JP6031841B2 - 内燃機関のegrバルブの清掃方法及び内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、ターボ式過給システムと、内燃機関の過渡運転時に発生するターボラグによる空気量の不足を補うために予め貯蔵した圧縮空気を気筒内に導入する過給補助システムと、EGRバルブを有するEGRシステムを備えた内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関(エンジン)には、図11に示すようなターボ式過給システム1が用いられているが、このターボ式過給システム1は、エンジン本体11の吸気マニホールド11aに接続された吸気通路12と、排気マニホールド11bに接続された排気通路13を有して構成されている。更に、吸気通路12には、上流側からエアクリーナー14とターボ式過給器(ターボチャージャ)15のコンプレッサ15aと、インタークーラ16とスロットルバルブ17が配設され、排気通路13には、ターボ式過給器15のタービン15bが設けられている。また、排気通路13のタービン15bの上流側と吸気通路12のスロットルバルブ17の下流側とをEGR通路18で連結し、このEGR通路18にEGRクーラ19とEGRバルブ20を設けている。
このターボ式過給器15は、1本の軸(シャフト)の両端に2つの羽根車が備えられ、その一方(タービン15b側)に排気ガスGを流して羽根車を回転させ、これにより回転するもう一方(コンプレッサ15a側)の羽根車で吸気した空気Aを圧縮する。言い換えると、タービン15bを用いて排気ガスGから取り出した仕事をコンプレッサ15aが使い、空気Aを圧縮する。これにより、従来に比べて高い圧力の空気Aを筒内に導入できるため、筒内に導入される空気量を多くすることができる。従って、このターボ式過給器15を用いたターボ式過給システム1では、より多くの空気Aを筒内に導入できるため、トルクの向上、排気ガスの有害物質の低減を図ることができる。
しかしながら、このターボ式過給システム1による過給では、要求される空気量を筒内にターボ式過給器15が導入できるようになるまでの間に時間差が生じ、いわゆるターボラグが発生するという短所がある。このターボラグは、排気ガスGの圧力を利用してタービン15bを回転させて、その回転でコンプレッサ15aを作動させて空気Aを圧縮し、その空気Aを筒内(シリンダ内)に送り込み燃焼を行い、その排気ガスGで更にタービン15bを回転するというサイクルを繰り返して、筒内に導入する空気量Aを増加させるターボ式過給システム1では必ず発生する現象であり、特に過渡運転時に起きる。
過渡運転時では、図12に示すように、エンジン回転速度の増加にともない、必要となる空気量bも増加するが、このターボラグが発生すると、必要となる空気量bを確保できなくなる。このとき、推移するエンジン回転速度および負荷(アクセル開度)に応じて必要となる燃料量(燃料噴射量)Bに対して必要な空気量bが増加するが、この空気量bに対して実際に供給される空気量cが斜線部分だけ少なくなってしまう。その結果、空気量cが少ないことにより燃焼可能な燃料量Cが減少して内燃機関の出力が低下し、また、EGRをかけられないことによりNOxが増加して排気性能が悪化する。つまり、図11に示す過給システム1において、過渡運転時にターボラグが発生するため、必要な空気量Aの確保ができず、排気性能は悪化する。
そこで、このターボラグによる出力、排気性能の悪化に対する対策として、図13に示すように、予め蓄圧した圧縮空気Acを吸気通路12上に導入して、過渡運転時の空気量Aの不足を補う方法が採用され、エンジン回転速度および負荷(アクセル開度)が急激に変化する時に、この変化と同時に、スーパーチャージャ又はエアコンプレッサ21等を用いて予め圧縮空気タンク22に貯蔵した圧縮空気Acを、流路切替装置(切替バルブ)24により空気吸入通路12aから過給補助通路23に切り替えて吸気通路12に導入して過渡運転時の空気量の不足を補う過給補助システム10がある。
なお、この過給補助システム10を採用する場合には、過給補助の時に、圧縮空気Acが、吸気通路12の上流側の空気吸入通路12a、即ち、エアクリーナー14側へと逆流するのを防止するために、逆流防止用のバルブ(逆流防止弁)を吸気通路12(又は12a)に設置する必要があるが、図13の構成では、流路切替装置24に、過給補助の開始と終了を制御する機能と共に、この圧縮空気Acの逆流防止の機能を持たせている。
この過給補助システムの別の例として、例えば、吸気通路に接続した過給気通路と、所定の圧力の過給気を貯蔵し、該過給気を過給気通路に送出する過給気タンクと、過給気通路に設けられ、機関運転状態に応じて開閉する過給弁と、過給気通路を接続した部位よりも上流の吸気通路に設けられて吸気の逆流を防止する逆流防止弁とを含んで構成される内燃機関の過給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この過給補助により、過給補助を行わない場合に比べて、過給器のタービン側が回収するエントロピーが増加するため、過給器の応答性が向上し、これにより、ターボラグを改善でき、発進性能の向上と、排気ガスの有害成分の低減が可能となる。
そして、この圧縮空気タンクを用いる過給補助システムを採用した場合には、内燃機関の運転を終了した際に、そのまま放置すると結露して、次に使用する際に、エンジン内に水分が入って故障の原因となるので、圧縮空気タンク内に蓄圧されている圧縮空気を大気中に放出する必要がある。
一方、内燃機関の運転では、過給補助をしないときは、通常の運転が行われるが、この通常の運転では、EGR(排気再循環)システムを使用して、吸入空気とEGRガスを混合させたガスを筒内(シリンダ内)に導入することで、筒内の燃料温度を低下させて、NOxを低減させている。このEGRガスは必要以上に導入すると、スモーク(SM)の排出量が増加するため、吸入空気とEGRガスの割合は、内燃機関の運転条件に合わせて、適切な割合にする必要がある。この適切な割合は、実験等により予め設定されているが、この適切な割合におけるEGRを実現するために、EGR通路に配設したEGRバルブを用いて筒内に導入するEGRガス量を制御している。
このEGRバルブには、圧力式のEGRバルブ(例えば、特許文献2参照)やモータによって駆動されるEGRバルブ(例えば、特許文献3参照)等があり、このモータ駆動のEGRバルブでは、リターンスプリングによりバルブを付勢する力と、モータによって駆動されるシャフトによりバルブを開方向に押す力とのバランスにより、バルブを開閉させている。
しかしながら、EGRガスは排気ガスそのものであり、この排気ガス中には、スモーク成分が存在するため、このスモーク成分がEGRバルブに付着して、EGRバルブの制御に支障をきたし、EGRバルブの微小な開度の制御ができなくなり、排気ガスの状態の悪化やエンジン出力の悪化などが起きるという問題がある。
このEGRバルブの固着を回避するために、高圧EGR通路に設けられた高圧EGR弁の閉弁固着可能性の判定手段と、EGR弁が閉弁固着する可能性があると判定された場合に、EGR弁を一定時間の間1回以上複数回連続的に全閉と中間開度の間で強制的に開閉させる固着回避手段を備えた内燃機関の排気還流装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
この固着回避手段による固着回避動作は、EGR運転中に行われるため、高圧EGRと低圧EGRを併用したEGR通路を2系統有して構成し、一方のEGR弁が固着回避動作を行っている時には、この固着回避動作に起因する変化を相殺するように、他方のEGR弁の開度を補正する必要がある。
特開2011−208644号公報 特開平11−200958号公報 特開2007−198243号公報 特開2008−8207号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ターボ式過給システムと予め貯蔵した圧縮空気を気筒内に導入する過給補助システムとEGRシステムを備えた内燃機関において、内燃機関の運転が終了したときに、過給補助用に予め貯蔵した圧縮空気を利用してEGRバルブに付着した煤を除去することができる内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の内燃機関のEGRバルブの清掃方法は、ターボ式過給システムと、流路切替装置により空気吸入通路から過給補助通路に切り替えて予め圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を気筒内に供給する過給補助システムと、駆動装置により開閉されるEGRバルブを有するEGRシステムを備えた内燃機関のEGRバルブの清掃方法において、前記内燃機関の運転を終了したときに、前記圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を前記駆動装置とは別の装置として前記EGRバルブに設けられた清掃装置に供給して、この清掃装置により、閉弁状態の前記EGRバルブのバルブ本体を開弁方向に移動させることなく、この閉弁状態の位置で駆動軸周りに回動して前記バルブ本体と弁座とを摺り合せて、前記EGRバルブの清掃を行うことを特徴とする方法である。
この方法によれば、内燃機関の運転を停止して、過給補助システムで使用する圧縮空気を放出する際に、この圧縮空気を使用してEGRバルブを清掃できて、付着した煤でEGRバルブのバルブ本体が弁座に固着するのを防止できるので、EGRバルブの微小開度制御などの制御性を良好に保つことができる。
また、比較的容易にEGRバルブを清掃することができる。
そして、上記のような目的を達成するための本発明の内燃機関は、ターボ式過給システムと、流路切替装置により空気吸入通路から過給補助通路に切り替えて予め圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を気筒内に供給する過給補助システムと、駆動装置により開閉されるEGRバルブを有するEGRシステムを備えた内燃機関において、前記駆動装置とは別の装置として前記EGRバルブに清掃装置を設け、前記圧縮空気タンクと前記清掃装置とを接続する空気配管を設け、この空気配管に前記清掃装置への圧縮空気の供給を制御する制御弁を設けると共に、前記内燃機関の運転を終了したときに、前記制御弁を制御して、前記圧縮空気タンクから放出される圧縮空気の全部または一部を前記清掃装置へ供給して、前記清掃装置により、閉弁状態の前記EGRバルブのバルブ本体を開弁方向に移動させることなく、この閉弁状態の位置で駆動軸周りに回動して前記バルブ本体と弁座とを摺り合せて、前記EGRバルブを清掃する制御を行うように構成された制御装置を備えて構成する。
この構成によれば、内燃機関の運転を停止して、過給補助システムで使用する圧縮空気を放出する際に、この圧縮空気を使用してEGRバルブを清掃できて、付着した煤でEGRバルブのバルブ本体が弁座に固着するのを防止できるので、EGRバルブの微小開度制御などの制御性を良好に保つことができる。
また、比較的容易にEGRバルブを清掃することができる。
本発明に係る内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関によれば、ターボ式過給システムと予め貯蔵した圧縮空気を気筒内に導入する過給補助システムとEGRシステムを備えた内燃機関において、内燃機関の運転が終了して予め圧縮空気タンクに貯蔵した過給補助用の圧縮空気を放出する際に、この放出される圧縮空気を利用してEGRバルブに付着した煤を除去することができる。
これにより、EGRバルブを清掃できて、付着した煤でEGRバルブのバルブ本体が弁座に固着するのを防止できるので、EGRバルブの微小開度制御などの制御性を良好に保つことができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態の内燃機関で使用するEGRバルブとその清掃装置の構成を示す図で、EGRバルブが閉弁状態であるときの図である。 図2のEGRバルブとその清掃装置の構成を示す図で、EGRバルブが開弁状態であるときの図である。 図2の清掃装置の構成を示す部分的な斜視図である。 清掃装置の動きを示す図で、圧縮空気の供給前の状態を示す図である。 清掃装置の動きを示す図で、圧縮空気の供給開始直後の状態を示す図である。 清掃装置の動きを示す図で、圧縮空気の供給中の状態を示す図である。 清掃装置の動きを示す図で、圧縮空気の逃がし中の状態を示す図である。 清掃装置の動きを示す図で、圧縮空気を逃がした状態を示す図である。 清掃装置の別の例を示す図である。 単段の過給システムを備えた内燃機関の構成を模式的に示す図である。 過給システムを備えた内燃機関のエンジン回転数に対する燃料噴射量と空気量を示す図である。 単段の過給システムと過給補助システムとEGRシステムを備えた内燃機関の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の実施の形態の内燃機関(エンジン)は、エンジン本体11の吸気マニホールド11aに接続された吸気通路12と、排気マニホールド11bに接続された排気通路13を有して構成され、更に、ターボ式過給システム1と過給補助システム10とEGRシステム18〜20を備えて構成される。
そして、吸気通路12の上流側である空気吸入通路12aにエアクリーナー14が設置され、空気吸入通路12aの下流側の吸気通路12に上流側から順にターボ式過給器(ターボチャージャ)15のコンプレッサ15aと、インタークーラ16とスロットルバルブ17が配設され、排気通路13には、ターボ式過給器15のタービン15bが設けられている。このターボ式過給器15のコンプレッサ15aとタービン15bにより、ターボ式過給システム1が構成されている。
また、過渡運転時に、ターボラグによる空気量不足に対応して圧縮空気Acを吸気通路12に供給するために、圧縮空気Acを生成するコンプレッサ21とこの圧縮空気Acを貯蔵する圧縮空気タンク22を設けた過給補助通路23が、空気吸入通路12aと吸気通路12の境に配置された流路切替装置(切り替えバルブ)24を介して接続される。これらにより過給補助システム10が構成されている。
この流路切替装置24により、内燃機関の過渡運転時に、吸気の供給通路を空気吸入通路12aから過給補助通路23に切り替えて、この過給補助通路23から圧縮空気Acを吸気通路12に供給する過給補助を行う。この流路切替装置24としては、msecオーダーの極めて短時間で流路を切り替える必要があるために、図1に示すようなシャッター方式の切替バルブを用いることが好ましい。なお、この圧縮空気タンク22には内部圧力を測定するための圧力センサ(図示しない)が設けられる。また、空気吸入通路12aには、空気Aの流量を測定するための吸気量センサ(MAFセンサ:図示しない)が設けられる。
また、排気通路13のタービン15bの上流側と吸気通路12のスロットルバルブ17の下流側とをEGR通路18で連結し、このEGR通路18にEGRクーラ19とEGRバルブ20を設けている。これらにより、EGRシステム18〜20が構成されている。
このEGRバルブ20は、図2及び図3に示すように、ケース20aに、バルブ本体20bを固定した駆動軸20cを移動可能に支持して、バルブ本体20bと弁座20dとが離間及び当接するように構成している。この駆動軸20cは、一端側(矢印A側)はケース20aの端部20kに軸支され、他端側(矢印B側)はケース20a内を移動可能な第1バネ固定板20eに固定されている。
この第1バネ固定板20eと、駆動軸20cが貫通し、且つ、付勢バネ20fよりもバルブ本体20b側(矢印A側)でケース20aに固定されている第2バネ固定板20gとの間に、バルブ本体20bを閉弁方向(矢印B側)に付勢する付勢バネ20fが配置されている。更に、第1バネ固定板20eを付勢バネ20fの付勢力に対抗して、バルブ本体20bを開弁方向(矢印A側)に移動するピストン20jとピストン軸20iと、このピストン軸20iを伸縮する電動モータ(駆動装置)20hが設けられている。
また、EGR通路18の上流側は、弁座20dの位置よりもバルブ本体20bの開弁方向側(矢印A側)に接続し、EGR通路18の下流側は、弁座20dの位置よりもバルブ本体20bの閉弁方向側(矢印B側)、即ち、弁座20dと第2バネ固定板20gの間に接続している。
この構成により、図2に示すように電動モータ20hの作動によりピストン軸20iが縮小しピストン20jが電動モータ20h側(矢印B側)に移動しているときには、付勢バネ20fの付勢力により、第1バネ固定板20eと駆動軸20cは電動モータ20h側(矢印B側)に移動し、バルブ本体20bは弁座20dに当接して、EGRガスGeの流れを止める。
一方、図3に示すように、電動モータ20hの作動によりピストン軸20iが伸長しピストン20jがバルブ本体20b側(矢印A側)に移動しているときには、付勢バネ20fの付勢力に抗して、第1バネ固定板20eと駆動軸20cはバルブ本体20b側(矢印A側)に移動し、バルブ本体20bは弁座20dから離間して、EGRガスGeが流れるようになる。また、電動モータ20hのピストン軸20iの伸縮量の制御により、バルブ本体20bと弁座20dとの離間距離を制御でき、EGRガスGeの流通量を制御できる。
本発明においては、図1に示すように、内燃機関の運転を終了したときに、過給補助システム10の圧縮空気タンク22の圧縮空気Acを用いて、EGRバルブ20の清掃を行うために、圧縮空気タンク22とEGRバルブ20の清掃装置40とを接続する空気配管25を設け、この空気配管25に清掃装置40への圧縮空気Acの供給を制御する第1制御弁26と第2制御弁27を設ける。
また、清掃装置40は、図2〜図4に示すように、ケース20aの電動モータ20hがある方向とは逆方向(矢印A側)の端部20kの近傍に配置されたピストン41と、このピストン41により伸縮する移動部材42と、この移動部材42に固定された可動突起43と、ケース20aの端部20kから突出した駆動軸20cに固定され、かつ、可動突起43と係合する係合羽44とから構成される。なお、移動部材42の上部には、左右にぶれないようにキー42aが設けられ、ピストン41側のキー溝41eに挿入される。
また、図5〜図9に示すように、ピストン41は、バネ室41aと、空気室41bと、この間に設けられたピストン壁41cと、バネ室41aに配置されてピストン壁41cを矢印D方向に付勢するバネ体41dとを有して構成される。また、この空気室41bには、第1制御弁26を有する空気配管25と第2制御弁27を有する空気配管25が接続されている。この空気配管25は、図1に示すように圧縮空気タンク22に接続し、また、第1制御弁26を開弁して第2制御弁27を閉弁すると圧縮空気Acが清掃装置40に供給され、第1制御弁26と第2制御弁27を開弁すると圧縮空気Acが大気中に放出されるように構成される。
次に、この内燃機関のEGRバルブ20の清掃方法について説明する。この清掃方法は、第1制御弁26と第2制御弁27を制御するための制御装置(図示しない)を、内燃機関の全般を制御するECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれるエンジン制御装置(図示しない)内に設けて構成したり、あるいは、このエンジン制御装置の一部で兼用して構成したりする。
さらに、この制御装置を、内燃機関の運転を終了したときに、図1に示す第1制御弁26と第2制御弁27を、図5〜図9に示すように開閉制御して、圧縮空気タンク22から放出される圧縮空気Acの全部または一部を清掃装置40へ供給してEGRバルブ20を清掃する制御を行うように構成する。
図5に示すように、内燃機関の運転中は、第1制御弁26を閉弁状態にし、第2制御弁27は閉弁状態又は開弁状態にしておく。この状態では、空気室41bには圧縮空気Acが供給されていないので、バネ体41dにより、ピストン壁41cは、矢印D方向に移動し、移動部材42と可動突起43も矢印D方向に移動して、可動突起43と係合羽44の係合が外れた状態となっている。
内燃機関の運転が終了し、図1に示す圧縮空気タンク22に設けられた空気配管25の第1制御弁26を開弁して、圧縮空気タンク22内の圧縮空気Acを大気中に開放する作業を行う。このとき、第2制御弁27を閉弁して、図6に示すように、空気配管25の第1制御弁26を開弁状態に、第2制御弁27は閉弁状態にする。この状態では、圧縮空気Acが、空気室41bに導入されて、バネ体41dの付勢力に打ち勝って、ピストン壁41cは、矢印C方向に移動し、移動部材42と可動突起43も矢印C方向に移動する。この移動がある程度進むと、可動突起43が係合羽44と当接し係合し、可動突起43が係合羽44を押す状態となる。
更に、圧縮空気Acが空気室41bに十分に供給されて、図6に示す状態から図7に示す状態に移行して、ピストン壁41cと移動部材42と可動突起43は矢印C方向側に最大限移動する。この移動の際に、可動突起43が係合している係合羽44の先端側を矢印C方向に押して、EGRバルブ20の駆動軸20cを矢印E方向に回動する。
図7に示す状態から図8に示す状態に移動した後、即ち、可動突起43が矢印C方向側に最大限移動した後、図8に示すように、第2制御弁27を開弁する。この状態では、第1制御弁26を開弁状態にしておく。この状態では、空気室41bの圧縮空気Acが第2制御弁27を経由して大気中に放出される。なお、この第1制御弁26をこのタイミングで閉弁状態にしてもよいが、その分第1制御弁26の弁操作を行う必要が生じるので、第1制御弁26を開弁状態にしておく方が弁操作の数が少なくなり好ましい。
第2制御弁27の開弁により、空気室41bの室内の圧力が減少し、バネ体41dの付勢力により、ピストン壁41cと移動部材42と可動突起43が矢印D方向に移動して、図8に示す状態から図9に示す状態に移行する。この移行で、可動突起43が隣接する係合羽44と係合し、係合羽44の先端側を矢印D方向に引っ張るので、EGRバルブ20の駆動軸20cが矢印F方向に回動する。
この図6から図9に示す一連の第1制御弁26と第2制御弁27の開閉弁操作により、EGRバルブ20の駆動軸20cは強制的に回動させられる。そのため、図2に示すようなEGRバルブ20の閉弁状態で、駆動軸20cに固定されたバルブ本体20bが弁座20dに当接したまま、駆動軸20c周りにE方向に回動した後F方向に回動する。
この図6から図9の工程を、第2制御弁27の開閉操作により繰り返すことにより、バルブ本体20bを弁座20dに当接させたままの状態で、駆動軸20c周りのE方向とF方向の回動を繰り返すことができ、バルブ本体20bと弁座20dに付着した煤等を落とすことができ、EGRバルブ20の清掃を行うことができる。
なお、清掃装置40の可動突起43と係合羽44の構成の代わりに、移動部材42の先端側に配置された回転支点45aに一端が回動可能に支持され、他端に回転支点46aを有するリンク45と、この回転支点46aに一端が回動可能に支持され、他端が駆動軸20cに固定されるリンク46とで構成される、図10に示すような構成を用いてもよい。要は、圧縮空気Acの供給制御で生じる移動部材42の往復運動を回動運動に変換できればよい。
上記の構成により、内燃機関のEGRバルブの清掃方法において、内燃機関の運転を終了したときに、圧縮空気タンク22に貯蔵された圧縮空気AcをEGRバルブ20に設けた清掃装置40に供給して、EGRバルブ20の清掃を行うことができる。
そして、上記の内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関によれば、内燃機関の運転を停止して、過給補助システム10で使用する圧縮空気Acを放出する際に、この圧縮空気Acを使用してEGRバルブ20を清掃できて、付着した煤でEGRバルブ20のバルブ本体20bが弁座20dに固着するのを防止できる。その結果、EGRバルブ20の微小開度制御などの制御性を良好に保つことができる。
また、圧縮空気タンク22に貯蔵された圧縮空気Acにより、閉弁状態のEGRバルブ20のバルブ本体20bを駆動軸20c周りに回動してバルブ本体20bと弁座20dとを摺り合せて、EGRバルブ20の清掃を行うように構成したので、比較的単純な構成で容易にEGRバルブ20を清掃することができる。
本発明の内燃機関のEGRバルブの清掃方法及び内燃機関によれば、ターボ式過給システムと予め貯蔵した圧縮空気を気筒内に導入する過給補助システムを備えた内燃機関において、内燃機関の運転が終了したときに、過給補助用に予め貯蔵した圧縮空気を利用してEGRバルブに付着した煤を除去することができるので、数多くの車両に搭載する内燃機関等に利用できる。
1 ターボ式過給システム
10 過給補助システム
11 エンジン本体
12 吸気通路
12a 空気吸入通路
13 排気通路
15 ターボ式過給器(ターボチャージャ)
15a コンプレッサ
15b タービン
18 EGR通路
19 EGRクーラ
20 EGRバルブ
20a ケース
20b バルブ本体
20c 駆動軸
20d 弁座
21 コンプレッサ
22 圧縮空気タンク
23 過給補助通路
24 流路切替装置(切り替えバルブ)
25 空気配管
26 第1制御弁
27 第2制御弁
40 清掃装置
41 ピストン
42 移動部材
43 可動突起
44 係合羽
Ac 圧縮空気
Ge EGRガス

Claims (2)

  1. ターボ式過給システムと、流路切替装置により空気吸入通路から過給補助通路に切り替えて予め圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を気筒内に供給する過給補助システムと、駆動装置により開閉されるEGRバルブを有するEGRシステムを備えた内燃機関のEGRバルブの清掃方法において、
    前記内燃機関の運転を終了したときに、
    前記圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を前記駆動装置とは別の装置として前記EGRバルブに設けられた清掃装置に供給して、
    この清掃装置により、閉弁状態の前記EGRバルブのバルブ本体を開弁方向に移動させることなく、この閉弁状態の位置で駆動軸周りに回動して前記バルブ本体と弁座とを摺り合せて、前記EGRバルブの清掃を行うことを特徴とする内燃機関のEGRバルブの清掃方法。
  2. ターボ式過給システムと、流路切替装置により空気吸入通路から過給補助通路に切り替えて予め圧縮空気タンクに貯蔵された圧縮空気を気筒内に供給する過給補助システムと、駆動装置により開閉されるEGRバルブを有するEGRシステムを備えた内燃機関において
    前記駆動装置とは別の装置として前記EGRバルブに清掃装置を設け、前記圧縮空気タンクと前記清掃装置とを接続する空気配管を設け、この空気配管に前記清掃装置への圧縮空気の供給を制御する制御弁を設けると共に、
    前記内燃機関の運転を終了したときに、前記制御弁を制御して、前記圧縮空気タンクから放出される圧縮空気の全部または一部を前記清掃装置へ供給して、前記清掃装置により、閉弁状態の前記EGRバルブのバルブ本体を開弁方向に移動させることなく、この閉弁状態の位置で駆動軸周りに回動して前記バルブ本体と弁座とを摺り合せて、前記EGRバルブを清掃する制御を行うように構成された制御装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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