JP6034230B2 - ねぎ掘り起し収穫機 - Google Patents
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そして、特許文献2記載のねぎ掘り起し収穫機では、畝崩し装置の畝崩しディスクで畝の左右両肩を崩して土抵抗を低減するようにしたものである。
掘り起し搬送コンベアの前方左右両側には、畝の両肩を切り崩す排土爪装置を配設するとともに、
排土爪装置は、掘り起し搬送コンベアを支持する収穫フレームから前方へ突出させた左右一対の爪連結支持棒の先端側に、左右方向に伸延させた爪軸を連動連結し、爪軸の一端に複数の排土爪を取付けて、排土爪が爪軸廻りに回転することで、畝を切り崩しするとともに、切り崩しした土を粉砕するようにし、
排土爪の角度は、爪連結支持棒の先端側に連動連結した爪軸が、爪連結支持棒の軸線廻りに回動されて、基端部中心に上下に揺動調整されることで調節可能としたことを特徴とするねぎ掘り起し収穫機である。
そして、掘り起し搬送コンベア装置を畝内のねぎの根部下方まで確実に進入させることができると共に、植生されたねぎの取り込みが容易になる。
すなわち、排土爪を畝の両肩部分に均等配置した場合には、左右一対の排土爪が畝に左右両肩部分を均等に土崩しするので、土崩しした土が畝谷間に均等に落ちることになりクローラが乗り上げるような局所的な凹凸が少なくなり、土崩ししても走行に影響を与えない効果を有する。
排土爪の角度は、爪連結支持棒の先端側に連動連結した爪軸が、爪連結支持棒の軸線廻りに回動されて、基端部中心に上下に揺動調整されることで調節可能としているため、排土爪の角度を変えることで、畝Uの切り崩しする土量を調節することができる。
また、条植えや千鳥植えに対応することができる。
これにより、隣接する畝に植生された未掘りのねぎ、作業者、機体等に土が飛散するのを飛散防止カバーで防止できる効果を有する。
図1は、ねぎ掘り起し収穫機Aの全体構成を示した左側面図であり、図2は、その右側面図であり、図3は、その平面図であり、図4は、その正面図である。
収穫フレーム19は、走行フレーム18に対して機体12の左右方向軸線とする回動軸29で回動自在に枢支されている。
これにより、掘り起し部14や搬送部15の畝Uに対する高さ位置を調整することができ、掘り起し部14のねぎ11への掘り起し高さ位置も調整できる。
最初に、走行部13の詳細について説明する。
走行部13は、図1及び図2に示すように、前後方向に伸延する走行フレーム18の中央部に駆動輪31を連動連結する一方、同走行フレーム18の前後に遊動輪32を回転自在に軸支し、前後の遊動輪32間にも転動輪33を配設し、これら駆動輪31を頂点とし、前後の遊動輪32と転動輪33とを底辺とする側面視三角形状の履帯34を巻回している。
次に、掘り起し部14の詳細について説明する。
掘り起し部14は、図1〜図4に示すように、畝押え用ゲージ輪21、掘り起し搬送コンベア23と、を備えると共に、掘り起し搬送コンベア23の前方に排土爪装置22を、掘り起し搬送コンベア23の後方に土落し機構24を備えたものである。
すなわち、畝押え用ゲージ輪21は、収穫フレーム19に連結した支持フレーム78の下端に左右一対の接地ホイール77を回転自在に取り付け、この左右一対の接地ホイール77を畝Uの左右側方から押し付けることで、走行機体12を畝Uの伸延方向に沿って追従させて走行させるものである。
土搬送コンベア36は、図5に示すように、左右フレーム37,37の後部に左右一対の駆動スプロケット38を配置し、前部に左右一対の従動スプロケット39を配置している。駆動スプロケット38及び従動スプロケット39の間には土搬送コンベア36本体を巻回している。
エンジンEからの動力を受けて駆動スプロケット38が回転すると、駆動スプロケット38上の係止溝40に係止された各棒状体42が回転し、各棒状体42と共にスラット43が第1挟持搬送ベルト25の始端部の方向へ転動する。
この転動に伴って棒状体42やスラット43等が土に作用することで、余分な土は棒状体42間から落しながら、ねぎ11を土ごと搬送部15の方向へ搬送できるようにしている。
これにより、掘り起し搬送コンベア23を斜めに進入させると、垂直に植生されているねぎ11は掘り起し搬送コンベア23上で搬送されながら角度を変更して第1挟持搬送ベルト25の始端部まで搬送される。
排土爪装置10は、後で詳細に説明する。
次に、土落し機構24の詳細について説明する。
図6は、土落し機構24の構造及び土落し方法を説明する説明図である。
すなわち、鉄製の扱ぎ歯を外周面に設けた回転ドラムを挟持搬送ベルトの下方に配設し、挟持搬送ベルトでの搬送中にねぎ11の根部11cの土落しを行うものが知られている。
回転ドラムは、軸線を搬送方向とは垂直であって、水平軸回りに回転させるように構成したものである。
すなわち、土落し機構24は、図6に示すように、掘り起し搬送コンベア23の後方であって、第1挟持搬送ベルト25の下方の位置に配設されている。
ブラシ用回転軸53,53は、左右一対で構成し、ねぎ11の根部11cの搬送方向に対して直交させて配設している。
すなわち、ブラシ用回転軸53,図6に示すように、53には左右一対の土落しブラシ55,55が所定間隔を有して複数配置されている。
土落しブラシ55,55の突起片55aは、その先端に所定曲率を有する丸みを形成している。
この際、土落しブラシ55,55が互いに逆回転しつつ葉鞘部11b下部や根部11c全体に作用しながら土をかき落す。
すなわち、根部11cの土を下方に落す方向に、各土落しブラシ55は互いに逆回転で回転する。
すなわち、ブラシ用回転軸53,53に沿って複数の土落しブラシ55,55を間隙部材72により所定間隔を有して複数列配置している。
土落し機構24の土落しブラシ55,55の数は特に限定されないが、搬送方向に沿って数を増やすことで作用時間をより多く取ることができる。
次に、搬送部15について詳細に説明する。
搬送部15は、図3に示すように、掘り起し部14の後方に配設した第1挟持搬送ベルト25と、第1挟持搬送ベルト25の後方であって操作部16の側方に配設した第2挟持搬送ベルト26とを有する。
また、第1挟持搬送ベルト25は、収穫フレーム19後部より斜めに立設した立設円筒材中73に内蔵したシャフト74(図7に示す)を介して連動連結した第1駆動プーリ56と、収穫フレーム19の先端下方に配設した第1従動プーリ57とを備え、これらに無端状の第1ベルト材58を掛け回して構成したものである。
図3中、71は保護カバーである。
すなわち、図3に示すように、くの字に屈曲した複数のベルト張り部材60が屈曲部にて垂直軸回りに回動自在に枢支されている。各ベルト張り部材60の先端部には押圧ローラ59が軸支され、後端部には引っ張りバネ(図示せず)の一端側を連結している。引っ張りバネの他端側は、隣り合うベルト張り部材60の屈曲部に連結している。
これにより、第1挟持搬送ベルト25は、左右一対の第1ベルト材58,58でねぎ11の葉鞘部11bや葉身部11aを挟持できると共に、ねぎ11に損傷を与えることなく搬送できるようにしている。
すなわち、図3に示すように、第2挟持搬送ベルト26は、始端部の左右一対の第2駆動プーリ79(又は第2従動プーリ)を垂直軸回りに回転自在に構成し、終端部の左右一対の第2従動プーリ80(又は第2駆動プーリ)を水平直軸回りに回転自在に構成し、これらの間に第2ベルト材82を掛け回して構成したものである。
このように構成することで、第2挟持搬送ベルト26では、ねぎ11は、縦姿勢から作業者から見て葉身部を右側に倒伏した状態で作業台28まで搬送される。
操作部16は、図3に示すように、走行操作や収穫操作、更には、機体12走行のための変速操作としては、操作コラム27に配設した各種操作レバー等により行うように構成されている。すなわち、操作部16の操作コラム27に配設した操作レバー盤に左から主変速レバー65、走行・作業レバー66、左サイドクラッチ67、右サイドクラッチ68、アクセルレバー69が設けられている。
集束部17は、第2挟持搬送コンベアの後方に配設されるもので、ねぎネット等によりねぎ11を複数本束ねて1つに結束する作業台28を備えたものである。
すなわち、集束部17は、ねぎネットによりねぎ11を複数本束ねて結束する作業台28を備えたものである。例えば、矩形の網状ネットにより、複数本ねぎ11を巻回して結束(手作業)することで1つに集束できるようにしている。
次に、図7に示す動力伝達機構図において、エンジンEから各駆動装置に至るまでの動力伝達機構について説明する。
図7は、ねぎ掘り起し収穫機Aの動力伝達機構を示した説明図である。
また、エンジンEの出力軸133に第2連動ベルト機構112を介して入力軸134を連動連結すると共に、第3連動ベルト機構113を介して第1主軸121に連結している。
すなわち、第1主軸121から、第4連動ベルト機構114を介して、前記のように走行フレーム18にミッションケース70が取り付けられ、このミッションケース70には前記第1主軸121からの動力が伝達される。
そして、ミッションケース70内の変速機構にて走行用動力として変速してクローラ20の駆動輪31を駆動可能としている。
また、第1主軸121には第5連動ベルト機構115を介して第2主軸122に連動連結する。
また、第2主軸122には、第2作業部である掘り起し搬送コンベア23の駆動軸128に動力を伝達する第2作業部伝達機構132が連動連結されている。
また、エンジンEからの動力を、第3主軸123より第3ベベルギヤ138を介して土落し機構24の土落しブラシ55,55のブラシ用回転軸53,53に伝達可能に構成している。
具体的には、ウォームケース125内にウォームギヤ126とウォームホイル127を配置し、ウォームホイル127の回転動力を第10伝動機構120を介して第1挟持搬送ベルト25及び第2挟持搬送ベルト26の左右一対のシャフト74及び第1駆動プーリ56、第2駆動プーリ79に伝達可能に構成している。
このように構成されたねぎ掘り起し収穫機Aにおいて、まず、畝Uの伸延方向に沿って畝押え用ゲージ輪21で押圧しながら走行機体12を走行させる。
同時に、本発明の排土爪50,50により左右の畝Uを掻き上げながら崩していく。崩した土は畝U間の谷間に転がり落ちる。
ねぎ11は、第1挟持搬送ベルト25の搬送ベルトで挟持されながら機体12後方に搬送される。
そして、ねぎ11は、第2コンベアでは作業台28に載置しやすい状態、すなわち、縦姿勢から倒伏状態に変更して作業台28に搬送される。
以下、本発明の要部構成を含む排土爪装置22,22について詳細に説明する。
図8は、排土爪装置22,22の構成を示した説明図である。
すなわち、排土爪装置22,22は、図1に示すように、収穫フレーム19の中央から左右に爪連結支持棒44,44を突出し、その爪連結支持棒44,44の先端側に連動連結されている。
また、排土爪装置22は、排土爪50,50の上方に土跳ねを防止する飛散防止カバー47を配設している。
このホルダー48には排土爪50,50の基端側を収納可能とし、取付金具49により着脱自在に取り付け可能としている。
垂直刃部50aは、例えば側面視略L字型に形成されており、下部先端には刃先75aが形成されている。
水平刃部50bは、例えば翼状に形成されており、翼先端には刃先75bが形成されている。
すなわち、図9に示すように、排土爪装置22,22は、左右一対の排土爪50,50により畝Uの左右両肩部分をから取り崩し可能としている。左右一対の排土爪50,50により掘り起こし装置が土中に進入する抵抗を減らすことができる。
そして、排土爪50,50の垂直方向に伸延した垂直刃部50aで畝Uを垂直に切り崩しすることができ、水平刃部50bで切り崩しした土を粉砕する。
排土爪50,50の左右間隔は、作付条件に応じて調整可能としている(図8に示すW方向)。例えば、条植え、千鳥植えに対応できるように排土爪50,50の左右間隔を変更可能としている。
例えば、図10に示すように、千鳥植えした一方のねぎ11に対して排土爪50,50の爪軸45のボス部分45aの長さが異なるものを使用し、畝Uに植生されているねぎ11に対して排土爪50,50の位置を変更するようにする。
例えば、軟らかい圃場の場合には排土爪50,50の位置をねぎから遠ざけて収穫するようにすることで、排土爪50,50がねぎ11に傷付くのを防止することができる。
すなわち、排土爪50,50の角度を変えることで、畝Uの切り崩しする土量を調節することができる。
飛散防止カバー47,47は、図8に示すように、排土爪50,50の上方を覆い、非作用側、すなわち、排土爪50,50の外側方及び後方を覆うように構成している。
11 ねぎ作物
11a 葉身部
11b 葉鞘部
11c 根部
12 自走機体
13 掘り起し搬送コンベア装置
14 挟持搬送ベルト
15 畝
16 排土爪
17 飛散防止カバー
18 回転軸芯
Claims (4)
- 自走機体の前部に、掘り起こしたねぎの根部を縦姿勢に載置して揚上しながら搬送する掘り起し搬送コンベアと、該掘り起し搬送コンベアの上方に位置して畝から掘り起こされたねぎの茎葉部を縦姿勢で挟持して搬送する挟持搬送ベルトと、よりなるねぎ掘り起し収穫機において、
掘り起し搬送コンベアの前方左右両側には、畝の両肩を切り崩す排土爪装置を配設するとともに、
排土爪装置は、掘り起し搬送コンベアを支持する収穫フレームから前方へ突出させた左右一対の爪連結支持棒の先端側に、左右方向に伸延させた爪軸を連動連結し、爪軸の一端に複数の排土爪を取付けて、排土爪が爪軸廻りに回転することで、畝を切り崩しするとともに、切り崩しした土を粉砕するようにし、
排土爪の角度は、爪連結支持棒の先端側に連動連結した爪軸が、爪連結支持棒の軸線廻りに回動されて、基端部中心に上下に揺動調整されることで調節可能としたことを特徴とするねぎ掘り起し収穫機。 - 排土爪の左右間隔は、作付条件に応じて調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載のねぎ掘り起し収穫機。
- 排土爪の非作用側及び上方側に飛散防止カバーを配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のねぎ掘り起し収穫機。
- 排土爪の高さ位置は、爪連結支持棒をその基端部を中心に昇降させることで調節可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のねぎ掘り起し収穫機。
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