JP2006321983A - 接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板 - Google Patents

接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、フレキシブル性をより高いレベルで保持し、かつ熱に対するフィルムの反りのないポリイミドフィルムを基材として使用した、耐熱平面保持性に優れた接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板を提供する。
【解決手段】ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材として使用し、その上に熱可塑性接着剤層を形成した接着シート、前接着シートに金属箔を積層した金属積層シートおよび前金属積層シートの不要部を除去したプリント配線板である。
【選択図】なし

Description

本発明は電子機器、部品の小型化、軽量化をになうフレキシブルプリント配線基板などに用いられるプリント配線板などにおいて絶縁層を形成するために使用される接着シート、その接着シートに金属箔を積層した金属積層シートおよびその金属積層シートを加工したプリント配線板に関する。さらに詳しくは、半導体パッケ−ジングなどにおけるTAB、COF、PGA、BGA、CSP、LOCテープ等で利用される前記フレキシブルプリント配線基板用の接着シート、金属積層シートに関する。なおさらに詳しくは、特定性能のポリイミドフィルムをベースフィルムとし、金属積層後の金属積層シートおよび金属積層シートを加工したプリント配線板が反りやカールの少ない金属積層シートおよびプリント配線板に関する。
プリント配線板などにおいて絶縁層を形成するために接着シートや接着性フィルムを使用する場合、ガラスファイバーの布に未硬化エポキシ樹脂などを含浸せしめた所謂プレプリグが使用されてきた。またガラスファイバー布の代わりにアラミド繊維の布帛を使用したものも使用されている。これらのプレプリグは布の厚みが厚く近年要求される軽少化に沿いかねるものであった。
近年、電子機器の高機能化、高性能化、小軽化が進んでおり、それらに伴って用いられる電子部品に対する小型化、軽量化が求められている。そのため、多層プリント配線板や半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線材料又は配線部品も、より高密度、高機能かつ高性能なものが求められるようになっている。半導体パッケージ、COLおよびLOCパッケージ、MCMなどの高密度実装材料や多層フレキシブルプリント配線板等のFPC材料として好適に用いることのできる、耐熱性、電気信頼性、接着性、絶縁性に優れた材料が求められている。
プリント配線板などにおいて絶縁層を形成し、かつその絶縁層を形成した結果軽少(軽薄)化を達成するためにするため種々の提案がなされている。
比較的耐熱性に優れた種々のエポキシ樹脂を絶縁層として使用することが知られているが、不均一フローなどによる絶縁層の不均一性や樹脂汚染などさらに誘電正接が大きい意からの絶縁性の信頼性欠如の課題を有する。
前記課題を解決せんとして、シリコーン共重合ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂からの樹脂を接着剤層厚みが50μmで仮支持体に設けた接着性フィルムが提案されている(特許文献1参照)。この方法においても、回路(導体)間への浸透性において優れてはいるが、前記の課題が全面的に解決しうるものではなく、絶縁層の一定厚み保障が得られるものではなく、特性インピーダンスの厳密保障が必要な高周波回路基盤などの絶縁層形成には課題を有する。
また、熱可塑性ポリイミド樹脂を使用することも提案されている(特許文献2、3、4参照)。
さらに、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドと熱硬化性樹脂とからなる接着剤層を設けたフィルムも提案されている(特許文献5参照)。
さらに、ポリイミド長尺フィルム表裏の配向の比を所定値以下にすることで25℃におけるカールの少ないポリイミド長尺フィルムも提案されている(特許文献6参照)。
特開2003−089784号公報 特開2000−143981号公報 特開2000−144092号公報 特開2003−306649号公報 特開2003−011308号公報 特開2000−085007号公報
従来公知のポリイミドフィルムやポリイミドベンゾオキサゾールフィルムからなる基材フィルムの使用は、セラミックからなる基材の使用に比べて耐熱的に劣りフィルム内の物性差による電子部品化の際に反りや歪みが生じやすいといった問題があった。またフィルムの反りや歪を解消すべく、延伸下で熱処理すること等により見かけ上のフィルムの反りを軽減する方策が採られていた。しかし、見かけ上のフィルムの反り、即ち顕在化したフィルムの反り等は解消できたとしても、特に電子部品として応用される際に高温での加工が必要となるが、かかる高温処理によって潜在的に存在する歪が顕在化してカールが発生するといった問題は解決されていなかった。従って、たとえ見かけ上の反りが少ないフィルムであっても加工する際にカールが生じるフィルムは生産上の歩留まり低下につながり、また高品質な電子部品が得難い場合が多かった。
本発明は、電子部品の基材として好適である平面性および均質性に優れ、しかも高温処理しても反りやカールの少ない耐熱性に優れたポリイミドフィルムを基材フィルムとして使用した接着シート、この接着シートに金属箔を積層した金属積層シート、およびこの金属積層シートを回路加工したプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の300℃でのカール度が10%以下であるポリイミドフィルムが接着シート、金属積層シート、およびFPC(フレキシブルプリント配線板)、TABテープ、COFテープフィルムなどの基材フィルムとして使用されたとき、平面維持性に優れた高品質で均一なFPC(フレキシブルプリント配線板)、TABテープ、COFテープフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に熱可塑性接着剤層が形成されてなることを特徴とする接着シート。
2.フィルムの300℃熱処理後のカール度が8%以下であることを特徴とする上記1に記載の接着シート。
3.上記1〜2のいずれかに記載の接着シートの熱可塑性接着剤層側に金属箔が積層されてなることを特徴とする金属積層シート。
4.上記3に記載の金属積層シートの金属箔を一部除去してなることを特徴とするプリント配線板。
5.上記4に記載のプリント配線板を複数枚積層してなることを特徴とする多層プリント配線板。
6.上記4又は5いずれかに記載のプリント配線板に半導体チップが実装されてなることを特徴とするプリント配線板。
7.芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に熱可塑性接着剤層が形成されてなることを特徴とする接着シートロール。
8.300℃熱処理後のカール度が8%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとすることを特徴とする上記7の接着シートロール。
9.幅238〜516mm、長さ30〜2100mであることを特徴とする上記7又は8記載の接着シートロール。
10.上記7〜9のいずれかに記載の接着シートの熱可塑性接着剤層側に金属箔が積層されてなることを特徴とする金属積層シートロール。
11.上記10に記載の金属積層シートの金属箔を一部除去してなることを特徴とするプリント配線板用ロール。
12.上記11に記載のプリント配線板を複数枚積層してなることを特徴とする多層プリント配線板用ロール。
13.上記11又は12に記載のプリント配線板に半導体チップが実装されてなることを特徴とするプリント配線板用ロール。
本発明におけるポリイミドフィルムを基材フィルムとして使用した接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板は、例えばプリント配線板においては、ポリイミドフィルムの片面又は両面に、金属箔層を形成し、この金属箔層の不要部分を除去して、例えば線幅5〜30μm、線間5〜30μm、厚さが3〜40μm程度の配線パターンが形成されたものである。
この金属箔層積層時における熱処理などが基材フィルムに影響し、この各種処理時にポリイミドフィルムの表裏面の物性差、特にフィルムの300℃熱処理後のカール度が一定以下である場合には、特に高温処理に対してポリイミドフィルムが反りや歪みを殆ど生じなく、その結果、得られたプリント配線板などの品質が向上し、歩留まりも向上し、その後これらプリント配線板などが受けるアニール処理や半田処理などの高温処理に対しても平面性を維持し得て、結果これらの製品歩留まりが向上する。
この様に耐熱性フィルムとしてのポリイミドフィルムは熱に曝される場合が多く、その熱に対するフィルムの300℃熱処理後におけるカール度の低さが工業製品の基材などに使用される際に極めて重要な品質となる。
本発明の特定ポリイミドフィルムを使用した接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板は、高温に曝される電子部品などとして使用され、その製造時に該基材の反りや歪みが発生し難く、高品質の電子部品製造や歩留まり向上が実現でき産業上極めて有意義である。
本発明における基材フィルムは、芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であることを第一の特徴とする。
本発明において、ポリイミドフィルムの300℃におけるフィルムのカール度とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように、50mm×50mmの試験片を、300℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
試料片は、ポリイミドフィルムに対して5分の1の長さピッチで幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を試験片の中心点としてn=10の計10点をサンプリングし(取れないときは最大n点をもってサンプリングし)、測定値は10点(又はn)の平均値とする。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
本発明における基材フィルムとして使用するポリイミ度フィルムの300℃熱処理後のカール度は、より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下である。
本発明において、ビフェニルテトラカルボン酸残基とは、ビフェニルテトラカルボン酸の酸および無水物、ハロゲン化物などの官能性誘導体からの芳香族ジアミンとの反応によって形成されるポリアミド酸もしくはポリイミド中での結合におけるビフェニルテトラカルボン酸由来の残基をいう。フェニレンジアミン残基とはフェニレンジアミンとその各種誘導体からの芳香族テトラカルボン酸類との反応によって形成されるポリアミド酸もしくはポリイミド中での結合におけるフェニレンジアミン由来の残基をいう。
以下本発明においては、他芳香族テトラカルボン酸残基、他芳香族ジアミン残基とも、同様の意味を表すものである。
本発明の基材としてのポリイミドフィルムは、芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドからなり、かつ、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有するものである。
上述の「反応」は、まず、溶媒中で芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを開環重付加反応などに供して芳香族ポリアミド酸溶液を得て、次いで、この芳香族ポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に高温熱処理もしくは脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
芳香族ポリアミド酸は、上記芳香族テトラカルボン酸類(酸、無水物、官能性誘導体を総称する、以下芳香族テトラカルボン酸ともいう)と芳香族ジアミン類(以下芳香族ジアミンともいう)との実質的に等モル量を好ましくは90℃以下の重合温度において1分〜数日間不活性有機溶媒中で反応・重合させることにより製造される。芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンは混合物としてそのままあるいは溶液として有機溶媒に加えてもよいしあるいは有機溶媒を上記成分に加えてもよい。有機溶媒は重合成分の一部又は全部を溶解してもよくそして好ましくはコポリアミド酸重合物を溶解するものである。
好ましい溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドがある。この種の溶媒のうちで他の有用な化合物はN,N−ジエチルホルムアミドおよびN,N−ジエチルアセトアミドである。用いることのできる他の溶媒はジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどである。溶媒は単独で、お互いに組み合わせてあるいはベンゼン、ベンゾニトリル、ジオキサンなどのような貧溶媒と組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は芳香族ポリアミド酸溶液の75〜90質量%の範囲にあることが好ましい、この濃度範囲は最適の分子量を与えるからである。芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミン成分は絶対的に等モル量で用いる必要はない。分子量を調整するために、芳香族テトラカルボン酸:芳香族ジアミンのモル比は0.90〜1.10の範囲にある。
上述したようにして製造した芳香族ポリアミド酸溶液は5〜40質量%好ましくは10〜25質量%のポリアミド酸重合体を含有する。
本発明においては、特にこれら芳香族ジアミン類の中でフェニレンジアミンが好適なジアミンである。それらには、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンなどが挙げられるが好ましくはp−フェニレンジアミンである。
好ましい態様としてこれらのフェニレンジアミンに加えて他の芳香族ジアミン類好ましく使用できる。さらにこれらの芳香族ジアミン類に加えてジアミンを適宜選択使用してもよい。
本発明においては、芳香族テトラカルボン酸類の中でビフェニルテトラカルボン酸類(ビフェニルテトラカルボン酸およびその二無水物(PMDA)ならびにそれらの低級アルコールエステル)が好ましい。中でも3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその二無水物がより好ましい。
好ましい態様としてビフェニルテトラカルボン酸に加えて他の芳香族テトラカルボン酸類好ましくはピロメリット酸類が使用できる。さらにこれらの芳香族テトラカルボン酸類に加えて他の芳香族テトラカルボン酸類を適宜選択使用してもよい。
本発明において、フェニレンジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して50〜100モル%、他の芳香族ジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して0〜50モル%、前2者以外の他のジアミン類は全芳香族ジアミン類に対して0〜50モル%使用することが好ましい。これらのモル%比がこの範囲を超える場合、可撓性、剛直性、強度、弾性率吸水率性、吸湿膨脹係数、伸度などの耐熱性ポリイミドフィルムとしてのバランスが崩れ好ましくない。
本発明において、ビフェニルテトラカルボン酸は全芳香族テトラカルボン酸類に対して50〜100モル%、ピロメリット酸類は全芳香族テトラカルボン酸類に対して0〜50モル%、他の芳香族テトラカルボン酸類は全芳香族テトラカルボン酸類に対して0〜50モル%使用することが好ましい。これらのモル%比がこの範囲を超える場合、可撓性、剛直性、強度、弾性率吸水率性、吸湿膨脹係数、伸度などの耐熱性ポリイミドフィルムとしてのバランスが崩れ好ましくない。
前記の芳香族ジアミン類、芳香族テトラカルボン酸類以外に使用できるものは特に限定されないが、例えば以下に示すものである。
5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン。
上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4、4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などである。
本発明の基材としてのポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、電子基板の基材に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明の基材としてのポリイミドフィルムには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明に使用する300℃熱処理後におけるカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを製造する方法は、特に限定されるものではないが、好ましい製造例として、ポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)の一方の側(A面側)のイミド化率IMAと他一方の側(B面側)のイミド化率IMBとを下記式の関係を満たすポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を製造し、次いで該ポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)をイミド化することが挙げられる。
式1; |IMA−IMB|≦5
本発明において、グリーンフィルムのイミド化率の測定は下記による。
<イミド化率の測定方法>
測定対象フィルムを2cm×2cmの大きさに採取し、測定対象面をATR結晶と密着させてIR測定装置にセットして下記特定波長吸光度を測定して下記の式によって、測定フィルム対象面のイミド化率を得る。
イミド特定波長として1778cm-1(付近)を採用しその波長における測定面の吸光度をλ1778とし、基準として芳香族環特定波長1478cm-1付近を採用しその波長における測定面の吸光度をλ1478とする。
装置 ;FT−IR FTS60A/896 (株式会社デジラボジャパン)
測定条件;1回反射ATRアタッチメント(SILVER GATE)
ATR結晶 Ge
入射角 45°
検出器 DTGS
分解能 4cm-1
積算回数 128回
式2 ; IM={Iλ/I(450)}×100
式2において、Iλ=(λ1778/λ1478)であり、I(450)は同一組成のポリイミド前駆体フィルムを450℃で15分間熱閉環イミド化したフィルムを同様にして測定した(λ1778/λ1478)の値である。
A面のイミド化率IMをIMAとしてB面のイミド化率IMをIMBとして式2からこれらの値を測定し得る。IMAとIMBとの差は、絶対値を持って示すものである。
測定値は、フィルムの任意の箇所における幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)とし、測定値は2点の平均値とする。
上記の特定グリーンフィルムを製造する方法は、特に限定されるものではないが、好適な例としては下記の方法が挙げられる。
グリーンフィルムを自己支持性が出る程度にまで乾燥する際に、溶媒の揮発する方向が空気に接する面に限られるためにグリーンフィルムの空気に接している面のイミド化率が、支持体に接する面のイミド化率より小さくなる傾向にあるが、フィルム表裏の吸収比の差が0.35以下であるポリイミド長尺フィルムを得るためには、表裏面におけるイミド化率とその差が所定範囲にあるグリーンフィルムを得ることが重要であり、そのために、例えば、ポリアミド酸溶液を支持体上にコーティングし、乾燥して自己支持性となったグリーンフィルムを得る際の乾燥条件を制御する方法があり、この制御によって、グリーンフィルム表裏面のイミド化率とその差が所定範囲にあるグリーンフィルムを得ることができる。
これらのグリーンフィルムにおける表裏面のイミド化率の差は、好ましくは5以下であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3以下である、さらにこれらのイミド化率が表裏共に1〜15の範囲に制御することがこのましい。
グリーンフィルム表裏面のイミド化率の差が5を超えるときは、潜在的に存在するフィルム内部の歪が残存し、300℃に熱処理した後にカールが発生し、製品化に不向きなポリイミド長尺フィルムとなる。
また、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量を制御することにより表裏面のイミド化率とその差が所定の範囲のグリーンフィルムを得ることができる。具体的には、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量は、好ましくは25〜50質量%であり、より好ましくは35〜50質量%とすることが肝要である。当該残留溶媒量が25質量%より低い場合は、グリーンフィルム一方の側のイミド化率が相対的に高くなりすぎ、表裏面のイミド化率の差が小さいグリーンフィルムを得ることが困難になるばかりか、分子量低下により、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、50質量%を超える場合は、自己支持性が不十分となり、フィルムの搬送が困難になる場合が多い。
このような条件を達成するためには熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などの乾燥装置を使用することができるが、乾燥条件として以下の温度制御が要求される。
熱風乾燥を行う場合は、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、グリーンフィルム表裏面のイミド化率の範囲およびその差を所定範囲にするためには、定率乾燥条件を長くし、塗膜全体から均一に溶剤が揮発するように操作することが好ましい。定率乾燥とは塗膜表面が自由液面からなり溶剤の揮発が、外界の物質移動で支配される乾燥領域である。塗膜表面が乾燥固化し、塗膜内での溶剤拡散が律速となる乾燥条件では、表裏の物性差が出やすくなる。かかる好ましい乾燥状態は、支持体の種類や厚みによっても異なってくるが、温度設定、風量設定、通常支持体上の塗膜(グリーンフィルム)の上側(塗膜面側)の雰囲気温度よりも前記反対側(塗膜面側の反対側)の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥する。雰囲気温度の説明においては、塗膜から支持体へ向う方向を下方向、その逆を上方向として方向を定義する。このような上下方向の記載は着目すべき領域の位置を簡潔に表現するためになされるものであり、実際の製造における塗膜の絶対的な方向を特定するためのものではない。
「塗膜面側の雰囲気温度」とは、塗膜の直上から塗膜面方30mmに至る領域(通常は空間部分)の温度であり、塗膜から上方向に5〜30mm離れた位置の温度を熱電対などで計測することで、塗膜面側の雰囲気温度を求めることができる。
「反対側の雰囲気温度」とは、塗膜の直下(支持体部分)から塗膜の下方30mmに至る領域(支持体および支持体の下方の部分を含むことが多い)の温度であり、塗膜から下方向に5〜30mm離れた位置の温度を熱電対などで計測することで、反対側の雰囲気温度を求めることができる。
乾燥時に、塗膜面側の雰囲気温度よりも前記反対面側の雰囲気温度を1〜55℃高くすれば、乾燥温度自体を高くして塗膜の乾燥速度を高めても高品質なフィルムを得ることができる。塗膜面側の雰囲気温度よりも反対面側の雰囲気温度が低いか、あるいは、塗膜面側の雰囲気温度と反対側の雰囲気温度の差が1℃未満であると、塗膜面付近が先に乾燥してフィルム化して「蓋」のようになってしまい、その後に、支持体付近から蒸発すべき溶剤の蒸散を妨げて、フィルムの内部構造に歪が生じることが懸念される。反対側の雰囲気温度が塗膜面側の雰囲気温度よりも高く、その温度差が55℃より大きくすることは、装置上、経済上に不利となり望ましくない。好ましくは、乾燥時に、塗膜面側の雰囲気温度よりも前記反対側の雰囲気温度を10〜50℃高くし、より好ましくは、15〜45℃高くする。
上記のような雰囲気温度の設定は、塗膜の乾燥の全工程にわたってなされてもよいし、塗膜乾燥の一部の工程でなされてもよい。塗膜の乾燥をトンネル炉等の連続式乾燥機で行う場合、乾燥有効長の、好ましくは10〜100%、より好ましくは15〜100%の長さにおいて、上述の雰囲気温度を設定すればよい。
乾燥時間は、トータルで10〜90分、望ましくは15〜45分である。
乾燥工程を経たグリーンフィルムは、次いでイミド化工程に供せられるが、インライン及びオフラインのいずれの方法でもよい。
オフラインを採用する場合はグリーンフィルムを一旦巻取るが、その際、グリーンフィルムが内側(支持体が外側)となるようにして管状物に巻き取ることによりカールの軽減を図ることができる。
いずれの場合も曲率半径が30mm以下とならないように搬送、ないし巻き取りを行うことが好ましい。
このような方法で得られた表裏面のイミド化率とその差が所定の範囲に制御されたグリーンフィルムを所定の条件でイミド化することで、本発明の300℃熱処理後のカール度の低いポリイミド長尺フィルムが得られる。
その具体的なイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミド長尺フィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下のポリイミド長尺フィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
上述の乾燥処理及びイミド化処理はフィルム両端をピンテンターやクリップで把持して実施される。その際、フィルムの均一性を保持するためには、可能な限りフィルムの幅方向及び長手方向の張力を均一にすることが望ましい。
具体的には、フィルムをピンテンターに供する直前に、フィルム両端部をブラシで押さえ、ピンが均一にフィルムに突き刺さるような工夫を挙げることができる。ブラシは、剛直で耐熱性のある繊維状のものが望ましく、高強度高弾性率モノフィラメントを採用することができる。
上述したイミド化処理の条件(温度、時間、張力)を満たすことにより、フィルム内部(表裏や平面方向)の配向歪の発生を抑制することができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミド長尺フィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミド長尺フィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明の製造方法によって得られるポリイミド長尺フィルムは、好ましくは吸収比がB面より大きい傾向にあるA面を巻内にして管状物に巻き取ることで、更にカール度の小さいポリイミド長尺フィルムを得ることができる。
更に、巻き張力は100N以上、好ましくは150N以上500N以下とすることが望ましい。
また、巻き芯の直径は75mm以上であることが望ましい。75mm未満であると、カール改善を阻害する要因となる。好ましくは75〜350mm、更に好ましくは80〜180mmである。ここに巻き芯直径は外径である。巻き芯直径がこの範囲を超えると取り扱い性が困難となる。また巻き芯直径がこの範囲を下回ると、フィルムに加わる曲げ応力が大きくなり反り、ねじれなどの平面性低下の原因となる。なおさらにこの範囲を下回った巻き芯では保管時におけるフィルムが温度湿度変化で伸縮した場合にシワが入りやすくなり、平面性ならびに品位に劣る物となりやすい。
なお、グリーンフィルムのイミド化をオフラインで行う場合には、当該グリーンフィルムが内側(支持体が外側)となるようにして巻き取る方法が採用できる。
なお、上述の吸収比とは、フィルム表面(又は裏面、以下同)から3μm程度の深さまでのポリイミド分子のイミド環面のフィルム面に対する配向度合を意味する。具体的には、FT−IR(測定装置:Digilab社製、FTS−60A/896等)により偏光ATR測定を、一回反射ATRアタッチメントをgolden gate MkII(SPECAC社製)、IREをダイアモンド、入射角を45°、分解能を4cm-1、積算回数128回の条件でフィルム表面について測定を行った場合の1480cm-1付近に現れるピーク(芳香環振動)における各方向の吸収係数(Kx、KyおよびKz)を求め、次式により定義されるものである。(但し、KxはMD方向、KyはTD方向、Kzは厚み方向の吸収係数をそれぞれ示す。)
吸収比=(Kx+Ky)/2×Kz
測定値は、フィルムの任意の箇所における幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)とし、測定値は2点の平均値とする。
そして、本発明におけるA面とは吸収比が大きいほうの面を、B面とは吸収比が小さいほうの面をいう。
ポリイミド長尺フィルムは、グリーンフィルムの乾燥工程やイミド化工程で熱による処理が施されている。その際、フィルムの幅方向に処理斑があると、フィルムの幅方向における物性差が生じ、カールの発生原因となる。
そこで、本発明では、乾燥機内における雰囲気温度の幅方向のムラを中心温度±5℃以内、好ましくは±3℃以内、さらに好ましくは±2℃以内に制御することが望ましい。
ここに雰囲気温度とは、支持体の表面から5mm〜30mmの等距離だけ離れた位置において、熱電対、サーモラベルなどで測定した温度をいう。また本発明では幅方向に温度検出端を8ないし64ポイント設けることが好ましい。
特に幅方向の検出端と検出端の間隔は5cm〜10cm程度にすることが好ましい。検出端としては、公知のアルメルクロメル等の熱伝対を用いれば良い。
本発明においては、塗布面側の雰囲気温度に対し、反対側の雰囲気温度を5〜55℃高く設定することができる。この場合も、支持体の各々の側での温度の中心温度から±5℃の範囲とすることが肝要である。中心温度は各検出端にて測定された摂氏温度の算術平均値であり、支持体の走行する方向と直交する幅方向における各検出端にて測定された温度が±5℃の範囲であることは、該中心値の数値に基づいて算定された範囲となる。
このような条件で製造されたポリイミド長尺フィルムは、前記の条件で測定したカール度が10%以下の極めて高温における平面性に優れたものとなる。
本発明の接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板においては、基本的にポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下、好ましくは8%以下であるポリイミドフィルム(F)を基材として使用し、接着シートにおいてはその基材フィルムの少なくとも片面に熱硬化性接着剤層が形成積層されたものであり、金属積層シートにおいては熱硬化性接着剤層側に、金属箔が積層された金属積層シートであり、プリント配線板においては、金属積層シートの、金属箔の不要部分をエッチング除去し回路パターンを形成したプリント配線板であり、またこのプリント配線板が複数枚積層された多層プリント配線板であり、またこれらのプリント配線板に半導体チップが直接実装されたものである。
さらに本発明の接着シートは、プリント配線板間の絶縁体層形成などのためにも使用できるものである。
さらに本発明の接着シートは、プリント配線板間の絶縁体層形成などのためにも使用できるものである。
本発明の接着シートは幅238〜516mm、長さ5〜1020mのものが採用できる。接着シートの好ましくは幅256mm〜508mmであり、さらに好ましい幅は256〜460mm、なお好ましい幅は268〜386mmである。
接着シートの好ましい長さは8m〜770mであり、更に好ましくは8m〜620mであり、更に好ましくは24m〜480m、なおさらに好ましくは48m〜360mである。
接着シートの幅が所定の範囲を超えるとコーティング膜厚の均一性が得られにくくなる。また接着シートの幅が所定の範囲に満たないとコーティングが困難である。
接着シートの長さが所定の範囲を超えると、接着剤シートロールが自重により変形する可能性がある。また接着剤シートの長さが所定の範囲に満たないと、ロール化することによる連続操業性を発揮することができない。
また、本発明において、フィルム、接着シートを巻き上げる巻芯は一般に3インチ管、6インチ管と呼ばれる巻芯を用いればよい。クリーンルーム内にて扱う事を鑑みると、紙製巻芯ではなく樹脂製巻芯が好適である。本発明では内径が6インチので肉厚が5mm以上、好ましくは8mm以上のプラスチック管を用いることが好ましい。巻芯径が3インチ未満となると、フィルムに永久歪みが生じ、後工程での矯正が困難となる場合がある。
本発明に用いられる熱可塑性接着剤としては、熱可塑性又は熱圧着性であって耐熱性、接着性に優れたものであれば特に限定されるものではないが、接着剤の引張弾性率が基材の引張弾性率より小さいことが好ましい。接着剤の引張弾性率/基材の引張弾性率(引張弾性率の比)は0.01〜0.5が好ましく、0.3以下がさらに好ましく、0.1以下が特に好ましい。
熱可塑性接着剤の引張弾性率が基材フィルムのそれより高いと線膨張係数の離れた基材フィルムと金属箔の応力歪みを接着剤層で緩和吸収することが出来なくなり、結果として半導体と金属箔層との接続信頼性が発現されなくなるので好ましくない。
本発明においては熱可塑性接着剤として、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミド系の樹脂を用いることができる。
本発明における好ましい熱可塑性接着剤としては、耐熱性およびフィルムとの接着性などの観点から熱可塑性(熱圧着性)ポリイミド系樹脂からの接着剤が挙げられ、熱可塑性(熱圧着性)ポリイミド系樹脂としては、230〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性のポリイミド系樹脂であればよい。かかる熱圧着性ポリイミドとしては、好ましくは、ジアミン類として、
APB :1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)、
m−BP :4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
DABP :3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
DANPG:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、
から選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、テトラカルボン酸無水物として、
PMDA :ピロメリット酸二無水物、
ODPS :3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
BTDA :3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
BPDA :3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
α−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ODPA :4,4’−オキシジフタル酸二無水物、
から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドを用いることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。さらにジアミン類或いはテトラカルボン酸無水物類の各々50モル%を超えない範囲で、先に例示した、その他のジアミン類あるいはテトラカルボン酸無水物類を併用することができる。
本発明では、好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物〜得られるポリイミド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とピロメリット酸二無水物とから得られるポリイミド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパンと4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造されるポリイミド、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから得られるポリイミド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド、3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド、を例示できる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、ジアミン成分1モルに対し、テトラカルボン酸二無水物成分0.75〜1.25モルの範囲である。好ましくは0.8〜1.2モルの範囲である。
本発明では、熱可塑性接着剤としての熱可塑性ポリイミド層に係わる熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的として、ジカルボン酸無水物を添加しても良い。使用されるジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカロボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられる。
これらのジカルボン酸無水物はアミン又はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてもよい。ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料である前記特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計量100モルに対して、0.001〜0.5モルの範囲である。好ましくは、0.005〜0.25モルの範囲である。
同様に、熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ニトロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニリジン、m−アニリジン、p−アニリジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノフェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノールフェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルスルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
これらモノアミンは単独で又は2種以上組み合わせて使用しても良い。モノアミンの添加量は、通常、主原料である前記特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計100モルに対して、0.001〜0.5モルの範囲である。好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
この他、条件を満たす範囲でポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂などを単独で、あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
また本発明の利点を損なわない限りにおいて、熱可塑性接着剤に熱硬化性の接着剤例えばエポキシ系やシアナート系の接着剤を混合使用してもよく、その使用量において全接着剤層におけるこの熱硬化性接着剤の割合が高々40%である。
前記の熱可塑性ポリイミド系樹脂は、前記各成分と、さらに場合により他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミンとを、有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミド酸の溶液とし、このポリアミド酸の溶液をドープ液として使用して製造することができる。
また、前述のようにして製造したポリアミド酸の溶液を150〜250℃に加熱するか、又はイミド化剤を添加して150℃以下、特に15〜50℃の温度で反応させて、イミド環化した後溶媒を蒸発させる、もしくは貧溶媒中に析出させて粉末とした後、該粉末を有機溶液に溶解して熱圧着性ポリイミド系樹脂の有機溶媒溶液を得ることができる。
本発明における熱可塑性ポリイミド系樹脂を得るためには、前記の有機溶媒中、ジアミン(アミノ基のモル数として)の使用量が酸無水物の全モル数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸無水物の酸無水物基としての総モルとして)に対する比として、好ましくは0.92〜1.1、特に0.98〜1.1、そのなかでも特に0.99〜1.1であり、ジカルボン酸無水物の使用量がテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基モル量に対する比として、好ましくは0.05以下、特に0.02以下であるような割合の各成分を反応させることが好ましい。
前記のジアミンおよびジカルボン酸無水物の使用割合が前記の範囲外であると、得られるポリアミド酸、従って熱可塑性のポリイミドの分子量が小さく、フレキシブル金属箔積層体の接着強度の低下をもたらす。また、ポリアミド酸のゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミド酸重合時に固形分(ポリマー)濃度に対して0.01〜1質量%の範囲で添加することができる。また、イミド化促進の目的で、ドープ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。
例えば、イミダゾール、2−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどをポリアミド酸に対して0.05〜10質量%、特に0.1〜2質量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。また、接着強度の安定化の目的で、熱圧着性のポリイミド原料ドープに有機アルミニウム化合物、無機アルミニウム化合物又は有機錫化合物を添加してもよい。例えば水酸化アルミニウム、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどをポリアミド酸に対してアルミニウム金属として1ppm以上、特に1〜1000ppmの割合で添加することができる。
前記のポリアミド酸製造に使用する有機溶媒は、高耐熱性のポリイミドおよび熱圧着性のポリイミドのいずれに対しても、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾール類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、熱可塑性接着剤を塗布する前にポリイミドフィルム表面をプラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理することは、接着力を高めるために好ましい方法であり、かかるプラズマは不活性ガスプラズマであり、不活性ガスとしては窒素ガス、Ne、Ar、Kr、Xeが用いられる。プラズマを発生させる方法に格別な制限はなく、不活性気体をプラズマ発生装置内に導入し、プラズマを発生させればよい。
プラズマ処理に要する時間は特に限定されず、通常1秒〜30分、好ましくは10秒〜10分である。プラズマ処理時のプラズマの周波数と出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、プラズマ処理装置で扱える範囲であれば良い。周波数は通常13.56MHz、出力は通常50W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。出力が高すぎると、基材フィルム表面に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎると基材フィルム表面の平滑性が低下するおそれがある。
次いで、この表面処理したポリイミドフィルム面に熱可塑性接着剤層を形成するが、その方法は限定されるものではなく、ポリイミドフィルム面に熱可塑性接着剤を塗布・乾燥して熱可塑性接着剤層を形成する方法や、他離型性シートやフィルムに予め熱可塑性接着剤層を形成し、これをポリイミドフィルム面に貼合や転写するなどしてポリイミドフィルム面に熱可塑性接着剤層を形成する方法などが例として挙げられる。
金属箔の積層は、プラズマ処理を施すか又は施さないポリイミドフィルム面に形成された熱可塑性接着剤層に金属箔を重ね圧力、熱などを使用して積層したものである。
本発明の金属箔としての金属は、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、アルミニウム、鉄、クロム、亜鉛、錫、黄銅、白銅、青銅、モネル、錫鉛系半田、錫銅系半田、錫銀系半田、等の単独又はそれらの合金が用いられるが、銅を用いるのが性能と経済性のバランスにおいて好ましい実施態様である。金属箔層を回路用(導電性)とする場合には、その金属層の厚さは好ましくは1〜175μmであり、より好ましくは3〜50μmである。金属箔層を貼合わせたポリイミドフィルムを放熱基板として用いる場合には、金属層の厚さは、好ましくは50〜3000μmである。
この金属箔層の熱可塑性接着剤層を介して積層されるポリイミドフィルム表面の表面粗さについては特に限定されないが、JIS B 0601(表面粗さの定義と表示)における、中心線平均粗さ(以下Raと記載する)および十点平均粗さ(以下Rzと記載する)で表示される値が、Raについては0.1μm以下、Rzについては1.0μm以下であるものが好ましい。
本発明においては、上記方法で得られたポリイミドフィルムと金属箔との複合体である金属積層シートを、さらに200〜350℃で熱処理することが好ましい態様である。この熱処理は、220〜330℃が好ましく、240〜310℃がより好ましい。該熱処理により基材フィルムの有している歪や金属化ポリイミドフィルムの製造過程で生ずる歪が緩和され、本発明の効果をより一層効果的に発現することができ、前記した半導体パッケージなどの耐久性や信頼性を向上することができる。200℃未満では歪を緩和する効果が小さくなり、逆に350℃を超えた場合は、基材のポリイミドフィルムの劣化が起こるので好ましくない。
このようにして得られた本発明の金属積層シートは、通常の方法によって、例えば導電性の金属箔層又は必要に応じてその上に形成される後付けの厚膜金属層側にフォトレジストを塗布し乾燥後、露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離の工程により、配線回路パターンを形成し、さらに必要に応じてソルダーレジスト塗布、可塑および無電解スズメッキを行い、フレキシブルプリント配線板、それらを多層化した多層プリント配線板、また半導体チップを直接この上に実装したプリント配線板が得られる。これら回路の作成、多層化、半導体チップの実装における方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方式から適宜選択し実施すればよい。
本発明で使用する金属(箔)層又は必要に応じてその上に形成される後付けの厚膜金属層側の表面には、金属単体や金属酸化物などといった無機物の塗膜を形成してもよい。また金属箔層又は必要に応じてその上に形成される後付けの厚膜金属層の表面を、カップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)による処理、サンドプラスト処理、ホ−リング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理などに供してもよい。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りであり、300℃熱処理後のカール度の測定、イミド化率の測定は前記した方法の通りである。
1.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1245D)を用いて測定した。
2.各種シートの反り度(見かけ上の反り度)
図1(C)に示すように、50mm×50mmの各種シートの試験片を平面上に凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値を反り量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対する反り量の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
反り量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
反り度(%)=100×(反り量)/35.36
試料片のサンプリングは、各種シートの幅方向、長さ方向共に2点(幅長の1/3と2/3の点からを原則にし、取れない場合はできるだけ中央部からの点から取る)計4点としその平均値をもって表すものとする。
実施例などで使用する化合物の略称を下記する。
P−PDA:パラフェニレンジアミン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMF:ジメチルホルムアミド
DMAC:ジメチルアセトアミド
AA:無水酢酸
IQ:イソキノリン
また、略称GFはポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を、略称IFはポリイミドフィルムを示す。
(製造例;実−1〜実−3)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、P−PDAを入れた。次いで、DMACを加えて完全に溶解させてから、BPDAを加えて、モノマーとしてのP−PDAとBPDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られたポリアミド酸溶液100質量部に対してAAを15質量部、IQを3質量部の割合で混合し、これを厚さ188ミクロン、幅800mmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4100(東洋紡績株式会社製))の滑剤を含まない面に幅740mmとなるようにコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、430μm)、
4つの乾燥ゾーンを有する連続式乾燥炉に通して乾燥した。各ゾーンはフィルムを挟んで上下に各3列のスリット状吹き出し口を有し、各吹き出し口間の熱風温度はプラスマイナス1.5℃、風量差はプラスマイナス3%の範囲で制御できるよう設定されている。また幅方向についてはフィルム有効幅の1.2倍に相当する幅までの間、プラスマイナス1℃以内となるように制御がなされている。
乾燥炉の設定は以下の通りである。
(乾燥条件A)
レベリングゾーン 温度25℃、風量なし
第1ゾーン 上側温度 105℃、下側温度 105℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第2ゾーン 上側温度 100℃、下側温度 100℃
風量 上下とも30〜35立方m/分
第3ゾーン 上側温度 95℃、下側温度 100℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第4ゾーン 上側温度 90℃、下側温度 100℃
上側風量 15立方m/分、下側風量 20立方m/分
各ゾーンの長さは同じであり、総乾燥時間は18分である。
また風量は各ゾーンの吹き出し口からの風量の総計であり、実−1、実−2、実−3で上記範囲内で変更したものである。
かかる乾燥条件において、第3ゾーンまでは塗膜表面が指触乾燥状態には至らず、ほぼ定率乾燥条件となっていることが確認されている。
塗膜表面は第4ゾーンに入ってまもなく指触乾燥に至り以後は減率乾燥的に乾燥が進行している。この際に下側の温度、風量を上側より多めに設定し、塗膜内の溶媒の拡散を促進している。
なお、各ゾーン中央の吹き出し口の真下に当たる部分でフィルム上10mmの位置に支持された熱電対により、10cm間隔でモニターがなされプラスマイナス1.5℃以内であることが確認されている。
乾燥後に自己支持性となったGF(ポリアミド酸フィルム)をポリエステルフィルムから剥離して、各GF、実−1、実−2、実−3を得た、この各GFの|IMA−IMB|の値はそれぞれ0.6、1.0、3.7であった。
得られた各GF(グリーンフィルム)を、ピンテンターにて両端を把持した状態で窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として400℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各ポリイミドフィルム(IF)、F実−1、F実−2、F実−3を得た。
なお、GFを熱処理する際に、芳香族ポリアミド製モノフィラメントストランドからなるブラシをフィルム両端部に接するように設け、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにした。
得られた各IF(ポリイミドフィルム)の厚み、カール度は、F実−1で15μmと2.6%、F実−2で15.1μmと3.9%、F実−3で15μmと7.3%であった。
(製造例;実−4〜実−6)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、P−PDAを入れた。次いで、DMACを加えて完全に溶解させてから、BPDAを加えて、モノマーとしてのP−PDAとBPDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルト上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、450μm)、製造例;実−1〜実−3と同様の方法で乾燥した。乾燥後に自己支持性となったGFをステンレスベルトから剥離して各GF、実−4、実−5、実−6を得た。
乾燥後に自己支持性となったGF(ポリアミド酸フィルム)をポリエステルフィルムから剥離して、各GF、実−1、実−2、実−3を得た、この各GFの|IMA−IMB|の値はそれぞれ1.1、1.5、4.2であった。
得られたGFを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で2分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する厚さ25μmの各IF、F実−4、F実−5、F実−6を得た。
なお、GFを熱処理する際に、芳香族ポリアミド製モノフィラメントストランドからなるブラシをフィルム両端部に接するように設け、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにした。
得られた各IFの厚み、カール度は、F実−4で15μmと4.3%、F実−5で15.1μmと5.5%、F実−6で15μmと8.3%であった。
(製造例;比−1〜比−3)
実施例1で得られたポリアミド酸溶液100質量部に対してAAを15質量部、IQを3質量部の割合で混合し、これをステンレスベルト上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、430μm)、と製造例;実−1〜実−3と同様の乾燥装置にて乾燥を行った、なお乾燥条件(温度は乾燥炉の設定温度)は以下の通りである。
レベリングゾーン 温度25℃、風量なし
第1ゾーン 温度 上下とも110℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第2ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第3ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第4ゾーン 温度 上下とも120℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
各ゾーンの長さは同じであり、総乾燥時間は9分である。
また風量は各ゾーンの吹き出し口からの風量の総計であり、比−1、比−2、比−3で上記範囲内で変更したものである。
かかる乾燥条件においては、第2ゾーン中央で塗膜表面が指触乾燥状態に至り、以後は減率乾燥的な乾燥が行われている物と推察できる。
乾燥後に自己支持性となったGFをステンレスベルトから剥離して、各GF3種、比−1、比−2、比−3を得た。
この各GFの|IMA−IMB|の値はそれぞれ5.3、7.5、11.2であった。
得られた各GFを、ピンテンターにて両端を把持した状態で窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として400℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各IF、F比−1、F比−2、F比−3を得た。
得られた各IFの厚み、カール度は、F比−1で15μmと10.5%、F比−2で15.1μmと14.1%、F比−3で15μmと18.5%であった。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
<接着シートの製造>
製造例で得られた各ポリイミドフィルムを使用して、以下に従い接着シート得た。
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000のモル比でモノマー濃度が22質量%になるように、またトリフェニルホスフェートをモノマー質量に対して0.1質量%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続け、ポリアミド酸(SA1)溶液を得た。得られたポリアミド酸のηsp/Cは1.6であった。
このSA1を使用してダブルコーターを用い、製造例で得られた各ポリイミドフィルムの片面に、乾燥厚み7μmとなるように塗布し、90℃にて30分間乾燥し、乾燥後のフィルムを連続式の熱処理炉に通し、200℃から380℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み15μmの褐色の各ポリイミドフィルムの片面に、厚さ4μmの熱可塑性ポリイミドが配された各熱圧着性多層ポリイミドフィルムである各片面接着シート(KTS実−1〜KTS実−6およびKTS比−1〜KTS比−3;上記製造例で得た各フィルムの末尾をもって使用ポリイミドフィルムを表示する、KTS実−1はF実−1のポリイミドフィルムからの片面接着シートを表示する。以下同じ)を得た。
また、同じようにこのSA1をダブルコーターで、製造例で得られた各ポリイミドフィルムの両面に、乾燥厚み7μmとなるように塗布し、90℃にて30分間乾燥し、乾燥後のフィルムを連続式の熱処理炉に通し、200℃から380℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み15μmの褐色の各ポリイミドフィルムの両面に、厚さ4μmの熱可塑性ポリイミドが配された各熱圧着性多層ポリイミドフィルムである各両面接着シート(RYS実−1〜RYS実−6およびRYS比−1〜RYS比−3)を得た。得られた各両面接着シートのポリイミドフィルムと接着剤層との総厚みは23μmであった。
得られた各接着シートの反り度の平均値をもって判定した。各シートにおける反り度平均値が10%を超えるものを×、反り度が7%を超え〜10%までのものを△、3〜7%を○、3%未満のものを◎とした。
その結果、KTS実−1、KTS実−2、KTS実−4が全て◎、KTS実−3、KTS実−5が○、KTS実−6が△、KTS比−1、KTS比−2、KTS比−3は全て×であった。
RYS実−1、RYS実−2、RYS実−3、RYS実−4、RYS実−5が全て◎、RYS実−6が○、RYS比−1が△、RYS比−2、RYS比−3は×であった。
<金属積層シートの製造>
ロール内部加熱および外部加熱併用方式の熱圧着機を用い、加熱により、ロール表面温度を240℃に加熱した。ロール間に得られた熱圧着性多層ポリイミドフィルムを通し、その両側から、厚み18μmの電解銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製、CF−T9)を供給し、銅箔/熱融着性多層ポリイミドフィルム/銅箔からなる各ポリイミドフィルムからの各両面金属積層シート(RYM実−1〜RYM実−6およびRYM比−1〜RYM比−3)を得た。
得られた各金属積層シートの反り度の平均値をもって判定した。各金属積層シートにおける反り度平均値が10%を超えるものを×、反り度が7%を超え〜10%までのものを△、3〜7%を○、3%未満のものを◎とした。
その結果、RYM実−1、RYM実−2、RYS実−3、RYM実−4、RYM実−5が全て◎、RYM実−6が○、RYM比−1が△、RYM比−2、RYM比−3は×であった。
<プリント配線板の製造>
上記で作製した各両面金属積層シートの片面に液状レジストを用いて膜厚6μmのネガレジストを形成し、エッチングで銅層を除去し、線間/線幅が60μm/40μmの微細線を含むLCDドライバ搭載用を想定した4.8cm×4.8cmのテスト用回路パターンを形成した。裏面には同様にして、4mm角の正方形パターンをパターン間0.5mmで格子状に形成し、各ポリイミドフィルムからの各テスト用回路基板(TPR実−1〜TPR実−6およびTPR比−1〜TPR比−3)を同様にして多数作製した。パターンの面積密度は表裏とも50%である
作製した各テスト用回路基板を3枚用意し、各テスト用回路基板間に実施例1〜6、比較例1〜3での各接着シート(RYS実−1〜RYS実−6およびRYS比−1〜RYS比−3)と、各テスト用回路基板の最上と最下に実施例1〜6、比較例1〜3での各片面接着シート(KTS実−1〜KTS実−6およびKTS比−1〜KTS比−3)を、各同一ポリイミドフィルムからのものとなるように配し、熱圧着にて積層を施し各テスト用多層基板を作製した。
F実−1〜F実−6のポリイミドフィルムからの各テスト用多層基板においては、全てパターン剥がれのないものであったが、F比−1〜F比−3のポリイミドフィルムからの各テスト用多層基板においては、パターンの剥がれが見られた。
また、断面観察のために各テスト用多層基板を微細線パターンの幅方向の断面が出る方向に切断し、樹脂にて包埋し端面研磨した後に顕微鏡で拡大観察し、図2下段の積層後に示したような接着シートの変形が無いかを評価した、F実−1〜F実−6のポリイミドフィルムからの各テスト用多層基板においては、全て接着シートの変形のないものであったが、F比−1〜F比−3のポリイミドフィルムからの各テスト用多層基板においては、接着シートの変形が見られた。
(実施例7〜8、比較例4〜6)
(長尺ポリイミドフィルムの製造)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、ODAを入れた。次いで、DMACを加えて完全に溶解させてから、PMDAを加えて、モノマーとしてのODAとPMDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。
得られたポリアミド酸溶液100質量部に対してAAを15質量部、IQを3質量部の割合で混合してドープとし、エンドレスステンレスベルト上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、400μm)、製造例;実−1と同様の乾燥炉を用い以下の条件で乾燥した。
(乾燥条件A)
レベリングゾーン 温度25℃、風量なし
第1ゾーン 上側温度 105℃、下側温度 105℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第2ゾーン 上側温度 105℃、下側温度 110℃
風量 上下とも30〜35立方m/分
第3ゾーン 上側温度 100℃、下側温度 105℃
風量 上下とも20〜25立方m/分
第4ゾーン 上側温度 95℃、下側温度 100℃
上側風量 15立方m/分、下側風量 20立方m/分
各ゾーンの長さは同じであり、総乾燥時間は18分である。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ48.0μmの幅700mm、長さ2600mのGF:実−7を得た、この各GFの|IMA−IMB|の値は3.4であった
<両面接着シートの製造>
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000のモル比でモノマー濃度が22質量%になるように、またトリフェニルホスフェートをモノマー重量に対して0.1質量%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続け、ポリアミド酸(SA1)溶液を得た。得られたポリアミド酸のηsp/Cは1.6であった。
このSA1を使用してダブルコーターを用い、前記GF:実−7の両面に、乾燥厚み3μmとなるように塗布し、90℃にて30分間乾燥し、さらに製造例4と同様の、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で4分、昇温速度3℃/秒で昇温して第2段として480℃で3分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却し、両側の把持に用いた部分をそれぞれ50mmスリットにて落とし、所定の長さに裁断して6インチプラスチックコアに巻き付け、各片面接着シート(KTS実−7、KTS実−8、KTS比−4およびKTS比−5、KTS比−6)を得た。
KTS実−7 幅250mm、長さ 2050m プラ管巻径168mm
KTS実−8 幅508mm、長さ 2050m プラ管巻径168mm
KTS比−4 幅508mm、長さ 2050m プラ管巻径 60mm
KTS比−5 幅580mm、長さ 2050m プラ管巻径168mm
KTS比−6 幅508mm、長さ 2500m プラ管巻径168mm
得られた接着シートは、厚み15μmの褐色の各ポリイミドフィルムの両面に、厚さ2μmの熱可塑性ポリイミドが配されたものであった。得られた接着シートの反り度を500mごとに評価した結果を表1に示す。なお反り度は500mごとの地点からさらに5m加えた地点までを一つの被測定範囲単位として扱った。
Figure 2006321983
以上述べてきたように、本発明の特定物性のポリイミドフィルムを基材として使用した接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板は、平面性に優れたものであり、例えばプリント配線板などに加工した場合であっても反りや歪みのないものとなり平面維持性に優れるばかりでなく、平面性維持による金属箔層の密着性においても優れたものである。
また多層化した際にも均質な積層加工が行われるため、反り、変形の小さい、特に高密度な微細配線が要求されるディスプレイドライバー、高速の演算装置、グラフィックコントローラ、高容量のメモリー素子などに使用される基板として有用である。特にこれらが高温に曝されることの多いディスプレイドライバー、高速の演算装置、グラフィックコントローラ、高容量のメモリー素子などのプリント基板として有用である。
ポリイミドフィルムのカール度の測定方法(および反り度測定方法)を示した模式図である。(a)は上面図であり、(b)は熱風処理前の(a)におけるa−aで示される断面図であり、(c)は熱風処理後の(a)におけるa−aで示される断面図である。 ただし、(c)は、各種シートの反り度測定時は各種シートを静置した状態を表す。 積層前のテスト用回路基板の構成の模式図である。 積層後のテスト用回路基板の構成の模式図である。
符号の説明
1:ポリイミドフィルムの試験片、2:アルミナ・セラミック板、3:テスト用回路基板、4:接着シート、5:銅箔、6:回路側高分子フィルム、7:絶縁層幅、8:接着シート高分子フィルム、9:接着剤、10:フィルムの変形、11:ボイド

Claims (13)

  1. 芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に熱可塑性接着剤層が形成されてなることを特徴とする接着シート。
  2. フィルムの300℃熱処理後のカール度が8%以下であることを特徴とする請求項1に記載の接着シート。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の接着シートの熱可塑性接着剤層側に金属箔が積層されてなることを特徴とする金属積層シート。
  4. 請求項3に記載の金属積層シートの金属箔を一部除去してなることを特徴とするプリント配線板。
  5. 請求項4に記載のプリント配線板を複数枚積層してなることを特徴とする多層プリント配線板。
  6. 請求項4又は5いずれかに記載のプリント配線板に半導体チップが実装されてなることを特徴とするプリント配線板。
  7. 芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであって、ポリイミドが少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてフェニレンジアミン残基を有し、かつフィルムの300℃熱処理後のカール度が10%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとし、当該基材フィルムの少なくとも片面に熱可塑性接着剤層が形成されてなることを特徴とする接着シートロール。
  8. 300℃熱処理後のカール度が8%以下であるポリイミドフィルムを基材フィルムとすることを特徴とする請求項7の接着シートロール。
  9. 幅238〜516mm、長さ30〜2100mであることを特徴とする請求項7又は8記載の接着シートロール。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の接着シートの熱可塑性接着剤層側に金属箔が積層されてなることを特徴とする金属積層シートロール。
  11. 請求項10に記載の金属積層シートの金属箔を一部除去してなることを特徴とするプリント配線板用ロール。
  12. 請求項11に記載のプリント配線板を複数枚積層してなることを特徴とする多層プリント配線板用ロール。
  13. 請求項11又は12に記載のプリント配線板に半導体チップが実装されてなることを特徴とするプリント配線板用ロール。
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