JP4736978B2 - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

内燃機関の排気還流装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4736978B2
JP4736978B2 JP2006179770A JP2006179770A JP4736978B2 JP 4736978 B2 JP4736978 B2 JP 4736978B2 JP 2006179770 A JP2006179770 A JP 2006179770A JP 2006179770 A JP2006179770 A JP 2006179770A JP 4736978 B2 JP4736978 B2 JP 4736978B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure egr
egr valve
high pressure
opening
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006179770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008008207A (ja
Inventor
正浩 長江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006179770A priority Critical patent/JP4736978B2/ja
Publication of JP2008008207A publication Critical patent/JP2008008207A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4736978B2 publication Critical patent/JP4736978B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は内燃機関の排気還流装置に関する。
内燃機関の排気通路と吸気通路とをEGR通路によって接続し、内燃機関からの排気の一部をEGR通路を介して吸気通路に還流させることによって、内燃機関からの排気中に含まれるNOxの低減を図る排気還流装置(EGR装置)が知られている。
EGR通路を介して還流される排気(EGRガス)の流量を調節するEGR弁がEGR通路に設けられた構成を有するEGR装置においては、排気中の未燃燃料成分や粒子状物質等がEGR弁に付着してEGR弁を閉弁固着させる可能性がある。これに対し、特許文献1には、内燃機関の始動完了後にEGR弁の閉弁固着が検出された場合に、EGR弁を強制開弁すべくEGR弁駆動用アクチュエータを制御することによって閉弁固着を解消する技術が開示されている。
特開2004−278307号公報 特開2002−55712号公報
上記特許文献1に開示された技術は、EGR弁が閉弁固着した場合にEGR弁を強制開弁することによってEGR弁の固着を解消する技術であるため、EGR弁が固着してからEGR弁の固着が解消されるまでの期間におけるEGR率の目標EGR率からの乖離を回避することができない。
また、閉弁固着したEGR弁を強制開弁することに伴うEGR率の変化に起因するトルクの変動が避けられないため、ある程度以上機関回転数及び/又は機関負荷が大きい運転状態においてはEGR弁の強制開弁による固着解消を行うことができない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、EGR率の変動を抑制しつつEGR弁の固着を回避することを可能にする技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の排気還流装置は、
内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続する複数系統のEGR通路と、
前記各EGR通路に設けられEGR通路の流路断面積を変更するEGR弁と、
内燃機関の運転状態に応じて前記各EGR弁の基本開度を決定する基本開度決定手段と、
前記各EGR弁のうち少なくとも1つのEGR弁を一定時間の間1回以上開閉させる固着回避手段と、
前記固着回避手段によって開閉させられるEGR弁が設けられたEGR通路を流通する排気の流量の該EGR弁の開閉動作に起因する変化が相殺されるように、前記固着回避手段によって開閉させられていないEGR弁について、前記一定時間の間は、前記基本開度決定手段によって決定される前記基本開度を補正する開度補正手段と、
を備えることを特徴とする。
このように構成された排気還流装置では、EGR弁に付着した排気中の未燃燃料成分や
粒子状物質は、固着回避手段によってEGR弁が強制的に一定時間の間1回以上開閉動作することによってEGR弁から除去されるため、これらの付着物が原因となってEGR弁が閉弁固着する可能性が低減される。
ここで、固着回避手段による強制開閉動作は1回以上行われるが、好ましくは短周期で複数回連続的に開閉動作が繰り返されるとよい。また、開閉動作における閉弁側の開度は全閉とすることが好ましい。一方、開弁側の開度は任意の開度としても良いが、中間開度とすることで、開閉動作の1周期に要する時間が短くなるため、短周期で開閉動作を行わせることができ、より確実にEGR弁の付着物を除去することができる。
ここで「一定時間」とは、EGR弁に付着した未燃燃料成分や粒子状物質がEGR弁から除去されるために十分な時間として予め定められる時間である。
このようにEGR弁を強制開閉(以下「固着回避動作」という)させた場合、EGR通路のうち固着回避動作を行っているEGR弁が設けられているEGR通路を流通する排気の流量は、当該EGR弁が固着回避動作を行っていない時に当該EGR通路を流通する排気の流量から変化する。
例えば、固着回避動作を行っていない時の当該EGR弁の開度が比較的大きい開度とされていた場合には、当該EGR弁が固着回避動作を行っている時に当該EGR通路を介して還流する排気の流量は固着回避動作を行っていない時と比較して減少する。
一方、固着回避動作を行っていない時の当該EGR弁の開度が比較的小さい開度とされていた場合には、当該EGR弁が固着回避動作を行っている時に当該EGR通路を介して還流する排気の流量は固着回避動作を行っていない時と比較して増加する。
そのため、EGR通路を1系統しか備えない従来の排気還流装置においては、EGR弁に対して固着回避動作をさせた場合、吸気のEGR率が目標となるEGR率(全てのEGR弁が基本開度とされた場合のEGR率)から乖離し、トルク変動や排気エミッションの悪化を招く虞があった。
従って、従来構成の排気還流装置においては、内燃機関の運転状態が、燃料噴射が停止される減速時等の限られた運転状態にある時以外にはEGR弁に固着回避動作を行わせることができなかった。
それに対し、本発明では複数系統のEGR通路を備えており、あるEGR弁が固着回避動作を行っている時には、当該固着回避動作中のEGR弁が設けられているEGR通路を流通する排気の流量の固着回避動作に起因する変化が相殺されるように、固着回避動作中のEGR弁以外の少なくとも一つのEGR弁の開度が基本開度から補正される。
例えば、固着回避動作中のEGR弁が設けられているEGR通路を介して還流する排気の流量が、当該EGR弁が固着回避動作を行っていない時と比較して減少する場合には、固着回避動作中のEGR弁以外の少なくとも一つのEGR弁の開度が基本開度より大きくされる。
逆に、固着回避動作中のEGR弁が設けられているEGR通路を介して還流する排気の流量が、当該EGR弁が固着回避動作を行っていない時と比較して増加する場合には、固着回避動作中のEGR弁以外の少なくとも一つのEGR弁の開度が基本開度より小さくされる。
これにより、吸気のEGR率が目標EGR率から乖離することが抑制されるため、トルク変動や排気エミッションの悪化を抑制しつつEGR弁に固着回避動作を行わせることができる。従って、内燃機関の運転状態が、燃料噴射が停止される運転状態以外でも、例えば定常運転中においても、EGR弁に固着回避動作を行わせることが可能になる。
本発明においては、EGR弁が閉弁固着する可能性が高いか否かを判定する判定手段を備え、この判定手段によって、閉弁固着する可能性が高いと判定されるEGR弁について固着回避動作を行わせるようにしても良い。
これにより、固着する可能性が高いEGR弁から優先的に固着回避動作を行わせることができるため、より確実にEGR弁の固着を抑制することが可能になる。
EGR弁が閉弁固着する可能性は、例えば、各EGR通路を流通する排気中に含まれる粒子状物質及び/又は未燃燃料成分の各EGR弁への付着量を推定する付着量推定手段を備え、この付着量推定手段による推定値が所定量を超えるEGR弁について、閉弁固着する可能性が高いと判定することができる。ここで所定量は、EGR弁が固着する虞のある粒子状物質や未燃燃料成分のEGR弁への付着量であり、予め定められている。
EGR弁に付着する粒子状物質や未燃燃料成分の量を推定する方法としては、内燃機関の運転状態(例えば機関負荷や機関回転数)と各EGR通路に流入する粒子状物質や未燃燃料成分の量との相関関係を予め実験等により求めておき、内燃機関の運転履歴に基づいてこの相関関係から算出される粒子状物質や未燃燃料成分の量を積算する方法を例示できる。
EGR弁が閉弁固着する可能性は、各EGR弁のうち、基本開度決定手段によって決定される基本開度が所定時間以上にわたって所定量以上変化しないEGR弁について、閉弁固着する可能性が高いと判定することもできる。
これは、EGR弁の開度が長時間殆ど変化しない状態においては粒子状物質や未燃燃料成分がEGR弁に堆積し易いからである。ここで所定量は、EGR弁に付着した粒子状物質や未燃燃料成分がEGR弁から除去されないEGR弁開度の変化量の上限値であり、予め定められる。また、所定時間は、EGR弁が固着してしまうほどの量の粒子状物質や未燃燃料成分がEGR弁に付着するために要する時間であり、予め定められている。
このような状態は、例えば高速道路を長時間一定速度で走行する状況において発生し易い。本発明では、内燃機関が定常運転をしている時においてもトルク変動やエミッションの悪化を抑制しつつEGR弁の固着回避動作を行うことが可能であるため、上記のように車両の走行中にEGR弁が閉弁固着する可能性が高い状態になった場合であっても、該EGR弁に対して固着回避動作を行わせることができる。
本発明は、排気通路にタービンを有し且つ吸気通路にコンプレッサを有するターボチャージャを更に備え、タービンより上流の排気通路とコンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、タービンより下流の排気通路とコンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、を備えた排気還流装置に適用することができる。
この構成では、複数系統のEGR通路は、高圧EGR通路及び低圧EGR通路であり、各EGR弁は、高圧EGR通路に設けられ高圧EGR通路の流路断面積を変更する高圧EGR弁と、低圧EGR通路に設けられ低圧EGR通路の流路断面積を変更する低圧EGR弁と、であり、基本開度決定手段は、内燃機関の運転状態に応じて高圧EGR弁及び低圧EGR弁の基本開度を決定し、固着回避手段は、高圧EGR弁又は低圧EGR弁に対して
前記開閉動作を行わせ、開度補正手段は、固着回避手段によって高圧EGR弁が開閉させられる時には、高圧EGR弁の該開閉動作に起因する高圧EGR通路を流通する排気の流量の変化を相殺するように、前記一定時間の間は基本開度決定手段によって決定される低圧EGR弁の基本開度を補正し、固着回避手段によって低圧EGR弁が開閉させられる時には、低圧EGR弁の該開閉動作に起因する低圧EGR通路を流通する排気の流量の変化を相殺するように、前記一定時間の間は基本開度決定手段によって決定される高圧EGR弁の基本開度を補正することを特徴とする。
例えば、高圧EGR通路及び低圧EGR通路の双方を用いて排気の還流が行われ且つ高圧EGR弁の基本開度が比較的大きい開度とされている運転状態である時に、高圧EGR弁が閉弁固着する可能性が高いと判定された場合には、高圧EGR弁に固着回避動作を行わせるとともに、低圧EGR弁の開度を基本開度より大きくする。
これによって高圧EGR弁が固着回避動作を行うことに起因する高圧EGR通路を流通する排気(高圧EGRガス)の流量の減少分が、低圧EGR通路を流通する排気(低圧EGRガス)の流量の増加分によって相殺される。
そのため、吸気のEGR率はほぼ一定に維持されるので、排気エミッションの悪化やトルクの変動が抑制される。従って、上記構成によれば、EGR率の変動を抑制しつつ高圧EGR弁及び低圧EGR弁の固着を回避することができる。
本発明により、EGR率の変動を抑制しつつEGR弁の固着を回避することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は本実施例に係る内燃機関の排気還流装置を適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクルディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、吸気管3及び排気管4が接続されている。吸気管3の途中には、吸気管3内を流通する吸気の流量を調節する第2吸気絞り弁9が設けられている。第2吸気絞り弁9は、電動アクチュエータにより開閉される。第2吸気絞り弁9より上流の吸気管3には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ8が設けられている。
インタークーラ8より上流の吸気管3には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ5のコンプレッサハウジング5aが設けられている。コンプレッサハウジング5aより上流の吸気管3には、吸気管3内を流通する吸気の流量を調節する第1吸気絞り弁6が設けられている。第1吸気絞り弁6は電動アクチュエータにより開閉される。
第1吸気絞り弁6より上流の吸気管3には、吸気管3内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が設けられている。エアフローメータ7により内燃機関1の吸入空気量が測定される。
一方、排気管4の途中には、ターボチャージャ5のタービンハウジング5bが設けられている。タービンハウジング5bより下流の排気管4には、排気浄化装置10が設けられている。排気浄化装置10は、酸化触媒12と、酸化触媒12の後段にパティキュレートフィルタ(以下、「フィルタ」という)13とを有している。
フィルタ13には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」という)が担持されている。フィルタ13は排気中の粒子状物質(以下、「PM」という)を捕集する。
また、NOx触媒は、NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高い時は排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、一方、NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下した時は吸蔵していたNOxを放出する。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、NOx触媒から放出されたNOxが還元される。
排気浄化装置10の直下流の排気管4には、排気管4内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁19が設けられている。排気絞り弁19は電動アクチュエータにより開閉される。
内燃機関1には、排気管4内を流通する排気の一部を低圧で吸気管3へ再循環させる低圧EGR装置30が備えられている。低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、及び低圧EGRクーラ33を備えて構成されている。
低圧EGR通路31は、排気絞り弁19より下流の排気管4と、コンプレッサハウジング5aよりも上流且つ第1吸気絞り弁6より下流の吸気管3と、を接続している。低圧EGR通路31を通って排気が低圧で再循環される。本実施例では、低圧EGR通路31を通って再循環される排気を低圧EGRガスと称している。
低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31の流路断面積を変更することにより、低圧EGR通路31を流れる低圧EGRガスの量を調節する。低圧EGRクーラ33は、低圧EGRクーラ33を通過する低圧EGRガスと内燃機関1の冷却水とで熱交換をして、低圧EGRガスの温度を低下させる。
低圧EGR弁32より上流且つ低圧EGRクーラ33より下流の低圧EGR通路31には、低圧EGRガスの温度を測定する低圧EGR温度センサ34が設けられている。
また、内燃機関1には、排気管4内を流通する排気の一部を高圧で吸気管3へ再循環させる高圧EGR装置40が備えられている。高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41、高圧EGR弁42、及び高圧EGRクーラ43を備えて構成されている。
高圧EGR通路41は、タービンハウジング5bより上流側の排気管4と、第2吸気絞り弁9より下流の吸気管3と、を接続している。高圧EGR通路41を通って排気が高圧で再循環される。本実施例では、高圧EGR通路41を通って再循環される排気を高圧EGRガスと称している。
高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41の流路断面積を変更することにより、高圧EGR通路41を流れる高圧EGRガスの量を調節する。高圧EGRクーラ43は、高圧EGRクーラ43を通過する高圧EGRガスと内燃機関1の冷却水とで熱交換をして、高圧EGRガスの温度を低下させる。
高圧EGR弁42より上流且つ高圧EGRクーラ43より下流の高圧EGR通路41には、高圧EGRガスの温度を測定する高圧EGR温度センサ44が設けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU20が併設されている。ECU20は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するコンピュータである。
ECU20には、上記低圧EGR温度センサ34及び高圧EGR温度センサ44の他、運転者がアクセルペダル14を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出可能なアクセル開度センサ15、及び機関回転数を検出するクランクポジションセンサ16が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
また、ECU20には、第1吸気絞り弁6、第2吸気絞り弁9、排気絞り弁19、低圧EGR弁32、及び高圧EGR弁42が電気配線を介して接続されており、ECU20によりこれらの機器が制御される。
ここで、本実施例において低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40を用いて行われる排気の再循環について説明する。低圧EGR装置30によって行われる排気の再循環と高圧EGR装置40を用いて行われる排気の再循環とは、それぞれ好適に排気の再循環を行うことが可能な内燃機関の運転条件が予め求められている。本実施例では、内燃機関の運転状態に応じて低圧EGR装置30と高圧EGR装置40とを切り替えて、或いは併用して排気の再循環を行うようにしている。
図2は、内燃機関1の運転状態の領域毎に定められた、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40の切替パターンを示した図である。図2の横軸は内燃機関1の機関回転数を表し、縦軸は内燃機関1の燃料噴射量を表している。燃料噴射量は内燃機関1の機関負荷を代表するパラメータである。
図2において、HPL領域は、内燃機関1の運転状態が低負荷低回転の領域であり、ここでは高圧EGR装置40によって排気の再循環が行われる。図2のMIX領域は、内燃機関1の運転状態が中負荷中回転の領域であり、ここでは高圧EGR装置40と低圧EGR装置30とが併用されて排気の再循環が行われる。図2のLPL領域は、内燃機関1の運転状態が高負荷高回転の領域であり、ここでは低圧EGR装置30によって排気の再循環が行われる。図2のLPL領域より機関回転数又は機関負荷が高い領域においては排気の再循環は行われない。
また、上記各領域において、内燃機関1の運転状態に応じた目標EGR率が達成されるように低圧EGR弁32の開度の基本値(以下「基本低圧EGR弁開度」という)及び高圧EGR弁42の開度の基本値(以下「基本高圧EGR弁開度」という)が設定されている。ECU20は内燃機関1の運転状態に応じて基本低圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度を読み込み、低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度となるように低圧EGR弁32を制御するとともに、高圧EGR弁42の開度が基本高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42を制御する。
このように、内燃機関1の運転状態に応じて高圧EGR装置40と低圧EGR装置30とを切り替えて、或いは併用して排気の再循環を行うことによって、広範な運転領域において排気の再循環を行うことができ、NOxの排出量を低減することが可能になる。
また、本実施例では、低圧EGR弁32の開度を全開にしてもEGR率が目標EGR率に達しない場合に、第1吸気絞り弁6を閉弁側に制御することで低圧EGR通路31の上流側と下流側の差圧を上昇させ、これにより低圧EGRガス量を増大させることができる
。第1吸気絞り弁6は低温の環境で作動するため、高い精度で開度制御を行うことが可能である。
内燃機関1からの排気には未燃燃料や煤等が含まれている。これらの未燃燃料や煤等は高圧EGR通路41にも流入し、高圧EGRクーラ43や高圧EGR弁42に付着する。そのため、高圧EGR弁42が閉弁される運転状態や高圧EGR弁42の開度が殆ど変化しない運転状態で内燃機関1が長時間運転されると、高圧EGR弁42に付着した未燃燃料や煤が高圧EGR弁42を閉弁固着させる虞がある。
例えば、高速道路をほぼ一定の速度で長時間走行する状況においては、内燃機関1の負荷や回転数の変化が小さいため高圧EGR弁42の開度は殆ど変化しない。そのため高圧EGRガス中の未燃燃料や煤が高圧EGR弁42に大量に付着してしまう可能性がある。
低圧EGR通路31を流通する低圧EGRガスは排気浄化装置10を通過した排気であり、高圧EGRガスと比較して未燃燃料や煤等の含有量は遙かに少ないが、低圧EGR弁32の開度が一定に維持されるような運転状態が長時間持続した場合には同様に閉弁固着する可能性がある。
そこで、本実施例では、高圧EGRガスや低圧EGRガスの温度、内燃機関1の運転履歴等に基づいて高圧EGR弁42や低圧EGR弁32が閉弁固着する可能性を推定し、閉弁固着する可能性が高いと判断されたEGR弁(以下高圧EGR弁42と低圧EGR弁32とを総称して「EGR弁」ということがある)を強制的に連続開閉することによってEGR弁の閉弁固着を回避するようにしている。
ここで、「EGR弁を連続開閉する」とは、EGR弁が閉弁された状態とEGR弁が開弁された状態とを交互に繰り返すことである。この時、閉弁側ではEGR弁を全閉し、開弁側ではEGR弁を中間開度(例えばデューティー比30%)まで開弁する。一定時間開閉動作をさせた時点でこの開閉動作の繰り返しを終了する。このようなEGR弁の強制開閉動作を以下では固着回避動作という。
閉弁固着する虞があると判断されたEGR弁に固着回避動作をさせることによって、EGR弁に付着した未燃燃料や煤等がEGR弁から脱離するため、該EGR弁が固着してしまうことを抑制できる。
ところで、EGR弁が固着回避動作を行っている時には、固着回避動作を行わない場合と比較して該EGR弁が設けられたEGR通路を流通するEGRガスの流量が変化する。
例えば、内燃機関1の運転状態が図2のMIX領域にあり且つ基本高圧EGR弁開度が比較的大きい開度とされている時に、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判断されて、高圧EGR弁42が固着回避動作を行った場合、固着回避動作に起因して高圧EGR通路41を流通する高圧EGRガスの流量が減少するため、内燃機関1の気筒2に還流する排気の総量が変化してEGR率が目標EGR率から乖離することになる。従って、トルクの変動を招来してドライバビリティが損なわれたり、NOxやスモーク等の排気エミッションが悪化したりする虞がある。
これに対し、本実施例では、高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32が固着回避動作を行っている時には、固着回避動作を行っていない方のEGR弁の開度を増加或いは減少させる補正を行うことで、EGR率を一定に維持するようにしている。
例えば、上記の状況において高圧EGR弁42が固着回避動作を行う場合においては、
高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間は低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度より大きくする。これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を行うことに起因する高圧EGRガス量の減少分が低圧EGRガス量の増量分によって相殺されるため、内燃機関1の気筒2に還流するEGRガスの総量は固着回避動作が行われる前のEGRガス量から変化しない。従ってEGR率が目標EGR率から乖離することを抑制できる。
図3は内燃機関1の運転状態が図2のMIX領域に属し、且つ基本高圧EGR弁開度が比較的大きい開度とされている運転状態である時に、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判断された場合において、本実施例の固着回避動作制御が実施された場合の、高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度の時間変化を示すグラフである。図3の横軸は時間を表し、縦軸は高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度を表している。
図3に示すように、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判断されると、高圧EGR弁42は期間ΔTの間、全閉された状態と中間開度に開弁された状態とが交互に短周期で連続的に複数回切り替えられる。図3では高圧EGR弁42はΔTの期間中5回連続開閉動作を行った後、基本高圧EGR弁開度に復帰している。
そして、ΔTの期間中は低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度より大きくされている。これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている間の高圧EGRガス量の減少分が低圧EGRガスの増加分によって補われるため、EGR率が目標EGR率から乖離することを抑制できる。
なお、上記の例において、要求EGR率が高く、基本低圧EGR弁開度が100%の場合、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因するEGR率の低下を低圧EGR弁32の開度を大きくすることで補償することはできない。
このような場合は、第1吸気絞り弁6を絞ることで低圧EGRガス量を増加させることができる。これは第1吸気絞り弁6を絞ることで低圧EGR通路31の上流側と下流側の差圧が増大するからである。このような場合の低圧EGR弁32、高圧EGR弁42、及び第1吸気絞り弁6の開度の時間変化を図4に示す。図4の横軸は時間を表し、縦軸は低圧EGR弁32の開度、高圧EGR弁42の開度、及び第1吸気絞り弁6の開度を表している。
図4に示すように、基本低圧EGR弁開度が全開の場合、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間ΔTの間は、第1吸気絞り弁6の開度が通常制御時より小さくされる。これにより低圧EGR通路31を流通する低圧EGRガスの流量が増加するため、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の減少分を相殺することができる。これにより、EGR率が目標EGR率から乖離することを抑制できる。
次に、内燃機関1の運転状態が図2のLPL領域に属している時に高圧EGR弁42が固着回避動作を行う場合について説明する。この場合、高圧EGR弁42が固着回避動作を行うと、わずかではあってもLPL領域において高圧EGR弁42が開弁される状態となり、高圧EGR通路41を介して予期しない高圧EGRガスが吸気管3に還流してしまう。従ってこの場合目標EGR率よりEGR率が高くなってしまう虞がある。
これに対し、本実施例では、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間中低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度より小さくすることによって低圧EGRガスの流量を減少させるようにしている。これにより、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因して吸気管3に還流する予期しない高圧EGRガス量に相当するEGRガスの量を、低
圧EGRガス量の減少分によって相殺することができるので、EGR率の目標EGR率からの乖離を抑制することができる。
図5は内燃機関1の運転状態が図2のLPL領域に属する運転状態である時に高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判断された場合における、高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度の時間変化を示すグラフである。図5の横軸は時間を表し、縦軸は高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度を表している。
図5に示すように、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判断されると、高圧EGR弁42は期間ΔTの間、全閉された状態と中間開度に開弁された状態とが交互に連続的に短周期で切り替えられる。図5では高圧EGR弁42はΔTの期間中6回連続開閉動作を行った後、基本高圧EGR弁開度(即ち全閉)に復帰している。
そして、ΔTの期間中は低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度より小さくされている。これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている間の高圧EGRガスの吸気管3への還流分が低圧EGRガスの減少分により相殺されるため、EGR率が目標EGR率から乖離することを抑制できる。
以上説明したように、本実施例によれば、高圧EGR弁42又は低圧EGR弁32が固着回避動作を行っている期間中、固着回避動作を行っていない方のEGR弁の開度を基本開度から補正することで、EGR率が目標EGR率から乖離しないようにすることができる。
上記の説明では内燃機関1の運転状態が図2のMIX領域又はLPL領域に属する時に高圧EGR弁42が固着回避動作をする場合の低圧EGR弁32又は第1吸気絞り弁6の開度の補正について説明したが、内燃機関1の運転状態が図2のHPL領域に属する時や、低圧EGR弁32が固着回避動作をする場合においても同様の開度補正を行うことでEGR率を目標EGR率に維持することができる。
従来の1系統のみのEGR装置しか備えない排気還流装置においては、EGR弁が固着回避動作を行うことに起因するEGR率の変化を補償する手段がなかったため、内燃機関において燃焼が行われない燃料カット時(例えば減速時)においてしかEGR弁に固着回避動作を行わせることができなかった。
そのため、例えば、内燃機関の運転状態が定常運転状態である時には、EGR弁の開度が殆ど変化しないのでEGR弁の固着が発生し易い状況となるにもかかわらず、EGR弁の固着回避動作を行うことができなかった。
それに対し、上記のように、本実施例によれば、内燃機関1が定常運転をしている場合においても、EGR率を殆ど変化させることなく高圧EGR弁42や低圧EGR弁32に固着回避動作を行わせることができるため、より確実にEGR弁の固着を回避することが可能になる。
以下、本実施例の固着回避動作制御について、図6のフローチャートに基づいて説明する。図6のフローチャートは本実施例の固着回避動作制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは所定期間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、内燃機関1の運転状態が検出される。具体的には、アクセル開度センサ15の検出値に基づいて機関負荷が求められ、クランクポジションセンサ16の検出値に基づいて機関回転数が求められる。
ステップS102では、前記ステップS101で検出された内燃機関1の運転状態に基づいて基本低圧EGR弁開度及び基本高圧EGR弁開度が算出される。基本低圧EGR弁開度と内燃機関1の機関負荷及び機関回転数との関係、及び基本高圧EGR弁開度と内燃機関1の機関負荷及び機関回転数との関係は、予め実験等により求めてマップ化しECU20に記憶させておく。
ステップS103では、低圧EGR弁32及び高圧EGR弁42が制御される。ここでは、低圧EGR弁32の開度が前記ステップS102で算出された基本低圧EGR弁開度となるように低圧EGR弁32駆動用電動アクチュエータが制御されるとともに、高圧EGR弁42の開度が前記ステップS102で算出された基本高圧EGR弁開度となるように高圧EGR弁42駆動用電動アクチュエータが制御される。
ステップS104では、高圧EGRガス温度が検出される。高圧EGRガス温度は高圧EGRガス温度センサ44によって測定される。なお、高圧EGRガス温度は、内燃機関1の運転状態、低圧EGR弁32の開度、高圧EGR弁42の開度、吸気温度等に基づいて算出しても良い。
ステップS105では、高圧EGR弁42におけるHCやPM等の付着物の量が算出される。本実施例では、内燃機関1の機関負荷及び高圧EGRガス温度と高圧EGR弁42における付着物量との関係を予め実験等により求めてマップ化し、ECU20に記憶しておく。そして、このマップと内燃機関1の運転履歴とに基づいて高圧EGR弁42における付着物量が積算され、現時点における高圧EGR弁42における付着物量mHが算出される。
ステップS106では、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞のある状態であるか否かが判定される。本実施例では、前記ステップS105で算出された高圧EGR弁42における付着物量mHが所定値mH0より大きい場合に、高圧EGR弁42が閉弁固着する虞があると判定するようにしている。
ここで所定値mH0はこれ以上高圧EGR弁42における付着物量が増加すると高圧EGR弁42が閉弁固着する可能性が高いと判断される付着物量であり、予め実験等により求めてECU20に記憶させておく。本ステップS106で肯定判定された場合にはステップS107以降の高圧EGR弁42の固着回避制御が実行される。一方、本ステップS106で否定判定された場合には本ルーチンの実行が一旦終了される。
ステップS107では、前記ステップS101で検出された内燃機関1の運転状態がHPL領域に属しているか否かが判定される。本ステップS107で肯定判定された場合にはステップS108に進む。一方、本ステップS107で否定判定された場合にはステップS116に進む。
ステップS108では、高圧EGR弁42の固着回避動作が開始される。すなわち、高圧EGR弁42が全閉される状態と中間開度まで開弁される状態とが交互に短周期で切り替わるように高圧EGR弁42が制御される。
ステップS109では、基本高圧EGR弁開度が所定開度より大きいか否かが判定される。ここで、所定開度とは、高圧EGR弁42が固着回避動作を行った場合に、固着回避動作を行わない場合と比較して高圧EGRガス量が減少するような高圧EGR弁42の開度の下限値であり、予め定められている。
前記ステップS109で肯定判定された場合、基本高圧EGR弁開度は所定開度より大きい開度とされているので、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始すると、高圧EGRガス量が減少する。
従って、この場合ステップS110に進み、低圧EGR弁32の開度が前記ステップS102で算出された基本低圧EGR弁開度より大きくされる。これにより、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の減少分が低圧EGRガスの増加分によって相殺される。
これにより、高圧EGR弁42の固着回避動作を実行している期間中にEGR率が目標EGR率からずれることを抑制できる。
一方、前記ステップS109で否定判定された場合、基本高圧EGR弁開度は所定開度以下の開度とされているので、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始すると、高圧EGRガス量が増加する。
従って、この場合ステップS111に進み、低圧EGR弁32の開度が前記ステップS102で算出された基本低圧EGR弁開度より小さくされる。これにより、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の増加分が低圧EGRガスの減少分によって相殺される。
これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間中にEGR率が目標EGR率からずれることを抑制できる。
ステップS112では、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始してからの経過時間が所定時間ΔTを超えたか否かが判定される。所定時間ΔTは、高圧EGR弁42における付着物量が、高圧EGR弁42の固着回避動作によって高圧EGR弁42が閉弁固着する虞がない量まで減少するために要する時間であり、予め実験等により求めてECU20に記憶させておく。本ステップS112は肯定判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS112で肯定判定された場合、高圧EGR弁42における付着物量が十分減少したと判断され、ステップS113に進んで低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度に戻され、続くステップS114において高圧EGR弁42の固着回避動作が停止される。そしてステップS115で高圧EGR弁42にける付着物量の積算値がリセットされ、本ルーチンの実行が一旦終了される。
ステップS116では、前記ステップS101で検出された内燃機関1の運転状態がMIX領域に属しているか否かが判定される。本ステップS116で肯定判定された場合にはステップS117に進む。一方、本ステップS116で否定判定された場合にはステップS126に進む。
ステップS117では、高圧EGR弁42の固着回避動作が開始される。ここで実行される高圧EGR弁42の固着回避動作は前記ステップS108で行われる固着回避動作と同様である。
ステップS118では、前記ステップS109と同様に、基本高圧EGR弁開度が所定開度より大きいか否かが判定される。本ステップS118で肯定判定された場合にはステップS119に進む。一方、本ステップS118で否定判定された場合にはステップS121に進む。
ステップS121では、低圧EGR弁32の開度が前記ステップS102で算出された基本低圧EGR弁開度より小さくされる。これにより、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の増加分が低圧EGRガスの減少分によって相殺される。
これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間中にEGR率が目標EGR率からずれることを抑制できる。
一方、前記ステップS118で肯定判定されてステップS119に進んだ場合、低圧EGR弁32の開度が全開であるか否か判定される。本ステップS119で肯定判定された場合にはステップS123に進む。一方、本ステップS119で否定判定された場合にはステップS120に進む。
ステップS120では、低圧EGR弁32の開度が前記ステップS102で算出された基本低圧EGR弁開度より大きくされる。これにより高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の減少分が低圧EGRガス量の増加分によって相殺される。
これにより、高圧EGR弁42が固着回避動作を実行している期間中にEGR率が目標EGR率からずれることを抑制できる。
ステップS122では、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始してからの経過時間が所定時間ΔTを超えたか否かが判定される。本ステップS122は肯定判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS122で肯定判定された場合、高圧EGR弁42における付着物量が十分減少したと判断され、前記ステップS113に進んで低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度に戻され、続くステップS114において高圧EGR弁42の固着回避動作が停止される。そしてステップS115で高圧EGR弁42における付着物量の積算値がリセットされ、本ルーチンの実行が一旦終了される。
一方前記ステップS119で肯定判定された場合、低圧EGR弁32の開度は既に全開になっているため、低圧EGR弁の開度を大きくすることによって低圧EGRガス量を増加させることができない。従って、この場合ステップS123に進み、第1吸気絞り弁6の開度を小さくする。これにより低圧EGR通路31の上流側と下流側の差圧が増大するため、低圧EGR弁32が全開の状態であっても低圧EGRガス量を更に増加させることができる。
よって、高圧EGR弁42の固着回避動作に起因する高圧EGRガス量の減少分を低圧EGRガス量の増加分で相殺することができ、高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている間のEGR率の目標EGR率からの変化を抑制することができる。
続くステップS124では、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始してからの経過時間が所定時間ΔTを超えたか否かが判定される。本ステップS124は肯定判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS124で肯定判定された場合、高圧EGR弁42における付着物量が十分減少したと判断され、ステップS125に進んで第1吸気絞り弁6の開度が通常制御時の開度に戻され、続くステップS114において高圧EGR弁42の固着回避動作が停止される。そしてステップS115で高圧EGR弁42における付着物量の積算値がリセットされ、本ルーチンの実行が一旦終了される。
ステップS126では、前記ステップS101で検出した内燃機関1の運転状態がLPL領域に属しているか否かが判定される。本ステップS126で肯定判定された場合にはステップS127に進む。一方、本ステップS126で否定判定された場合には本ルーチンの実行が一旦終了される。
ステップS127では、高圧EGR弁42の固着回避動作が開始される。ここで実行される高圧EGR弁42の固着回避動作は前記ステップS108で行われる固着回避動作と同様である。
ステップS128では、低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度より小さくされる。すなわち、LPL領域において高圧EGR弁42が固着回避動作を行った場合、高圧EGR通路41を介して予期しない高圧EGRガスが吸気管3に還流することになるため、EGR率が目標EGR率より大きくなる。
これに対し、本実施例のように低圧EGR弁32の開度を基本低圧EGR弁開度より小さくすることによって、この高圧EGRガス量に相当するEGRガス量が低圧EGRガスの減少分によって相殺される。これにより高圧EGR弁42が固着回避動作を行っている期間中にEGR率が目標EGR率からずれることを抑制できる。
ステップS129では、高圧EGR弁42が固着回避動作を開始してからの経過時間が所定時間ΔTを超えたか否かが判定される。本ステップS129は肯定判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS129で肯定判定された場合、高圧EGR弁42における付着物量が十分減少したと判断され、ステップS113に進んで低圧EGR弁32の開度が基本低圧EGR弁開度に戻され、続くステップS114において高圧EGR弁42の固着回避動作が停止される。そしてステップS115で高圧EGR弁42における付着物量の積算値がリセットされ、本ルーチンの実行が一旦終了される。
なお、上記ルーチンでは高圧EGR弁42が固着回避動作を行う場合について説明したが、低圧EGR弁32の固着回避動作も同様に行うことができる。すなわち、低圧EGRガス温度を低圧EGRガス温度センサ34によって検出し、低圧EGR弁32における付着物量を低圧EGRガス温度及び内燃機関1の運転履歴に基づいて積算し、該付着物量が所定量を超えた場合に、低圧EGR弁32に対して固着回避動作を行わせる。この時、上記ルーチンと同様に、内燃機関1の運転状態が属する領域毎に高圧EGR弁の開度を適宜補正することによって、低圧EGR弁32の固着回避動作に起因するEGR率の変動を抑制することができる。
また、内燃機関1の運転状態が燃料カットの状態の場合は、そもそもEGRが行われないため、固着回避動作を行わない方のEGR弁の開度補正を考慮することなく、閉弁固着する可能性のあるEGR弁に対して固着回避動作を行わせるようにしてもよい。
また、内燃機関1の運転状態が過渡状態の場合には、内燃機関の運転状態の変化に応じて基本EGR弁開度が変更されるため、通常のEGR弁開度の制御が実行されることで本実施例の固着回避動作と同等の作用が得られることになる。
なお、以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。例えば、固着回避動作としては、1回以上開弁状態と閉弁状態とが切り替えられればその回数や切り替えの繰り返し周期については特に限定されない。また、上記実施例では固着回避動作が行われ
るEGR弁の弁開度が矩形波状に変化させられる場合を記載しているが、閉弁状態と開弁状態とが一定時間の間1回以上繰り返される弁開度の変化パターンであればどのようなものであっても良い。
また、本実施例では、高圧EGR通路と低圧EGR通路の2系統のEGR通路を備えた排気還流装置に本発明を適用した例を説明したが、同等の高圧EGR通路を2系統有する排気還流装置に対して本発明を適用することもできる。この場合、一方の高圧EGR弁が固着回避動作を行っている間、他方の高圧EGR弁の開度を補正すればよい。
また、上記実施例では高圧EGR弁における付着物量が所定量を超えた場合に高圧EGR弁に固着回避動作を行わせるようにしているが、内燃機関の運転状態がEGR弁が閉弁固着する可能性が高い運転状態になったことを条件に、EGR弁に固着回避動作を行わせるようにすることもできる。EGR弁が閉弁固着しやすい運転状態としては、一定時間以上定常状態が持続する運転状態を例示できる。すなわち、基本EGR弁開度が一定時間変化しなかった場合に本実施例に係る固着回避動作を行うようにしても良い。
実施例1にかかる内燃機関の排気還流装置を適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 実施例1における低圧EGR装置と高圧EGR装置との切り替えマップを示す図である。 実施例1における内燃機関の運転状態がMIX領域に属し且つ基本高圧EGR弁開度が所定開度より大きい開度とされている時に、高圧EGR弁が閉弁固着する虞があると判断された場合において、実施例1の固着回避動作制御が実施された場合の、高圧EGR弁及び低圧EGR弁の開度の時間変化を示すグラフである。 実施例1における内燃機関の運転状態がMIX領域に属し且つ基本高圧EGR弁開度が所定開度より大きい開度とされ且つ低圧EGR弁の開度が全開である時に、高圧EGR弁が閉弁固着する虞があると判断された場合において、実施例1の固着回避動作制御が実施された場合の、高圧EGR弁、低圧EGR弁、及び第1吸気絞り弁の開度の時間変化を示すグラフである。 実施例1における内燃機関の運転状態がLPL領域に属する運転状態である時に、高圧EGR弁が閉弁固着する虞があると判断された場合において、実施例1の固着回避動作制御が実施された場合の、高圧EGR弁及び低圧EGR弁の開度の時間変化を示すグラフである。 実施例1の固着回避動作制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気管
4 排気管
5 ターボチャージャ
5a コンプレッサハウジング
5b タービンハウジング
6 第1吸気絞り弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2吸気絞り弁
10 排気浄化装置
12 酸化触媒
13 フィルタ
14 アクセルペダル
15 アクセル開度センサ
16 クランクポジションセンサ
19 排気絞り弁
20 ECU
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 低圧EGRクーラ
34 低圧EGR温度センサ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁
43 高圧EGRクーラ
44 高圧EGR温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路にタービンを有し且つ吸気通路にコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、
    前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、
    前記高圧EGR通路に設けられ前記高圧EGR通路の流路断面積を変更する高圧EGR弁と、
    前記低圧EGR通路に設けられ前記低圧EGR通路の流路断面積を変更する低圧EGR弁と、
    内燃機関の運転状態に応じて前記高圧EGR弁及び前記低圧EGR弁の基本開度を決定する基本開度決定手段と、
    前記高圧EGR弁又は前記低圧EGR弁を一定時間の間1回以上開閉させる固着回避手段と、
    前記固着回避手段によって前記高圧EGR弁が開閉させられる時には、高圧EGR弁の該開閉動作に起因する高圧EGR通路を流通する排気の流量の変化を相殺するように、前記一定時間の間は前記基本開度決定手段によって決定される低圧EGR弁の基本開度を補正し、
    前記固着回避手段によって前記低圧EGR弁が開閉させられる時には、低圧EGR弁の該開閉動作に起因する低圧EGR通路を流通する排気の流量の変化を相殺するように、前記一定時間の間は前記基本開度決定手段によって決定される高圧EGR弁の基本開度を補正する開度補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 請求項1において、
    前記固着回避手段による前記EGR弁の開閉動作は、前記一定時間の間複数回連続的に行われることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記各EGR弁が閉弁固着する可能性が高いか否かを判定する判定手段を更に備え、
    前記固着回避手段は、前記判定手段によって閉弁固着する可能性が高いと判定されるEGR弁について前記開閉動作をさせることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  4. 請求項3において、
    前記各EGR通路を流通する排気中に含まれる粒子状物質及び/又は未燃燃料成分の前記各EGR弁への付着量を推定する付着量推定手段を更に備え、
    前記判定手段は、前記付着量推定手段による推定値が所定量を超えるEGR弁について、閉弁固着する可能性が高いと判定することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  5. 請求項3において、
    前記判定手段は、前記各EGR弁のうち、前記基本開度決定手段によって決定される基本開度が所定時間以上にわたって所定量以上変化しないEGR弁について、閉弁固着する可能性が高いと判定することを特徴とすることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
JP2006179770A 2006-06-29 2006-06-29 内燃機関の排気還流装置 Expired - Fee Related JP4736978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006179770A JP4736978B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 内燃機関の排気還流装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006179770A JP4736978B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 内燃機関の排気還流装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008207A JP2008008207A (ja) 2008-01-17
JP4736978B2 true JP4736978B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=39066640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006179770A Expired - Fee Related JP4736978B2 (ja) 2006-06-29 2006-06-29 内燃機関の排気還流装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4736978B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2472091B1 (en) * 2009-08-28 2013-10-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abnormality detector for egr system and method for detecting abnormality
JP5812413B2 (ja) * 2011-11-24 2015-11-11 三菱自動車工業株式会社 排気ガス還流装置
JP6031841B2 (ja) * 2012-06-14 2016-11-24 いすゞ自動車株式会社 内燃機関のegrバルブの清掃方法及び内燃機関
JP2014034921A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Denso Corp 内燃機関の制御装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07180615A (ja) * 1993-12-24 1995-07-18 Nippondenso Co Ltd 内燃機関の排気還流制御装置
JP2000064910A (ja) * 1998-08-17 2000-03-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置
JP2003148189A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気還流装置
JP2004162665A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Denso Corp 排気ガス再循環装置
JP2004278307A (ja) * 2002-05-24 2004-10-07 Denso Corp Egr装置
JP2005036662A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気処理装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07180615A (ja) * 1993-12-24 1995-07-18 Nippondenso Co Ltd 内燃機関の排気還流制御装置
JP2000064910A (ja) * 1998-08-17 2000-03-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気還流バルブ強制駆動装置
JP2003148189A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気還流装置
JP2004278307A (ja) * 2002-05-24 2004-10-07 Denso Corp Egr装置
JP2004162665A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Denso Corp 排気ガス再循環装置
JP2005036662A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008008207A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4611941B2 (ja) 内燃機関の排気還流装置
US7801669B2 (en) Exhaust gas control system for internal combustion engine
EP2054609B1 (en) Exhaust gas recirculation apparatus for an internal combustion engine
JP5293897B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008088848A (ja) 内燃機関のegrシステム
WO2008059362A2 (en) Exhaust gas recirculation system for internal combustion engine and method for controlling the same
EP2211044A1 (en) EGR controller and EGR control method for internal combustion engine
JP4736931B2 (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP2008274836A (ja) 吸気流量センサの故障診断装置
JP4736978B2 (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP3463642B2 (ja) 排気絞り弁の異常検出装置
WO2008068574A1 (en) Egr system for internal combustion engine and method for controlling the same
EP2208878B1 (en) Exhaust gas recirculation apparatus and method of controlling exhaust gas recirculation apparatus
US7913549B2 (en) Transition from exhaust braking to exhaust particulate filter regeneration in a diesel engine
JP4742970B2 (ja) 内燃機関の排気還流装置
JPH10196463A (ja) 排気ガス再循環装置
JP2010169032A (ja) エンジンの制御装置
JP2011226438A (ja) Egrシステムの異常検出装置及び異常検出方法
JP2010190176A (ja) 内燃機関の異常判定装置
JP2008038622A (ja) 内燃機関の排気浄化装置、及び方法
JP2009030478A (ja) 内燃機関のpm排出量推定システム及び内燃機関の排気浄化システム
JP2008215110A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5771911B2 (ja) 圧縮着火内燃機関の自動停止再始動システム
JP2011185096A (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP2010127238A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4736978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees