延伸する方法、少しずつ定率な倍率で延伸する方法、又はこれらを複数組合せた方法等を挙げることが出来、特に少しずつ定率な倍率で延伸する方法が好ましい。
前記MDの延伸を行ったのち、加熱処理を行う場合、加熱温度は、特に限定されないが、MDの延伸時の温度より高い温度が好ましく、通常80〜550℃程度であり、180〜500℃程度が好ましく、200〜450℃程度がより好ましい。80℃未満で延伸を開始すると、フィルムが硬くて脆い場合があり延伸が困難になるおそれがある。加熱処理時間は、30秒〜20分が好ましく、50秒〜10分がより好ましい。また、加熱処理は、異なる温度で多段階的(2段階、3段階等)に行ってもよい。例えば、多段階で加熱処理を行う場合の第1段階の加熱温度は、特に限定されないが、溶媒を十分に除去するために、80℃以上300℃以下が好ましく、100℃以上290℃以下がより好ましく、120℃以上285℃以下がさらに好ましい。多段階で加熱処理を行う場合の最終段階の加熱温度は、第1段階の加熱温度より高い温度であって、第1段階の加熱温度の設定と異なれば特に限定されず、例えば、300℃より大きく550℃以下が好ましく、320℃以上500℃以下がより好ましく、350℃以上450℃以下がさらに好ましい。第1段階の加熱温度が最終段階の加熱温度より高いと、溶媒が急激に蒸発してしまい、得られるフィルムが脆くなり、実用的でない。多段階加熱処理の場合の各段階の処理時間は、前記と同様である。加熱処理には、温度の異なる複数のブロック(ゾーン)を有するキャステイング炉又は加熱炉等の加熱装置等を用いることができる。加熱処理は、ピン式テンター装置、クリップ式テンター装置、チャック等によりフィルムの両端を固定して行うことが好ましい。当該加熱処理により、溶媒を除去することができる。
MDに延伸されたゲルフィルムは、テンター装置に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方向(TD)へ延伸される。TDの延伸倍率(以下、横延伸率ともいう)としては、特に限定されないが、1.35倍以上2.0倍以下が好ましく、他の構成要件との組み合わせによって、均一な配向にできる点から、1.40倍以上1.8倍以下がより好ましい。前記TDの延伸倍率は、実施例における横延伸率を意味する。TDの延伸倍率(横延伸率)は、MDの延伸倍率(縦延伸率)より高く設定する必要があり、具体的には、通常MDの総延伸倍率の1.00倍以上1.50倍以下であり、他の構成要件との組み合わせによって、均一な配向にできる点から、1.01倍以上1.45倍以下が好ましい。MDの延伸が前記2段階延伸であり、かつフィルムのMDの延伸倍率に比べTDの延伸倍率を高く設定し、他の構成要件との組み合わせによって、均一な配向にしたフィルムを得ることができる。TDの延伸は、前記加熱処理後に行ってもよく、前記加熱処理前に行ってもよいが、均一な配向にできる点から、前記加熱処理と並行して行うのが好ましい。TDの延伸の延伸時間は、特に限定されないが、5秒〜10分程度であり、10秒〜5分が好ましい。上記横延伸のパターンとしては、延伸倍率1から上記横延伸倍率まで、一気に延伸する方法、逐次に延伸する方法、少しずつ不定率な倍率で延伸する方法、少しずつ定率な倍率で延伸する方法、又はこれらを複数組合せた方法等を挙げることができる。特に、横延伸と多段階加熱処理を並行して行う場合、第1段階の加熱処理時に、TDの延伸倍率が最大延伸率となるように設定し、少しずつ延伸倍率を低下させることが好ましい。また、第1段階の加熱処理後もさらにTDの延伸倍率を少しずつ上げ、第2段階又は最終段階の加熱処理時にTDの延伸倍率が最大延伸率となるように設定することも好ましい。
さらに幅方向の全幅において所望の反りを抑制できるポリイミドフィルムを製造するには、鋭意精査した結果、フィルムをTD延伸する時の溶媒残存率が影響することがわかった。溶媒が十分に除去された状況でフィルムをTD方向への延伸をしてしまうと、TD方向への延伸とMD方向への張力によりフィルムの端部では斜めに配向してしまうが、ポリアミド酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程におけるゲルフィルムに含まれる溶媒量を100%としたとき、乾燥工程における溶媒残存率が50〜90%のとき幅方向(TD)への延伸を行うと、MD方向への張力がフィルム自身で緩和され、全幅において均一な配向を有するポリイミドフィルムを製造することができる。さらに、反り、ツイストの一因となる配向のバラツキをより抑えられる点から、横延伸率が50%のときに溶媒残存率が50〜90%であるのがより好ましく、横延伸率が50%のときに溶媒残存率が50〜90%であって、かつ横延伸率が80%のときに溶媒残存率が50〜90%であるのがさらに好ましく、横延伸が50%のときに溶媒残存率が60〜90%であって、かつ横延伸率が80%のときに溶媒残存率が55〜70%であるのが特に好ましい。前記配向の測定は、例えば、図2に示される位置において行われる。具体的には、製膜幅(2a)が1m以上である場合、フィルムの機械搬送方向(MD)と垂直方向の直線上に製膜幅両端から200mm内側に入った両2点(2b、2b’)を選び、該2点を結ぶ直線の範囲内で、該2点を含む直線上の中央部±200mm以内の1点(2c)と、さらに任意の2点(2d、2d’)を選び、少なくともこれらの5点が挙げられる。測定点は、フィルムの製膜幅に応じて、任意に増やすことができ、測定点を増やすことにより、本発明の物性を維持していることを確認できる。製膜幅は、特に限定されないが、通常1m以上であり、1.5m以上であってもよい。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法の第二の態様について、以下に詳しく説明する。製造方法の第二の態様は、例えば、(1)芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させ、ポリアミド酸溶液を得る工程、(2)前記工程(1)で得られたポリアミド酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程、(3)前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸(以下、縦延伸ともいう)が3段階以上の多段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.00倍以上1.50倍以下であるMDとTDの2軸延伸処理する工程を含むことができる。
第二の製造態様において、工程(3)は、前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸が3段階以上の多段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.00倍以上1.50倍以下であるMDとTDへの2軸延伸処理する工程である。
前記工程(2)における支持体から剥離されたゲルフィルムは、回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向(MD)に延伸される。回転ロールには、ゲルフィルムの走行速度を規制する必要な把持力が必要であり、回転ロールとしては、金属ロールとゴムロールを組み合わせてなるニップロール、バキュウムロール、多段張力カットロール、又は減圧吸引方式のサクセションロール等を使用するのが好ましい。
工程(3)において、2軸延伸処理を行う。前記2軸延伸処理の順番は、前記第一の製造態様と同様に行うことができる。
前記第二の製造態様では、前記2軸延伸処理におけるMDの延伸(縦延伸)は、3段階以上の多段階にわけて行う。MDの延伸(縦延伸)は、3段階以上であれば、特に限定されず、3段階、4段階、5段階等で行ってもよいが、得られるフィルムの線熱膨張係数の均一性が高い点から3段階延伸が好ましい。
MDの各段階の延伸倍率は、特に限定されないが、例えば、3段階延伸の場合、第1段階目の延伸倍率は、特に限定されないが、1.02倍以上1.50倍以下が好ましく、1.04倍以上1.30倍以下がより好ましい。第2段階目のMDの延伸倍率は、1.00倍以上1.40倍以下が好ましく、1.02倍以上1.30倍以下がより好ましい。第3段階目のMDの延伸倍率は、1.00倍以上1.30倍以下が好ましく、1.00倍以上1.10倍以下がより好ましい。また、本発明においては、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合は、40%以上が好ましい。また、MDの総延伸倍率に対する第2段階目の延伸倍率の割合が、5%以上であることが好ましく、8%以上30%以下であることがより好ましい。MDの総延伸倍率は、特に限定されないが、1.04倍以上1.4倍以下が好ましく、1.05倍以上1.3倍以下がより好ましい。MDの総延伸倍率に対する各MD延伸の延伸倍率の割合の算出方法については、上記第一の態様で述べた通りである。
MDの延伸温度は、前記第一の製造態様と同様に行うことができる。MDの延伸速度は、目的とする線熱膨張係数が得られる条件を適宜選択すればよく、特に限定されないが、3段階延伸を行う場合、該3段階延伸の第1段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該3段階延伸の第2段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該3段階延伸の第3段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。MDへの3段階延伸において、各段階の延伸時間は、特に限定されないが、2秒〜5分程度であり、5秒〜3分が好ましい。縦延伸及び横延伸のパターンは、第一の製造態様と同様に行うことができる。
MDの延伸後の加熱処理及びTDの延伸は、第一の製造態様と同様に行うことができる。これらの範囲内にて延伸倍率の調整を行い、かつ溶媒残存率を調整することで、所望の異方性指数を有し、かつ他の構成要件との組み合わせによって均一に反りを抑制できるフィルムを製造することができる。
本発明のポリイミドフィルムの厚さは、特に限定されないが、1μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましく、5μm以上50μm以下範囲とすることがより好ましい。
第一の製造態様又は第二の製造態様によって得られたポリイミドフィルムについて、必要に応じてアニール処理を行ってもよい。アニール処理によってフィルムの熱リラックスが起こり加熱収縮率を小さく抑えることができる。アニール処理の温度としては、特に限定されないが、200℃以上500℃以下が好ましく、200℃以上370℃以下がより好ましく、210℃以上350℃以下が特に好ましい。アニール処理からの熱リラックスにより200℃での加熱収縮率をフィルムのMD、TD共に0.05%以下に抑えることができるのでより一層高寸法精度が高くなり好ましい。具体的には200℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上370℃以下、特に好ましくは210℃以上350℃以下の炉の中を、低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行うことが好ましい。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントロールすることになり、30秒〜5分の処理時間であることが好ましい。これより処理時間が短いとフィルムに充分熱が伝わらず、長いと過熱気味になり平面性を損なうので好ましくない。また、走行時のフィルム張力は10〜50N/mが好ましく、20〜30N/mがより好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなるので好ましくない。
得られたポリイミドフィルムに接着性を持たせるため、フィルム表面にコロナ処理やプラズマ処理のような電気処理又はブラスト処理のような物理的処理を行ってもよい。プラズマ処理を行う雰囲気の圧力は、特に限定されないが、通常13.3〜1330kPaの範囲、13.3〜133kPa(100〜1000Torr)の範囲が好ましく、80.0〜120kPa(600〜900Torr)の範囲がより好ましい。
プラズマ処理を行う雰囲気は、不活性ガスを少なくとも20モル%含むものであり、不活性ガスを50モル%以上含有するものが好ましく、80モル%以上含有するものがより好ましく、90モル%以上含有するものが最も好ましい。前記不活性ガスは、He、Ar、Kr、Xe、Ne、Rn、N2及びこれらの2種以上の混合物を含む。特に好ましい不活性ガスはArである。さらに、前記不活性ガスに対して、酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、テトラフルオロメタン(カーボンテトラフルオリド)、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等を混合してもよい。本発明のプラズマ処理の雰囲気として用いられる好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/モノシラン、アルゴン/ヘリウム/ジシラン等が挙げられる。
プラズマ処理を施す際の処理電力密度は、特に限定されないが、200W・分/m以上が好ましく、500W・分/m以上がより好ましく、1000W・分/m以上が最も好ましい。プラズマ処理を行うプラズマ照射時間は1秒〜10分が好ましい。プラズマ照射時間をこの範囲内に設定することによって、フィルムの劣化を伴うことなしに、プラズマ処理の効果を十分に発揮することができる。プラズマ処理のガス種類、ガス圧、処理密度は上記の条件に限定されず大気中で行われることもある。
本発明のフィルムの態様の一つは、前記した異方性指数と線膨張係数を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を有する接着性ポリイミドフィルムである。これは、前記した用途(例えば、QFNテープ等)に好適に使用できる。前記接着剤層は、片面であっても両面であってもよい。本発明に用いる接着剤には、公知の接着剤(例えば、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤、熱可塑性ポリイミド等)の使用が可能であり、特に限定されず、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。しかしながら、樹脂封止時の加熱条件は通常170〜180℃であることから、前記公知の接着剤のそれぞれのうち、特に耐熱性に優れた接着剤を使用することが好ましい。また、接着剤には、必須ではないが、必要に応じて、公知の酸化防止剤や、接着性、ハンドリング性を調整するための公知のフィラー等を添加してもよい。
リードフレーム貼り合わせ工程において、高温接着剤であるエポキシ系接着剤や熱可塑性ポリイミド、またそれらとアクリル系接着剤やシリコン系接着剤との混合系等を用いる場合、熱接着を行うことにより、リードフレームと貼り合わせることになるが、これにより、反りが発生する。より、詳細には、これらの接着剤をリードフレーム貼り合わせ工程で用いた場合、例えば、リードフレームの線膨張係数(例えば、約17ppm/℃)が接着フィルム(前記非熱可塑性ポリイミドフィルム+接着剤層)の線膨張係数よりも大きい場合、接着フィルムは、熱接着時にリードフレームに合わせて伸びるが、その後冷却すると、リードフレームは元のサイズに戻ることができるのに対して、接着フィルムは、リードフレームと接着フィルムの線膨張係数の差分だけ伸びきったまま戻りきれず、反りが発生する。
本発明に用いる熱可塑性ポリイミドは、前駆体であるポリアミド酸をイミド化することにより得られる。熱可塑性ポリイミドの前駆体についても、特に限定されるわけではなく、公知のあらゆるポリアミド酸を用いることができる。またその製造に関しても、公知の原料や反応条件等を用いることができる。また、必要に応じて、公知の無機又は有機物のフィラーを添加してもよい。本発明には、熱可塑性ポリイミド層を、前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に有するフィルムも含まれる。前記熱可塑性ポリイミド層は、前記ポリイミドフィルムの両面に設けられていてもよい。
熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、特に限定されないが、通常150〜350℃の範囲であり、190〜350℃の範囲が好適である。
本発明の接着性ポリイミドフィルムは、上述の連続的に生産された特定のポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を設けることにより得られる。その具体的な製造方法としては、基材フィルムとなるポリイミドフィルムに接着剤層を形成する方法、又は接着剤層をシート状に成形し、これを上記ポリイミドフィルムに貼り合わせる方法等が好適に例示される。前者の方法を採り、接着剤に熱可塑性ポリイミドを使用する場合、接着剤層に含有される熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を完全にイミド化してしまうと、有機溶媒への溶解性が低下する場合があることから、ポリイミドフィルム上に上記接着層を設けることが困難となる場合がある。従って、上記観点から、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有する溶液を調製して、これを基材フィルムに塗布し、次いでイミド化する手順を採った方がより好ましい。
以下、接着剤に熱可塑性ポリイミドを使用する場合を例として、説明するが、他の接着剤を使用しても、同様に製造することができる。ポリアミド酸溶液をポリイミドフィルムに流延、塗布する方法については特に限定されず、ダイコーター、リバースコーター、ブレードコーター等、既存の方法を使用することができる。接着層は連続的に形成する場合に、発明の効果が顕著となる。すなわち、上述のようにして得られたポリイミドフィルムを巻き取り、これを繰り出して、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含む溶液を、連続的に塗布する方法である。また、前記ポリアミド酸溶液には、用途に応じて、例えば、フィラーのような他の材料を含んでもよい。また耐熱性接着フィルム各層の厚み構成については、用途に応じた総厚みになるように適宜調整すればよい。
イミド化の方法としては、加熱イミド化法若しくは化学的イミド化法のどちらも用いることができる。いずれのイミド化手順を採る場合も、イミド化を効率良く進めるために加熱を行うが、その時の温度は、(熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度−100℃)〜(ガラス転移温度+200℃)の範囲内に設定することが好ましく、(熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度−50℃)〜(ガラス転移温度+150℃)の範囲内に設定することがより好ましい。加熱温度は高い方がイミド化が起こりやすいため、イミド化速度を速くすることができ、生産性の面で好ましい。但し、高すぎると熱可塑性ポリイミドが熱分解を起こすことがある。一方、加熱温度が低すぎると、化学的イミド化でもイミド化が進みにくく、イミド化工程に要する時間が長くなってしまう。
イミド化時間に関しては、実質的にイミド化及び乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、特に限定されるものではない。
接着層の厚さは、0.1μm以上20.0μm以下が好ましく、0.1μm以上10.0μm以下がより好ましく、0.5μm以上8.0μm以下がさらに好ましい。
本発明のポリイミドフィルムを適用するリードフレームの厚みは、特に限定されないが、通常2.0mm以下であり、好ましくは0.10mm以上1.5mm以下の範囲であり、より好ましくは0.15mm以上1.0mm以下の範囲である。特に本用途では、半導体パッケージも小型化の傾向があることから、リードフレームも薄厚が好まれる。本発明で用いるリードフレームは、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、銅、銅合金等を使用することができる。
本発明の態様の一つとしては、例えば、前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を具備し、リードフレームに剥離可能に貼着される半導体装置製造用接着シートにおいて、前記接着剤層の接着剤が、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤及び熱可塑性ポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の接着剤であることを特徴とする半導体装置製造用接着シート等が挙げられる。
本発明において、得られた半導体組み立て用接着フィルムをリードフレーム(TD方向50mm×MD方向200mm)に熱接着した後、平坦な場所にサンプルを静置し、室温で図1のようにサンプル端部の床からの反り上がり量(1d)を測定し、反りの値とした。
本発明のポリイミドフィルムを用いて得られる半導体組み立て用接着フィルムにおいては、リードフレームを貼り合わせた後の4方端部の反りの平均値が、2.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましく、1.0mm以下であることが特に好ましい。また各サンプル4方端部の反りの最大値から最小値を差し引いた値をツイストとして評価した。ツイストは2.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましく、1.0mm以下であることが特に好ましい。
上記反りの測定方法は特に限定されるものではなく、半導体組み立て用接着フィルムにおいて、リードフレーム貼り合わせ後に生じる反りを測定できる方法であれば、従来公知のどのような方法でも用いることができる。
なお、反りを測定する際のリードフレーム貼り合わせ工程の具体的な条件は特に限定されるものではない。すなわち、接着剤の種類、厚みに応じてリードフレーム貼り合わせ工程の条件は異なるので、本発明において反りを測定する際のリードフレーム貼り合わせ工程の条件は従来公知のどのような条件であってもよい。
反りが2.0mmを超えると、半導体組み立て時において反り、ツイストが大きくなってしまい、ICチップ等の半導体素子を各々搭載する工程(ダイボンディング工程)やリードフレームのリード部と半導体素子とをボンディングワイヤで接続する工程(ワイヤボンディング工程)においての位置ずれや、リードフレームの表面の半導体素子を樹脂で封止する工程(樹脂封止工程)における樹脂漏れを発生させる。換言すれば、AI(45,135)及び線膨張係数が上記範囲内であれば、半導体組み立て時において、反り、ツイストの影響が小さくなり、半導体組み立て工程に支障がないと見なすことが可能になる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
本発明における各種特性の測定方法について以下に説明する。
(1)AI(45,135)
本発明における超音波パルスの伝播速度Vとは、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。SST−2500を使用するとフィルムの面方向0〜180度(0度はMD方向に平行)を11.25°刻みで16方向の超音波速度を自動的に測定される。得られた各方向の速度のうち、MD方向を基準として45°と135°における音波速度V45、V135から式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が求められる。下記実施例及び比較例によって得られたフィルムを用いて、図2に示される位置にてそれぞれ測定を行った。
AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
(2)熱膨張係数測定
幅5mm×長さ10mmのサイズのサンプルを採取し、島津製作所製TMA−50を使用し、各サンプルを下記条件で加熱した。
1st昇温:室温→300℃(昇温速度10℃/分)
降温 :300℃→35℃(降温速度5℃/分)
2nd昇温:35℃→220℃(昇温速度10℃/分)
線膨張係数の解析は、2nd昇温での温度範囲50℃〜200℃の条件で行った。
[ポリイミド合成例1]
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)を、モル比で80/20/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、3500poiseのポリアミド酸溶液を得た。
[ポリイミド合成例2]
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)を、モル比で65/35/80/20の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、3500poiseのポリアミド酸溶液を得た。
[熱可塑性ポリイミドの合成例A]
1、3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを溶媒ジメチルアセトアミドに加え、溶解するまで撹拌した。その後、4、4’−ジオキシジフタル酸無水物を加え、撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。ジメチルアセトアミド中の固形分は15%であり、Tgは217℃であった。
[実施例1]
合成例1で得たポリアミド酸溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンを、ポリアミド酸溶液に対しそれぞれ17重量%、17重量%の割合で混合、撹拌した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する75℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.05mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、2組のニップロールを経て搬送した。その際ステンレス製ドラム(R1)、最初のニップロール(R2)、2番目のニップロール(R3)それぞれの回転速度を変えることで縦延伸を2段階で行い、それぞれの延伸率が下記表1記載の値になるように65℃で縦延伸を行った。縦延伸後、フィルムの両端を把持し、加熱炉にて250℃×50秒、400℃×75秒処理し、幅1.0m、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。横延伸は、溶媒を除去する加熱炉を通過時(250℃×50秒)に最大になるように設定した。前記した加熱炉通過時の延伸倍率を最大延伸率とし、加熱炉通過後は、横延伸倍率は低下していく。横延伸率は最大横延伸率のフィルム幅をドラム引き剥がし後のゲルフィルム幅で割った値として求めた。横延伸率を下記表1に示す。得られたポリイミドフィルムについて、図2に示す5点(2b、2b’、2c、2d、2d’)についてAI(45,135)を求め、下記表2に示す。
[半導体組み立て用接着フィルムの製造方法]
実施例1で作製したフィルムに、合成例Aの熱可塑性ポリイミドのポリアミック酸溶液を乾燥後の厚さで2.0μmになるように塗布し、150℃で10分間、350℃で1分間熱イミド化させた。
[反りの測定]
前記接着フィルムのAI(45,135)及び熱膨張係数を測定した5箇所について、前記各測定点を中心として、TD方向50mm×MD方向200mmとなるように切り出し、該接着フィルムに、TD方向50mm×MD方向200mmの厚み0.50mmの銅でできたリードフレームを250℃で貼り合わせ、得られた5サンプルにおいて、各端部の反り(1d)を図1に示したように測定した。反りは平坦な場所にサンプルを静置し、室温で図1のように各サンプル端部の床からの反り上がり量(mm)の4方端部の平均値から求めた。また各サンプル4方端部の反りの最大値から最小値を差し引いた値をツイストとして評価した。
[実施例2〜3]
使用したポリアミド酸溶液、縦延伸率、横延伸率、乾燥温度、フィルム膜厚をそれぞれ表1のように設定した以外は、実施例1と同様にして得られた各ポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に接着フィルムにした後、リードフレームと貼り合わせ、反り、ツイストを求めた。結果を下記表2に示す。
[比較例1、2]
使用したポリアミド酸溶液、縦延伸率、横延伸率、乾燥温度、フィルム膜厚をそれぞれ表1のように設定した以外は、実施例1と同様にして得られた各ポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に接着フィルムにした後、リードフレームと貼り合わせ、反り、ツイストを求めた。結果を下記表2に示す。
Figure 0006034662
Figure 0006034662
上記結果から、本発明のポリイミドフィルムは、反り及びツイストを抑制できることが確認できた。一方、比較例1及び2では、本発明のポリイミドフィルムに比べて、反り及びツイストを抑制できなかった。
本発明のポリイミドフィルムは、半導体組み立て用接着フィルムに有用である。
1a ポリイミドフィルム
1b 接着剤
1c リードフレーム
1d 反り(mm)
2a ポリイミドフィルムの製膜幅
2b 製膜幅端から200mm内側に入った点
2b’ 製膜幅端から200mm内側に入った点
2c 製膜幅の中央部±200mm以内の点
2d 2bと2b’を結ぶ直線上の任意の点
2d’ 2bと2b’を結ぶ直線上の任意の点
2e ポリイミドフィルム

Claims (8)

  1. 製膜幅が1m以上あって、
    フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における超音波パルスの伝播速度Vを測定したときの式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が全幅にわたって15以下であり、かつ
    機械搬送方向(MD)及び幅方向(TD)の線膨張係数が10.0ppm/℃以上25.0ppm/℃以下の範囲であり、半導体組み立て用接着フィルムに用いられることを特徴とするポリイミドフィルム。
    AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
  2. 少なくとも片面に接着剤層を有することを特徴とする請求項1記載の接着性ポリイミドフィルム。
  3. 接着剤層に用いる接着剤が、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤及び熱可塑性ポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の接着剤であることを特徴とする請求項2記載のポリイミドフィルム。
  4. 接着剤層に用いる接着剤が、熱可塑性ポリイミドであることを特徴とする請求項2記載のポリイミドフィルム。
  5. リードフレームの厚みが2.0mm以下の半導体組み立てに用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  6. ポリイミドフィルムがフィルムの機械搬送方向(MD)と幅方向(TD)の2軸延伸処理により延伸されており、MDの延伸が2段階延伸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  7. パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び3,3’−4,4’−フェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上の酸無水物成分とを使用して製造されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  8. ポリイミドフィルムが、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとパラフェニレンジアミンとのモル比が69/31〜90/10である芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とのモル比が80/20〜60/40である酸無水物成分とからなるポリアミド酸から製造される、又はパラフェニレンジアミンである芳香族ジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である酸無水物成分とからなり、芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とのモル比が40/60〜60/40であるポリアミド酸から製造されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
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