JP5605161B2 - 内燃機関の過給補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の過給補助装置に関するものである。
図9に示すように過給機6を用いたエンジン2では、過給機6により空気をより多く筒内に導入できるため、トルクの向上、排気ガスの低減が行なえる。過給機6は1本のシャフト8の両端に羽根車が備えられ、その一方(タービン側)に排気ガスを流して羽根車(タービン7a)を回転させ、これにより回転するもう一方(コンプレッサ側)の羽根車(コンプレッサ9a)で吸気を圧縮する。言い換えると、タービン7aを用いて排気ガスから取り出した仕事をコンプレッサ9aが使い、吸気を圧縮するシステムとなる。このように、従来に比べて高い圧力の空気を筒内へ導入できるため、筒内に導入される空気量も多くなる。
しかし、過給機6の短所としてターボラグがある。ターボラグは、過給機6が要求される空気量を筒内に導入できるまでの時間差のことで、排気の圧力を利用してタービン7aを回転させ、その回転でコンプレッサ9aを作動させて空気を圧縮し、その空気を筒内に送り込み燃焼を行い、その排気でさらにタービン7aを回転、というサイクルを繰り返し、筒内に導入する空気量を増加させる過給機6には必ず起きる現象であり、特にエンジン2の過渡運転時に起きる。このとき、推移する回転速度及び負荷(アクセル開度)に必要となる燃料に対する空気量が少ないため、出力及び排気性能が悪化する。これはターボラグにより必要となる空気量を確保できないことに起因する。
このときの現象を図10(a)、(b)、図11(a)、(b)に示す。図10(a)のグラフに示すようにエンジン2の回転速度Neを、図10(b)のグラフに示すように燃料噴射量qを2秒間で遷移させた。このとき、回転速度Ne及び燃料噴射量qの増加に伴い、必要となる空気量も増加するが、ターボラグによりコンプレッサの出口圧の増加するスピードが図11(a)のグラフに示すように追いつかず、その空気量を確保できない。そのために回転速度Ne、燃料噴射量qに対して必要となる空気が筒内へと導入されなくなり、図11(b)のグラフに示すようにSM(スモーク)排出が悪化する。またターボラグによる空気量の不足からは、EGRをかけられないことによるNOx排出の増加、出力の低下なども懸念される。
このターボラグによる出力、排気性能の悪化に対して、スーパーチャージャー、コンプレッサなどを用い、図12(a)、(b)に示すように圧縮機50を用いてエアタンク51a,51b,51cに予め蓄圧した圧縮空気を吸気経路3a上に導入して過渡運転時の空気量の不足を補って過給補助を行なう方法がある(例えば特許文献1,2参照)。
特開平5−240057号公報 特開2006−258082号公報
この方法を用いることで図13(a)のグラフに示すようにコンプレッサ9aの出口圧の増加が早くなってターボラグを改善でき、図13(b)のグラフに示すようにスモークの低減は可能となるが、吸気経路3aのバルブ(電磁弁)が図12(a)に示すようなシステムでは、吸気経路3a上に設けられる電磁弁2bはノーマルオープンであり、エアタンク51a側に設けられる電磁弁2aはノーマルクローズであり、過渡運転時に電磁弁2a及び電磁弁2bが共に開く可能性があるためエアタンク51aに畜圧した圧縮空気が大気圧よりも高圧なためにエアタンク51aからエアクリーナ32側への逆流が生じる可能性がある。そのため、図12(b)に示すようなシャッター式のバルブ20aを使用し、シャッター部の駆動を急速に行なう必要がある。
このとき、シャッターを駆動させ、吸気経路の切り替えを行なうための時間は、このときのエンジン回転速度を1000〜2200rpmとした場合、図13(c)のグラフに示すように30〜13.6msecとなる。これはエンジン2が吸気→圧縮→膨張→排気の工程を2回転で行なうため、半回転以内に吸気経路を切り替える必要があることに起因する。このときのシャッターバルブ20aの動作が遅いと、筒内に空気が導入されない、或いは導入されても切り替え途中に吸気経路が絞られるため筒内の空気量が少なくなり、失火やスモーク排出の増加が懸念される。
以上のことから、急速な吸気切り替えを行うには、エアシリンダ11で駆動するシャッター式の切替弁20aを用いる手法が有効であるが、この手法のシステムを車両に搭載した場合、過給補助を行なうためのエアタンク51bに加え、エアシリンダ11を駆動するためのエアタンク51cを設けることになる。このエアタンク51cを新たに設置することにより、車両スペースの減少や、蓄圧する空気量の増加による充填時間の長期化が起こる。特に、この過給補助のシステムは発進時にも使用するために、車両の発進までに不要な時間がかかることも考えられる。
本発明は、前記問題を解決するべく案出されたものであり、その目的とするところは、シャッター式の切替弁の急速な開閉が可能であり、しかも車載用エアタンクの増加を防止でき、エアタンクの蓄圧時間の長期化を防止できる内燃機関の過給補助装置を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明の内燃機関の過給補助装置は、内燃機関の吸排気管に過給機を接続し、その過給機のコンプレッサの上流側の大気導入側吸気管に、圧縮空気供給管を介してエアタンクを接続し、そのエアタンクに大気を圧縮して供給する圧縮機を接続し、前記大気導入側吸気管と前記圧縮空気供給管の接続部に、大気と圧縮空気とを切り替える切替弁を設け、過渡運転時に前記切替弁を前記大気導入側吸気管から前記圧縮空気供給管に切り替えてエアタンク内に蓄圧された圧縮空気を前記コンプレッサに供給する内燃機関の過給補助装置において、前記切替弁をスライド式シャッター弁とし、その切替弁の開閉動にエアシリンダを用い、前記エアタンク内を、仕切板にて前記圧縮機側の上流室と前記切替弁側の下流室とに仕切ると共に、該仕切板にオリフィスを設けて上流室と下流室とを連通させ、前記上流室と前記エアシリンダとをエアシリンダ駆動用空気供給管で接続すると共に該エアシリンダ駆動用空気供給管に、前記過渡運転時に前記上流室の圧縮空気を前記エアシリンダに供給する開閉弁を接続したことを特徴とする。
また過渡運転時に前記エアタンクの圧縮空気を前記コンプレッサに供給するとき、前記上流室から下流室に流れる圧縮空気の量が、該下流室から前記圧縮空気供給管に流れる量より少なくなるように、前記オリフィス径を前記下流室の出口径より小さく形成するのが好ましい。
また前記オリフィス径は、前記上流室の圧力で前記エアシリンダを駆動させたとき、エンジンの吸気工程より短い時間で前記切替弁を切替動作する圧力以上を保持する径に形成されるのが好ましい。
本発明によれば、シャッター式の切替弁の急速な開閉が可能であり、しかも車載用エアタンクの増加を防止でき、エアタンクの蓄圧時間の長期化を防止できる内燃機関の過給補助装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を示す過給補助装置を示す概略図である。 図2は、図1の過給補助装置の切替弁の動作を示す説明図で、(a)は第1通路を開放すると共に第2通路を遮断する場合を示し、(b)は第2通路を開放すると共に第1通路を遮断する場合を示す。 図3は、過給補助装置のエアタンクのモデル図である。 図4は、図3のモデル図においてガスの移動量と各室の圧力変化及びガス温度の変化の流れを説明するフローチャートである。 図5は、エアタンクを示す図で、(a)は一つの室からなるエアタンクでのガスの移動とその結果としての圧力変化及びガス温度の変化を示す概略図で、(b)は上流室と下流室からなるエアタンクの両室間でのガスの移動とその結果としての圧力変化及びガス温度の変化を示す概略図である。 図6は、図5(a)の圧力変化を表すグラフである。 図7は、図5(b)の各室の圧力変化を表すグラフである。 図8は、駆動圧力の違いでエアシリンダが動作するのに必要な時間を表すグラフである。 図9は、過給機を用いた内燃機関の概略図である。 図10は、図9のターボラグを説明するグラフで、(a)は回転速度の遷移を表し、(b)は燃料噴射量の遷移を表す。 図11は、図9のターボラグを説明するグラフで、(a)はコンプレッサ部の出口圧の増加スピードを表し、(b)はスモーク排出を表す。 図12は、従来の過給補助装置を示す概略図で、(a)は一つのエアタンクが装備されている場合を示し、(b)は二つのエアタンクが装備されている場合を示している。 図13は、図12のターボラグを説明するグラフで、(a)はコンプレッサの出口圧の増加スピードを表し、(b)はスモーク排出を表し、(c)はエンジンの半回転に要する時間を表している。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すようにディーゼルエンジンからなる内燃機関1の過給補助装置5は、内燃機関1の吸排気管3,4に過給機6を接続し、その過給機6のコンプレッサ9の上流側の大気導入側吸気管31に、圧縮空気供給管57を介してエアタンク51を接続し、そのエアタンク51に大気を圧縮して供給する圧縮機50を接続し、大気導入側吸気管31と圧縮空気供給管57の接続部に、大気と圧縮空気とを切り替える切替弁20を設け、過渡運転時に切替弁20を大気導入側吸気管31から圧縮空気供給管57に切り替えてエアタンク51内に蓄圧された圧縮空気をコンプレッサ9に供給するようになっている。
内燃機関1は、燃焼室を有するエンジン本体2と、そのエンジン本体2に接続された吸気マニホールド30と、エンジン本体2に接続された排気マニホールド40とを備えている。吸気マニホールド30には吸気管3が接続され、排気マニホールド40には排気管4が接続されている。
吸気管3は、切替弁20より上流側が大気導入側吸気管31となっており、大気導入側吸気管31にエアクリーナ32が設けられている。また吸気管3には、インタークーラ33が設けられている。
過給機6は、排気管4に配置されたタービン7と、吸気管3に配置されたコンプレッサ9と、これらタービン7の羽根車7aとコンプレッサ9の羽根車9aとを連結するシャフト8とを有する。タービン7は、エンジン本体2から排出された排気ガスで駆動される。シャフト8は、タービン7の駆動を受けて回転される。コンプレッサ9は、シャフト8の回転により駆動され、吸気管3内の吸気を過給する。
切替弁20は、過給機6のコンプレッサ9への吸気を大気から圧縮空気に、または圧縮空気から大気に切り替えるスライド式シャッター弁で、エアシリンダ11により操作(開閉動)される。切替弁20は、例えば図2に示すように、吸気管3と大気導入側吸気管31とを連通する第1通路21と、吸気管3と圧縮空気供給管57を連通する第2通路22とを有する弁箱23と、この弁箱23にエアシリンダ11により移動自在に設けられ、第1通路21を開放して(開く)第2通路22を遮断し(閉じ)、または第1通路21を遮断して第2通路22を開放する弁体24とからなる。
第1通路21と第2通路22は、互いに平行に延びる平行部分27を有する。平行部分27には、板状に形成された弁体24が交差するように配置されている。弁体24は、エアシリンダ11のロッド12に一体に取り付けられている。また弁体24には、第1の連通孔25と第2の連通孔26とが形成されている。第1の連通孔25は、第1通路21側に形成されており、第2の連通孔26は、第2通路22側に形成されている。図2では、第1の連通孔25と第2の連通孔26との間隔が、第1通路21と第2通路22との間隔より大きく設定されて形成されている。このため弁体24は、図2(a)に示すようにロッド12が伸長して第1の連通孔25が第1通路21と一致したとき、第1通路21を開放すると共に第2通路22を遮断し、図2(b)に示すようにロッド12が収縮して第2の連通孔26が第2通路22と一致したとき、第2通路22を開放すると共に第1通路21を遮断する。
エアシリンダ11は、常時は復帰スプリング(図示せず)によりロッド12が伸長している。したがって、切替弁20は、常時は図2(a)に示すように吸気管3と大気導入側吸気管31とを連通する側に切り替わっており(第1通路21を開放して第2通路22を遮断)、大気がエアクリーナ32から大気導入側吸気管31、第1通路21、吸気管3を介してコンプレッサ9に供給されるようになっている。
エアタンク51は、接続管58を介して圧縮機50に接続されている。圧縮機50は大気を圧縮し、この圧縮された大気(圧縮空気)がエアタンク51に貯留される。またエアタンク51には、蓄圧された圧縮空気を過渡運転時にコンプレッサ9に供給するために、圧縮機50とは反対側に圧縮空気供給管57が接続されている。圧縮空気供給管57は、一端がエアタンク51に接続され、他端が切替弁20(第2通路22)に接続されている。エアタンク51内を、仕切板54にて圧縮機50側の上流室52と切替弁20側の下流室53とに仕切ると共に、仕切板54にオリフィス56を設けて上流室52と下流室53とを連通させている。オリフィス56は、エアタンク51の出口55よりも小さく形成する。オリフィス56の径は、後述するように上流室52の圧力でエアシリンダ11を駆動させたとき、エンジンの吸気工程より短い時間で切替弁20を切替動作する圧力(例えば0.32MPa)以上を保持する径に形成される。過渡運転時にエアタンク51内の圧縮空気をコンプレッサ9に供給するとき、上流室52から下流室53に流れる圧縮空気の量と、下流室53から圧縮空気供給管57に流れる圧縮空気の量とに差が生じ(「上流室52→下流室53に流れる量」<「下流室53→圧縮空気供給管57に流れる量」)、上流室52の圧力降下は、下流室53の圧力降下よりゆるくなる。
ここで下流室53よりも圧力の高い上流室52内の圧縮空気を使ってエアシリンダ11を駆動させることで、切替弁20の開閉動作を行うための速さを確保することができる。本実施形態では、上流室52とエアシリンダ11とをエアシリンダ駆動用空気供給管13で接続し、下流室53と切替弁20(第2通路22)とを圧縮空気供給管57で接続し、上流室52の圧縮空気でエアシリンダ11を駆動している。エアシリンダ駆動用空気供給管13には、過渡運転時に上流室52の圧縮空気をエアシリンダ11に供給するための開閉弁14が接続されている。開閉弁14を開くと、エアシリンダ駆動用空気供給管13が開放され、上流室52の圧縮空気がエアシリンダ駆動用空気供給管13を通ってエアシリンダ11に供給され、復帰スプリング(図示せず)を押し縮めてロッド12を収縮させる。これによって切替弁20は、図2(b)に示すように吸気管3と圧縮空気供給管57とを連通する側に切り替わり(第1通路21を遮断して第2通路22を開放)、下流室53の圧縮空気が圧縮空気供給管57、第2通路22、吸気管3を介してコンプレッサ9に供給されるようになっている。
このように本実施形態の過給補助装置5は構成されているので、エンジンの過渡運転時において、開閉弁14を開くことにより上流室52の圧縮空気がエアシリンダ11に供給され、復帰スプリング(図示せず)を押し縮めてロッド12を収縮させ、切替弁20を大気導入側吸気管31側から圧縮空気供給管57側に切り替えて下流室53内の圧縮空気を圧縮空気供給管57を介して吸気管3に供給することができ、コンプレッサ9の回転を補助(促進・助成)することができる。
吸気経路の切替にスライド式シャッター弁である切替弁20を使用し、この切替弁20の切り替えには、下流室53よりも圧力の高い上流室52からの圧縮空気を使ったエアシリンダ11を使用するため、急速な開閉が可能となり、速やかに下流室53からの圧縮空気を吸気管3に供給でき、コンプレッサ9の回転速度を迅速に上昇させることができ、エンジンの過渡運転時のターボラグを短縮することができる。
内燃機関の通常運転時には、開閉弁14を閉じてエアシリンダ駆動用空気供給管13を遮断することで、エアシリンダ11は復帰スプリング(図示せず)によりロッド12が伸長し、図2(a)に示すように切替弁20は、大気導入側吸気管31と吸気管3とが連通する側に切り替わり、エアクリーナ32からの大気を吸気管3に供給することができる。
このように本発明の内燃機関の過給補助装置によれば、シャッター式の切替弁の急速な開閉が可能であり、しかも車載用エアタンクの増加を防止でき、エアタンクの蓄圧時間の長期化を防止することができる。
次に図3から図5に基づきタンク61内に仕切板64を設けない場合と、設けた場合のタンク61内の圧力の経過を計算した比較について説明する。計算は、圧縮空気を蓄圧したタンク61に穴65が開いており、その穴65から大気へと空気が流れた場合のタンク内圧の経過を計算した。
計算を行なうに当って、図3に示すような簡単なモデルを考え、両室間でのガスの移動量とその結果としての各室の圧力変化及びガス温度の変化を求める。図3は、高圧側上流室62と低圧側下流室63をガス通過面積Aで連通した後の圧力と温度の変化を時間経過に沿って計算する例を示すもので、高圧側上流室62の初期圧、容積、初期ガス温度をそれぞれP1:kg/m2、V1:m3、T1:kとし、低圧側下流室63の初期圧、容積、初期ガス温度をそれぞれP2:kg/m2、V2:m3、T2:kとし、両室間を繋ぐガスの通過面積をAm2としている。また単位量当りのガス定数を29.272kgm/kgkとする。計算において、圧力P1,P2の単位系はkg/m2を用いる。
計算は以下の手法で行なう。
(1)両室62,63の圧力比を計算する。状態方程式を用いて各室の初期のガス量(G1,G2)を計算する。
(2)上流室62より下流室63に微小時間(dt)に移動するガス量(dG)を計算する。上記(1)とラバル圧力比(臨界圧力比)の関係よりチョークの有無を調べ、使用する式を決める。
(3)ガスと共に移動する熱量(dU)を計算する。
(4)上流室62は、ガスの移動(dG1:マイナス)によって生じる微小圧力の変化(dP:マイナス)とガス温度の変化(dT:マイナス)を計算する。
(5)下流室63は、ガスの移動(dG2:プラス −dG1=dG2)及び熱量の移動(dU)によって生じる微小圧力の変化(dP:プラス)とガス温度の微小変化(dT)を計算する。
(6)変化前の圧力P、ガス温度Tに対し微小変化分dP,dTを加えることで、ガス移動後の圧力P、ガス温度Tを求める。
(7)以上の計算を微小時間ごとに繰り返す。
以下に詳細を述べる。
上記(1)にて、連絡穴66前後の絶対圧より圧力比を求める。圧力比がラバル圧力比よりも小さい場合には、連絡穴66を通過するガスの速度は音速になる。したがって、ラバル圧力比の前後で計算に用いる式が異なる。各室62,63内に充填されているガスの重量は状態方程式PV=GRTより求める。本式では、P:kg/m2、T:ケルビン、R=29.272kgm/kgk、容積V:m3を用いている。
上記(2)にて、上流室62から下流室63に微小時間(dt)に移動するガスの重量を計算する。幾何学的面積Aに流量計数0.8を掛けて有効面積とする。上記(1)で計算した圧力比がラバル圧力比より大きい場合のときには、ガスの流速は以下の式を用い、
Figure 0005605161
ラバル圧力比より小さい場合には
Figure 0005605161
にて求める。微小時間dtでの移動量は、上式より求めたガス流量速度(dG/dt)にdtを掛けて求める。
上記(3)にてガスの移動に伴う各室よりの内部エネルギ(U)の移動を計算する。このとき、Uは単位重量当りの熱量で表す。上流室62より下流室63に流出するガス量をdG1(符号はマイナス)、下流室63に流入するガス量をdG2とすると、dG1+dG2=0の関係にある。ガス移動前の上流室62と下流室63の内部エネルギは0k基準として各室の充填ガス量G1×定圧比熱Cv×ガス温度Tkで表す。ガスの移動前の上流室62及び下流室63の内部エネルギをそれぞれUh,Ulとすると系全体の総内部エネルギはUh+Ulとなる。ガスの移動に伴い、上流室62から下流室63に内部エネルギとしての△Uh=Uh×dG1の移動がある。上流室62ではガス移動により内部エネルギの総量は低下するが単位重量当りの内部エネルギは変わらない。下流室63では上流室62より流入ガス×dG2と共に単位内部エネルギが流入するので単位重量当りの内部エネルギが変化する。このことを式で表現すると
(U1×G1+U2×G2)=(Cv1×dT1+U1)×(G1+dG1)+(Cv2×dT2+U2)×(G2+dG2)
となる。dT1を計算できればdT2が計算できることになる。
上記(4)にて、上流室62よりdG1のガスが流出した場合の圧力低下分を計算する。ガス移動前の圧力をP0とし、ガス移動後の圧力をPとする。dG1の変化後に圧力はP0となるように体積を減少させ(V1′)、その後に体積を初期値(V1)に膨張させると考えると計算の過程が分かり易い。このときに変化が断熱的に起こっているとするとV1′=V1×(G1+dG1)/G1となる。PVγ=一定の関係より
dP1=P−P0=P0×((G1+dG1)/G1)γ−P0としてdP1を求めることができる。ガス移動前のガス温度をT1、ガス移動後をT1′とするとT1とT1′の間にはT1′=T1×(P/P0)(γ-1)/γ の関係があるので
dT1=T1×(P/P0)(γ-1)/γ−T1
となる。
上記(5)にて下流室63の状態を以下のように計算する。
(U1×G1+U2×G2)=(Cv1×dT1+U1)×(G1+dG1)+(Cv2×dT2+U2)×(G2+dG2)
上式とdG1+dG2=0の関係より
Figure 0005605161
したがって、T2′=T2+dT2、G2′=G2+dG2であるので状態方程式より
dP2=(G2+dG2)・R・(T2+dT2)/V2−P2
上記(6)にて計算結果を求める。
T1′=T1+dT1、T2′=T2+dT2、P1′=P1+dP1、P2′=P2+dP2
2室のモデルではdT1,dT2,dP1,dP2のように変化分を求めずにそれぞれ計算できるが、3室以上の場合では個々に隣り合う2室の間で上記計算を行い、最終値は変化分を足し合わせて求めることが可能になる。
上記(7)において、上記(6)で求めた計算値を初期値として上記(1)から(6)を繰り返す。この一連の計算の流れをフローチャートで表すと図4で示すようになる。
ここで、図5(a)に示す初期条件、すなわちタンク61内に仕切板を設けない場合のタンク容積0.08m3、圧力6kg/cm2abs、タンク内温度30℃、出口穴65の直径25.4mm、大気圧力1kg/cm2abs、大気温度20℃で計算した結果を図6に示す。また図5(b)に示す初期条件、すなわちタンク61内にオリフィス66を有する仕切板64を設けた場合の上流室62及び下流室63それぞれのタンク容積0.04m3、圧力6kg/cm2abs、タンク内温度30℃、仕切板64のオリフィス66の直径12.7mm、出口穴65の直径25.4mm,大気圧力1kg/cm2abs、大気温度20℃で計算した結果を図7に示す。図7に示す計算結果から、タンク61内にオリフィス66を有する仕切板64を設けることで、上流室62の圧力降下を抑えることができる。
ここで、図13(a)に示すように過給補助を行なったときのコンプレッサ出口圧の推移から、遷移開始から約0.5sec程度でコンプレッサの出口圧が遷移後の値になると分かる。このことから、過給補助は0.5secは行なう必要があると分かる。このとき、改善案では上流室62の圧力は、図7に示すように約4.5kg/cm2absとなる。図8に駆動圧力違いでエアシリンダが動作するのに必要な時間を示す。過給補助終了時の回転速度は、過給補助開始から0.5secの期間なので、図10(a)から1500rpmと推定される。このときのエンジンが半回転する時間は図13(c)から20msecであり、図8より20msecでエアシリンダ11を駆動させるには3.2kg/cm2absの圧力が確保できればよい。すなわち、図5(b)の上流室62の圧力を用いてもエアシリンダの駆動時間の変化は20msecで使用できるとわかる。
以上のことから、過給補助を行うときに、圧縮空気を蓄圧するタンク61内にオリフィス66を有する仕切板64を設けることで、車載するエアタンクを削減することが可能となる。
1 内燃機関
3 吸気管
4 排気管
5 過給補助装置
6 過給機
9 コンプレッサ
11 エアシリンダ
13 エアシリンダ駆動用空気供給管
14 開閉弁
20 切替弁
31 大気導入側吸気管
50 圧縮機
51 エアタンク
52 上流室
53 下流室
54 仕切板
56 オリフィス
57 圧縮空気供給管

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸排気管に過給機を接続し、その過給機のコンプレッサの上流側の大気導入側吸気管に、圧縮空気供給管を介してエアタンクを接続し、そのエアタンクに大気を圧縮して供給する圧縮機を接続し、前記大気導入側吸気管と前記圧縮空気供給管の接続部に、大気と圧縮空気とを切り替える切替弁を設け、過渡運転時に前記切替弁を前記大気導入側吸気管から前記圧縮空気供給管に切り替えてエアタンク内に蓄圧された圧縮空気を前記コンプレッサに供給する内燃機関の過給補助装置において、
    前記切替弁をスライド式シャッター弁とし、その切替弁の開閉動にエアシリンダを用い、
    前記エアタンク内を、仕切板にて前記圧縮機側の上流室と前記切替弁側の下流室とに仕切ると共に、該仕切板にオリフィスを設けて上流室と下流室とを連通させ、
    前記上流室と前記エアシリンダとをエアシリンダ駆動用空気供給管で接続すると共に該エアシリンダ駆動用空気供給管に、前記過渡運転時に前記上流室の圧縮空気を前記エアシリンダに供給する開閉弁を接続したことを特徴とする内燃機関の過給補助装置。
  2. 過渡運転時に前記エアタンクの圧縮空気を前記コンプレッサに供給するとき、前記上流室から下流室に流れる圧縮空気の量が、該下流室から前記圧縮空気供給管に流れる量より少なくなるように、前記オリフィス径を前記下流室の出口径より小さく形成した請求項1記載の内燃機関の過給補助装置。
  3. 前記オリフィス径は、前記上流室の圧力で前記エアシリンダを駆動させたとき、エンジンの吸気工程より短い時間で前記切替弁を切替動作する圧力以上を保持する径に形成される請求項2記載の内燃機関の過給補助装置。
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